JP2008050653A - 成膜装置、および成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜においてステップカバレージを向上させる。
【解決手段】アーク放電によりターゲットの正イオンを含むプラズマビームを生成し、そのプラズマビームを基板上に照射して薄膜を成膜する成膜方法において、プラズマビームに向けて不活性ガスを導入し、この導入した不活性ガスによりプラズマビームを散乱させ、散乱させたプラズマビームを基板上に照射する。プラズマビームを散乱させることで、プラズマビーム中に含まれる正イオンの進行方向を、基板面に対して一方向(垂直方向)に限らず種々の方向として、基板面に対するイオンの入射角を分散させ、これによって、側壁への膜付着の確率を高め、ステップカバレージを向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、陰極アーク放電を用いて基板上に薄膜を成膜する成膜装置および成膜方法に関し、特に、カーボン膜の成膜に関する。
陰極アーク放電を用いて基板上に薄膜を成膜することが知られており、例えば、磁気記録装置の磁気ディスクや磁気ヘッドでは、陰極アーク放電を用いてカーボンイオンを生成し、このカーボンイオンを用いてカーボン膜を成膜することが行われている。
陰極アーク放電を利用して成膜を行う成膜装置では、陰極に設けられたターゲット材料に対してアーク放電を発生させる。ターゲット材料のアーク放電が生じた部分では、ターゲット材料のイオンを含むプラズマが生成され、そのプラズマ中のターゲットイオンを基板に堆積することによって所望の薄膜が成膜される。例えば、ハードディスク装置の磁気ヘッドにカーボン膜の保護膜を形成する場合には、グラファイトのターゲット材料が用いられる。このカーボン膜は硬質で摩擦係数が小さいという特性を有しており、磁気ヘッドの保護膜として優れている。
図5は、従来の陰極アーク放電を用いた成膜装置の一構成例であり、FCVA(Filtered Cathodic Vacuum Arc)の構成例を示している。
図5において、FCVAは、陰極アーク放電によってターゲットイオンを生成するアークプラズマ生成部3と、生成したターゲットイオンを導入して基板20上に成膜を行う成膜チャンバ2を備え、このアークプラズマ生成部3と成膜チャンバ2との間には、成膜の際の汚染源となる微小粒子を除去するフィルタ部4が設けられている。
アークプラズマ生成部3は、アーク電源11で負電圧が印加されたターゲット3aにストライカ3bによってトリガを加えてアーク放電を発生させることによってアークプラズマ3cを生成する。フィルタ部4は、例えば、屈曲したトロイダル状のダクト4aとその周囲に設けられたコイル4bによって構成され、生成されたプラズマ内に含まれる微粒子をダクト4bの壁面に衝突させることによって除去する。
ビームスキャン部5は、フィルタ部4から放出されたプラズマビームを広角度に振り、成膜チャンバ2内の基板ステージ21に載置した基板20に照射する。基板ステージ21には基板バイアス電源13によってバイアス電圧が印加されている。
上記した陰極アーク放電を用いる成膜装置は、例えば、特許文献1に記載されている。なお、この特許文献1では、従来の陰極アーク放電を用いる成膜装置で形成した薄膜の内部応力を低減するために、基板ステージを傾斜させる構成、あるいは基板ステージを回転させることによって、基板の法線方向をプラズマビームのビーム方向に対して傾ける構成が示されている。
特開2002−212713号公報
基板上に成膜する薄膜の成膜特性として、成膜の被覆性を表すステップカバレージがある。このステップカバレージは、上面部の膜厚aに対する側壁部の膜厚bの比率(b/a)で表すことができる。
図6は、ステップカバレージを説明するための図である。図6において、FCVAの成膜では、基板20の面に入射するCのイオン30は基板に対して垂直成分が多いため、側壁部への膜付着部41bが上面の膜付着部41aよりも少ないという問題がある。前記した基板を回転させる構成であっても、その(b/a)比は、最大でも例えば0.45程度であり、ステップカバレージが低いという問題がある。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、成膜においてステップカバレージを向上させることを目的とする。
本発明は、基板表面の近傍において、基板に対して垂直に入射しようとするイオンに対して不活性ガスを導入し、不活性ガスと衝突させることによってイオンを散乱させ、この散乱によって、基板面に対するイオンの入射角を分散させ、側壁への膜付着の確率を高め、ステップカバレージを向上させる。
本発明は、成膜装置と成膜方向の各態様とすることができる。
本発明の成膜装置の態様は、アーク放電によりターゲットの正イオンを含むプラズマビームを生成し、そのプラズマビームを基板上に照射して薄膜を成膜する成膜装置において、プラズマビームに向けて不活性ガスを導入する不活性ガス導入部を備える。
より詳細には、成膜装置の態様は、アーク放電によりターゲットの正イオンを含むプラズマビームを生成するアークプラズマ生成部と、基板を装填する成膜チャンバと、このプラズマビームを成膜チャンバに導入するプラズマビーム導入部とを有し、成膜チャンバ内には、導入されるプラズマビームのビーム方向位置に設けられる基板ステージと、プラズマビームに向けて不活性ガスを導入する不活性ガス導入部とを備える。この構成において、導入した不活性ガスによって正イオンを含むプラズマビームを散乱させ、この散乱した正イオンを基板に照射して薄膜を成膜する。
また、本発明が備える不活性ガス導入部の構成は、内周面に不活性ガスを導入する複数の導入口を備えるリング状管体とすることができる。また、不活性ガスは、プラズマビームの全周囲において、前記プラズマビームの外周から内周に向かう方向に照射する。
この構成によれば、リング状管体の内周面に設けた複数の導入口から、リング状管体の内周側にあるプラズマビームに向かって不活性ガスに導入するため、プラズマビームに含まれる正イオンを効率よく散乱させることができる。
また、リング状管体を基板ステージの支持面の近傍に配置する。この、リング状管体の配置によって、リング状管体から導入した不活性ガスは、基板表面の近傍にあるプラズマビーム中に含まれる正イオンを効率よく散乱させることができる。
また、本発明の成膜方法の態様は、アーク放電によりターゲットの正イオンを含むプラズマビームを生成し、そのプラズマビームを基板上に照射して薄膜を成膜する成膜方法において、プラズマビームに向けて不活性ガスを導入し、この導入した不活性ガスによりプラズマビームを散乱させ、散乱させたプラズマビームを基板上に照射する。
プラズマビームを散乱させることで、プラズマビーム中に含まれる正イオンの進行方向を、基板面に対して一方向(垂直方向)に限らず種々の方向として、基板面に対するイオンの入射角を分散させる。これによって、側壁への膜付着の確率を高め、ステップカバレージを向上させる。
本発明によれば、成膜においてステップカバレージを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のアーク放電を用いた成膜装置の一構成例であり、FCVA(Filtered Cathodic Vacuum Arc)の構成例を示している。
図1において、成膜装置1は、前記図5で示した構成と同様に、陰極アーク放電によってターゲットイオンを生成するアークプラズマ生成部3と、生成したターゲットイオンを導入して基板20上に成膜を行う成膜チャンバ2を備え、このアークプラズマ生成部3と成膜チャンバ2との間には、成膜の際の汚染源となる微小粒子を除去するフィルタ部4が設けられ、フィルタ部4から放出されたプラズマビームを広角度に振るビームスキャン部5を備える。
本発明の成膜装置1は、成膜チャンバ2内に、基板20を支持する基板ホルダ21とともに、不活性ガス導入部7を備える。この活性ガス導入部7には、成膜チャンバ2の外部に設けた不活性ガス源8が接続される。活性ガス導入部7は、不活性ガス源8から供給された不活性ガスをプラズマビーム30に向けて導入させ、プラズマビーム30内に含まれる正イオン(ここではCイオン)を散乱させる。散乱された正イオンは、基板バイアス電源13でバイアスされた基板ホルダ21上に載置した基板20に付着し成膜を行う。この活性ガス導入部7の詳細例については、図2を用いて後述する。
アークプラズマ生成部3は、アーク電源11で負電圧が印加されたターゲット3aにストライカ3bによってトリガを加えてアーク放電を発生させることによってアークプラズマ3cを生成する。フィルタ部4は、例えば、屈曲したトロイダル状のダクト4aとその周囲に設けられたコイル4bによって構成され、生成されたプラズマ内に含まれる微粒子をダクト4bの壁面に衝突させることによって除去する。
アークプラズマ生成部3は、ターゲット3aが装着される陰極部と、陰極部が固定される陽極側のチャンバと、アーク放電のきっかけを作るためのトリガとなるストライカ3bを備えている。陰極部はアーク電源(定電流源)11の負端子に接続され、ストライカ3bおよびアーク電源11の正端子に接続されている陽極側のチャンバはそれぞれ接地されていてアース電位となっている。
ストライカ3bは、例えば、ステップモータ等の駆動部により回転軸の周りで回転駆動され、先端がターゲット3aと接触することでアーク放電が発生し、アークプラズマが生成される。なお、ストライカ3b4の角度は図示しない角度センサで検出することができる。
アークプラズマ生成部3において、陰極部と陽極側のチャンバとは、絶縁部材によって電気的に絶縁されている。なお、陽極側のチャンバの外周には、磁気コイル(図示していない)が設けられ、電源(図示していない)から励磁電流の供給を受けて、陽極側のチャンバ内にアキシャル磁場を形成し、生成したアークプラズマをフィルタ部4に向けて送り出す。なお、陰極部には例えば水冷ジャケットのような冷却手段(図示していない)を設けることができる。
フィルタ部4は、アークプラズマ中に含まれる微粒子を除去する。このフィルタ部4は、屈曲したトロイダルダクト4aとその周囲に設けられたコイル4bとを有している。コイル4bには電源(図示していない)から励磁電流が供給される。フィルタ部4と、アークプラズマ生成部3の陽極側チャンバとは絶縁材を介して互いに固定されて、電気的に絶縁されている。トロイダルダクト4aにはダクトバイアス電源12により正のバイアス電圧が印加されている。
成膜チャンバ2内には基板ステージ21設けられ、この基板ステージ21には成膜対象物である基板20が装着される。成膜チャンバ2とフィルタ部4とは絶縁部材を介してつながれ、互いに電気的に絶縁されている。成膜チャンバ2のビーム導入ダクトの周囲にはビームスキャン部5が設けられる。ビームスキャン部5は、フィルタ部4から出射されたプラズマビームをビームに直交する方向に偏向走査する。
ビームスキャン部5は、フィルタ部4から放出されたプラズマビームを偏向走査することによって広角度に振り、成膜チャンバ2内の基板ステージ21に載置した基板20にプラズマビームを照射して、基板の広い領域に均一にプラズマビームを照射する。基板ステージ21には基板バイアス電源13によってバイアス電圧が印加されている。
ビームスキャン部5は、例えば、一対のC字形状磁気コア(図示していない)から成る。一方の磁気コアの磁極はビーム導入ダクを挟んで紙面の上下方向に配設され、他方の磁気コアの磁極はビーム導入ダクを挟んで紙面に直交する方向に配設される。これにより、プラズマビームは図において、下方向および紙面に直交する方向に偏向走査され、基板20に対して広角度で入射する。
ビームスキャン部5の磁気コアにはコイルが巻き付けられており、そのコイルには電源(図示してない)から励磁電流が供給される。
ダクト4aはトロイダル形状とし、3つの直管部と、それらを繋ぐ2つの屈曲部とによって構成することができ、両端の直管部の軸方向は互いに90度の角度を成しており、一方の直管部はz軸に沿って配設され、他方の直管部はx軸に沿って配設される。
また、成膜チャンバ2には、チャンバ内を排気する排気系6が設けられる。排気系6は、例えば、ターボ分子ポンプ6a、およびロータリポンプのポンプ系と、排気動作を制御するバルブ6c〜6eを備える。なお、バルブ6c〜6eは開閉バルブであり、バルブ6fは排気量を調整する調整バルブ6fである。
活性ガス導入部7は、例えば、リング状の形状であって、内周面に不活性ガスを導入する複数の導入口を備えるリング状管体により構成される。図2は、不活性ガス導入部7の一構成例を説明するための概略斜視図である。図2において、リング状管体7aは、外形がリング状の中空管であり、その内周側には複数の開口部が内側に向かって形成され導入口7を構成している。中空管には、外部に設けた不活性ガス源8から不活性ガスが供給され、この導入口7を通して成膜チャンバ2内に導入される。不活性ガスとしては、例えば、Arガスとすることができる。
リング状管体7aが囲む内側の空間部分には、ビームスキャン部5で振られたプラズマビーム30が通過する。プラズマビーム30が、リング状管体7aが囲む内側空間部分を通過するとき、このプラズマビーム30は、導入口7から噴出される不活性ガス7cと交差することになる。このプラズマビーム30と不活性ガス7cとの交差により、プラズマビーム30内に含まれる正イオン(ここでは、Cイオン)は不活性ガスの原子と衝突して散乱する。散乱した正イオンは、負電圧にバイアスされた基板20に付着し、膜生成が行われる。
図3は、散乱した正イオンの基板への付着状態を接続するための模式図である。ここでは、プラズマビーム30は、基板20の面に対して垂直方向に入射する状態を示している。このプラズマビーム30に対して不活性ガス7cを導入すると、プラズマビーム30内に含まれる正イオンは不活性ガスの原子と衝突して散乱する。この散乱によって、正イオンの中にはプラズマビーム30の入射方向と異なる方向の速度成分を持つものが現れる。これによって、基板20の側壁部に対して垂直方向の速度成分を持つ正イオンの割合が、不活性ガスを導入しないときと比較して増え、側壁部への膜付着の確率が増加する。これによって、ステップカバレージを表す、膜付着部40aの膜厚aに対する膜付着部40bの膜厚bの(b/a)比が増加する。
以下に、成膜の際の動作について説明する。アーク放電を生じさせる際には、ストライカ3bを退避位置から回転駆動してターゲット3a側に倒す。陰極部と陽極側のチャンバとの電位差はアーク電源11により数10〜数100ボルトに設定されており、ストライカ3bの先端に設けられたトリガチップがターゲット3aの表面に接触することでアーク放電が発生する。
アーク放電の発生によりプラズマが生成される。このプラズマにはターゲッ3aから生じた正イオンが含まれている。例えば、カーボン膜を成膜する場合にはターゲット3aとしてグラファイトが用いられ、アーク放電によりカーボンイオン(C)を含むプラズマが生成される。このとき、グラファイトのターゲット3aからはカーボンイオンの他に多数のカーボン原子から成るクラスターの微粒子が放出される。
アーク放電の発生時には、ストライカ3bを引き上げる。このストライカ3bの制御は、図示しない制御装置によって行うことができる。制御装置は、アーク電源11の状態を常時モニタし、アーク放電の発生を検出すると、ターゲット3aの表面からストライカ3bを引き上げる。このとき、アーク放電発生時のストライカ3bの角度位置を角度センサにより検出し、検出した角度位置を制御装置に記憶しておき、アーク放電発生後、時間経過とともに減衰する放電状態を、再びストライカ3bを記憶された位置まで移動させて、安定したアーク放電が維持されるように制御する。
アークプラズマ生成部3の陽極側のチャンバ内にはコイル(図示していない)によりアキシャル磁場が形成されている。アーク放電により生成されたカーボンイオン等の正イオンを含むプラズマビームは、アキシャル磁場により集束されるとともにフィルタ部4のトロイダル状のダクト4aに導かれる。
ダクト4aにはダクトバイアス電源12により正のバイアス電圧が印加されているため、ダクト4a内にはラジアル電場が形成されている。さらに、ダクト4aの外周に設けられたコイル4bによりダルダク4aの軸に沿ってアキシャル磁場が形成されている。そのため、正イオンを含むプラズマビームは、これらの電場および磁場によりダクト4a内を成膜チャンバ2に導かれる。
なお、トロイダル状のダクト4aは屈曲した構成としているため、アークプラズマ生成部3で生成された中性の微粒子はダクト4aのz軸方向に入射した後にダクトの内壁に衝突する。このとき、運動エネルギーの小さな微粒子はダクトの内壁に付着し、運動エネルギーの大きな微粒子は壁面で反射される。屈曲しているダクト4aにおいて、反射された微粒子は再びダクト4aの内壁に衝突し、一回の反射で成膜チャンバ2側に出射されることはない。
ダクト4aの壁面に衝突した際に、微粒子は運動エネルギーの一部が奪われるので、一回目の衝突で反射された微粒子は二回目の衝突の際にほとんどダクト内壁に付着してしまう。その結果、フィルタ部4は、成膜の際に汚染源となる微粒子をほぼ除去することができる。
フィルタ部4から放出されたプラズマビームは、上述したビームスキャン部5によって広角度に振られて成膜チャンバ2内に導入され、基板ステージ21に載置された基板20を成膜する。この際、上述した不活性ガス導入部7から導入された不活性ガスによってプラズマビーム30内に含まれる正イオンが散乱され、基板面に生成される膜のステップカバレージが向上する。
図4は、本発明の成膜装置の別の構成例であり、不活性ガス導入部の別の構成例を示している。図1で示した構成では、成膜チャンバ2内において、フィルタ部4から放出されるプラズマビームの進行方向に対して垂直な状態に基板20を支持するとともに、リング状管体で形成される不活性ガス導入部7からプラズマビーム対して不活性ガスを導入する構成である。これに対して、図4に示す構成では、成膜チャンバ2内において、フィルタ部4から放出されるプラズマビームの進行方向に対して斜めの状態に基板20を支持するとともに、プラズマビームが基板20に入射する付近に向かって不活性ガス導入部7から不活性ガスを導入する構成である。
不活性ガス導入部7は、前記したリング状管体とする他、このリング状管体に限らず、単に不活性ガスをプラズマビームが基板20に入射する付近に向かって不活性ガスを導入する管体としてもよい。
この構成では、基板20の法線方向をプラズマビームの方向に対して傾けて配設するとともに、基板20を回転させてもよい。
なお、傾斜角度は例えば、10°〜80°とすることができ、また、回転速度は1(rpm)以上で40100(rpm)以下とすることができる。
上述した実施の形態では、ターゲット11にグラファイト用いてta−C膜を成膜した場合を例に説明したが、本発明の成膜装置はta−C膜に限らず種々の膜の成膜に用いることができ、同様に内部応力を低減することができる。なお、本実施の形態の成膜装置では、アークプラズマ発生部3と成膜チャンバ2との間にフィルタ部4を設けた構成としているが、本発明はフィルタ部4を備えていない成膜装置にも適用することができる。
本発明の成膜方法は、カーボン膜の成膜に限らず他のターゲットによる成膜にも適用することができる。
本発明のアーク放電を用いた成膜装置の一構成例を説明するための図である。 不活性ガス導入部7の一構成例を説明するための概略斜視図である。 散乱した正イオンの基板への付着状態を接続するための模式図である。 本発明の成膜装置の別の構成例を説明するための図である。 従来の陰極アーク放電を用いた成膜装置の一構成例を説明するための図である。 ステップカバレージを説明するための図である。
符号の説明
1…成膜装置、2…成膜チャンバ、3…アークプラズマ生成部、3a…ターゲット、3b…ストライカ、3c…アークプラズマ、4…フィルタ部、4a…ダクト、4b…コイル、5…ビームスキャン部、6…排気部、6a…ターボ分子ポンプ、6b…ロータリポンプ、6c〜6e…開閉バルブ、6f…調整バルブ、7…不活性ガス導入部、7a…リング状管体、7b…導入口、7c…不活性ガス、8…不活性ガス源、11…アーク電源、12…ダクトバイアス電源、13…基板バイアス電源、20…基板、21…基板ホルダ、30…プラズマビーム、31…散乱イオン、40a,40b、41a,41b…膜付着部。

Claims (6)

  1. アーク放電によりターゲットの正イオンを含むプラズマビームを生成し、そのプラズマビームを基板上に照射して薄膜を成膜する成膜装置において、
    前記プラズマビームに向けて不活性ガスを導入する不活性ガス導入部を備えることを特徴とする成膜装置。
  2. アーク放電によりターゲットの正イオンを含むプラズマビームを生成するアークプラズマ生成部と、
    基板を装填する成膜チャンバと、
    前記プラズマビームを成膜チャンバに導入するプラズマビーム導入部と、
    前記成膜チャンバ内に、前記導入されるプラズマビームのビーム方向位置に設けられる基板ステージと、前記プラズマビームに向けて不活性ガスを導入する不活性ガス導入部とを備え、
    前記不活性ガスによって散乱させたプラズマビームを基板に照射して薄膜を成膜することを特徴とする成膜装置。
  3. 前記不活性ガス導入部は、内周面に不活性ガスを導入する複数の導入口を備えるリング状管体であることを特徴とする、請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記リング状管体を、前記基板ステージの支持面の近傍に配置することを特徴とする、請求項3に記載の成膜装置。
  5. アーク放電によりターゲットの正イオンを含むプラズマビームを生成し、そのプラズマビームを基板上に照射して薄膜を成膜する成膜方法において、
    前記プラズマビームに向けて不活性ガスを導入し、当該不活性ガスにより前記プラズマビームを散乱させ、散乱させたプラズマビームを基板上に照射することを特徴とする成膜方法。
  6. 前記不活性ガスは、前記プラズマビームの全周囲において、前記プラズマビームの外周から内周に向かう方向に照射することを特徴とする、請求項5に記載の成膜方法。
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