JP2008051803A - 分析用マイクロ流路デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】アレルゲン等の検体を高感度に検出することができる分析用マイクロ流路デバイスを提供する。
【解決手段】。マイクロ流路と、マイクロ流路内に固定された、目的物質と反応する反応物質と、反応量を測定する電気化学的検出用電極と、を備えた分析用マイクロ流路デバイスにおいて、流路構造を工夫し、流路内に設けられた反応物質保持部及び/又は電気化学的検出用電極に流体が略垂直に当る構造とした。
【選択図】 図12

Description

本発明は、被検液に含まれる特定の物質である検体(例えば、アレルゲン)を検出する分析用マイクロ流路デバイスに関する。
抗原抗体反応を用いた免疫分析法は、医療や生化学分野、アレルゲンなどの測定分野などにおいて重要な分析・計測方法として用いられているが、従来の免疫分析法は、分析に一日以上の時間を要すること、操作が煩雑である等の問題を有している。
このような中、基板にマイクロオーダーの流路を形成し、このマイクロ流路に抗体等を固定化することにより、分析時間の短縮化や分析操作の簡略化を図るマイクロ流路デバイス技術が提案されている。(例えば特許文献1、2参照。)。
WO2003−062823号公報 特開2003−285298号公報
特許文献1は、抗原又は抗体を予めプラスチックまたはガラスなどからなる微粒子表面に固定させ、この反応微粒子をマイクロ流路内に充填してなるマイクロ流路デバイスに関する。この技術によると、反応場(反応微粒子が充填された領域)が小さくでき、しかも反応表面積を大きくできるので、装置の小型化とともに反応に要する時間を大幅に短縮することができるとされる。
この技術にかかるマイクロ流路デバイスの構造を図33に示す。この図に基づいてこの技術を詳細に説明する。図33に示すように、このマイクロ流路デバイスは、ガラスまたはプラスチックからなる基板601表面に、流路608、609、堰き止め部620、注入孔603、604、排出孔607が形成されている。また、酵素反応によって生じた物質の酸化還元電流を検出する電極613がシリコン基板602表面に形成され、両基板601、602を、流路と電極とが向かい合うようにして重ね合わされた構成となっている。
検体と特異的に反応する抗体が固定化された微粒子605を、バッファー液に分散させ注入孔603からチップに注入する。反応微粒子605は、堰き止め部620が流去しないように堰き止めている。図33(b)に示す堰き止め部620は、その上端面と基板602との隙間を微粒子605の直径未満とした構造である。
このデバイスの使用方法を説明する。まず、チップ内部の洗浄と、液の流れを均一化するために、外部ポンプなどを用いて、注入孔603からバッファー液を注入し、このバッファー液を流路608、609を経て排出孔607から排出させる。
この後、検体を含む被検液を注入穴604から外部ポンプなどを用いて注入し、検体と特異的に反応する抗体が固定化された微粒子605と反応させ、微粒子表面に検体を捕獲させる。
この後、未反応の検体を含む被検液をバッファー液で洗い流す。
この後、酵素を標識として付けた抗体を含む液を注入孔604から注入し、微粒子表面に微粒子605に固定された抗体−検体−酵素付抗体からなる複合体を形成させる。
この後、未反応の酵素付抗体をバッファー液で洗浄する。
この後、注入孔604から酵素により電気的活性物質に変化する基質材料を注入し、微粒子605の表面における酵素反応で変化した電気的活性物質の量を電極613で酸化還元電流として検出する。これにより、被検液中の検体の量を知ることができる。
上記電極613は、例えば図33(b)に示すように流路壁面に形成される。この電極や電極に繋ぐ配線として、特許文献3または4に記載されている技術が使用できる。
また、上記特許文献2には、このようなマイクロ流路デバイスにおいて、二つの基板の接合性を向上させる技術が記載されている。
特開平1−272958号公報 特開2001−153838号公報
本発明者はマイクロ流路を用いた分析用デバイスについて種々な検討を行った。その結果、次のような課題があることを知った。
(1)流路内に反応微粒子を充填するマイクロ流路デバイスは、微粒子表面に反応物質が固定されているために反応可能面積を増大させることができるが、この利点を生かすためには、被検液が微粒子相互の間隙に流れる必要がある。被検液が微粒子相互の間隙を流れることにより被検液に含まれる抗原と微粒子表面に固定された抗体との接触機会が増大し、これにより初めて抗原抗体反応の効率が可能になるからである。
しかし、上記従来技術にかかるマイクロ流路デバイスでは、堰き止め部620で微粒子605を堰き止める構造上、図34に模式的に示すように、流路壁610と微粒子群605との間に隙間空間611ができる。このため、被検液の多くが微粒子相互間の狭い間隙よりも、蛇行がなく流れ抵抗の小さい上記隙間空間611側を流れる。この結果、微粒子に固定された抗体と反応する抗原の量が少なくなり、実際の抗原濃度よりも薄い濃度の被検液を測定している場合と同様の結果となる。それゆえ、上記従来技術にかかるマイクロ流路デバイスにおいては、検出感度を十分に向上させることができない。
ここにおいて、隙間空間ができないように微粒子を密に充填すれば、このような問題が解消するようにも思える。しかし、そのようにはならない。なぜなら、堰き止め部605の下部では、堰き止め部605によって液の流れが妨げられ流れ抵抗が大きいのに対し、堰き止め部605の上部はこれよりも流れ抵抗が小さいので、やはり流れ抵抗の小さい上部(図34の上部)により多くの被検液が流れるからである。
(2)他方、ビーズではなく、流路表面自体に抗体を固定する分析用マイクロ流路デバイスが知られているが、流体は流路表面から少し離れた内側をよく流れる性質がある。このため、この方式では、被検液の多くが抗体の固定された表面以外の領域を通過してしまう。それゆえ、流路表面自体に抗体を固定するこの方式においても、上記と同様の問題が生じる。
(3)分析用マイクロ流路デバイスにおける検出方法としては、蛍光色素による方法、熱レンズを用いた方法、放射性同位体を用いた方法、電気化学的検出方法等があり、このうち電気化学的検出方法が検出感度に優れ、再現性が高いが、電気化学的検出方法を用いた従来のイクロデバイスは、図33(b)及び図37に示すように、電極613が流れ方向に平行に形成されている。このような構造においては、電極自体には酵素反応により生じた電気的活性物質を引き付ける力がないため、上記で説明したと同様な理由により、被検液に含まれる電気的活性物質の多くが電極表面以外の領域を通過してしまう。それゆえ、電極表面で酸化還元反応を起こすのは電極表面に接触する一部の電気的活性物質のみとなり、十分な検出感度が得られない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものである。本発明の課題は、検出感度に優れた分析用マイクロ流路デバイスを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、被検液に含まれる検体と抗体等との反応効率を高めるため、被検液の流れを略垂直に曲げる手段を講じたことに特徴を有している。
一群の本発明のうち、反応部分にかかわるものを第1の発明群、検出部分にかかわるものを第2の発明群、両者を組み合わせたものを第3の発明群、及び電気化学的検出用電極の表面に、被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質を設けた構成のものを第4の実施の形態群と称することとし、順次その内容を説明する。
〔第1の発明群〕
上記課題を解決するための第1の発明群の第1の態様は、被検液が流れる第1の流路と、前記第1の流路と略平行な第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路とを略垂直に繋ぐ第3の流路と、を備え、前記第3の流路入口近傍であって前記第1の流路内に、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定された微粒子が流去しない状態で保持された反応物質保持部が設けられていることを特徴とする分析用マイクロ流路デバイスである。
この構成によると、図3に示すように、第1の流路8から第3の流路15を経由して第2の流路10に被検液が流れる際に、矢印20に示すように略直角に曲がる流れが生じる。これにより、微粒子14全体と被検液に含まれる検体とが、均一に反応するようになり、反応効率が向上し、この結果検出感度を高めることができる。
上記課題を解決するための第1の発明群の第2の態様は、被検液が流れる第1の流路と、前記第1の流路と略平行な第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路とを略垂直に繋ぐ複数の第3の流路と、を備え、前記第1の流路の床面であって前記複数の第3の流路の入口相互間領域に、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定されてなる反応物質保持部が設けられていることを特徴とする分析用マイクロ流路デバイスである。
この構成によると、図4に示すように、第1の流路8から第3の流路15を経由して第2の流路10に被検液が流れる際に、矢印20に示すように略直角に曲がる流れが生じる。これにより、反応物質保持部16に固定された反応物質と被検液に含まれる検体とが、均一に反応するようになり、反応効率が向上し、検出感度を高めることができる。
ここで、床面とは、流路の底面を意味するが、分析用マイクロ流路デバイス自体は、どのような方向に向けても使用可能なので、実際の設置状態における流路の下面に限定されるものではない。また、上記入口相互間領域とは、或る1つの流路入口と隣の流路入口との間の部分、当該隣の流路入口と当該隣の流路入口の隣りに位置する流路の入口との間の部分、・・・の総和を意味している(図4(c)の符号11参照)。
上記課題を解決するための第1の発明群の第3の態様は、被検液が流れる第1の流路と、前記第1の流路と略平行な第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路とを略垂直に繋ぐ第3の流路と、を備え、前記第3の流路内には、前記第1の流路と略平行にフィルターが配置され、前記フィルターの前記第1の流路側の面に、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定されてなる反応物質保持部が設けられていることを特徴とする分析用マイクロ流路デバイスである。
上記課題を解決するための第1の発明群の第4の態様は、被検液が流れる第1の流路と、前記第1の流路と略平行な第2の流路と、前記第1の流路における被検液の流れを前記第2の流路側に略垂直に曲げる流向変更手段と、を備え、前記流向変更手段の近傍であって、前記第1の流路と前記第2の流路との間の領域に、前記第1の流路と略平行なフィルターが配置され、前記フィルターの前記第1の流路側の面に、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定されてなる反応物質保持部が設けられていることを特徴とする分析用マイクロ流路デバイスである。
これらの構成によっても、上記第1の発明群の第2の態様と同様の効果が得られる。
ここで、複数の流路の径が過大であったり、フィルターのメッシュが大きすぎたりすると、反応物質が固定されていない部分を通過する検体量が増加する。すなわち、反応物質と反応しない検体量が増加する。他方、径が細かすぎると、液が流れにくくなり、流量が過小となる。このため、流路径やメッシュは、好ましくは1μm〜100μmとする。
なお、液の流れを垂直に曲げることなく、直線状の流路にフィルターを配置することも可能であるが、マイクロオーダーの流路には、その流路径と同等以下の微小なフィルターしか配置できないので、フィルター面積が過小となり、必要とする送液圧力が過大となってしまい、デバイスの破壊を招くおそれがある。これに対し、本発明のように平行な2つの流路の間にフィルターを配置する方法であると、フィルター面積を大きくできるため、このような問題が生じない。このような観点から、フィルターの面積や第3の流路の断面積(複数からなる場合にはその合計断面積)を103μm2〜107μm2、より好ましくは104μm2〜106μm2とすることが好ましい。
上記第1の発明群の第4の態様において、前記流向変更手段は、前記第1の流路の下流側末端に設けられた、前記第1の流路と略垂直な壁面からなる構成とすることが、設計上容易である。
上記第1の発明群の第1の態様において、前記第3の流路は、前記微粒子の直径よりも流路径が小さい複数の微細な流路群からなり、かつこれにより微粒子の流去が堰き止められる構造とすることができる。
微粒子を反応物質保持部から流去しないようにする構成としては、微粒子を磁性を有するものとし、外部に磁石を配置する方法も採用できるが、上記構成のほうが装置の簡略化できるため好ましい。
上記第3の流路の形状は、図18(a)〜(e)の符号15に示すようなさまざまな形態をとりうるが、微粒子が流路を通過できないことが必要である。このためには、流路の最小径方向における流路径を、少なくとも微粒子の最大直径よりも小さくし、好ましくは流路の最小径方向における流路径を、微粒子の最小直径よりも小さくする。ただし、流路の最大径方向の流路径が微粒子の最大直径よりも大きい場合があってもよい。
上記第1の発明群の第1〜第3の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、前記第3の流路用の貫通孔が形成された第3の基板とが、前記第1の基板、前記第3の基板、前記第2の基板の順に重ね合わされてなる構成を採用することできる。この構成であると、上記第1の発明群の第1〜第3の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。
上記第1の発明群の第4の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、前記フィルターとが、前記第1の基板、前記フィルター、前記第2の基板の順に重ね合わされてなる構成を採用することできる。この構成であると、上記第1の発明群の第4の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。
また、上記第1の発明群の第2〜第4の態様においてこれらの構成を採用した場合、反応物質が劣化したときに基板の積層を一度はがし、第3の基板あるいはフィルターのみを取り替えることによって、再度分析用デバイスとして再使用可能であるというメリットもある。
また、上記第1の発明群の第1の態様においては、反応物質が劣化したときには、第2の流路側から第1の流路側に向かって液を逆流させ、液とともに微粒子を洗い出し、再度微粒子を充填すれば、再度分析用デバイスとして再使用可能である。
〔第2の発明群〕
上記課題を解決するための第2の発明群の第1の態様は、被検液が流れる流路A(第1の流路に相当)と、前記流路Aと略平行な流路B(第2の流路に相当)と、前記流路Aと前記流路Bとを略垂直に繋ぐ流路C(第3の流路に相当)と、を備え、前記流路Cの直下であって前記流路Cと略直交する前記流路Bの床面に、電気化学検出用電極が設けられていることを特徴とする分析用マイクロ流路デバイスである。
上記課題を解決するための第2の発明群の第2の態様は、被検液が流れる流路Aと、前記流路Aと略平行な流路Bと、前記流路Aと前記流路Bとを略垂直に繋ぐ複数の流路Cと、を備え、前記流路Aの床面部分であって前記複数の流路Cの入口相互間領域に、電気化学検出用電極が設けられていることを特徴とする分析用マイクロ流路デバイスである。
上記課題を解決するための第2の発明群の第3の態様は、被検液が流れる流路Aと、前記流路Aと略平行な流路Bと、前記流路Aにおける被検液の流れを前記流路B側に略垂直に曲げる流向変更手段と、を備え、前記流向変更手段の直下であって前記流路Bの床面に、電気化学検出用電極が設けられていることを特徴とする分析用マイクロ流路デバイスである。
これらの構成によると、図6(b)、図7(b)、図8(b)、図9(b)に示すように、電気化学的検出用電極13に、電気的活性物質を含む被検液が略垂直に当たるように流れる。このため、被検液中の電気的活性物質のほとんどが電気化学的検出用電極13に当たるようになるので、検出感度が飛躍的に向上する。
上記第2の発明群の第1の態様において、前記流路Cは、複数の流路群からなる構成とすると、より確実に電気化学的検出用電極に電気的活性物質を当てることができる。
上記第2の発明群の第1の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記流路A用の溝が形成された基板aと、前記流路B用の溝及び前記電気化学的検出用電極が形成された基板bと、前記流路C用の貫通孔が形成された基板cとが、前記基板a、前記基板c、前記基板bの順に重ね合わされてなる構成を採用することできる。この構成であると、上記第2の発明群の第1の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。
なお、凹凸のある流路を形成した基板に電極に繋がる配線を形成することは、製造上難しい場合がある。この場合、基板bを、流路Bが形成された基板b1と、電気化学的検出用電極が形成された基板b2と、からなる2枚構成とすることが好ましい。
上記第2の発明群の第2の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記流路A用の溝が形成された基板aと、前記流路B用の溝が形成された基板bと、前記流路C用の貫通孔及び前記電気化学的検出用電極が形成された基板cとが、前記基板a、前記基板c、前記基板bの順に重ね合わされてなる構成を採用することできる。この構成であると、上記第2の発明群の第2の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。この構成では、平面状である基板cに電極を設けるので、基板cを2枚構成とする必要はない。
上記第2の発明群の第3の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記流路A用の溝が形成された基板aと、前記流路B用の溝及び前記電気化学的検出用電極が形成された基板bとが、重ね合わされてなる構造を採用することできる。この構成であると、上記第2の発明群の第3の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。
この場合においても、基板bを、流路Bが形成された基板b1と、電気化学的検出用電極が形成された基板b2と、からなる2枚構成とすることができる。
〔第3の発明群〕
上記課題を解決するための第3の発明群の第1の態様は、上記第1の発明群の第1〜3の態様において、前記第3の流路の直下であって前記第3の流路と略直交する前記第2の流路の床面に、電気化学検出用電極が設けられていることを特徴とする。
上記課題を解決するための第3の発明群の第2の態様は、上記第1の発明群の第4の態様において、前記フィルターの直下の前記第2の流路の床面に、電気化学検出用電極が設けられていることを特徴とする。
上記課題を解決するための第3の発明群の第3の態様は、上記第1の発明群の第1〜3の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記第2の流路と略平行な第4の流路と、前記第2の流路と前記第4の流路とを略垂直に繋ぐ第5の流路と、を更に備え、前記第5の流路の直下であって前記第5の流路と直交する前記第4の流路の床面に、電気化学検出用電極が設けられていることを特徴とする。
上記課題を解決するための第3の発明群の第4の態様は、上記第1の発明群の第1〜3の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記第2の流路と略平行な第4の流路と、前記第2の流路と前記第4の流路とを略垂直に繋ぐ複数の第5の流路と、を更に備え、前記第2の流路の床面部分であって前記複数の第5の流路の入口相互間領域に、電気化学検出用電極が設けられていることを特徴とする。
これらの構成によると、上述した第1の発明群による効果と、第2の発明群による効果を同時に得ることができ、これらが相乗的に作用して検出感度を更に高くできる。
上記第3の発明群の第1の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、前記第2の流路用の溝及び前記電気化学的検出用電極が形成された第2の基板と、前記第3の流路用の貫通孔が形成された第3の基板とが、前記第1の基板、前記第3の基板、前記第2の基板の順に重ね合わされてなる構成を採用することできる。この構成であると、上記第3の発明群の第1の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。
上記第3の発明群の第2の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記第1の流路が形成された第1の基板と、前記第2の流路及び前記電気化学的検出用電極が形成された第2の基板と、前記フィルターとが、前記第1の基板、前記フィルター、前記第2の基板の順に重ね合わされてなる構成を採用することできる。この構成であると、上記第3の発明群の第2の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。
上述したように、凹凸のある流路を形成した基板に電極に繋がる配線を形成することが、難しい場合がある。この場合、第2の基板を、第2の流路が形成された第2aの基板と、電気化学的検出用電極が形成された第2bの基板と、からなる2枚構成とすることが好ましい。
上記第3の発明群の第3の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記第1の流路用の溝、前記第4の流路用の溝及び電気化学的検出用電極が形成された第1の基板と、前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、前記第3の流路用の貫通孔及び第5の流路用の貫通孔が形成された第3の基板とが、前記第1の基板、前記第3の基板、前記第2の基板の順に重ね合わされてなる構成を採用することできる。この構成であると、上記第3の発明群の第3の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。
この場合も、第1の基板を、第1の流路及び第4の流路が形成された第1aの基板と、電気化学的検出用電極が形成された第1bの基板と、からなる2枚構成とすることができる。
上記第3の発明群の第4の態様において、前記分析用マイクロ流路デバイスは、前記第1の流路用の溝及び第4の流路用の溝が形成された第1の基板と、前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、前記第3の流路用の貫通孔、第5の流路用の貫通孔及び前記電気化学的検出用電極が形成された第3の基板とが、第1の基板、第3の基板、第2の基板に重ね合わされてなる構成を採用することできる。この構成であると、上記第3の発明群の第4の態様の分析用マイクロ流路デバイスを容易に実現することができる。
〔第4の発明群〕
上記課題を解決するための第4の発明群は、上記第2の発明群の構成における電気化学的検出用電極の表面に、被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が設けられた構成の分析用マイクロ流路デバイスである。
従来技術にかかる流路デバイスにおいては、被検液の流れを障害しないようにするため、化学的検出用電極が流れに平行に設けられていたが、上記第2の発明群における電気化学的検出用電極は何れも、流路デバイス内を流れる被検液が略垂直に当る位置に設置されている。したがって、上記構成によると、被検液に含まれる検体が、当該電極表面に設けられた反応物質と効率よく接触するので、反応効率が高まり、この結果として検出感度が高まる。
例えば、被検液に含まれる検体を抗原物質とし、被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質を抗体物質とした場合、被検液に含まれる抗原物質は、電極表面に略垂直に衝突するので、抗体物質と効率よく会合する。酵素などの標識付の抗体物質を流した場合にも同様なことが言えるので、上記構成の流路デバイスでは、電極表面上に抗体物質−抗原物質−酵素付抗体物質からなる複合体を効率よく形成させることができるが、この後、酵素付抗体物質の当該酵素により電気的活性物質に変化する基質物質を流すと、これまた同様に、基質物質が電極表面の酵素と効率よく反応するので、より多くの電気的活性物質が産出される。それゆえ、上記構成であると、より大きな電流が発生する結果、検出感度が向上するという作用効果が得られる。
以上に説明したように、本発明によると、簡便に使用することのでき、かつ検出感度に優れた分析用マイクロ流路デバイスを実現することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、上記に対応させ以下の説明においては、反応物質固定領域において液の流れを略垂直に曲げる構造の流路デバイスを第1の実施の形態群とし、電気化学的検出用電極に当る液の流れを略垂直に曲げる構造の流路デバイスを第2の実施の形態群とし、この両者を組み合わせたものを第3の実施の形態群とし、更に電気化学的検出用電極の表面に検体と特異的に反応する反応物質を設けた流路デバイスを第4の実施の形態群として区分し、それぞれについて順次説明する。
≪第1の実施の形態群≫
[実施の形態1−1]
図1は、本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスの概要を示す平面図であり、図2は、本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスの断面模式図である。なお、以下では断面模式図を単に断面図とする。
本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスは、第1の流路8と、第1の流路と平行な第2の流路と、両流路を垂直に繋ぐ第3の流路15とを備えている。また、被検液やバッファー液(例えば、リン酸緩衝液)をデバイス内に送り込む注入孔4が第1の流路の上流側端部に形成され、被検液やバッファー液をデバイス外に送り出す排出孔7が第2の下流側端部に形成されている。さらに、第3の流路入口近傍であって第1の流路内に、被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定された微粒子14が、流去しない状態で保持された反応物質保持部16が形成されている。加えて、第2の流路の一部は、被検液に含まれる検体の量を検出する検出部6が形成されている。
このマイクロ流路デバイスは、図2に示すように3つの基板1〜3が積層された構造である。
図2に示すように、第1の基板1には、注入孔4と、第1の流路8と、排出孔7とが、形成されており、第3の流路入口近傍であって第1の流路内に、微粒子14が流去しない状態で保持された反応物質保持部16が設けられようになっている。第1の基板1の厚みは、好ましくは0.1mm〜5mm程度とする。
注入孔4及び排出孔7の形状は、特に限定されることは無く、円形、楕円形、多角形、その他不定形であってもよい。大きさは、直径1μm以上程度とする。
第1の流路8は、幅が1μm〜1mmとし、深さは1μm〜1mmとし、その断面形状は特に限定されず、四角形、台形、半円形等でよい。
また、固体微粒子としては、ガラス、プラスチックからなる微粒子や磁性粒子を用いることができる。また、反応物質としては、検体と特異的に反応して検体を捕獲できるものであれば良く、例えば、モノクロール抗体、ポリクロール抗体など抗体材料やインプリンティングポリマー、アプタマー材料、ペプチド材料など人工抗体材料と呼ばれているものを用いる。
第2の基板2には、第1の基板1に形成された第1の流路8に平行な第2の流路10が形成されており、図2に示すように、第2の流路10の上流側端部は第1の流路8の下流側端部と上下方向にその一部が重なりあっている。第2の基板の厚みは、好ましくは0.1mm〜5mm程度とする。流路10は、幅が1μmから1mmとし、深さは1μmから1mmとする。その断面形状は特に限定されず、四角形、台形、半円形等でよい。さらに、第2の流路10内には、検体の量を検出する検出部6が形成されている。
第3の基板3には、第1の流路8と第2の流路10とを繋ぐ略垂直に繋ぐ第3の流路15が形成されている。また、第3の基板に形成された第2の流路10と、第1の基板1に形成された排出孔7とを繋ぐ孔が設けられている。
ここで、反応物質保持部16から、微粒子が流去されないようにするために、微粒子14を磁性を有する材料からなるものとし、第1の流路8外部に磁石を設ける構成を採用することもできるが、デバイス構成の簡略化、低コスト化のために、第3の流路15を複数の微細な流路群からなるものとし、流路径を微粒子未満のサイズとすることにより、微粒子の流去を堰き止める構造を採用することが好ましい。
検出部6は、検出を行う場である。例えばデバイス外部に設けられた熱レンズ25により検出を行う場合には、この部分に特段の手段を設ける必要は無い。しかし、検出の妨げになるようなものは形成しないことが好ましい。また、検出の精度を高めるために、第2の流路10内に液を攪拌する手段を設けて、検出部を流れる液の濃度を均一化してもよい。
第3の流路15の形状は、図18に示すように、円形、角型、三角形、楕円形、十字形や、これらの組み合わせでも良く、その孔の形状やそれらの配列パターンについては、特に限定されるものではない。孔の内径(流路の内径)は0.1μmから0.1mmとする。また、第3の流路15の構成として、一つの大きな貫通孔を設け、この貫通孔に図19に示すような繊維状のものが絡み合ったフィルター5を配置したものを用いることができる。
上記基板のうち、第1の基板1及び第2の基板2は、ガラス、光熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができ、このような樹脂材料として、ポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリカーボネイト樹脂を用いることができる。第3の基板3は、ガラス、プラスチック材料、シリコンウエハ、プラスチックフィルム、金属膜形成フィルム等が例示できる。
第1の基板1及び第2の基板2は、ガラスに流路パターンをエッチング等により形成してもよく、また、流路パターンを形成した型に光熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を流し込んで固めて一体構造のものとして作製してもよい。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリカーボネイト樹脂などからなる基板材料を、流路パターンに形成した型を用いてホットエンボス法により形成してもよい。
第3の基板3は、ガラスに複数の孔のパターンをエッチング等により形成してもよく、また、流路パターンを形成した型に光熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を流し込んで固めて一体構造のものとして作製してもよい。また、第3の基板3に大きな一つの貫通孔を設け、この貫通孔にフィルターを取り付ける構成であってもよい。
なお、注入孔4は、反応物質保持部16の上流側で第1の流路8と接続されていれば、どのような形態であってもよい。また、排出孔7を第2の基板2に形成してもよい。
また、第3の基板をなくして、その代わりに第1の基板を、第1の流路用の溝と第3の流路用の貫通孔が形成された第1aの基板と、これの蓋をする第1bの基板とからなる2枚構成としてもよい。
図1、図2に示すマイクロ流路デバイスを用いて、例えば、アレルゲンなどの抗原を検出する方法を以下に説明する。
予め、マイクロ流路デバイスの流路8、10、反応物質保持部16、検出部6をバッファー液(例えば、リン酸緩衝液)で満たしておく。次に、注入孔4からバッファー液を注入してデバイス内をバッファー液で洗浄する。次に予め抗体材料を固定化した複数個の微粒子14をバッファー液と共に注入孔4から注入する。この後、好ましくは、アルブミン水溶液を流して、流路8、10、反応物質保持部16、検出部6の表面へのタンパク質の非特異的吸着を防ぐためのアルブミン膜(非特異的吸着防止膜)を形成する。抗体材料を固定化する方法は、公知の方法でよい。
次に、抗原を含む被検液を注入孔4から入れて第1の流路8から反応物質保持部16に移動させ、被検液中の抗原を固体微粒子14に固定された抗体材料と抗原抗体反応を生じさせ、固定化抗体−抗原複合体を形成する。
本実施の形態の構成であれば、注入孔4から注入された流体は、反応物質保持部16において図3に示すように、矢印20のように水平方向の流れから、上下方向へと流れの変化が生じるので、流体は微粒子14全体に接触しつつ流れる。よって、図34に示すような従来構造の分析用マイクロ流路デバイスよりも抗原との会合機会が増えるので反応効率が向上する。また、反応時間の短縮が図れる。
この後、被検液に代えてバッファー液を注入孔4より入れて流路8、10、反応部5、検出部6を洗浄する。
この後、酵素を標識として付けた抗体材料を含むバッファー液を注入孔4から注入し、反応部に固定化された抗体に捕獲されている抗原と抗原抗体反応を生じさせることで、微粒子表面に固定化抗体―抗原−酵素付抗体材料からなる複合体を形成させる。
次いで、未反応の酵素付抗体材料を除去するためにバッファー液を注入孔4より入れて流路8、9、10、反応物質保持部16、検出部6を洗浄する。
この抗原と酵素標識付抗体との反応においても、上記の抗原抗体反応で説明したと同様の理由のとおり、従来の構成にくらべ、高い反応率で反応が生じるので、流す酵素標識付抗体の量を少なくでき、また、反応時間の短縮も図れる。
次に、標識として用いた酵素により吸光度を変化させる基質材料を含むバッファー液を注入孔4から注入し、反応物質保持部16に形成された固定化抗体―抗原−酵素付抗体材料からなる複合体の酵素と反応させることで、複合体の量に対応した吸光物質を生じさせる。標識として用いる酵素材料及び基質材料は、公知のものが使用できる。
この酵素反応においても、上記の抗原抗体反応で説明したと同様の理由で、従来の構成にくらべ、高い反応率で反応が生じるという効果がある。また、反応効率が上がるため、流す基質の量を少なくできるというメリットも生じ、また、反応時間の短縮も図れる。
この後、吸光度を変化させる物質の量を熱レンズ25により検出することにより、検体の量を知ることができる。
ここで、固体微粒子に固定された反応物質が劣化した場合、排出孔7から液を流し、注入孔4から液とともに固体微粒子を洗い流し、再度固体微粒子を充填すれば、この分析用マイクロ流路デバイスを繰り返し使用することができる。また、別個に固体微粒子排出用の穴を設けて、この穴より固体微粒子を取り出す構成としてもよい。
[実施の形態1−2]
本実施の形態は、図4(a)に示すように、検体を認識する反応物質が、第1の流路の床面部分であって複数の第3の流路の入口相互間領域に、物理的または化学反応的に直接固定された反応物質保持部が設けられた構造である。固定する反応物質は、上記実施の形態1−1と同様でよい。また、流路構成、基板材料も上記実施の形態1−1と同様でよい。
本実施の形態の構成であれば、注入孔4から注入された流体は、反応物質保持部16において図4(b)に示すように、矢印20のように水平方向の流れから、上下方向へと流れの変化が生じるので、反応物質保持部16全体にわたって効率よく反応物質と抗原とが、反応するまた、反応時間の短縮も図れる。
ここで、基板に反応物質を直接固定化する場合、反応物質の交換は難しいという問題があり、デバイスは数回または使い捨てのような使用方法に限られていた。本実施の形態では、図4に示すように、反応物質は第3の基板2に固定化されているので、第1の基板1及び第3の基板3との間の接着を剥がし易い構造にしておけば、第2の基板2だけを交換することで認識材料を新しいものに交換できる。これにより、デバイスを繰り返し使用できる。
なお、図4(c)のに示すように、反応物質保持部16は、第1の流路の床面部分であって複数の第3の流路の入口相互間領域以外の領域11に広がって形成されていてもよい。なお、図4(c)は平面図である。
[実施の形態1−3]
本実施の形態では、第3の基板3に一つの大きな穴があけられており、この穴にフィルターが配置され、前記フィルターの前記第1の流路側の面に、検体を認識する反応物質が固定された反応物質保持部16が形成された構造である。これ以外の事項については、上記実施の形態1−2と同様の構成である。この構成によっても、上記実施の形態1−2と同様の効果が得られる。
[実施の形態1−4]
本実施の形態は、図5に示すように、第3の基板に代えて、第1の基板と第2の基板の間にフィルター5が配置され、前記フィルターの第1の流路側の面に、検体を認識する反応物質が固定された反応物質保持部16が形成された構造である。これ以外の事項については、上記実施の形態1−2と同様である。この構造によっても、上記実施の形態1−2と同様の効果が得られる。
≪第2の実施の形態群≫
第2の実施の形態群は、検体の量を電気化学的に検出する分析用マイクロ流路デバイスに関する。
[実施の形態2−1]
図6(a)は、本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスは、流路Aと、流路Aと平行な流路Bと、両流路を垂直に繋ぐ流路Cとを備えている。また、流路Cの直下(流れ方向における直下)であって流路Cと略直交する流路Bの床面に、電気化学検出用電極13が設けられている。なお、流路Aは上記第1の実施例群における第1の流路に相当し、流路Bは第2の流路に相当し、流路Cは第3の流路に相当する。
このマイクロ流路デバイスは、図6に示すように4つの基板a〜cが積層された構造である。
図6に示すように、基板aには、流路Aが形成されている。基板aの厚みは、好ましくは0.1mm〜5mm程度とする。
基板b1には、流路Aと平行な流路Bが形成されている。また、注入孔4と流路Aとを繋ぐ穴があけられている。基板b1の厚みは、好ましくは0.005mm〜5mm程度とする。
基板b2には、注入孔4と、排出孔7とが、形成されており、流路Cの直下(同上)であって流路Cと略直交する流路Bの床面に、電気化学検出用電極13が設けられている。電気化学検出用電極13は、通常、作用電極、対向電極、参照電極で構成されている。なお、参照電極は省略できる場合もあり、電極構成は、特に限定するものではない。従来の構成を利用できる。
基板b2の厚みは、好ましくは0.1mm〜5mm程度とする。形成される電極及びこれに繋がる配線パターンは、公知のものを用いることができる。
基板cには、流路Aと直交する流路Cが形成されている。また、注入孔4と流路Aとを繋ぐ穴があけられている。基板cの厚みは、好ましくは0.005mm〜5mm程度とする。
流路A、流路Cは、上記第1の実施の形態群で示した第1の流路及び第3の流路と同様の構成とすればよい。また、基板材料も第1の実施の形態群と同様でよい。なお、流路Cは、どのような形状でもかまわないが、好ましくは流路内で乱流が起きない構造とする。
ここで、基板b1と基板b2とを別個に形成しているのは、流路によって基板に段差ができ、この段差部分に電極13用の配線を形成することが、技術的に難しいためである。このような問題がなければ、基板b1と基板b2とを同一基板としてもよい。
予め、マイクロ流路デバイスの流路A、B、C、電気化学的検出用電極13をバッファー液(例えば、リン酸緩衝液)で満たしておく。次に、注入孔4からバッファー液を注入して装置内をバッファー液で洗浄する。
次に、電気的活性物質を含む被検液を注入孔4から入れる。
本実施の形態の構成では、図6(b)に示すように、液体が電極13表面に直交して当たるように流れるので、液体中の電気的活性物質が電極表面に接触する確率が高くなり、酸化還元反応が効率よく起こるようになるので、電流値が大きくなり、高感度化が実現できる。
[実施の形態2−2]
図7は、実施の形態2−2にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態では、流路Cを複数の微細な流路とした。これ以外の事項については、上記実施の形態2−1と同様である。この構成を採用することにより、液体中の電気的活性物質の電極への接触を高めることができる。
この微細な流路としては、上記実施の形態1−1で用いた複数の孔からなる構成や、フィルターを用いることができる
[実施の形態2−3]
図8は、実施の形態2−3にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態は、流路Aの床面部分であって複数の流路Cの入口相互間領域に、電気化学検出用電極を設けた。これ以外の事項については、上記実施の形態2−2と同様である。この実施の形態では、流路Bの床面に電極を形成しないため、上記実施の形態2−1のように基板を2つに分ける必要性は無い。
本実施の形態の構成では、図8(b)に示すように、液体が電極13表面に直交して当たるように流れるので、液体中の電気的活性物質が電極表面に接触する確率が高くなり、酸化還元反応が効率よく起こるようになるので、電流値が大きくなり、高感度化が実現できる。
[実施の形態2−4]
図9は、実施の形態2−4にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態では、流路Cを設ける代わりに、流路Aの下流側末端に流路Aの流れを直角に変化させる壁面Xを設けた。これ以外の事項については、上記実施の形態2−1と同様である。
本実施の形態の構成では、図9(b)に示すように、液体が電極13表面に直交して当たるように流れるので、液体中の電気的活性物質が電極表面に接触する確率が高くなり、酸化還元反応が効率よく起こるようになるので、電流値が大きくなり、高感度化が実現できる。
≪第3の実施の形態群≫
第3の実施の形態群は、上記第1の実施の形態群と上記第2の実施の形態群とを組み合わせた構造に関する。
[実施の形態3−1]
図10は、実施の形態3−1にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスは、第1の流路8(流路Aに相当)と、第1の流路と平行な第2の流路(流路Bに相当)と、両流路を垂直に繋ぐ第3の流路15(流路Cに相当)とを備えている。また、被検液やバッファー液(例えば、リン酸緩衝液)をデバイス内に送り込む注入孔4が第1の流路の上流側端部に形成され、被検液やバッファー液をデバイス外に送り出す排出孔7が第2の下流側端部に形成されている。さらに、第3の流路入口近傍であって第1の流路内に、被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定された微粒子14が流去しない状態で保持された反応物質保持部16が形成されている。加えて、第3の流路の直下であって第3の流路と略直交する第2の流路の床面に、電気化学検出用電極13(検出部に相当)が設けられている。
本実施の形態においては、第1の基板1が上記第2の実施の形態群の基板aに相当し、第2の基板2が上記第2の実施の形態群の基板bに相当し、第3の基板が上記第2の実施の形態群の基板cに相当する。また、流路構成、基板材料も上記実施の形態1−1と同様でよい。また、流路構成、基板材料も上記実施の形態1−1と同様でよい。
また、第2の基板2に電極を設けるが、段差の問題がある場合には、第2の基板を、第2の流路が形成された基板と、電極が設けられた基板との2つの基板からなる構成としてもよい。また、第1の基板と第3の基板とを一体形成してもよい。
このマイクロ流路デバイスを用いて、アレルゲンなどの抗原を検出する方法を以下に説明する。
予め、マイクロ流路デバイスの流路8、10、15、反応物質保持部16、電気化学的検出用電極13をバッファー液(例えば、リン酸緩衝液)で満たしておく。次に、注入孔4からバッファー液を注入してデバイス内をバッファー液で洗浄する。次に予め抗体材料を固定化した複数個の微粒子14をバッファー液と共に注入孔4から注入する。この後、好ましくは、アルブミン水溶液を流してアルブミン膜(非特異的吸着膜)を形成し、流路8、10、反応物質保持部16、検出部6の表面へのタンパク質の非特異的吸着を防ぐ。
次に、抗原を含む被検液を注入孔4から入れて反応物質保持部16に移動させ、被検液中の抗原を固体微粒子14に固定された抗体材料と抗原抗体反応を生じさせ、抗原を捕獲する。
次に、被検液に代えてバッファー液を注入孔4より入れて流路8、10、15、反応物質保持部16、電極13を洗浄する。
次に、酵素を標識として付けた抗体材料を含むバッファー液を注入孔4から注入し、反応部に固定化された抗体に捕獲されている抗原と抗原抗体反応を生じさせることで、微粒子表面に固定化抗体―抗原−酵素付抗体材料からなる複合体を形成させる。
この後、未反応の酵素付抗体材料を除去するためにバッファー液を注入孔4より入れて流路8、10、15、反応物質保持部16、電極13を洗浄する。
この抗原と酵素標識付抗体との反応においても、上記の抗原抗体反応で説明したと同様の理由のとおり、従来の構成にくらべ、高い反応率で反応が生じるので、流す酵素標識付抗体の量を少なくでき、また、反応時間の短縮もできる。
次に、標識として用いた酵素により電気的活性物質を生じさせる基質材料を含むバッファー液を注入孔4から注入し、反応物質保持部16に形成された固定化抗体―抗原−酵素付抗体材料からなる複合体の酵素と反応させることで、複合体の量に対応した電気的活性物質を生じさせる。標識として用いる酵素材料及び基質材料は、公知のものが使用できる。
この後、電気的活性物質の量を電気化学的検出用電極13により検出することにより、検体の量を知ることができる。
[実施の形態3−2]
図11は、実施の形態3−2にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスは、固体微粒子に反応物質を固定することに代えて、第1の流路の床面部分であって複数の第3の流路の入口相互間領域に、物理的または化学反応的に直接固定された反応物質保持部16が形成されている。これ以外の事項については、上記実施の形態3−1と同様である。
[実施の形態3−3]
図12は、実施の形態3−3にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスは、第1の流路8(流路Aに相当)と、第1の流路8と平行な第2の流路10(流路Bに相当)と、第1の流路と第2の流路とを垂直に繋ぐ第3の流路15(流路Cに相当)と、第2の流路10と平行な第4の流路9と、第2の流路と第4の流路9とを垂直に繋ぐ第5の流路17と、を備えている。また、被検液やバッファー液(例えば、リン酸緩衝液)をデバイス内に送り込む注入孔4が第1の流路の上流側端部に形成され、被検液やバッファー液をデバイス外に送り出す排出孔7が第4の下流側端部に形成されている。さらに、第3の流路入口近傍であって第1の流路内に、被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定された微粒子14が流去しない状態で保持された反応物質保持部16が形成されている。加えて、第2の流路10と略直交する第5の流路の入口相互間領域路に、電気化学検出用電極13(検出部に相当)が設けられている。
図12に示すように、第1の基板1には、注入孔4と、第1の流路8と、第4の流路9と、排出孔7とが、形成されており、第3の流路15の入口近傍であって第1の流路内に、微粒子14が流去しない状態で保持された反応物質保持部16が設けられている。第1の基板1の厚みは、好ましくは0.1mm〜5mm程度とする。
第2の基板2には、第1の基板1に形成された第1の流路8に平行な第2の流路10が形成され、図2に示すように、第2の流路10の上流側が第1の流路8の下流側端部と対応し、第2の流路10の下流側が第4の流路9の上流側とが重なりあうように、第1の基板と対応せられている。第2の基板の厚みは、好ましくは0.1mm〜5mm程度とする。
第3の基板には、第1の流路8と第2の流路10とを繋ぐ略垂直に繋ぐ第3の流路15と、第2の流路10と第4の流路9とを繋ぐ略垂直に繋ぐ複数の第5の流路が形成されている。また、第5の流路の複数の入口相互の間であって第2の流路の床面でもある部分に、電気化学検出用電極13(検出部に相当)が設けられた構造である。
[実施の形態3−4]
図13は、実施の形態3−4にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態は、反応物質を固定した微粒子14を第1の流路8内に配置することなく、第1の流路8の床面部分であって、第3の流路15の入口部分に反応物質を固定し、これを反応物質保持部16とした点に特徴を有する。これ以外の事項については上記実施の形態3−3と同様である。
[実施の形態3−5]
図14は、実施の形態3−5にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。第5の流路17を一つの穴とし、第5の流路17の入口に電気化学検出用電極13を設けなかった点、及び第5の流路17の流れ方向における直上であって第4の流路9の床面に電気化学検出用電極13を設けた点に特徴を有する。これ以外の事項については、上記実施の形態3−3と同様である。
[実施の形態3−6]
図15は、実施の形態3−6にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。第5の流路17を複数の微細な流路群としたが、この入口部分に電気化学検出用電極13を設けることなく、第5の流路17の流れ方向における直上であって第4の流路9の床面に電気化学検出用電極13を設けた点に特徴を有する。これ以外の事項については、上記実施の形態3−3と同様である。
(上記実施の形態の共通事項)
上記実施の形態では、第1の流路8の壁面と第2の流路10の壁面、第2の流路10の壁面と第4の流路の壁面9とを、それぞれ平行としたものを示したが、図16(a)〜(c)、図17(a)〜(c)のように傾斜した構造、または流路端部を曲面にした構造を採用してもよい。この構造を採用することにより、液をよりスムーズに流すことができる。ただし、第2の流路10や第4の流路9床面に電極を形成する場合には、当該流路に傾斜構造を採用しないことが好ましい。
≪第4の実施の形態群≫
第4の実施の形態群は、被検液の流れを曲げ、被検液が電気化学的検出用電極に略垂直に当るようにした上記第2の実施の形態群において、電気化学的検出用電極の表面に、被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質を配置したマイクロ流体デバイスに関する。
[実施の形態4−1]
図20(a)(b)は、実施の形態4−1にかかるマイクロ流路デバイスの断面図である。本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスは、流路A(第1の流路に相当)と、流路Aと平行な流路B(第2の流路に相当)と、両流路を垂直に繋ぐ流路C(第3の流路に相当)とを備えており、流路Cの流れ方向における直下であって流路Cと略直交する流路Bの床面に電気化学検出用電極13が設けらた構造である。この電気化学検出用電極13は、前記したと同様、対向電極、作用電極、参照電極からなり、作用電極の表面に検体を認識する反応物質51が設けられている。
反応物質51は、被検液に含まれる検出目的物質である検体と特異的に反応し、これを捕獲するものである。ただし、通常、反応物質51に捕獲された検体は、捕獲された状態で順次他の物質と反応させられるので、分析使用時においては反応物質51の状態が変動する。反応物質51としては、モノクロール抗体、ポリクロール抗体など抗体材料や、インプリンティングポリマー、アプタマー材料、ペプチド材料など人工抗体材料と呼ばれているものなどが例示できる。また、これらの反応物質は、マイクロ流路デバイス内を流れる液体により流去しないように作用電極の表面に固定化されていればよい。その方法には制限はない。例えば、反応物質の自らの吸着力により電極表面に物理的に吸着されていてもよく、自己組織化膜を介して共有結合により固定化されていても良い。
上記作用電極、対向電極の材質としては、金、白金、チタンなどが例示でき、参照電極の材質としては、銀/塩化銀(表層側)、または金、白金、チタンの上に銀/塩化銀(表層側)を形成したものが例示できる。
なお、実施の形態4−1は、電気化学検出用電極13の表面に反応物質が設けられていること以外は上記実施の形態2−1(図6)と同じである。図6及び図25とも、電気化学検出用電極13は対向電極、作用電極、参照電極で構成されており(不図示)、実施の形態4−1では、この電気化学検出用電極13の構成部材の一つである作用電極の表面に反応物質が配置されている点において、上記実施の形態2−1と相違する。また、図20(図6〜9、図21〜23も同様)の電気化学検出用電極13は、作用電極と対向電極と参照電極とで構成されているが、作用電極を長手方向に沿って垂直方向から切断した場合における断面図であるので、図上に対向電極と参照電極が現れていない。これらの図においては、図面手前側に対向電極、図面奥側に参照電極が位置する。
次に、被検液中に含まれる検体が抗原であり、電気化学検出用電極13の作用電極上に設けられた反応物質が上記抗原と特異的に反応する抗体である場合を例として、本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスの基本的な操作方法を説明する。
化学的検出用電極13及び反応物質51(抗体層)がバッファー液(例えば、リン酸ナトリウム液)に浸かるようにする。この後、注入孔4から更にバッファー液を注入しマイクロ流路デバイス内をバッファー液で洗浄する。次に、好ましくは、マイクロ流路デバイス内にアルブミン水溶液を流し、各流路及び電気化学的検出用電極13の表面にアルブミン膜(非特異的吸着防止膜)を形成させる。これにより、これらの表面へのタンパク質の非特異的吸着が防止できる。
次に、抗原を含む被検液を注入孔4から注入しデバイス内に被検液を流す。これにより、被検液中の抗原(検体)と電気化学的検出用電極13の作用電極上に設けられた抗体とが抗原抗体反応し、被検液中の抗原が作用電極上に捕獲される。
ここで、実施の形態4-1のマイクロ流路デバイスでは、図20(b)に示すように、注入孔4から注入された被検液は流路Aを流れ、流路Cで略垂直方向に流れを変えられ、この流れが電気化学的検出用電極13に略垂直に当たる。この後、矢印20の水平方向の流れに変わる。この構造であると、被検液中に存在する検体(抗原分子)が、電気化学的検出用電極13上に設けられた抗体の層(反応物質51)に正面から衝突する。よって、被検液中の抗原分子を確実に抗体分子と反応させることができ、それゆえ反応時間の短縮と反応効率の向上が図れる。
次に、被検液に代えて上記と同様なバッファー液を注入孔4より入れて流路A〜C、電気化学的検出用電極13を洗浄する。次いで、酵素を標識として付けた抗体材料を含むバッファー溶液を注入孔4から注入し、抗体層(反応物質51)に捕獲された抗原と抗原抗体反応させ、電気化学的検出用電極13の作用電極の表面に抗体―抗原−酵素付抗体材料からなる複合体を形成させる。
再び、バッファー液を注入孔4より入れて、流路A〜C、電気化学的検出用電極13から、未反応の酵素付抗体材料を洗浄し、除去する。なお、この反応(抗原と酵素標識付抗体との反応)においても、上記の抗原抗体反応で説明したと同様、酵素付抗体材料を含むバッファー溶液が反応部位に正面からぶつかるので、反応が高効率で進む。よって酵素標識付抗体の量を少なくでき、また反応時間も少なくて済む。
この後、酵素標識付抗体の酵素と反応して電気的活性物質を生じさせる基質材料を含むバッファー溶液を注入孔4から注入する。これにより、電気化学的検出用電極13の作用電極上に形成された抗体―抗原−酵素付抗体材料からなる複合体の酵素と、上記基質材料とが反応し、複合体の量に相応した電気的活性物質を生じる。この生成量を電気化学的検出用電極13で電流量として測定し、被検液に含まれていた検体の量を算出する。
なお、本実施の形態(以下の実施の形態においても同様)にかかる分析用マイクロ流路デバイスは、流路構造や電極の位置等に特徴を有するものであるので、検体の種類、反応物質、更には標識として用いる酵素材料や基質材料などに特段の制限はない。よって、反応物質などは検体の種類に対応させて適宜選択して使用すればよい。
[実施の形態4−2]
図21(a)(b)に、実施の形態4-2にかかるマイクロ流路デバイスの断面図を示す。本実施の形態は、流路Cを複数の微細な流路としたこと以外は上記実施の形態4−1と同様である。流路Cを複数の微細な流路としたこの構造であると、デバイス内の流れを一層確実に略垂直方向に変えられる。よって、一層、被検液中の抗原、酵素付抗体や基質物質の電気化学的検出用電極13への衝突確率が高まるので、更に効率よく各反応が進む。
効率が高まる。
上記複数の微細な流路からなる流路Cとしては、例えば流路Aと流路Bの間に直径1μm〜200μm程度の孔を有するフィルターやメッシュなどを配置するなどすればよい。
[実施の形態4−3]
図22(a)(b)に、実施の形態4-3にかかるマイクロ流路デバイスの断面図を示す。本実施の形態は、流路Bの床面ではなく、流路Aの床面部分であって複数の微小な流路Cの入口相互間領域(入口と入口の間の部分)に、電気化学検出用電極13及び検体と特異的に反応する反応物質51とを設けた点に特徴を有する。これ以外については、上記実施の形態4−2と同様な構造である。
本実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスでは、図22(b)に示すように、複数の微小な流路Cの入口相互間領域に電気化学検出用電極13及び反応物質51設けられている。言い換えると、流路Aを流れる液体がその流れ方向を変えようとするところに、電気化学検出用電極13と反応物質51が配置されているので、流れ方向に平行に電極が配置された従来型に比較し、検体分子と反応物質51等との接触確率が高い。よって、流路反応が高効率で進むという、上記した効果が得られる。
また、この実施の形態4-3では、基板に流路Bや注入孔4、排出孔7のみを形成すれば足り、流路Bの床面に電極を形成する必要がないので、上記実施の形態4−1のようにb1とb2の2つの基板を用いる必要がない。よって、その製造が容易であるという利点がある。
[実施の形態4−4]
図23(a)(b)に、実施の形態4-4にかかるマイクロ流路デバイスの断面図を示す。本実施の形態は、流路Cを設ける代わりに、流路Aの下流側末端に流路Aの流れを直角に変化させる壁面Xを設けた点に特徴を有する。これ以外は、上記実施の形態4−1と同様である。
この実施の形態にかかるマイクロ流路デバイスでは、図23(b)に示すように、被検液の流れが流路Aに設けられた壁面Xにより変更せられ、電気化学検出用電極13に垂直に当たるように流れる。よって、電極が流れ方向に平行に配置された従来型に比較し、格段に被検液中の検体分子と反応物質51との接触確率が高くなる。これにより、上述したような顕著な作用効果が得られる。
この実施の形態においては、壁面Xの高さを高くするとともに、壁面Xの位置を電気化学検出用電極13に近づけることにより、被検液をより確実に電気化学検出用電極13と反応物質51に当るようにすることができる。この構造では、壁面Xにより流れが阻止された被検液は乱流となるので、検体分子が種々な角度から電極に衝突するという効果が得られる。
本発明の内容を実施例により、更に詳しく説明する。
(実施例1)
実施例1は上記実施の形態3-3に対応するものである。実施例1にかかる分析用マイクロ流路デバイスは以下のようにして作製された。
図24に示すように、型基板115上に厚膜レジスト111を配置し(a〜b)、次いで所望のパターンを形成したフォトマスク112を用いて型113を形成した(c〜d)。型113に熱硬化性樹脂PDMS(ポリジメチルシロキサン)110を流し込んで、表面に第1の流路118、第4の流路119を形成した(e〜f)。この後、注入孔114、排出孔117を形成した(g)。このようにして図24(h)に示す第1の基板110(hは平面図)を作製した。
他方、図25に示すように、ガラス基板120上に、ポジ型レジスト121を積層し(a〜b)、フォトリソグラフィー法により幅0.3mm、長さ2mmの長方形の穴を形成した後(c〜d)、ウェットエッチングによりガラス基板表面に、深さ0.05mmの長方形の流路122を形成した(e)。これを第2の基板120(平面図f)とした。
更に、厚さ0.5mmのアクリル基板を用意し、上記第1の基板110の流路118、119が第2の基板120の流路122の重なりあった部分に、直径0.01mmの大きさの複数の第3の流路132、第5の流路133を、図26に示すようなパターンで形成した。このアクリル基板を第3の基板130とした。
上記各基板の大きさは25mm×25mmであり、流路118、119、122の幅は0.3mm、深さは0.05mmとした。また、上記第1の基板110と第2の基板120は、これらを重ね合わせたとき、流路122が流路118と119を跨ぎ、連結するように設計した。
更に、上記第3の基板130に0.2mm角の作用電極135、参照電極134、対向電極136と3mm角の接続パッド137、138、139と、各々の電極と対応する接続パッドを繋ぐ配線140、141、142を形成した。形成方法としては、従来のフォトリソグラフィー法とリフトオフ法の組み合わせた方法で行い、電極と接続パッドとを露出させた状態とし、残りを絶縁膜(図示せず)で覆った。電極材料としては、白金を用い、基板との間の下地層としてチタンを用いた。
第1の基板110と第3の基板130と第2の基板120とを貼り合わせた後、シリンジポンプ151、レオダインバルブ152を接続し、抗Cry J-1抗体を表面に固定した微粒子170を、リン酸バッファー液とともに注入孔124から注入することにより反応物質保持部を形成した。このようにして図27に示す分析用マイクロ流路デバイス150を完成させた。
次に、本実施例にかかる分析用マイクロ流路デバイス装置を用いた検出方法について、アレルゲンの検出方法を例として、図27を参照しつつ説明する。
予め、被検液として、pH7.4に調整したリン酸バッファー液にスギ花粉アレルゲンであるCry J-1を100ng/mlの濃度に調整した溶液を作製した。シリンジポンプ151を駆動させてリン酸緩衝液をマイクロ流路デバイス内に流しつつ、レオダインバルブ152から上記被検液を5μl注入した。これによりマイクロ流路デバイス内に配置されている微粒子170表面に固定化された抗Cry J-1抗体と、被検液中のCry J-1とを反応させた。
この後、バッファー液のみを流して、デバイス内部を洗浄した。
次に、酵素標識付抗Cry J-1抗体を含むリン酸バッファー液を流して、微粒子170の表面に抗体−抗原−酵素付抗体複合体を形成した。酵素としては、アルカリフォスフォターゼを用いた。
この後、基質であるパラアミノフェニルフォスフェートの0.1mM濃度リン酸バッファー液をレオダインバルブ152から注入する方法により、注入孔114から分析用マイクロ流路デバイス150内へ入れた。チップに注入されたパラアミノフェニルフォスフェートは、微粒子170の表面に形成された抗体−抗原−酵素付抗体複合体のアルカリフォスフォターゼ酵素により、電気的活性物質であるパラアミノフェノールになり(酵素基質反応)、このパラアミノフェノールは、電極154で酸化還元電流として検出される。実際上は、電極154と、接続パッド137、138、139を介して接続した外部のポテンショメータで測定した。
(比較例1)
比較例1として、図33に示す従来構成のマイクロ流路デバイスを用意し、微粒子充填量等の条件を全て同じとして、上記実施例と同様の検出を行った。この結果、実施例1の電流値は、比較例1のマイクロ流路デバイスの電流値の約10倍であった。
この結果から、実施例1の構造のマイクロ流路デバイスは、検出感度が顕著に優れており、このマイクロ流路デバイスを用いると、検体が微量であっても、確実に検体の量を検出できることが判った。
(実施例2)
図28に実施例2にかかる分析用マイクロ流路デバイス装置を示した。この実施例2は、上記実施の形態3-4に対応するものであり、実施例2にかかる分析用マイクロ流路デバイスでは、第1の流路118内に微粒子を配置せず、この代わりに第1の流路118の床面であって第3の流路132の入口部分(第3の流路の入口相互間領域)に、抗Cry J-1抗体を物理的に固定化した反応物質保持部190を形成した構造である。入口相互間領域への抗Cry J-1抗体の固定化は、公知の方法を用いて行い、これ以外については、上記実施例1と同様にして、図24に示す実施例2にかかる分析用マイクロ流路デバイス180を作製した。このマイクロ流路デバイス180を用いた装置(図28)を用い、実施例1と同様にして、スギ花粉アレルゲンであるCry J-1の測定を行った。
(比較例2)
比較例2として、図35に示すマイクロ流路デバイス装置を作製した。比較例2では、図35に示すように、公知の方法で基板201の一部に抗Cry J-1抗体材料206を形成し、別の部分に電極213を設けた。電極形状及び形成方法は実施例1と同様である。実施例1と同様に、幅0.2mm、深さ0.05mmの流路と注入孔及び排出孔を形成したPDMS基板202を基板201に貼り合わせ、比較例2の分析用マイクロ流路デバイス161を作製した。
比較例2のマイクロ流路デバイスについても、実施例1と同様に検出を行った。この結果、実施例2の電流値は、比較例2のマイクロ流路デバイスにおける測定電流値の約20倍であることが確認された。
(実施例3)
図29に実施例3の全体構造を表す断面図を示す。実施例3は、上記実施の形態4-4(図23)の変形例にかかるマイクロ流路デバイス装置である。図29に示すように、実施例3にかかるマイクロ流路デバイス装置の主要部分は、第1の基板210と第2の基板220と第3の基板230の三枚の基板を重ねあわせて構成されている。
第1の基板210には、被検液を注入する注入孔214、第1の流路212(実施の形態4-4における流路A)と被検液を排出する排出孔217が形成されている。第2の基板220には、第2の流路221(実施の形態4-4における流路B)とその流路の床面に電気化学検出用電極234が形成されている。この電気化学検出用電極234は、対向電極231、作用電極232、参照電極233からなる。また、このマイクロ流路デバイスでは、第1の基板に設けられた壁面213が第1の流路の流れを略垂直方向に変更するように機能する。また、第2の基板220の上流側の壁と第1の基板の上記壁面213との間の部分が実施の形態4-4における流路Cに相当することになる。
上記マイクロ流路デバイスの作製方法について説明する。先ず、実施例1と同様の方法で、厚さ約1mmガラス製基板を用いて、図30に示す工程に従って図30(f)に示す形状の第1の基板210を作製した。なお、図(a)〜(f)は横断面図である。
また、厚さ約0.3mmのアクリル製基板を用い、図31に示すような空孔221(実施の形態4-4における流路C)を形成した第2の基板220を作製した。
他方、厚さ約0.6mmのシリコン製の基板を第3の基板230として用い、公知のフォトリソグラフィー法とスパッタ法、真空蒸着法などの薄膜形成技術を用いて、この基板上に0.2mm角の対向電極231、作用電極232、参照電極233をそれぞれ形成した。また、各電極と外部機器との接続のための接続用パッド235、256、237をそれぞれ形成すると共に、接続線238、239、240により上記各電極と上記各パットとを電気的に接続した。このようにして、図32に示す第3の基板230を作製した。
上記対向電極235は白金で構成し、作用電極は白金/金(表面側)の二層構造とし、参照電極は白金/銀/塩化銀(表面側)の三層構造にした。各電極を形成後、各電極と接続用パッドを覆うことなく、その余の電極領域全面に酸化珪素層(絶縁膜)を積層した。この後、作用電極の表面に、スギ花粉アレルゲンであるCry J-1に対し特異的に反応する抗Cry J-1抗体を固定化した。なお、電気化学検出用電極234は、対向電極231、作用電極232、参照電極233によりが構成されている。
抗Cry J-1抗体の固定化は次のようにして行った。作用電極232(金電極)の表面を純水で洗浄した後、この電極表面に、SH-C10H20-COOHとSH-C6H12-OHをモル比1:9で混合した10mM濃度の溶液を流した。その後、電極表面を再び純水で洗浄した。これにより、作用電極の表面にカルボキシル基の突出した自己組織化膜(SAM膜)が形成できる。次いで、水溶性カルボジイミド(EDC)とNヒドロキシコハク酸イミド(NHS)との質量比1:1の混合物をpH5.8のリン酸バッファー液(PBS)で溶解し、上記混合物の10mg/ml濃度の溶液を調製した。この溶液に電極部分を漬け、37℃で2時間静置することにより、金電極に水溶性カルボジイミド(EDC)とNヒドロキシコハク酸イミド(NHS)を反応させた。その後、pH5.8のリン酸バッファー液で電極表面を洗浄した。
次いで、抗Cry J-1抗体をpH5.8のリン酸バッファー液に溶解し、抗Cry J-1抗体濃度10mg/mlの溶液を調製し、この溶液に金電極部分を漬け、37℃で2時間静置した。これにより電極表面のSAM膜表面に抗Cry J-1抗体が固定化される。この後、0.05%Tween20含有のpH7.4のリン酸バッファー液で電極表面を洗浄した。これにより、作用電極232上に抗Cry J-1抗体層(反応物質245)が形成されたマイクロ流路デバイス261を完成させた。
上記とは別途で、シリンジポンプ251とレオダインバルブ252を備え、これらが樹脂製チューブで連結された送液装置と、樹脂製の排出チューブを用意した。そして、上記送液装置のチューブを上記マイクロ流路デバイス261の注入孔214に接続し、上記排出チューブを排出孔217に接続した。このようにして送液装置を備えたマイクロ流路デバイス装置となした。
次に、図29を参照しながら、スギ花粉アレルゲンであるCry J-1を検出するための操作方法について説明する。スギ花粉アレルゲンであるCry J-1をpH7.4のリン酸バッファー液に入れ、Cry J-1が100ng/ml濃度の被検液を予め調整した。シリンジポンプ251を駆動させ、pH7.4のリン酸バッファー液をマイクロ流路デバイス261内に流し、この状態でレオダインバルブ252から上記被検液を5μl注入した。当該被検液は注入孔214から第1の流路212に入り、第1の流路212の前方の壁面213により流れを変えられ、床面に電気化学検出用電極234が設けられた第2の流路221に入り、後排出孔217からマイクロ流路デバイス外に排出されることになる。
このような流れにおいて、被検液は略垂直方向から電気化学検出用電極234にぶつかるので、被検液中のCry J-1は作用電極232に固定された抗Cry J-1抗体(反応物質245)に効率よく捕獲される。この後、再度バッファー液のみを流して、デバイス内部を洗浄した。
次いで、レオダインバルブ252から酵素標識付抗Cry J-1抗体溶液を注入しマイクロ流路デバイス261内を流して、作用電極232の表面に抗体−抗原−酵素付抗体複合体を形成した。この場合における酵素としては、アルカリフォスフォターゼを用いた。
この後、基質であるパラアミノフェニルフォスフェートの0.1mM濃度溶液をレオダインバルブ252から注入した。マイクロ流路デバイス261に入ったパラアミノフェニルフォスフェートは、作用電極232の表面に形成された抗体−抗原−酵素付抗体複合体のアルカリフォスフォターゼ酵素により、電気的活性物質であるパラアミノフェノールになる(酵素基質反応)。このパラアミノフェノールは、直下の作用電極232で酸化還元電流として検出される。具体的には、電極231,232,233に繋がった接続パッド235、236、237にポテンショメータを接続し、このポテンショメータにより測定した。
(比較例3)
比較例3として、図36に示す構造のマイクロ流路デバイスを作製した。比較例3にかかるデバイスは、流路308の床面に、対向電極311、作用電極312、参照電極313が順次配置されており、各電極面が流れ方向に平行になっている点で、上記実施例3と構造が異なる。なお、作用電極312への抗Cry J-1抗体を固定化等の条件はすべて実施例3と同様に行った。
上記実施例3と比較例3を用いて、上記実施例3に記載の条件で電流値の測定を行った。その結果、実施例3の電流値は、比較例1のマイクロ流路デバイスの約10倍であった。これにより、本実施例によると、検出感度が顕著に向上することが確認できた。
上述したように、本発明によると、検体等との反応効率が格段に高い高感度な分析用マイクロ流路デバイスを提供できる。本発明の分析用マイクロ流体デバイスは、特定のタンパク質の検出に特に好適に使用できる。更にタンパク質以外の種々の物質の検出にも適用できる。よって、その産業上の利用可能性は大きい。
実施の形態1−1にかかる分析用マイクロ流路デバイスの平面図である。 実施の形態1−1にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図である。 実施の形態1−1にかかる分析用マイクロ流路デバイスにおける液の流れを示す概念図である。 図4(a)は、実施の形態1−2にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図4(b)は、液の流れを示す概念図であり、図4(c)は、第3の基板の平面図である。 実施の形態1−4にかかる分析用マイクロ流路デバイスにおける液の流れを示す概念図である。 図6(a)は、実施の形態2−1にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図6(b)は、液の流れを示す概念図である。 図7(a)は、実施の形態2−2にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図7(b)は、液の流れを示す概念図である。 図8(a)は、実施の形態2−3にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図8(b)は、液の流れを示す概念図である。 図9(a)は、実施の形態2−3にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図9(b)は、液の流れを示す概念図である。 図10は、実施の形態3-1にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図である。 実施の形態3−2にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図である。 実施の形態3−3にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図である。 実施の形態3−4にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図である。 実施の形態3−5にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図である。 実施の形態3−6にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図である。 本発明分析用マイクロ流路デバイスの流路の変形例を示す断面図である。 本発明分析用マイクロ流路デバイスの流路の変形例を示す断面図である。 本発明分析用マイクロ流路デバイスにかかる第3の流路(微小孔)の形状例を示す図である。 本発明分析用マイクロ流路デバイスにかかるフィルターの形状例を示す図である。 図20(a)は、実施の形態4-1にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図20(b)は、液の流れを示す概念図である。 図21(a)は、実施の形態4-2にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図21(b)は、液の流れを示す概念図である。 図22(a)は、実施の形態4-3にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図22(b)は、液の流れを示す概念図である。 図23(a)は、実施の形態4-4にかかる分析用マイクロ流路デバイスの断面図であり、図23(b)は、液の流れを示す概念図である。 実施例1の分析用マイクロ流路デバイスにかかる第1の基板の作製工程を示す図である。 実施例1の分析用マイクロ流路デバイスにかかる第2の基板の作製工程を示す図である。 実施例1の分析用マイクロ流路デバイスにかかる第3の基板の作製工程を示す図である。 実施例1にかかる分析用マイクロ流路デバイス装置を説明する図である。 実施例2にかかる分析用マイクロ流路デバイス装置を説明する図である。 実施例3にかかる分析用マイクロ流路デバイス装置を説明する図である。 実施例3の分析用マイクロ流路デバイスにかかる第1の基板の作製工程図である。 実施例3の分析用マイクロ流路デバイスにかかる第2の基板の断面図である。 実施例3の分析用マイクロ流路デバイスにかかる第3の基板とこの基板上に配置された電気化学的検出用電極を示す平面図である。 図33(a)は比較例1にかかる分析用マイクロ流路デバイスの平面図であり、図33(b)は断面図である。 比較例1にかかる分析用マイクロ流路デバイスの部分拡大断面図である。 比較例2にかかる分析用マイクロ流路デバイス装置の断面図である。 比較例3にかかる分析用マイクロ流路デバイス装置の断面図である。 従来の分析用マイクロ流路デバイスの液の流れと電極表面との関係を示す図である。
符号の説明
1、110、210 第1の基板
2、120,220 第2の基板
3、130,230 第3の基板
4、114、214、603、604 注入孔
5 フィルター
6 検出部
7、117、207、217、607 排出孔
8、118、212 第1の流路
10、221 第2の流路
15、132 第3の流路
9、119 第4の流路
17、133 第5の流路
11 入口相互間領域の周囲
14、170、605 微粒子
16、190 反応物質保持部
51、245:反応物質(抗体)
20 液体の流れ方向
25 熱レンズ
111 レジスト
121、211 ポジ型フォトレジスト
112、213 フォトマスク
113 型
13 電気化学的検出用電極
135、232、312 作用電極
136、233、313 参照電極
235、236、237 接続用パッド
140、141、142 配線
150、161,180、261 分析用マイクロ流路デバイス
151、251 シリンジポンプ
152、252 レオダインバルブ
620 堰き止め部

Claims (44)

  1. 被検液が流れる第1の流路と、
    前記第1の流路と略平行な第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路とを略垂直に繋ぐ第3の流路と、を備え、
    前記第3の流路入口近傍でかつ前記第1の流路内に、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定された微粒子が流去しない状態で保持された反応物質保持部が設けられている、
    ことを特徴とする分析用マイクロ流路デバイス。
  2. 被検液が流れる第1の流路と、
    前記第1の流路と略平行な第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路とを略垂直に繋ぐ複数の第3の流路と、を備え、
    前記第1の流路の床面であって前記複数の第3の流路の入口相互間領域に、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定されてなる反応物質保持部が設けられている、
    ことを特徴とする分析用マイクロ流路デバイス。
  3. 被検液が流れる第1の流路と、
    前記第1の流路と略平行な第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路とを略垂直に繋ぐ第3の流路と、を備え、
    前記第3の流路内には、前記第1の流路と略平行にフィルターが配置され、
    前記フィルターの前記第1の流路側の面に、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定されてなる反応物質保持部が設けられている、
    ことを特徴とする分析用マイクロ流路デバイス。
  4. 被検液が流れる第1の流路と、
    前記第1の流路と略平行な第2の流路と、
    前記第1の流路における被検液の流れを前記第2の流路側に略垂直に曲げる流向変更手段と、を備え、
    前記流向変更手段の近傍であって、前記第1の流路と前記第2の流路との間の領域に、前記第1の流路と略平行にフィルターが配置され、
    前記フィルターの前記第1の流路側の面に、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が固定されてなる反応物質保持部が設けられている、
    ことを特徴とする分析用マイクロ流路デバイス。
  5. 前記流向変更手段は、前記第1の流路の下流側末端に設けられた、前記第1の流路と略垂直な壁面からなる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  6. 前記第3の流路は、前記微粒子の直径よりも流路径が小さい複数の微細な流路群からなり、かつこれにより微粒子の流去が堰き止められる構造である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  7. 前記第3の流路の直上に位置する前記第1の流路の壁面が、前記第3の流路側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  8. 前記フィルターの直上に位置する前記第1の流路の壁面が、前記フィルター側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項4に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  9. 前記第3の流路の直下に位置する前記第2の流路の壁面が、前記第3の流路側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  10. 前記フィルターの直下に位置する前記第2の流路の壁面が、前記フィルター側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項4に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  11. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、
    前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、
    前記第3の流路用の貫通孔が形成された第3の基板とが、前記第1の基板、前記第3の基板、前記第2の基板の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  12. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝及び前記第3の流路用の貫通孔が形成された第1aの基板と、
    前記第1の流路用の溝を蓋する第1bの基板と、
    前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板とが、前記第1bの基板、前記第1aの基板、前記第2の基板の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  13. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、
    前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、
    前記フィルターとが、前記第1の基板、前記フィルター、前記第2の基板の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  14. 前記第1の基板には、前記被検液を注入する注入孔と、前記被検液を排出する排出孔とが、設けられ、
    前記第3の基板には、前記第2の流路用の溝と前記排出孔とを繋ぐ穴が形成されている、
    ことを特徴とする請求項11に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  15. 前記第1bの基板には、前記被検液を注入する注入孔と、前記被検液を排出する排出孔とが、設けられている、
    ことを特徴とする請求項12に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  16. 前記第1の基板には、前記被検液を注入する注入孔と、前記被検液を排出する排出孔とが、設けられている、
    ことを特徴とする請求項14に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  17. 被検液が流れる流路Aと、
    前記流路Aと略平行な流路Bと、
    前記流路Aと前記流路Bとを略垂直に繋ぐ流路Cと、を備え、
    前記流路Cの直下であって前記流路Cと略直交する前記流路Bの床面に、電気化学検出用電極が設けられている、
    ことを特徴とする分析用マイクロ流路デバイス。
  18. 被検液が流れる流路Aと、
    前記流路Aと略平行な流路Bと、
    前記流路Aと前記流路Bとを略垂直に繋ぐ複数の流路Cと、を備え、
    前記流路Aの床面部分であって前記複数の流路Cの入口相互間領域に、電気化学検出用電極が設けられている、
    ことを特徴とする分析用マイクロ流路デバイス。
  19. 被検液が流れる流路Aと、
    前記流路Aと略平行な流路Bと、
    前記流路Aにおける前記被検液の流れを前記流路B側に略垂直に曲げる流向変更手段と、を備え、
    前記流向変更手段の直下であって前記流路Bの床面に、電気化学検出用電極が設けられている、
    ことを特徴とする分析用マイクロ流路デバイス。
  20. 前記流向変更手手段は、前記流路Aの下流側末端に設けられた、前記流路Aと略垂直な壁面からなる、
    ことを特徴とする請求項19に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  21. 前記流路Cは、複数の流路群からなる、
    ことを特徴とする請求項17に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  22. 前記流路Cの直上に位置する前記流路Aの壁面が、前記流路C側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項17又は18に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  23. 前記流路Aの壁面であって前記流向変更手段の近傍部分が、前記フィルター側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項20に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  24. 前記流路Cの直下に位置する前記流路Bの壁面が、前記流路C側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項18に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  25. 前記流向変更手段の直下近傍部分であって、前記フィルターと対向位置する前記流路Bの壁面が、前記フィルター側に傾斜している、
    ことを特徴とする請求項20に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  26. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記流路A用の溝が形成された基板aと、
    前記流路B用の溝及び前記電気化学的検出用電極が形成された基板bと、
    前記流路C用の貫通孔が形成された基板cとが、前記基板a、前記基板c、前記基板bの順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項17に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  27. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記流路A用の溝が形成された基板aと、
    前記流路B用の溝が形成された基板b1と、
    前記電気化学的検出用電極が形成された基板b2と、
    前記流路C用の貫通孔が形成された基板cとが、前記基板a、前記基板c、前記基板b1、前記基板b2の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項17に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  28. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記流路A用の溝が形成された基板aと、
    前記流路B用の溝が形成された基板bと、
    前記流路C用の貫通孔及び前記電気化学的検出用電極が形成された基板cとが、前記基板a、前記基板c、前記基板bの順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項18に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  29. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記流路A用の溝が形成された基板aと、
    前記流路B用の溝及び前記電気化学的検出用電極が形成された基板bとが、重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項20に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  30. 前記第3の流路の直下であって前記第3の流路と略直交する前記第2の流路の床面に、電気化学検出用電極が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  31. 前記フィルターの直下に位置する前記第2の流路の床面に、電気化学検出用電極が設けられている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  32. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第2の流路と略平行な第4の流路と、
    前記第2の流路と前記第4の流路とを略垂直に繋ぐ第5の流路と、を更に備え、
    前記第5の流路の直下であって前記第5の流路と直交する前記第4の流路の床面に、電気化学検出用電極が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  33. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第2の流路と略平行な第4の流路と、
    前記第2の流路と前記第4の流路とを略垂直に繋ぐ複数の第5の流路と、を更に備え、
    前記第2の流路の床面部分であって前記複数の第5の流路の入口相互間領域に、電気化学検出用電極が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  34. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、
    前記第2の流路用の溝及び前記電気化学的検出用電極が形成された第2の基板と、
    前記第3の流路用の貫通孔が形成された第3の基板とが、前記第1の基板、前記第3の基板、前記第2の基板の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項30に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  35. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、
    前記第2の流路用の溝が形成された第2aの基板と、
    前記電気化学的検出用電極が形成された第2bの基板と、
    前記第3の流路用の貫通孔が形成された第3の基板とが、前記第1の基板、前記第3の基板、前記第2aの基板、前記第2bの基板の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項30に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  36. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、
    前記第2の流路用の溝及び前記電気化学的検出用電極が形成された第2の基板と、
    前記フィルターとが、前記第1の基板、前記フィルター、前記第2の基板の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項31に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  37. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝が形成された第1の基板と、
    前記第2の流路用の溝が形成された第2aの基板と、
    前記電気化学的検出用電極が形成された第2bの基板と、
    前記フィルターとが、前記第1の基板、前記フィルター、前記第2aの基板、前記第2bの基板の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項31に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  38. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝、前記第4の流路用の溝及び電気化学的検出用電極が形成された第1の基板と、
    前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、
    前記第3の流路用の貫通孔及び第5の流路用の貫通孔が形成された第3の基板とが、前記第1の基板、前記第3の基板、前記第2の基板の順に重ね合わされてなるものである、
    ことを特徴とする請求項32に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  39. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝及び前記第4の流路用の溝が形成された第1aの基板と、
    前記電気化学的検出用電極が形成された第1bの基板と、
    前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、
    前記第3の流路用の貫通孔及び前記第5の流路用の貫通孔が形成された第3の基板とが、前記第1bの基板、前記第1aの基板、前記第3の基板、前記第2の基板の順に重ね合わされてなる、
    ことを特徴とする請求項32に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  40. 前記分析用マイクロ流路デバイスは、
    前記第1の流路用の溝及び第4の流路用の溝が形成された第1の基板と、
    前記第2の流路用の溝が形成された第2の基板と、
    前記第3の流路用の貫通孔、第5の流路用の貫通孔及び前記電気化学的検出用電極が形成された第3の基板とが、前記第1の基板、前記第3の基板、前記第2の基板に重ね合わされてなる、
    ことを特徴とする請求項33に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  41. 前記第1の基板には、被検液を注入する注入孔と、被検液を排出する排出孔とが、設けられ、
    前記第3の基板には、前記第2の流路用の溝と前記排出孔とを繋ぐ穴が設けられている、
    ことを特徴とする請求項34ないし37いずれかに記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  42. 前記第1の基板には、前記第1の流路の上流側に設けられた被検液を注入する注入孔と、前記第4の流路の下流側に設けられた被検液を排出する排出孔と、が設けられている、
    ことを特徴とする請求項38又は40に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  43. 前記第1bの基板には、前記第1の流路の上流側に設けられた被検液を注入する注入孔と、前記第4の流路の下流側に設けられた被検液を排出する排出孔と、が設けられている、
    ことを特徴とする請求項39に記載の分析用マイクロ流路デバイス。
  44. 前記電気化学的検出用電極の表面には、前記被検液に含まれる検体と特異的に反応する反応物質が設けられている、
    ことを特徴とする請求項17から29のいずれかに記載の分析用マイクロ流路デバイス。
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