JP2006314856A - 物体の断層写真画像を発生するシステム及び体積測定式計算機式断層写真法装置 - Google Patents

物体の断層写真画像を発生するシステム及び体積測定式計算機式断層写真法装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 患者の総走査時間を短縮させると共に高品質の画像スライスを発生させることのできる物体の断層写真画像を発生するシステム及び体積測定式計算機式断層写真法装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、一形態では、4ビーム螺旋走査によって取得されたデータを用いて画像再構成を行う装置(10)である。画像の再構成において、投影データ配列(54A、54B、54C、54D)が発生される。次いでこのような投影データは、加重係数によって加重され(56A、56B、56C、56D)、加重済投影データ配列(60A、60B、60C、60D)が発生される。加重済投影データ配列(60A、60B、60C、60D)は、フィルタ補正されると共に逆投影され(62A、62B、62C、62D)、画像データ配列(64A、64B、64C、64D)が発生される。次いで、各ビームについての画像データ配列を合計して(66)、スライス画像データ配列(68)が発生される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、一般的には計算機式断層写真法(CT)の作像に関し、更に具体的には、螺旋走査によって収集された投影データからの画像の再構成に関する。
少なくとも1つの公知のCTシステム構成では、X線源は扇形の(ファン)ビームを投射し、このビームは、デカルト座標系のX−Y平面であって、一般的に「作像平面」と呼ばれる平面内に位置するようにコリメートされる。X線ビームは、患者等の被作像物体を通過する。ビームは、物体によって減衰された後に、放射線検出器の配列に入射する。検出器配列において受け取られる減衰したビーム放射線の強度は、物体によるX線ビームの減衰量に依存している。配列内の各々の検出器素子は、検出器の位置におけるビームの減衰量の測定値である個別の電気信号を発生する。すべての検出器からの減衰測定値を個別に収集し、透過プロファイル(断面)を形成する。
公知の第3世代CTシステムでは、X線源及び検出器配列は、X線ビームが物体と交差する角度が定常的に変化するように、作像平面内で被作像物体の周りをガントリと共に回転する。1つのガントリ角度における検出器配列からの1群のX線減衰測定値、即ち投影データを「ビュー」と呼ぶ。物体の「スキャン」は、X線源及び検出器の1回転の間に様々なガントリ角度で形成された1組のビューで構成されている。軸方向走査の場合には、投影データを処理して、物体から切り取られた2次元スライスに対応する画像を構成する。1組の投影データから画像を再構成する1つの方法は、当業界でフィルタ補正逆投影(filtered backprojection)法と呼ばれている。この方法は、あるスキャンからの減衰測定値を、「CT数」又は「Hounsfield単位」と呼ばれる整数に変換し、これらの整数を用いて、陰極線管表示装置上の対応するピクセルの輝度を制御する。
複数のスライスを取得するのに要求される総走査時間を短縮するために、「螺旋」走査を実行することができる。「螺旋」走査を実行するためには、所定の数のスライスについてのデータが収集されている間に患者を移動させる。螺旋走査において取得されたデータから画像を再構成するのに利用され得る画像再構成アルゴリズムは、1995年5月9日に出願され本出願と共通の譲受人に譲渡された米国特許出願第08/436,176号に記載されている。
ファン・ビーム螺旋走査によって収集された投影データをP(θ,γ,z)と表記することができる。ここで、θは、何らかの基準(例えば、y軸)に対するファン・ビームの中心レイ(central ray)の角度であり、γは、中心レイに対するファン・ビーム内の特定のレイの角度であり、zは、測定の行われた時刻におけるガントリの軸方向位置である。実際の投影データが取得されない各々の位置z0 については、慣用されていると共に公知である螺旋再構成アルゴリズムが、z方向の1次補間を用いることにより位置z0におけるスライスについての生データを発生する。具体的には、P(θ,γ,z0 )を発生するためには、同じθ及びγにおける投影データであって、z0 になるべく近接しているが、zに関して両側にある投影データが用いられる。例えば、z1 及びz2 が、P(θ,γ,z)を知ることのできるzの値であり、z1 ≦z0 ≦z2であるとすれば、P(θ,γ,z0 )は、P(θ,γ,z1 )及びP(θ,γ,z2 )から以下の式を用いた1次補間によって推定され得る。
P(θ,γ,z0
=[(z2−z0 )/(z2 −z1 )]×P(θ,γ,z1
[+(z0 −z1 )/(z2 −z1 )]×P(θ,γ,z2 ) (1)
螺旋走査では、各々の360°の回転において同一のレイが2回測定されるので、即ち、P(θ,γ,z)=P(θ+2γ+180°,−γ,z)であるので、zサンプリングは実効的には2重化されている。このようにサンプリングが増大しているので、総走査時間を短縮することができる。
言うまでもなく、4ビーム螺旋走査において取得されたデータから、アーティファクトが低レベルであり又は少数である高品質の画像を提供する方式で画像を再構成することが望ましい。又、このような画像を再構成する総所要時間が短縮されることが望ましい。更に、データは必ずしもあらゆる軸方向位置で取得されないことがあるので、このような投影データを高品質の画像の発生を可能にする方式で推定するアルゴリズムを提供することも又、望ましい。
米国特許第4,580,219号
これらの目的及びその他の目的は、以下のようなシステムで達成され得る。即ち、本システムは、一実施例では、4ファン・ビーム螺旋走査における各々のファン・ビームによって収集された投影データから、投影空間データ配列を発生する。次いで、各々の配列内のデータは、患者の並進移動を補正すると共にデータの冗長効果を相殺するようにシステムによって加重される。その後、加重されたデータを用いて画像を再構成する。
具体的には、画像の再構成において、本システムは、作像されるスライスに関連するデータ平面に対応した投影データ配列を発生する。次いで、システムによって加重係数がデータ配列に対して適用されて、各々の特定のデータ要素に対して加重を割り当てる。次いで、加重された投影データ配列は、フィルタ補正されると共に逆投影されて、画像データ配列を発生する。その後、画像データ配列を合計して、スライス画像データ配列を発生する。
投影データが実際には測定されていない特定のz0 位置における特定のスライスについてのスライスの再構成に関して、一実施例では、特定のz0 に最も近接しているが、特定のz0 の両側にあるz位置についての投影データが同定される。次いで、同定されたz位置において収集された投影データを用いて、スライスについての投影データが推定される。その後、このような推定された投影データを用いてスライス画像を再構成することができる。
患者の4ビーム螺旋走査を用いることにより、患者の総走査時間が短縮されるという利点が得られる。更に、上述した画像再構成アルゴリズムにより、患者を載せたテーブルの並進速度が増大しても、高品質の画像スライスを発生することができるという利点が得られる。
図1及び図2を参照すると、計算機式断層写真法(CT)作像システム10は、「第3世代」CTスキャナにおいて典型的なガントリ12を含んでいるものとして示されている。ガントリ12は、X線源14を有しており、X線源14は、X線ビーム16をガントリ12の反対側にある検出器配列18に向かって投射する。検出器配列18は、検出器素子20によって形成されており、これらの検出器素子20は一括で、患者22を通過する投射されたX線を検知する。各々の検出器素子20は、入射するX線ビームの強度を表す、従って、患者22を通過する間でのビームの減衰量を表す電気信号を発生する。X線投影データを収集するための1スキャンの間に、ガントリ12及びこれに装着された構成部品は、回転軸24の周りを回転する。
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御される。制御機構26は、X線制御装置28と、ガントリ・モータ制御装置30とを含んでおり、X線制御装置28は、X線源14に対して電力及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御装置30は、ガントリ12の回転速度及び位置を制御する。制御機構26に設けられたデータ収集システム(DAS)32は、検出器素子20からのアナログ・データをサンプリングして、後続処理のためにこのデータをディジタル信号に変換する。画像再構成装置34は、サンプリングされてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取って、高速画像再構成を行う。再構成された画像は、計算機36への入力として印加され、計算機36は、大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
計算機36は又、キーボード付きコンソール40を介して、オペレータからの命令(コマンド)及び走査パラメータを受け取る。付設された陰極線管表示装置42によって、オペレータは、再構成された画像、及び計算機36からのその他のデータを観察することができる。オペレータが入力した命令及びパラメータを計算機36で用いて、DAS32、X線制御装置28及びガントリ・モータ制御装置30に制御信号及び情報を供給する。加えて、計算機36はテーブル・モータ制御装置44を動作させ、テーブル・モータ制御装置44は、モータ式テーブル46を制御して、ガントリ12内で患者22を位置決めする。具体的には、テーブル46は、患者22の部分をガントリ開口48内で移動させる。
図3に示すように、4ファン・ビーム・システムにおいては、4列の検出器が画定されている。X線ファン・ビームは実際には、z回転軸に沿って変位している4つのファン・ビームに分割されている。隣接したビームの中心同士の間の距離は、ガントリ回転軸で測定した場合にはDとなる。
図4には、画像再構成装置34が更に詳細に示されている。具体的には、DAS32からの各々のファン・ビームによるデータの各々のビューは、それぞれのプリプロセッサ52A〜52Dにおいて受け取られ、ここでそれぞれのビームは前処理されて、検出器及びチャンネルのゲインにおけるビーム・ハードニング(beam hardening)、オフセット及び変動等の様々な周知の誤差について補正される。又、負の対数も除去されて、投影データ配列54A〜54Dに記憶される投影データが得られる。
各々のビーム配列54A〜54Dについての投影データは読み出されて、対応する加重関数56A〜56Dが乗算器58A〜58Dにおいて適用される。加重された投影データは、加重済投影データ配列60A〜60D内の対応する位置に書き込まれ、この加重済投影データを参照番号62A〜62Dにおいてフィルタ補正すると共に逆投影して、ビームごとの画像データ配列64A〜64Dを発生する。
次いで、画像データ配列64A〜64Dは合計されて(参照番号66)、スライス画像データ配列68が発生される。具体的には、ビーム1の配列における各々のピクセルの大きさが、ビーム2、ビーム3及びビーム4の配列における対応するピクセルの大きさと合計される。得られたスライス画像配列68は、後の使用のために記憶させてもよいし、又はオペレータに対して表示してもよい。画像データ配列64A〜64Dの発生に続いてデータを合計する代わりに、データをフィルタ補正し逆投影する前に、同じガントリ(ビュー)角度からの投影であるが異なる各検出器列からのものである投影を結合することもできる。このような結合により、処理負荷を軽減することができる。
本発明は、一実施例では、4ビーム走査がいくつかの所定の条件下で実行されたときの加重済投影データ60A〜60Dの発生に特に関連している。以下の議論に関して、dは、ガントリ回転軸で測定された検出器の列間隔(z間隔)を表し、sは、テーブルの供給速度(1回転当たり)を表し、ρは、dとsとの比を表す、即ち、
ρ=d/s (2)
であるものとする。
図5に示すように、データ平面P1 、P2、P3 及びP4 は、再構成されるスライスPを、線L11 、L22 、L33 及びL44 において捕捉している。これらの線の関数は、
11: β1=−3ρπ
22 : β2=−ρπ
33 : β3=ρπ
44: β4=3ρπ (2)
と表すことができる。ここで、βは、ガントリ角度に等しい。線L11 、L22、L33 及びL44 は、「鏡映」線を有しており、以下のように+と−との組で表される。
β1± =−3ρπ±π−2γ
β2± =−ρπ±π−2γ
β3± =ρπ±π−2γ
β4± =3ρπ±π−2γ (3)
ここで、γは、検出器角度に等しい。
γm をファンの角度の2分の1と定義するとして、テーブル供給速度sと、検出器のz間隔dとが関係式(2π/(π−2γm))d<s<(4π/(π+2γm ))dを満たすときに、W1(β,γ)、W2(β,γ)、W3(β,γ)及びW4(β,γ)として表される各々のデータ・セットに適用される螺旋加重係数は、
W1(β,γ)=0 ……β≦β2-
W1(β,γ)=[(β−β2- )/(β1−β2- )]×α(x1
……β2- <β≦β1
W1(β,γ)=[(β−β3- )/(β1−β3- )]×α(x1
……β1<β<β3-
W1(β,γ)=0 ……β≧β3-
(5)
W2(β,γ)=0 ……β≦β3-
W2(β,γ)=(β−β3- )/(β2−β3- )……β3- <β≦β2
W2(β,γ)= w21 (β,γ)+w22(β,γ)
……β2<β<βM
W2(β,γ)=0 ……β≧βM
(6)
であり、ここで、
w21(β,γ)=0 ……β≦β2
w21(β,γ)=[(β−β1+ )/(β2−β1+ )]×α(x2
……β2<β<β1+
w21(β,γ)=0 ……β≧β1+
w22(β,γ)=0 ……β≦β2
w22(β,γ)=[(β−β4- )/(β2−β4- )]
×[1−α(x2 )] ……β2<β<β4-
w22(β,γ)=0 ……β≧β4-
であり、
W3(β,γ)=0 ……β≦βm
W3(β,γ)=w31 (β,γ)+w32 (β,γ)
……βm<β<β3
W3(β,γ)=(β−β2+ )/(β3−β2+)……β3≦β<β2+
W3(β,γ)=0 ……β≧β2+
(7)
であり、ここで、
w31(β,γ)=0 ……β≦β1+
w31(β,γ)=[(β−β1+ )/(β3−β1+ )]×α(x2
……β1+ <β<β3
w31(β,γ)=0 ……β≧β3
w32(β,γ)=0 ……β≦β4-
w32(β,γ)=[(β−β4-)/(β3−β4- )]
×[1−α(x2)] ……β4-<β<β3
w32(β,γ)=0 ……β≧β3
であり、
W4(β,γ)=0 ……β≦β2+
W4(β,γ)=[(β−β2+ )/(β4−β2+ )]
×[1−α(x3 )] ……β2+ <β≦β4
W4(β,γ)=[(β−β3+ )/(β4−β3+ )]
×[1−α(x3)] ……β4<β<β3+
W4(β,γ)=0 ……β≧β3+
(8)
である。方程式(5)〜(8)において、α(x)は、
α(β,γ)=α[x(β,γ)]
=3x2 (β,γ)−2x3 (β,γ) (9)
と定義され、ここで、
1=(β−β2- )/(β3- −β2-
2 =(β−β2)/(β3−β2)
3=(β−β2+ )/(β3+ −β2+
である。図6及び図7に、加重関数によって画定されるデータ平面内の領域が示されている。図7の斜線区域は、ある画像スライスを再構成するのに用いられる各々のデータ平面からのデータを表している。ファンの角度2γ=π/4について、上述の画像再構成アルゴリズムに関して演算可能な領域は、
(8/3)d<s<(16/5)d
である。
方程式(5)〜(8)に記述した加重関数は、連続である。しかしながら、このような方程式の各々の1次導関数は、境界線において不連続である。必要ならば、境界を横切る数チャンネル(〜10チャンネル)をフェザリング(feathering)することにより、この不連続性を排除することができる。
加重済投影データ配列60A〜60Dを作成するために一旦加重を行ったら、処理時間を短縮するために、同一のガントリ(ビュー)角度からの投影であるが異なる各検出器列からのものである投影を、フィルタ補正及び逆投影の前に結合することができる。データ列1のいくつかの投影ビューは、データ列4の対応する投影ビューから360°隔たっている。フィルタ補正の前に、これらのビューの対を更に結合して、処理負荷のいかなる不必要な増大をも排除することができる。
上述したアルゴリズムに関して、1つのスライスを再構成するために約5.5π分の投影データを前処理する必要がある。従来の走査(軸方向走査及び螺旋走査の両者)において1つの画像を再構成するのに必要とされていたデータの量と比較して、4ビーム螺旋走査では前処理の負荷が2.7倍増大する。
隣接したスライスを再構成するのに要求される投影データは、ビュー角度βの原点を垂直にシフトさせて、再構成される新たなスライスと整列させることにより同定され得る。殆どの場合、各々のデータ・セットにおいて、1つのスライスについてのデータと、隣接したスライスについてのデータとの間にはかなりの重なりが存在する。加重の前には、前処理はスライス位置に依存していない。従って、前処理(螺旋加重の行われていない)の結果を、後に再使用するためにバッファに記憶させることができる。これにより、多くの場合、特に遡及的(retrospective)再構成において、前処理の負荷が大幅に軽減し得る。
所望されるスライスのプロファイルが、データ及び上述の再構成アルゴリズムによって支持されるプロファイルよりも厚い場合には、所望されるスライスのプロファイル内の多数の薄いスライスを合計することにより、より厚いスライスを得ることができる。多数の薄いスライスが、それ自体では関心の持たれないものであるならば、対応する合計を投影領域において早期に実行することにより、多数の薄いスライスを再構成する中間工程を迂回(バイパス)することができる。これにより、計算負荷及び画像記憶負荷が軽減する。合成(resultant)加重関数は、データ平面がシフトされたときの対応する形式(ヴァージョン)の加重関数を合計することにより得ることができる。
代替的な螺旋再構成アルゴリズムを以下に記述する。本アルゴリズムは、諸々のマルチ・スライス・システムに適用可能であり、4列検出器での実施に限定されない。具体的には、螺旋走査での所与のビュー角度において、多重列検出器システムは、様々なz位置における多重列の測定値を提供する。これらの値をp(β,γ,z)と表し、ここで、βはビュー角度であり、γは検出器角度である。z1及びz2が、スライス位置z0に最も近く、且つz0の両側にあるこのビューからの2列の測定値の位置を表すならば、z0におけるスライスの正確な投影データをpz0(β,γ)と表せば、pz0(β,γ)は、
z0(β,γ)
=[(z0−z2)/(z1−z2)]×p(β,γ,z1)
+[(z1−z0)/(z1−z2)]×p(β,γ,z2) (10)
と推定され得る。各々のβ及びγについて、どの検出器列であるかに拘わらず、z0 に跨がる各々の値zについての投影データを用いてpz0(β,γ)を決定することができる。従って、異なる列が、異なるβ及びγの値についてz0 における投影データ・セットに寄与することがある。コーン・ビームの頂点、即ちX線の焦点が、再構成されるスライスとビュー角度β0で交差しているならば、このスライスは、周知の再構成アルゴリズムを用いてビュー角度β0に中心を有する2π分の推定データpz0(β,γ)から再構成され得る。このようなアルゴリズムには、標準的なファン・ビーム再構成アルゴリズム、又は米国特許第4,580,219号に記載されているファン・ビーム・アンダスキャン・アルゴリズムがある。又、Med. Phys.誌、第9号、第254頁〜第257頁(1982年)のD. L. Parkerによる「ファン・ビームCTのための最適ショート・スキャン畳み込み再構成」(Optimal Short Scan Convolution Reconstruction For Fan-Beam CT)に記載されたファン・ビーム・ハーフスキャン・アルゴリズムを用いて、やはりビュー角度β0に中心を有する(π+ファンの角度)分の推定データpz0(β,γ)からスライスを再構成することもできる。
推定データpz0(β,γ)に対してファン・ビーム・ハーフスキャン・アルゴリズム又はファン・ビーム・アンダスキャン・アルゴリズムを適用することにより、コーン・ビーム・アーティファクトを減少させ易くなる。ファン・ビーム・ハーフスキャン・アルゴリズムであれファン・ビーム・アンダスキャン・アルゴリズムであれ、これらによって導入される加重関数は、ビュー角度βと検出器角度γとの両者の関数である。
更にもう1つの代替的な推定アルゴリズムを以下に述べる。このアルゴリズムも又、マルチ・スライス・システムに適用可能である。具体的には、測定値と、測定値に適用される加重であって、所望されるスライスから測定値までのz距離に依存している加重との1次結合を、
Figure 2006314856
として利用することができる。ここで、iは、(θ,γ)における投影測定値の全体にわたって振られたインデクスである。加重関数w(z)の幅によって、スライスの厚み及び画像の雑音レベルが制御される。
加重関数w(z)の1つの可能な形状は、z=0における大きさが1であり、±Δにおける値がゼロである三角形である。尚、Δは、各々の(θ,γ)の値においてw(z)についてノン・ゼロ値を有する少なくとも1つの測定値が存在するように選択されなければならない。任意のw(z)に対して、所与の(θ,γ)についてのwのノン・ゼロ値の合計は、θ及びγと共に変化する。これは、方程式(11)の分母によって正規化される。Δが増大すると、スライスは厚くなると共に雑音レベルは低下する。スライス・プロファイルの形状は近似的には、w(z)とスライス方向のサンプリング開口との畳み込みとなる。
公知のように、360°の回転において、(θ,γ)の各々の対は2回ずつ測定され、P(θ,γ,z)=P(θ+2γ+180°,−γ,z)である。この対称性を用いて、方程式(11)と共に用いられる測定値P(θ,γ,zi )の数を増大させ、P(θ,γ,z0)を推定することができる。2つのzi 値についてのP(θ,γ,zi )の値は、各360°回転及び各検出器列から取得され得る。
例えばコサイン曲線又は3次曲線のような他のw(z)の形状を選択することもできる。ゼロ値の付近でなだらかな勾配を有するw(z)には利点があるものと考えられる。なだらかな勾配によって、検出器列が、投影データ・セットに対して漸次的に寄与を開始する、従って、相当のアーティファクト不感受性(immunity)を提供することが、より十分に保証される。
本発明の様々な実施例に関する以上の記述から、本発明の目的が達成されたことが明らかである。本発明を詳細にわたって記述すると共に説明したが、これらは説明及び例示のみのためのものであり、限定のためのものであると解釈してはならないことを明瞭に理解されたい。例えば、ここに記載したCTシステムは、X線源と検出器との両者がガントリと共に回転するような「第3世代」システムである。しかしながら、検出器が全環状の静止式検出器であって、X線源のみがガントリと共に回転するような「第4世代」システムを含めて他の多くのCTシステムが用いられ得る。更に、本発明は、厳密に4つの検出器列を有しているシステムと共に用いられるものと限定されているのでもない。従って、本発明の要旨は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
CT作像システムの見取り図である。 図1に示すシステムのブロック模式図である。 4ビームX線をz軸に沿った断面で示す模式図である。 図2のCT作像システムの部分を形成している画像再構成装置のブロック図である。 4つのデータ平面と画像スライスとの交差を示す図である。 データ平面と様々なデータ領域とを示す図である。 4つのデータ平面と、画像スライスを構成するのに利用される選択されたデータ領域とを示す図である。
符号の説明
10 CTシステム
12 ガントリ
14 X線源
16 X線ビーム
18 検出器配列
20 検出器素子
22 患者
24 回転中心
26 制御機構
28 X線制御装置
30 ガントリ・モータ制御装置
32 データ収集システム(DAS)
34 画像再構成装置
36 計算機
38 大容量記憶装置
40 コンソール
42 陰極線管表示装置
44 テーブル・モータ制御装置
46 モータ式テーブル
48 ガントリ開口
52A、52B、52C、52D プリプロセッサ
54A、54B、54C、54D 投影データ配列
56A、56B、56C、56D 加重関数
58A、58B、58C、58D 乗算器
60A、60B、60C、60D 加重済投影データ配列
62A、62B、62C、62D フィルタ補正及び逆投影
64A、64B、64C、64D ビームごとの画像データ配列
66 合計
68 スライス画像データ配列

Claims (3)

  1. (a)X線源(14)と、
    多重列検出器(18)とを有しているガントリ(12)と、
    (b)前記検出器(18)に接続されているデータ収集システム(32)と、
    (c)該データ収集システム(32)に接続されているプロセッサ(36)であって、該プロセッサ(36)は、位置z1及び位置z2において前記検出器列により測定された投影データを用いて位置z0についての投影データpZ0(β,γ)を推定するように構成されており、該プロセッサ(36)は、関係式pZ0(β,γ)=[(z0−z2)/(z1−z2)]×p(β,γ,z1)+[(z1−z0)/(z1−z2)]×p(β,γ,z2)
    を用いて前記投影データpZ0(β,γ)を推定するようにプログラムされている、プロセッサ(36)とを備えた体積測定式計算機式断層写真法装置(10)。
  2. 異なる列にある検出器(18)は、推定された前記投影データpZ0(β,γ)に寄与している請求項1に記載の体積測定式計算機式断層写真法装置(10)。
  3. 画像再構成装置(34)を更に含んでおり、該再構成装置(34)は、推定された前記投影データpZ0(β,γ)を利用して位置z0における画像スライスを発生するように構成されている請求項1に記載の体積測定式計算機式断層写真法装置(10)。
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