JP2008046910A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上に半導体素子を搭載し、半導体素子を基板に接着するために半導体素子に圧力をかけていく場合であっても、半導体素子内の回路部分と基板上の導電領域とが電気的に短絡してしまうことを回避する。
【解決手段】 樹脂シート115のICチップ111が搭載される領域に、硬化した樹脂粒子116aを含有する接着剤116を塗布し、樹脂シート115の接着剤116が塗布された領域にICチップ111を搭載し、ICチップ111に対して樹脂シート115に向かう方向に圧力をかけていくことにより、ICチップ111の接続端子114と樹脂シート115に形成されたアンテナ112とを電気的に接続するとともに、ICチップ111と樹脂シート115とを接着剤116によって接着する。
【選択図】図2

Description

本発明は、導電領域を有する基板上に、導電領域と接続するための接続端子を有する半導体素子が搭載、接着されてなる半導体装置の製造方法に関し、特に、半導体素子と導電領域との短絡防止技術に関する。
近年、情報化社会の進展に伴って、情報をカードに記録し、該カードを用いた情報管理や決済等が行われている。また、商品等に貼付されるラベルやタグに情報を記録し、このラベルやタグを用いての商品等の管理も行われている。
このようなカードやラベル、あるいはタグを用いた情報管理においては、カードやラベル、タグに対して非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しを行うことが可能なICチップが搭載された非接触型ICカードや非接触型ICラベル、非接触型ICタグがその優れた利便性から急速な普及が進みつつある。
図4は、一般的な非接触型ICタグの構造の一例を示す図であり、(a)は内部構造を示す図、(b)は(a)に示したA−A’部分における断面図である。
本従来例における非接触型ICタグは図4に示すように、樹脂シート515上にICチップ511が搭載、接着されてなるインレット510に、表面シート520が積層され、これらが接着剤層550によって互いに接着されて構成されている。樹脂シート515には、導電性材料からなり、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)からの電磁誘導により電流が流れてこの電流をICチップ511に供給するコイル状のアンテナ512が形成されており、このコイル状の両端部にICチップ511が接続されている。ICチップ511は、外部からの情報の書き込み及び読み出しが可能なものであって、接続端子514を有し、この接続端子514にてアンテナ512と接続された状態で接着剤516によって樹脂シート515に接着されている。表面シート520は、インレット510のICチップ511が搭載された面に接着剤層550によって接着され、ICチップ511及びアンテナ512を保護するとともに、その表面に情報が印字される。
上記のように構成された非接触型ICタグ500においては、外部に設けられた情報書込/読出装置に近接させることにより、情報書込/読出装置からの電磁誘導によってアンテナ512に電流が流れ、この電流がICチップ511に供給され、それにより、非接触状態において、情報書込/読出装置からICチップ511に情報が書き込まれたり、ICチップ511に書き込まれた情報が情報書込/読出装置にて読み出されたりする。
以下に、上述したような非接触型ICタグ500の製造方法について説明する。
図5は、図4に示した非接触型ICタグ500の製造方法を説明するための図である。
まず、樹脂シート515上に、エッチングや印刷等によってコイル形状のアンテナ512を形成する(図5(a))。
次に、樹脂シート515のICチップ511が搭載される領域に接着剤516を塗布し、アンテナ512のICチップ511との接続部分にICチップ511の接続端子514が当接するように、ICチップ511を樹脂シート515上に搭載する(図5(b))。
次に、ICチップ511に対して所定の圧力をかけながら加熱することにより、ICチップ511と樹脂シート515とを接着剤516によって接着するとともに、ICチップ511の裏面に設けられた接続端子514を介してアンテナ512とICチップ511とを電気的に接続し、インレット510を完成させる(図5(c))。
その後、インレット510上に接着剤層550を介して表面シート520を積層し、非接触型ICタグ500を完成させる(図5(d))。
ここで、上述したようにICチップ511と樹脂シート515とを接着する接着剤516としては、一般的に、絶縁ペースト(NCP:Non Conductive Paste)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。異方性導電ペーストは、バインダー中に微小な導電粒子が含有されたものであって、それ単体では導電性を有するものではなく、含有された導電粒子を介して接触するものどうしのみが導通することになる。
特開2001−135672号公報
一般に、上述した非接触型ICタグのように、アンテナ等の導電領域が形成された樹脂シート等の基板上に、接続端子を介して導電領域と接続されるようにICチップ等の半導体素子が搭載される半導体装置においては、導電領域と半導体素子の下面とが接触した場合、半導体素子内の回路部分が導電領域と接触して短絡してしまう虞れがある。上述した非接触型ICタグの製造方法のように、樹脂シート等の基板上にICチップ等の半導体素子を搭載し、半導体素子を基板に接着するために半導体素子に圧力をかけていくものにおいては、半導体素子に必要以上の圧力が加わった場合、半導体素子の接続端子がつぶれ、導電領域と半導体素子の下面とが接触し、上述したように半導体素子内の回路部分が導電領域と接触して短絡してしまうことになる。
ここで、半導体素子と基板とを接着するための接着剤として、上述した異方性導電ペーストを用いた場合、半導体素子に必要以上の圧力が加わって半導体素子の接続端子がつぶれても、半導体素子と基板との間に異方性導電ペーストに含有される導電粒子が介在し、それにより、半導体素子と基板との間に隙間が確保され、上述したように基板上の導電領域と半導体素子の下面とが接触することが回避されることになる。ところが、その場合においても、半導体素子内の回路部分と基板上の導電領域とが導電粒子を介して電気的に短絡してしまう虞れがある。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、基板上に半導体素子を搭載し、半導体素子を基板に接着するために半導体素子に圧力をかけていく場合であっても、半導体素子内の回路部分と基板上の導電領域とが電気的に短絡してしまうことを回避できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
導電領域を具備する基板と、接続端子を具備する半導体素子とからなり、前記接続端子が前記導電領域に接続されるように前記半導体素子が前記基板上に搭載され、前記半導体素子と前記基板とが接着手段によって接着された半導体装置の製造方法であって、
前記基板上の前記半導体素子が搭載される領域に、硬化した絶縁性粒子を含有する前記接着手段を塗布する工程と、
前記基板上の前記接着手段が塗布された領域に前記半導体素子を搭載する工程と、
前記半導体素子に対して前記基板に向かう方向に圧力をかけていくことにより、前記接続端子と前記導電領域とを電気的に接続するとともに、前記半導体素子と前記基板とを前記接着手段によって接着する工程とを有する。
上記のように構成された本発明においては、まず、基板上の半導体素子が搭載される領域に、硬化した絶縁性粒子を含有する接着手段が塗布され、その後、基板上の接着手段が塗布された領域に半導体素子が搭載される。そして、半導体素子に対して基板に向かう方向に圧力がかけられることにより、半導体素子の接続端子と基板上の導電領域とが電気的に接続されるとともに、半導体素子と基板とが接着手段によって接着される。ここで、この接着手段には、硬化した絶縁性粒子が含有されているため、半導体素子を基板に接着するために半導体素子に圧力がかけられた場合であっても、半導体素子と基板との間には接着手段に含有される絶縁性粒子が介在し、それにより、半導体素子と基板との間に隙間が確保され、基板上の導電領域と半導体素子の下面とが直接接触することが回避される。さらに、基板上の導電領域と半導体素子の下面とが絶縁性粒子を介して接触しても、半導体素子内の回路部分と基板上の導電領域とが電気的に短絡してしまうことはない。
以上説明したように本発明においては、導電領域を具備する基板と、接続端子を具備する半導体素子とを、硬化した絶縁性粒子を含有する接着手段によって互いに接着する構成としたため、基板上に半導体素子を搭載し、半導体素子を基板に接着するために半導体素子に圧力をかけていく場合であっても、半導体素子と基板との間には接着手段に含有される絶縁性粒子が介在し、それにより、半導体素子内の回路部分と基板上の導電領域とが電気的に短絡してしまうことを回避できる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の半導体装置の製造方法によって製造された非接触型ICタグの実施の一形態を示す図であり、(a)は内部構造を示す図、(b)は(a)に示したA−A’部分における断面図である。
本形態における非接触型ICタグは図1に示すように、基板となる樹脂シート115上に半導体素子であるICチップ111が搭載、接着されてなるインレット110に、表面シート120が積層され、これらが接着剤層150によって互いに接着されて構成されている。樹脂シート115には、導電性材料からなり、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)からの電磁誘導により電流が流れてこの電流をICチップ111に供給する導電領域となるコイル状のアンテナ112が形成されており、このコイル状の両端部にICチップ111が接続されている。ICチップ111は、外部からの情報の書き込み及び読み出しが可能なものであって、接続端子114を有し、この接続端子114にてアンテナ112と接続された状態で接着手段である接着剤116によって樹脂シート115に接着されている。表面シート120は、インレット110のICチップ111が搭載された面に接着剤層150によって接着され、ICチップ111及びアンテナ112を保護するとともに、その表面に情報が印字される。
ここで、ICチップ111を樹脂シート115に接着するための接着剤116について説明する。
本形態にて用いられる接着剤116は、絶縁ペーストに、硬化した樹脂粒子116aがフィラーとして含有されたものである。これら絶縁ペースト及び樹脂粒子116aは、それぞれ熱硬化性樹脂からなり、熱硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等の一般的なエポキシ樹脂と、マイクロカプセル封入アミン、BF3・アミン錯体、アミンイミド化合物、ジシアンジアミド、ジカルボン酸ジヒドラジドイミダゾール系等の潜在性硬化剤、さらに必要に応じて適宜配合する硬化促進剤、難燃剤、充填剤等からなるものを挙げることができる。なお、樹脂粒子116aの材料は、エポキシ樹脂に限らないが、熱が加わった場合でも硬化状態を維持するために熱過疎性の樹脂ではなく、熱硬化性あるいは光反応性の樹脂を用いる必要がある。また、樹脂粒子116aの径は、一般的な異方性導電ペースト(ACP)に含有される導電粒子と同等の5μm程度とする。
上記のように構成された非接触型ICタグ100においては、外部に設けられた情報書込/読出装置に近接させることにより、情報書込/読出装置からの電磁誘導によってアンテナ112に電流が流れ、この電流がICチップ111に供給され、それにより、非接触状態において、情報書込/読出装置からICチップ111に情報が書き込まれたり、ICチップ111に書き込まれた情報が情報書込/読出装置にて読み出されたりする。
以下に、上述したような非接触型ICタグ100の製造方法について説明する。
図2は、図1に示した非接触型ICタグ100の製造方法を説明するための図である。
まず、樹脂シート115上に、エッチングや印刷等によってコイル形状のアンテナ112を形成する(図2(a))。
次に、樹脂シート115のICチップ111が搭載される領域に接着剤116を塗布し、アンテナ112のICチップ111との接続部分にICチップ111の接続端子114が当接するように、ICチップ111を樹脂シート115上に搭載する(図2(b))。
次に、ICチップ111に対して樹脂シート115に向かう方向に所定の圧力をかけながら加熱することにより、ICチップ111と樹脂シート115とを接着剤116によって接着するとともに、ICチップ111の裏面に設けられた接続端子114を介してアンテナ112とICチップ111とを電気的に接続し、接着剤116を硬化させることにより、インレット110を完成させる(図2(c))。ここで、本形態にて用いられる接着剤116は、絶縁ペーストに、硬化した樹脂粒子116aがフィラーとして含有されたものである。以下にそれによる作用について説明する。
図3は、図1に示した非接触型ICタグ100において樹脂シート115上にICチップ111を搭載して圧力をかけた際の作用を説明するための図である。
粘着剤116が塗布された樹脂シート115上にICチップ111を搭載し、ICチップ111に対して樹脂シート115に向かう方向に圧力をかけていくと、樹脂シート115上に形成されたアンテナ112とICチップ111の接続端子114とが当接し、図3に示すように、接続端子114がつぶれるとともに樹脂シート115のうちアンテナ112の接続端子114との当接部分が変形し、ICチップ111の下面と樹脂シート115の表面との間隔が狭まっていく。ところが、ICチップ111と樹脂シート115とを接着するための接着剤116には硬化した樹脂粒子116aが含有されているため、ICチップ111の下面と樹脂シート115の表面との間隔が狭まっていっても、ICチップ111の下面と樹脂シート115の表面との間には樹脂粒子116aが介在し、それにより、ICチップ111の下面と樹脂シート115の表面との間に樹脂粒子116aによる隙間が確保される。そのため、アンテナ112とICチップ111の下面とが直接接触することがなく、また、アンテナ112とICチップ111の下面とが樹脂粒子116aを介して接触しても、ICチップ111内の回路部分とアンテナ112とが電気的に短絡してしまうことはない。なおこの際、接続端子114とアンテナ112との間に介在した樹脂粒子116aは、粉砕することなく接続端子114に食い込むため、接続端子114とアンテナ112との接続状態に悪影響を及ぼすことはない。また、樹脂粒子116aを接着剤116を構成する絶縁ペーストと同一の材料からなるものとすれば、接着剤116が硬化した際、膨張率の違いによって接着力が低下したり、接続端子114とアンテナ112とが電気的に開放されてしまったりすることを回避することができる。
その後、インレット110上に接着剤層150を介して表面シート120を積層し、非接触型ICタグ100を完成させる(図2(d))。
このように、本形態においては、ICチップ111と樹脂シート115とを接着するための接着剤116として、硬化した樹脂粒子116aが含有されたものを用いたため、ICチップ111の接続端子114と樹脂シート115に形成されたアンテナ112とを電気的に接続するためにICチップ111に対して樹脂シート115に向かう方向に圧力をかけた場合であっても、ICチップ111と樹脂シート115との間には接着剤116に含有される樹脂粒子116aが介在し、それにより、ICチップ111内の回路部分と樹脂シート115上のアンテナ112が電気的に短絡してしまうことを回避できる。
なお、本形態においては、アンテナ112が形成された樹脂シート115上に、アンテナ112と接続されるようにICチップ111が搭載、接着されてなるインレット110を例に挙げ、このインレット110を用いた非接触型ICタグ100について説明したが、本発明はこれに限らず、アンテナ112のような導電領域を具備する基板と、ICチップ111のような接続端子を具備する半導体素子とからなり、接続端子が導電領域に接続されるように半導体素子が基板上に搭載され、半導体素子と基板とが接着手段によって接着されてなる半導体装置であれば適用することができる。
本発明の半導体装置の製造方法によって製造された非接触型ICタグの実施の一形態を示す図であり、(a)は内部構造を示す図、(b)は(a)に示したA−A’部分における断面図である。 図1に示した非接触型ICタグの製造方法を説明するための図である。 図1に示した非接触型ICタグにおいて樹脂シート上にICチップを搭載して圧力をかけた際の作用を説明するための図である。 一般的な非接触型ICタグの構造の一例を示す図であり、(a)は内部構造を示す図、(b)は(a)に示したA−A’部分における断面図である。 図4に示した非接触型ICタグの製造方法を説明するための図である。
符号の説明
100 非接触型ICタグ
110 インレット
111 ICチップ
112 アンテナ
114 接続端子
115 樹脂シート
116 接着剤
116a 樹脂粒子
120 表面シート
150 接着剤層

Claims (1)

  1. 導電領域を具備する基板と、接続端子を具備する半導体素子とからなり、前記接続端子が前記導電領域に接続されるように前記半導体素子が前記基板上に搭載され、前記半導体素子と前記基板とが接着手段によって接着された半導体装置の製造方法であって、
    前記基板上の前記半導体素子が搭載される領域に、硬化した絶縁性粒子を含有する前記接着手段を塗布する工程と、
    前記基板上の前記接着手段が塗布された領域に前記半導体素子を搭載する工程と、
    前記半導体素子に対して前記基板に向かう方向に圧力をかけていくことにより、前記接続端子と前記導電領域とを電気的に接続するとともに、前記半導体素子と前記基板とを前記接着手段によって接着する工程とを有する半導体装置の製造方法。
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