JP2008050992A - 電動送風機およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents

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誠 村上
Masanori Hirota
正宣 広田
Tomoyuki Kikukawa
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Abstract

【課題】消音手段の凹部で発生する気流音を抑え、かつ狙いの高周波音を大幅に消音できる低騒音の電動送風機を提供することを目的とする。
【解決手段】ブレード4を有するインペラ5と、周囲に配置された静翼6を有するエアガイド7と、回転軸8を駆動する電動機9と、中央に吸気口10を有しインペラ5とエアガイド7を内包するファンケース11と、排気口12を有し電動機9を内包した防音筒13と、電動機9側面に円筒形状を有した消音手段14とを備え、消音手段14には2つの凹部15を電動機9の排気口16側の円周上に有し、かつ通気性のある蓋17を凹部15の開口部に設けた構成とすることにより、通気性のある蓋17で凹部15入口付近での気流の乱れが抑えられて気流音が低減され、また、気流の脈動に起因する特定周波数の音は凹部15での共鳴効果で大幅に消音される。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転時に発生する高周波音を大幅に消音する電動送風機およびそれを用いた電気掃除機に関するものである。
従来、この種の電動送風機およびそれを用いた電気掃除機は広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電動送風機は、インペラを駆動する電動機の外周には、それを覆う防音筒を具備し、防音筒の排気口は電動機の排気口から回転軸方向に離れた位置に備えるとともに、防音筒の内壁にはある特定の深さをもつ凹部を円周上に設けたものである。
特開2001−165097号公報
しかしながら、前記従来の構成では、電動機の排気口から出た気流が防音筒の凹部を通過する際に、凹部入口付近でその側壁に衝突して気流の乱れが生じ、気流音が発生してしまうという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、凹部で発生する気流音を抑え、かつ狙いの高周波音を大幅に消音できる低騒音の電動送風機およびそれを用いた電気を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電動送風機は、複数のブレードを有するインペラと、前記インペラの周囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、前記インペラが固定された回転軸を駆動する電動機と、前記インペラに気流を流入させる吸気口を前面中央に有し前記インペラとエアガイドを内包するファンケースと、排気口を有し前記電動機全体を内包する防音筒と、前記電動機の回転軸方向に所定の深さをもつ凹部を前記電動機の排気口側に所定の幅で円周上に有し電動機の側面に設けた略円筒形の消音手段とを備え、前記消音手段の凹部の開口部には通気性のある蓋を設けたものである。
これによって、発生する気流は消音手段の外面に沿ってスムーズに流れるようになり、通気性のある蓋で凹部入口付近での気流の乱れが抑えられて気流音が低減される。また、気流の脈動に起因する特定周波数の音は凹部での共鳴効果で大幅に消音される。
本発明の電動送風機は、凹部で発生する気流音を抑え、かつ狙いの高周波音を大幅に低減することができる。
第1の発明は、複数のブレードを有するインペラと、前記インペラの周囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、前記インペラが固定された回転軸を駆動する電動機と、前記インペラに気流を流入させる吸気口を前面中央に有し前記インペラとエアガイドを内包するファンケースと、排気口を有し前記電動機全体を内包する防音筒と、前記電動機の回転軸方向に所定の深さをもつ凹部を前記電動機の排気口側に所定の幅で円周上に有し電動機の側面に設けた略円筒形の消音手段とを備え、前記消音手段の凹部の開口部には通気性のある蓋を設けた電動送風機とすることにより、発生する気流は消音手段の外面に沿ってスムーズに流れるようになり、通気性のある蓋で凹部入口付近での気流の乱れが抑えられて気流音が低減される。また、気流の脈動に起因する特定周波数の音は凹部での共鳴効果で大幅に消音される。
第2の発明は、特に、第1の発明において、通気性のある蓋は、通気性のある素材を消音手段の表面に接着固定して構成したことにより、容易に通気性のある蓋を設けることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、通気性のある蓋は、通気性のある素材を消音手段と一体成形させて構成したことにより、通気性のある蓋を接着させる工程がなくなり、製造工程を簡易化することができる。
第4の発明は、特に、第2または第3の発明において、通気性のある素材は、多孔質素材であることにより、材料の選定や加工がしやすくなり、通気性のある蓋を容易に設けることができる。
第5の発明は、特に、第4の発明において、多孔質素材は、吸音材であることにより、凹部での共鳴効果による消音だけでなく、吸音材の吸音効果も同時に得ることができるようになり、消音効果を大幅に向上することができる。
第6の発明は、特に、第2または第3の発明において、通気性のある素材は、所定の穴を有する薄板であることにより、穴径、穴形状といった穴の諸元を始め、穴の加工方法を設計要素として盛り込むことができるため、通気性のある蓋に適した穴の設計が容易になる。
第7の発明は、特に、第1の発明において、通気性のある蓋は、蓋と一体化した消音手段に穴を形成し通気性を有する構成としたことにより、通気性のある蓋と消音手段を1つの材料で作ることができる。
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明の電動送風機を用いた電気掃除機とすることにより、掃除機運転時にインペラで発生する特定周波数の音は電動送風機内で共鳴効果によって大幅に消音され、気流音が増加することなく、低騒音の電気掃除機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1〜図3は、本発明の実施の形態における電動送風機およびそれを用いた電気掃除機を示すものである。
図1に示すように、電動送風機1aは、板金製の前シュラウド2とこれに対向する後シュラウド3で7枚のブレード4を挟持して構成されたインペラ5と、インペラ5の周囲に配置された12枚の静翼6を有するエアガイド7と、インペラ5が先端部に固着された回転軸8を駆動する電動機9と、インペラ5に気流を流入させる吸気口10を前面中央に有しインペラ5とエアガイド7を内包する状態で電動機9に固定されたファンケース11と、排気口12を側面に有し電動機9全体を内包する状態でファンケース11と気密に固定された防音筒13と、電動機9の側面に設けた略円筒形の消音手段14とを備えている。
消音手段14は、電動機9の回転軸方向に所定の深さをもつ凹部15を電動機9の排気口16側に所定の幅で円周上に有し、消音手段の凹部15の開口部には通気性のある蓋17を設けている。具体的には、凹部15は、電動機9の回転軸方向に深さがそれぞれ21mm、10.5mmで幅が共に5mmである2つの凹部を有しており、通気性のある蓋17は、開孔率30%の薄板であるパンチングメタルを接着固定して構成している。
また、電動機9は、固定子18を内包し排気口16を有するフレーム19、ブラケット20に、回転子21を固着した回転軸8を軸受け前22、軸受け後23を介して支持しており、整流子24から回転子21に電力が供給される。
また、ファンケース11の内面は、静翼6の上端部と当接し、かつ、図2に示すように、隣り合う静翼6間で独立したボリュート室25を形成している。
図3において、電気掃除機26は、本体吸気口27に連通した集塵室28と排気口29を備えた送風室30を有する掃除機本体31と、集塵室28に本体吸気口27と気密に装着された集塵袋32と、送風室30内に設置された電動送風機1aと、本体吸気口27に気密に接続されたホース33と、電気掃除機26の電源入切や吸引力などの設定を操作するための各種スイッチを有した把持部34と、床面から塵埃を吸引するための床ノズル35と、床ノズル35と把持部34を気密に接続するための接続管36から構成されている。
以上のように構成された電動送風機および電気掃除機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、整流子24から回転子21に電力が供給されて電動機9が駆動しインペラ5が高速回転することで集塵室28内を負圧状態にする。床ノズル35が塵埃を含む空気流Aを吸引し、接続管36と把持部34およびホース33内の風路を通過して本体吸気口27から集塵袋32に流入する。集塵袋32で塵埃から分離された清潔な空気流Bは、送風室30内に設置された電動送風機1aに吸引されてファンケース11の吸気口10からインペラ5へ流入する。流入した空気流Cは、高速回転しているインペラ5のブレード4から運動エネルギを与えられ、インペラ5の外周部から排出される。排出された空気流Dはエアガイド7に配置された静翼6で形成されるボリュート室25を通過しながら減速し、運動エネルギを静圧に変換する。空気流Dはエアガイド7の裏面の戻り通路を通り、ブラケット20の連通穴を通り、電動機9内部を通過してフレーム19に設けられた排気口16より流出し、電動機9側面に設置された消音手段14と防音筒13の間の風路を流れて防音筒13の排気口12から流出する。防音筒13から流出した空気流Eは、掃除機本体31の排気口29から掃除機本体31の外部へ排出される。
インペラ5のブレード枚数Nは有限であるため内部を通過する気流に圧力脈動を生じる。脈動の周波数はインペラ5の毎秒回転数Zとブレード枚数Zの積で表され、NZ音と呼ばれる高周波音として発生する。またその倍音である2NZ音、3NZ音以降の高周波音もあわせて発生し、空気伝播、固体伝播しながらあらゆる方向に伝わることができるため、大きな消音効果を得るためには、音源付近の防音筒13内で消音することが重要となる。電動機9の排気口16から伝播する特定周波数の音は、消音手段14に設けられた2つの凹部15で共鳴することで大幅に消音される。また、空気流は、通気性のある蓋17の表面に沿って流れるようになるため、消音手段14の凹部15での気流の乱れもほとんどなく、気流音も発生が大幅に抑えられる。
高周波音を低減対象とした場合、凹部15の幅は波長の1/10程度で十分な効果が得られ、短幅にすることでそれぞれの凹部15を共鳴空間とし、共鳴周波数がインペラ5で発生するNZ音およびその倍音の周波数と等しくなるように凹部15の深さを設定することで、図4に示すように高周波音を大幅に低減することができる。これは、この凹部15が音響回路におけるサイドブランチの役割を果たすためであり、凹部15の深さをL[m]とすると、次式で表される共鳴周波数f[Hz]の音に対して消音効果があるといわれている。
f=c/4L (c:音速[m/s])
また、電気掃除機の運転モードに応じてインペラ5の毎秒回転数は変わり、発生する高周波音の周波数が異なるため、運転モードを考慮して狙いの周波数を設定し、共鳴周波数が一致するように消音手段14に凹部15を設けることで狙いの高周波音を消音することができる。
以上のように、本実施の形態においては消音手段14の凹部15側の面にパンチングメタルよりなる通気性のある蓋17を接着固定した電動送風機1aとすることにより、電気掃除機の運転時にインペラ5で発生する特定周波数の音は電動送風機1a内で共鳴効果によって大幅に消音され、気流音を増加させることなく、低騒音の電気掃除機にすることができる。
本実施の形態では、消音手段14の表面に通気性のある蓋17としてパンチングメタルを接着固定する電動送風機1aの場合で説明したが、図5に示すように、パンチングメタルと消音手段14を一体成形させた電動送風機1bでもよい。この場合、パンチングメタルを消音手段14に接着させる工程が省け、製造工程を簡易化することができる。また、図6に示すように、消音手段14の凹部15にあらかじめ蓋がついた形状に構成し、この蓋に穴あけ加工を施し、通気性のある蓋17とした電動送風機1cでもよく、この場合、1つの材料で消音手段14と通気性のある蓋17を作ることができる。
なお、本実施の形態では、通気性のある蓋17の素材としてパンチングメタルの他、メッシュ素材や多孔質素材を使用することができる。パンチングメタルやメッシュ素材では、穴や目の大きさ、形状など幅広く、適した素材の選定が可能になる。また多孔質素材は、種類も多く加工も容易であるため、凹部15の入口付近に挿入固定することが可能である。また、多孔質素材としては、軟質ウレタン材などの吸音材も使用することができ、凹部での共鳴効果による消音だけでなく、吸音材の吸音効果も同時に得ることができるようになり、消音効果を大幅に向上することができる。
以上のように、本発明にかかる電動送風機およびそれを用いた電気掃除機は、凹部で発生する気流音を抑え、かつ狙いの高周波音を大幅に低減することができるので、各種機器に用いることができるとともに、家庭用や業務用の電気掃除機に適用することで低騒音化がはかれる。
本発明の実施の形態における電動送風機の構成を示す断面図 同電動送風機のインペラとエアガイドの構成を示す平断面図 同電動送風機を用いた電気掃除機の構成を示す断面図 同電動送風機を用いた電気掃除機の運転音の音圧レベルを表すグラフ 同電動送風機の他の構成を示す断面図 同電動送風機のさらに他の構成を示す断面図
符号の説明
1a〜1c 電動送風機
4 ブレード
5 インペラ
6 静翼
7 エアガイド
8 回転軸
9 電動機
10 吸気口
11 ファンケース
12、16 排気口
13 防音筒
14 消音手段
15 凹部
17 通気性のある蓋
26 電気掃除機

Claims (8)

  1. 複数のブレードを有するインペラと、前記インペラの周囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、前記インペラが固定された回転軸を駆動する電動機と、前記インペラに気流を流入させる吸気口を前面中央に有し前記インペラとエアガイドを内包するファンケースと、排気口を有し前記電動機全体を内包する防音筒と、前記電動機の回転軸方向に所定の深さをもつ凹部を前記電動機の排気口側に所定の幅で円周上に有し電動機の側面に設けた略円筒形の消音手段とを備え、前記消音手段の凹部の開口部には通気性のある蓋を設けた電動送風機。
  2. 通気性のある蓋は、通気性のある素材を消音手段の表面に接着固定して構成した請求項1に記載の電動送風機。
  3. 通気性のある蓋は、通気性のある素材を消音手段と一体成形させて構成した請求項1に記載の電動送風機。
  4. 通気性のある素材は、多孔質素材である請求項2または3に記載の電動送風機。
  5. 多孔質素材は、吸音材である請求項4に記載の電動送風機。
  6. 通気性のある素材は、所定の穴を有する薄板である請求項2または3に記載の電動送風機。
  7. 通気性のある蓋は、蓋と一体化した消音手段に穴を形成し通気性を有する構成とした請求項1に記載の電動送風機。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電動送風機を用いた電気掃除機。
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DE102017111910A1 (de) * 2017-05-31 2018-12-06 Alfred Kärcher SE & Co. KG Reinigungsgerät

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102017111910A1 (de) * 2017-05-31 2018-12-06 Alfred Kärcher SE & Co. KG Reinigungsgerät
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