JP2008055158A - 多線源反転幾何型計算機式断層写真法(ct)のための解析的再構成の方法 - Google Patents

多線源反転幾何型計算機式断層写真法(ct)のための解析的再構成の方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画質を犠牲にすることなく反転幾何学的構成計算機式断層写真法(「IGCT」)システムのFOVを拡大する。また、一様なコーン角、走査される関心領域全体での一様な線束分布、及び一様な画像雑音を提供する。
【解決手段】IGCTサイノグラムを、先ず「z」において、次いで「xy」において組み換えることにより処理し、「xy」組み換え時にフェザリングを施す。これにより、多重軸第三世代サイノグラムの等価物が生成され、この等価物をさらに、平行導関数及び/又はヒルベルト変換を用いて処理することができる。また、TOM窓(フェザリング付き)手法及び結合された逆投影手法を適用して、再構成された容積を生成することもできる。
【選択図】図21

Description

本発明の分野は、X線スキャナに関し、さらに具体的には、多線源反転幾何型CT(「IGCT」)システムに関する。
最新型のCTスキャナは、単一のX線源及び大面積のX線検出器を実装した第三世代アーキテクチャに基づくものである。X線検出器は、一次元で通常は彎曲した検出器セルのアレイであってよく、ファン・ビーム幾何学的構成を結果として生ずる。軸走査(アキシャル・スキャン、すなわち患者テーブルがガントリ回転時に移動しない)では、この結果は完全に平面状のデータ集合となり、このデータ集合に対して二次元(「2D」)フィルタ補正逆投影(FBP)を施すことができる。再構成は理論的には厳密であり、可能性のあるあらゆる画像アーティファクトは、量子雑音、エイリアシング、ビーム・ハードニング、及び散乱放射線のようなスキャナの物理的制限に由来し得る。
1980年代初頭に、螺旋型(ヘリカル型又はスパイラル型)CTシステムが登場した。かかるシステムは、ガントリ回転時に患者テーブルを並進させることにより、さらに高速にデータを取得するものであった。螺旋CTシステムでは、生のCTデータが典型的には、テーブル並進を行なわないで取得されたかのような2D平面状のデータ集合となるように補間されて、2D FBPが施される。
1990年頃から、マルチ・スライス又は多列検出器型CTシステムが、高品質の医療スキャナの標準的なCTアーキテクチャとなった。検出器は、検出器セルの多数の横列すなわち二次元アレイを有し、コーン・ビーム幾何学的構成を結果として生ずる。これらの幾何学的構成は平面状のデータ集合を生じないため、2D画像再構成アルゴリズムは正確な走査幾何学的構成に基づくものとはならず、コーン・ビーム・アーティファクトを生ずる場合がある。軸走査モードでは、Feldkamp、Davis及びKressが2Dファン・ビームフィルタ補正逆投影(FBP)をコーン・ビーム幾何学的構成に合わせて改造した三次元(「3D」)コーン・ビーム再構成アルゴリズム(「FDKアルゴリズム」)を提案した。FDKアルゴリズムは、中央の平面の近く及び回転中心の近くでは良好に作用するが、アーティファクトが生じて、コーン角が増すにつれて悪化する。40mm被写域のスキャナ(典型的には約4°のコーン角に対応する)では、かなりのアーティファクトが生じ、特にz=−20mmスライス及びz=20mmスライスに向かうにつれて増大する。生のCTデータは実際には、3D軸走査においては基本的に不完全であり、従って、考えられ得る最善のアルゴリズムであっても場合によってはアーティファクトを結果として生ずる。
一方、螺旋コーン・ビーム走査では、データは基本的に完全であり(但し、テーブル速度がガントリ回転速度及びスライス厚に比較して大き過ぎないことを条件とする)、従って、厳密な再構成が可能である。FDKアルゴリズムは螺旋走査モード向けに改造されているが、非厳密な再構成又は近似的な再構成を結果として生ずる。このため、特殊なフィルタ線に沿ってフィルタ処理演算を行ない、続いて逆投影を行なう厳密な3D螺旋コーン・ビーム再構成アルゴリズム(「Katsevitchアルゴリズム」)が開発されている。Katsevitchアルゴリズムに関連する欠点は、かかるアルゴリズムは、検出器表面が連続的にサンプリングされると仮定していること、及びかかるアルゴリズムは他の関連する制限を有することである。
上述のファン・ビーム幾何学的構成及びコーン・ビーム幾何学的構成に関連するもう一つの欠点は、各々の形式の幾何学的構成が、限定された視野(「FOV」)を有していることである。ファン型幾何学的構成では、FOVは走査可能な対象の区域であり、線源及び検出器がこの走査可能な対象の周囲を回転すると同時にX線ビームを絶えず受光する区域である。FOVの外部の幾つかの画像ボクセルでは、投影データは不完全である。結果的に、FOVの寸法、及びこのFOVが如何に多くのアーティファクト(存在するとして)を含んでいるかが重要であり、目標はFOVを可能な限り大きくして可能な限り多くのアーティファクトをなくすことである。従来のCTシステムでは、FOVの寸法は、X線検出器の軸横断方向(トランス・アキシャル)の寸法に比例している。検出器が大面積になるほどFOVも大きくなり、逆もまた真である。検出器の寸法が大きくなるほどFOVも大きくなるが、このことを具現化するのは技術的に困難であり、高経費である。
さらに大面積の検出器を用いて視野(FOV)をカバーすることに対する代替として、反転幾何型(Inverse Geometry)計算機式断層写真法(IGCT)システム100(図1に示す)が開発されており、このシステム100は、小面積の検出器101を大面積の分散型線源102と組み合わせて用いており、分散型線源102には、多数のX線点源103が軸横断方向(xy平面内)及び長手方向(z軸に沿った方向)にアレイ状に配列されている。各々のX線点源103が、異なる時刻にファン・ビーム(又はコーン・ビーム)104を放出し、投影データ(例えばサイノグラム)105が検出器101によって捕獲される。加えて、検出器101、分散型線源102、及びファン・ビーム(又はコーン・ビーム)104は、回転軸107を中心として軸回転することもできる。検出器101によって捕獲された投影データ105は、視野106内の関心対象を再構成するように処理される。公知の組み換え(リビニング)アルゴリズムを用いて、これらの投影データを平行射線投影に組み換えることができる。
軸横断方向では、好ましくはアイソセンタを中心とした円弧に沿って多数のX線点源103が配置されており、全ての対応するファン・ビーム(又はコーン・ビーム)104が、アイソセンタ集束型検出器によって従来の第三世代システムに適合するように回転されるようになっている。これにより、完全コーン・ビームへの厳密な組み換えが可能になり、また一様なビーム・プロファイルを達成する助けとなる。得られるデータ集合は、多数の長手方向にオフセットされた第三世代データ集合に再配列され又は組み換えられることができる。z方向に分散された多数のX線点源103向けに開発されたアルゴリズムを、従来の第三世代CTによる多数の長手方向にオフセットされた軸走査に適用することもできるし、逆もまた真である。アイソセンタを中心とした円弧に沿って線源を配置することはこれらの理由から望ましいが、検出器を中心とした円弧及び平坦なアレイのような他の構成を用いることもできる。
多線源投影データ組み換えの実施形態を図2及び図3に示す。図2では、多線源IGCTシステム200が単一のX線検出器アレイ201及び複数のX線点源203を含んでおり、X線点源203は、X線検出器201から予め決められた半径に、アイソセンタを中心とした円弧に沿って配列されている。利用時には、各々のX線点源203がビーム202、204を検出器201に投射する。各々のビーム202、204がサイノグラム(図示されていない)を形成する。このように、図2から認められるように、多線源IGCTシステム200からの生の投影データは、X線点源203によって生成される一群のサイノグラムを構成する。
図3には、従来の第三世代CTシステム300が示されており、このシステム300は、アイソセンタを中心とした円弧に沿って整列した少なくとも2基の検出器アレイ301から予め決められた距離に配置された単一のX線源303を含んでいる。図2及び図3を比較すると、IGCTシステム200のビーム202が第三世代CTシステム300のビーム302に対応しており、IGCTシステム200のビーム204が第三世代CTシステム300のビーム304に対応していることが分かる。結果的に、図2のビーム202、204に対応しており同じ軸横断平面に位置しているサイノグラムを結合して、組み換え工程によって再配列させることができる。同じ軸横断平面に位置する各々のX線点源203が、アイソセンタを中心とした同じ円に配置される(例えば図3の単一の点源303によって占められる点までシフトされる)ときに、厳密な組み換えが可能になる。図3が示すように、得られる組み換え後のサイノグラムは、多数のフラット・パネル検出器301がアイソセンタを中心とした円306に沿って配置されている第三世代システムからのサイノグラムに厳密に対応する。
多線源IGCT3D組み換えは、(1)z組み換え、(2)軸横断方向(xy)組み換え、及び(3)部分(サブ)ビューの間のフェザリングという三つの手法の任意のもの(又はこれらの組み合わせ)を用いることができ、これらの手法の各々について以下でさらに詳細に説明する。
z組み換え手法は、IGCT投影データを例えば線源集束型検出器幾何学的構成に組み換える。例えば、各々のサイノグラムを、1D線形補間を補外と併用して組み換えることができる。新たな線源−アイソセンタ間距離に依存して、全ての情報を捕獲するためにさらに大きい検出器高さが要求される場合がある。
軸横断方向(xy)組み換え手法はさらに、IGCT投影データを線源集束型検出器による第三世代幾何学的構成に組み換える。軸横断方向組み換えを実行するためには、各々の射線について中心からの角度及び距離を算出して、所望の幾何学的構成になるように補間することができる。
隣り合った部分(サブ)サイノグラムに跨がって検出器アレイのエッジでの各測定値の間に何らかの不整合が生じ得るような状況では、「フェザリング(feathering)」と呼ばれる工程を用いる。この不連続を軽減するために、僅かに大きい検出器を用いることができ、隣り合った部分サイノグラムの間に幾分かの重なりが生ずるようにする。重なり合ったチャネルに線形で増減する加重を乗算し、隣接する部分サイノグラムからの加重後のチャネルと足し合わせる。
図4は、組み換えによる第三世代サイノグラム402を生成するように組み換え且つ/又はフェザリングした多線源IGCT投影データ401を示す。
上述の組み換えが実行された後に、得られる多数の第三世代サイノグラムはz軸に沿ってオフセットされたX線点源103に関連する(図5に示す)。従って、任意の従来の3Dコーン・ビーム再構成アルゴリズム(FDK等)を用いて、第三世代データ集合の各々を再構成することができる。z軸における異なる線源からの多数のサイノグラムを用いて、この投影データを結合すると、単一の第三世代データ集合よりも良質の再構成が得られる。このことは、長手方向にオフセットされたデータからの付加的な情報を用いてデータ不足によるコーン・ビーム・アーティファクトを少なくすることができるので、特に真である。また、z方向に分散された多数の線源を用いると、コーン・ビーム・アーティファクトのせいで画質を犠牲にすることなく走査範囲を拡大することができる。
図6は、図5の組み換え後のマルチ・スライスIGCT投影データを再構成する方法を示す図600である。図6を参照すると、さらに正確な再構成を生成するようにサイノグラム情報を結合する一つの方法は、画像領域においてデータを結合するものである。先ず、各々のデータ集合(各々の線源z位置)に対応するスライス601、602、603、604、605、606、607、608及び609を、各々のデータ集合毎に一組ずつのスライス(又は再構成された容積)が得られるように、再構成する。図6では、各々のデータ集合610、620、630が3組のスライスを含んでいる。例えば、第一のデータ集合610はスライス601、602及び603を含んでいる。第二のデータ集合620はスライス604、605及び606を含んでいる。第三のデータ集合630はスライス607、608及び609を含んでいる。次いで、これら3組のデータ集合を最も近接した線源からのスライスのみを用いることにより結合するか、又は加重平均を施すことにより結合する。例えば、z軸に沿った3個の線源の場合には、中央の線源からの再構成は、最上のスライス及び最下のスライスにおいてコーン・ビーム・アーティファクトを蒙る。しかしながら、最上の線源からの再構成容積はアーティファクト不含の最上のスライスを提供し、最下の線源についても同様である。従って本質的に、この実施形態では、あらゆるz位置について各々の線源に関連した3個の再構成容積からの最良のスライス601、605、609が選択されて、単一の容積640になるように結合される。
補正を行なわなければ、このアプローチは幾つかの不都合な特性を有する。第一に、幾何学的構成が、非対称のコーン角を有している。説明の目的で3個の線形に隣り合ったX線点源を考えると、最も外側のX線点源は、中央のX線点源の2倍の大きさのコーン角を各々有する。第二に、容積の幾つかの部分が、他の部分よりも多いX線放射を受光し、この線量の幾分かは効率的に用いられず、画像雑音が非一様となる。
画質を犠牲にすることなくIGCTシステムのFOVを拡大する方法が依然必要とされている。かかる方法の実施形態はまた、理想的には、一様なコーン角、走査される関心領域全体での一様な線束分布、及び一様な画像雑音を提供するものとする。
多線源反転幾何型構成計算機式断層写真法(「IGCT」)スキャナを用いて取得されるX線投影データ(例えば1又は複数のサイノグラム)を再構成する方法の実施形態を開示する。第一の方法の実施形態は、IGCTサイノグラムを、先ず「z」において、次いで「xy」において組み換えることにより処理し、「xy」組み換え時にフェザリングを施す。これにより、多重軸(マルチ・アキシャル)第三世代サイノグラムの等価物が生成され、この等価物をさらに平行導関数及び/又はヒルベルト変換を用いて処理することができる。また、TOM窓(フェザリング併用)手法及び結合逆投影手法を適用して、再構成された容積を生成することができる。第二の方法の実施形態は、IGCTサイノグラムを、平行導関数及び/又は冗長加重を用いて処理する。また、第二の方法はシグナム(signum)加重、TOM窓掛け(フェザリング併用)、逆投影、及びヒルベルト変換反転を用いて、再構成された容積を生成することもできる。「シグナム加重」との用語は、関数を用いて正の値には1を、また負の値には−1を返す加重方法を指す(関数の一例は次式f(x)=signφである。)。当業者には認められるように、「ヒルベルト変換」及び「ヒルベルト変換反転」との用語は互換ではない。ヒルベルト変換はそれ自体の反転(逆変換)を有するが、ヒルベルト変換が画像領域において実行されるときには、データは無限領域にわたって利用可能である訳ではないので単純なコンボリューションを用いていたのでは変換を行なうことができない。従って、画像領域において実行されるヒルベルト変換を「ヒルベルト変換反転」と呼ぶ。
必要に応じて、図面の一つに示す(且つ/又は本書に記載されている)1又は複数の方法ステップを他の添付図面の任意のものに示す(且つ/又は本書に記載されている)1又は複数の方法ステップと任意の適当な順序で結合する(且つ/又は実行する)ことができる。
本発明の実施形態は、IGCTシステムによって得られる投影データを解析的に再構成して、上で議論した従来のアプローチを凌ぐ多くの利点を提供するものである。かかる一つの利点は、画質を犠牲にせずにIGCTシステムの視野(「FOV」)を拡大する能力である。他の利点としては、一様なコーン角、走査される関心領域全体での一様な線束分布、及び一様な画像雑音を提供することが挙げられる。
これらの利点及び他の利点は、軌跡対向写像窓(trajectory opposite mapping。以下、「TOM窓」)と呼ばれる手法を用いることにより、部分的に達成され得る。TOM窓は、幾つかの螺旋再構成アルゴリズムに用いられている公知のTAM窓の改変である。TAM窓は、窓の発明者の一人であるKwok Tamに因んでこのように呼ばれており、螺旋形の線源軌跡の検出器への投影として定義される。TAM窓を用いる場合にはTAM境界(例えば螺旋形の線源軌跡の投影の各エッジ)によって局限される検出器の部分(1又は複数)のみを用いて、所望の容積を再構成する。TOM窓はTAM窓の概念を修正すると共に拡張して、z方向にオフセットされた多重円取得を扱えるようにしたものである。
図7及び図8は各々、TOM窓方式の再構成の実施形態をそれぞれ示す図700、800であり、TOM窓方式の再構成は、アイソセンタを中心とした円弧の周囲に配列されているX線点源によって形成される対称なコーン角を用いる。図7及び図8に図示され本書に記載されている実施形態では、単純化のために単一の(z)軸に沿って分散した3個のX線点源705、706、707のみを示す。しかしながら、同じ原理を単一の軸に沿って分散した2以上のX線点源での実施形態、及び軸横断方向に分散された2以上の円弧に位置する2以上のX線点源での実施形態に適用することができる。
図7を参照して述べると、一組103の隣接するX線点源705、706、707がz方向に沿って配設されており、単一のX線検出器701から予め決められた距離だけ離隔して設けられている。患者(又は評価対象)711が、一組103の点X線源705、706、707とX線検出器701との間に出入り自在に配置されている。点X線源705、706、707の各々によって放出されるX線704は、患者の身体の目標域703を透過した後にX線検出器701に入射する。
X線点源705、706、707から放出されるX線704は、対称なコーン角708、709、710をそれぞれ形成している。図7は対称なコーン角708、709、710の対称性を説明する目的でX線704の同時発生を図示しているが、実際には、各々のX線点源705、706、707は異なる時刻に起動されてよいことを理解されたい。
図8を参照すると、隣り合った点X線源705及び706(図7からのもの)が、それぞれの対称なコーン角708及び709と共に示されている。図7及び図8に示すTOM窓掛けの概念は、目標域703(図7)が、1個の点X線源(705)からのX線を約2分の1回転の後の隣接したX線点源(706)からのX線で接ぎ合わせることにより、完全に網羅され得るとの事実に基づいている。
一実施形態では、TOM窓は、図8に示すような2個の隣り合ったX線点源705、706からの各ビームの間に重なりが存在しないように選択される。代替的には、軸横断方向の場合と全く同様に、幾分かの重なりが存在していてもよく、この場合には、幾分かのフェザリングを施せばよい。この重なりの有無を問わず(専ら単純化のために、また説明のみの目的で)、相補的なX線点源705、706からの対称なコーン角708、709は、TOM窓境界の間の投影データが容積全体を再構成するのに十分なものとなるように相接している。このことは、隣り合ったX線点源705、706からの射線がアイソセンタ801において互いに交わることを意味している。
図8に示すようにTOM窓手法を適用した後に、隣り合ったX線点源からの投影データは、長手方向走査範囲の相互に排他的な部分をカバーしており、この特定の検出器コリメーションは幾つかの利点を提供する。第一に、全てのX線点源が、同等の(又は実質的に同様の)最悪ケースのコーン角を有する。第二に、評価対象/被評価体の目標域の全体にわたるX線束が極めて一様になる。最後に、呼応して、画像雑音が相対的に一様になる。このように、本書に説明するTOM窓掛け手法の実施形態を適用することにより、対象の目標域にわたって相対的に一様なX線量を達成することができる。目標域にわたって一様なX線束を達成すると、患者が過多の放射線を浴びるのを防ぐという利点ばかりでなく、投与線量の効率を高めるという利点も提供される。
図9は、図7に図示したX線点源705、706及び707についてのTOM窓境界711、712を示す図900である。図7及び図9の実施形態では、中央のX線点源706について、2本の軸方向軌跡(1本は最上のX線点源707からの軌跡で、もう1本は最下のX線源点705からの軌跡)を物理的な検出器701に投影することができる。これら投影された軌跡が、検出器701の最上部及び最下部の境界を成すTOM境界711、712を形成する。例えば中央のX線点源706については、考えるべき3箇所の区域がある。検出器701の第一の区域は、最上のTOM境界711(例えば最上のX線点源707の軌跡の投影)の外部の領域713である。検出器701の第二の区域は、二つのTOM境界711、712の間の領域714である。検出器701の第三の区域は、最下のTOM境界712(例えば最下のX線点源705の軌跡の投影)の外部の領域715である。この実施形態では、その検出器701への投影が領域713内に位置しているようなボクセル(又は画像容積の任意の点)を再構成するときには、最上のX線点源707からのデータ716がここでは代用される(且つこの特定の角度についてはさらに十分な又はさらに完全な情報を提供することも期待される)ので、この特定のビューは用いられない(すなわちこのビューの逆投影はこのボクセルには適用されない)。同様に、ボクセルの投影が領域715に位置する場合には、最下のX線点源705からのデータ717がここでは代用されるので、このビューは逆投影されない。
もう一つの実施形態では、TOM窓掛けはフィルタ処理後のサイノグラムに二値マスクを適用することにより達成され得るが、このアプローチは量子化アーティファクトを蒙る。もう一つの実施形態では、TOM窓は、各々のビューについての各々のボクセルの逆投影時に当該ボクセルがTOM窓の内に投影されるか否かを決める判定を下すことにより具現化され得る。この具現化形態は、量子化誤差が少ないが、計算量が多い。図10の図1000は、TOM窓方式の逆投影の一実施形態において、X線点源の環705、706からの幾つかのビューが如何にボクセルXに寄与し、他のビューは寄与していないかを示している。
〔平行導関数及びヒルベルト変換〕
公知のFDK再構成アルゴリズムは、フィルタ処理ステップにおいて傾斜フィルタを採用しており、完全軸走査では良好に作用している。しかしながら、傾斜フィルタを用いることは、上述のように分断した線源経路切片がTOM窓掛けを介して結合されているときには最早最適ではない。従って、本発明の一実施形態は、(第一のステップにおいて)検出器横列に沿った導関数を線源座標における導関数と結合することにより平行導関数(別名「ビュー依存型導関数」)を算出し、次いで(第二のステップにおいて)ヒルベルト変換を施すという異なる有利なアプローチ(例えば方法)を提供する。
この方法の一実施形態では、ビュー導関数は、インターレース状のサンプリング位置において算出され得る。例えば、軸走査が単にピッチ=0の螺旋走査であることに注意して、F. Noo, J. Pack, D. Heuscher, “Exact Helical Reconstruction Using Native Cone-Beam Geometries,” Phys. Med. Biol., vol. 48 (2003), pp. 3787-3818に記載されているように螺旋形軌跡についてインターレース状の間隔でビュー導関数を算出する手法を用いることができる。しかしながら、他の実施形態では、ビュー導関数を算出することについて当業者に公知の他手法を用いてもよい。
加えて、ヒルベルト変換を検出器の横列に直接沿った半ピクセル移動を併用して施すことができる(やはり上の論文に記載されている方法)。一実施形態では、この方法は、微分したサイノグラムをヒルベルト変換のカーネルと畳み込みして、結果を、横列方向に沿ってピクセルの2分の1だけずらしたサンプル位置に帰属させることにより達成され得る。
従って、傾斜フィルタ方式のアプローチでは現われる可能性のあった不連続なビュー加重の結果としてのアーティファクトを混入させずに、本書に記載するTOM窓掛け手法の実施形態を利用することが可能である。
〔導関数逆投影(DBP)アプローチ〕
図11は、上述した平行導関数及びヒルベルト変換手法の実施形態の流れ図1100であり、この手法は、以下の方法ステップを含むものとして要約することができる。すなわち、(1101)投影データを、少なくとも第三世代CTシステムと互換性のある形態に組み換えるステップ、(1102)平行導関数を算出してヒルベルト変換を施すステップ、並びに(1103)TOM窓掛け及び/又はフェザリングを併用して逆投影するステップである。第一の方法のステップ1101は、補間に頼っているのでデータの品質を劣化させ得る。しかしながら、導関数逆投影(「DBP」)アプローチを含めるように方法1100を修正すると、ヒルベルト変換が投影領域ではなく画像領域(逆投影後の)において施される。これにより、導関数ステップのみが投影領域において適用されるものとして残り、導関数は局所的な演算であるので、各々の軸横断方向のX線点源についての逆投影を、他のX線点源からのデータに独立に実行することが可能になる。このようにして、組み換えステップ1101が不要になる。
図12は、本書に記載されているTOM窓手法及びDBPアプローチを結合した方法1200の実施形態である。方法1200は、以下に述べる各方法ステップを含み得る。すなわち、各々のX線点源に対応するデータを独立に微分する方法ステップ1201。ステップ1201において「データを独立に微分する」との文言は、1箇所の線源位置に対応するデータについてもう1箇所の線源位置のデータとは独立に微分を行なうことを指す。行なわれる微分は、ビュー依存型導関数を用いる(すなわち計算は、1よりも多いビューを含むが、これらのビューは同じ線源点に由来する)。方法1200はさらに、軸横断方向でのデータの重なりを勘案するように加重を施すステップ1202を含み得る(一実施形態では、この加重は、上述の関連技術のアルゴリズムの組み換えステップのフェザリング部分に用いられる加重と同じであってよい)。ステップ1202は、各々の微分されたデータ点を、選択された線に対する当該データ点の対応する射線の配向に基づいて1又は−1のいずれかで加重することを含み得る。一実施形態では、加重ステップ1202は、微分されたデータにシグナム(sin(α−α))を乗算することにより実行することができる。ここで、αはファン角度であり、αはヒルベルト変換が実行された方向に平行な方向(又はヒルベルト変換反転の方向に直交する方向)を目指す射線のファン角度である。一実施形態では、射線のファン角度は、+y方向を目指していてもよい。(代替的な実施形態では、ヒルベルト変換反転の方向が反転されていることを条件として、−y方向を用いることもできる)。方法1200はさらに、ヒルベルト変換反転の方向に直交する方向に対する射線の方向を勘案するように、得られるデータに加重するステップ1203を含み得る。方法1200はさらに、本書に記載されているTOM窓掛け手法の実施形態を適用するステップ1204を含み得る。方法1200はさらに、3D逆投影を実行するステップ1205を含み得る。方法1200はさらに、予め画定されている一組の線に沿ってヒルベルト変換反転を実行するステップ1206を含み得る。方法1200はさらに、再構成された容積を出力するステップ1207を含み得る。再構成された容積は、反転幾何型計算機式断層写真法(「IGCT」)システムによって走査された対象の三次元表現となり得る。方法1200はさらに、逆投影時にTOM窓掛けエッジにフェザリングを施すステップ1208を含み得る。
一実施形態では、本書に記載されている様々な方法に関して本書で参照される多数のX線点源は、少なくとも長手方向に分散されていてよい。加えて、少なくとも長手方向に分散された多数のX線点源はさらに、多数の軸横断方向X線点源を含んでいてよい。多数の軸横断方向X線点源は、アイソセンタを中心とした円弧に沿って分散され得る。
ヒルベルト変換反転を施すのに用いられ得る手法の一例が、F. Noo, R. Clackdoyle and J. Pack, “A two-step Hilbert Transform method for 2D Image Reconstruction,” Phys. Med. Biol., vol. 49 (2004), pp. 3904-3923に記載されている。但し、他の実施形態では、予め画定されている一組の線に沿ってヒルベルト変換反転を施す他手法を用いてもよい。
〔離散的ビュー・サンプリング〕
実際の走査時には有限な数の離散的ビュー・サンプルしか採取されないため、上で参照された二値窓掛け演算はアーティファクトを発生し得る。このことを考察するために、図13の図1300及び図14の図1400を考える。図13を参照すると、再構成点Xが示されている。線1301(「一般化されたパイ線」と呼ぶ)が、再構成点Xを通り、またこの点Xに対応している。本書で用いられる「一般化されたパイ線」との用語は、両端点を線源軌跡上に有する線分を指す。「パイ線」との用語も同様であるが、この用語は典型的には、螺旋型線源軌跡にしか用いられない。
線源標本(星で示す)1303及び1304は、パイ線1301の両端において、再構成点Xの同じ側に配置されている。U字形切片1302(「パイ切片」と呼ぶ)が、再構成点Xの反対側に延在し、さらに二つの線源標本1305及び1306を通って、パイ線1301の両端を結んでいる。
パイ線1301の両端点は、パイ切片1302の直ぐ内側の一対の線源標本1305及び1306に対するよりもパイ切片1302の直ぐ外側の一対の線源標本1303及び1304の方に近い。しかしながら、離散的なTOM窓掛けの適用は、線源標本1303及び1304からの情報を完全に拒絶する。これにより、真のパイ線1301を、両端点がパイ切片1302に位置する破線1307(例えばサンプリングによるパイ線)であるものとして実効的に近似する。サンプリング1307によるパイ線の一方の端点は、パイ切片1302において線源標本1305との間に位置し、サンプリング1307によるパイ線の他方の端点は、パイ切片1302において線源標本1306及び真のパイ線1301の他方の端点との間に位置する。
図14は、フェザリング領域1401を示す図であり、この領域をTOM窓境界711、712に適用して、このアーティファクト(例えばサンプリング1307によるパイ線)を軽減することができる。一実施形態では、フェザリング領域1401は、フェザリング付き窓掛け演算を用いて作成され得る。
図15は、フェザリング付き窓掛け演算を実行する方法の実施形態を示す流れ図1500である。ステップ1501において、フェザリング距離を画像領域において画定することができる。次いで、ステップ1502において、このフェザリング距離をX線検出器に投影することができる。このようにして、(図13及び図14を参照して)X線点源がパイ切片1302の内部に移動するにつれて所与のボクセルXについて用いられる加重が、X線点源がパイ切片1302の外部に移動するにつれて同じボクセルXについて用いられる加重と両立的になる。ここで用いられる「両立的(compatible)」との用語は、X線源点の任意の位置での加重と、共役位置(例えば回転軸に平行な一つの平面をボクセルX及びX線点源の最初の位置の両方と共有する位置)での加重との和が1となることを意味する。フェザリング窓が検出器において画定されていたら、この整合性は存在することができなかった。
ここで、フェザリング演算を実行する方法の実施形態の一例についてさらに詳細に説明する。(x,y,z)に位置するボクセル位置V、並びに(x,y,z+k)に位置するV+及び(x,y,z−k)に位置するV−の2個の点を考える。点V+はVの直上に位置し、点V−はVの直下に位置する。これらの点の検出器への投影をそれぞれP、P+及びP−と表わす。P+及びP−が両方ともTOM窓の内部に位置しているときには、逆投影の前にデータに加重1を与える。P+及びP−が両方ともTOM窓の外部に位置しているときには、逆投影の前に加重ゼロを適用する(すなわちVへの逆投影を行なわない)。2個の点の一方のみがTOM窓の内部に位置しているときには、内部に位置する点をPと表わし、外部に位置する点をPと表わす。TOM窓と、P及びPを結ぶ線分との交点に位置する点を、Pと表わす。そして、「R」をPとPとの間の距離のPとPとの間の距離に対する比と定義する。説明のために、PがTOM窓の境界に位置しているときにR=0.5とし、PがTOM窓の内部に位置しているときにRは0.5よりも大きく、PがTOM窓の外部に位置しているときにRは0.5よりも小さいものとする。次いで、Rを加重(W)へ変換し、次いで、逆投影の前のデータと乗算する。線形フェザリング演算を用いる場合には、W=Rとする。一般的には、W=f(R)であり、fは領域[0,1]にわたってf(0)=0及びf(x)+f(1−x)=1となるように定義された連続関数(好ましくは増加関数)である。例えば、fを(1−cos(π*x))/2と定義することができる。
上の議論では、kはフェザリング・パラメータにzにおけるボクセル離隔距離を乗算したものである。kがゼロに近付くにつれて、二値TOM窓掛けの例が達成される。フェザリング・パラメータ1を用いると、上で述べた離散的ビュー・サンプリング問題における残差が回避されることが判明した。一実施形態では、フェザリング・パラメータ1を用いると、任意の再構成点についてV+とV−との間の距離が厳密にボクセル2個分となることを示すことができる。
図16は、フェザリング付き窓掛け演算を実行するもう一つの方法の実施形態を示す流れ図1600である。逆投影の内側ループは、ボクセル(1又は複数)のz位置(1又は複数)にわたって実行される。これにより、V+及びV−との間のz距離が一つの(x,y)位置を共有する全てのボクセルについて一定となるため効率が高まる。
図16を参照して述べると、ステップ1601では、逆投影演算におけるフェザリングの具現化形態が、多重軸CTデータ集合における各々の投影されたデータ点がフェザリング領域に位置するか否かを試験する付加的な「if」文を内部に含めることにより、逆投影演算又はTOM窓掛け演算において達成され得る。フェザリング領域は、TOM窓境界の両側に、予め決められた距離にわたって延在していてよい。換言すると、フェザリング領域の実施形態は、TOM境界に位置するバッファ領域の狭い帯となる。後で説明するように、TOM境界の明らかに内部に位置する幾つかの点は全加重を受け、TOM境界から明らかに離隔して外部に位置する幾つかの点はゼロ加重を受ける。曖昧なバッファ領域に属する幾つかの点を「フェザリング領域」と呼び、これらの点は部分加重を受ける。
ステップ1602において、TOM窓境界から離隔して内部に位置する点は、全加重で受け入れることができる。ステップ1603において、TOM窓境界の外部に位置する点は、無加重で拒絶することができる。ステップ1604において、点がフェザリング領域内に位置する場合には、カレントのビューは、点が位置している実際の位置とTOM窓掛け境界との間の距離を算出することにより呼応して加重され得る。一つの具現化形態では、加重は、線形補間によって与えられることができる。しかしながら、当業者に公知の他形式の補間を用いてもよい。
以上の説明は、説明の目的のみのためのものであり、このアルゴリズムを具現化する方法のみを示すものではない。寧ろ、他の実施形態では、当業者に公知の他の方法及び/又は上述の方法の改変を用いてよい。
〔多重スポット・インターバルTOM窓掛け〕
図17は、多重スポット・インターバルTOM窓掛けを実行する方法の実施形態を示す流れ図1700である。流れ図1700によって表わされる方法ステップは、少なくとも図15及び図16に関して上に記載したTOM窓掛けアプローチの実施形態を用いて、軸方向に離隔した軸走査からのデータを結合し得ることを示す。例えば、(上述のように)隣り合った軸走査についての放射線コーンがスキャナ回転軸において隣り合うようにコーン角が選択される場合には、所与のボクセルを再構成するためには、このボクセルはさらに離隔した軸走査では測定されないので二つの最も近接した軸走査からのデータのみを用いればよい。しかしながら、(後述するように)コーン角が走査離隔距離よりも著しく大きい場合には、より大きい距離だけ軸方向にオフセットされた走査からのデータを結合することが望ましい。このことは、上述のTOM窓掛けアプローチを適用する再構成手法を用いて行なわれ得るが、より大きいTOM窓によって行なわれる。説明例としては、上述よりも長手方向にさらに離隔するように2個の線源が選択される場合には、TOM窓の大きさは前よりもさらに大きくなる。このように、2個の隣り合った線源を選択する代わりに、2個の隣り合った線源から形成されるTOM窓よりも大きいTOM窓を形成するように2個の線源を任意に選択することができる。
ステップ1701において、元のTOM窓の場合と同様に、予め選択された走査の上方の軸走査経路及び同じ予め選択された走査の下方の軸走査経路のX線検出器への投影によって、各々の軸走査について、より大きいTOM窓の境界が形成される。しかしながら、ステップ1702において、より大きいTOM窓について、用いられる/選択されるのは隣り合った走査経路ではなく、互いから2走査分以上離隔した走査経路である(実際の数は検出器によって捕獲され得るTOM窓の寸法によって制限される)。ステップ1703において、さらに必要とされる調節は、最終画像における値(例えばCT値、画像ピクセル値等)を上方TOM窓境界と下方TOM窓境界との間の走査の数の2分の1で除算することのみである。例えば、上方TOM窓境界及び下方TOM窓境界が各々、考察している走査から3走査分離隔しているような一実施形態では、上方境界走査と及び下方境界走査との間の合計距離は6走査となる。従って、画像を3で割る。次いで、ステップ1704において、図16のステップ1601、1602、1603及び1604に関して上で説明したフェザリング演算を、元のTOM窓の場合と同じようにして施すことができる。
選択随意のステップ1705において、外側走査のTOM境界を縮小して空間の所与の円筒の外部へのX線量の投与を回避することができる。かかる実施形態では、各々の最も外側の走査(ステップ1706)は、内部に多数のTOM窓を画定することを必要とし、これらの窓の各々が、もう一つの走査の投影によって境界付けられる。次いで、多数のTOM窓の各々に対し、異なる加重が与えられる(ステップ1707)。例えば、一実施形態では、最小のTOM窓には加重Nが与えられ、次の窓には加重N−1が与えられ、以下同様にすることができる(最大のTOM窓には加重1が与えられる)。
〔ラドン冗長性補償〕
スライス方式の再構成(セクション5)を含め、上のアプローチの全てが非厳密である。ボクセルが偶々X線点源の1個の平面に位置しており、他のX線点源からのデータが用いられない場合にのみ、アーティファクト不含となる。一方、画像雑音を最小にするためには、さらに大きいコーン角を有する射線を含めて所与のボクセルを通る全ての射線を用いることが望ましい。これにより雑音は減少するが、コーン・ビーム・アーティファクトが増大し得る。
図18は、コーン・ビーム・アーティファクトの増大を軽減しつつ、ラドン冗長性補償及び/又はフーリエ周波数補償を実行する方法の実施形態の流れ図1800である。ステップ1801において、非厳密性の程度は、各々のボクセル位置において当該ボクセルに交わる各々の平面に関連するラドン・データ(又はフーリエ・データも等価)に与えられる加重を算出することにより特性決定することができる。ステップ1802において、標準的なTOM窓掛けの場合には、データが利用可能である全ての平面に加重1が与えられ、他の全平面には、これらの平面に対応するデータは利用可能でないので加重0が適用される。結果として、データの加重を扱うことにより得られるものは殆ど又は全くない。しかしながら、他の場合には(インターバルTOM窓掛け等)、ラドン平面(又はフーリエ周波数)が何回ずつ測定されたかに依存して異なるようにこれらラドン平面(又はフーリエ周波数)に加重が施される(ステップ1803)。
このことは、他の平面よりも少ない回数で測定される平面の影響を拡大することにより、画像領域において適用される非定常的な演算子を用いて勘案され得る(ステップ1804)。同様の論法がフーリエ領域についても可能である。(ステップ1805)所与の平面について多数の周波数データが利用可能であるときに、これらのデータを、フーリエ変換空間の適用範囲(カバレッジ)によって決まるような方法で結合することができる。例えば、本書に記載されている方法の実施形態を、図6のCTシステム・アーキテクチャにおいて用い、且つ/又はかかるアーキテクチャを参照して説明することができる。例えば、方法1800の実施形態を図6のシステム・アーキテクチャにおいて用いた場合には、中央平面605は、中央の線源環605からのデータ、並びに外側の線源601及び609からのデータを用いて再構成され得る(方法1800のステップ1806)。一実施形態では、中央の線源環605からのデータのみを用いた再構成は厳密であるが、外側の線源601及び609からのデータのみを用いた再構成は、欠損した空間周波数のため正確でない。周波数空間で見ると、各々のデータ集合が、幾つかの空間周波数についての情報を寄与する。このように、方法1800の一実施形態では、中央の線源環605からのデータは全ての周波数についての情報を提供し、外側の線源601及び609からのデータは幾つかの周波数であるが全ての周波数ではない周波数からの情報を提供する。
一実施形態では、局所的な再構成を、これらの再構成に含まれる空間周波数情報に基づいて結合することができる(ステップ1807)ので、周波数加重された結合は全ての周波数に適当に加重するが、多数の線源環によって冗長にサンプリングされた周波数では比較的少ない雑音を与える。このことを達成する一つのアプローチは、画像領域のデータを所望のフーリエ加重の逆フーリエ変換である空間変化型カーネルと畳み込みするものである(ステップ1808)。
もう一つのアプローチは、各々異なる周波数内容を生ずる多数の方向において導関数投影データをヒルベルト変換して、可能な場合には寄与を合算すると1になるように結合することにより、同じ効果を達成する(ステップ1809)。例えば、第一のX線点源の平面に位置する1個のボクセルに注目して、次の4種の(非限定的で例示的な)方策によって得られる再構成を考える。
(A)X線点源1の経路に接する平面においてヒルベルト変換を施してX線点源1からのデータを用いると、全ての所望の周波数を与える。
(B)X線点源2の経路に接する平面においてヒルベルト変換を施してX線点源1からのデータを用いると、z方向に近い幾つかの周波数を消去する。
(C)X線点源2の経路に接する平面においてヒルベルト変換を施してX線点源2からのデータを用いると、z方向に近い幾つかの欠落周波数を有する。
(D)傾斜したヒルベルト変換と共にX線点源2からのデータを用いると、z方向に近い幾つかの欠落周波数を依然として有する。
例えば2*A−B+Cを結合すると、さらに一様な周波数内容が生ずる。一実施形態では、この方法を、他の平面での再構成については、検出器での位置に依存してA〜Dにおいてフィルタ処理方向の傾斜を変更し、呼応して結合することにより修正してもよい。
図19及び図20は、多重軸CTデータ集合について窓方式コーン・ビーム再構成の方法の実施形態のブロック図である。これらのCTデータ集合は、アイソセンタを中心とした円弧に沿って少なくとも長手方向に分散され得る多数のX線点源から放出される長手方向にオフセットされたX線ビームを用いて取得され得る。
図19は、組み換えを伴うTOM窓方式再構成アプローチを含む方法ステップの流れ図1900である。図19を参照すると、ステップ1901において、多線源IGCTサイノグラムが得られる。ステップ1902において、組み換え演算が「z」において実行される。ステップ1903において、フェザリング付き「xy」組み換え演算が実行されて、多重軸第三世代サイノグラム1904を得る。次いで、平行導関数及びヒルベルト変換を用いて多重軸第三世代サイノグラム1904を処理する(ステップ1905)。ステップ1906において、フェザリング付きTOM窓掛け演算を実行する(前述の通り)。ステップ1907において、前述の結合された逆投影手法の一つを用いて、フェザリング付きTOM窓掛け演算から得られるデータを再構成する。ステップ1902、1903、1905、1906及び1907の結果は、再構成された容積1908となる。前述の利点に加えて、再構成された容積1908は、実質的にアーティファクト不含となり得る。
図20は、組み換えを伴わないTOM窓方式再構成アプローチを含む方法ステップを示す流れ図2000である。ステップ2001において、多線源IGCTサイノグラムが得られる。ステップ2002において、前述のように、平行導関数及び冗長加重を用いて多線源IGCTサイノグラムを処理する。ステップ2003において、ステップ2002から得られるデータをシグナム加重、及びフェザリング付きTOM窓掛けを用いてさらに処理する(やはり前述の通り)。ステップ2004において、逆投影を実行する。ステップ2005において、ヒルベルト反転を実行する。ステップ2002、2003、2004及び2005の結果は、再構成された容積2006となる。前述の利点に加えて、再構成された容積2006は、実質的にアーティファクト不含となり得る。
図21は、多重軸反転幾何型CTデータ集合について解析的再構成を実行する方法2100の実施形態の流れ図である。方法2100は、多重軸反転幾何型CTデータ集合から投影データを得るステップ2101を含み得る。方法2100はさらに、ステップ2102を含むことができ、このステップ2102は、(a)1又は複数の軸横断方向にオフセットされたX線点源からのデータを第三世代データ集合に組み換えるステップ(ステップ2104)、(b)平行1又は複数の軸横断方向にオフセットされたX線点源の軌跡を平行化する導関数を投影データに適用するステップ(ステップ2105)、及び(c)導関数ステップの後の投影データ又は逆投影の後の画像データにヒルベルト変換を施すステップ(ステップ2106)の少なくとも一つを含み得る。方法2100はさらに、逆投影の前に又は逆投影時に投影データに軌跡対向写像(「TOM」)窓を適用するステップ2103を含み得る。一実施形態では、TOM窓は、投影データに対し半ピクセル・シフトを併用して適用され得る。方法2100はさらに、アーティファクト不含又は実質的にアーティファクト不含である再構成された容積を出力するステップ2107を含み得る。再構成された容積は、反転幾何型計算機式断層写真法(「IGCT」)システムによって走査された対象の三次元表現となり得る。
〔用語集〕
本書で用いられる以下の用語は、少なくとも以下の非限定的な定義を含み得る。
長手方向に:回転軸の方向に整列して。説明例としては、z方向に沿って。
軸横断方向に:回転軸(説明例としては、z軸)に垂直な二つの次元を横断して及び/又はかかる平面(xy平面)内で。
ファン・ビーム幾何学的構成:単一のX線源及び線形アレイ(1D)検出器を有する第三世代CT幾何学的構成。
コーン・ビーム幾何学的構成:単一のX線源及び多列(2D)検出器を有する第三世代CT幾何学的構成。
軸走査:患者テーブルの移動を伴わない回転走査。
螺旋走査:患者テーブルの移動を伴う回転走査。
組み換え(リビニング):新たな取得幾何構成又は取得座標を有するシステムに対応するデータ集合の再構成。
フェザリング:部分的に重なり合う二組のデータ集合の加重又は寄与を次第に変化させて、これらのデータ集合の間に平滑な移行を達成する処理。
アイソセンタを中心とした円弧:中心がCTスキャナの回転軸に位置しているような円弧。
回転ガントリ・システムを参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の実施形態はまた、対象が回転するテーブル・トップ・システムに適用することもできるし、投影幾何学的構成が上述の幾何学的構成と同様である又は類似したその他任意の医用スキャナ又は非医療スキャナに適用することもできる。
本発明の様々な実施形態の詳細な説明を掲げた。しかしながら、本発明の範囲内にある改変は、上で参照した技術的分野の業者には明らかであろう。かかる業者は、一実施形態に関して記載した特徴が他の実施形態にも適用され得ることを認められよう。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
多線源IGCTシステムの三次元遠近図である。 図1の多線源IGCTシステムにおいて多数の個々の点X線源によって発生されるX線ビームの幾何学的構成を示す図である。 単一のX線源のみ及び多数のX線検出器を有する第三世代CTシステムによって得られる投影データに対応するように図2のIGCTシステムからの投影データが如何にして厳密に組み換えられ得るかを示す図である。 2種の図を含んでおり、一方は生の多線源IGCTデータを表わす図、他方は組み換え演算の後の多線源IGCT投影データを表わす図である。 図4の組み換え後の多線源IGCT投影データが如何にしてz軸に沿ってオフセットされたX線点源と関連付けられて、この後に従来の3Dコーン・ビーム再構成アルゴリズムを用いて再構成され得るかを示す図である。 マルチ・スライスIGCT画像データの再構成を実行する方法を示す図である。 アイソセンタを中心とした円弧の周りに配列されたX線点源によって形成される対称なコーン角を用いた軌跡対向写像(「TOM」)窓方式の再構成の実施形態を示す図である。 アイソセンタを中心とした円弧の周りに配列されたX線点源によって形成される対称なコーン角を用いた軌跡対向写像(「TOM」)窓方式の再構成の実施形態を示す図である。 図7に図示するX線点源についてのTOM窓境界を示す図である。 TOM窓方式の逆投影の一実施形態において、如何にして幾つかのビューが1個のボクセルに寄与し、他のビューが寄与しないかを示す図である。 平行導関数及びヒルベルト変換手法の実施形態の流れ図である。 TOM窓及びDBPアプローチを結合した方法の実施形態の図である。 実際の走査時には有限な数の離散的ビュー・サンプルしか採取されないため二値窓掛け演算がアーティファクトを生成し得ることを示す図である。 実際の走査時には有限な数の離散的ビュー・サンプルしか採取されないため二値窓掛け演算がアーティファクトを生成し得ることを示す図である。 フェザリング付き窓掛け演算を実行する方法の実施形態を示す流れ図である。 フェザリング付き窓掛け演算を実行するもう一つの方法の実施形態を示す流れ図である。 多重スポット・インターバルTOM窓掛けを実行する方法の実施形態を示す流れ図である。 ラドン冗長性及び/又はフーリエ周波数補償を実行する方法の実施形態の流れ図である。 組み換えを伴うTOM窓方式再構成アプローチを含む方法の実施形態を示す流れ図である。 組み換えを伴わないTOM窓方式再構成アプローチを含む方法の実施形態の流れ図である。 多重軸IGCTデータ集合について解析的再構成を実行する方法の実施形態の流れ図である。
符号の説明
100 反転幾何型計算機式断層写真法システム
101 検出器
102 分散型X線源
103 X線点源
104 X線ビーム
105 投影データ/サイノグラム
106 視野
107 回転軸
200 多線源IGCTシステム
201 検出器アレイ
202、204 X線ビーム
203 X線点源
300 第三世代CTシステム
301 検出器アレイ
302、304 X線ビーム
303 X線源
306 アイソセンタを中心とした円
401 多線源IGCT投影データ
402 組み換え後の第三世代サイノグラム
600 図
601、602、603、604、605、606、607、608、609 CTスライス
610 第一のデータ集合
620 第二のデータ集合
630 第三のデータ集合
640 単一の容積
700 図
701 X線検出器
703 目標域
705、706、707 X線点源
708、709、710 対称なコーン角
711(図7) 患者
711、712 TOM窓境界
713 TOM窓境界711の外部の領域
714 TOM窓境界711、712の間の領域
715 TOM窓境界712の外部の領域
716 X線源707からのデータ
717 X線源705からのデータ
800 図
801 アイソセンタ
1000 図
1100 方法の流れ図
1101、1102、1103 方法ステップ
1200 方法の流れ図
1201、1202、1203、1204、1205、1206、1207、1208 方法ステップ
1300 図
1301 パイ線
1302 パイ切片
1303、1304、1305、1306 X線源
1307 破線
1400 図
1401 フェザリング領域
1500 方法の流れ図
1501、1502 方法ステップ
1600 方法の流れ図
1601、1602、1603、1604 方法ステップ
1700 方法の流れ図
1701、1702、1703、1704、1705、1706 方法ステップ
1800 方法の流れ図
1801、1802、1803、1804、1805、1806、1807、1808、1809 方法ステップ
1900 方法の流れ図
1901、1902、1903、1904、1905、1906、1907、1908 方法ステップ
2000 方法の流れ図
2001、2002、2003、2004、2005、2006 方法ステップ
2100 方法の流れ図
2101、2102、2103、2104、2105、2106、2107 方法ステップ

Claims (24)

  1. 少なくとも長手方向に分散された多数のX線点源から放出される長手方向にオフセットされたX線ビームを用いて取得される多重軸(マルチ・アキシャル)計算機式断層写真法(CT)データ集合のための窓方式コーン・ビーム再構成の方法であって、
    前記多重軸CTデータ集合から投影データを得るステップ(2101)と、
    以下の少なくとも一つ
    (a)1又は複数の軸横断方向にオフセットされたX線源点からのデータを第三世代データ集合に組み換えること(2104)、
    (b)前記1又は複数の軸横断方向にオフセットされたX線点源の軌跡を平行化する導関数を前記投影データに適用すること(2105)、及び
    (c)前記導関数ステップの後の前記投影データ又は逆投影の後の画像データのいずれかにヒルベルト変換を施す(2106)こと
    を行なうステップと、
    反転幾何型計算機式断層写真法(「IGCT」)システムにより走査された対象の三次元表現である再構成された容積を出力するステップ(2107)と
    を備えた方法。
  2. 少なくとも長手方向に分散された前記多数のX線点源(705、706、707)は、多数の軸横断方向X線点源(705、706)をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記多数の軸横断方向X線点源(705、706、707)は、アイソセンタを中心とした円弧に沿って長手方向に分散されている、請求項2に記載の方法。
  4. 前記逆投影の前に又は逆投影時に、前記投影データに軌跡対向写像(「TOM」)窓を適用するステップ(2103)
    をさらに含んでいる請求項1に記載の方法。
  5. 半ピクセル・シフトを併用して前記ヒルベルト変換を施すステップ(1102)
    をさらに含んでいる請求項1に記載の方法。
  6. 1又は複数の軸走査(アキシャル・スキャン)で構成されており、少なくとも長手方向に分散された多数のX線点源から放出される長手方向にオフセットされたX線ビームを用いて取得される多重軸計算機式断層写真法(CT)データ集合を解析的に再構成する方法であって、
    各々のX線点源に対応するデータを独立に微分するステップ(1201)と、
    データの重なりを勘案するように、前記微分されたデータに加重を施すステップ(1202)と、
    ヒルベルト変換反転の方向に直交する方向に対する射線の方向を勘案するように、前記得られるデータに加重するステップ(1203)と、
    軌跡対向写像(「TOM」)窓掛けを施すステップ(1204)と、
    逆投影を実行するステップ(1205)と、
    予め画定されている一組の線に沿って前記ヒルベルト変換反転を実行するステップ(1206)と、
    反転幾何型計算機式断層写真法(「IGCT」)システムにより走査された対象の三次元表現である再構成された容積を出力するステップ(1207)と
    を備えた方法。
  7. 少なくとも長手方向に分散された前記多数のX線点源(705、706、707)は、多数の軸横断方向X線点源(705、706)をさらに含んでいる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記多数の軸横断方向X線点源(705、706、707)は、アイソセンタを中心とした円弧に沿って長手方向に分散されている、請求項7に記載の方法。
  9. 前記微分されたデータに加重を施す前記ステップ(1202)は、
    各々の微分されたデータ点を、前記選択された線に対する当該データ点の対応する射線の配向に基づいて1又は−1のいずれかで加重するステップ
    をさらに含んでいる、請求項6に記載の方法。
  10. 前記逆投影時に前記TOM窓掛けにフェザリングを適用するステップ(1208)
    をさらに含んでいる請求項6に記載の方法。
  11. 前記フェザリングのステップ(1208)は、
    データ点が、フェザリング領域内で且つTOM窓境界の内側に位置するか否かを試験する「if」文を含めるステップ(1601)と、
    前記フェザリング領域の外側に位置する点を全加重で受け入れるステップ(1602)と、
    前記フェザリング領域の外側で且つ前記TOM窓境界の外側に位置する点を無加重で拒絶するステップ(1603)と
    をさらに含んでいる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記全加重は、前記データ点が位置する実際の位置と前記TOM窓境界との間の距離を算出するステップ(1604)により算出される、請求項10に記載の方法。
  13. フェザリングを適用する前記ステップは、
    画像領域において、予め決められたTOM窓境界の両側にフェザリング距離を画定するステップ(1501)と、
    前記フェザリング距離をX線検出器に投影するステップ(1502)と
    をさらに含んでいる、請求項10に記載の方法。
  14. TOM窓掛けを施す前記ステップ(1204)は、
    多重軸CTデータ集合の各々の軸走査(アキシャル・スキャン)について、予め選択された走査経路の上方の軸走査経路及び前記予め選択された走査経路の下方の軸走査経路をX線検出器に投影することにより、TOM窓の上方境界及び下方境界を形成するステップ(1701)と、
    互いから2走査分以上離隔した走査経路を選択するステップ(1702)と、
    最終画像の値を、前記上方TOM窓境界と前記下方TOM窓境界との間の走査経路の数の2分の1で除算するステップ(1703)と、
    空間の予め決められた円筒の外部にX線量を投与することを回避するように、前記軸走査の1又は複数の外側走査経路のTOM窓境界を縮小するステップ(1705)と
    をさらに含んでいる、請求項6に記載の方法。
  15. 各々の外側走査経路において、その各々がもう1本の走査経路の投影により境界付けられる多数のTOM窓を画定するステップ(1706)と、
    前記多数のTOM窓の各々に異なる加重を割り当てるステップ(1707)と
    をさらに含んでいる請求項14に記載の方法。
  16. 1又は複数の軸走査で構成されており、アイソセンタを中心とした円弧に沿って少なくとも長手方向に分散された多数のX線点源から放出される長手方向にオフセットされたX線ビームを用いて取得される多重軸計算機式断層写真法(CT)データ集合を解析的に再構成する方法であって、
    前記多重軸CTデータ集合の内部のボクセル位置において、該ボクセル位置に交わる平面に関連するラドン・データ、及び前記ボクセル位置に交わる前記平面に対応する空間周波数に関連するフーリエ・データの少なくとも一方に与えられる加重を算出するステップ(1801)
    を備えた方法。
  17. ラドン・データが利用可能である平面に加重1を割り当てるステップ(1802)と、
    フーリエ・データが利用可能である周波数に加重1を割り当てるステップ(1802)と、
    他の全平面及び他の全周波数に加重0を割り当てるステップ(1802)と
    をさらに含んでいる請求項16に記載の方法。
  18. ラドン・データが利用可能である2以上の平面(例えば「ラドン平面」)に、該ラドン平面が何回ずつ測定されたかに依存して異なるラドン加重を割り当てるステップ(1803)と、
    フーリエ・データが利用可能である2以上の周波数(例えば「フーリエ周波数」)に、該フーリエ周波数が何回ずつ測定されたかに依存して異なる周波数加重を割り当てるステップ(1803)と
    をさらに含んでいる請求項16に記載の方法。
  19. 他のラドン平面よりも少ない回数で測定されるラドン平面の影響を拡大するステップ(1804)
    をさらに含んでいる請求項16に記載の方法。
  20. フーリエ変換空間の適用範囲(カバレッジ)により決まるようにして所与の平面について利用可能な多数の周波数データを結合するステップ(1805)
    をさらに含んでいる請求項16に記載の前記方法(1800)。
  21. 1個の中央X線点源からのデータ及び少なくとも2個の外側X線点源からのデータを用いて中央平面を再構成するステップ(1806)
    をさらに含んでいる請求項16に記載の方法。
  22. 局所的な再構成を、当該再構成に含まれるフーリエ周波数情報に基づいて結合するステップ(1807)であって、多数のX線点源により冗長にサンプリングされた周波数では比較的少ない雑音が与えられる、結合するステップ(1807)
    をさらに含んでいる請求項21に記載の方法。
  23. 前記画像領域における前記再構成された中央平面データを、前記割り当てられた周波数加重の逆フーリエ変換である空間変化型カーネルと畳み込みするステップ(1808)
    をさらに含んでいる請求項22に記載の方法。
  24. 導関数投影データを、各々が異なる周波数内容を生ずるような多数の方向においてヒルベルト変換するステップ(1809)と、
    前記ヒルベルト変換された導関数投影データを、合算すると1になるように結合するステップ(1809)と
    をさらに含んでいる請求項23に記載の方法。
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