JP2008046933A - 位置決め制御装置、位置決め制御装置の制御方法、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実験的や経験的な調整を不要とし補償器の定数を変更しても検出系の特性により制御系の制御性能が低下することのない位置決め制御装置を提供する。
【解決手段】位置検出器76の位相の異なる2つのアナログ出力信号と夫々を2値化した2値化信号に基づいて処理を行う第1の速度演算部81と第2の速度演算部82とを備え、所定の条件によって前記2つ速度演算部81、82を切り換えて速度フィードバックを行う位置決め制御装置において、2値化信号の周波数と制御系の応答周波数に基づいて速度演算部81、82の切り換え条件を設定する切り換え部83を備えるようにした。
【選択図】図10
【解決手段】位置検出器76の位相の異なる2つのアナログ出力信号と夫々を2値化した2値化信号に基づいて処理を行う第1の速度演算部81と第2の速度演算部82とを備え、所定の条件によって前記2つ速度演算部81、82を切り換えて速度フィードバックを行う位置決め制御装置において、2値化信号の周波数と制御系の応答周波数に基づいて速度演算部81、82の切り換え条件を設定する切り換え部83を備えるようにした。
【選択図】図10
Description
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置における位置決め制御装置、位置決め制御装置の制御方法、及びこの位置決め制御装置を用いる画像形成装置に関するものである。
従来から、精密位置決めステージ、GJの副走査駆動系、工作機械等の精密位置決めが必要な分野における高分解能の位置決め装置、画像形成装置に使用する位置決め制御装置等では、速度演算回路を備え、速度により切り換えたり、エンコーダパルスと内挿値に基づいた速度信号を使用したりして適切な位置決め制御を行うことが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
従来技術である特許文献1では、低速領域用と高速領域用の速度演算回路を備え速度により切り換えることが開示され、特許文献2では、高速時には、エンコーダパルスに基づいた速度信号を、低速時には、エンコーダパルスと内挿値に基づいた速度信号を使用することが開示されている。
特許文献3では、分解能の異なる2つのエンコーダを備え、分解能の低いエンコーダを分解能の高いエンコーダで補正し、その機構を記録紙搬送装置に展開することが開示されている。
従来技術である特許文献1では、低速領域用と高速領域用の速度演算回路を備え速度により切り換えることが開示され、特許文献2では、高速時には、エンコーダパルスに基づいた速度信号を、低速時には、エンコーダパルスと内挿値に基づいた速度信号を使用することが開示されている。
特許文献3では、分解能の異なる2つのエンコーダを備え、分解能の低いエンコーダを分解能の高いエンコーダで補正し、その機構を記録紙搬送装置に展開することが開示されている。
本出願人の研究では、無端ベルトにベルトマークセンサ(リニアエンコーダ)を備え、無端ベルトを支持するローラに回転角度センサ(ロータリエンコーダ)を備えたベルト搬送装置が開発され、その装置をインクジェットプリンタやマルチファンクションプリンタの紙搬送装置に展開している。
さらに、本出願人の研究では、アナログ出力のエンコーダを使用し、4逓倍カウンタのカウント値と内挿値を合成し分解能を向上させるとともに、カウント値と内挿値の位相ずれによって発生する誤差を補正する技術が開発され、この位置検出装置を用いた画像形成装置がある。
さらに、本出願人の研究では、アナログ出力のエンコーダを使用し、4逓倍カウンタのカウント値と内挿値を合成し分解能を向上させるとともに、カウント値と内挿値の位相ずれによって発生する誤差を補正する技術が開発され、この位置検出装置を用いた画像形成装置がある。
従来技術として、さらに、特許文献1には、エンコーダの2相アナログ信号を微分し論理信号により、前記微分値を選択することによって速度を算出する低速領域の速度検出手段(第1の速度演算回路)と、2相アナログ出力信号を2値化した2値化信号をfV変換して速度を算出する高速領域の速度検出手段(第2の速度演算回路)と、切り換え回路を備え、夫々を切り換え回路によって切り換えることが記載されている。
また、特許文献2では、1つのエンコーダ出力を使用し、高速時にはパルスカウンタから位置情報を取得し、低速時には内挿演算より取得し、2つの位置情報を所定の参照速度で切り換えることによってサーボ制御装置の性能を向上させることが記載されている。
また、特許文献2では、1つのエンコーダ出力を使用し、高速時にはパルスカウンタから位置情報を取得し、低速時には内挿演算より取得し、2つの位置情報を所定の参照速度で切り換えることによってサーボ制御装置の性能を向上させることが記載されている。
特許文献1及び2では、2つの速度検出手段を切り換えることによって、位置決め制御装置の性能を向上させているが、この切り換えタイミングについての詳細な記載はなく、特許文献2では、所定の参照速度で切り換えるとの記載があるだけである。
制御系の性能を向上させるためには、この切り換え条件が重要である。例えば、制御系に要求される応答周波数よりもセンサ入力の帯域が狭ければ、前記応答周波数を実現できない。これに対して、センサ入力の帯域が広すぎても高周波領域のノイズが増えるため、制御系の誤差が増加し、制御性能の低下や安定性が低下する可能性がある。特許文献2のように、所定の参照速度に固定してしまうと、制御系の補償器の定数を変更する場合に、上記のような制御性能が低下する問題が発生する可能性がある。
制御系の性能を向上させるためには、この切り換え条件が重要である。例えば、制御系に要求される応答周波数よりもセンサ入力の帯域が狭ければ、前記応答周波数を実現できない。これに対して、センサ入力の帯域が広すぎても高周波領域のノイズが増えるため、制御系の誤差が増加し、制御性能の低下や安定性が低下する可能性がある。特許文献2のように、所定の参照速度に固定してしまうと、制御系の補償器の定数を変更する場合に、上記のような制御性能が低下する問題が発生する可能性がある。
加えて、特許文献1及び2では、2種類の速度検出手段を切り換えて速度フィードバックを行っているが、マイナーループに速度フィードバックループを備えた位置決め制御装置では、その外側に位置フィードバックループを備えている。
この位置フィードバックに関する記載がない。位置フィードバックループは、目標位置とフィードバックされる位置情報から速度フィードバックループの目標速度を算出する部分であることから、フィードバックされる位置情報の分解能は重要である。
本発明者は、インクジェットエンジンの搬送ベルトによる記録紙の搬送機構に関する技術を理解しており、このインクジェットエンジンの記録紙の搬送には、生産性や高画質化の要求によって、高速かつ高精度な位置決めが要求されている。例えば、数mmの改行時、数十m秒の時間で数μmの位置決めバラツキとなる性能と安定性が要求されている。
この位置フィードバックに関する記載がない。位置フィードバックループは、目標位置とフィードバックされる位置情報から速度フィードバックループの目標速度を算出する部分であることから、フィードバックされる位置情報の分解能は重要である。
本発明者は、インクジェットエンジンの搬送ベルトによる記録紙の搬送機構に関する技術を理解しており、このインクジェットエンジンの記録紙の搬送には、生産性や高画質化の要求によって、高速かつ高精度な位置決めが要求されている。例えば、数mmの改行時、数十m秒の時間で数μmの位置決めバラツキとなる性能と安定性が要求されている。
特許文献3では副走査の誤差を低減するためにリニアエンコーダを使用することを提案しているが、このリニアエンコーダのピッチが粗いため、高分解能のロータリエンコーダで補完することを提案している。しかし、リニアエンコーダとロータリエンコーダ間の剛性の問題があり、両エンコーダの位相を合わせることは難しい。
また、位相を合わせることが可能であっても、ロータリエンコーダの分解能を向上させるためにはコードホイールの拡大が必要となり、機構レイアウトの問題やコードホイールの剛性の問題から現実的でなくなる。
また、位相を合わせることが可能であっても、ロータリエンコーダの分解能を向上させるためにはコードホイールの拡大が必要となり、機構レイアウトの問題やコードホイールの剛性の問題から現実的でなくなる。
特許文献3では、前記リニアエンコーダがパルスエンコーダであるため粗いピッチを補完する必要があるが、リニアエンコーダのアナログ信号により、前記ピッチ間を補完できれば、2つのエンコーダを使用する必要がなくなり、安価、かつベルトの動きを直接検出できるためフルクローズドループの制御系が構築できるため、位置決め性能を向上させることができる。
そのため、現状の製品の装置構成に大幅な変更をすることなく、エンコーダセンサにアナログセンサを使用し、ADコンバータを追加する程度に抑え、内挿演算値と4逓倍のアップダウンカウンタのカウント値を合成することによってエンコーダの分解能を向上させることと、内挿演算値とカウント値の位相差によって生じる誤差を位相補正手段によって補正する技術が提案されている。
位置情報の分解能を向上させる内挿演算は、2相同時の振幅変動に対しては、安定(ロバスト)しているが、エンコーダセンサ等に使用されているローパスフィルタの特性バラツキによって、エンコーダの回転速度や速度が向上するに従い、2相間の振幅変動に違いが生じることがある。
そのため、現状の製品の装置構成に大幅な変更をすることなく、エンコーダセンサにアナログセンサを使用し、ADコンバータを追加する程度に抑え、内挿演算値と4逓倍のアップダウンカウンタのカウント値を合成することによってエンコーダの分解能を向上させることと、内挿演算値とカウント値の位相差によって生じる誤差を位相補正手段によって補正する技術が提案されている。
位置情報の分解能を向上させる内挿演算は、2相同時の振幅変動に対しては、安定(ロバスト)しているが、エンコーダセンサ等に使用されているローパスフィルタの特性バラツキによって、エンコーダの回転速度や速度が向上するに従い、2相間の振幅変動に違いが生じることがある。
図13はカウント値と内挿値から合成される位置情報に誤差が生じる現象を説明する概略図である。上記の2相間の振幅変動に違いが生じると、2相によって描かれるリサージュ図形にゆがみが生じ、θ=tan−1(B/A)の内挿演算の結果に誤差が生じるために、カウント値と内挿値から合成される位置情報に誤差が生じることになる。この現象は図13に示してあり、図中のθeが誤差に相当する。
また、上述した技術では、ADコンバータのデータラッチをアップダウンカウンタに同期させるような特別な機構は付加していないため、カウント値と内挿値の間にはデータ取得タイミングの違いによる位相差が生じる。
位相差が±90°以内であれば、位相補正手段によって補正可能であるが、それ以上の違いが生じてしまうと、カウント値に間違った内挿値を加算してしまうことから、位置情報に誤差が生じることになる。
また、上述した技術では、ADコンバータのデータラッチをアップダウンカウンタに同期させるような特別な機構は付加していないため、カウント値と内挿値の間にはデータ取得タイミングの違いによる位相差が生じる。
位相差が±90°以内であれば、位相補正手段によって補正可能であるが、それ以上の違いが生じてしまうと、カウント値に間違った内挿値を加算してしまうことから、位置情報に誤差が生じることになる。
図14はA相とB相の90°位相の異なる正弦波状の信号の内挿演算を説明する図である。図15は誤差の種類を示す図である。図16は象限が切り換わる前後で発生する誤差を説明する図である。
次に、図14乃至図16を参照しながら、上述した内挿演算について説明する。ここでは、4つの象限を1つの象限の内挿演算に変換して内挿値を求めている例について説明する。
図14は、A相とB相の90°位相の異なる正弦波状の信号の内挿演算を図示したものである。前記A相及びB相の信号をコンパレータ等で2値化したものがA_pulse B_pulseである。
次に、図14乃至図16を参照しながら、上述した内挿演算について説明する。ここでは、4つの象限を1つの象限の内挿演算に変換して内挿値を求めている例について説明する。
図14は、A相とB相の90°位相の異なる正弦波状の信号の内挿演算を図示したものである。前記A相及びB相の信号をコンパレータ等で2値化したものがA_pulse B_pulseである。
A相及びB相の信号からθ=tan−1(x)の内挿演算によって内挿を求め、所定の定数によって位置や角度に変換したものが内挿値である。前記2値化信号の立ち上がり及び立下りをカウントした値に前記内挿値を合成(加算)することによって、高分解能を得る。
前記xはA相及びB相のアナログ信号の除算値になるが、4象限を1象限に変換しているため、計算対象の象限によって除算の関係は変化する。表1は計算対象の象限による除算の関係を示している。この表1は第1象限に変換した場合の例である。
次に、位相差によって発生する誤差について説明する。前記誤差は、図15中のaとbのタイミングで発生する。現象aは、カウント値がアップされたのに内挿値が前の象限にある状態である。現象bは、カウント値はアップされていないのに内挿値が次の象限にある状態である。
特許第3314793号
特開2000−194421公報
特開2005−319739公報
前記xはA相及びB相のアナログ信号の除算値になるが、4象限を1象限に変換しているため、計算対象の象限によって除算の関係は変化する。表1は計算対象の象限による除算の関係を示している。この表1は第1象限に変換した場合の例である。
しかしながら、上述したような位相差によって、検出される位置もしくは角度は、図16中にあるように象限が切り換わる前後で現象aでは正方向に、現象bでは負方向に誤差が発生する。このような誤差を含んだ値をフィードバックして位置決め制御を行う場合、象限の切り換えタイミングで、誤作動を起こしたり制御系が不安定になってしまったりする可能性がある。
この位相差によって発生する誤差を抑える位相補正手段を上述した技術では提案しているが、±90°以上(±1象限を越える)の位相差が生じた場合、補正しきれなくなってしまう。
特に、プリンタや複写機のような画像形成装置に搭載される演算装置は、安価な部品で構成されるため、アナログ信号を高速でサンプリングすることが不可能であり、前記位相差による誤差は生じ易い。また、2相間のフィルタ特性のバラツキも生じ易いという問題がある。
この位相差によって発生する誤差を抑える位相補正手段を上述した技術では提案しているが、±90°以上(±1象限を越える)の位相差が生じた場合、補正しきれなくなってしまう。
特に、プリンタや複写機のような画像形成装置に搭載される演算装置は、安価な部品で構成されるため、アナログ信号を高速でサンプリングすることが不可能であり、前記位相差による誤差は生じ易い。また、2相間のフィルタ特性のバラツキも生じ易いという問題がある。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、エンコーダ等の位置検出器の2相アナログ出力信号を使用した内挿演算値と、2値化信号を使用した4逓倍カウンタの値から高分解能の位置もしくは角度を検出する機能を備え、2つの速度演算部を切り換えるタイミングを明確にすることにより、実験的や経験的な調整を不要とし、補償器の定数を変更しても検出系の特性により制御系の制御性能が低下することのない2つの速度演算部と切り換え部を備えた位置決め制御装置、位置決め制御装置の制御方法、及び位置決め制御装置を搭載した画像形成装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、位置検出器の位相の異なる2つのアナログ出力信号と夫々を2値化した2値化信号に基づいて処理を行う第1の速度演算部と第2の速度演算部とを備え、所定の条件によって前記2つ速度演算部を切り換えて速度フィードバックを行う位置決め制御装置において、前記2値化信号の周波数と制御系の応答周波数に基づいて前記第1及び第2の速度演算部の切り換え条件を設定する切り換え部を備える位置決め制御装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記切り換え部は、前記位置検出器の2値化信号の周波数が制御系の応答周波数よりも2倍以上高くなる点を切り換え点として設定する請求項1記載の位置決め制御装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記切り換え部は、前記位置検出器の2値化信号の周波数が制御系の応答周波数よりも2倍以上高くなる点を切り換え点として設定する請求項1記載の位置決め制御装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記第1の速度演算部は位相の異なる2つの2値化信号をカウントするアップダウンカウンタのカウント値から速度を算出し、前記第2の速度演算部は位相の異なる2つのアナログ信号の内挿値と前記カウント値から速度を算出する請求項1又は2記載の位置決め制御装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記第1の速度演算部は位相の異なる2つの2値化信号のどちらか一方の信号の周期を基本クロックで計測する速度カウンタより速度を算出し、前記第2の速度演算部は位相の異なる2つのアナログ信号の内挿値と2値化信号のカウント値から速度を算出する請求項1又は2記載の位置決め制御装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記第1の速度演算部は位相の異なる2つの2値化信号のどちらか一方の信号の周期を基本クロックで計測する速度カウンタより速度を算出し、前記第2の速度演算部は位相の異なる2つのアナログ信号の内挿値と2値化信号のカウント値から速度を算出する請求項1又は2記載の位置決め制御装置を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、第1の位置演算部と第2の位置演算部とを備え、前記切り換え部によって、位置演算部を切り換える位置をフィードバックする請求項1乃至4のいずれか1項記載の位置決め制御装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、位置検出器の位相の異なる2つのアナログ出力信号と夫々を2値化した2値化信号に基づいて処理を行う第1の速度演算部と第2の速度演算部とを備え、所定の条件によって前記2つの速度演算部を切り換えて速度フィードバックを行う位置決め制御装置の制御方法において、前記2つの速度演算部の切り換えを前記2値化信号の周波数と制御系の応答周波数に基づいて前記第1及び第2の速度演算部の切り換え条件を設定する位置決め制御装置の制御方法を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、位置検出器の位相の異なる2つのアナログ出力信号と夫々を2値化した2値化信号に基づいて処理を行う第1の速度演算部と第2の速度演算部とを備え、所定の条件によって前記2つの速度演算部を切り換えて速度フィードバックを行う位置決め制御装置の制御方法において、前記2つの速度演算部の切り換えを前記2値化信号の周波数と制御系の応答周波数に基づいて前記第1及び第2の速度演算部の切り換え条件を設定する位置決め制御装置の制御方法を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、位置検出器の2値化信号の周波数が制御系の応答周波数よりも2倍以上高くなる点を切り換え点として設定する請求項6の位置決め制御装置の制御方法を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、スキャナ部で読み取った原稿画像を給紙部から搬送された記録紙に印字ヘッドから吐出した液滴で印字を行って排紙部へ排紙する画像形成装置において、請求項1乃至5の何れか1項記載の位置決め制御装置を備える画像形成装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、スキャナ部で読み取った原稿画像を給紙部から搬送された記録紙に印字ヘッドから吐出した液滴で印字を行って排紙部へ排紙する画像形成装置において、請求項1乃至5の何れか1項記載の位置決め制御装置を備える画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、2つの速度演算部を切り換えるタイミングを明確にすることにより、実験的や経験的な調整を不要とし、補償器の定数を変更しても検出系の特性により制御系の制御性能が低下することのない2つの速度演算部と切り換え部を備えた位置決め制御装置を提供することができる。
また、本発明によれば、2つの速度演算ステップを切り換えるタイミングを明確にすることにより、実験的や経験的な調整を不要とし、補償器の定数を変更しても検出系の特性により制御系の制御性能が低下することのない2つの速度演算ステップと切り換えステップを備えた位置決め制御装置の制御方法を提供することができる。
また、本発明によれば、位置決め制御装置を備えることによって、高速時でも低速時でも安定した動作を行うことによって高速かつ高精度に位置決めをし、高精度な画像を形成できる画像形成装置を提供できる。
また、本発明によれば、2つの速度演算ステップを切り換えるタイミングを明確にすることにより、実験的や経験的な調整を不要とし、補償器の定数を変更しても検出系の特性により制御系の制御性能が低下することのない2つの速度演算ステップと切り換えステップを備えた位置決め制御装置の制御方法を提供することができる。
また、本発明によれば、位置決め制御装置を備えることによって、高速時でも低速時でも安定した動作を行うことによって高速かつ高精度に位置決めをし、高精度な画像を形成できる画像形成装置を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る紙搬送装置を備えた画像形成装置であるインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。図1において、インクジェット記録装置1は、プリンタ部36の上方にスキャナ部30を配置し、複写装置として構成されている。スキャナ部30とプリンタ部36の間には排紙部40が形成されている。
スキャナ部30は、コンタクトガラス31の下方に走査手段32が走行可能に配設されており、光源により照明された原稿からの反射光を、ミラー、レンズ等を介してCCD33に導き、原稿画像の読み取りが行われる。コンタクトガラス31の上方には、圧板34が開閉可能に設けられている。
プリンタ部36において、下方に配置された給紙カセット27から排紙部40に到る記録紙搬送路が図に1点鎖線で示すように形成され、その記録紙搬送路中の所定個所に搬送ローラ25が適宜設置されている。
なお、符号24は給紙ローラ、符号26は排紙ローラである。また、手差しトレイ28が装置側面に設けられ、この手差しトレイ28からも給紙ローラ29を介して記録紙が給送される。
スキャナ部30は、コンタクトガラス31の下方に走査手段32が走行可能に配設されており、光源により照明された原稿からの反射光を、ミラー、レンズ等を介してCCD33に導き、原稿画像の読み取りが行われる。コンタクトガラス31の上方には、圧板34が開閉可能に設けられている。
プリンタ部36において、下方に配置された給紙カセット27から排紙部40に到る記録紙搬送路が図に1点鎖線で示すように形成され、その記録紙搬送路中の所定個所に搬送ローラ25が適宜設置されている。
なお、符号24は給紙ローラ、符号26は排紙ローラである。また、手差しトレイ28が装置側面に設けられ、この手差しトレイ28からも給紙ローラ29を介して記録紙が給送される。
インクジェットエンジン20は記録紙搬送装置37を有しており、本実施の形態では静電吸着ベルトを用いて記録紙を副走査方向に搬送するシステムを採用している。静電吸着ベルトによる搬送システムは従来のローラ搬送方式に比べて安定した紙送りが可能である。
記録紙搬送装置37の上に位置するキャリッジ21は、印字ヘッド22を搭載して主走査方向(図面に垂直な方向)に往復移動し、印字ヘッド22から液滴を吐出して印字を行う。
本実施の形態の印字ヘッド22はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色に対して1ヘッドの4ヘッド構成である。ただし、ヘッド数はこれに限らず、2色で1ヘッドの2ヘッド構成等でも良い。また、主走査方向に往復移動しないラインヘッドでも良い。
記録紙搬送装置37の上に位置するキャリッジ21は、印字ヘッド22を搭載して主走査方向(図面に垂直な方向)に往復移動し、印字ヘッド22から液滴を吐出して印字を行う。
本実施の形態の印字ヘッド22はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色に対して1ヘッドの4ヘッド構成である。ただし、ヘッド数はこれに限らず、2色で1ヘッドの2ヘッド構成等でも良い。また、主走査方向に往復移動しないラインヘッドでも良い。
本実施の形態のインクジェット記録装置1は、各色インクカートリッジ23を印字ヘッド22とは別に搭載し、このカートリッジ23内のインクが図示しない供給チューブを介して印字ヘッド22に供給される。
各色インクカートリッジを印字ヘッドとは別に搭載する方式は、プリントの高速化に伴うインク消費の増大に対応する大容量タイプのカートリッジを使用可能であり、業務用に適した方式である。ただし、インク供給方式は、印字ヘッドとカートリッジ一体のタイプの構成でも良い。
各色インクカートリッジを印字ヘッドとは別に搭載する方式は、プリントの高速化に伴うインク消費の増大に対応する大容量タイプのカートリッジを使用可能であり、業務用に適した方式である。ただし、インク供給方式は、印字ヘッドとカートリッジ一体のタイプの構成でも良い。
図2は図1の記録紙搬送装置の構成を詳しく示す詳細図である。図3は静電吸着ベルトとプラテンの位置関係を図2より簡略化して示す図1の記録紙搬送装置の概略図である。
図2及び図3を参照して、記録紙を副走査方向に搬送する搬送手段としての静電吸着ベルト2は無端ループ状に形成され、搬送ローラ3とテンションローラ4とに掛け渡されている。
静電吸着ベルト2に電荷を付与する帯電ローラ5、静電吸着ベルト2を除電するための除電ブラシ6、静電吸着ベルト2をクリーニングするためのクリーニングブレード7が、夫々静電吸着ベルト2の外周面に圧接されている。
帯電ローラ5、除電ブラシ6及びクリーニングブレード7は、ブラケット16に支持されている。このブラケット16には、クリーニングブレード7により静電吸着ベルト2から除去した紙粉やインク汚れ等を貯留する回収部が設けられている。
図2及び図3を参照して、記録紙を副走査方向に搬送する搬送手段としての静電吸着ベルト2は無端ループ状に形成され、搬送ローラ3とテンションローラ4とに掛け渡されている。
静電吸着ベルト2に電荷を付与する帯電ローラ5、静電吸着ベルト2を除電するための除電ブラシ6、静電吸着ベルト2をクリーニングするためのクリーニングブレード7が、夫々静電吸着ベルト2の外周面に圧接されている。
帯電ローラ5、除電ブラシ6及びクリーニングブレード7は、ブラケット16に支持されている。このブラケット16には、クリーニングブレード7により静電吸着ベルト2から除去した紙粉やインク汚れ等を貯留する回収部が設けられている。
加圧板14に適宜な手段で支持された加圧コロ13は、搬送ローラ3に対向して配置されている。加圧板14の先端には、先端加圧コロ15が適宜な手段で支持されている。この先端加圧コロ15は、静電吸着ベルト2の上辺部の内側に配置されたプラテン10(図14参照)に対し、静電吸着ベルト2を押し付ける働きをする。
搬送ローラ3の側方には入口ガイド部材35が配置されており、給紙部から給送されてきた記録紙を、搬送ローラ3(静電吸着ベルト2)と加圧板14の間に案内する。
静電吸着ベルト2の上面に静電的に吸着された記録紙は、図において反時計回りに回動する静電吸着ベルト2によって図の右方向から左方向、すなわち副走査方向に搬送される。
搬送ローラ3の側方には入口ガイド部材35が配置されており、給紙部から給送されてきた記録紙を、搬送ローラ3(静電吸着ベルト2)と加圧板14の間に案内する。
静電吸着ベルト2の上面に静電的に吸着された記録紙は、図において反時計回りに回動する静電吸着ベルト2によって図の右方向から左方向、すなわち副走査方向に搬送される。
テンションローラ4の下流側には、排紙ローラ17と拍車18からなる排紙ローラ対が設けられている。テンションローラ4の近傍には分離爪19が設けられており、分離爪19によって静電吸着ベルト2から分離された記録紙は、排紙ローラ17と拍車18からなる排紙ローラ対によって下流側に送られる。
搬送ローラ3の軸には、コードホイール8が装着されている。コードホイール8には図示しないスリットが形成されており、このスリットを検出するための透過型のエンコーダセンサ9が設けられている。コードホイール8とエンコーダセンサ9によって、ロータリエンコーダを構成している。
搬送ローラ3の軸には、コードホイール8が装着されている。コードホイール8には図示しないスリットが形成されており、このスリットを検出するための透過型のエンコーダセンサ9が設けられている。コードホイール8とエンコーダセンサ9によって、ロータリエンコーダを構成している。
図4はベルト搬送機構の伝達機構を示す概略図である。図4には、上記で説明した記録紙搬送装置にも使用されているベルト搬送機構の伝達機構を示している。モータ38が発生した駆動力は、モータプーリ39とタイミングベルト41と搬送ローラ3(図3)の軸の片端面に取り付けられているプーリ40からなる減速機構を介して、搬送ローラ3へと伝達される。
図2及び図3に示したコードホイール8は、プーリ40と同軸上もしくはプーリ40が取り付けられている搬送ローラ3の軸の端面とは反対となる端面に取り付けられている。また、エンコーダセンサ9とコードホイール8からなるロータリエンコーダはモータ軸と同軸上に取り付けられていても良い。
図2及び図3に示したコードホイール8は、プーリ40と同軸上もしくはプーリ40が取り付けられている搬送ローラ3の軸の端面とは反対となる端面に取り付けられている。また、エンコーダセンサ9とコードホイール8からなるロータリエンコーダはモータ軸と同軸上に取り付けられていても良い。
図5は直動ステージを示す概略図である。この直動ステージ42は回転系の制御対象に代わる構成である。この場合、エンコーダはモータ軸と同軸上のロータリエンコーダでもキャリッジ44に取り付けられたリニアエンコーダ46でも良い。モータ45の回転はボールねじ42等によって回転運動を直線運動に変換され、キャリッジ44を駆動する。キャリッジ44の動きはリニアエンコーダ46によって位置情報として検出される。
また、図2及び図3を参照して、静電吸着ベルト2の動きを直接検出する図示してないリニアスケールを使用する場合を説明する。コードホイール8やエンコーダセンサ9に代えて、静電吸着ベルト2の裏面には図示しないリニアスケールが形成されている。
また、図2及び図3を参照して、静電吸着ベルト2の動きを直接検出する図示してないリニアスケールを使用する場合を説明する。コードホイール8やエンコーダセンサ9に代えて、静電吸着ベルト2の裏面には図示しないリニアスケールが形成されている。
リニアスケールは、例えば、静電吸着ベルト2裏面へのアルミ蒸着により形成する(アルミ蒸着してレーザで飛ばして縞模様を形成する)ことができる。使用するリニアスケールはフォトマスクにより製作したもの等、多々あるが製造方法は限定しない。
このリニアスケールは、静電吸着ベルト2裏面に配置されたプラテン10により邪魔されない所定部位に設けられたものである。静電吸着ベルト2のループ内には、上記リニアスケールを読み取るための反射型のエンコーダセンサ11が配置されている。
静電吸着ベルト2裏面に形成されたリニアスケールとセンサ11で、リニアエンコーダを構成する。また、本実施の形態では、静電吸着ベルト2裏側にリニアスケールを形成したが、静電吸着ベルト2表面やこのベルト端面等のベルトの位置が計測できる構成であれば良い。
上記のようなインクジェットエンジンに使用されているロータリエンコーダやリニアエンコーダをアナログ出力のセンサとし、本発明の構成や動作・方法を使用することによってインクジェット記録装置の生産性、安定性及び性能を向上させることができる。
このリニアスケールは、静電吸着ベルト2裏面に配置されたプラテン10により邪魔されない所定部位に設けられたものである。静電吸着ベルト2のループ内には、上記リニアスケールを読み取るための反射型のエンコーダセンサ11が配置されている。
静電吸着ベルト2裏面に形成されたリニアスケールとセンサ11で、リニアエンコーダを構成する。また、本実施の形態では、静電吸着ベルト2裏側にリニアスケールを形成したが、静電吸着ベルト2表面やこのベルト端面等のベルトの位置が計測できる構成であれば良い。
上記のようなインクジェットエンジンに使用されているロータリエンコーダやリニアエンコーダをアナログ出力のセンサとし、本発明の構成や動作・方法を使用することによってインクジェット記録装置の生産性、安定性及び性能を向上させることができる。
図6は位置のフィードバックループのみからなる位置決め制御装置を示すブロック線図である。図7は位置と速度のフィードバックループからなる位置決め制御装置を示すブロック線図である。一般的な位置決め制御装置のブロック線図である。次に、一般的な位置決め制御装置について説明する。
図6には位置のフィードバックループのみからなる位置決め制御装置を、そして図7には位置と速度のフィードバックループからなる位置決め制御装置を示している。
先ず、図6のブロック線図について説明する。目標値(目標位置)とフィードバックされた位置情報は比較器50で比較され、位置偏差として位置補償器51へ入力される。
位置補償器51では、所定のゲインの乗算や所定のフィルタ処理が行われて、電圧指令値もしくは電流指令値として出力され、ドライバ52へ入力される。位置補償器51は、PIDや位相進みや位相遅れ等の古典制御理論や、図示されていないが、制御対象54の状態量をフィードバックする現代制御理論に基づく状態フィードバックや、H∞制御に代表されるロバスト制御理論等のいずれの補償方法を使用しても良い。
図6には位置のフィードバックループのみからなる位置決め制御装置を、そして図7には位置と速度のフィードバックループからなる位置決め制御装置を示している。
先ず、図6のブロック線図について説明する。目標値(目標位置)とフィードバックされた位置情報は比較器50で比較され、位置偏差として位置補償器51へ入力される。
位置補償器51では、所定のゲインの乗算や所定のフィルタ処理が行われて、電圧指令値もしくは電流指令値として出力され、ドライバ52へ入力される。位置補償器51は、PIDや位相進みや位相遅れ等の古典制御理論や、図示されていないが、制御対象54の状態量をフィードバックする現代制御理論に基づく状態フィードバックや、H∞制御に代表されるロバスト制御理論等のいずれの補償方法を使用しても良い。
ドライバ52は電圧指令値に応じたモータ電圧を流す電圧制御ドライバもしくは、電流指令値に応じたモータ電流を流す電流制御ドライバから構築される。ここでは、伝達特性が簡単となる電流制御ドライバを使用するものとして説明する。
電流ドライバ52によってサーボモータ53は位置補償器51からの指令電流相当のモータ電流で駆動される。モータの駆動力は、伝達機構を介して制御対象54を駆動する。制御対象54の回転位置もしくは位置は位置検出器55によって検出される。
この位置検出器55は図5中のリニアエンコーダ46や、図2中のコードホイール8とエンコーダセンサ9に相当する。位置検出器55で検出された位置情報は比較器50へとフィードバックされる。
サーボモータ53としては、DCブラシ付きモータ、DCブラシレスモータ、ACサーボモータ等が使用できる。前記サーボモータの種類によって、ドライバ52の駆動形式(単相、三相、ホール素子入力等)も変わってくる。
電流ドライバ52によってサーボモータ53は位置補償器51からの指令電流相当のモータ電流で駆動される。モータの駆動力は、伝達機構を介して制御対象54を駆動する。制御対象54の回転位置もしくは位置は位置検出器55によって検出される。
この位置検出器55は図5中のリニアエンコーダ46や、図2中のコードホイール8とエンコーダセンサ9に相当する。位置検出器55で検出された位置情報は比較器50へとフィードバックされる。
サーボモータ53としては、DCブラシ付きモータ、DCブラシレスモータ、ACサーボモータ等が使用できる。前記サーボモータの種類によって、ドライバ52の駆動形式(単相、三相、ホール素子入力等)も変わってくる。
図7のブロック線図について説明する。目標値(目標位置)とフィードバックされた位置情報は比較器56で比較され、位置偏差として位置補償器57へ入力される。位置補償器57では所定のゲインの乗算や所定のフィルタ処理がされて、目標速度が出力される。
出力された目標速度とフィードバックされる速度情報は比較器58で比較され、速度偏差として速度補償器59へ入力される。この速度補償器59からは所定のゲインの乗算や所定のフィルタ処理が行われて電圧指令値もしくは電流指令値として出力され、ドライバ52へ入力される。
位置補償器57、速度補償器59は、PID、位相進み、位相遅れ等の古典制御理論、図示されていないが、制御対象54の状態量をフィードバックする現代制御理論に基づく状態フィードバック、H∞制御に代表されるロバスト制御理論等のいずれの補償方法を使用しても良い。
出力された目標速度とフィードバックされる速度情報は比較器58で比較され、速度偏差として速度補償器59へ入力される。この速度補償器59からは所定のゲインの乗算や所定のフィルタ処理が行われて電圧指令値もしくは電流指令値として出力され、ドライバ52へ入力される。
位置補償器57、速度補償器59は、PID、位相進み、位相遅れ等の古典制御理論、図示されていないが、制御対象54の状態量をフィードバックする現代制御理論に基づく状態フィードバック、H∞制御に代表されるロバスト制御理論等のいずれの補償方法を使用しても良い。
ドライバ52は電圧指令値に応じたモータ電圧を流す電圧制御ドライバもしくは電流指令値に応じたモータ電流を流す電流制御ドライバから構築される。ここでは、伝達特性が簡単となる電流制御ドライバを使用するものとして説明する。
電流ドライバ52によってサーボモータ53は速度補償器59からの指令電流相当のモータ電流で駆動される。モータの駆動力は、伝達機構によって制御対象54を駆動する。位置検出器60によって、制御対象54の回転位置もしくは位置が検出される。
位置検出器60は、図5中のリニアエンコーダ46や、図2中のコードホイール8とエンコーダセンサ9に相当する。位置検出器60で検出された位置情報は比較器56へとフィードバックされる。
位置検出器60によって検出された位置情報は、速度演算部61へ入力され、速度情報へ変換されて比較器58へフィードバックされる。速度演算部61では、所定周期毎の位置情報の差分や、位置情報の周期を測定する方法(速度カウンタやF/V変換等)によって速度情報を得ることができる。
サーボモータ53は、DCブラシ付きモータ、DCブラシレスモータ、ACサーボモータ等が使用できる。前記サーボモータの種類によって、ドライバ52の駆動形式(単相、三相、ホール素子入力等)も変わってくる。
図6及び図7を参照して上述した一般的な位置決め制御装置では、ノイズに強く、扱い易いことから位相の異なる2値化されたエンコーダ信号を使用して位置情報を取得している。
電流ドライバ52によってサーボモータ53は速度補償器59からの指令電流相当のモータ電流で駆動される。モータの駆動力は、伝達機構によって制御対象54を駆動する。位置検出器60によって、制御対象54の回転位置もしくは位置が検出される。
位置検出器60は、図5中のリニアエンコーダ46や、図2中のコードホイール8とエンコーダセンサ9に相当する。位置検出器60で検出された位置情報は比較器56へとフィードバックされる。
位置検出器60によって検出された位置情報は、速度演算部61へ入力され、速度情報へ変換されて比較器58へフィードバックされる。速度演算部61では、所定周期毎の位置情報の差分や、位置情報の周期を測定する方法(速度カウンタやF/V変換等)によって速度情報を得ることができる。
サーボモータ53は、DCブラシ付きモータ、DCブラシレスモータ、ACサーボモータ等が使用できる。前記サーボモータの種類によって、ドライバ52の駆動形式(単相、三相、ホール素子入力等)も変わってくる。
図6及び図7を参照して上述した一般的な位置決め制御装置では、ノイズに強く、扱い易いことから位相の異なる2値化されたエンコーダ信号を使用して位置情報を取得している。
図8は本発明による位置決め制御装置を示すブロック線図である。図9は図8の本発明による位置決め制御装置にエンコーダの2値化信号のパルス間隔を基準クロックでカウントして速度を検出する速度カウンタを付加した構成を示すブロック線図である。
本発明による位置決め制御装置の構成を図8に基づき説明する。ここでは、演算器にDSP(デジタル信号プロセッサ)を使用し、ホストCPU(HOST−CPU)62とホストI/F(HOSTI/F)63を介して、通信を行う形とする。演算器は、DSPに代えてCPUを使用しても良い。ホストCPU62に処理能力があれば、DSP64に代えて、全てホストCPU62で処理しても良い。
図示してないモータの回転軸にはロータリエンコーダ68が取り付けられている。ロータリエンコーダ68はモータの回転角度を検出し、位相が90度異なる正弦波もしくは正弦波に近いA相及びB相のアナログ信号を出力する。A相及びB相のアナログエンコーダ信号は2値化回路70に入力される。
本発明による位置決め制御装置の構成を図8に基づき説明する。ここでは、演算器にDSP(デジタル信号プロセッサ)を使用し、ホストCPU(HOST−CPU)62とホストI/F(HOSTI/F)63を介して、通信を行う形とする。演算器は、DSPに代えてCPUを使用しても良い。ホストCPU62に処理能力があれば、DSP64に代えて、全てホストCPU62で処理しても良い。
図示してないモータの回転軸にはロータリエンコーダ68が取り付けられている。ロータリエンコーダ68はモータの回転角度を検出し、位相が90度異なる正弦波もしくは正弦波に近いA相及びB相のアナログ信号を出力する。A相及びB相のアナログエンコーダ信号は2値化回路70に入力される。
2値化回路70では、コンパレータ等からなる回路によって所定の電圧のスレッシュレベルで0もしくは1のパルス信号に変換される。また、一般的に、2値化回路70中では、アナログ信号のノイズに対してロバストとするために、前記スレッシュレベルにヒステリシス特性を持たせている。
これによって、パルス信号のエッジでのチャタリングのような信号レベルの異常動作は防ぐことができる。例えば、図14に示したパルス信号A_pulse、B_pulseは、夫々のパルスのエッジを検出することによって4逓倍を行うアップダウンカウンタ71に入力されカウントされる。このカウント値に所定の定数を乗じることによって、検出対象の回転角度もしくは位置を検出することができる。
これによって、パルス信号のエッジでのチャタリングのような信号レベルの異常動作は防ぐことができる。例えば、図14に示したパルス信号A_pulse、B_pulseは、夫々のパルスのエッジを検出することによって4逓倍を行うアップダウンカウンタ71に入力されカウントされる。このカウント値に所定の定数を乗じることによって、検出対象の回転角度もしくは位置を検出することができる。
なお、アップダウンカウンタ71は2相のエッジを検出する方法の他に、エンコーダ周期よりも十分に速い基準クロックによって2相の信号の遷移状態を検出することにより4逓倍カウントすることも可能である。アップダウンカウンタ71のカウントデータはDSP64に取り込まれる。
また、パルス信号A_pulse、B_pulseはPIO(プログラムI/O転送)72のインポートから2値の状態をDSP64に取り込む。ロータリエンコーダ68の出力のA相及びB相のアナログ信号は、2値化回路70に加えてA/Dコンバータ69にも入力される。
また、パルス信号A_pulse、B_pulseはPIO(プログラムI/O転送)72のインポートから2値の状態をDSP64に取り込む。ロータリエンコーダ68の出力のA相及びB相のアナログ信号は、2値化回路70に加えてA/Dコンバータ69にも入力される。
このA/Dコンバータ69では、A相及びB相のアナログ信号を数ビット(bit)のデジタル信号に変換し、このデジタル信号はDSP64に取り込まれる。DSP64のバス(BUS)65にはROM66、RAM67が配置されており、ROM66内のプログラムやRAM67に配置されたデータに基づいて位置決め制御演算や内挿演算、位相補正演算が実行される。
演算プログラムは、高速化のためにROM66からRAM67上に展開して実行してもよい。制御演算結果は、D/Aコンバータ74を介して電流指令値もしくは電圧指令値としてアナログ信号でモータドライバ73へ入力され、図示してないモータが駆動される。
ここでは、D/Aコンバータ74を介してモータドライバ73へ指令値を出力しているが、バス65に配置され、デジタル値で直接駆動できるモータドライバを使用しても良い。また、PWM出力によってモータドライバへ指令値を渡しても良い。
上記では、パルス信号の2値の状態をPIO72より取得するとしているが、ASIC等によって前記アップダウンカウンタ71等を含んだ周辺回路を構成し、そのASIC等の周辺回路からDSP64が、直接前記2値信号の状態を、レジスタ等を通して読み取れる構成でも良い。
演算プログラムは、高速化のためにROM66からRAM67上に展開して実行してもよい。制御演算結果は、D/Aコンバータ74を介して電流指令値もしくは電圧指令値としてアナログ信号でモータドライバ73へ入力され、図示してないモータが駆動される。
ここでは、D/Aコンバータ74を介してモータドライバ73へ指令値を出力しているが、バス65に配置され、デジタル値で直接駆動できるモータドライバを使用しても良い。また、PWM出力によってモータドライバへ指令値を渡しても良い。
上記では、パルス信号の2値の状態をPIO72より取得するとしているが、ASIC等によって前記アップダウンカウンタ71等を含んだ周辺回路を構成し、そのASIC等の周辺回路からDSP64が、直接前記2値信号の状態を、レジスタ等を通して読み取れる構成でも良い。
ロータリエンコーダ68はモータの回転軸と同軸上でなく、伝達機構の途中や制御したい軸上に取り付けられていても良い。また、図8では回転系を対象として説明しているが、図5に示したような直動ステージ43でも良い。
この場合、エンコーダはモータ軸と同軸上のロータリエンコーダでもキャリッジ44に取り付けられたリニアエンコーダ46でも良い。モータ45の回転はボールねじ42等によって回転運動を直線運動に変換され、キャリッジ44を駆動する。
キャリッジ44の動きはリニアエンコーダ46によって位置情報として検出される。上述した図9は、エンコーダの2値化信号のパルス間隔を基準クロックでカウントして速度を検出する速度カウンタ75を図8の構成に付加しただけなので、図8と同一部分に同一符号を付して全体の説明は省略する。
この場合、エンコーダはモータ軸と同軸上のロータリエンコーダでもキャリッジ44に取り付けられたリニアエンコーダ46でも良い。モータ45の回転はボールねじ42等によって回転運動を直線運動に変換され、キャリッジ44を駆動する。
キャリッジ44の動きはリニアエンコーダ46によって位置情報として検出される。上述した図9は、エンコーダの2値化信号のパルス間隔を基準クロックでカウントして速度を検出する速度カウンタ75を図8の構成に付加しただけなので、図8と同一部分に同一符号を付して全体の説明は省略する。
図10は図7の位置決め制御装置に本発明の構成を適用した位置決め制御装置を示すブロック線図である。図10の位置決め制御装置では、2相2値化信号を出力する位置検出器に代えて、2相アナログ信号を出力する位置検出器76とする。
この位置検出器76の出力は、2値化回路77によって2相2値化信号として出力され、アップダウンカウンタ78によってカウントされ、そのカウント値が出力される。アップダウンカウンタ78は、一般的に、A相及びB相パルスのアップ/ダウンエッジを検出する4逓倍カウンタが使用される。
一方、2相アナログ信号は、内挿演算器79に入力され内挿値が算出される。ここには図示していないが内挿値を算出する際、2相2値化信号の状態を検出する必要がある場合もある。内挿値とカウント値には図示してない所定の定数を乗算し、加算器80において合成される。
この位置検出器76の出力は、2値化回路77によって2相2値化信号として出力され、アップダウンカウンタ78によってカウントされ、そのカウント値が出力される。アップダウンカウンタ78は、一般的に、A相及びB相パルスのアップ/ダウンエッジを検出する4逓倍カウンタが使用される。
一方、2相アナログ信号は、内挿演算器79に入力され内挿値が算出される。ここには図示していないが内挿値を算出する際、2相2値化信号の状態を検出する必要がある場合もある。内挿値とカウント値には図示してない所定の定数を乗算し、加算器80において合成される。
内挿値とカウント値の合成値を算出する場合、両信号の位相ずれを補正するために、図示してない位相補正器によって合成値の補正を行う場合もある。カウント値は、第1速度演算器81において所定サンプリング時間ごとの差分演算によって第1の速度が算出される。
また、第1の速度を算出する場合、2値化信号のどちらか一方の信号の周期を基準クロックによって算出する速度カウンタや、fV変換器を使用することもできる。
この場合、2つの信号の夫々のデューティ比の違いによって生じる速度変動を抑えることが可能であり、かつハードウェアで構築すると制御演算の演算負荷を低減することが可能である。しかし、速度が遅い領域になると4逓倍カウンタを用いる場合と比較して、情報量が不足する問題もある。
また、第1の速度を算出する場合、2値化信号のどちらか一方の信号の周期を基準クロックによって算出する速度カウンタや、fV変換器を使用することもできる。
この場合、2つの信号の夫々のデューティ比の違いによって生じる速度変動を抑えることが可能であり、かつハードウェアで構築すると制御演算の演算負荷を低減することが可能である。しかし、速度が遅い領域になると4逓倍カウンタを用いる場合と比較して、情報量が不足する問題もある。
内挿値とカウント値から算出された合成値は、第2速度演算器82に入力され、所定サンプリング時間ごとの差分演算によって第2の速度が算出される。第1の速度と第2の速度は速度切換え器83によって切り換えられる。
この切り換えの条件は、速度フィードバックループの応答周波数をωcとすると、アップダウンカウンタ78の変化の仕方、すなわち、エンコーダ周波数ωencを比較することによって行う。エンコーダ周波数ωencは、第1の速度から簡単に求めることができる。
例えば、速度をVenc(パルス/秒)とした場合、単純にHz=パルス/秒(pulse/s)となり、ωenc(rad/s)=Venc(パルス/秒)/(2π)となる。
この切り換えの条件は、速度フィードバックループの応答周波数をωcとすると、アップダウンカウンタ78の変化の仕方、すなわち、エンコーダ周波数ωencを比較することによって行う。エンコーダ周波数ωencは、第1の速度から簡単に求めることができる。
例えば、速度をVenc(パルス/秒)とした場合、単純にHz=パルス/秒(pulse/s)となり、ωenc(rad/s)=Venc(パルス/秒)/(2π)となる。
切り換え条件として、エンコーダの情報が制御系の応答周波数ωc以上あるようにするために、エンコーダ周波数がサンプラのサンプリング周波数と考えると、サンプリングしたい周波数の2倍以上となる必要がある(ナイキスト周波数より)。切り換え部における切り換えタイミングの明確な設定値を示すことによって、位置決め制御装置の動作に応じて最適となる条件を提供することができる。
従って、この考え方から切り換え点をωswとすると、
・・・(1)
となるように設定され、速度切換え器83では、(1)式の条件を満たしている場合、第1の速度を選択し、満たしていない場合、第2の速度を選択する。
従って、この考え方から切り換え点をωswとすると、
・・・(1)
となるように設定され、速度切換え器83では、(1)式の条件を満たしている場合、第1の速度を選択し、満たしていない場合、第2の速度を選択する。
上記2倍の値は限界値であるため、一般的には、5倍から10倍位に設定される。また、第1の速度と第2の速度の切換え点近傍では、ωencの微小な変化やノイズによって、第1の速度になったりあるいは第2の速度になったりする不安定な状態を避ける必要がある。
このため、第1の速度から第2の速度に切り換わる(高速→低速)時は、
・・・(2)
第2の速度から第1の速度に切り換わる(低速→高速)時は、
・・・(3)
の形のヒステリシス特性を持たせると良い。
このため、第1の速度から第2の速度に切り換わる(高速→低速)時は、
・・・(2)
第2の速度から第1の速度に切り換わる(低速→高速)時は、
・・・(3)
の形のヒステリシス特性を持たせると良い。
α12、α21はヒステリシスの幅である。また、ノイズ対策として前記第1の速度から求まるエンコーダ周波数ωencをFIRフィルタやIIRフィルタによってローパスフィルタ処理しても良い。上記では、速度切り換え部83において第1の速度を周波数に変換して比較する例を説明したが、速度の形で比較しても良い。
加えて、速度フィードバックループの外側にある位置フィードバックループに位置切換え器84を備えた事例について説明する。図7、図10の位置決め制御装置の位置フィードバックループは、目標位置とフィードバックされる位置情報は比較器56で比較され、位置偏差として出力される。
加えて、速度フィードバックループの外側にある位置フィードバックループに位置切換え器84を備えた事例について説明する。図7、図10の位置決め制御装置の位置フィードバックループは、目標位置とフィードバックされる位置情報は比較器56で比較され、位置偏差として出力される。
前記位置偏差は位置補償器57に入力され、所定のゲインの乗算や所定のフィルタ処理が行われ、出力される。この出力は、マイナーループである速度フィードバックループの目標速度となる。
低速領域では、この目標速度を滑らかにするために、カウント値と内挿値から合成された位置である第2の位置を位置フィードバックに使用する。高速領域では、目標速度のノイズを低減するためにカウント値である第1の位置を位置フィードバックに使用する。この切り換えを、位置切換え器84によって行う。位置切換え器84は、上記で説明した速度切換え器83と同様に、位置フィードバックループの応答周波数ωcpに所定の定数を乗算した値、すなわち、切り換え点ωswpと、アップダウンカウンタ78の変化の仕方、すなわち、エンコーダ周波数ωencを比較することによって行う。
低速領域では、この目標速度を滑らかにするために、カウント値と内挿値から合成された位置である第2の位置を位置フィードバックに使用する。高速領域では、目標速度のノイズを低減するためにカウント値である第1の位置を位置フィードバックに使用する。この切り換えを、位置切換え器84によって行う。位置切換え器84は、上記で説明した速度切換え器83と同様に、位置フィードバックループの応答周波数ωcpに所定の定数を乗算した値、すなわち、切り換え点ωswpと、アップダウンカウンタ78の変化の仕方、すなわち、エンコーダ周波数ωencを比較することによって行う。
エンコーダ周波数ωencは第1の速度から簡単に求めることができる。切り換え条件等や動作は、図10で説明した速度切換え器83と同様である。図10には、図7と同様な、ドライバ52、モータ53、制御対象54が示されている。
制御対象の動作に応じた分解能の目標速度の演算や、目標位置のプロファイルが生成できるように、位置演算部を切り換える切り換え部と位置フィードバックを備えることによって、安定した位置決め動作ができる位置決め制御装置を提供することができる。
制御対象の動作に応じた分解能の目標速度の演算や、目標位置のプロファイルが生成できるように、位置演算部を切り換える切り換え部と位置フィードバックを備えることによって、安定した位置決め動作ができる位置決め制御装置を提供することができる。
図11は図6の位置決め制御装置に本発明を適用した位置決め制御装置を示すブロック線図である。図10で説明したと同様に、この位置決め制御装置では、2相2値化信号を出力する位置検出器に代えて、2相アナログ信号を出力する位置検出器76とする。
位置検出器76の出力は、2値化回路77によって2相2値化信号として出力され、アップダウンカウンタ78によってカウントされ、カウント値が出力される。アップダウンカウンタ78は、一般的に、A相及びB相パルスのアップ/ダウンエッジを検出する4逓倍カウンタが使用される。
一方、2相アナログ信号は、内挿演算器79に入力され、内挿値が算出される。ここには図示していないが内挿値を算出する際、2相2値化信号の状態を検出する必要がある場合もある。
位置検出器76の出力は、2値化回路77によって2相2値化信号として出力され、アップダウンカウンタ78によってカウントされ、カウント値が出力される。アップダウンカウンタ78は、一般的に、A相及びB相パルスのアップ/ダウンエッジを検出する4逓倍カウンタが使用される。
一方、2相アナログ信号は、内挿演算器79に入力され、内挿値が算出される。ここには図示していないが内挿値を算出する際、2相2値化信号の状態を検出する必要がある場合もある。
内挿値とカウント値には図示してない所定の定数を乗算し、加算器80において合成される。内挿値とカウント値の合成値を算出する場合、両信号の位相ずれを補正するために図示してない位相補正器によって、合成値の補正を行う場合もある。
カウント値からは、周波数検出器85において所定サンプリング時間ごとの差分演算等によってエンコーダ周波数ωencが算出される。また、エンコーダ周波数ωencを算出する場合、2値化信号のどちらか一方の信号の周期を基準クロックによって算出する周波数カウンタや、fV変換器を使用しても良い。
前記カウント値を第1の位置、前記カウント値と内挿値の合成値を第2の位置とする。第1の位置と第2の位置は位置切換え器86によって切り換えられる。この切り換えは、位置フィードバックループの応答周波数ωcpに所定の定数を乗算した値、すなわち、切り換え点ωswpと、周波数検出器85のエンコーダ周波数ωencを比較することによって行う。
切り換え条件等や動作は、図10で説明した速度切換え器83と同様であり、前記速度フィードバックループの応答周波数ωcを位置フィードバックループの応答周波数ωcpに置き換えて考えればよい。
カウント値からは、周波数検出器85において所定サンプリング時間ごとの差分演算等によってエンコーダ周波数ωencが算出される。また、エンコーダ周波数ωencを算出する場合、2値化信号のどちらか一方の信号の周期を基準クロックによって算出する周波数カウンタや、fV変換器を使用しても良い。
前記カウント値を第1の位置、前記カウント値と内挿値の合成値を第2の位置とする。第1の位置と第2の位置は位置切換え器86によって切り換えられる。この切り換えは、位置フィードバックループの応答周波数ωcpに所定の定数を乗算した値、すなわち、切り換え点ωswpと、周波数検出器85のエンコーダ周波数ωencを比較することによって行う。
切り換え条件等や動作は、図10で説明した速度切換え器83と同様であり、前記速度フィードバックループの応答周波数ωcを位置フィードバックループの応答周波数ωcpに置き換えて考えればよい。
次に、上記の速度切換え器もしくは位置切換え器の動作に加えて、前記切換え器のパラメータの変更について説明する。速度フィードバックループの速度補償器のパラメータを変更すると、前記速度フィードバックループの応答周波数ωcは変化する。
すなわち、速度制御系であるので、比例ゲインと応答周波数ωcは比例関係にある。よって、速度補償器を変化させると同時に前記速度切り換え部83で設定されているωsw等の切り換え点を前記比例ゲインと比例して変化させる。
これによって、速度補償器のパラメータと速度切換え器のパラメータを別々に設定する必要はなくなり、速度フィードバックループに要求される最適な切り換え状態を保つことができる。
すなわち、速度制御系であるので、比例ゲインと応答周波数ωcは比例関係にある。よって、速度補償器を変化させると同時に前記速度切り換え部83で設定されているωsw等の切り換え点を前記比例ゲインと比例して変化させる。
これによって、速度補償器のパラメータと速度切換え器のパラメータを別々に設定する必要はなくなり、速度フィードバックループに要求される最適な切り換え状態を保つことができる。
同様に、マイナーループに速度フィードバックループを備えた位置決め制御装置の位置フィードバックループ、もしくは、位置フィードバックループのみの位置決め制御装置の位置補償器に位相進み及び遅れ補償器等を使用している場合には、応答周波数ωcpと位置補償器の比例ゲインは比例関係にある。
このため、速度切換え器83の切り換え点の変更の例と同様に位置切換え器84もしくは位置切換え器86の切り換え点を比例ゲインと比例させて変化させる。
これによって、位置補償器のパラメータと位置切換え器のパラメータを別々に設定する必要はなくなり、位置フィードバックループに要求される最適な切り換え状態を保つことができる。
上記で説明した位置決め制御装置の速度フィードバックループ及び位置フィードバックループの制御演算、速度切換え器及び位置切換え器は、オペアンプやアナログスイッチ等を使用したアナログ電気回路にて構築も可能であるが、一般的には、図8及び図9で説明したデジタル演算装置にてソフトウェア的に構築できる。
このため、速度切換え器83の切り換え点の変更の例と同様に位置切換え器84もしくは位置切換え器86の切り換え点を比例ゲインと比例させて変化させる。
これによって、位置補償器のパラメータと位置切換え器のパラメータを別々に設定する必要はなくなり、位置フィードバックループに要求される最適な切り換え状態を保つことができる。
上記で説明した位置決め制御装置の速度フィードバックループ及び位置フィードバックループの制御演算、速度切換え器及び位置切換え器は、オペアンプやアナログスイッチ等を使用したアナログ電気回路にて構築も可能であるが、一般的には、図8及び図9で説明したデジタル演算装置にてソフトウェア的に構築できる。
図12は図10に基づいた速度切り換えの流れを示すフローチャートである。このフローチャートでは、切り換え点ωswにはヒステリシスを設定しないものとして説明する。
始めに、2値化信号のカウント値より第1速度を演算し、エンコーダ周波数ωencに換算する(S1)。エンコーダ周波数ωencと上記で説明した設定方法によって設定された切り換え点ωswを比較し(S2)、エンコーダ周波数ωencが切り換え点ωsw以上の値であれば第1速度を選択し、フィードバックする(S3)。ステップ(S3)で切り換え点ωsw以上の値でないならば、第2速度を選択し、フィードバックする(S4)。
以上のようにエンコーダ周波数に応じて速度演算器や位置演算器を切り換える装置及び手法において、内挿演算を使用しない条件下では、演算器の演算負荷が低減できる。
また、位置決め制御装置では高分解能な内挿演算が必要となる領域は極低速領域もしくは停止領域である。よって、内挿演算を必要としない領域では、例えば、画像形成装置では、画像処理演算等の制御演算とは異なる処理演算へ演算器の能力を配分することが可能となる。
始めに、2値化信号のカウント値より第1速度を演算し、エンコーダ周波数ωencに換算する(S1)。エンコーダ周波数ωencと上記で説明した設定方法によって設定された切り換え点ωswを比較し(S2)、エンコーダ周波数ωencが切り換え点ωsw以上の値であれば第1速度を選択し、フィードバックする(S3)。ステップ(S3)で切り換え点ωsw以上の値でないならば、第2速度を選択し、フィードバックする(S4)。
以上のようにエンコーダ周波数に応じて速度演算器や位置演算器を切り換える装置及び手法において、内挿演算を使用しない条件下では、演算器の演算負荷が低減できる。
また、位置決め制御装置では高分解能な内挿演算が必要となる領域は極低速領域もしくは停止領域である。よって、内挿演算を必要としない領域では、例えば、画像形成装置では、画像処理演算等の制御演算とは異なる処理演算へ演算器の能力を配分することが可能となる。
1 画像形成装置(インクジェット記録装置)、8 位置検出器(コードホイール)、9 位置検出器(エンコーダセンサ)、20 インクジェットエンジン、22 印字ヘッド、27 給紙部(給紙カセット)、30 スキャナ部、40 排紙部、50 比較器、51 位置補償器、52 ドライバ、53 モータ、54 制御対象、55 位置検出器、61 速度演算部、68 ロータリエンコーダ、71 アップダウンカウンタ、75 速度カウンタ、76 位置検出器、77 2値化回路、78 カウンタ、79 内挿演算器、80 第1速度演算部(第1速度演算器)、82 第2速度演算部(第2速度演算器)、83 切り換え部(速度切換え器)、84 切り換え部(位置切換え器)、85 周波数検出器、86 切り換え部(位置切換え器)
Claims (8)
- 位置検出器の位相の異なる2つのアナログ出力信号と夫々を2値化した2値化信号に基づいて処理を行う第1の速度演算部と第2の速度演算部とを備え、所定の条件によって前記2つ速度演算部を切り換えて速度フィードバックを行う位置決め制御装置において、前記2値化信号の周波数と制御系の応答周波数に基づいて前記第1及び第2の速度演算部の切り換え条件を設定する切り換え部を備えることを特徴とする位置決め制御装置。
- 前記切り換え部は、前記位置検出器の2値化信号の周波数が制御系の応答周波数よりも2倍以上高くなる点を切り換え点として設定することを特徴とする請求項1記載の位置決め制御装置。
- 前記第1の速度演算部は位相の異なる2つの2値化信号をカウントするアップダウンカウンタのカウント値から速度を算出し、前記第2の速度演算部は位相の異なる2つのアナログ信号の内挿値と前記カウント値から速度を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の位置決め制御装置。
- 前記第1の速度演算部は位相の異なる2つの2値化信号のどちらか一方の信号の周期を基本クロックで計測する速度カウンタより速度を算出し、前記第2の速度演算部は位相の異なる2つのアナログ信号の内挿値と2値化信号のカウント値から速度を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の位置決め制御装置。
- 第1の位置演算部と第2の位置演算部とを備え、前記切り換え部によって、位置演算部を切り換える位置をフィードバックすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の位置決め制御装置。
- 位置検出器の位相の異なる2つのアナログ出力信号と夫々を2値化した2値化信号に基づいて処理を行う第1の速度演算部と第2の速度演算部とを備え、所定の条件によって前記2つの速度演算部を切り換えて速度フィードバックを行う位置決め制御装置の制御方法において、前記2つの速度演算部の切り換えを前記2値化信号の周波数と制御系の応答周波数に基づいて前記第1及び第2の速度演算部の切り換え条件を設定することを特徴とする位置決め制御装置の制御方法。
- 位置検出器の2値化信号の周波数が制御系の応答周波数よりも2倍以上高くなる点を切り換え点として設定することを特徴とする請求項6の位置決め制御装置の制御方法。
- スキャナ部で読み取った原稿画像を給紙部から搬送された記録紙に印字ヘッドから吐出した液滴で印字を行って排紙部へ排紙する画像形成装置において、請求項1乃至5の何れか1項記載の位置決め制御装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006222800A JP2008046933A (ja) | 2006-08-17 | 2006-08-17 | 位置決め制御装置、位置決め制御装置の制御方法、及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008046933A true JP2008046933A (ja) | 2008-02-28 |
Family
ID=39180611
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2008046933A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111290329A (zh) * | 2020-02-18 | 2020-06-16 | 上海北昂医药科技股份有限公司 | 一种高精度实验仪器控制系统及其控制方法 |
CN114488956A (zh) * | 2022-01-25 | 2022-05-13 | 湖南大麓科技有限公司 | 一种精确定位碾辊装置的伺服控制系统 |
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2006
- 2006-08-17 JP JP2006222800A patent/JP2008046933A/ja active Pending
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