JP2008051981A - 光レセプタクル - Google Patents

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Abstract

【課題】コード荷重時の特性変動を少なくしながらも、端子部材の挿入時に、端子部材の弾性体の力により、プラグ体が光伝搬部材に衝突して、大きな衝撃が発生することがないような光レセプタクルを簡単な構成で提供する。
【解決手段】軸方向に割れ目31aが形成された筒形状を有し、プラグ体を第1端部31−1から導入する割りスリーブ31と、割りスリーブ31で導入された前記プラグ体が一端部30−1から挿入され前記プラグ体が有する外径に対して実質的に隙間が発生しない内径を持つ筒形状のソリッドスリーブ30と、ソリッドスリーブ30の他端部30−2に固定されて前記プラグ体と光学的に結合される光伝搬部材28と、をそなえ、割りスリーブ31における第1端部31−1とは反対側の第2端部31−2と、ソリッドスリーブ30の一端部30−1と、が嵌め合いにより連結される。
【選択図】図1

Description

本発明は、SFP(Small Form-Factor Pluggable)やXFP(10 Gigabit Small Form-factor Pluggable)などのプラガブル型の光トランシーバーモジュールに搭載されるTOSA(Transmitter Optical Sub Assembly)やROSA(Receiver Optical Sub Assembly)に用いて好適の、光レセプタクルに関するものである。
近年、SFPやXFPなどのプラガブル型の光トランシーバーモジュールのMSA(Multi Source Agreement)が制定され、SONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy)や、Ethernet(登録商標)の光通信システムに多数使用されてきている。このプラガブル型の光トランシーバーモジュールには、TOSA(Transmitter Optical Sub Assembly)およびROSA(Receiver Optical Sub Assembly)といった、送信および受信機能を有する光サブアセンブリが、MSAで寸法が規定されたパッケージの中に実装される。
ここで、例えば、SFP用のTOSA100は、図14に示すように、半導体レーザ素子(以下、LD素子)101と、LD素子101から出射されるレーザ光を平行光および集束光にするためのレンズ102および103と、その他の電子部品も含めて部品を実装するためのパッケージ104と、さらにレーザ光を光コネクタプラグ(SFPの場合、LCコネクタプラグ、図16の符号130参照)に接続、導入するための光レセプタクル105なる部品と、から構成されている。
光レセプタクル105は、ファイバスタブ108と、金属などからなるホルダ109と、筒状のスリーブ110と、金属などからなるスリーブケース111と、をそなえている。ファイバスタブ108は、ジルコニアなどのセラミックス材料からなる円柱状のフェルール106に設けられる貫通孔に、主に石英ガラスからなる光ファイバ107が挿入、固定されて構成される。
そして、光レセプタクル105としては、このファイバスタブ108の後端側を金属などからなるホルダ109に圧入により固定し、先端側にスリーブ110なる筒状の部品の一部が挿入され、嵌め込まれた構成を有している。更に、スリーブ110が飛び出さないように、スリーブ110の外側に、金属などからなるスリーブケース111が具備されており、このスリーブケース111についてもホルダ109に圧入されて一体化されている。
また、例えば、XFP用のROSA120は、図15に示すように、光コネクタプラグ(XFPの場合はLCコネクタプラグ;図16の符号130参照)を接続するための光レセプタクル112と、半導体受光素子(以下、PD素子)113と、光コネクタプラグからのレーザ光を、PD(Photo Diode)素子113に集束するためのレンズ114と、他の電子部品も含めて部品を実装するためのパッケージ115と、から構成されている。
この図15に示す光レセプタクル112は、図14に示す光レセプタクル105とは異なる構成の例であり、筒状のスリーブ117と、スリーブ117の内面に接着などにより固定された透明なガラス板116と、スリーブケース119と、スリーブ117およびスリーブケース119を精密固定し一体化するホルダ118と、をそなえている。
一方、図16に示すように、光コククタプラグ(端子部材)130は、TOSA100又はROSA120における光レセプタクル105,112に挿入され嵌合されるものであって、中心の貫通孔に光ファイバ121が挿入されたプラグフェルール(プラグ体)122と、プラグフェルール122を所定の力でファイバスタブ108またはガラス板116に物理的に当て付け、密着させるための弾性体であるバネ123と、それらの部品を内部に組み込むプラグハウジング124と、からなる。
近年、SFPやXFPなどのプラガブル型の光トランシーバーモジュールがEthernetなどのデータ通信に多く用いられるにつれ、従来の電気コククタと同様の取り扱いをしても性能上の問題が発生しないことが求められるようになった。特に、光回線数が増え、光ファイバコードの本数が増えるにつれ、束ねられた複数の光ファイバコードの重量が無視できなくなってきたこともあり、接続した光ファイバコードに荷重をかけても特性があまり変わらないことが求められるようになってきている。例えば、具体的には、接続した光ファイバコードに所定の荷重(100gfなど)を加えた時のTOSAの光出力変動(あるいはROSAの受信感度)が所定の変動以内(1dB以下)などのような仕様を満足する必要がある。
このようなコード荷重時の特性変動を低減するためには、プラガブル型の光トランシーバーモジュールのハウジングの構造も重要であるが、TOSAなどの光サブアセンブリの光レセプタクルの構造、中でも光レセプタクルの中のスリーブ(図14,図15の符号110,117参照)が極めて重要な役割を果たすと考えられる。一般に実用化されているスリーブには、大きく分けて、図17に示すような割りスリーブ141と、図18に示すような精密スリーブ(ソリッドスリーブ)142と、がある。
図17の割りスリーブ141は、文字通り、筒状のスリーブに割り141aが入っているものであり、割りスリーブ141の内径R1は、若干ファイバスタブ(図14の符号108参照)およびプラグフェルール(図16の符号122)の外径よりも小さく設定されている。このため、割りスリーブ141には所定の力でファイバスタブおよびプラグフェルール122(図16参照)を挿入することができ、挿入後は、その弾性力(割り141aが開かれる力に対する反力である閉じようとする力)でプラグフェルールを拘束することができる。
図14の光レセプタクル105に着目すると、ファイバスタブ108はホルダ109に圧入固定されているので、ファイバスタブ108と挿入されたプラグフェルール122の両方に図17の割りスリーブ141が嵌っていると、割りスリーブ141の弾性力により、ファイバスタブ108の外周に沿うように、プラグフェルール122が整列されることになり、ファイバスタブ108およびプラグフェルール122相互の中心にある光ファイバ107,121の軸合せができるしくみを持たせることができる。
なお、割りスリーブ141の弾性力は高ければ良いというものではなく、弾性力が高すぎると、プラグフェルール122を挿抜する時に必要な力(通常、抜くときに必要な力ということで、抜去力と称する)が高くなる。このように抜去力が高くなると、前述した、プラグフェルール122がバネ123の力でファイバスタブ108に当てつかなくなり、プラグフェルール122とファイバスタブ122が密着しないことになり、反射や結合ロスが発生してしまうことがある。そこで、IEC(International Electrotechnical Commission)やFOCIS(Fiber Optic Connector Intermateability Standards)などの規定では、例えば、LCコネクタの場合で、抜去力1〜2.5Nと、過度に高くなりすぎることのないように規定されている。
一方、精密スリーブ142とは、図18のように割りは無く、内径R2がファイバスタブ108およびプラグフェルール122の外径よりもわずかに大きくなるように精密に加工されているものである。このため、1μm程度の精度で精密にファイバスタブ108およびプラグフェルール122内の光ファイバの軸合せをすることができる。
ここで、図14に示すTOSA100に光コネクタプラグ130が接続されている場合を想定し、光コネクタプラグ130につながる光ファイバコードに荷重をかけた時の挙動を考える。光コネクタプラグ130は、TOSA100に挿入(嵌合)時、プラグフェルール122がファイバスタブ108に当てつくことで、多少後方に引っ込んでおり、その状態では、プラグハウジング124内のどの箇所にも当たっていない、いわゆるフロート状態(浮いた状態)となっていることが多い。
しかし、ファイバコードに大きな荷重をかけた場合、フロート状態が崩れ、図19に示すように、荷重の一部が直接プラグフェルール122に伝わることがある。このような状態では、スリーブ110として図17に示す割りスリーブ141を光レセプタクル105に用いた場合には、割りスリーブ141の弾性力がプラグフェルール122の荷重に負けてしまい、スリーブ141の割り141aが開き、プラグフェルール122内の光ファイバ121の軸が、ファイバスタブ108に含まれる光ファイバ107の軸からずれてしまうことがある。
このような場合、結合ロスが発生することとなり、TOSAの場合、光出力変動となってしまう。このように、割りスリーブ141では、構造上、一定以上の荷重がプラグフェルール122にかかってしまうと、割りスリーブ141が過度に開く(径が広がる)ことが有り得るので、コード荷重時の特性変動が大きくなってしまうことがある。
一方、精密スリーブ142は、前述したように、割りがないため、一定以上の荷重がプラグフェルール122にかかっても、精密スリーブ142が破壊されない限り、スリーブ142が開く(径が広がる)ことがないため、精密スリーブ142の場合におけるコード荷重時の特性変動は、割りスリーブ141の場合に比べて良好である。このように、特に、コード荷重時の特性変動を低減する必要がある場合には、精密スリーブ142が用いられることがある。
その他、本願発明に関連する従来技術としては、以下に示す特許文献1および2に記載されたものがある。
特許文献1には、スリーブの構成を長手方向にスリットが入った弾性部分と把持リングで加締められる部分をスリットの無い剛体部分とした技術について記載されている。
また、特許文献2には、精密スリーブの開放端部から長手方向の中央部にかけて、その幅が開放端部よりも中央部が広いスリット(割り)が形成された構成について記載されている。
特開2004−317848号公報 特開2005−181903号公報
しかしながら、本願発明者は、鋭意検討の結果、精密スリーブ142には、以下のような課題があることを見出した。
精密スリーブ142は、前述したように、内径がファイバスタブおよびプラグフェルールの外径よりも数μm程度しか大きくないため、嵌合がきつい。このため、例えば図19のように、光レセプタクル105のスリーブ110として構成した場合には、光コネクタプラグ122が光レセプタクル105に対して斜めに挿入されたときに、プラグフェルール122の先端部が精密スリーブ142の入口部にカジって引っ掛ることがある(図19のA1参照)。
プラグフェルール122の先端部が精密スリーブとしてのスリーブ110の入口部に引っ掛ったまま、更に光コネクタプラグ130を挿入すると、光コネクタプラグ130内のバネ123が収縮してプラグフェルール122が中に押し込まれる。このように、光コネクタプラグ130内のバネ123が収縮した状態で、図20のように光コネクタプラグ130の挿入角度を変えると、プラグフェルール122の引っ掛かりが解消し(図20のA2参照)、プラグフェルール122が精密スリーブとしてのスリーブ110に挿入されていく。
この時、収縮していたバネ123の力で、プラグフェルール122が勢いよく挿入されることとなるため、図21に示すように、プラグフェルール122がファイバスタブ108の表面に激しく衝突することがある(図21のA3参照)。このとき、ジルコニアのような硬い材料からなるフェルール106,122同士が衝突するので、例えば10,000Gを越えるような大きな衝撃が発生するという課題がある。
このような大きな衝撃は、圧入されているファイバスタブ108が沈降したり、パッケージ104内部に実装されている精密な電子部品の性能に影響を与えたりすることにつながる。前述した図15の光レセプタクル112の場合でも、ほぼ同様の課題があり、プラグフェルール122がガラス板116表面に激しく衝突することにより、10,000Gを越えるような大きな衝撃が発生することがあり、このような大きな衝撃は、パッケージ115内部に実装されている精密な電子部品の性能に影響を与える原因となりうる。尚、図15に示す光レセプタクル112の場合は、ガラス板116とスリーブ117とは接着固定されており、ガラス板116は沈降しない。
なお、ここで、仮に光コネクタプラグ130側のバネ123を無くすことができれば、上記のような課題は発生しないが、前述したように、バネ123はプラグフェルール122を所定の力でファイバスタブ108やガラス板116に物理的に当て付け、密着させるために必要不可欠であり、バネ123が無いと、プラグフェルール122をファイバスタブ108やガラス板116に当てつけて密着させることが困難となり、反射や結合ロスが発生してしまう。従って、バネ123自体は不可欠な部材であり、無くすことはできない。
前述の特許文献1および2には、図22に示すように、ファイバスタブ151が精密スリーブ152にはめ込まれた光レセプタクル150において、精密スリーブ152の光コネクタプラグが挿入される側から、ファイバスタブ151がはめ込まれている先端位置まで部分的な割れ目であるスリット153を形成する構成について記載されている。
しかしながら、この構成においては、光コネクタプラグが挿入された状態ではファイバスタブがスリット153の形成された精密スリーブ152の領域で支持されることになる。従って、一定以上の荷重が光コネクタプラグをなすプラグフェルールにかかると、前述の割りスリーブ141の場合と同様に割りが開き、プラグフェルールが挿入された状態での当該プラグフェルールの配置が割りの開きによって安定せず、ファイバスタブ151との光軸のズレが容易に生じうる。
すなわち、前述の特許文献1,2に記載された技術においても、やはり、コード荷重時の特性変動が大きくなるという課題がある。実際に、上述の図22に示す構成の光レセプタクル150を用いたTOSAをSFPに搭載して、LC光ファイバコードを接続し、コードに所定の荷重(100gfなど)を加えた時のTOSAの光出力変動を確認したところ、変動が大きく、実用的ではなかった。
また、図23の精密スリーブ154のように、挿入された状態でのプラグフェルールの支持を安定化させるため、長手方向途中まで割れ目であるスリット155が形成された構成も考えられるが、このような構成においては開口部分の広がりに限界があるため、上述の光コネクタプラグを挿入する際の引っかかりを十分に解消させることが困難である。又、このような長手方向途中までスリットを形成する場合には、光コネクタプラグをなすプラグフェルールの挿抜を繰り返し行なうと、そのスリットをなす切れ込み部分に応力が集中する構造のため、この切れ込み部分からヒビ割れが生じる場合も想定され、光レセプタクルとしての寿命を短くしてしまうという課題もある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、コード荷重時の特性変動を少なくしながらも、端子部材の挿入時に、端子部材の弾性体の力により、プラグ体がファイバスタブやガラス板等の光伝搬部材に衝突して、大きな衝撃が発生することがないような光レセプタクルを簡単な構成で提供することを目的とする。
このため、本発明の光レセプタクルは、光端子部材をなすプラグ体を光結合のために受け入れる光レセプタクルであって、軸方向に割れ目が形成された筒形状を有し前記プラグ体を第1端部から導入する割りスリーブと、前記割りスリーブで導入された前記プラグ体が一端部から挿入され前記プラグ体が有する外径に対して実質的に隙間が発生しない内径を持つ筒形状のソリッドスリーブと、前記ソリッドスリーブの他端部に固定されて前記プラグ体と光学的に結合される光伝搬部材と、をそなえ、前記割りスリーブにおける前記第1端部とは反対側の第2端部と、前記ソリッドスリーブの前記一端部と、が嵌め合いにより連結されたことを特徴としている。
この場合においては、好ましくは、前記割りスリーブの前記第2端部は、前記ソリッドスリーブの前記一端部に、外接又は内接して連結する。
さらに、前記割りスリーブの前記第2端部および前記ソリッドスリーブの前記一端部は、前記嵌め合いの外れを阻止する形状をそなえることとしてもよい。
また、前記割りスリーブの長さは、前記ソリッドスリーブよりも短いこととすることができ、更に好ましくは、前記ソリッドスリーブには、前記他端部に固定される光伝搬部材が前記プラグ体と対向する箇所の先端位置から、前記割りスリーブと連結される一端部までの間に、前記プラグ体を支持するための領域が設けられている。
このように、本発明によれば、ソリッドスリーブにより、コード荷重時の特性変動を少なくしながらも、光コネクタプラグ挿入時に、光コネクタプラグの弾性体の力により、プラグ体が光伝搬部材に衝突して、大きな衝撃が発生することがないような光レセプタクルを簡単な構成で提供することができる利点がある。
以下、図面を参照することにより、本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。又、上述の本願発明の目的のほか、他の技術的課題,その技術的課題を解決する手段及び作用効果についても、以下の実施の形態による開示によって明らかとなる。
〔a〕本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態にかかる光レセプタクル25を示す断面図である。第1実施形態にかかる光レセプタクル25は、SFPやXFPなどのプラガブル型の光トランシーバーモジュールなどに搭載されるTOSAおよびROSAに使用されるLCコネクタ用の光レセプタクルとして適用することができるものである。即ち、光レセプタクル25は、前述の図16に示す光コネクタプラグ130のような端子部材を光結合のために受け入れることができるものである。
ここで、第1実施形態における光レセプタクル25は、ファイバスタブ28,金属からなるホルダ29,精密スリーブ(ソリッドスリーブ)30,割りスリーブ31およびスリーブケース32をそなえている。
ファイバスタブ28は、精密スリーブ30における上述の光コネクタプラグ130をなす部材であるプラグフェルール122のごときプラグ体が挿入される側(一端部30−1側)とは反対側(他端部30−2側)に嵌め込まれて固定された光伝搬部材であり、ジルコニアからなる円柱状のフェルール26と、フェルール26の中心の貫通孔に主に石英ガラスからなる光ファイバ27が挿入され固定されてなるものである。
そして、このファイバスタブ28は、図示しない光送受信のためのパッケージ(図14,図15の符号104,115)に接続される側の端部がホルダ29に圧入により固定されるとともに、筒状の精密スリーブ30に挿入され嵌め込まれている。これにより、当該光レセプタクル25と図16に示す光コネクタプラグ130とが結合された場合には、プラグフェルール122の光ファイバ121と光ファイバ27とが光学的に結合されるようになっている。
また、精密スリーブ30は空洞孔30hをそなえた筒状の形状を有し、自身の空洞孔30hに嵌め込まれたファイバスタブ28とともにホルダ29に圧入されることにより固定されている。尚、精密スリーブ30はジルコニアにより構成することができ、空洞孔30hの内径は、図16に示す光コネクタプラグ130をなす部材であるプラグフェルール122の外径(1.2485〜1.2495mm)よりも僅かに大きい、例えば1.251mm程度とすることができる。
さらに、この精密スリーブ30のプラグフェルール122が挿入される側(一端部30−1の側)に、精密スリーブ30よりは長さの短い割りスリーブ31が配置されている。割りスリーブ31は、軸方向に割れ目が形成された筒形状を有し図16に示すプラグフェルール122のごときプラグ体を第1端部31−1から導入する。
すなわち、割りスリーブ31に導入されたプラグフェルール122は、当該割りスリーブ31を通じて(スルーして)、精密スリーブ30に、ファイバスタブ28がはめ込まれている側とは反対側から挿入されるようになっており、これにより、光コネクタプラグ130と光レセプタクル25とが結合され、プラグフェルール122とファイバスタブ28との光学的結合を実現することができる。
ここで、割りスリーブ31と精密スリーブ30とは嵌め合わせにより連結されるようになっている。即ち、割りスリーブ31における第1端部31−1とは反対側の第2端部31−2と、精密スリーブ30の一端部30−1と、が嵌め合いにより連結される。図2に図1の連結部Aの拡大図を示す。
この図2に示すように、精密スリーブ30の一端部30−1および割りスリーブ31の第2端部31−2は、互いに嵌め合うためのザグリによる嵌め合い部として構成される。即ち、精密スリーブ30の一端部30−1は外縁部分に切り欠き加工が施された構成を有し、割りスリーブ31の第2端部31−2は内縁部分に切り欠き加工が施された構成を有する。そして、これらの端部30−1,31−2により、精密スリーブ30および割りスリーブ31は互いに嵌め合い、連結されている。
第1実施形態においては、この図2に示すように、精密スリーブ30の嵌め合い部である一端部30−1に対し、割りスリーブ31の嵌め合い部である第2端部31−2は外接している。即ち、第2端部31−2が一端部30−1の外縁に接して、割りスリーブ31および精密スリーブ30が連結される。
また、連結した状態の割りスリーブ31の内径は、精密スリーブ30の内径とおよそ等しく、割りスリーブ31および精密スリーブ30の肉厚はおよそ等しく構成されている。これにより、割りスリーブ31の第1端部31−1から導入されたプラグフェルール122は、上述の割りスリーブ31および精密スリーブ30との連結箇所となる端部31−2,30−1を通過する際においても干渉を受けることなく挿入されることができる。
さらに、第1実施形態においては、連結する前の割りスリーブ31の部材状態は、嵌め合い部31−2の内径が、精密スリーブ30の嵌め合い部30−1の外径よりも小さく構成されている。これにより、割りスリーブ31の縮もうとする弾性力、換言すれば、割りスリーブ31の第2端部31−2が、精密スリーブ30の一端部30−1に嵌る際の割りスリーブ31の(通常状態よりも開いた)割れ目31aが閉じようとする弾性力によって、精密スリーブ30と割りスリーブ31が互いに嵌め合いで連結されているのである。
また、金属等からなるスリーブケース32は、例えば光レセプタクル25との接続相手となる光コククタプラグ130からの引き抜き動作の際に、精密スリーブ30や割りスリーブ31が飛び出さないようにするためのものであり、精密スリーブ30および割りスリーブ31の外側に、ホルダ29に圧入されて当該ホルダ29と一体化された構成をそなえている。換言すれば、スリーブケース29は、精密スリーブ30および割りスリーブ31の外縁に、これらのスリーブ30,31の設置状態を保護固定すべくそなえられる。
上述のごとく構成された光レセプタクル25は、前述の図14に示すものと同様のLD素子101やレンズ102,103が実装されたパッケージ104に搭載されて、例えばSFP用のTOSAを構成することができる。そして、図16に示すような光コネクタプラグ130を挿入することにより、LD素子101からの光を、光レセプタクル25および光コネクタプラグ130、および光コネクタプラグ130の後段に接続される図示しない光ファイバを通じて送出することができる。
ここで、図14に示す従来技術にかかる光レセプタクル105において、上述の光コネクタプラグ130を挿入口となる側(即ちファイバスタブ108が固定されている側とは反対側)から挿入される場合を想定する。このとき、図19に示すように、光コネクタプラグ130が光レセプタクル108に対して真直ぐな方向(点線S1参照)からずれて斜め方向(実線S2参照)に挿入されると、プラグフェルール122の先端部が精密スリーブ110の入口部をカジって引っ掛ることがある。より正確には、図19のA1に示すように、プラグフェルール122の先端外周の面取り終了部が、精密スリーブ110の挿入側内周の面取りの終了部にカジって引っ掛るのである。
これは、精密スリーブ110が、内径がファイバスタブ108およびプラグフェルール122の外径よりもわずか2μm程度だけ大きくなるように精密に作られているため、精密スリーブ110とプラグフェルール122とが嵌合するための条件が厳しいことからくるものである。
第1実施形態にかかる光レセプタクル25においても、基本的には作業員の作業によって、その挿入口となる側(即ち割りスリーブ31の第1端部31−1側)から光コネクタプラグ130が挿入されるようになる。しかしながら、第1実施形態にかかる光レセプタクル25によれば、前述の図19の場合と同様に光コネクタプラグが光レセプタクルに対して斜めに挿入された場合、プラグフェルール122の先端部が、まず割りスリーブ31に挿入される。
割りスリーブ31は、スリーブの軸方向に割れ目(割り)31aが入っているので、プラグフェルール122を挿入する時に、その割れ目31aが開くことで、容易にその内径が広がり、図19に示すような精密スリーブ110のようにプラグフェルール122の先端部がスリーブ110の入口部に引っ掛かることがない。特に、第1実施形態においては、図2のように、精密スリーブ30の嵌め合い部30−1に対し、割りスリーブ31の嵌め合い部31−2が外接しているので、割スリーブ31の内径は比較的自由に広がることができ、引っ掛かることはない。もちろん、割りスリーブ31の外縁を覆うスリーブケース32は、プラグフェルール122が挿入されたときの割りスリーブ31の内径の広がり程度については許容できるように構成される。
さらには、光コネクタプラグ130を挿入した時、割りスリーブ31の弾性力により、プラグフェルール122は整列され、挿入角度も矯正される。ここで、第1実施形態では、割りスリーブ31は、精密スリーブ30に嵌め合い、連結されているので、挿入したプラグフェルール122は、割スリーブ31中を進むうちに、ほぼ精密スリーブ30の中心に真っ直ぐ入るように整列され、且つ、挿入角度も矯正される。
加えて、連結した状態の割スリーブ31の内径は、精密スリーブ30の内径とおよそ等しいので、挿入したプラグフェルール122は精密スリーブ30の入口部にも引っ掛かることなく挿入される。
すなわち、光コネクタプラグ130のごとき光端子部材を挿入する時に、プラグフェルール122のごときプラグ体の先端部が、割りスリーブ31および精密スリーブ30の入口部にカジって引っ掛かることがないので、従来の精密スリーブ30のみを用いた光レセプタクル108のように、光コネクタプラグ130の収縮したバネ123の力により、プラグフェルール122がファイバスタブやガラス板などの光伝搬部材に衝突することはなく、衝撃はほとんど発生しない。
一方で、挿入される光コネクタプラグ130のプラグフェルール122がファイバスタブ28に物理的に当て付き、密着する箇所は精密スリーブ30の空洞孔30h内であるため、一定以上の荷重がプラグフェルール122にかかっても、結合ロスの発生を抑制させることができ光出力変動を抑制させることができるので、コード荷重時の特性変動を良好に保つことができる。
すなわち、割りスリーブ31の長さを精密スリーブ30の長さよりも短くする一方、精密スリーブ30における他端部30−2に固定されるファイバスタブ28の先端位置から割りスリーブ31と連結される一端部30−1までの間に、プラグフェルール122を支持するための領域301を設けているので、光コネクタプラグ130との結合時に、プラグフェルール122が、精密スリーブ30の空洞孔30h内で当て付け対象のファイバスタブ28とともに支持されるので、前述の特許文献1,2の場合の場合よりも、コード荷重時の特性変動を大幅に改善させることができるようになる。
このように、本発明の第1実施形態によれば、コード荷重時の特性変動が少ない精密スリーブ30を用いながらも、光コネクタプラグ130挿入時に、光コネクタプラグ130のバネ123の力により、プラグフェルール122がファイバスタブ28に衝突して、大きな衝撃が発生することがないような光レセプタクル25を簡単な構成で提供することができる利点がある。
なお、第1実施形態における光レセプタクル25を用いたTOSAをSFPに搭載して、LC光ファイバコードを接続し、コードに所定の荷重(100gfなど)を加えた時のTOSAの光出力変動を確認したところ、第1実施形態にかかる光レセプタクル25では精密スリーブ4をそなえているので、所定の変動以内(1dB以下)であり、実用に耐えるものであった。又、第1実施形態では、精密スリーブ4の内径を1.251mm程度としたが、1.250〜1.252mm程度であれば、コード荷重時の特性変動は良好である。
〔a1〕第1実施形態の第1変形例の説明
図3は本発明の第1実施形態の第1変形例を説明するための図であって、図1の連結部Aに相当する箇所についての構成を示す拡大図である。この図3に示すものにおいては、前述の第1実施形態の場合とは異なる割りスリーブ31Aをそなえている。即ち、精密スリーブ30の嵌め合い部である一端部30−1に対し、割りスリーブ31Aの嵌め合い部である第2端部31−2は外接しているが、連結した状態の割りスリーブ31の内壁が精密スリーブ30の内壁よりも内側に寄っている。
したがって、連結した状態の割スリーブ31Aの内径が、精密スリーブ30の内径よりも、挿入されることとなるプラグフェルール122の外径よりも小さくならない範囲内で僅かに小さく構成されている。これにより、前述の第1実施形態の場合と同様の利点に加えて、挿入したプラグフェルール122は、前述の第1実施形態の場合よりも更に、精密スリーブ30の入口部で引っ掛かることなく挿入され易いという効果がある。
〔a2〕第1実施形態の第2変形例の説明
図4は本発明の第2変形例を説明するための図であって、図1の連結部Aに相当する箇所についての構成を示す拡大図である。この図4に示すものにおいては、前述の第1実施形態の場合とは異なる連結構造を有する精密スリーブ30Bおよび割りスリーブ31Bをそなえている。
すなわち、精密スリーブ30Bの嵌め合い部である一端部30B−1および割りスリーブ31Bの嵌め合い部である第2端部31B−2には、逆テーパで互いに当接する逆テーパ面30Ba,31Baがそれぞれそなえられている。この逆テーパ面30Ba,31Baは、精密スリーブ30Bおよび割りスリーブ31Bの嵌め合わせが外れる方向の力P1,P2が加わったとしても、互いの逆テーパ面30Ba,31Baから受ける反作用力が、これらの力P1,P2に抗うことができるようになっている。従って、割りスリーブ31Bにおける第2端部31B−2および精密スリーブ30Bの一端部30B−1は、この嵌め合いの外れを阻止する形状となっている。
したがって、精密スリーブ30Bおよび割りスリーブ31Bの嵌め合い部30B−1,31B−2が逆テーパ面30Ba,31Baを含む形状となっているので、前述の第1実施形態の場合と比べ、同様の利点があることに加えて、嵌め合いが外れ難く、割スリーブ31Bおよび精密スリーブ30Bの連結性を向上させることができるという効果がある。
なお、図5に示すように、精密スリーブ30Cの嵌め合い部である一端部30C−1および割りスリーブ31Cの嵌め合い部である第2端部31C−2に、精密スリーブ30Cおよび割りスリーブ31Cの嵌め合わせが外れる方向の力P1,P2が加わったときに反作用力を生成しうるフック形の引っ掛け部30Ca,31Caをそれぞれ有することとしても、同様の効果が得られる。
〔a3〕第1実施形態の第3変形例の説明
図6は本発明の第1実施形態の第3変形例にかかる光レセプタクル25Dを示す断面図である。この図6に示す光レセプタクル25Dは、前述の第1実施形態の場合と異なる構造の精密スリーブ30Dおよび割りスリーブ31Dをそなえているが、その他の構成については基本的に同様である。尚、図6中、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。
ここで、この図6に示す光レセプタクル25Dにおいては、割りスリーブ31Dが精密スリーブ30Dの肉厚よりも厚く、精密スリーブ30Dの一端部30D−1には、割りスリーブ31Dとの嵌め合いのための切り欠き加工を不要としている。これにより、精密スリーブ30Dは、実質的に連続した一様な内外径および肉厚を有する筒形状を有している。
そして、割りスリーブ31Dは、精密スリーブ30Dの嵌め合い部である一端部30D−1に対しその嵌め合い部である第2端部31D−2が外接しているが、割りスリーブ31Dは、この外接のための厚み分だけの肉厚を精密スリーブ30Dよりも厚くしており、又、割りスリーブ31Dの内径は精密スリーブ30Dの内径とほぼ同等か又はプラグフェルール122のごときプラグ体の外径よりも小さくならない範囲内で精密スリーブ30Dの内径よりも小さくすることができる。
したがって、本変形例によれば、前述の第1実施形態の場合の利点のほか、精密スリーブ30Dに嵌め合い部のための特別な加工を不要としているので、製造工程を簡易にすることができるという効果がある。
〔a4〕第1実施形態の第4変形例の説明
図7は本発明の第4変形例を説明するための図であって、図1の連結部Aに相当する箇所についての構成を示す拡大図である。即ち、この図7に示す精密スリーブ30Eおよび割りスリーブ31Eにおいては、前述の図6に示す精密スリーブ30Dおよび割りスリーブ31Dの連結部構成に、前述の図5に示すものと同様の引っ掛け部30Ea,31Eaをそれぞれそなえたものである。これにより、前述の第1実施形態の場合と同様の利点のほか、精密スリーブ30Eおよび割りスリーブ31Eの嵌め合いの外れを阻止することができるようになる。
〔b〕第2実施形態の説明
図8は本発明の第2実施形態にかかる光レセプタクル25Fを示す断面図である。この図8に示す光レセプタクル25Fは前述の第1実施形態の場合と異なる精密スリーブ30Fおよび割りスリーブ31Fをそなえているが、それ以外の構成については基本的に同様であり、図8中、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。
図9に図8の連結部Aの拡大図を示す。この図9に示すように、精密スリーブ30Fの嵌め合い部である一端部30F−1に対し、割りスリーブ31Fの嵌め合い部である第2端部31F−2は、第1実施形態の場合のような外接ではなく内接している。即ち、第2端部31F−2が一端部30F−1の内縁に接して、割りスリーブ31Fおよび精密スリーブ30Fが連結されるようになっている。
そして、この図9に示すように、精密スリーブ30Fの一端部30F−1および割りスリーブ31Fの第2端部31F−2は、互いに嵌め合うためのザグリによる嵌め合い部として構成される。即ち、精密スリーブ30Fの一端部30F−1は内縁部分に切り欠き加工が施された構成を有し、割りスリーブ31Fの第2端部31F−2は外縁部分に切り欠き加工が施された構成を有する。そして、これらの端部30F−1,31F−2により、精密スリーブ30Fおよび割りスリーブ31Fは互いに嵌め合い、連結されている。
また、連結した状態での割りスリーブ31Fの内径は、精密スリーブ30Fの内径とおよそ等しく、割りスリーブ31Fおよび精密スリーブ30Fの肉厚はおよそ等しく構成されている。これにより、割りスリーブ31Fの第1端部31F−1から導入されたプラグフェルール122は、上述の割りスリーブ31Fおよび精密スリーブ30Fとの連結箇所となる端部31F−2,30F−1を通過する際においても干渉を受けることなく挿入されることができる。
さらに、第2実施形態においては、連結する前の割りスリーブ31Fの部材状態は、嵌め合い部31F−2の外径が、精密スリーブ30Fの嵌め合い部30F−1の内径よりも大きく構成されている。これにより、割りスリーブ31Fの広がろうとする弾性力、換言すれば、割りスリーブ31Fの第2端部31F−2が、精密スリーブ30Fの一端部30F−1に嵌る際には、割りスリーブ31Fの(通常状態から閉じた)割れ目31aが開こうとする弾性力によって、精密スリーブ30Fと割りスリーブ31Fとが互いに嵌め合いで連結されているのである。
これにより、第2実施形態においては、精密スリーブ30Fの嵌め合い部である一端部30F−1に対し、割りスリーブ31Fの嵌め合い部である第2端部31F−2が内接しているため、割りスリーブ31Fの精密スリーブ30F側(嵌め合い側)は、第1実施形態の場合と比べて、内径の自由な広がりがやや制限されるものの、この制限は、光コネクタプラグ130を割りスリーブ31F中に挿入していくに従い、精密スリーブ30Fの中心に真っ直ぐ入るように整列され、挿入角度が矯正される効果を第1実施形態の場合よりも大きくすることに寄与し、挿入したプラグフェルール122は精密スリーブ30Fの入口部である一端部30F−1に引っ掛かることなく挿入され易い。
このように、本発明の第2実施形態の場合においても、前述の第1実施形態の場合と同様に、コード荷重時の特性変動が少ない精密スリーブ30Fを用いながらも、光コネクタプラグ130挿入時に、光コネクタプラグ130のバネ123の力により、プラグフェルール122がファイバスタブ28に衝突して、大きな衝撃が発生することがないような光レセプタクル25Fを簡単な構成で提供することができる利点がある。
〔b1〕第2実施形態の第1変形例の説明
図10は本発明の第2実施形態の第1変形例を説明するための図であって、図8の連結部Aに相当する箇所について構成を示す拡大図である。この図10に示すものにおいては、前述の第2実施形態の場合とは異なる連結構造を有する精密スリーブ30Gおよび割りスリーブ31Gをそなえている。
すなわち、前述の図4に示すものに対応して、精密スリーブ30Gの嵌め合い部である一端部30G−1および割りスリーブ31Gの嵌め合い部である第2端部31G−2には、逆テーパで互いに当接する逆テーパ面30Ga,31Gaがそれぞれそなえられている。この逆テーパ面30Ga,31Gaは、精密スリーブ30Gおよび割りスリーブ31Gの嵌め合わせが外れる方向の力P1,P2が加わったとしても、互いの逆テーパ面30Ga,31Gaから受ける反作用力が、これらの力P1,P2に抗うことができるようになっている。従って、割りスリーブ31Gにおける第2端部31G−2および精密スリーブ30Gの一端部30G−1は、この嵌め合いの外れを阻止する形状となっている。
したがって、精密スリーブ30Gおよび割りスリーブ31Gの嵌め合い部30G−1,31G−2が逆テーパ面30Ga,31Gaを含む形状となっているので、前述の第2実施形態の場合と同様の利点があることに加えて、嵌め合いが外れ難く、割スリーブ31Gおよび精密スリーブ30Gの連結性を向上させることができるという効果がある。
なお、図11に示すように、精密スリーブ30Hの嵌め合い部である一端部30H−1および割りスリーブ31Hの嵌め合い部である第2端部31H−2に、精密スリーブ30Hおよび割りスリーブ31Hの嵌め合わせが外れる方向の力P1,P2が加わったときに反作用力を生成しうるフック形の引っ掛け部30Ha,31Haをそれぞれ有することとしても、同様の効果が得られる。
〔b2〕第2実施形態の第2変形例の説明
図12は本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる光レセプタクル25Iを示す断面図である。この図12に示す光レセプタクル25Iは、前述の第2実施形態の場合と異なる構造の精密スリーブ30Iおよび割りスリーブ31Iをそなえているが、その他の構成については基本的に同様である。尚、図12中、図8と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。
ここで、この図12に示す光レセプタクル25Iにおいては、精密スリーブ30Iが割りスリーブ31Iの肉厚よりも厚く、割りスリーブ31Iの第2端部31I−2には、精密スリーブ30Iとの嵌め合いのための切り欠き加工を不要としている。これにより、割りスリーブ31Iは、割れ目31aを有しながら面取り部を除いて実質的に内外径および肉厚が一様な筒形状を有している。
そして、割りスリーブ31Iは、精密スリーブ30Iの嵌め合い部である一端部30I−1に対しその嵌め合い部である第2端部31I−2が内接しているが、精密スリーブ30Iは、この内接のための厚み分だけの肉厚を割りスリーブ31Iよりも厚くしており、且つ、一端部30I−1の内縁には、割りスリーブ31Iとの内接のための切り欠き加工が施されている。又、割りスリーブ31Iの内径については精密スリーブ30Iの内径とほぼ同等としている。
したがって、本変形例によれば、前述の第2実施形態の場合の利点のほか、割りスリーブ31Iに嵌め合い部のための特別な加工を不要としているので、製造工程を簡易にすることができるという効果がある。
〔c〕第3実施形態の説明
図13は本発明の第3実施形態にかかる光レセプタクル33を示す断面図である。第3実施形態にかかる光レセプタクル33は、前述の第2実施形態の第2変形例におけるもの(図12の符号25I参照)に比して、ファイバスタブ28に代えて光伝搬部材として透明なガラス板34をそなえ、精密スリーブ35を結晶化ガラスで構成した点が異なっており、それ以外については基本的に同様である。尚、図13中、図12と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。
ここで、第3実施形態にかかる光レセプタクル33において、ガラス板34は、精密スリーブ35の内面に接着により固定されており、精密スリーブ35は、金属からなるホルダ29と、スリーブケース32と、に精密固定され、一体化されている。また、第3実施形態における精密スリーブ35は、内径を1.252mm程度としている。
なお、割りスリーブ31Iは精密スリーブ35よりは短尺であって、精密スリーブ35のプラグフェルール122が挿入される側である一端部35−1に、図12の場合と同様精密スリーブ35に内接して嵌め合わされ、連結されている。
これにより、前述の図12の場合と同様に、光コネクタプラグ130挿入時に、プラグフェルール122の先端部が、割りスリーブ31Iおよび精密スリーブ35の入口部にカジって引っ掛かることがないので、従来の精密スリーブのみを用いた光レセプタクルのように、光コネクタプラグの収縮したバネの力により、プラグフェルール122がガラス板34などに衝突することはなく、衝撃はほとんど発生しない。
このように、本発明の第3実施形態においても、コード荷重時の特性変動が少ない精密スリーブ14を用いながらも、光コネクタプラグ130挿入時に、光コネクタプラグ130のバネ123の力により、プラグフェルール122がガラス板34に衝突して、大きな衝撃が発生することがないような光レセプタクル33を簡単な構成で提供することができる利点がある。
なお、第3実施形態の光レセプタクル33を用いたROSAをSFPに搭載して、LC光ファイバコードを接続し、コードに所定の荷重(100gfなど)を加えた時のROSAの受信感度変動を確認したところ、精密スリーブ35を用いているので、所定の変動以内(1dB以下)であり、実用に耐えるものであった。
また、上述の第3実施形態のごとく光伝搬部材にガラス板34を用いた場合においては、前述の図2〜図11に示すような精密スリーブと割りスリーブとをそなえた構成を適用することも、もちろん可能である。
〔d〕その他
上述の各実施形態にかかわらず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
また、上述した実施形態の開示により、当業者が本発明の装置を製造することは可能である。
〔e〕付記
(付記1)
光端子部材をなすプラグ体を光結合のために受け入れる光レセプタクルであって、
軸方向に割れ目が形成された筒形状を有し前記プラグ体を第1端部から導入する割りスリーブと、
前記割りスリーブで導入された前記プラグ体が一端部から挿入され前記プラグ体が有する外径に対して実質的に隙間が発生しない内径を持つ筒形状のソリッドスリーブと、
前記ソリッドスリーブの他端部に固定されて前記プラグ体と光学的に結合される光伝搬部材と、をそなえ、
前記割りスリーブにおける前記第1端部とは反対側の第2端部と、前記ソリッドスリーブの前記一端部と、が嵌め合いにより連結されたことを特徴とする、光レセプタクル。
(付記2)
前記割りスリーブの前記第2端部は、前記ソリッドスリーブの前記一端部に、外接して連結されたことを特徴とする、付記1記載の光レセプタクル。
(付記3)
前記ソリッドスリーブと連結された前記割りスリーブの内径は、前記ソリッドスリーブの内径とおよそ等しいか、または、前記プラグ体の外径よりも小さくならない範囲内で前記ソリッドスリーブの内径よりも小さいことを特徴とする、付記2記載の光レセプタクル。
(付記4)
前記割りスリーブは、前記ソリッドスリーブと連結される前の状態では、前記ソリッドスリーブの前記一端部の外径よりも内径が小さい部材により構成され、前記割りスリーブに生じる前記割れ目を閉じようとする弾性力により、前記割りスリーブと前記ソリッドスリーブとが互いに嵌め合いで連結されていることを特徴とする、付記2又は3記載の光レセプタクル。
(付記5)
前記割りスリーブは前記ソリッドスリーブよりも肉厚が厚いことを特徴とする、付記2〜4のいずれか1項記載の光レセプタクル。
(付記6)
前記割りスリーブの前記第2端部は、前記ソリッドスリーブの前記一端部に、内接して連結されたことを特徴とする、付記1記載の光レセプタクル。
(付記7)
前記ソリッドスリーブと連結された前記割りスリーブの内径は、前記ソリッドスリーブの内径とおよそ等しいことを特徴とする、付記6記載の光レセプタクル。
(付記8)
前記割りスリーブは、前記ソリッドスリーブと連結される前の状態では、前記ソリッドスリーブの前記一端部の内径よりも外径が大きい部材により構成され、前記割りスリーブに生じる前記割れ目を広げようとする弾性力により、前記割りスリーブと前記ソリッドスリーブとが互いに嵌め合いで連結されていることを特徴とする、付記6又は7記載の光レセプタクル。
(付記9)
前記割りスリーブは前記ソリッドスリーブよりも肉厚が薄いことを特徴とする、付記2〜4のいずれか1項記載の光レセプタクル。
(付記10)
前記割りスリーブの前記第2端部および前記ソリッドスリーブの前記一端部は、前記嵌め合いの外れを阻止する形状をそなえたことを特徴とする、付記1〜9のいずれか1項記載の光レセプタクル。
(付記11)
前記割りスリーブの長さは、前記ソリッドスリーブよりも短いことを特徴とする、付記1〜10のいずれか1項記載の光レセプタクル。
(付記12)
前記ソリッドスリーブには、前記他端部に固定される光伝搬部材が前記プラグ体と対向する箇所の先端位置から、前記割りスリーブと連結される一端部までの間に、前記プラグ体を支持するための領域が設けられていることを特徴とする、付記1〜11のいずれか1項記載の光レセプタクル。
(付記13)
前記光伝搬部材が、光ファイバが貫通されたフェルールにより構成されたことを特徴とする、付記1記載の光レセプタクル。
(付記14)
前記光伝搬部材が、ガラス部材により構成されたことを特徴とする、付記1記載の光レセプタクル。
(付記15)
付記1〜14のいずれか1項記載の光レセプタクルをそなえたことを特徴とする、光サブアセンブリ。
(付記16)
付記1〜14のいずれか1項記載の光レセプタクルをそなえたことを特徴とする、光トランシーバー。
本発明の第1実施形態にかかる光レセプタクルを示す断面図である。 第1実施形態における割りスリーブと精密スリーブとの連結部の拡大図を示す図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例を説明するための図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例を説明するための図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例の他の例を説明するための図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例にかかる光レセプタクルを示す断面図である。 本発明の第1実施形態の第4変形例を説明するための図である。 本発明の第2実施形態にかかる光レセプタクルを示す断面図である。 第2実施形態における割りスリーブと精密スリーブとの連結部の拡大図を示す図である。 本発明の第2実施形態の第1変形例を説明するための図である。 本発明の第2実施形態の第1変形例の他の例を説明するための図である。 本発明の第2実施形態の第2変形例にかかる光レセプタクルを示す断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる光レセプタクルを示す断面図である。 従来技術によるTOSAおよび光レセプタクルの構成例を示す断面図である。 従来技術によるROSAおよび光レセプタクルの構成例を示す断面図である。 一般の光コネクタプラグの構成を示す断面図である。 従来技術による割りスリーブの構成を示す断面図である。 従来技術による精密スリーブの構成を示す断面図である。 従来技術による光コネクタプラグと光レセプタクルの嵌合時の動作を示す断面図である。 従来技術による光コネクタプラグと光レセプタクルの嵌合時の動作を示す断面図である。 従来技術による光コネクタプラグと光レセプタクルの嵌合時の動作を示す断面図である。 従来技術による光レセプタクルを示す断面図である。 光レセプタクルを示す断面図である。
符号の説明
25,25D,25I,33 光レセプタクル
26 フェルール
27 光ファイバ
28 ファイバスタブ(光伝搬部材)
29 ホルダ
30,30B〜30I,35 精密スリーブ(ソリッドスリーブ)
30h 空洞孔
30−1,30B−1〜30I−1 一端部
30−2 他端部
30Ba,30Ga,31Ba,31Ga 逆テーパ面
30Ca,30Ea,30Ha,31Ca,31Ea,31Ha 引っ掛け部
301 領域
31,31A〜31I 割りスリーブ
31a 割れ目
31−1 第1端部
31−2,31B−2〜31I−2 第2端部
32 スリーブケース
34 ガラス板(光伝搬部材)
100 TOSA
101 半導体レーザ
102,103 レンズ
104 パッケージ
105 光レセプタクル
106 フェルール
107 光ファイバ
108 ファイバスタブ
109 ホルダ
110 スリーブ
111 スリーブケース
112 光レセプタクル
113 半導体受光素子
114 レンズ
115 パッケージ
116 ガラス板
117 スリーブ
118 ホルダ
119 スリーブケース
120 ROSA
121 光ファイバ
122 プラグフェルール(プラグ体)
123 バネ(弾性体)
124 プラグハウジング
130 光コククタプラグ
141 割りスリーブ
142 精密スリーブ(ソリッドスリーブ)
150 光レセプタクル
151 ファイバスタブ
152 精密スリーブ
153 スリット
154 精密スリーブ
155 スリット

Claims (5)

  1. 光端子部材をなすプラグ体を光結合のために受け入れる光レセプタクルであって、
    軸方向に割れ目が形成された筒形状を有し前記プラグ体を第1端部から導入する割りスリーブと、
    前記割りスリーブで導入された前記プラグ体が一端部から挿入され前記プラグ体が有する外径に対して実質的に隙間が発生しない内径を持つ筒形状のソリッドスリーブと、
    前記ソリッドスリーブの他端部に固定されて前記プラグ体と光学的に結合される光伝搬部材と、をそなえ、
    前記割りスリーブにおける前記第1端部とは反対側の第2端部と、前記ソリッドスリーブの前記一端部と、が嵌め合いにより連結されたことを特徴とする、光レセプタクル。
  2. 前記割りスリーブの前記第2端部は、前記ソリッドスリーブの前記一端部に、外接又は内接して連結されたことを特徴とする、請求項1記載の光レセプタクル。
  3. 前記割りスリーブの前記第2端部および前記ソリッドスリーブの前記一端部は、前記嵌め合いの外れを阻止する形状をそなえたことを特徴とする、請求項1または2記載の光レセプタクル。
  4. 前記割りスリーブの長さは、前記ソリッドスリーブよりも短いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の光レセプタクル。
  5. 前記ソリッドスリーブには、前記他端部に固定される光伝搬部材が前記プラグ体と対向する箇所の先端位置から、前記割りスリーブと連結される一端部までの間に、前記プラグ体を支持するための領域が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の光レセプタクル。
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