JP2008053851A - データ流入量制御装置及びデータ流入量制御方法 - Google Patents

データ流入量制御装置及びデータ流入量制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数ユーザが存在し、基地局においてスケジューリングが行われている状況において、適切に制御局から基地局へのデータ流入量の制御を行うデータ流入量制御装置及びデータ流入量制御方法を提供する。
【解決手段】移動通信システムは、複数の移動局と、複数の移動局宛てのパケットを中継する制御局と、制御局から送出された上記パケットを一時的にバッファに格納して複数の移動局に送出する基地局とから構成される。基地局は、複数の移動局の無線状態を取得し、複数の移動局に関するパケットの送信頻度を算出するMAC-hsレイヤ処理部2032と、複数の移動局の無線状態と、複数の移動局に関するパケットの送信頻度とに基づいて、制御局から基地局へのデータの送出量を制御するデータ送出量制御情報算出部2034とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、データ流入量制御装置及びデータ流入量制御方法に関する。
現在、普及している携帯電話のような移動通信システムでは、サービスエリア全体をセルと呼ばれる無線ゾーンに分割してサービスを行っている。このようなシステムは図1で示すように、セルをカバーする複数の基地局と、これらとの間に無線チャネルを設定して通信を行う移動局と、複数の上記基地局と上記移動局を管理する制御局によって構成されている。また、制御局は交換装置等を含む幹線網と接続されている。
このような構成においては、幹線網と移動局の通信における信号伝送は、制御局と基地局を経由して行われる。よって、幹線網・制御局と基地局間の有線区間と、基地局と移動局間の無線区間の中継を行う基地局は、幹線網・制御局から送られてくる信号を一時的にバッファリングする機能を有している。このバッファリング機能は、有線区間の伝送速度が、無線区間の伝送速度に比べて大きい場合に、有線区間からの信号をバッファリングすることを目的としている。
一方、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)や1x EV-DOなどの高速で大容量の下り高速パケット通信が標準化されており、また開発されている(例えば、非特許文献1および2参照)。このような高速パケット通信方式の主な特徴として、データ伝送を行っている移動局の無線状況に応じて、パケットの送信フォーマット、具体的には、パケットのデータサイズ、変調方式、コード数、符号化率等を適応的に変更する適応変復調・符号化方式が用いられている点がある。この適応変復調・符号化方式では、移動局の無線状況に応じて、時間的に無線伝送帯域が変動することになる。例えば、HSDPAでは、移動局と無線基地局との間の無線状態に応じて、パケットのデータサイズや変調方式、コード数を制御することにより、適応変復調・符号化方式を行っている。
また、上記HSDPAや1x EV-DOは、1つの無線伝送帯域を複数ユーザで共有するシステムであり、複数ユーザにおいて、時間多重、もしくは同一時間でのユーザ多重等により、1つの無線伝送帯域の共有利用を行っている。さらに、基地局が、通信相手である複数の移動局に対するパケットの送信順序を、各移動局の瞬時の無線品質に基づいて制御することによって、その基地局全体として提供できるスループット、いわゆるシステム収容能力を高めることができる。このような無線基地局によるパケットの送信順序制御は、スケジューリングと呼ばれ、パケットデータ伝送に適用することで、通信容量を増大させることができる。このように、1つの無線伝送帯域を複数ユーザで共有し、かつ、基地局においてスケジューリングを行う場合には、複数ユーザの数、及び、基地局のスケジューリングの仕方によって、各ユーザの無線伝送帯域は、時間的に大きく変動することになる。
ところで、上記構成のような移動通信システムの場合、無線区間の伝送帯域に比べ有線区間の伝送帯域が大きい場合は、中継する基地局の一時的なバッファにデータが溜まる傾向となり、無線区間の伝送帯域に比べ有線区間の伝送帯域が小さい場合は、中継する基地局の一時的なバッファにおいてデータが枯渇する傾向となる。中継する基地局の一時的なバッファは有限であり、バッファを溢れたデータは破棄されること、また、中継する基地局のバッファが枯渇することにより無線帯域を使い切ることが出来ないことから、無線区間の伝送帯域と有線区間の伝送帯域に差がある場合は、バッファオーバーフローによる信号破棄に起因する伝送効率の劣化、あるいは、バッファの枯渇による無線伝送帯域利用効率の低下が生じる。これら2つの問題を回避するには無線区間の伝送帯域と優先区間の伝送帯域をできる限り、合わせる制御が必要となる。
幹線網と移動局の通信における基地局での信号破棄の抑制の観点から、基地局でのバッファに滞留しているデータ量に基づいて、制御局から基地局へのデータ流入量制御を行う方法がすでに提案されており(特許文献1及び特許文献2参照、)、また高速パケット通信方法のような無線帯域が大きく変動するような通信システムにおいても、バッファ枯渇による無線帯域使用効率の劣化、及び、バッファ溢れによる信号破棄に起因する再送制御等の発生によるシステムの伝送効率の劣化を防ぐ方法が提案されている(特許文献3参照。)。この方式を用いることでバッファ滞留量をもって基地局へのデータ流入量を制限でき、基地局でのバッファのオーバーフローを回避することができる。
3GPP TR25.848 v4.0.0 3GPP2 C. S0024 Rev.1.0.0 特願2000-264390 特開2002-077987 特願2003-205404
しかしながら、上記従来技術では、上述したような1つの無線伝送帯域を複数ユーザで共有し、かつ、基地局においてスケジューリングを行う場合を考慮していないため、複数ユーザが存在し、基地局においてスケジューリングが行われている状況において、適切に制御局から基地局へのデータ流入量の制御を行うことができなかった。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、複数ユーザが存在し、基地局においてスケジューリングが行われている状況において、適切に制御局から基地局へのデータ流入量の制御を行うデータ流入量制御装置及びデータ流入量制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、複数の移動局と、複数の移動局宛てのパケットを中継する制御局と、制御局から送出された上記パケットを一時的にバッファに格納して複数の移動局に送出する基地局とから構成される移動通信システムに配置されるデータ流入量制御装置であって、(a)複数の移動局の無線状態を取得する無線状態取得手段と、(b)複数の移動局に関するパケットの送信頻度を算出するパケット送信頻度算出手段と、(c)複数の移動局の無線状態と、複数の移動局に関するパケットの送信頻度とに基づいて、制御局から基地局へのデータの送出量を制御するパケット送出量制御手段とを備えるデータ流入量制御装置であることを要旨とする。
第1の特徴に係るデータ流入量制御装置によると、複数ユーザが存在し、基地局においてスケジューリングが行われている状況において、適切に制御局から基地局へのデータ流入量の制御を行うことができる。
また、第1の特徴に係るデータ流入量制御装置は、基地局におけるバッファ内に滞留している、複数の移動局への送信待ちパケットの量を算出するバッファ滞留量算出手段を更に備え、パケット送出量制御手段は、複数の移動機の無線状態と、複数の移動局に関するパケットの送信頻度と、複数の移動局に関するバッファ滞留予定時間とに基づいて、制御局から基地局へのパケットの送出量を制御してもよい。
また、上記のデータ流入量制御装置は、複数の移動局の無線状態と、複数の移動局に関するパケットの送信頻度と、複数の移動局への送信待ちパケットの量とに基づいて、複数の移動局に関するバッファ滞留予定時間を算出するバッファ滞留予定時間算出手段を更に備えてもよい。
また、上記のデータ流入量制御装置は、複数の移動局nの無線状態を
Figure 2008053851
とし、複数の移動局nに関するパケットの送信頻度をfreqnとし、基地局におけるバッファ内に滞留している、複数の移動局nへの送信待ちパケットの量をbuffernとし、バッファ滞留予定時間算出手段は、複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timen
Figure 2008053851
に従って算出し、
複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timenから算出される、複数移動局nに関する係数Anを算出する係数算出手段を更に備え、パケット送出量制御手段は、複数の移動機の無線状態
Figure 2008053851
と、複数の移動局に関するパケットの送信頻度freqnと、複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timenから算出される係数Anとに基づいて、制御局から基地局へのパケットの送出量を制御してもよい。
また、上記のデータ流入量制御装置のパケット送出量制御手段は、制御局から基地局へのパケットの送出量を、
Figure 2008053851
により算出してもよい。
また、上記のデータ流入量制御装置の係数算出手段は、上記複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timenから算出される、上記複数移動局nに関する係数Anを、上記バッファ滞留予定時間Store_timenが大きい場合に小さく設定し、上記バッファ滞留予定時間Store_timenが小さい場合に大きく設定してもよい。
また、第1の特徴に係るデータ流入量制御装置の無線状態取得手段は、複数の移動局nの無線状態
Figure 2008053851
を、下りリンクの無線品質情報と、下りリンクの電力リソース及びコードリソースとから算出される、上記移動局nが所定の誤り率で受信可能なパケットサイズとして取得してもよい。
また、上記のデータ流入量制御装置のバッファ滞留予定時間算出手段は、複数の移動局nに関するパケットの送信頻度freqnを複数の移動局nの中で平均した値
Figure 2008053851
を算出し、複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timen
Figure 2008053851
に従って算出し、パケット送出量制御手段は、制御局から基地局へのパケットの送出量を、
Figure 2008053851
により算出してもよい。
また、第1の特徴に係るデータ流入量制御装置のパケット送信頻度算出手段は、移動局nに関するパケットの送信頻度freqnを、Allocatednを時刻tにおいて移動局nにパケットが送信された場合に1、パケットが送信されなかった場合に0となる値とし、τをパラメータとして与えられる忘却係数として、
freqn(t)=τ・freqn(t-1)+(1-τ)・Allocatedn
に従って算出してもよい。
また、上記のデータ流入量制御装置のバッファ滞留予定時間算出手段は、Freqを、Priority Class毎、サービス種別毎、あるいは、契約種別毎、あるいは、端末種別毎に、算出してもよい。
本発明の第2の特徴は、複数の移動局と、複数の移動局宛てのパケットを中継する制御局と、制御局から送出された上記パケットを一時的にバッファに格納して複数の移動局に送出する基地局とから構成される移動通信システムにおけるデータ流入量制御方法であって、(a)複数の移動局の無線状態を取得するステップと、(b)複数の移動局に関するパケットの送信頻度を算出するステップと、(c)基地局におけるバッファ内に滞留している、上記複数の移動局への送信待ちパケットの量を算出するステップと、(d)複数の移動局の無線状態と、複数の移動局に関するパケットの送信頻度と、複数の移動局への送信待ちパケットの量とに基づいて、複数の移動局に関するバッファ滞留予定時間を算出するステップと、(e)複数の移動機の無線状態と、複数の移動局に関するパケットの送信頻度と、複数の移動局に関するバッファ滞留予定時間とに基づいて、制御局から基地局へのパケットの送出量を制御するステップとを含むデータ流入量制御方法であることを要旨とする。
第2の特徴に係るデータ流入量制御方法によると、複数ユーザが存在し、基地局においてスケジューリングが行われている状況において、適切に制御局から基地局へのデータ流入量の制御を行うことができる。
本発明によると、複数ユーザが存在し、基地局においてスケジューリングが行われている状況において、適切に制御局から基地局へのデータ流入量の制御を行うデータ流入量制御装置及びデータ流入量制御方法を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
(移動通信システムの構成)
本実施形態では、3GPPにおけるHSDPA方式を適用している移動通信システムに、本発明を適用した場合の実施形態について、詳細に説明する。尚、以下の説明で、nを、移動局のIndexとする。また、基地局における移動局nに関するプライオリティキューに関しても、同様のIndexを用いる。すなわち、基地局における移動局nに関するプライオリティキューをプライオリティキューnと記載する。これは、各移動局に関して1つのプライオリティキューが存在する場合を想定している。ここで、プライオリティキューとは、基地局において上記移動局nに関するパケットデータのバッファリングを行うためのデータキューのことである。
尚、以下に示す説明では、各移動局に関して1つのプライオリティキューが存在する場合を想定しているが、各移動局に関して複数のプライオリティキューが存在してもよい。その場合には、例えば、移動局nに関するプライオリティキューnをプライオリティキューn、kと記載する(kはプライオリティキューのIndexである。)。
図1に、3GPPにおけるHSDPA方式を適用した移動通信システムの構成を示す。上記移動通信システムにおいては、交換装置を含む幹線網40と制御局30、 31、基地局20、 21、 22、 23、 24 が階梯をなして構成されている。移動局10、 11、 12は基地局20、 21と無線回線経由で通信を行う。制御局30は、基地局20、 21、 22と移動局10、 11を統括する制御装置であり、制御局31は、基地局23、 24と移動局12を統括する制御装置である。尚、図1に示す移動通信システムの構成は一例であり、制御局、基地局、移動局の数や接続形態は、これに限定されるものではない。
図2に、図1に示す移動通信システムにおけるプロトコルスタックを示す。プロトコルスタック101は移動局のプロトコルスタックを示し、基地局と対向する物理レイヤ、MAC-hsレイヤと、制御局と対向するMAC-dレイヤ、データリンクレイヤとから構成される。プロトコルスタック102は基地局のプロトコルスタックを示し、移動局と対向する物理レイヤ、MAC-hsレイヤと、制御局と対向する物理レイヤとサブレイヤとから構成される。プロトコルスタック103は制御局のプロトコルスタックを示し、基地局と対向する物理レイヤとサブレイヤと、移動局と対向するMAC-dレイヤ、データリンクレイヤとから構成される。また、プロトコルスタック103には、幹線網側と対向するレイヤも存在する。
特に、上述したプロトコルスタックのうち、移動局宛てのデータを制御局が送出する際のデータ送出レートを制御する制御情報は、サブレイヤを用いて制御局と基地局とにおいて送受される。
図3に、図1に示す基地局20、 21、22、23、24の構成例を示す機能ブロック図を示す。移動局に関しては、上述したようにIndexとして、0、 1、 2、 …、 nを用いる。
図3に示すように、基地局は、有線物理レイヤ処理部201と、サブレイヤ処理部202と、無線物理レイヤ処理部203とを備える。尚、図3においては、本発明に係るデータ流入量制御方法に係る部分のみを記載している。
有線物理レイヤ処理部201は、制御局と、サブレイヤ処理部202と、無線物理レイヤ処理部203とに接続され、下りリンクのパケットデータを制御局から受け取り、無線物理レイヤ処理部203に送信する。
サブレイヤ処理部202は、有線物理レイヤ処理部201と、無線物理レイヤ処理部203とに接続される。サブレイヤ処理部202は、制御局と制御情報に関する通信を行う。特に、本実施形態では、サブレイヤ処理部202は、後述するデータ送出量制御情報算出部2034より、各移動局のプライオリティキューに関する、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報を受け取り、上記送出量制御情報を、有線物理レイヤ処理部201を介して制御局に通知する。ここで、上記送出量制御情報とは、HSDPA方式においては、Capacity AllocationあるいはHS-DSCH CAPACITY ALLOCATION (HS-DSCH CAPACITY ALLOCATION Control Frame)と呼ばれる。
無線物理レイヤ処理部203は、サブレイヤ処理部202と、有線物理レイヤ処理部201とに接続される。そして、有線物理レイヤ処理部201から受け取った下りリンクのパケットデータをバッファリングするバッファリング処理や、当該TTIにおいて共有チャネル(HS-PDSCH)を割り当てる移動局の選択を行うスケジューリング処理、上記移動局に対する共有チャネル(物理チャネルとしてはHS-PDSCH)の送信処理を行う。ここで、上記共有チャネルの送信処理とは、例えば、チャネル符号化や拡散処理、無線周波数帯に変換する周波数変換処理や増幅処理等のことである。尚、上記の説明では、本発明に係る下りリンクにおける処理のみを記載したが、無線物理レイヤ処理部203は、上りリンクにおける復調・復号処理等の処理も行う。
また、無線物理レイヤ処理部203は、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報を算出するためのデータ送出量制御情報算出処理を行う。
次に、無線物理レイヤ処理部203の構成を詳細に説明する。無線物理レイヤ処理部203は、図4に示すように、バッファ部2031と、MAC-hsレイヤ処理部2032と、レイヤ1処理部2033と、データ送出量制御情報算出部2034とを備える。尚、上記構成は、本発明に係る部分のみを抽出したものであり、本発明と関係のない部分は省略している。
バッファ部2031は、有線物理レイヤ処理部201と、MAC-hsレイヤ処理部2032と、データ送出量制御情報算出部2034とに接続される。
バッファ部2031は、有線物理レイヤ処理部201から受け取った、制御局から基地局に送出されたパケットデータを一時的に格納するバッファリングを行う。具体的には、各移動局nに関するプライオリティキューnごとにパケットデータのバッファリングを行う。尚、移動局nに関して複数のプライオリティキューn、kが存在する場合には、上記移動局nに関する複数のプライオリティキューn、kごとにパケットデータのバッファリングが行われる。
そして、バッファ部2031は、MAC-hsレイヤ処理部2032から、当該TTIにおいて共有チャネル(HS-PDSCH)を割り当てられる移動局とそのプライオリティキュー、及び、上記共有チャネルのデータサイズに関する情報を取得し、当該TTIにおいて送信される、上記プライオリティキュー内のパケットデータ、すなわち、上記共有チャネルのデータサイズに相当する上記プライオリティキュー内のパケットデータを、MAC-hsレイヤ処理部2032に送信する。
また、バッファ部2031は、各移動局nに関するプライオリティキューn内に滞留しているパケットデータの量buffernを算出し、上記パケットデータの量buffernをデータ送出量制御情報算出部2034に通知する。
MAC-hsレイヤ処理部2032は、レイヤ1処理部2033と、バッファ部2031と、データ送出量制御情報算出部2034とに接続される。
MAC-hsレイヤ処理部2032は、当該TTIにおいて共有チャネル(HS-PDSCH)を割り当てられる移動局とそのプライオリティキューを選定するスケジューリング処理を行う。すなわち、全てのプライオリティキューの中から、当該TTIにおいてパケットデータの送信を行うプライオリティキューを選択する。この場合、基地局は、当該TTIにおいて、上記選定されたプライオリティキューに対応する移動局に対して、共有チャネル(HSDPAの場合には、HS-PDSCH)を送信する。尚、上記スケジューリング処理のアルゴリズムとして、例えば、Round robinやProportional Fairness、MAX C/Iなどが存在する。
次に、MAC-hsレイヤ処理部2032は、レイヤ1処理部2033から下りリンクの無線品質情報を受け取り、上記当該TTIにおいて共有チャネルを割り当てると選定されたプライオリティキューに対応する移動局の無線品質情報と、当該TTIにおいて利用可能な無線リソースとに基づいて、上記当該TTIにおける共有チャネルの送信フォーマットを決定する。
そして、MAC-hsレイヤ処理部2032は、上記当該TTIにおいて共有チャネルを割り当てると選定された移動局とそのプライオリティキューと、上記共有チャネルの送信フォーマットの内のデータサイズに関する情報をバッファ部2031に通知する。ここで、上記無線品質情報は、HSDPAにおいてはChannel quality indicator (CQI)のことを指す。あるいは、上記無線品質情報として、CQIとは別の指標、例えば、CPICH Ec/N0やCPICH RSCPを用いてもよい。また、上記当該TTIにおいて利用可能な無線リソースとは、例えば、コードリソースや電力リソース、ハードウェアリソースのことである。さらに、上記当該TTIにおける共有チャネルの送信フォーマットとは、例えば、データサイズ(トランスポートブロックサイズ)や変調方式、コード数や送信電力等を指す。
また、MAC-hsレイヤ処理部2032は、上記共有チャネルの送信フォーマットに関する情報と、バッファ部2031から受け取った、当該TTIにおいて送信されるパケットデータとをレイヤ1処理部2033に送信する。
さらに、MAC-hsレイヤ処理部2032は、各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度を算出する。
尚、上記パケットの送信頻度freqnの計算は、例えば、
freqn(t)=τ・freqn(t-1)+(1-τ)・Allocatedn
Allocatedn:TTI においてプライオリティキューnに対して共有チャネルを割り当てた場合に1、割り当てなかった場合に0となる値
τ:パラメータとして与えられる忘却係数
に基づいて行われる。このとき、τは、パケットの送信頻度を測定する測定区間の大小を制御するパラメータであり、τを1に近づけた場合には、上記パケットの割り当て頻度の測定区間を大きくすることができ、より長い時間間隔を考慮したデータ流入量制御を行うことが可能である。
また、上記パケットの送信頻度の計算は、例えば、当該TTI tにおけるパケットの送信頻度をfreqn(t)として、
Figure 2008053851
Allocatedn (x):TTI においてプライオリティキューnに対して共有チャネルを割り当てた場合に1、割り当てなかった場合に0となる値
T1:パラメータとして与えられる平均化区間
に基づいて行われる。このとき、T1は、パケットの割り当て頻度を測定する測定区間の大小を制御するパラメータであり、T1を大きく設定した場合には、上記パケットの割り当て頻度の測定区間を大きくすることができ、より長い時間間隔を考慮したデータ流入量制御を行うことが可能である。
またさらに、MAC-hsレイヤ処理部2032は、各移動局nに関するプライオリ
Figure 2008053851
ここで、当該TTIにおける、上記プライオリティキューnごとの無線区間において送信可能な伝送速度
Figure 2008053851
の計算は、例えば、
Figure 2008053851
(0≦δ≦1)
Figure 2008053851
用可能な無線リソースから算出される瞬時の伝送速度である。また、
Figure 2008053851
は、当該TTIにおける上記プライオリティキューnごとの無線区間において送信可能な平均の伝送速度を示し、
Figure 2008053851
は、当該TTIより1つ前のTTIにおける上記プライオリティキューnごとの無線区間において送信可能な平均の伝送速度を示す。
また、δは平均化のための忘却係数である。δの値を制御することにより、上記プライオリティキューnごとの無線区間において送信可能な平均の伝送速
Figure 2008053851
の値として、1に近い値を設定した場合には、長く平均化した無線区間において送信可能な伝送速度を算出することができ、また、δの値を0にした場合には、無線区間において送信可能な伝送速度の瞬時値を算出することができる。
例えば、上記
Figure 2008053851
は、上記無線品質情報CQIと、共有チャネルHS-PDSCHに割当可能な送信電力と、共有チャネルHS-PDSCHに割当可能なコード数とから、所定の誤り率で送信可能と推定されるデータサイズのことを表す。例えば、上記所定の誤り率を10%とした場合、基地局が、当該TTIにおいて、移動局nに対して伝送速度
Figure 2008053851
に相当するデータサイズのパケットデータを送信した時の誤り率はおよそ10%になる。
尚、上述した上記プライオリティキューnごとの無線区間において送信可能な伝送速度
Figure 2008053851
の計算は、共有チャネルの割当頻度は考慮されず、全てのTTIにおいて移動局nに対して共有チャネルが割り当てられたと仮定して行われる。言い換えれば、上記無線区間において送信可能な平均の伝送速度
Figure 2008053851
は、基地局と移動局nとの間の下りリンクにおける無線状態、あるいは、無線品質に相当する値である。
MAC-hsレイヤ処理部2032は、上記各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqn、及び、各移動局nに関するプライオリティキューnごとの無線区間において送信可能な伝送速度
Figure 2008053851
を、データ送出量制御情報算出部2034に送信する。
レイヤ1処理部2033は、MAC-hsレイヤ処理部2032と、アンテナとに接続される。
レイヤ1処理部2033は、MAC-hsレイヤ処理部2032より、当該TTIにおいて送信される共有チャネルの送信フォーマットに関する情報と、上記共有チャネルにマッピングされるパケットデータを受け取り、上記送信フォーマットに関する情報に基づき、当該TTIにおいて無線区間に送出する共有チャネルの送信処理を行う。具体的には、上記共有チャネルにマッピングされるパケットデータのターボ符号化や拡散処理、無線周波数帯に変換する周波数変換処理や増幅処理等を行う。そして、上記共有チャネルの信号は、上記送信処理が行われた後に、アンテナを介して、無線区間に送信される。
また、レイヤ1処理部2033は、各移動局から上りリンクの制御チャネル(HS-DPCCH)にマッピングされて報告される下りリンクの無線品質情報(CQI)を受信し、復調・復号する機能も持つ。上記各移動局に関する下りリンクの無線品質情報は、MAC-hsレイヤ処理部2032に送信される。
データ送出量制御情報算出部2034は、バッファ部2031と、MAC-hsレイヤ処理部2032と、サブレイヤ処理部202とに接続される。
データ送出量制御情報算出部2034は、バッファ部2031より各移動局nに関するプライオリティキューn内に滞留しているパケットデータの量buffernを、MAC-hsレイヤ処理部2032より各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqn、及び、各移動局nに関するプライオリティキューnごとの無線区間において送信可能
Figure 2008053851
そして、データ送出量制御情報算出部2034は、上記各移動局nに関するプライオリティキューn内に滞留しているパケットデータの量buffernと、上記各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqnと、各移動局nに関するプライオリティ
Figure 2008053851
ら基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートを決定する。
例えば、データ送出量制御情報算出部2034は、各移動局nに関するプライオリティキューnに関して、バッファ滞留予定時間Store_timen
Figure 2008053851
を算出し、上記バッファ滞留予定時間Store_timenの値に基づいて、係数Anを決定し、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAnを、
Figure 2008053851
に基づいて算出してもよい。ここで、係数Anの算出方法として、図5に示すような参照テーブルを用いてもよい。例えば、上記バッファ滞留予定時間Store_timenの値が300 msの場合には、係数Anの値を0.6と設定する。
また、例えば、データ送出量制御情報算出部2034は、上記各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqnを移動局の間で平均化した値Freq
Figure 2008053851
を算出した後に、各移動局nに関するプライオリティキューnに関して、バッファ滞留予定時間Store_timen
Figure 2008053851
を算出し、上記Store_timenの値に基づいて、係数Anを決定し、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAnを、
Figure 2008053851
に基づいて算出してもよい。
尚、上記Freqは、移動局nに関するプライオリティキューn内のパケットデータに係るサービス種別や契約種別、受信器種別(RAKE受信器、等化器や受信ダイバーシチ、干渉キャンセラや、その他のUEのCapability(受信可能な変調方式や受信可能なコード数、ビット数等によってクラス分けされた指標)等)、プライオリティクラス種別毎に計算されてもよい。
例えば、サービス種別は、下りリンクのパケットデータを伝送するサービスの種別を示すものであり、例えば、VoIPサービスや音声サービスやストリーミングサービスやFTPサービス等を含む。また、契約種別は、下りリンクのパケットデータの宛先移動局のユーザが加入している契約の種別を示すものであり、例えば、Low Class契約やHigh Class契約等を含む。また、端末種別は、下りリンクのパケットデータの宛先移動局の性能をクラス分けするものであり、移動局の識別情報に基づくクラスや、RAKE受信機能や等化器や受信ダイバーシチや干渉キャンセラ等の有無又は種別や、受信可能な変調方式やコード数やビット数等の端末能力等を含む。さらには、優先度クラスは、下りリンクのパケットデータの送信に関わる優先度を示すものであり、例えば、第1の優先度の下りリンクのパケットデータは、第2の優先度の下りリンクのパケットデータよりも優先的に送信される。
さらに例えば、データ送出量制御情報算出部2034は、上記各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqnを考慮せず、各移動局nに関するプライオリティキューnに関して、バッファ滞留予定時間Store_timen
Figure 2008053851
を算出し、上記Store_timenの値に基づいて、係数Anを決定し、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAnを、
Figure 2008053851
に基づいて算出してもよい。
さらに例えば、データ送出量制御情報算出部2034は、上記各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqnの代わりに、通信を行っている移動局の数Nを用いて、上記バッファ滞留予定時間、及び、上記制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報を計算してもよい。すなわち、データ送出量制御情報算出部2034は、各移動局nに関するプライオリティキューnに関して、バッファ滞留予定時間Store_timen
Figure 2008053851
を算出し、上記Store_timenの値に基づいて、係数Anを決定し、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAnを、
Figure 2008053851
に基づいて算出してもよい。ここで、通信を行っている移動局の数Nとは、プライオリティキュー内に送信すべきパケットデータが存在する移動局の総数のことである。あるいは、通信を行っている移動局の数Nとは、共有チャネル(HS-PDSCH)に付随する個別チャネルA-DPCHが設定されている移動局の総数のことであってもよい。
データ送出量制御情報算出部2034は、上記制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAnを、サブレイヤ処理部202に通知する。
図6に、図1に示す制御局30、31の構成例を示す機能ブロック図を示す。制御局は、基地局と通信を行う有線物理レイヤ処理部301と、基地局と制御情報に関する通信を行うサブレイヤ処理部302と、移動局と通信を行うデータリンクレイヤ処理部303と、移動局と幹線網間の信号中継処理やバッファリングなどを行う信号処理部304と、幹線網と通信を行う幹線網レイヤ処理部305とを備える。
有線物理レイヤ処理部301は、基地局と通信を行うものであり、本実施形態では、有線リンクを介して基地局に接続されている。
サブレイヤ処理部302は、基地局と制御情報に関する通信を行うものである。特に、本実施形態においては、基地局内のサブレイヤ処理部202より通知される、各移動局nのプライオリティキューnに関する、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報を処理する。
具体的には、サブレイヤ処理部302は、基地局内のサブレイヤ処理部202から通知された送出量制御情報、すなわち、移動局n宛てのデータを送出する際のデータ送出レートを示す情報(Capacity Allocation)を受信し、上記移動局n宛てのデータを送出する際のデータ送出レートを示す情報に基づいて、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出レート、すなわち、データ送出レートを制御する。
データリンクレイヤ処理部303は、移動局nと通信を行うものであり、信号処理部304は、移動局nと幹線網との間に送受される音声信号や、パケットなどのデータを中継処理するものである。また、幹線網レイヤ処理部305は、幹線網と通信を行うものである。
尚、上記実施形態において、MAC-hsレイヤ処理部2032及びレイヤ1処理部2033の機能が、無線状態取得手段、パケット送信頻度算出手段、バッファ滞留量算出手段に、データ送出量制御情報算出部2034の機能がデータ流入量制御手段に対応する。
また、上記実施形態において、基地局及び制御局は、データ流入量制御装置に対応する。
(データ流入量制御方法)
次に、本発明に係るデータ流入量制御方法の動作について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS101において、無線物理レイヤ処理部203のMAC-hsレイヤ処理部2032は、移動局nに関するプライオリティキューnごとの無線区間において送信可能な伝送速度
Figure 2008053851
を算出する。
ステップS102において、無線物理レイヤ処理部203のMAC-hsレイヤ処理部2032は、移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqnを算出する。
ステップS103において、無線物理レイヤ処理部203のバッファ部2031は、移動局nに関するプライオリティキューn内に滞留しているパケットデータの量buffernを算出する。
ステップS104において、無線物理レイヤ処理部203のデータ送出量制御情報算出部2034は、各移動局nに関するプライオリティキューnに関するバッファ滞留予定時間Store_timen
Figure 2008053851
を算出する。
ステップS105において、無線物理レイヤ処理部203のデータ送出量制御情報算出部2034は、上記各移動局nに関するプライオリティキューnに関するバッファ滞留予定時間Store_timenに基づいて、各移動局nに関するプライオリティキューnに関する係数Anを算出する。
ステップS106において、無線物理レイヤ処理部203のデータ送出量制御情報算出部2034は、各移動局nに関するプライオリティキューn毎の、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAn
Figure 2008053851
を算出する。
ステップS107において、基地局のサブレイヤ処理部202は、各移動局nのプライオリティキューnに関する、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報(Capacity Allocation)を制御局に通知する。
ステップS108において、制御局のサブレイヤ処理部302は、各移動局nのプライオリティキューnに関する、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報(Capacity Allocation)に基づき、制御局から基地局へのパケットデータの送出レートを制御する。
ここで、上述した例では、ステップS104において、各移動局nに関するプライオリティキューnに関するバッファ滞留予定時間Store_timenを、
Figure 2008053851
を用いて算出し、ステップS106において、各移動局nに関するプライオリティキューn毎の、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationの値CAnを、
Figure 2008053851
を用いて算出したが、代わりに、ステップS104において、各移動局nに関するプライオリティキューnに関するバッファ滞留予定時間Store_timenを、
Figure 2008053851
(ここで、Freqは、各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqnを移動局の間で平均化した値)
を用いて算出し、ステップS106において、各移動局nに関するプライオリティキューn毎の、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAnを、
Figure 2008053851
を用いて算出してもよい。
また、あるいは、代わりに、ステップS104において、各移動局nに関するプライオリティキューnに関するバッファ滞留予定時間Store_timenを、
Figure 2008053851
を用いて算出し、ステップS106において、各移動局nに関するプライオリティキューn毎の、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAnを、
Figure 2008053851
を用いて算出してもよい。
さらに、あるいは、代わりに、ステップS102において、上記各移動局nに関するプライオリティキューnごとの共有チャネルの割り当て頻度、すなわち、パケットの送信頻度freqnの代わりに、通信を行っている移動局の数Nを算出し、
ステップS104において、各移動局nに関するプライオリティキューnに関するバッファ滞留予定時間Store_timen
Figure 2008053851
を算出し、
ステップS106において、各移動局nに関するプライオリティキューn毎の、制御局から基地局へ送出されるパケットデータの送出量を制御する送出量制御情報、すなわち、Capacity Allocationにおいて指定する送出レートCAnを、
Figure 2008053851
を用いて算出してもよい。ここで、通信を行っている移動局の数Nとは、プライオリティキュー内に送信すべきパケットデータが存在する移動局の総数のことである。あるいは、通信を行っている移動局の数Nとは、共有チャネル(HS-PDSCH)に付随する個別チャネルA-DPCHが設定されている移動局の総数のことであってもよい。
(作用及び効果)
以上説明したような本実施形態によれば、複数ユーザが存在し、基地局においてスケジューリングが行われている状況において、適切に制御局から基地局へのデータ流入量の制御を行うことができる。
すなわち、各移動局nに関するプライオリティキューnに対して、各移動局nの無線状態と、各移動局宛てに共有チャネルが送信されている頻度とに基づいて、制御局から基地局へのパケットの送出量を適切に制御することが可能となり、バッファ枯渇による無線帯域使用効率の劣化、及び、バッファ溢れによる信号破棄に起因する再送制御等の発生によるシステムの伝送効率の劣化を防ぐことが可能となる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、無線物理レイヤ処理部203のMAC-hsレイヤ処理部2032及びデータ送出量制御情報算出部2034は、例えば、CPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、或いはFPGA等のプログラムの書き換えが可能なプログラマブルデバイスで構成され、所定のメモリ領域に上述した評価関数のプログラムが記憶され、パラメータ(δ、τ、α、T1、T2、係数Anを求めるための参照テーブル)をダウンロードして書き換える構成がとられる。この時、上記パラメータ(δ、τ、α、T1、T2、係数Anを求めるための参照テーブル)を基地局の上位ノードからダウンロードしてもよいし、MAC-hsレイヤ処理部2032及びデータ送出量制御情報算出部2034に端末I/F(外部インターフェース機能)を設け、端末から直接上記パラメータ(δ、τ、α、T1、T2、係数Anを求めるための参照テーブル)を読み込ませるような形態であってもよい。
また、上述した無線物理レイヤ処理部203の各機能ブロックは、ハードウェアで分割される場合もあるし、プロセッサ上のプログラムでソフトウェアとして分割されている場合もありうる。
また、上記実施例は、3GPPにおける高速パケット伝送方式HSDPAに関して記述したが、本発明は上記HSDPAに限定されるものではなく、その他の、移動通信システムにおける下りリンクのパケットデータのデータ流入量制御(フロー制御)を行う高速パケット伝送方式に適用することが可能である。例えば、3GPP2におけるcdma2000 1xEV-DOや、3GPPにおけるTDD方式やLong Term Evolution(Super 3G)における高速パケット伝送方式など、がその他の高速パケット伝送方式としてあげられる。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。 本実施形態に係る移動通信システムにおけるプロトコルスタックを示す図である。 本実施形態に係る基地局の機能ブロック図である。 図3の無線物理レイヤ処理部の詳細を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る係数Anを求めるための参照テーブルの一例である。 本実施形態に係る制御局の機能ブロック図である。 本実施形態に係るデータ注入量制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10、11、12…移動局
20、21、22、23、24…基地局
30、31…制御局
40…幹線網
201…有線物理レイヤ処理部
202…サブレイヤ処理部
203…無線物理レイヤ処理部
301…有線物理レイヤ処理部
302…サブレイヤ処理部
303…データリンクレイヤ処理部
304…信号処理部
305…幹線網レイヤ処理部
2031…バッファ部
2032…MAC-hsレイヤ処理部
2033…レイヤ1処理部
2034…データ送出量制御情報算出部

Claims (11)

  1. 複数の移動局と、前記複数の移動局宛てのパケットを中継する制御局と、前記制御局から送出された上記パケットを一時的にバッファに格納して前記複数の移動局に送出する基地局とから構成される移動通信システムに配置されるデータ流入量制御装置であって、
    前記複数の移動局の無線状態を取得する無線状態取得手段と、
    前記複数の移動局に関するパケットの送信頻度を算出するパケット送信頻度算出手段と、
    前記複数の移動局の無線状態と、前記複数の移動局に関するパケットの送信頻度とに基づいて、前記制御局から前記基地局へのデータの送出量を制御するパケット送出量制御手段と
    を備えることを特徴とするデータ流入量制御装置。
  2. 前記基地局におけるバッファ内に滞留している、前記複数の移動局への送信待ちパケットの量を算出するバッファ滞留量算出手段を更に備え、
    前記パケット送出量制御手段は、前記複数の移動機の無線状態と、前記複数の移動局に関するパケットの送信頻度と、前記複数の移動局に関するバッファ滞留予定時間とに基づいて、前記制御局から前記基地局へのパケットの送出量を制御することを特徴とする請求項1に記載のデータ流入量制御装置。
  3. 前記複数の移動局の無線状態と、前記複数の移動局に関するパケットの送信頻度と、前記複数の移動局への送信待ちパケットの量とに基づいて、前記複数の移動局に関するバッファ滞留予定時間を算出するバッファ滞留予定時間算出手段とを更に備えることを特徴とする請求項2に記載のデータ流入量制御装置。
  4. 前記複数の移動局nの無線状態を
    Figure 2008053851
    とし、前記複数の移動局nに関するパケットの送信頻度をfreqnとし、前記基地局におけるバッファ内に滞留している、前記複数の移動局nへの送信待ちパケットの量をbuffernとし、
    前記バッファ滞留予定時間算出手段は、前記複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timen
    Figure 2008053851
    に従って算出し、
    前記複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timenから算出される、前記複数移動局nに関する係数Anを算出する係数算出手段を更に備え、
    前記パケット送出量制御手段は、前記複数の移動機の無線状態
    Figure 2008053851
    と、前記複数の移動局に関するパケットの送信頻度freqnと、前記複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timenから算出される係数Anとに基づいて、前記制御局から前記基地局へのパケットの送出量を制御することを特徴とする請求項3に記載のデータ流入量制御装置。
  5. 前記パケット送出量制御手段は、前記制御局から前記基地局へのパケットの送出量を、
    Figure 2008053851
    により算出することを特徴とする請求項4に記載のデータ流入量制御装置。
  6. 前記係数算出手段は、上記複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timenから算出される、上記複数移動局nに関する係数Anを、上記バッファ滞留予定時間Store_timenが大きい場合に小さく設定し、上記バッファ滞留予定時間Store_timenが小さい場合に大きく設定することを特徴とする請求項4又は5に記載のデータ流入量制御装置。
  7. 前記無線状態取得手段は、前記複数の移動局nの無線状態
    Figure 2008053851
    を、下りリンクの無線品質情報と、下りリンクの電力リソース及びコードリソースとから算出される、上記移動局nが所定の誤り率で受信可能なパケットサイズとして取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータ流入量制御装置。
  8. 前記バッファ滞留予定時間算出手段は、前記複数の移動局nに関するパケットの送信頻度freqnを前記複数の移動局nの中で平均した値
    Figure 2008053851
    を算出し、前記複数の移動局nに関するバッファ滞留予定時間Store_timen
    Figure 2008053851
    に従って算出し、
    前記パケット送出量制御手段は、前記制御局から前記基地局へのパケットの送出量を、
    Figure 2008053851
    により算出することを特徴とする請求項3に記載のデータ流入量制御装置。
  9. 前記パケット送信頻度算出手段は、前記移動局nに関するパケットの送信頻度freqnを、Allocatednを時刻tにおいて移動局nにパケットが送信された場合に1、パケットが送信されなかった場合に0となる値とし、τをパラメータとして与えられる忘却係数として、
    freqn(t)=τ・freqn(t-1)+(1-τ)・Allocatedn
    に従って算出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のデータ流入量制御装置。
  10. 前記バッファ滞留予定時間算出手段は、前記Freqnを、Priority Class毎、サービス種別毎、あるいは、契約種別毎、あるいは、端末種別毎に、算出することを特徴とする請求項8に記載のデータ流入量制御装置。
  11. 複数の移動局と、前記複数の移動局宛てのパケットを中継する制御局と、前記制御局から送出された上記パケットを一時的にバッファに格納して前記複数の移動局に送出する基地局とから構成される移動通信システムにおけるデータ流入量制御方法であって、
    前記複数の移動局の無線状態を取得するステップと、
    前記複数の移動局に関するパケットの送信頻度を算出するステップと、
    前記基地局におけるバッファ内に滞留している、上記複数の移動局への送信待ちパケットの量を算出するステップと、
    前記複数の移動局の無線状態と、前記複数の移動局に関するパケットの送信頻度と、前記複数の移動局への送信待ちパケットの量とに基づいて、前記複数の移動局に関するバッファ滞留予定時間を算出するステップと、
    前記複数の移動機の無線状態と、前記複数の移動局に関するパケットの送信頻度と、前記複数の移動局に関するバッファ滞留予定時間とに基づいて、前記制御局から前記基地局へのパケットの送出量を制御するステップと
    を含むことを特徴とするデータ流入量制御方法。


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