JP2008050577A - 再乳化性樹脂粉末、水性エマルジョン、およびそれらを用いた建築仕上げ塗り材 - Google Patents

再乳化性樹脂粉末、水性エマルジョン、およびそれらを用いた建築仕上げ塗り材 Download PDF

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Abstract

【課題】外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性の物性を有し、加えて塗膜の耐洗浄性や耐久性を形成し、かつ、特に塗膜表面乾燥の速い夏場においても皮張りを防止し、塗工後のコテ等による塗面への模様付けを可能にするコテ作業性の良い水性エマルジョンを得るための再乳化性樹脂粉末を提供することを目的とする。
【解決手段】疎水性モノマーを全モノマー成分に対して30重量%以上含有するエチレン性不飽和モノマー成分を重合して得られる水性合成樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂で分散安定化された水性合成樹脂エマルジョンからなる再乳化性樹脂粉末、シリカおよび架橋剤を含むことを特徴とする再乳化性樹脂粉末組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性合成樹脂エマルジョンを乾燥してなる再乳化性樹脂粉末に関し、さらに詳しくは、特に外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として、塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・早期乾燥性、塗膜硬度の乾燥初期発現性に優れ、加えて、コテ作業性が良く、かつ皮張り防止効果の高い水性エマルジョンを得るための再乳化性樹脂粉末組成物に関する。加えて、セメント・石膏などの水硬性材料用混和剤用、木部あるいは木質用、紙用などの接着剤などの各種用途に用いることができる。
再乳化性樹脂粉末は、水性合成樹脂エマルジョンを噴霧乾燥などの方法により乾燥することにより製造されるものであり、粉末であることから、缶やドラム包装が主たる水性合成樹脂エマルジョンに比べて取り扱いが容易で、通常では、紙袋包装であるので製品保管、輸送コストの面でも有利である。さらに、再乳化性樹脂粉末は一般の水性合成樹脂エマルジョンと比べて残存モノマーなどの揮発成分が少なく、かつ水を含まないため腐敗することがないので、防カビ・防腐剤を必要としないなど環境にやさしい製品として認められてきている。
また、この再乳化性樹脂粉末は、使用時に水に添加し攪拌するだけで水中に再乳化させることができるため、これまで主にコンクリート構造物・モルタルなどのセメント製品や石膏パテへの混入剤、さらに建築仕上げ塗り材・粉末塗料用、接着剤用等として広く利用されている。特に、再乳化性樹脂粉末は、建築仕上げ塗り材・粉末塗料組成物およびモルタル・石膏パテ等の無機水硬性組成物に予め混合させることができるので、現場で水を添加するだけでモルタルなどのセメント製品や石膏製品、建築仕上げ塗り材・粉末塗料を形成させることができる。
しかしながら、これまで、建築仕上げ塗り材・粉末塗料組成物およびモルタルや石膏等の無機水硬性組成物に配合される再乳化性樹脂粉末は、再乳化性を強調するためにポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂を保護コロイド(分散安定化剤)とした酢酸ビニル系重合体、エチレン/酢酸ビニル系重合体、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル系重合体、酢酸ビニル/アクリル系重合体などの親水性の高い組成からなる重合体の再乳化性樹脂粉末が多く、皮膜の耐水性がほとんどないことから、特に塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性などが求められる外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用再乳化性樹脂粉末としては物性面で不充分であった。塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性など)の必要性は、例えば、夏場などにおいて塗工した場合、天候が急変して雨が降ってきたとしても、塗工間もない塗面が影響を受けない程度に塗面が仕上がっていることが求められる。また、塗膜硬度の乾燥初期発現性は塗工後、次の作業工程に入る場合などにおいて、塗膜表面に触れたとしても塗面が影響を受けない程度に仕上がっていることが求められる。それゆえに、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性の良い建築仕上げ塗り材・粉末塗料用再乳化性樹脂粉末が望まれていた。さらに加えて、冬場の作業においては、塗膜の乾燥が遅く、次の工程に影響を及ぼすことが多く、早期乾燥性の良好な建築仕上げ塗り材・粉末塗料用再乳化性樹脂粉末が望まれていた。
しかし一方では、特に外装用建築仕上げ塗り材は、塗工後にコテ等で塗面に立体感のある模様付けをして意匠性を付与することが多いが、特に夏場においては塗工時の塗膜厚が1.5〜2mm位あっても塗膜の乾燥が進み、塗工30分位でコテなどによる塗面への模様付けができなくなってしまうという問題があった。模様付け方法としては、一定面積を塗工後に一括してコテ等で模様付けするのが作業効率の点からも一般的であるが、前記問題を防止するために、小面積毎に模様付けを行なって意匠性付与を行なう方法も提案されている。しかし、該方法では、作業効率が悪く、場合によっては、模様のバランスが崩れる事も予想される。したがって、市場からは、塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・早期乾燥性、塗膜硬度の乾燥初期発現性を保持し、一方では、塗面の乾燥を遅らせて塗工後のコテ等による塗面への模様付けを可能とするコテ作業性が良く、かつ、皮張り防止効果が高い、つまり、これらの相反する物性のバランスがよい、特に外装用建築仕上げ塗り材用の再乳化性樹脂粉末が望まれていた。
一般的に、水に再乳化することができる再乳化性樹脂粉末として知られているものの多くは、再乳化させる必要性から、主に重合度が低く、部分ケン化ポリビニルアルコールを保護コロイド(分散安定化剤)として使用し、主成分としては酢酸ビニルを主体とするビニルエステル系のモノマーを使用して乳化重合して得られるものである(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
また、耐水性を目的とした再乳化性樹脂粉末としては、上記の特許文献2のように、再乳化性合成樹脂エマルジョン粉末とカルシウムまたはマグネシウムの酸化物または水酸化物を含有したエマルジョン粉末組成物や、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体の少なくとも1種から構成される重合体粒子の表面に、アセト酢酸基および/またはメルカプト基を有し、かつブロックキャラクターが0.3〜0.6のポリビニルアルコール系樹脂が吸着した再乳化性合成樹脂粉末(例えば、特許文献3参照)、さらには、かかるブロックキャラクターに、さらに特定粒径に分別されたアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコールの各々の平均アセト酢酸エステル化度の最大値を最小値で割った値が1.0〜3.0の水性エマルジョンからなる再乳化性合成樹脂粉末(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
しかしながら、特許文献1の開示技術では、皮膜の耐水性を目的としたものではなく、また、皮膜の耐水性を高めるために主にアクリル系、スチレン系、ビニル系などから選ばれた疎水性モノマーを用いて通常の不揮発分(40〜50%)を有する水性合成樹脂エマルジョンを製造しようとしても重合安定性が悪いものであった。
また、特許文献2〜4の開示技術では、いずれも皮膜の耐水性の向上は見られるものの、特に、外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性のさらなる物性向上、加えて塗膜の耐洗浄性や耐久性の向上などが要求されており、まだまだ満足のいくものではなく、さらなる改良が必要であった。
さらに、場合により、特に外装用建築仕上げ塗り材においては、塗膜硬度の乾燥初期発現性、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)を発現させるために不揮発分を高める工夫をすることもあるが、塗工後のコテ等による模様付けを可能にする時間を短縮することになる。また、模様付けを可能にする時間を長くするためには、ヒドロキシメチルセルロース等の保水剤の使用が考えられるが、これでは返って塗膜硬度の乾燥初期発現性、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)が著しく低下してしまう。
したがって、特に塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・早期乾燥性、塗膜硬度の乾燥初期発現性と塗工後のコテ等による塗面への模様付け性とのバランスがよい水性エマルジョンを得るための再乳化性樹脂粉末に関する製品が市場にないのが実状である。
特開平5−140325号公報 特開平5−179008号公報 特開2002−60406号公報 特開2005−272481号公報
そこで、本発明ではこのような背景下において、外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性の物性を有し、加えて塗膜の耐洗浄性や耐久性を形成し、かつ、特に外装用建築仕上げ塗り材においては塗膜表面乾燥の速い夏場においても皮張りを防止し、塗工後のコテ等による塗面への模様付けを可能とすることができるコテ作業性の良い水性エマルジョンを得るための再乳化性樹脂粉末組成物を提供することを目的とする。
しかるに、本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定のポリビニルアルコール系樹脂を保護コロイドとした水性合成樹脂エマルジョンからなる再乳化性樹脂粉末であり、さらに架橋剤とシリカを含むことを特徴とする再乳化性樹脂粉末組成物が、特に、外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性、加えて塗膜の耐洗浄性や耐久性を向上させ、特に外装用建築仕上げ塗り材においては塗膜表面乾燥の速い夏場においても皮張りを防止し、塗工後のコテ等による塗面への模様付けを可能とすることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、疎水性モノマーを全モノマー成分に対して30重量%以上含有するエチレン性不飽和モノマー成分を重合して得られる水性合成樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂(a)で分散安定化された水性合成樹脂エマルジョン(A)からなる再乳化性樹脂粉末(I)、シリカ(II)、および、架橋剤(III)を含むことを特徴とする再乳化性樹脂粉末組成物に関する。
エチレン性不飽和モノマー成分が、アリル基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、加水分解性シリル基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、ビニル基含有モノマーおよびカルボニル基含有モノマーからなる群より選択される1種以上の官能性モノマーを含むことが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂(a)が、活性水素を含有するポリビニルアルコール系樹脂(a1)であること、および/または側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(a2)であることが好ましく、なかでも側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。
再乳化性樹脂粉末(I)が、水性合成樹脂エマルジョン(A)と再乳化性向上剤(B)を含むエマルジョンからなることが好ましい。
再乳化性向上剤(B)が、平均ケン化度85モル%以上、平均重合度が50〜3000であるポリビニルアルコール系樹脂(b)であることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂(b)が、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、カルボニル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、および側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
シリカ(II)が、BET比表面積50〜400m2/gのシリカであることが好ましい。
架橋剤(III)が、多価金属塩、3級または4級のカチオン性樹脂およびヒドラジド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明は、前記再乳化性樹脂粉末組成物を再乳化してなることを特徴とする水性エマルジョンに関する。
また、本発明は、前記再乳化性樹脂粉末組成物または前記水性エマルジョンを含有してなる建築仕上げ塗り材に関する。
さらに、非水硬性材料からなる建築仕上げ塗り材・粉末塗料用配合物に前記再乳化性合成樹脂粉末組成物または前記水性エマルジョンを含有してなることを特徴とする建築仕上げ塗り材に関する。
本発明の再乳化性合成樹脂粉末組成物は、特定のポリビニルアルコール系樹脂を保護コロイドとした水性合成樹脂エマルジョンからなる再乳化性樹脂粉末、架橋剤およびシリカを含むことによって、水に再乳化させて水性エマルジョンとし、特に、外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性、冬季の早期乾燥性、加えて特に外装用建築仕上げ塗り材においては塗膜表面乾燥の速い夏場においても皮張りを防止し、塗工後のコテ等による塗面への模様付けを可能にすることができるという優れた効果を有する。加えて、セメント・石膏などの水硬性材料用混和剤用、木部あるいは木質用、紙用などの接着剤用などの各種用途にも有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の再乳化性合成樹脂粉末組成物は、疎水性モノマーを全モノマー成分に対して30重量%以上含有するエチレン性不飽和モノマー成分を重合して得られる合成樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂(a)で分散安定化された水性合成樹脂エマルジョン(A)からなる再乳化性樹脂粉末(I)、シリカ(II)、および、架橋剤(III)を含むことを特徴とする再乳化性樹脂粉末組成物である。
ここで再乳化性樹脂粉末とは、例えば、水などの水系媒体に再乳化させるとエマルジョンを生成することができる粉末のことをいう。
本発明において、乳化重合の保護コロイド(分散安定化剤)としては、ポリビニルアルコール(以下、PVAという)系樹脂(a)を使用する。
PVA系樹脂(a)の平均ケン化度としては、85〜99.5モル%であることが好ましく、95〜99モル%であることがより好ましい。平均ケン化度が小さすぎると安定に重合が進行しにくくなることがあり、重合が完結したとしても水性エマルジョンの保存安定性が良好でなくなる傾向がある。また、大きすぎると、再分散し難くなる傾向がある。
なお、本明細書において、平均ケン化度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
また、PVA系樹脂(a)の平均重合度としては、50〜2000であることが好ましく、200〜1000であることがより好ましく、200〜500であることがさらに好ましい。平均重合度が小さすぎると乳化重合時の保護コロイド能力が不充分になり重合が安定に進行しない傾向があり、大きすぎると重合時に増粘して反応系が不安定になり再分散性が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
本発明においては、PVA系樹脂(a)が、活性水素を含有するPVA系樹脂(a1)であることが、共重合性モノマーの反応性が良好となり重合安定性に優れ、かつ不揮発分の高いエマルジョンが得られる点から好ましい。不揮発分の高いエマルジョンが得られると、エマルジョンの乾燥性が向上し、特に噴霧乾燥時における熱源エネルギーの省力化ができる点から好ましい。
かかる活性水素を含有するPVA系樹脂(a1)としては、アセトアセチル基変性PVA系樹脂、メルカプト基変性PVA系樹脂、ジアセトンアクリルアミド変性PVA系樹脂などをあげることができるが、これらの中でも、重合安定性を改善できる点、樹脂粉末の再乳化性を向上できる点、合成樹脂へのグラフト率が高くなることから皮膜の耐水性を向上できる点などの理由で、アセトアセチル基変性PVA系樹脂が最も好ましい。
かかるアセトアセチル基変性PVA系樹脂のアセトアセチル化度は、0.01〜10モル%であることが好ましく、0.01〜6モル%であることがより好ましく、0.03〜3モル%であることがさらに好ましく、0.03〜2モル%であることが特に好ましく、0.03〜1モル%であることが最も好ましい。アセトアセチル化度が小さすぎると重合安定性、皮膜の耐水性および機械安定性が低下する傾向があり、さらに、耐煮沸性やフィラー類などとの混和性が低下する傾向がある。大きすぎると乳化重合時の重合安定性が不良となる傾向がある。
さらに、PVA分子上に存在するアセトアセチル基は分子内の一定領域にブロック状に固まって配置しているものよりも、分子内において相対的にランダムに配置されているものの方が好ましい。
また、アセトアセチル基変性PVA系樹脂の平均ケン化度は、90モル%以上であることが好ましく、97〜99.8モル%であることがより好ましい。小さすぎると安定に重合が進行しにくくなり、重合が完結したとしても水性合成樹脂エマルジョンの保存安定性が良好でなくなる傾向がある。また、大きすぎると、重合安定性が悪くなり、重合途中でゲル化することがあり、重合が完結したとしても再乳化し難くなる傾向がある。
アセトアセチル基変性PVA系樹脂の平均重合度は、50〜2000であることが好ましく、200〜600であることがより好ましい。小さすぎると乳化重合時の保護コロイド能力が不充分になり重合が安定に進行しない傾向があり、大きすぎると、重合時に増粘して反応系が不安定になり、再乳化性が低下する傾向がある。
また、本発明においては、上記のPVA系樹脂(a)の中でも、特に、エマルジョンの不揮発分の増加、重合性の容易さなどの点からPVA系樹脂の側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂(a2)であることがより好ましい。
かかる側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂(a2)としては、通常、下記一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂があげられる。
Figure 2008050577
〔ここで、上記式(1)において、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素またはアルキル基である。〕
このようなPVA系樹脂(a2)は、例えば、(ア)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(イ)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(ウ)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(エ)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂(a2)の平均ケン化度は、85〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは90〜99.8モル%である。かかる平均ケン化度が小さすぎるとエマルジョンの重合時の安定性が低下して目的とする水性エマルジョンを得ることが困難になる傾向がある。
また、かかるPVA系樹脂(a2)の側鎖の1,2−ジオール結合量は、1〜15モル%であることが好ましく、より好ましくは1〜12モル%、さらに好ましくは2〜10モル%、さらに特に好ましくは2〜8モル%である。かかる1,2ジオール成分の含有量が少なすぎると、エマルジョンの機械安定性や皮膜の耐水性などが低下する傾向があり、多すぎると重合時の安定性が低下し、不揮発分の高い安定なエマルジョンが獲られにくくなる傾向がある。
側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂(a2)の平均重合度は、50〜2500が好ましく、より好ましくは100〜1700、さらに好ましくは100〜1000、特に好ましくは200〜500である。かかる平均重合度が小さすぎるとPVA系樹脂を工業的に製造することは困難となる傾向があり、大きすぎるとエマルジョンの粘度が高くなり過ぎたり、エマルジョンの重合安定性が低下する傾向がある。
本発明において、保護コロイド(分散安定化剤)として使用するPVA系樹脂(a)の使用量は、全共重合モノマー成分に対して、3〜20重量%であることが好ましく、4〜10重量%であることがより好ましい。少なすぎると乳化重合の際の保護コロイド量が不足することとなり、重合安定性が不良となる傾向があり、多すぎると再乳化性は良好となるものの粉末中に水溶性成分が多く存在することとなり、応用用途での耐水性が低下する傾向がある。
本発明において、PVA系樹脂(a)としては、前記PVA系樹脂を単独で、または2種以上を混合して用いることができるが、前記PVA系樹脂以外の非変性タイプの部分または完全ケン化PVAなどを、本発明の目的を阻害しない範囲において併用することができる。
また、本発明では、PVA系樹脂(a)は、通常、水系媒体を用いて水溶液としたものが乳化重合の過程において使用される。ここで水系媒体とは、水、または水を主体とするアルコール性溶媒をいい、好ましくは水のことをいう。
この水溶液におけるPVA系樹脂(a)の量(不揮発分換算)については特に限定されないが、取り扱いの容易性の観点からは、5〜30重量%であることが好ましい。
さらに、本発明においては、PVA系樹脂(a)の少なくとも一部が、下記に説明する水性合成樹脂にグラフトしていることが、得られる乾燥前の水性合成樹脂エマルジョン(A)自体の貯蔵安定性や接着性測定における評価のバラツキが少なくなるなどの点から好ましい。
PVA系樹脂(a)がグラフトした合成樹脂の割合は、合成樹脂全体の50重量%以上であることが好ましく、60〜95重量%であることがより好ましく、65〜85重量%であることがさらに好ましい。少なすぎると乳化重合時の保護コロイド作用が低下し、重合安定性が低下したり、加えてフィラー類との混和性が低下するなどの傾向がある。
グラフトした合成樹脂の割合を50重量%以上に調整する方法としては、乳化重合温度を従来よりもやや高くしたり、重合用触媒として使用する過硫酸塩に極微量の還元剤(例えば、酸性亜硫酸ソーダなど)を併用する等の方法があげられる。
本発明における水性合成樹脂エマルション(A)は、疎水性モノマーを全モノマー成分に対して30重量%以上含有するエチレン性不飽和モノマー成分を乳化重合して得られる合成樹脂を、前記PVA系樹脂(a)で分散安定化したエマルジョンである。
本発明においては、疎水性モノマーを用いることにより、所望の耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性、冬季の早期乾燥性や塗膜の強靭性、耐洗浄性、下地への接着性などが得られるものである。
ここで、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)とは、例えば、夏場などにおいて塗工した場合、天候が急変して雨が降ってきたとしても、塗工間もない塗面が影響を受けない程度に塗面が仕上がっていることを示すものであり、また、塗膜硬度の乾燥初期発現性とは、塗工後、次の作業工程に入る場合などにおいて、塗膜表面に触れたとしても塗面が影響を受けない程度に仕上がっていることを示すものである。
合成樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、建築仕上げ塗り材用、粉末塗料用としてモルタルやスレート板などの下地に対する接着力や塗膜の強靭性、耐洗浄性などの物性面から、−35〜20℃であることが好ましく、−25〜10℃であることがより好ましく、−20〜0℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度が低すぎると塗膜の下地に対する接着力や塗膜の強靭性、耐洗浄性が低下する傾向があり、高すぎるとジブチルフタレートなどの可塑剤を多く添加して、エマルションの造膜温度を低下させることが必要になり、この結果、塗膜の下地に対する接着力や強靭性、耐洗浄性が低下する傾向がある。
本発明で対象となる疎水性モノマーとしては、実質的に水に不溶なモノマーであり、通常、20℃の水に対する溶解度が0.3重量%以下であるモノマーが好ましく、より好ましくは0.2重量%以下であるモノマーである。これらモノマーは、通常、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマーから選ばれる。
アクリル系モノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が4以上、好ましくは6〜18のアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシアクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;メタクリル酸トリフルオロエチルなどがあげられ、これらを単独で、または2種以上を併用することができる。これらの中でも、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。
上記モノマーにおいて、20℃の水に対する溶解度を例示すると、例えば、下記の通りである。
n−ブチルアクリレート :0.2重量%
n−ブチルメタクリレート :0.04重量%
i−ブチルメタクリレート :0.04重量%
t−ブチルメタクリレート :0.05重量%
2−エチルヘキシルアクリレート :0.01重量%
2−エチルヘキシルメタクリレート :0.01重量%以下
シクロヘキシルメタクリレート :0.01重量%以下
ラウリルメタクリレート :0.01重量%以下
ステアリルメタクリレート :0.01重量%以下
メタクリル酸トリフルオロエチル :0.04重量%
なお、ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味するものである。
スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどがあげられ、これらを単独で、または2種以上を併用することができる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
ビニル系モノマーとしては、例えば、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル(20℃の水に対する溶解度:0.1重量%以下)などがあげられ、これらを単独で、または2種以上を併用することができる。
また、再乳化性樹脂粉末の物性などに応じて、前記疎水性モノマーを2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明においては、塗膜形成した場合の耐水性に優れたエマルジョンを製造することが目的であるため、疎水性モノマーの含有量は比較的高いことが必要であり、前記疎水性モノマーの使用量は、全共重合性モノマー成分に対して30重量%以上であり、40〜100重量%であることが好ましい。前記疎水性モノマーの使用量が少なくなるとと所望の耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性、冬季の早期乾燥性や塗膜の強靭性、耐洗浄性、下地への接着性が不充分となる。
本発明で用いられるエチレン性不飽和モノマー成分には、前記疎水性モノマーと共重合可能な共重合性モノマーを含有することができる。
共重合性モノマーとしては特に限定されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル系のモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル系モノマー;エチレンなどのオレフィン系モノマー;塩化ビニルなどのハロゲン化オレフィン系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアクリルアミド系モノマー、(メタ)アクリロニトリルなどニトリル系モノマー;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー、(メタ)アクリル酸、(無水)イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸およびこれらのエステル系モノマーなどをあげることができる。これらの中でも、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル系のモノマーが好ましい。
また、本発明においては、特に、外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として用いた場合に塗膜の強靭性、耐洗浄性、下地への接着性が得られる点から、乳化重合する際に官能性モノマーを共重合することが好ましい。
官能性モノマーとしては、アリル基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、加水分解性シリル基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、ビニル基含有モノマーおよびカルボニル基含有モノマーからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
アリル基含有モノマーとしては、例えば、トリアリルオキシエチレン、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルフタレート等のアリル基を2個以上有するモノマー、アリルグリシジルエーテル、酢酸アリル等があげられる。これらの中でも、下地への接着性の観点から、アリルグリシジルエーテルが好ましい。
グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等があげられる。これらの中でも、塗膜の耐水性、強靭性の向上の観点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
加水分解性シリル基含有モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等があげられる。これらの中でも、無機材料への接着性の観点から、ビニルトリメトキシシランが好ましい。
アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、アセト酢酸ビニルエステル、アセト酢酸アリルエステル、ジアセト酢酸アリルエステル、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピルクロトナート、2−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等があげられる。これらの中でも、建築仕上げ塗り材・粉末塗料の耐水性向上および下地への接着性の観点から、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
ビニル基含有モノマーとしては、分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマーであることが好ましく、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等があげられる。
カルボニル基含有モノマーとしては、例えば、ダイアセトンアクリルアミド等があげられる。ダイアセトンアクリルアミドは建築仕上げ塗り材・粉末塗料の耐水性、強靭性、耐洗浄性などの向上および下地への接着性の観点から好ましい。
これらの官能性モノマーは単独で、または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
本発明の好ましい態様によれば、外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として塗膜の強靭性、耐洗浄性、下地への接着性の点から、官能性モノマーとしては、加水分解性シリル基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマーおよびカルボニル基含有モノマーからなる群より選択されるモノマーが好ましく、カルボニル基含有モノマーがより好ましい。
官能性モノマーの使用量は、全モノマー成分に対して0.05〜10重量%であることが好ましく、0.5〜7重量%であることがより好ましく、1〜5重量%であることがさらに好ましい。少なすぎると塗膜の強靭性、耐洗浄性、下地への接着性などの改善が不充分になる傾向があり、多すぎると重合不良となったり、再乳化性が低下する傾向がある。
本発明においては、前記した疎水性モノマーなどの共重合性モノマー成分以外に、必要に応じて他の成分をさらに用いることができる。このような他の成分としては、再乳化性樹脂粉末としての性質を低下させることがない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。他の成分としては、例えば、重合開始剤、重合調整剤、補助乳化剤、可塑剤、造膜助剤等があげられる。
重合開始剤としては、通常の乳化重合に使用できるものであれば特に制限なく使用でき、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物;有機過酸化物、アゾ系開始剤、過酸化水素、ブチルパーオキサイド等の過酸化物;およびこれらと酸性亜硫酸ナトリウムやL−アスコルビン酸等の還元剤とを組み合わせたレドックス重合開始剤等があげられ、これらは2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性、冬季の早期乾燥性の物性に影響する架橋剤の効果に悪影響を与えず、乳化重合が容易な点で無機酸化物、特には過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムが好ましい。
重合調整剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。このような重合調整剤としては、例えば、連鎖移動剤、バッファーなどがあげられる。
ここで、連鎖移動剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;および、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ノルマルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、チオグリセロール等のメルカプタン類などがあげられる。これらは、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤を用いることにより重合を安定に行わせることができるが、合成樹脂の重合度を低下させ、その結果、得られる塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性および強靭性、耐洗浄性、耐接着性などを低下させる可能性があるため、連鎖移動剤を使用する場合には、その使用量をできる限り少なくすることが望ましい。
ここで、バッファーとしては、例えば、酢酸ソーダ、酢酸アンモニウム、第二リン酸ソーダなどがあげられる。これらは、2種以上を併用してもよい。
補助乳化剤としては、乳化重合に用いることができるものとして当業者に公知のものであれば、いずれのものでも使用可能である。したがって、補助乳化剤は、例えば、アニオン性、カチオン性、およびノニオン性の界面活性剤、ポリビニルアルコール以外の保護コロイド能を有する水溶性高分子、および水溶性オリゴマー等の公知のものの中から適宜選択することができる。
界面活性剤の好ましい具体例としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアニオン性界面活性剤、および、プルロニック型構造を有するものやポリオキシエチレン型構造を有するものなどのノニオン性界面活性剤があげられる。また、該界面活性剤として、構造中にラジカル重合性不飽和結合を有する反応性界面活性剤を使用することもできる。
乳化剤を使用することにより乳化重合をスムーズに進行させ、重合を容易にコントロールでき、かつ、重合中に発生する粗粒子やブロック状物の発生を抑制することができるが、これら界面活性剤を乳化剤として多く使用すると、乾燥時に粒子が凝着してしまい、再乳化性が低下する場合がある。したがって、乳化剤として界面活性剤を使用する場合には、その使用量はPVA系樹脂に対して補助的な量であること、すなわち、できる限り少なくすることが望ましい。
PVA系樹脂以外の保護コロイド能を有する水溶性高分子としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどがあげられる。これらは、得られる再乳化性樹脂粉末を再乳化させて使用する際に、粘性を変化させる点で効果がある。ただし、その使用量によっては再乳化性樹脂粉末の再乳化性を低下させることがあるため、使用する場合には、再乳化性樹脂粉末の再乳化性を低下させないような量で使用することが望ましい。
水溶性オリゴマーとしては、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキレングリコール基などの親水性基を有する重合度が10〜500程度の重合体または共重合体が好適にあげられる。
水溶性オリゴマーの具体例としては、例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体などのアミド系共重合体、メタクリル酸ナトリウム−4−スチレンスルホネート共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリ(メタ)アクリル酸塩などがあげられる。さらに、具体例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキレングリコール基などを有するモノマーやラジカル重合性の反応性乳化剤を予め単独または他のモノマーと共重合してなる水溶性オリゴマーなどもあげられる。本発明においては、これらの中でも、再乳化性を付与できる点、顔料および炭酸カルシウム等のフィラーとの混和安定性の点で、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、メタクリル酸ナトリウム−4−スチレンスルホネート共重合体が好ましい。水溶性オリゴマーは、乳化重合を開始する前に予め重合したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。これらは、2種以上を併用してもよい。
また、可塑剤としては、塗料用・接着剤用に汎用的に使用されるアジペート系可塑剤、フタル酸系可塑剤、燐酸系可塑剤などが使用できる。また、造膜助剤も使用できる。
これら他の成分の使用量は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明においては、前記エチレン性不飽和モノマー成分を乳化重合して得られた水性合成樹脂エマルジョン(A)に、必要に応じて各種添加剤をさらに加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、有機顔料、無機顔料、水溶性添加剤、顔料・フィラーなどの分散剤、増粘剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤などがあげられる。これらが粉体・粉末の場合には、水性合成樹脂エマルジョン(A)を噴霧乾燥して得た再乳化性樹脂粉末(I)に添加してもよい。
水溶性添加剤としては、樹脂粉末の用途に応じて、ヒドロキシエチルセルロース類、メチルセルロース類、澱粉誘導体類、ポリビニルピロリドン類、ポリエチレンオキサイド類、水溶性アルキド樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性ウレア樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性グアナミン樹脂、水溶性ナフタレンスルホン酸樹脂、水溶性アミノ樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリカルボン酸樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリオール樹脂、および、水溶性エポキシ樹脂などがあげられる。液状の水溶性添加剤であれば噴霧乾燥前の水性合成樹脂エマルジョン(A)に添加してから噴霧乾燥して再乳化性樹脂粉末(I)を得ることが好ましく、粉末状の水溶性添加剤であれば一度溶解してから噴霧乾燥前の水性合成樹脂エマルジョン(A)に添加しても良いし、噴霧乾燥後に直接樹脂粉末に添加しても良い。また、これらの2種以上を併用してもよい。
樹脂粉末の再乳化性をより向上させるために有効である未変性PVA、アセトアセチル基変性PVAおよびカルボニル基変性PVAの一種以上を配合した樹脂粉末、および/またはアセトアセチル基、カルボニル基含有モノマーを共重合してなる樹脂粉末においては再乳化してエマルジョン状態に戻した後、用途により、これらの架橋剤として用いられるイソシアネート系化合物、アジリジン系化合物、エポキシ基含有化合物、アミン系化合物、アルデヒド系化合物、メチロールメラミン系ポリマーなどと適宜組み合わせて使用することもできる。
また、本発明における再乳化性樹脂粉末(I)は、前記合成樹脂エマルジョン(A)と再乳化性向上剤(B)を含むエマルジョンからなることが、本発明の再乳化性樹脂粉末組成物を水に分散・乳化させる際に、水への再乳化性を向上させることができる点から好ましい。
再乳化性向上剤(B)としては、水溶性樹脂をあげることができ、水への再乳化性を向上させることができる点から、PVA系樹脂(b)が特に好ましい。
PVA系樹脂(b)としては、乳化重合過程において保護コロイドとして使用したPVA系樹脂(a)と同様のものを用いても、異なったものを用いてもよい。
重合中においては、重合度の高いPVA系樹脂はその重合安定性から使用し難いが、重合後の添加であればそのようなPVA系樹脂であっても特に問題なく使用することができる。ただし、水への溶解性が容易でないものは、再乳化性に悪影響を与える場合があるので、事前に水への溶解性を確認した上で使用することが望ましい。
PVA系樹脂(b)の平均ケン化度は、85モル%以上であることが好ましく、87モル%以上であることがより好ましい。また、平均ケン化度の上限値としては、特に限定されるものではないが、99.5モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましい。平均ケン化度が小さすぎると耐水性が著しく低下する傾向があり、大きすぎると耐水性が良くなるが、水への再乳化性を悪くする傾向がある。
また、PVA系樹脂(b)の平均重合度は、50〜3000であることが好ましく、200〜2000であることがより好ましく、300〜600であることがさらに好ましい。平均重合度が小さすぎると耐水性が低下する傾向があり、大きすぎると再乳化性が低下する傾向がある。
PVA系樹脂(b)としては、未変性PVA系樹脂、変性PVA系樹脂からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
変性PVA系樹脂としては、たとえば、カルボン酸変性PVA系樹脂、スルホン酸変性PVA系樹脂、アセトアセチル基変性PVA系樹脂、メルカプト基変性PVA系樹脂、カルボニル基変性PVA系樹脂、シラノール基変性PVA系樹脂、アミノ基変性PVA系樹脂、カチオン基変性PVA系樹脂、アミド基変性PVA系樹脂、および側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂をあげることができるが、これらの中でも、アセトアセチル基変性PVA系樹脂、カルボニル基変性PVA系樹脂が好ましい。また、アセトアセチル基変性PVA系樹脂、カルボニル基変性PVA系樹脂を用いる場合には、後述の架橋剤(III)としては、これらと反応可能なヒドラジド系化合物を含有することがより好ましい。
かかるアセトアセチル基変性PVA系樹脂としてはアセトアセチル化度が0.01〜10モル%(好ましくは0.03〜6モル%)、カルボニル基変性PVA系樹脂としてはカルボニル基変性化度が0.5〜10モル%(好ましくは1〜5モル%)であるものからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
再乳化性向上剤(B)として水溶性樹脂を使用する場合、通常、水溶性樹脂は、乳化重合後であって乾燥前の水性合成樹脂エマルジョン(A)に添加することが好ましいが、使用する水溶性樹脂の種類、添加量および用途に応じて噴霧乾燥して得た再乳化性樹脂粉末(I)に加えても良い。
再乳化性向上剤(B)の使用量は、乾燥前の水性合成樹脂エマルジョン(A)の固形分に対して、2〜30重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることがより好ましい。使用量が少なすぎると再乳化性向上が充分でない傾向があり、多すぎると再乳化性樹脂粉末の耐水性が充分でなくなる傾向がある。
次に、本発明の再乳化性樹脂粉末(I)の製造方法について説明する。
本発明による再乳化性樹脂粉末(I)は、PVA系樹脂(a)を保護コロイドとして用いて、疎水性モノマー、好ましくはさらに官能性モノマーを含むエチレン性不飽和モノマー成分を乳化重合して、水性合成樹脂エマルジョン(A)を得、これを乾燥、好ましくは噴霧乾燥した樹脂粉末であり、また、上記の再乳化性向上剤(B)、後述のシリカ(II)、架橋剤(III)を含有させて製造することもできる。
乳化重合の方法としては、特に制限はなく、例えば、反応缶に、水、PVA系樹脂(a1)、必要により他の保護コロイドを仕込み、昇温してエチレン性不飽和モノマーと重合開始剤を滴下するモノマー滴下式乳化重合法;および、滴下するモノマーを予め保護コロイドと水とで分散・乳化させた後、滴下する乳化モノマー滴下式乳化重合法などがあげられるが、重合工程の管理やコントロール性等の面でモノマー滴下式乳化重合法が便利である。
通常、乳化重合は、保護コロイドや乳化剤および前記共重合性モノマー成分以外に、重合開始剤、重合調整剤、補助乳化剤等のような前記した他の成分を必要に応じて用いて実施する。また、重合の反応条件は、特に制限はなく、共重合性モノマーの種類、目的等に応じて適宜選択することができる。
乳化重合過程をさらに具体的に説明にする。ただし、これに限定されるものではない。
先ず反応缶に水、保護コロイド、必要に応じて補助乳化剤を仕込み、これを昇温(例えば65〜90℃)した後、共重合性モノマー成分の一部と重合開始剤をこの反応缶に添加して、初期重合を実施する。次いで、残りの共重合性モノマー成分を、一括または滴下しながら反応缶に添加し、必要に応じてさらに重合開始剤を添加しながら重合を進行させる。重合反応が完了したと判断されたところで、反応缶を冷却し、目的とする水性合成樹脂エマルジョン(A)を取り出すことができる。
本発明において、乳化重合より得られる水性合成樹脂エマルジョン(A)は、典型的には、均一な乳白色であって、その平均粒子径は0.2〜2.0μmであることが好ましく、0.3〜1.5μmであることがより好ましい。
ここで、エマルジョンの平均粒子径は、慣用の方法、例えばレーザー解析/散乱式粒度分布測定装置「LA−910」((株)堀場製作所製)により測定することができる。
本発明においては、前記乳化重合により得られた水性合成樹脂エマルジョン(A)を乾燥することによって、再乳化性樹脂粉末(I)とすることができる。
乾燥方法は、特に制限はなく、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、凝析後の温風乾燥等があげられる。これらの中でも、生産コスト、省エネルギーの観点から噴霧乾燥することが好ましい。
噴霧乾燥の場合、その噴霧形式は、特に制限はなく、例えばディスク式、ノズル式などの形式により実施することができる。噴霧乾燥の熱源としては、例えば、熱風、加熱水蒸気などがあげられる。噴霧乾燥の条件としては、噴霧乾燥機の大きさ、種類、水性エマルジョンの固形分、粘度、流量等に応じて適宜選択することができる。噴霧乾燥の温度は、通常は、80〜150℃程度である。
噴霧乾燥処理をさらに具体例をあげて説明すると、まず合成樹脂エマルジョン中の固形分を調整し、これを噴霧乾燥機のノズルより連続的に供給し、霧状にしたものを温風により乾燥させて粉末化させる。場合により、調整した噴霧液を噴霧に際して予め加温してノズルより連続的に供給し、霧状にしたものを温風により乾燥させて粉末化させることも可能である。加温することで乾燥スピードが速くなり、かつ噴霧液の粘度低下に伴い噴霧液の高不揮発分化が可能で、生産コストの低減にも寄与する。
なお、本発明においては、抗粘結剤を、水性エマルジョン(A)に混合したり、噴霧乾燥後の再乳化性樹脂粉末(I)に混合したり、噴霧乾燥時に水性合成樹脂エマルジョン(A)と別のノズルから噴霧するなどして、併用することができる。
抗粘結剤を添加することにより、抗粘結剤で樹脂粉末をまぶすような状態にして貯蔵中などにおいて粒子同士が粘結して凝集しブロッキングするのを防止することができる。
抗粘結剤としては、公知の不活性な無機または有機粉末、例えば、無機粉末としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、ドロマイト、無水珪酸、アルミナホワイト等を使用することができる。これらの中でも、無水珪酸、炭酸カルシウム、クレー等が好ましい。有機粉末としては合成樹脂のガラス転移温度が70℃以上の水性エマルジョンを噴霧乾燥してなる樹脂粉末も抗粘結剤として使用可能である。抗粘結剤の使用量は、得られる再乳化性樹脂粉末(I)に対して、5〜30重量%程度であることが好ましい。また、有機粉末と無機粉末の併用も可能である。
本発明の再乳化性合成樹脂粉末組成物は、前記再乳化性樹脂粉末(I)とともにシリカ(II)を含むものである。
本発明において、シリカ(II)は、皮張り防止(乾燥遅延)やコテ作業性・コテ等による模様付け性向上の目的で添加される。
ここで、コテ作業性・コテ等による模様付け性とは、特に外装用建築仕上げ塗り材において、塗工後にコテ等で模様付けする場合に、塗工30分後のコテ等による塗面への模様付け性のことをいう。
かかるシリカ(II)のBET比表面積は、50〜400m2/gであることが好ましく、120〜380m2/gであることがより好ましく、200〜380m2/gであることがとくに好ましい。BET比表面積が小さすぎると皮張り防止(乾燥遅延)効果が低下する傾向があり、大きすぎると皮膜の乾燥が遅れ、耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性が低下する傾向がある。
また、かかるシリカ(II)としては、一次粒子の粒子径が微細でナノサイズレベルに小さく、分散が容易で粒子表面に存在し水が吸着し易いシラノール基が多く存在するなどの点から、精製した四塩化ケイ素を酸素と水素の炎中で加水分解して製造されるヒュームドシリカであることが好ましい。
シリカ(II)の使用量としては、再乳化性樹脂粉末(I)に対して、1〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましく、4〜6重量%がさらに好ましい。少なすぎると皮張り防止(乾燥遅延)効果が低下する傾向があり、多すぎると皮張り防止(乾燥遅延)効果が向上するものの、あまりにも乾燥が遅れ耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性が低下する傾向がある。
さらに、シリコーンオイル、ジメチルジクロロシラン等により表面処理された疎水性タイプも使用することができる。
本発明の再乳化性合成樹脂粉末組成物は、前記再乳化性樹脂粉末(I)、シリカ(II)とともに架橋剤(III)を含むものである。
架橋剤(III)としては、使用する未変性および/または変性PVA系樹脂、および共重合したカルボニル基および/またはアセトアセチル基含有官能性モノマーなどからなる再乳化性樹脂粉末に安定に混和し、水に再乳化した際に速やかに架橋が進み目的とする塗膜が得られることなどから、多価金属塩、3級または4級のカチオン性樹脂およびヒドラジド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の粉末・粉体・顆粒状などの架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤が液状品の場合には、粉末化して使用することも可能である。
多価金属塩としては、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウムの水酸化物または酸化物、アルミニウム塩化物および硫酸化物、ジルコニウム硝酸化物などをあげることができる。
3級または4級のカチオン性樹脂としては、ポリジアリルアミンおよびその変性品などをあげることができる。これらの中でも、ポリジアリルアミンの3級アミン、ポリジアリルアミンの4級アンモニウム塩およびそのアクリルアミド共重合タイプがより好ましい。これらの3級または4級カチオン性樹脂は、架橋剤としての機能のみならず、建築仕上げ塗り材や粉末塗料作製時において分散剤的機能も有し、減水的な効果も有する。したがって、建築仕上げ塗り材や粉末塗料の不揮発分の増加にもなり、乾燥性を向上することができる。
ヒドラジド系化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド、ポリヒドラジド化合物、カルボヒドラジドなどをあげることができる。
これらの多価金属塩は必ずしも水溶性である必要はなく、使用時に容易に水に分散した状態になれば良い。また、これらの架橋剤(III)は、得られる塗膜への効果などにより併用してもよい。
合成樹脂粉末が、カルボニル基および/またはアセトアセチル基変性PVA、および/またはカルボニル基および/またはアセトアセチル基モノマーを含有している場合には、架橋剤としてヒドラジド系化合物を用いることが好ましく、多価金属塩、3級または4級カチオン性樹脂と併用して用いてもよい。
架橋剤(III)の使用量としては、多価金属塩および3級または4級カチオン性樹脂の場合は、再乳化性樹脂粉末(I)に対して、0.5〜30重量%が好ましく、3〜15重量%がより好ましく、5〜10重量%がさらに好ましい。少なすぎると耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性、冬季における早期乾燥性などの塗膜物性の向上に効果が充分に発現できない傾向があり、多すぎてもさらなる塗膜物性の向上に効果がなく、特に多価金属塩の場合は架橋が進みすぎ塗膜自体がもろくなる傾向がある。また、3級または4級カチオン性樹脂の場合は耐水性が低下する傾向がある。
また、ヒドラジド系化合物の場合は、これらと架橋する樹脂中のカルボニル基および/またはアセトアセチル基量により適宜選択すればよく、再乳化性樹脂粉末(I)に対して、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。少なすぎると架橋効果が充分に発現しない傾向があり、多すぎてもさらなる効果は期待出来ない。
さらに、本発明の再乳化性樹脂粉末組成物あるいは水に再乳化させた水性エマルジョンを配合して木部・木質接着用の接着剤として使用する場合は、架橋剤(III)としては、特に限定されないが、イソシアネート系化合物あるいはそのプレポリマーやエポキシ系化合物あるいはそのプレポリマーが好適に用いられる。
本発明の再乳化性樹脂粉末組成物は、特に建築仕上げ材・粉末塗料用として、塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・早期乾燥性、塗膜硬度の乾燥初期発現性に優れ、かつ、特に外装用建築仕上げ塗り材においては塗膜表面乾燥の速い夏場においても皮張りを防止し、塗工後のコテ等による塗面への模様付けを可能とする優れた水性エマルジョンを得るための再乳化性樹脂粉末であり、さらに加えて、セメント・石膏などの水硬性材料用混和剤用(例えば、下地調整材用などのモルタル用、タイル接着剤用、パテなど)、木部あるいは木質用、紙用などの接着剤などの各種用途に用いることができる。より好ましくは、外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用樹脂粉末として有用である。
建築仕上げ材・粉末塗料用としては、この種用途に通常使用される炭酸カルシウム、クレー、タルク、ドロマイト、マイカ、酸化チタン、珪砂などの無機材料が使用できる。ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉誘導体、無機系などの粉末増粘剤・粘性改良剤、パルプ粉などのクラック発生防止剤なども使用できる。仕上がり状態、例えば色調などに影響を与えない程度にセメントや石膏などの水硬性材料も使用できる。
用途、使用条件によっては、水に再乳化させて水性エマルジョンに戻してから使用しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
<評価方法>
(グラフト率の測定)
合成例1〜7で得られた水性合成樹脂エマルジョン1〜7において、後添加用PVA水溶液の添加前エマルジョンを使用して、40℃×16時間乾燥して厚さが約0.5mmの皮膜を作製し、23℃×65%RH下に2日間放置した。その皮膜を沸騰水中で8時間抽出を行い、その後、アセトンにて8時間抽出した場合の、抽出前の皮膜絶乾重量をW1(g)、抽出後の皮膜絶乾重量をW2(g)とし、下記の式より求めた値をグラフト率とした。
グラフト率(重量%)=(W2)/(W1)×100
抽出後の皮膜絶乾重量(W2):抽出後のサンプルを105℃×1時間乾燥させた時の重量、
抽出前の皮膜絶乾重量(W1):予め、抽出試験サンプルとは別のサンプルを105℃×1時間乾燥させ、その揮発分割合から補正して、抽出サンプルの皮膜絶乾重量を算出する。
(塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・塗膜硬度の乾燥初期発現性)
実施例1〜11および比較例1〜2で得られた建築仕上げ塗り材をスレート板に3mmのアプリケーターで塗工し室温で乾燥した。4時間乾燥後、水に2時間浸漬して指で強く10往復回擦り、塗面の仕上がり状態を下記の基準で評価した。本試験にて耐乾燥初期降雨性(耐水性)、塗膜硬度の乾燥初期発現性の代用試験とし、評価A−Bを実用上問題ないレベルとして合格とした。
A:塗膜表面が硬く、塗膜は指で擦ってもほとんど取れなく、かつエマルジョンの白い色が流れ出さない。
B:塗膜表面は硬いが、指で擦った場合少し表面が取れ、かつエマルジョンの白い色が少し流れ出す。
C:塗膜表面はやや柔らかく、指で擦った場合表面が取れ、かつエマルジョンの白い色が流れ出す。
D:塗膜は水を吸ってブヨブヨ状態で、指で擦ると下地から全面が取れ、かつエマルジョンの白い色が流れ出す。
(塗膜の耐水性・下地接着性)
実施例1〜11および比較例1〜2で得られた建築仕上げ塗り材をスレート板に3mmのアプリケーターで塗工し室温で乾燥した。24時間乾燥後、水に6時間および24時間浸漬して食器洗浄用スポンジにて10往復回擦り、塗面の仕上がり状態を下記の基準で評価した。さらに、スパチュラで塗膜を削り、塗膜の剥がれ方、下地に対する接着性などを下記の基準にて目視で評価した。本試験にて塗膜の耐水性、下地接着の代用試験とし、評価A−Bを実用上問題ないレベルとして合格とした。
A:塗膜表面が硬く、塗膜はスポンジで擦っても取れない。スパチュラで塗膜を削り取るのに非常に力が必要で下地に対して良く接着している。
B:塗膜表面が硬く、塗膜はスポンジで擦ってもほとんど取れないが、スパチュラで塗膜を削り取るのにやや力が必要である。
C:塗膜表面が硬く、塗膜はスポンジで擦ってもほとんど取れないが、塗膜が脆いためスパチュラで削り取るのに然程の力を必要としない。
(塗工後の模様付け性(コテ作業性、皮張り防止性))
実施例1〜11および比較例1〜2で得られた建築仕上げ塗り材をスレート板にコテでウエット厚さ3mmになるように塗工し、室温乾燥1時間後および2時間後の塗面の皮張り状態およびコテによる模様付け性の可否を下記の基準で評価した。本試験にて塗工後の模様付け性(コテ作業性)の代用試験とし、評価A−Bを実用上問題ないレベルとして合格とした。
A:塗面に皮張りがなく、コテによる模様付けが塗工時と同様に容易である。
B:塗面にやや皮張りが認められるがコテによる模様付けは容易である。
C:塗面に皮張りが認められるがコテによる模様付けはできる。
D:塗面に皮張りが認められ,コテによる模様付けは難しい。
合成例1(水性合成樹脂エマルジョン1の製造)
攪拌機と還流冷却器とを備えた2Lサイズのステンレス製反応缶に、670部の水と、アセトアセチル基変性PVA(日本合成化学工業(株)製、平均ケン化度:約98モル%、平均重合度:約400、アセトアセチル化度:0.5モル%)46部を仕込み、反応缶を85℃に加熱して、アセトアセチル基変性PVAを水に溶解させた。次に、この反応缶の温度を80℃に保ち、ここに、予め混合しておいた混合モノマー(ブチルアクリレート165部/スチレン263部/2−エチルヘキシルアクリレート230部=25/40/35)、(重量比)(疎水性モノマー=100%))の66部を添加して、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを用いて、初期重合反応を1時間行った。次いで、残りの混合モノマーを反応缶に4時間に渡って滴下して、重合開始剤として過硫酸アンモニウムをさらに加えながら滴下重合を進行させた。滴下終了後に同温度で1時間熟成させ、その後、平均重合度500、平均ケン化度88モル%の部分ケン化PVA(「ゴーセノールGL05」(商品名)、日本合成化学工業(株)製)の20%水溶液276部をここに添加して、充分撹拌した。これにより、不揮発分46%の水性合成樹脂エマルジョン1(平均粒子径0.45μm)を得た。得られた水性合成樹脂エマルジョン1のグラフト率は78重量%であった。
このモノマー成分(ブチルアクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート=25/40/35(重量比))からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、100℃、−70℃とした場合、−18℃である。
合成例2(水性合成樹脂エマルジョン2の製造)
混合モノマーの種類と組成比をブチルアクリレート/スチレン/ダイアセトンアクリルアマイド=60/37/3(重量比)(疎水性モノマー=97%)に変更した以外は、合成例1と同様にして、水性合成樹脂エマルジョン2(平均粒子径0.43μm)を製造した。得られた水性合成樹脂エマルジョン2のグラフト率は82重量%であった。
このモノマー成分(ブチルアクリレート/スチレン/ダイアセトンアクリルアマイド=60/37/3(重量比))からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、100℃、65℃とした場合、−3℃である。
合成例3(水性合成樹脂エマルジョン3の製造)
混合モノマーの種類と組成比をブチルアクリレート/スチレン=46/54(重量比)(疎水性モノマー=100%)に変更した以外は、合成例1と同様にして、エマルジョン3(平均粒子径0.43μm)を製造した。得られた水性合成樹脂エマルジョン3のグラフト率は65重量%であった。
このモノマー成分(ブチルアクリレート/スチレン=46/54(重量比))からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、100℃とした場合、10℃である。
ただし、最低造膜温度を調整する目的で可塑剤としてジブチルフタレートを樹脂分に対して3%添加した。
合成例4(水性合成樹脂エマルジョン4の製造)
混合モノマーの種類と組成比をメチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート=50/50(重量比)(疎水性モノマー=50%)に変更した以外は、合成例1と同様にして、エマルジョン4(平均粒子径0.51μm)を製造した。得られた水性合成樹脂エマルジョン4のグラフト率は78重量%であった。
この主モノマー(メチルメタアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート=50/50(重量比))からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを105℃、−70℃とした場合、−9℃である。
合成例5(水性合成樹脂エマルジョン5の製造)
滴下終了後に添加するPVAを、平均重合度500、平均ケン化度99.1モル%、アセトアセチル化度5モル%のアセトアセチル基変性PVA(日本合成化学工業(株)製)の20%水溶液276部に変更した以外は合成例1と同様にしてエマルジョン5(平均粒子径0.45μm)を製造した。得られた水性合成樹脂エマルジョン5のグラフト率は75重量%であった。
合成例6(水性合成樹脂エマルジョン6の製造)
実施例1のアセトアセチル基変性PVA(日本合成化学工業(株)製、平均ケン化度:約98モル%、平均重合度:約400、アセトアセチル化度:0.5モル%)を側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA(日本合成化学工業(株)製、平均ケン化度:約99.1モル%、平均重合度:約300、側鎖の1,2−ジオール結合の含有量8モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、エマルジョン6(平均粒子径0.46μm)を製造した。得られた水性合成樹脂エマルジョンのグラフト率は、80%であった。
合成例7(水性合成樹脂エマルジョン7の製造)
混合モノマーの種類と組成比をメチルメタクリレート/2−メトキシエチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート=45/30/25(重量比)(疎水性モノマー=25%)に変更した以外は合成例1と同様にして、エマルジョン7(平均粒子径0.45μm)を製造した。得られた水性合成樹脂エマルジョン7のグラフト率は50重量%であった。
このモノマー成分(メチルメタクリレート/2−メトキシエチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート=45/30/25(重量比))からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを100℃、−50℃、−70℃とした場合、−8℃である。
製造例1〜7(再乳化性樹脂粉末(I)の製造)
合成例1〜7で得られたエマルジョン1〜7の不揮発分を調整し、抗粘結剤として平均粒子径約0.02μmの珪酸微粉末の存在下(再乳化性樹脂粉末(I)に対して15重量%)において、ノズル式の噴霧乾燥機により熱源を熱風として、150℃の温風下にて噴霧乾燥させ、樹脂粉末1〜7を得た。
実施例1
製造例1で得られた樹脂粉末1に、ヒュームドシリカ(レオノール QS−30/トクヤマ、BET比表面積:300m2/g)を樹脂粉末1 100重量部に対して4重量部と表1に示す架橋剤、下記の増粘剤、フィラー類、消泡剤などを予め調合し、これを水に分散して粘度をコテ塗工に適した粘度(コテで約5mm厚みに塗工したスレート板を直ちに垂直に立て掛けて放置しても塗膜がダレないレベルの粘度)に調整し建築仕上げ塗り材を得た。塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・塗膜硬度の乾燥初期発現性、塗膜の耐水性・下地接着性、塗工後の模様付け性の評価結果を表1に示す。
樹脂粉末1 30重量部
増粘剤 チローゼMH30000YP6(信越化学工業(株)製) 0.5重量部
フィラー 酸化チタン(タイペークR−820/石原産業(株)製) 19重量部
N,Nライトカオリンクレー(土屋カオリン工業(株)製)12.5重量部
タカラマイカ 601(土屋カオリン工業(株)製) 7.5重量部
NS#100(日東粉化工業(株)製) 26重量部
珪砂 7号 95重量部
その他 パルプ紛 2.5重量部
粉末消泡剤(アデカネート 107F/アデカ) 1重量部
水 100重量部
合計 294重量部
実施例2〜11
実施例1と同様にして、製造例2〜6で得られた樹脂粉末2〜6を用いて建築仕上げ塗り材を得た。塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・塗膜硬度の乾燥初期発現性、塗膜の耐水性・下地接着性、塗工後の模様付け性の評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様にして、製造例7で得られた樹脂粉末7を用いて建築仕上げ塗り材を得た。塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・塗膜硬度の乾燥初期発現性、塗膜の耐水性・下地接着性、塗工後の模様付け性の評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、ヒュームドシリカを配合しなかった以外は同様にして、建築仕上げ塗り材を得た。塗膜の耐乾燥初期降雨性(耐水性)・塗膜硬度の乾燥初期発現性、塗膜の耐水性・下地接着性、塗工後の模様付け性の評価結果を表1に示す。
Figure 2008050577
本発明の再乳化性合成樹脂粉末組成物は、水に再乳化させて水性エマルジョンとし、特に、外装用建築仕上げ塗り材・粉末塗料用として耐乾燥初期降雨性(耐水性など)、塗膜硬度の乾燥初期発現性、冬季の早期乾燥性に優れ、かつ、特に外装用建築仕上げ塗り材においては塗膜表面乾燥の速い夏場においても皮張りを防止し、塗工後のコテ等による塗面への模様付けを容易に可能とする樹脂粉末として優れた効果を有するものであり、加えて、セメント・石膏などの水硬性材料用混和剤用、木部あるいは木質用、紙用などの接着剤用などの各種用途に有用である。特に、本発明品は再乳化性合成樹脂粉末であるので、これらの用途組成物を形成する粉体・粉末状物に加えて完全既調合として使用時に水で練るのみで目的とする製品を作ることができる。

Claims (12)

  1. 疎水性モノマーを全モノマー成分に対して30重量%以上含有するエチレン性不飽和モノマー成分を重合して得られる合成樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂(a)で分散安定化された水性合成樹脂エマルジョン(A)からなる再乳化性樹脂粉末(I)、シリカ(II)、および、架橋剤(III)を含むことを特徴とする再乳化性樹脂粉末組成物。
  2. エチレン性不飽和モノマー成分が、アリル基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、加水分解性シリル基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、ビニル基含有モノマーおよびカルボニル基含有モノマーからなる群より選択される1種以上の官能性モノマーを含むことを特徴とする請求項1記載の再乳化性樹脂粉末組成物。
  3. ポリビニルアルコール系樹脂(a)が、活性水素を含有するポリビニルアルコール系樹脂(a1)であることを特徴とする請求項1または2記載の再乳化性樹脂粉末組成物。
  4. ポリビニルアルコール系樹脂(a)が、側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂(a2)であることを特徴とする請求項1または2記載の再乳化性樹脂粉末組成物。
  5. 再乳化性樹脂粉末(I)が、水性合成樹脂エマルジョン(A)と再乳化性向上剤(B)を含むエマルジョンからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の再乳化性樹脂粉末組成物。
  6. 再乳化性向上剤(B)が、平均ケン化度85モル%以上、平均重合度が50〜3000であるポリビニルアルコール系樹脂(b)であることを特徴とする請求項5記載の再乳化性樹脂粉末組成物。
  7. ポリビニルアルコール系樹脂(b)が、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、カルボニル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、および側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8記載の再乳化性樹脂粉末組成物。
  8. シリカ(II)が、BET比表面積50〜400m2/gのシリカであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の再乳化性樹脂粉末組成物。
  9. 架橋剤(III)が、多価金属塩、3級または4級のカチオン性樹脂およびヒドラジド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の再乳化性樹脂粉末組成物。
  10. 請求項1〜11のいずれかに記載の再乳化性樹脂粉末組成物を再乳化してなることを特徴とする水性エマルジョン。
  11. 請求項1〜11のいずれかに記載の再乳化性樹脂粉末組成物または請求項12記載の水性エマルジョンを含有してなることを特徴とする建築仕上げ塗り材。
  12. 非水硬性材料からなる建築仕上げ塗り材・粉末塗料用配合物に請求項1〜11のいずれかに記載の再乳化性合成樹脂粉末組成物または請求12記載の水性エマルジョンを含有してなることを特徴とする建築仕上げ塗り材。
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