JP2008049930A - ステアリングギアボックスの取付け構造 - Google Patents

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Yoshimitsu Yokoi
義光 横井
Hideyuki Yoshioka
秀幸 吉岡
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哲朗 福原
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Abstract

【課題】ステアリングギアボックスに車両衝突時の荷重を負担させることが可能なステアリングギアボックスの取付け構造を提供することを目的とする。
【解決手段】ステアリングギアボックス10の車幅方向一端部及び他端部を各々、2点の締結により左右のフロントサイドメンバ14の上面に結合し、ステアリングギアボックス10の車両高さ方向の軸回りの回転を拘束する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリングギアボックスの取付け構造に関する。
現状では、フロントサイドメンバに入力された衝突荷重を、左右のフロントサイドメンバに結合されたダッシュクロスメンバに負担させている。また、ダッシュクロスメンバに、ステアリングギアボックスが結合された構造が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。ここで、現状のステアリングギアボックスの取付け構造は、ステアリングギアボックスに衝突荷重を負担させる構造になっていない。
実公昭61−14937号公報 実公平2−48490号公報
本発明は上記事実を考慮し、ステアリングギアボックスを、車両衝突時の荷重を負担する衝突部材として活用することが可能なステアリングギアボックスの取付け構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載のステアリングギアボックスの取付け構造は、車幅方向に延在するステアリングギアボックスと、前記ステアリングギアボックスの車幅方向両端を、それぞれ車両上下方向の軸回りの回転が拘束されるように、車両前後方向に延在する左右の前記フロントサイドメンバに結合する結合手段と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載のステアリングギアボックスの取付け構造では、車幅方向に延在するステアリングギアボックスの車幅方向両端をそれぞれ、結合手段によって、車両上下方向の軸回りの回転が拘束されるように、車両前後方向に延在する左右のフロントサイドメンバに結合している。これによって、ステアリングギアボックスを、衝突荷重を負担する衝突部材として活用することが可能となる。
従って、ダッシュクロスメンバを廃止したり、薄型化、小型化したりすることによって車両重量を低減すると共に、十分な衝突荷重の吸収性能を確保することが可能となる。
請求項2に記載のステアリングギアボックスの取付け構造は、請求項1に記載のステアリングギアボックスの取付け構造であって、前記結合手段は、前記ステアリングギアボックスの車幅方向両端を、それぞれ複数点ずつ左右の前記フロントサイドメンバに締結する締結手段であることを特徴とする。
請求項2に記載のステアリングギアボックスの取付け構造では、締結手段が、ステアリングギアボックスの車幅方向両端を、それぞれ複数点ずつ左右のフロントサイドメンバに締結している。これによって、ステアリングギアボックスは、車両上下方向の軸回りの回転が拘束されるように、左右のフロントサイドメンバに結合される。
請求項3に記載のステアリングギアボックスの取付け構造は、車幅方向に延在するステアリングギアボックスと、前記ステアリングギアボックスの車幅方向両端を、それぞれ複数点ずつ車両前後方向に延在する左右の前記フロントサイドメンバに締結する締結手段と、を有することを特徴とする。
請求項3に記載のステアリングギアボックスの取付け構造では、締結手段が、ステアリングギアボックスの車幅方向両端を、それぞれ複数点ずつ車両前後方向に延在する左右のフロントサイドメンバに締結している。これによって、ステアリングギアボックスの長手方向両端がそれぞれ、車両上下方向の軸回りの回転が拘束されるように、左右のフロントサイドメンバに結合されるので、ステアリングギアボックスを、衝突荷重を負担する衝突部材として活用することが可能となる。
従って、ダッシュクロスメンバを廃止したり、薄型化、小型化したりすることによって車両重量を低減すると共に、十分な衝突荷重の吸収性能を確保することが可能となる。
以上説明したように、ステアリングギアボックスを、車両衝突時の荷重を負担する衝突部材として活用することが可能なステアリングギアボックスの取付け構造を提供できる。
次に、本発明のステアリングギアボックスの取付け構造の一実施形態を図1乃至図12に従って説明する。
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
図1乃至図3に示すように、本発明のステアリングギアボックスの取付け構造を備える車両の前側では、左右一対のフロントサイドメンバ14が車両前後方向に延在しており、左右のフロントサイドメンバ14の車両後側において、ステアリングギアボックス10が車幅方向に延在している。
フロントサイドメンバ14の車両前側にはバンパリインフォース(図示省略)が配設され、フロントサイドメンバ14の車両後側は、車両後方へかけて車両下側へ傾斜したキック部14Aとなっている。このキック部14Aにはダッシュパネル(図示省略)が結合されている。
また、左右のフロントサイドメンバ14のキック部14Aの車両前側のフロントサイドメンバ前部14Bには、ステアリングギアボックス10が架設されており、このステアリングギアボックス10の長手方向両端がそれぞれ、結合手段、締結手段としての結合部20により、左右のフロントサイドメンバ前部14Bの上面に結合されている。
結合部20は、ステアリングギアボックス10の長手方向両端の車両前側及び後側に一体で形成された計4個のフランジ部22と、各フランジ部22をフロントサイドメンバ前部14Bの上面に結合する計4本のボルト24とを備えている。フランジ部22には、ボルト24が挿通される孔22Aが形成されている。また、左右のフロントサイドメンバ前部14Bの上面にはそれぞれ、ボルト24が螺合する2個のネジ孔14Dが、孔22Aに対応して車両前後方向に並べて形成されている。
即ち、ステアリングギアボックス10の長手方向両端はそれぞれ、結合部20によって左右のフロントサイドメンバ前部14Bの上面に、2点ずつ車両上下方向に締結されている。
次に、本実施形態による作用について説明する。
図4に示すように、オフセット衝突時、フロントサイドメンバ14に車両前方から衝突荷重Pが入力されると、この衝突荷重Pは、フロントサイドメンバ14からステアリングギアボックス10に伝わる。この際、ステアリングギアボックス10には、せん断力や横曲げモーメントが加わる。
ここで、ステアリングギアボックス10の長手方向両端がそれぞれ、左右のフロントサイドメンバ前部14Bの上面に、2点ずつ車両上下方向に締結されていることによって、ステアリングギアボックス10の長手方向両端が、それぞれ車両上下方向の軸(以下、H軸という)回りの回転を拘束されるようになっている。
これによって、ステアリングギアボックス10が、衝突荷重Pを負担する衝突部材として機能するので、ダッシュクロスメンバを廃止することによって車両重量を低減すると共に、十分な衝突吸収性能を確保することが可能となる。
ところで、図5に示す第1の比較例のように、ダッシュクロスメンバ102が左右のフロントサイドメンバ14に結合され、このダッシュクロスメンバ102の上面102Aにステアリングギアボックス10の車幅方向一端部及び他端部が各々、1点の締結により結合されている場合には、オフセット衝突時、フロントサイドメンバ14からダッシュクロスメンバ102に衝突荷重Pが伝わる。この際、ダッシュクロスメンバ102には、せん断力や横曲げモーメントが加わる。
ここで、図6のグラフには、ステアリングギアボックス10がダッシュクロスメンバ102に結合されていない例である第2の比較例において、衝突荷重Pによってダッシュクロスメンバ102に加えられるせん断力の分布を点線で示しており、第1の比較例において、衝突荷重Pによってダッシュクロスメンバ102に加えられるせん断力の分布を実線で示している。
また、図7のグラフには、第2の比較例において、衝突荷重Pによってダッシュクロスメンバ102に加えられる横曲げモーメントの分布を点線で示しており、第1の比較例において、衝突荷重Pによってダッシュクロスメンバ102に加えられる横曲げモーメントの分布を実線で示している。
図6、図7のグラフから明らかなように、第2の比較例と第1の比較例とでは、ダッシュクロスメンバ102に加わるせん断力と横曲げモーメントとに大きな差が無い。
これは、ステアリングギアボックス10の長手方向両端をそれぞれ、1点の締結によりダッシュクロスメンバ102の上面102Cに結合するだけでは、衝突荷重Pによりステアリングギアボックス10がH軸回りに回転してしまい、ステアリングギアボックス10に衝突荷重を負担させることができないためである。
また、図8のグラフには、第1の比較例において、衝突荷重Pによってステアリングギアボックス10に加えられるせん断力の分布を点線で示しており、本実施形態において、衝突荷重Pによってステアリングギアボックス10に加えられるせん断力の分布を実線で示している。
また、図9のグラフには、第1の比較例において、衝突荷重Pによってステアリングギアボックス10に加えられる横曲げモーメントの分布を点線で示しており、本実施形態において、衝突荷重Pによってステアリングギアボックス10に加えられる横曲げモーメントの分布を実線で示している。
図8、図9のグラフから明らかなように、第1の比較例と本実施形態とでは、本実施形態の方が、衝突荷重Pによってステアリングギアボックス10に加えられるせん断力と横曲げモーメントとが大きくなる。
これは、本実施形態では、結合部20によってステアリングギアボックス10の長手歩行両端のH軸回りの回転が拘束されることによって、ステアリングギアボックス10が衝突荷重Pを負担する割合が大きくなるのに対して、比較例では、ステアリングギアボックス10の長手方向両端のH軸回りの回転が拘束されておらず、ダッシュクロスメンバ102の衝突荷重の負担の割合が大きくなるためである。
以上、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは問う業者にとって明らかである。例えば、本実施形態では、本発明のステアリングギアボックスの取付け構造を、ステアリングギアボックス10の長手方向両端がそれぞれ、2点の締結により左右のフロントサイドメンバ14の上面に結合された構造としたが、ステアリングギアボックス10の長手方向両端がそれぞれ、複数点の締結により左右のフロントサイドメンバに結合されていれば良い。例えば、図10に示すように、ステアリングギアボックス10の長手方向両端をそれぞれ、2点の締結により左右のフロントサイドメンバ14の下面に結合しても良く、また、図11に示すように、ステアリングギアボックス10の長手方向両端をそれぞれ、2点の締結により左右のフロントサイドメンバ14の車幅内側の側面に結合しても良い。
また、本実施形態では、ステアリングギアボックス10を車両前後方向に並んだ2点の締結によりフロントサイドメンバ14に結合したが、ステアリングギアボックス10の長手方向両端をそれぞれ、複数点の締結により左右のフロントサイドメンバ14に結合すれば良く、また、ステアリングギアボックス10の長手方向両端をそれぞれ、H軸回りの回転が拘束されるように左右のフロントサイドメンバ14に結合すれば良く、例えば、図12に示すように、車幅方向に並んだ2点の締結により、ステアリングギアボックス10の長手方向両端をそれぞれ、左右のフロントサイドメンバ14に結合しても良い。また、締結箇所における締結点数を増やしても良い。
また、本実施形態では、ダッシュクロスメンバを廃止したが、廃止することは必須ではなく、ダッシュクロスメンバを、従来と比較して薄型化、小型化して軽量化したうえで設置する等しても良い。
本発明の一実施形態に係るステアリングギアボックスの取付け構造を備える車両の前側を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るステアリングギアボックスの取付け構造を備える車両の前側を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るステアリングギアボックスの取付け構造を備える車両の前側を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るステアリングギアボックスの取付け構造を備える車両の前側を示す平面図である。 従来のステアリングギアボックスの取付け構造を備える車両の前側を示す平面図である。 車両衝突時にダッシュクロスメンバに加わるせん断力の分布を示すグラフである。 車両衝突時にダッシュクロスメンバに加わる横曲げモーメントの分布を示すグラフである。 オフセット衝突時にダッシュクロスメンバに加わるせん断力の分布を示すグラフである。 オフセット衝突時にダッシュクロスメンバに加わる横曲げモーメントの分布を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るステアリングギアボックスの取付け構造の変形例を備える車両の前側を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るステアリングギアボックスの取付け構造の変形例を備える車両の前側を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るステアリングギアボックスの取付け構造の変形例を備える車両の前側を示す斜視図である。
符号の説明
10 ステアリングギアボックス
14 フロントサイドメンバ
20 結合部(結合手段、締結手段)

Claims (3)

  1. 車幅方向に延在するステアリングギアボックスと、
    前記ステアリングギアボックスの車幅方向両端を、それぞれ車両上下方向の軸回りの回転が拘束されるように、車両前後方向に延在する左右のフロントサイドメンバに結合する結合手段と、
    を有することを特徴とするステアリングギアボックスの取付け構造。
  2. 前記結合手段は、前記ステアリングギアボックスの車幅方向両端を、それぞれ複数点ずつ左右の前記フロントサイドメンバに締結する締結手段であることを特徴とする請求項1に記載のステアリングギアボックスの取付け構造。
  3. 車幅方向に延在するステアリングギアボックスと、
    前記ステアリングギアボックスの車幅方向両端を、それぞれ複数点ずつ車両前後方向に延在する左右の前記フロントサイドメンバに締結する締結手段と、
    を有することを特徴とするステアリングギアボックスの取付け構造。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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