JP2008052602A - 画像濃度変換方法、画像強調処理装置、およびそのプログラム - Google Patents

画像濃度変換方法、画像強調処理装置、およびそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像のノイズを抑制しつつテクスチャを強調する処理を行う。
【解決手段】画像の各画素毎に重複を許容した領域を設定し、各領域内の画素固有の濃度値の内の最大濃度値と最小濃度値を抽出して、各領域内の画素の共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する。ここで重複領域によって画素に特定された複数の濃度値のうち一番大きい最小濃度値を局所最小値とし、一番小さい最大濃度値を局所最大値としてこの濃度値を持つ画素よりなる最小濃度平面および最大濃度平面を生成する。この最小濃度平面および最大濃度平面の共通位置にある画素の濃度値を別に設定した共通最小値および共通最大値に対応させてその全体を一様に変換することにより元の画像の各画素の濃度値を同時に線形変換する。
【選択図】図1

Description

本発明は、遺留指紋画像や掌紋画像など濃淡むらや背景ノイズを含む入力画像のテクスチャを強調する処理方法に関するものである。
一般に、縞紋様状の多数の隆線によって構成される指紋は終生不変及び万人不同という2つの大きな特徴をもっているため、古くから犯罪捜査の手段として利用されている。特に、犯罪現場に残された遺留指紋を用いた照合は効果的な捜査手段である。近年、多くの警察機関では、コンピュータを利用した指紋照合システムが導入され、遺留指紋照合が実施されている。
しかし、遺留指紋の画像は、低品質でノイズがあるものが多いため不鮮明であり、鑑定官による鑑定も難しく、また、自動化の大きな阻害要因になっていた。図5にその一例を示す。この図5は、小切手に残された遺留指紋がディジタル化されたものである。この例のように、小切手の文字や模様のような背景ノイズがある領域と、この種の背景ノイズのない領域では背景濃度が大きく異なり、指紋隆線のダイナミックレンジも極端に異なる。
この図5にあって、背景ノイズ領域境界近傍のみを拡大し線分L上における画像のプロファイルを示したものを、図6に示す。この図6において、背景ノイズがない領域における指紋隆線のダイナミックレンジに比較して、文字の背景ノイズ上にある指紋隆線のダイナミックレンジは極端に小さいことがわかる。
この例の遺留指紋のように、注目するテクスチャ(指紋隆線)のダイナミックレンジが、連続した領域で極端に変化する画像に対して従来の画像強調方法を適用しても、ノイズ領域境界が強調されてしまうために、注目するテクスチャ(指紋隆線)のみを強調することは困難であった。
従来の一般的な画像強調方法である局所的コントラストストレッチ法(Adaptive Contrast Stretch)や局所的ヒストグラム均等化法(Adaptive Histogram Equalization)を用いても、図7(b)のように背景ノイズ領域境界が強調され過ぎてしまうか、図7(c)のように背景ノイズ領域を完全には除去できないという弊害がある。
このような問題を解決するために、種々の方法が提案されている。例えば、入力画像のテクスチャ解析に基づいて領域分割し、該領域ごとにダイナミックレンジの広さに応じて濃度ヒストグラムの平滑化の度合いを決定することにより、有用な情報の消失を低減できる画像濃度変換方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、適切な参照領域の決定するために、ニューラルネットを用いた領域分割の手法が開示されている(特許文献2参照。)。
ところが、上記特許文献1(3465226号)おいては、注目画素の周囲に適当な一定の参照領域を設け、その領域に含まれる画素の濃度ヒストグラムに基づいて濃度変換するので、例えば前述した図7(b)のように背景ノイズ領域境界が強調され過ぎてしまうか、若しくは図7(c)のように背景ノイズ領域を完全には除去できないという問題は解決されていない。
また、上記ニューラルネットを用いた領域分割の手法にあっても、特許3465226号と同様に背景ノイズ領域を完全に除去することができないという同じ弊害を持っている。
更に、上記特許における濃度変換方法においては、入力画像のテクスチャ解析に基づいた領域分割手法が用いられている。そのため、この解析精度に大きく依存し領域分割を期待通りに処理できないと強調結果は悪化するという弊害がある。
特許3465226号「画像濃度変換処理方法」 中島、他 米国特許USP-5426684“Technique for finding the histogram region of interest for improved tone scale reproduction of digital radiographic images” Gaborski et al.
従来の問題点は、注目するテクスチャ(指紋隆線)のダイナミックレンジが連続した領域で急激にかつ極端に変化する画像や、または極端に異なる濃度領域の上にテクスチャが存在する画像に対して、従来の画像強調方法を適用しても、ノイズ領域境界が強調されてしまうために、注目するテクスチャのみを強調することは困難であるという点である。
また、背景ノイズ境界付近では、参照領域が背景ノイズ領域と非背景ノイズ領域をまたぐ場合があり、このときの濃度ヒストグラムは、注目画素が属する領域のみから採用されるとは限らないため、同様にノイズ領域境界が強調されてしまうという不都合があった。
そこで、注目するテクスチャのダイナミックレンジが連続した領域で急激にかつ極端に変化する画像に対しても、注目するテクスチャのみを強調できる技術が望まれていた。
[発明の目的]
本発明は、上記従来例の有する不都合を改善し、入力画像に対し遺留指紋などの注目する、強調したいテクスチャのみを強調する画像強調処理を行うと共に背景ノイズ領域境界が強調されてしまうのを抑制することができる画像変換処理方法を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像濃度変換方法では、入力画像を構成する複数の画素と同数の画素から成る少なくとも二つの画像平面を設定する画像平面設定工程と、前記入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの画素領域を設定して当該設定された各画素領域の内の一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する最大最小濃度値特定工程と、この特定された一の画素領域内における各画素の最大濃度値および最小濃度値を前記二つの画像平面に分けて且つ各画素の位置を対応させてそれぞれ記憶し、これによって最大濃度平面と最小濃度平面とを生成する最大最小濃度画像生成工程と、前記一の画素領域における最大最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には前記最大濃度平面内の同一画素における濃度値を当該小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には前記最小濃度平面内の同一画素における濃度値を当該大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定工程と、前記濃度値置換設定工程で生成された最大濃度平面および最小濃度平面の各共通の画素の局所最小値および局所最大値とこれに対応する位置にある各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に同時に前記入力画像における各画素の元の濃度値を線形変換する濃度値変換工程と、この濃度値変換工程で線形変換された各画素の濃度値に基づいて、前記入力画像を再構築する画像濃度変換工程とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
これにより、設定される画素領域から抽出される最小濃度値及び最大濃度値を確認することができるので、抽出される濃度値を最適な値に設定することができると共に、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができる。
また、本発明にかかる画像濃度変換方法では、入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの複数の画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する最大最小濃度値特定工程と、前記一の画素領域における最大濃度値および最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定工程と、前記濃度値置換設定部で置換生成された各画素における局所最小値および局所最大値と当該各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に、前記入力画像における各画素の元の濃度値をも同時に線形変換する濃度値変換制御工程と、この濃度値変換工程で線形変換された各画素の濃度値に基づいて、前記入力画像を再構築する画像濃度変換工程とを備えたことを特徴とする(請求項2)。
このようにしても、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができる。
また、前記画像濃度変換工程を、前記濃度値変換工程で線形変換された各画素の濃度値を対応する前記入力画像の各画素の元の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換工程としてもよい(請求項3)。
また、本発明に係る画像濃度変換方法では、入力画像を構成する複数の画素を対象として当該各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した一定の画素領域を設定すると共に、当該設定された各画素領域内にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出してこれらを当該各領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する第1の工程と、この第1の工程によって特定された最大濃度値および最小濃度値を前記各画素が前記各領域に対応してそれぞれ複数有する場合に、当該複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値とすると共に、当該複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する第2の工程と、この特定された前記各画素の局所最小値および局所最大値と前記各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該画素の各濃度の相対比を維持しつつ、これとは別に設定した各画素に共通の共通最小値および共通最大値に変換して共通化し前記入力画像における各画素の元の濃度値を同時に線形変換する第3の工程と、この第3の工程で線形変換された各画素の濃度値に基づいて、前記入力画像を再構築する第4の工程とを備えた構成とした(請求項4)。
このようにしても、前述した場合と同様に、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができる。
また、前記第2の工程と第3の工程との間に、前記第2の工程で特定された各画素にける前記局所最大値と局所最小値とを分離してそれぞれ前記入力画像に対応して且つ当該入力画像を構成する複数の画素に対応した最小濃度平面と最大濃度平面とをそれぞれ生成する濃度平面生成工程を設けてもよい(請求項5)。
更に、前記第4の工程を、前記第3の工程で線形変換された各画素の濃度値で線形変換された各画素の濃度値を対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する第4の工程としてもよい(請求項6)。
更に、本発明にかかる画像強調処理装置では、入力画像を構成する複数の画素と同数の画素から成る少なくとも二つの画像平面を設定する画像平面設定部と、前記入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する最大最小濃度値特定部と、この特定された一の画素領域内における各画素の最大濃度値および最小濃度値を前記二つの画像平面に分けて且つ各画素の位置を対応させてそれぞれ記憶し、これによって最大濃度平面と最小濃度平面とを生成する最大最小濃度画像生成部と、前記一の画素領域における最大最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には前記最大濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には前記最小濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定部とを設け、前記濃度値置換設定部で置換生成された最大濃度平面および最小濃度平面の各共通の画素の局所最小値および局所最大値とこれに対応する位置にある各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に同時に前記入力画像における各画素の元の濃度値を線形変換する濃度値変換制御部を装備すると共に、この濃度値変換制御部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御部を設けたことを特徴とする(請求項7)。
このようにしても、設定される画素領域から抽出される最小濃度値及び最大濃度値を確認することができるので、抽出される濃度値を最適な値に設定することができると共に、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができる。
又、本発明にかかる画像強調処理装置では、入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの複数の画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値特定部と、前記一の画素領域における最大濃度値および最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定部とを設け、前記濃度値置換設定部で置換生成された各画素における局所最小値および局所最大値と当該各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に、前記入力画像における各画素の元の濃度値をも同時に線形変換する濃度値変換制御部を装備する共に、この濃度値変換制御部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御部を設けたことを特徴とする(請求項8)。
このようにしても、前述した場合と同様に、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができる。
更に、本発明に係る画像強調処理装置では、入力画像を構成する複数の画素を対象として当該各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した一定の画素領域を設定すると共に、当該設定された各画素領域内にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出してこれらを当該各領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値抽出部と、この特定された最大濃度値および最小濃度値を前記各画素が前記各領域に対応してそれぞれ複数有する場合に、当該複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値とすると共に、当該複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する局所濃度値特定部とを備え、この特定された前記各画素の局所最小値および局所最大値と前記各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該画素の各濃度の相対比を維持しつつ、予め別に設定した各画素に共通した共通最小値および共通最大値に変換して共通化し前記入力画像における各画素の元の濃度値を同時に線形変換する濃度値変換設定部を装備し、この濃度値変換設定部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御部とを設けたことを特徴とする(請求項9)。
このようにしても、前述した場合と同様に、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができる。
又、本発明に係る画像強調処理プログラムでは、入力画像を構成する複数の画素と同数の画素から成る少なくとも二つの画像平面を設定する画像平面設定機能、前記入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値特定機能と、この特定された一の画素領域内における各画素の最大濃度値および最小濃度値を前記二つの画像平面に分けて且つ各画素の位置を対応させてそれぞれ記憶し、これによって最大濃度平面と最小濃度平面とを生成する最大最小濃度画像生成機能と、前記一の画素領域における最大最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には前記最大濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には前記最小濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定機能と、前記濃度値置換設定部で置換生成された最大濃度平面および最小濃度平面の各共通の画素の局所最小値および局所最大値とこれに対応する位置にある各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に同時に前記入力画像における各画素の元の濃度値を線形変換する濃度値変換制御機能と、この濃度値変換制御部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御機能とを備え、これらをコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする(請求項10)。
これにより、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができると共に、それらの算出を迅速化することができる。
又、本発明に係る画像処理強調プログラムでは、入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの複数の画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値特定機能、前記一の画素領域における最大濃度値および最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定機能、前記濃度値置換設定部で置換生成された各画素における局所最小値および局所最大値と当該各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に、前記入力画像における各画素の元の濃度値をも同時に線形変換する濃度値変換制御機能、この濃度値変換制御部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御機能、をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする(請求項11)。
このようにしても、前述した場合と同様に、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができる。
更に、本発明に係る画像強調処理プログラムでは、入力画像を構成する複数の画素を対象として当該各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した一定の画素領域を設定すると共に、当該設定された各画素領域内にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出してこれらを当該各領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値抽出機能、この特定された最大濃度値および最小濃度値を前記各画素が前記各領域に対応してそれぞれ複数有する場合に、当該複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値とすると共に、当該複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する局所濃度値特定機能、この特定された前記各画素の局所最小値および局所最大値と前記各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該画素の各濃度の相対比を維持しつつ、予め別に設定した各画素に共通した共通最小値および共通最大値に変換して共通化し前記入力画像における各画素の元の濃度値を同時に線形変換する濃度値変換設定機能、この濃度値変換設定部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御機能、をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする(請求項12)。
これにより、前述した場合と同様に、設定された画素領域から画像強調処理に最適な局所最小値および局所最大値を特定することができる。
本発明は以上のように構成されるので、注目するテクスチャが、極端に異なる背景濃度が存在する領域に跨って存在していても、注目するテクスチャのみを強調しノイズ領域境界が強調されてしまうのを抑制することができると共に背景ノイズを除去することができる。この結果、注目するテクスチャの検出や抽出が容易になる。テクスチャとして遺留指紋に適用した場合には、効果的に適切に強調された指紋隆線を表示することができるので、鑑定官の鑑定が容易になる。また、背景ノイズを除去できた画像を用いて特徴抽出できるので、より正確な特微量を抽出できることになり指紋照合精度も向上する。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態(「第1実施形態」という)である画像強調処理システム10の全体的な構成について図1に基づいて説明する。
画像強調処理システム10は、例えばセンサやスキャナで読み取られた画像をディジタル化して入力する画像入力装置11と、当該画像入力装置11で入力された画像を強調する機能を備えた画像強調装置12と、前記画像強調装置12で強調された画像を、モニタやプリンタ等に出力する画像出力装置13とを含んで構成されている。
また、画像強調装置12で強調された画像が直接、画像照合装置14等に送信されるように構成してもよい。
ここで、画像強調装置12は、入力画像を構成する複数の画素と同数の画素から成る少なくとも二つの画像平面を設定する画像平面設定部23と、前記入力画像の各画素ごとにその周囲にそれぞれ一部重複した一定の大きさの画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の画素領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する最大最小濃度値特定部24を備えている。
又、この特定された一の画素領域内における各画素の最大濃度値および最小濃度値を前記二つの画像平面に分けて且つ各画素の位置を対応させてそれぞれ記憶し、これによって最大濃度平面と最小濃度平面とを生成する最大最小濃度画像生成部25と、前記一の画素領域における最大濃度値及び最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には前記最大濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には前記最小濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定部26とを設けている。
更に、前記濃度値置換設定部26で置換生成された最大濃度平面および最小濃度平面の各共通の画素の局所最小値および局所最大値とこれに対応する位置にある各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に同時に前記入力画像における各画素の元の濃度値を線形変換する濃度値変換制御部27を装備すると共に、この濃度値変換制御部27で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御部28を設けている。
次に、前記画像強調装置12の構成を説明する。
この画像強調装置12を構成する後述する各部の間で行われるデータとメッセージの授受の制御を行うデータ処理制御手段21と、前記画像入力装置11により入力された画像情報や前記データを格納するデータ記憶部22と、前記入力画像の各画素に対応した最小濃度平面および最大濃度平面を設定する画像平面設定部23と、前記入力画像の各画素について周囲の画素の濃度値に基づいて最小濃度値と最大濃度値を特定する最大最小濃度値特定部24と、設定した前記最小濃度平面と最大濃度平面の各画素に濃度値を設定する最大最小濃度画像生成部25と、前記最小濃度平面と最大濃度平面の各画素の濃度値を更新する濃度値置換設定部26と、前記最小濃度平面と最大濃度平面の各画素の濃度値に基づいて前記入力画像の濃度変換を行う濃度値変換制御部27と、前記入力画像の濃度変換を実行し、変換された画像の再構築を行う画像濃度変換制御部28とを備えている。
以下、これを更に詳述する。
前記データ記憶手段22は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成され、画像強調処理装置12を構成する後述する各部および各手段が作業領域として使用する。また、各手段が算出した情報を一時的に格納するためにも使用される。
前記画像平面設定部23は、前記入力画像の各画素に対応する画素により構成される2つの別の画像平面である、最小濃度平面と最大濃度平面を設定する平面画像設定機能と、前記入力画像の各画素の周囲に一定の領域(「参照領域」という)を設定する参照領域設定機能と、設定された複数の参照領域各々に対応した濃度ヒストグラムを生成するヒストグラム生成機能とを備える。
ここで、前記参照領域に含まれる画素数の設定は、入力画像に対する以下に示す画像強調処理に際し各参照領域が広すぎると背景ノイズの除去性能が劣化しやすく、逆に参照領域が狭すぎると、注目するテクスチャを消失しやすい。
そのため、今実施形態では、注目するテクスチャは指紋隆線なので直径20画素の円を参照領域として設定している。それは、指紋隆線は平均隆線間隔が約10画素(実距離は0.5ミリ)であるが、注目するテクスチャの変動を包含する最小の領域として、平均隆線間隔の倍の値を直径とする円が適切であると考えられるためである。
また、指紋と類似の模様を持つ掌紋に適用する場合、参照領域は直径25画素程度の円を設定してもよい。これは、掌紋の平均隆線間隔が指紋より20%から30%程度広いためである。
前記最大最小濃度値特定部24は、前記ヒストグラム生成機能により生成された各濃度ヒストグラムから前記参照領域に含まれる複数画素の最小濃度値と最大濃度値を抽出する最大最小濃度値抽出機能と、この最小濃度値および最大濃度値を前記参照領域内にある各画素に共通に特定する最大最小濃度値特定機能とを備えている。
これにより、前記入力画像を構成する画素は各々、前記入力画像における固有の濃度値の他に最小濃度値および最大濃度値を有することとなる。
ここで、前記各濃度ヒストグラムから抽出される最大濃度値および最小濃度値は、各ヒストグラムに表される最大の濃度値および最小の濃度値でもよいが、異端値を除去するために最大値および最小値からのヒストグラム累積値が5%程度の濃度値を抽出するように設定してもよい。
また、本第1実施形態では、最大濃度平面および最小濃度平面が生成されることにより、これらを確認することができ、これに応じて濃度ヒストグラムから抽出される濃度値を設定することができる。
最大最小濃度画像生成部25は、最小濃度平面生成手段251と最大濃度平面生成手段252とから成る。
最小濃度平面生成手段251は、前記参照領域内の各画素の特定された最小濃度値を、前記最小濃度平面上の対応する画素の濃度値として設定する最小濃度設定機能を備えている。
また、最大濃度平面生成手段252は、前記参照領域内の各画素の特定された最大濃度値を、前記最大濃度平面上の対応する画素の濃度値として設定する最大濃度設定機能を備えている。
濃度値置換設定部26は、最小値置換設定手段261と最大値置換設定手段262とからなる。
最小値置換設定手段261は、前記最大最小濃度値特定部24において新たに設定された参照領域から抽出された最小濃度値を、先に最小濃度値が特定された画素に対して重ねて特定する。このとき新たに抽出された最小濃度値と先に特定された最小濃度値とを比較し、新たに抽出された値が、先に特定された最小濃度値より大きい場合、新たに抽出されたこの最小濃度値を前記画素の局所最小値として特定すると共に、前記最小濃度平面上の対応する画素に設定された濃度値を当該局所最小値に更新する局所最小値更新機能を備えている。
また、最大値置換設定手段262は、前記最大最小濃度値特定部24において新たに別の参照領域から抽出された最大濃度値を、先に最大濃度値が特定された画素に対して重ねて特定する際に、新たに抽出された最大濃度値と先に特定された最大濃度値とを比較し、新たに抽出された値が、先に特定された最大濃度値より小さい場合、新たに抽出された最大濃度値を前記画素の局所最大値として置換して特定すると共に、前記最大濃度平面上の対応する画素に設定された濃度値を当該局所最大値に更新する局所最大値更新機能を備えている。
これにより、前記入力画像を構成する画素全てに対して前記局所最小値および局所最大値更新機能が実行されることで、前記最小濃度平面および最大濃度平面を構成する画素は全て局所最小値および局所最大値によって構成されることとなる。
濃度値変換制御部27は、前記入力画像の各画素の当該画像を構成する固有の濃度値を対象として、前記入力画像を構成する画素全てに共通の共通最小濃度値と共通最大濃度値とを設定する共通濃度値設定機能を有すると共に、前記最小濃度平面上の対応する各画素に設定された局所最小値を共通最小濃度値に、前記最大濃度平面の対応する各画素に設定された局所最大値を共通最大濃度値に、それぞれ一様に変換することにより、同時に前記入力画像を構成する各画素固有である元の濃度値を線形変換する濃度値変換機能を備えている。
これにより、局所最小値から局所最大値までの濃度範囲の値は、共通最小値から共通最大値までの共通濃度範囲の値へと線形的に一様に変換される。
ここで、前記線形変換を表す変換式は次の[数1]のようになる。
Figure 2008052602
g'(x, y):濃度変換後の入力画像の座標(x, y)における濃度値
g(x, y):入力画像の座標(x, y)における濃度値
minP(x, y):最小濃度平面の座標(x, y)における濃度値(局所最小値)
maxP(x, y):最大濃度平面の座標(x, y)における濃度値(局所最大値)
minT(x, y):入力画像の座標(x, y)における共通最小濃度値
maxT(x, y):入力画像の座標(x, y)における共通最大濃度値
画像濃度変換制御部28は、前記濃度値変換機能を実行することにより線形変換された各画素の濃度値を、前記入力画像の対応する各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御機能を有する。
これにより、前記濃度値変換機能により変換された濃度値が、前記入力画像の各画素の濃度値に反映され、注目するテクスチャ(指紋画像における指紋など)が強調された画像処理が行われた画像を得ることができる。
ここで、図5を始めとする指紋画像例は、センサやスキャナで読み取られた指紋画像がディジタル化された画像である。このような指紋画像例は、米国National Institute of Standards and Technologyで標準化された ANSI/NIST-ITL-1-2000 Data Format for the Interchange of Fingerprint, Facial, & Scar Mark & Tattoo (SMT) Informationに従って、500dpiの解像度でディジタル化されたものである。
上記標準では、0から255迄の256階調の濃度値を持つようにディジタル化される。また、濃度値表現は、輝度が大きいほど、数値が大きくなる輝度基準で定義されている。
これに対し、本実施形態では、濃度値表現に関しては、濃度が大きいほど数値が大きくなる濃度基準で説明する。従って、濃度が大きい隆線部は255の最大値に近く、濃度が薄い紙地や隆線溝は0に近い濃度値になる。
[第1実施形態の動作説明]
次に、前述した構成の画像強調処理システム10における画像濃度変換処理の全体的な動作について説明する。
第1実施形態において、画像入力装置11より画像情報が入力された場合、この入力画像を構成する複数の画素と同数の画素から成る少なくとも二つの画像平面が画像平面設定部23によって設定される(画像平面設定工程)。
次に、前記入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した直径20画素の画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうち、まず、最大最小濃度値特定部24が、一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する(最大最小濃度値特定工程)。
次いで、前記特定された一の画素領域内における各画素の最大濃度値および最小濃度値を前記二つの画像平面に分けて且つ各画素の位置を対応させてそれぞれ記憶し、これによって最大最小濃度画像生成部25が、最大濃度平面と最小濃度平面とを生成する(最大最小濃度画像生成工程)。
次いで、前記一の画素領域における最大濃度値及び最小濃度値の抽出に続いて濃度値置換設定部26が、前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には前記最大濃度平面内の同一画素における濃度値を当該小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には前記最小濃度平面内の同一画素における濃度値を当該大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする(濃度値置換設定工程)。
次いで、濃度値変換制御部27が、前記濃度値置換設定工程で置換設定された最大濃度平面および最小濃度平面の各共通の画素の局所最小値および局所最大値とこれに対応する位置にある各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に同時に前記入力画像における各画素の元の濃度値を線形変換する(濃度値変換工程)。
最後に、画像濃度変換制御部28が、この濃度値変換工程で線形変換された各画素の濃度値に基づいて、前記入力画像を再構築する(画像濃度変換工程)。
ここで、上記画像平面設定工程、最大最小濃度値特定工程、最大最小濃度画像生成工程、濃度値置換設定工程、濃度値変換工程、画像濃度変換工程については、その実行内容をプログラム化し、コンピュータに実行させるように構成してもよい。
以下、図2のフローチャートに基づいて更に詳説する。
まず、図1の画像入力装置11により、入力画像が画像強調装置12の備えるデータ記憶部22に格納される(ステップS1)。
これは、例えば、スキャナで読み取られた画像をディジタル化して入力する。また、既にディジタル化された画像ファイルを入力の対象としてもよい。
次に、図1の画像平面設定部23が、前記入力画像を構成する画素に対応した同数の画像で構成される最大濃度平面および最小濃度平面を設定する(ステップS2:画像平面設定工程)。
このとき、前記最大濃度平面を構成する全画素の濃度値を一律の値に初期設定してもよい(例えば255)、同じく前記最小濃度平面を構成する全画素の濃度値を一律の値に初期設定してもよい(例えば0)。
前記入力画像を構成する各画素(「注目画素」という)のうち一の画素の周囲に直径20画素の一の領域(参照領域)を設定すると共に、設定された当該参照領域に対応した濃度ヒストグラムを生成する(ステップS3,S4)。
次いで、最大最小濃度値特定部24が、前記参照領域から生成された濃度ヒストグラムから最小濃度値および最大濃度値を抽出すると共に、当該最小濃度値および最大濃度値を前記一の参照領域内にある各画素に共通に特定する(ステップS5,S6:最大最小濃度値特定工程)。
これにより、前記入力画像の参照領域内の画素は、固有の濃度値の他に特定された最小濃度値および最大濃度値を有することとなる。
次いで、最大最小濃度画像生成部25の備える最小濃度平面生成手段251は、前記最小濃度値を、当該最小濃度値が特定された画素に対応する前記最小濃度平面上の画素の濃度値に設定し、同時に前記最大最小濃度画像生成部25の備える最大濃度平面生成手段252は、前記最大濃度値を、当該最大濃度値が特定された画素に対応する前記最大濃度平面上の画素の濃度値に設定する(ステップS7,S8:最大最小濃度値設定工程)。
このとき、最小濃度平面および最大濃度平面内の対応する画素に既にそれぞれ最小濃度値、最大濃度値が設定されている場合、濃度値置換設定部26の備える最小値置換設定手段261は、各参照領域ごとに順次抽出される最小濃度値(minR)と先に特定された最小濃度値(minP)とを比較し(ステップS9)、後に抽出された値(minR)が、先に特定された最小濃度値(minP)より大きい場合、後に抽出された最小濃度値(minR)を前記画素の局所最小値として特定すると共に、前記共通領域の画素に対応する前記最小濃度平面上の画素に設定された濃度値を前記局所最小値に更新し(ステップS11)、同時に濃度値置換設定部26の備える最大値置換設定手段262は、後に抽出された最大濃度値(maxR)と先に特定された最大濃度値(maxP)とを比較し(ステップS10)、後に抽出された値(maxR)が、先に特定された最小濃度値(maxP)より小さい場合、後に抽出された最大濃度値(maxR)を前記画素の局所最大値として更新すると共に、前記共通領域の画素に対応する前記最大濃度平面上の画素に設定された濃度値を前記局所最大値として更新する(ステップS12)。
次いで、前記参照領域内の画素全てについて前記最小濃度平面および最大濃度平面の対応する画素領域の各画素の濃度値について局所最小値および局所最大値の更新が実行されたか否かが判定される(ステップS13)。
全参照画素について終了していない場合、同一参照領域内の別の参照画素が設定されて、当該参照画素について対応する最小濃度平面上の画素のminPとminR、最大濃度平面上の画素のminPとmaxRの比較が行われる(ステップS7,S8)
全参照画素について局所最小値および局所最大値の更新が実行された場合、次に、前記入力画像の全注目画素について局所最小値および局所最大値の更新が実行されたか否かが判定される(ステップS14)。
全画素について実行されていなければ、別の注目画素が設定されると共に当該注目画素に対応した領域が設定されてステップS3から前述の処理が続けられる。
これにより、最終的に決定される最小濃度平面の各画素の濃度値は、当該画素を含んで設定される複数の参照領域各々から抽出される最小濃度値のうちの一番大きな値である局所最小値に設定され、同じく最大濃度平面の各画素の濃度値は、当該画素を含んで設定される複数の参照領域各々から抽出される最大濃度値のうちの一番小さな値である局所最大値に設定される。
ここで、図8(a)は、入力画像図7(a)に対して、上記処理を行い生成した最小濃度平面を示す。背景ノイズ領域境界に沿って局所最小値が大きく異なっており、背景ノイズ境界近傍の局所最小値が適切に表現されている。
また、図8(b)は、入力画像図7(a)に対して、上記処理を行い生成した最大濃度平面を示す。これについても、背景ノイズ領域境界に沿って局所最大値が大きく異なっており、背景ノイズ境界近傍の局所最大値が適切に表現されている。
次いで、濃度値変換制御部27は、前記入力画像の各画素の当該画像を構成する固有の濃度値を対象として、前記入力画像を構成する画素全てに共通の共通最小濃度値と共通最大濃度値とを設定する。ここでは、前記入力画像の画素全てに対して一律に共通最小値として0を、共通最大値として255を設定する。
尚、入力画像のダイナミックレンジが極端に狭いときや参照領域内の濃度値が全て同一値のときには、共通最小値及び共通最大値を注目画素毎に変えてもよい。
例えば、参照領域内の画素が全て同一の濃度値で結果的にmaxPとminPの差が0になる場合には、注目するテクスチャが無い領域と判断できるので、背景濃度の代表値として例えば32のような中間値を変換濃度値として設定してもよい。
ここで、前記濃度値変換制御部27は、前記最小濃度平面上の対応する各画素に設定された局所最小値を共通最小濃度値(0)に、前記最大濃度平面の対応する各画素に設定された局所最大値を共通最大濃度値(255)に、それぞれ変換することにより、同時に前記入力画像を構成する各画素固有の元の濃度値を一様に線形変換する(ステップS15)。
換言すると、前記各注目画素の濃度値(元の濃度値)、この画素に対応する最小濃度平面の画素の濃度値(局所最小値)、及び最大濃度平面の画素の濃度値(局所最大値)、これら相互の値の相対比を変えることなく局所最小値を共通最小濃度値(0)に、局所最大値を共通最大濃度値(255)に変換することにより、画像全体の画素の濃度値を一様に変換する。
これにより、各画素の局所最小値から局所最大値までの濃度範囲は一様に共通最小濃度値から共通最大濃度値までの共通濃度値範囲へと変換され、広げられるので、前記各注目画素の濃度値は共通最小濃度値および共通最大濃度値との相対比により定められる濃度値へと変換され、入力画像は、濃度範囲の広い、コントラストの強調された画像へ変換される。
ここで、上記変換を行うには、対応する画素アドレスの有する濃度値を変数として、次に表す[数2]から、変換後の濃度値が得られる。
Figure 2008052602
g'(x, y):濃度変換後の入力画像の座標(x, y)における濃度値
g(x, y):入力画像の座標(x, y)における濃度値
minP(x, y):最小濃度平面の座標(x, y)における濃度値(局所最小値)
maxP(x, y):最大濃度平面の座標(x, y)における濃度値(局所最大値)
minT(x, y):入力画像の座標(x, y)における共通最小濃度値(ここでは、0を設定)
maxT(x, y):入力画像の座標(x, y)における共通最大濃度値(ここでは、255を設定)
ただし、このとき、変換後の濃度値g'(x, y)の値が0以下の値となる場合は0に、255以上の値となる場合には255にそれぞれの値を置換する。
また、共通最小濃度値や共通最大濃度値に関しては、極端にダイナミックレンジが狭く、maxPとminPの差が小さくなる場合には、変換後の画像が強調されすぎるのを防ぐために適当な中間値(例えば64と192)を設定してもよい。
次いで、画像濃度変換制御部28が、上記の濃度値変換を行うことで線形変換された各画素の濃度値を前記入力画像の各画素の濃度値と置換することで濃度変換を行う。
以上のようにして、濃度変換され、再構築された画像は、画像出力装置13に入力され、モニタへの表示やプリンタでの出力が行われる(ステップS16)。
尚、本実施形態においては、最大濃度値及び最小濃度値の抽出に濃度ヒストグラムを用いているが、設定した参照領域内の画素の濃度値をデータ記憶部に記憶することにより最大最小濃度値を抽出するようにしてもよい。
図9は、入力画像図7(a)に対して、上述の実施形態による濃度変換を行った場合の画像強調例を示す。注目テクスチャである指紋隆線が強調されると共に、背景ノイズが抑制された画像となっている。
以上のように、前述した本発明にかかる第1実施形態では、入力画像の各画素に特定される局所最小値および局所最大値が、1つの参照領域だけではなく、各画素を含んで設定される全ての参照領域から抽出される値から決定されている。これにより、各画素が、背景ノイズ領域境界の近傍にある場合や隣接している場合でも、当該画素の周辺画素から適切な局所最小値および局所最大値が抽出できる。
[第2実施形態]
以下、本発明にかかる他の実施形態について説明する。
本第2実施形態が、第1実施形態と異なるのは、第1実施形態では、前記入力画像に対応した2つの平面を設定し、入力画像を構成する画素ごとに特定される局所最小値および局所最大値をそれぞれの平面における画素の濃度値とすることで最大濃度平面および最小濃度平面を生成するのに対して、本第2実施形態では、入力画像の各画素毎に局所最小値と局所最大値を記憶する領域をデータ記憶部42上に確保することにより、各画素がもつ複数の最大濃度値および最小濃度値から、各画素の保持する最終的な局所最小値と局所最大値をそれぞれデータ記憶部42で算出し特定する点である。
また、第1実施形態では、入力画像に設定された各画素領域から抽出される最小濃度値および最大濃度値を順次局所最小値および局所最大値と比較更新して段階的に算出する方法を用いるのに対し、本第2実施形態では、データ記憶部42に記憶された前記各画素のもつ抽出された複数の最小濃度値および最大濃度値から局所最小値および局所最大値を算出する方法を用いる点である。
つまり、入力画像の各画素は、複数の参照領域に属し、それら参照領域各々から抽出される複数の最小濃度値および最大濃度値をもつ。そこで、この複数の最小濃度値のうち一番大きな値を局所最小値、複数の最大濃度値のうち一番小さな値を局所最大値として特定する。
以下、この点について説明する。
本第2実施形態では、第1実施形態と同様に画像入力装置31、画像強調装置32、画像出力装置33を備えた構成となっている。また、画像強調装置32で強調処理された画像が直接、画像照合装置34に送信されるように構成してもよい。
このうち前記画像強調装置32は、データ処理制御手段41と、データ記憶部42と、当該データ記憶部42に入力された入力画像を構成する複数の画素を対象として当該各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した直径20画素の画素領域(「参照領域」という)を設定する領域設定機能を備えた最大最小濃度値抽出部43と、前記入力画像の各画素に対して局所最小値および局所最大値を特定する局所濃度値特定部44と、第1実施形態と同様の機能を備えた濃度値変換制御部47と画像濃度変換制御部48とを備えた構成となっている。
また、前記最大最小濃度値抽出部43は、前記領域設定機能により設定した各画素領域にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出してこれらを当該各領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定すると共に、前記データ記憶部42に記憶する最大最小濃度値記憶機能を備えている。
更に、前記局所濃度値特定部44は、前記最大最小濃度値抽出部43によって特定された最大濃度値および最小濃度値を、前記各画素がそれぞれ複数有する場合に、当該複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値とすると共に、当該複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する局所最大最小値特定機能を備えている。
これにより、前記入力画像を構成する画素全てについて参照領域を設定すると共に、全ての参照領域から最小濃度値および最大濃度値を抽出して、記憶することができるため局所最大値および局所最小値を算出する効率を向上させることができる。
[第2実施形態の動作説明]
第2実施形態において、画像入力装置31より画像情報が入力された場合、最大最小濃度値抽出部43が、入力画像を構成する複数の画素を対象として当該各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した直径20画素の画素領域を設定すると共に、当該設定された各画素領域内にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出すると共にデータ記憶部32に記憶し、これらを当該各領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する(第1の工程)。
次いで、この第1の工程によって特定された最大濃度値および最小濃度値を前記各画素が前記各領域に対応してそれぞれ複数の最大濃度値および最小濃度値をデータ記憶部42に記憶している場合に、局所濃度値特定部44が、当該記憶された複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値として特定すると共に、当該記憶された複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する(第2の工程)。
次に、濃度値変換制御部47が、この特定された前記各画素の局所最小値および局所最大値と前記各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該画素の各濃度の相対比を維持しつつ、これとは別に設定した各画素に共通の共通最小値および共通最大値に変換して共通化し前記入力画像における各画素の元の濃度値を同時に線形変換する(第3の工程)。
最後に、画像濃度変換制御部48が、第3の工程で線形変換された各画素の濃度値に基づいて、前記入力画像を再構築する(第4の工程)。
ここで、上記第1の工程、第2の工程、第3の工程、第4の工程については、その実行内容をプログラム化しコンピュータに実行させるように構成してもよい。
また、上記第3の工程と第4の工程については、第1実施形態の濃度値変換工程及び画像濃度変換工程に対応し、特定された前記各画素の局所最小値および局所最大値と前記各画素の前記入力画像における元の濃度値とに基づいて、同様に濃度値の線形変換を行う(第1実施形態ステップS15〜S16)。
尚、前記第2の工程において特定された各画素の局所最大値および局所最小値に基づいて前記入力画像に対応した最小濃度平面および最大濃度平面を生成してもよい。
これにより、この最大濃度平面、最小濃度平面を確認することで、各参照領域から抽出する濃度値を入力画像に適合した値に決めることができる。
尚、第1実施形態と同様に、本第2実施形態においても前記参照領域から抽出される最大濃度値および最小濃度値は、最大の濃度値および最小の濃度値でもよいが、異端値を除去するために最大値および最小値からのヒストグラム累積値が5%程度の濃度値を抽出するように設定してもよい。
次に、前述した構成の画像強調処理システム30における画像濃度変換処理の全体的な動作について図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、画像入力装置31により、入力画像が画像強調装置12の備えるデータ記憶部22に格納される(ステップS21)。
これは、例えば、スキャナで読み取られた画像をディジタル化して入力する。また、既にディジタル化された画像ファイルを入力の対象としてもよい。
次に、最大最小濃度値抽出部43が、前記入力画像を構成する各画素(「注目画素」という)全てに対して画素の周囲にそれぞれ直径20画素の領域(参照領域)を設定する(ステップS22)。ここで、設定された各領域(「参照領域」という)内にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出すると共にデータ記憶部42に記憶する(ステップS23)。
尚、各参照領域から最大濃度値および最小濃度値を抽出する際、各参照領域毎に濃度ヒストグラムを設定して抽出してもよい。
また、抽出される最大濃度値および最小濃度値は、各参照領域の最大の濃度値および最小の濃度値でもよいが、異端値を除去するために最大値および最小値からのヒストグラム累積値が5%程度の濃度値を抽出するように設定してもよい。
次いでこれらを当該各参照領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する(ステップS24)。
これにより、複数の参照領域の重なる共通領域に含まれる各画素は複数の参照領域に同時に含まれる(属する)ので、属する参照領域と同数の最小濃度値および最大濃度値をもつことになる(ステップS22〜S24:第1の工程)。
次に、データ記憶部42に記憶された前記各画素のもつ複数の最大濃度値および最小濃度値から当該記憶された複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値として特定すると共に、当該記憶された複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する(ステップS25:第2の工程)。
これにより、入力画像を構成する各画素毎に局所最小値および局所最大値が特定され、当該各画素は、固有の濃度値と合わせて3つの値を有することとなる。
以下、第1実施形態と同様に濃度変換処理が行われる。
濃度値変換制御部47は、前記入力画像の各画素の当該画像を構成する固有の濃度値を対象として、前記入力画像を構成する画素全てに共通の共通最小濃度値と共通最大濃度値とを設定する(ステップS26)。ここでは、前記入力画像の画素全てに対して一律に共通最小値として0を、共通最大値として255を設定する。
尚、入力画像のダイナミックレンジが極端に狭いときや参照領域内の濃度値が全て同一値のときには、共通最小値及び共通最大値を注目画素毎に変えてもよい。
例えば、参照領域内の画素が全て同一の濃度値で結果的にmaxPとminPの差が0になる場合には、注目するテクスチャが無い領域と判断できるので、背景濃度の代表値として例えば32のような中間値を変換濃度値として設定してもよい。
前記最小濃度平面上の対応する各画素に設定された局所最小値を共通最小濃度値(0)に、前記最大濃度平面の対応する各画素に設定された局所最大値を共通最大濃度値(255)に、それぞれ一様に変換することにより、同時に前記入力画像を構成する各画素固有である元の濃度値を線形変換する。
換言すると、前記各注目画素の濃度値(元の濃度値)、この画素に対応する最小濃度平面の画素の濃度値(局所最小値)、及び最大濃度平面の画素の濃度値(局所最大値)の相互の値の相対比を変えることなく局所最小値を共通最小濃度値(0)に、局所最大値を共通最大濃度値(255)に変換する。
これにより、各画素の局所最小値から局所最大値までの濃度範囲は一様に共通最小濃度値から共通最大濃度値までの共通濃度値範囲へと変換され、広げられるので、前記各注目画素の濃度値は共通最小濃度値および共通最大濃度値との相対比により定められる濃度値へと変換され、入力画像は、濃度範囲の広い、コントラストの強調された画像へ変換される。
ここで、上記変換を行うには、対応する画素の有する濃度値を変数として、次に表す[数3]から、変換後の濃度値が得られる。
Figure 2008052602
g'(x, y):濃度変換後の入力画像の座標(x, y)における濃度値
g(x, y):入力画像の座標(x, y)における濃度値
minP(x, y):最小濃度平面の座標(x, y)における濃度値(局所最小値)
maxP(x, y):最大濃度平面の座標(x, y)における濃度値(局所最大値)
minT(x, y):入力画像の座標(x, y)における共通最小濃度値(ここでは、0を設定)
maxT(x, y):入力画像の座標(x, y)における共通最大濃度値(ここでは、255を設定)
ただし、このとき、変換後の濃度値g'(x, y)の値が0以下の値となる場合は0に、255以上の値となる場合には255にそれぞれの値を置換する。
次いで、画像濃度変換制御部48が、上記の濃度値変換を行うことで線形変換された各画素の濃度値を前記入力画像の各画素の濃度値と置換することで濃度変換を行う。
以上のようにして、濃度変換され、再構築された画像は、画像出力装置33に入力され、モニタへの表示やプリンタでの出力が行われる(ステップS27)。
尚、上記第2実施形態のステップS25で特定された局所最大値および局所最小値を基にして前記第1実施形態と同様に最大濃度平面および最小濃度平面を生成して画像強調処理を行ってもよい。
また、本第2実施形態では、入力画像から抽出され、データ記憶部42に記憶された複数の最大濃度値および最小濃度値から各画素の局所最大値および局所最小値を特定しているが、第1実施形態と同様に各参照領域毎に抽出される値を比較して順次更新する方法によって各画素の最終的な局所最大値および局所最小値を特定してもよい。
以上のように、第1実施形態又は第2実施形態においては、入力画像の各画素に特定される局所最小値および局所最大値は、前記各画素の周囲の領域の濃度値から相対的に特定された濃度値のうち極端に低い濃度値や高い濃度値を排除した平均化された濃度値をもつ画素により構成される。このようにして決定された局所最小値と局所最大値を用いて濃度変換することにより、背景ノイズ領域境界の近傍であっても背景ノイズ領域境界が強調されることなくそれを抑制し、テクスチャのみを強調した画像が得られる。
ここで、本実施形態(第1、第2実施形態)による強調画像例の図9にあって、背景ノイズ領域境界近傍のみを拡大し線分L上における画像のプロファイルを示したものを図10に示す。尚、この図10における線分Lの位置は、図6で示した入力画像における線分Lの位置と同一である。
この図10に示されるように、図6に比べて背景ノイズがある領域であっても指紋隆線のダイナミックレンジは大幅に拡張されている。その一方で、背景ノイズ領域境界は強調されていないため、効果的な背景ノイズの低減除去ができている。
これにより、入力画像の各画素が属する領域の最小濃度値および最大濃度値を適切に代表した値を抽出できているといえる。
尚、第1、第2実施形態においては、注目するテクスチャを指紋として画像強調処理を行っているため、入力画像に対する参照領域の設定を直径20画素程度の円とする例を示しているが、例えば、掌紋を注目するテクスチャとするときは、参照領域を直径25画素程度の円とする。
また、第1、第2実施形態においては、参照領域の形状として円を設定しているが、背景ノイズが矩形の場合には、矩形の背景ノイズ頂点付近を正確に濃度変換するために、矩形(例えば正方形)の参照領域を用いる方が望ましい。また、正方形を適当な回転角で回転した形状の参照領域を設定してもよい。
このような形状の異なる参照領域を複数組み合わせて用いることで、任意の形状を持つ背景ノイズに対応して、当該背景ノイズをより有効に除去、抑制することができる。
本発明は、指紋や掌紋を用いたセキュリティ向上などの用途に適用可能である。
第1実施形態に係る画像強調処理システム10の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る画像濃度変換処理の流れを示すフローチャート図である。 第2実施形態に係る画像強調処理システム30の構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る画像濃度変換処理の流れを示すフローチャート図である。 遺留指紋画像例の図である。 図5における背景ノイズ領域境界近傍におけるプロファイルの図である。 (a)は、入力画像例の図であり、(b),(c)は、従来の不具合を説明するための図である。 (a)は本発明による最小濃度平面例の図であり、(b)は本発明による最大濃度平面例の図である。 本発明による画像強調例の図である。 図9における背景ノイズ領域境界近傍におけるプロファイルの図である。
符号の説明
10,30 画像強調処理システム
11,31 画像入力装置
12,32 画像強調装置
13,33 画像出力装置
14,34 画像照合装置
21,41 データ処理制御部
22,42 データ記憶部
23 画像平面設定部
24 最大最小濃度値特定部
25 最大最小濃度画像生成部
26 濃度値置換設定部
27,47 濃度値変換制御部
28,48 画像濃度変換制御部
251 最小濃度平面生成手段
252 最大濃度平面生成手段
261 最小値置換設定手段
262 最大値置換設定手段
43 最大最小濃度値抽出部
44 局所濃度値特定部

Claims (12)

  1. 入力画像を構成する複数の画素と同数の画素から成る少なくとも二つの画像平面を設定する画像平面設定工程と、
    前記入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの画素領域を設定して当該設定された各画素領域の内の一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する最大最小濃度値特定工程と、
    この特定された一の画素領域内における各画素の最大濃度値および最小濃度値を前記二つの画像平面に分けて且つ各画素の位置を対応させてそれぞれ記憶し、これによって最大濃度平面と最小濃度平面とを生成する最大最小濃度画像生成工程と、
    前記一の画素領域における最大最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には前記最大濃度平面内の同一画素における濃度値を当該小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には前記最小濃度平面内の同一画素における濃度値を当該大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定工程と、
    前記濃度値置換設定工程で生成された最大濃度平面および最小濃度平面の各共通の画素の局所最小値および局所最大値とこれに対応する位置にある各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に同時に前記入力画像における各画素の元の濃度値を線形変換する濃度値変換工程と、
    この濃度値変換工程で線形変換された各画素の濃度値に基づいて、前記入力画像を再構築する画像濃度変換工程とを備えたことを特徴とする画像濃度変換方法。
  2. 入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの複数の画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する最大最小濃度値特定工程と、
    前記一の画素領域における最大濃度値および最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定工程と、
    前記濃度値置換設定部で置換生成された各画素における局所最小値および局所最大値と当該各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に、前記入力画像における各画素の元の濃度値をも同時に線形変換する濃度値変換制御工程と、
    この濃度値変換工程で線形変換された各画素の濃度値に基づいて、前記入力画像を再構築する画像濃度変換工程とを備えたことを特徴とする画像濃度変換方法。
  3. 前記請求項1又は2に記載の画像濃度変換方法において、
    前記画像濃度変換工程を、前記濃度値変換工程で線形変換された各画素の濃度値を対応する前記入力画像の各画素の元の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換工程としたことを特徴とする画像濃度変換方法。
  4. 入力画像を構成する複数の画素を対象として当該各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した一定の画素領域を設定すると共に、当該設定された各画素領域内にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出してこれらを当該各領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する第1の工程と、
    この第1の工程によって特定された最大濃度値および最小濃度値を前記各画素が前記各領域に対応してそれぞれ複数有する場合に、当該複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値とすると共に、当該複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する第2の工程と、
    この特定された前記各画素の局所最小値および局所最大値と前記各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該画素の各濃度の相対比を維持しつつ、これとは別に設定した各画素に共通の共通最小値および共通最大値に変換して共通化し前記入力画像における各画素の元の濃度値を同時に線形変換する第3の工程と、
    この第3の工程で線形変換された各画素の濃度値に基づいて、前記入力画像を再構築する第4の工程とを備えたことを特徴とする画像濃度変換方法。
  5. 前記請求項4に記載の画像濃度変換方法において、
    前記第2の工程と第3の工程との間に、前記第2の工程で特定された各画素にける前記局所最大値と局所最小値とを分離してそれぞれ前記入力画像に対応して且つ当該入力画像を構成する複数の画素に対応した最小濃度平面と最大濃度平面とをそれぞれ生成する濃度平面生成工程を設けたことを特徴とする画像濃度変換方法。
  6. 前記請求項4又は5に記載の画像濃度変換方法において、
    前記第4の工程を、前記第3の工程で線形変換された各画素の濃度値で線形変換された各画素の濃度値を対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する第4の工程としたことを特徴とする画像濃度変換方法。
  7. 入力画像を構成する複数の画素と同数の画素から成る少なくとも二つの画像平面を設定する画像平面設定部と、
    前記入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定する最大最小濃度値特定部と、
    この特定された一の画素領域内における各画素の最大濃度値および最小濃度値を前記二つの画像平面に分けて且つ各画素の位置を対応させてそれぞれ記憶し、これによって最大濃度平面と最小濃度平面とを生成する最大最小濃度画像生成部と、
    前記一の画素領域における最大最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には前記最大濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には前記最小濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定部とを設け、
    前記濃度値置換設定部で置換生成された最大濃度平面および最小濃度平面の各共通の画素の局所最小値および局所最大値とこれに対応する位置にある各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に同時に前記入力画像における各画素の元の濃度値を線形変換する濃度値変換制御部を装備すると共に、
    この濃度値変換制御部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御部を設けたことを特徴とする画像強調処理装置。
  8. 入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの複数の画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値特定部と、
    前記一の画素領域における最大濃度値および最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定部とを設け、
    前記濃度値置換設定部で置換生成された各画素における局所最小値および局所最大値と当該各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に、前記入力画像における各画素の元の濃度値をも同時に線形変換する濃度値変換制御部を装備する共に、
    この濃度値変換制御部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御部を設けたことを特徴とする画像強調処理装置。
  9. 入力画像を構成する複数の画素を対象として当該各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した一定の画素領域を設定すると共に、当該設定された各画素領域内にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出してこれらを当該各領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値抽出部と、
    この特定された最大濃度値および最小濃度値を前記各画素が前記各領域に対応してそれぞれ複数有する場合に、当該複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値とすると共に、当該複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する局所濃度値特定部とを備え、
    この特定された前記各画素の局所最小値および局所最大値と前記各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該画素の各濃度の相対比を維持しつつ、予め別に設定した各画素に共通した共通最小値および共通最大値に変換して共通化し前記入力画像における各画素の元の濃度値を同時に線形変換する濃度値変換設定部を装備し、
    この濃度値変換設定部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御部とを設けたことを特徴とする画像強調処理装置。
  10. 入力画像を構成する複数の画素と同数の画素から成る少なくとも二つの画像平面を設定する画像平面設定機能、
    前記入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値特定機能、
    この特定された一の画素領域内における各画素の最大濃度値および最小濃度値を前記二つの画像平面に分けて且つ各画素の位置を対応させてそれぞれ記憶し、これによって最大濃度平面と最小濃度平面とを生成する最大最小濃度画像生成機能、
    前記一の画素領域における最大最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には前記最大濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には前記最小濃度平面内の同一画素における濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定機能、
    前記濃度値置換設定部で置換生成された最大濃度平面および最小濃度平面の各共通の画素の局所最小値および局所最大値とこれに対応する位置にある各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に同時に前記入力画像における各画素の元の濃度値を線形変換する濃度値変換制御機能、
    この濃度値変換制御部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御機能、
    をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とした画像強調処理プログラム。
  11. 入力画像の各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複することを前提とした一定の大きさの複数の画素領域を設定して当該設定された各画素領域のうちの一の画素領域内における複数の画素から最大濃度値と最小濃度値とを抽出してこれらを当該一の領域内にある各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値特定機能、
    前記一の画素領域における最大濃度値および最小濃度値の抽出に続いて前記他の画素領域における最大濃度値および最小濃度値を順次抽出すると共に、この抽出した最大濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最大濃度値より小さい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した小さい濃度値に置換してこれを局所最大値とし、同時に、前記抽出した最小濃度値が先に特定した重複領域における同一画素の最小濃度値より大きい場合には当該同一画素における先の濃度値を当該抽出した大きい濃度値に置換してこれを局所最小値とする濃度値置換設定機能、
    前記濃度値置換設定部で置換生成された各画素における局所最小値および局所最大値と当該各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該各画素が備えている各濃度の相対比を維持しつつ、前記各画素の局所最小値および局所最大値に対応して予め共通に設定された共通最小値および共通最大値に一様に変換すると共に、前記入力画像における各画素の元の濃度値をも同時に線形変換する濃度値変換制御機能、
    この濃度値変換制御部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御機能、
    をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする画像強調処理プログラム。
  12. 入力画像を構成する複数の画素を対象として当該各画素毎にその周囲にそれぞれ一部重複した一定の画素領域を設定すると共に、当該設定された各画素領域内にある画素の最大濃度値と最小濃度値とを各画素領域毎に抽出してこれらを当該各領域内の各画素に共通した最大濃度値および最小濃度値として特定し記憶する最大最小濃度値抽出機能、
    この特定された最大濃度値および最小濃度値を前記各画素が前記各領域に対応してそれぞれ複数有する場合に、当該複数の最大濃度値の内の一番小さい値を局所最大値とすると共に、当該複数の最小濃度値の内の一番大きい値を局所最小値として特定する局所濃度値特定機能、
    この特定された前記各画素の局所最小値および局所最大値と前記各画素の前記入力画像における元の濃度値とを、当該画素の各濃度の相対比を維持しつつ、予め別に設定した各画素に共通した共通最小値および共通最大値に変換して共通化し前記入力画像における各画素の元の濃度値を同時に線形変換する濃度値変換設定機能、
    この濃度値変換設定部で線形変換された各画素の濃度値を、対応する前記入力画像の各画素の濃度値と置換して前記入力画像を再構築する画像濃度変換制御機能、
    をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする画像強調処理プログラム。

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