JP2006288708A - 電動送風機及びこれを備えた電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動送風機において、送風効率向上のために、吸込んだ気流の一部をケーシングの外周から排出する構成としており、騒音が高くなるという欠点があった。
【解決手段】ケーシング6の外周にインペラで吸込まれた気流の一部を排出する排気孔A(排気孔)7を設けると共に、前記排気孔A7と対向して、略円筒状の防音壁17を弾性体18を介して前記ケーシング6に設け、集塵室内の圧力が上昇すると電動送風機が前記弾性体18を圧縮する方向に移動して、前記ケーシング6に設けた排気孔A7が防音壁17により塞がれる構成とした。これにより、排気孔が防音壁で塞がれて騒音を外部に出難くし、低騒音が図れるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は電動送風機及びこれを備えた電気掃除機に関するものである。
従来の電動送風機について図6を用いて説明する。
1は電動機2の回転軸3にインペラ4を取付け固定した電動送風機であり、前記インペラ4の外周に対向してエアガイド5が配置されている。6はインペラ4とエアガイド5を内包し、かつ電動機2の外周に気密に取り付けられた中央部に吸気孔6aを有するケーシングである。前記ケーシング6の外周には複数個の排気孔A7が設けられている。
また、電動機2を構成するブラケット8には、前記インペラ4で吸引された空気を排気する排気孔B9が設けていると共に、前記回転軸3に整流子10と薄い珪素鋼板を積層して成る電機子コアを圧入固定し巻線を施したローター11と、薄い珪素鋼板を積層して成る界磁コアに巻線を施したステーター12を内蔵している。
また、前記ブラケット8には整流子10と摺動するカーボンブラシ(図示せず)を収納したブラシ保持器13を設けている。
以上の構成における動作について説明すると、電動機2が運転し回転軸3に取付け固定されたインペラ4が高速で回転すると吸込まれる気流が発生し、この気流はインペラ4の外周より排出されエアガイド5を経由して、気流の一部はケーシング6の外周に設けられた排気孔A7から外部に排出され、その他の気流はブラケット8内のローター11、ステーター12の巻線を冷却した後に排気孔B9から排出されるものであった(例えば、特許文献1参照)。
実開昭61−47964号公報
このように吸込んだ気流の一部をケーシング6の外周から排出させる事により電動送風機1の送風効率が向上する事は以前から知られていたが、高速で回転するインペラで発生する騒音がケーシングの排気孔より直接外部にでるために騒音が高くなるという欠点があった。
特に掃除機の吸い込み風量が低下した低風量域では、NZ音と呼ばれる耳障りな高周波音のレベルが図7に示すように高くなり使用者に不快感を与えるものであった。
本発明は上記の課題に対して、送風効率を高めると共に低風量域での騒音を低減した電動送風機を実現できるものである。
前記従来の課題を解決するために本発明は、ブラケット内に軸受けを固定した回転軸を備えたローターと、前記ローターと対向して配されたステーターとを内蔵し、前記回転軸に気流を発生させるインペラを取付け固定し、前記インペラの周囲に複数の案内翼を形成したエアガイドを配し、前記インペラとエアガイドをケーシングで覆った電動送風機において、前記ケーシングの外周に前記インペラで吸込まれた気流の一部を排出する排気孔を設けると共に、前記排気孔と対向して、略円筒状の防音壁を弾性体を介して前記ケーシングに設け、集塵室内の圧力が上昇すると電動送風機が前記弾性体を圧縮する方向に移動して、前記ケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれる構成とした。これにより、ケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれて騒音の低減が図れるものである。
第1の発明は、ブラケット内に軸受けを固定した回転軸を備えたローターと、前記ローターと対向して配されたステーターとを内蔵し、前記回転軸に気流を発生させるインペラを取付け固定し、前記インペラの周囲に複数の案内翼を形成したエアガイドを配し、前記インペラとエアガイドをケーシングで覆った電動送風機において、前記ケーシングの外周に前記インペラで吸込まれた気流の一部を排出する排気孔を設けると共に、前記排気孔と対向して、略円筒状の防音壁を弾性体を介して前記ケーシングに設け、集塵室内の圧力が上昇すると電動送風機が前記弾性体を圧縮する方向に移動して、前記ケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれる構成とした。これにより、ケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれて騒音の低減が図れるものである。
第2の発明は、第1の発明の弾性体を、バネまたはアクチュエーターとしたものであり、防音壁がケーシングの排気孔を精度よく塞いで騒音を低減することができるものである。
第3の発明は、弾性体としてのアクチュエーターと、圧力を検知する圧力センサーと、前記圧力センサーが検知する圧力により前記アクチュエーターを制御する制御部とを備え、所定の圧力になるとアクチュエーターを動作させて、ケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれる構成とした。これにより、所定の圧力になるとアクチュエーターを動作させてケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれより精度良く騒音を低減することができるものである。
第4の発明は、塵埃を捕集する集塵室と、前記集塵室に連通するように接続される吸気部と、第1〜第3のいずれか1つの発明の電動送風機を内蔵した電気掃除機としたもので、吸い込み仕事率を低下させること無く低風領域での騒音を低減できるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における電動送風機について、図1を用いて説明する。
1は、電動機2とファンユニット14から成る電動送風機である。前記電動機2を構成するブラケット8内には回転軸3に整流子10と薄い珪素鋼板を積層して成る電機子コアを圧入固定し巻線を施したローター11と、薄い珪素鋼板を積層して成る界磁コアに巻線を施したステーター12を内蔵している。
また、前記ブラケット8には整流子10と摺動するカーボンブラシ(図示せず)を収納したブラシ保持器13を設けている。
前記ファンユニット19は、前記回転軸3に回転により気流を発生させるインペラ4が取付け固定されており、その外周には複数の案内翼15でボリュート室16を構成したエアガイド5を配置している。6はインペラ4とエアガイド5を内包し、かつブラケット8の外周に気密に取り付けられた中央部に吸気孔6aを有するケーシングであり、その外周にはエアガイド5を経由した気流の一部が排出される排気孔A7が設けられている。
また、ブラケット8には排気孔B9が設けていると共に、前記ケーシング6に設けた排気孔A7と対向した略円筒状の防音壁17が弾性体18を介してケーシング6に設けられている。
上記構成による作用は以下の通りである。
まず、電力が電動機2のカ−ボンブラシ(図示せず)及び整流子10を経由してローター11とステーター12に供給されて電動機2が運転し、ローター11の回転軸3が高速で回転し、この回転軸3に固定されたインペラ4も高速で回転する。その結果吸引される気流が発生し、吸引された気流は前記インペラ4外周より排出される。
そして、インペラ4外周より排出された気流は、エアガイド5の隣り合う複数の案内翼15で構成されたボリュート室16を通ってエアガイド5の外周より排出される。
このエアガイド5の外周から排出された気流の一部はケーシング6に設けられた排気孔A7から外部へ排出され、残りの気流はブラケット8内に内蔵されたローター11、ステーター12等を冷却した後にブラケット8の排気孔B9から外部に排出されるものである。
ここで、吸込まれた気流の一部がケーシング6に設けられた排気孔A7から直接外部に排出されるので、エアガイド5に形成されたボリュート室16を経由してエアガイド5の裏面へ導かれる際に生じる気流の「曲がり損失」が低減され、また同時に電動機2内を通過する気流も減少するのでその際に生じる「風損」も低減される。
従って「曲がり損失」と「風損」の流体的損失が低減できるので全体の送風効率が向上するものである。
しかし、インペラ4から排出された気流がエアガイド5の案内翼15に衝突する際に生じるNZ音と呼ばれる高周波音が直接ケーシング6の排気孔Aから出る為に不快な耳障りな騒音が発生していた。特に吸い込まれる気流の風量が低下したときに高周波音のレベルは図7に示すように著しくアップしていた。
ここで、気流の風量が低下すると電動送風機1の吸い込み側の真空圧が高くなるため電動送風機1自体が吸い込み側に引っ張られ弾性体18を圧縮させながら移動する。この際に防音壁17がケーシング6に設けた排気孔A7を塞ぐようになるため、排気孔Aか7ら出ていた耳障りな高周波音が外部に出難くなり騒音の低減が図れるものである。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態における電動送風機について、図2、3を用いて説明する。なお上記実施の形態1と同一部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
防音壁17はバネ19やアクチュエーター20を介してケーシング6に設けられている。
上記構成による作用は以下の通りである。
防音壁17を支持しているのがバネ19やアクチュエーター20であり、ゴムなどの弾性体の経時変化(へたり)がなく、ケーシング6に設けた排気孔A7を精度良く塞いで低風領域での高周波音の低減が図れる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態における電動送風機について、図4を用いて説明する。なお上記実施の形態1、2と同一部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
電動送風機1に圧力センサー21を設け、圧力センサー21の信号によりアクチュエーター20を制御し、電動送風機1の最大吸い込み仕事率時点の風量以下で前記アクチュエーター20を動作させるものである。
上記構成による作用は以下の通りである。
最大吸い込み仕事率時点の風量以下でケーシング6の排気孔A7を塞ぐようにするため吸い込み性能を低下させずに高周波音の低減が図れる。
また、真空圧、温度、電流は風量とリニアな関係にあるので圧力センサー21の代わりに温度センサー、電流センサー等を用いても同様な効果が得られることは言うまでも無い。
また前記センサーも掃除機本体内に設けても同様な効果が得られる。
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態における電動送風機について、図5を用いて説明する。なお上記実施の形態1〜3と同一部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
防音壁17のケーシング6と対向する側に防音材を設ける。
上記構成による作用は以下の通りである。
ケーシング6の排気孔A7から出た高周波音を効率よく吸音するのでより騒音低減が図れるものである。
また防音壁17を多孔質材で形成すれば更に騒音低減が図れることは言うまでも無い。
以上のように、本発明に係る電動送風機は、ケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれて騒音の低減が図れるので、この電動送風機を用いる電気掃除機その他電気機器の用途にも、幅広く適用できる。
本発明の第1の実施の形態を示す電動送風機の半断面図 本発明の第2の実施の形態を示す電動送風機の半断面図 本発明の第2の実施の形態を示す電動送風機の半断面図 本発明の第3の実施の形態を示す電動送風機の半断面図 本発明の第4の実施の形態を示す電動送風機の半断面図 従来の電動送風機の半断面図 従来の電動送風機の風量と騒音(高周波音)の関係を表す図
符号の説明
1 電動送風機
2 電動機
3 回転軸
4 インペラ
5 エアガイド
6 ケーシング
7 排気孔A
9 排気孔B
10 整流子
11 ローター
12 ステーター
13 ブラシ保持器
15 案内翼
16 ボリュート室
17 防音壁
18 弾性体
19 バネ
20 アクチュエーター
21 圧力センサー

Claims (4)

  1. ブラケット内に軸受けを固定した回転軸を備えたローターと、前記ローターと対向して配されたステーターとを内蔵し、前記回転軸に気流を発生させるインペラを取付け固定し、前記インペラの周囲に複数の案内翼を形成したエアガイドを配し、前記インペラとエアガイドをケーシングで覆った電動送風機において、前記ケーシングの外周に前記インペラで吸込まれた気流の一部を排出する排気孔を設けると共に、前記排気孔と対向して、略円筒状の防音壁を弾性体を介して前記ケーシングに設け、集塵室内の圧力が上昇すると電動送風機が前記弾性体を圧縮する方向に移動して、前記ケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれる構成とした電動送風機。
  2. 弾性体を、バネまたはアクチュエーターとした請求項1記載の電動送風機。
  3. 弾性体としてのアクチュエーターと、圧力を検知する圧力センサーと、前記圧力センサーが検知する圧力により前記アクチュエーターを制御する制御部とを備え、所定の圧力になるとアクチュエーターを動作させて、ケーシングに設けた排気孔が防音壁により塞がれる構成とした請求項1記載の電動送風機。
  4. 塵埃を捕集する集塵室と、前記集塵室に連通するように接続される吸気部と、請求項1〜3のいずれか1項記載の電動送風機を内蔵した電気掃除機。
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