JP2008046650A - 不要膜除去装置、および不要膜除去方法、並びにマスクブランクスの製造方法 - Google Patents

不要膜除去装置、および不要膜除去方法、並びにマスクブランクスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度(不要膜除去幅の均一性)を良好にし、且つ膜厚の偏りを抑えて、不要膜除去後の不要膜残滓の発生を防止する。
【解決手段】薬液を供給して、不要な膜部分を除去する不要膜除去装置であって、基板保持手段と、前記薬液を供給する薬液供給手段と、除去領域において、前記マスクブランクス主表面と一定の間隙が形成され、且つ、非除去領域において、前記間隙よりも大きい空間が形成される遮蔽部材と、前記薬液の流路を形成する薬液案内部材とを有し、基板用可動保持手段を備え、前記遮蔽部材及び前記薬液案内部材の回転中心と前記基板保持手段の回転中心とが一致するように、固定した状態で、前記基板保持手段を回転させながら、前記薬液供給手段により前記流路及び前記間隙中に薬液を供給することで、前記マスクブランクス主表面の除去領域における不要な膜を除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、マスクブランクス、半導体基板、磁気ディスク基板およびカラーフィルター等の基板表面の一部に形成された不要膜を除去する不要膜除去装置および不要膜除去方法、並びにそれを用いるマスクブランクスの製造方法に関する。
半導体基板、フォトマスクおよびフォトマスクブランクス、磁気ディスク基板、カラーフィルター等を製造する分野においては、基板の一主表面に形成された塗布膜その他の膜における不要な一部を除去することがしばしば要求される。
基板上にレジスト膜、レジスト下地反射防止膜(BARC:Bottom Anti-Reflective Coating)、レジスト上層反射防止膜(TARL:Top Anti-Reflective Layer)、レジスト上層保護膜、導電性膜等(本明細書中、代表(総称)してレジストと称す)を回転塗布法等で形成する場合、あるいはそれらを積層形成する場合、塗布液が基板表面の周縁部に溜まり、あるいは、基板側面、場合によっては基板裏面にまで回りこみ、フォトマスクブランクスの周縁部に比較的厚膜なレジスト膜が形成される。
この基板周縁部のレジスト膜は、例えば、フォトマスクブランクスを容器に出し入れする際に容器との接触によって剥離・脱落し易い。また、この厚膜な部位は、後のマスク製造工程で現像液等の薬液処理がなされた際にクラックが入り剥離・脱落し易く、塵埃となってフォトマスクブランクス自身あるいは各種処理装置に再付着し、最終的にフォトマスクブランクスを原材料とする製品であるマスク(レチクルを含む)の欠陥の原因あるいは製造歩留まりの低下の原因となる。
また、レジスト膜が基板主表面に形成されたフォトマスクブランクスを露光装置に取り付ける時に、基板周縁部を支持する構造となっている場合があるが、この場合には、基板周縁部が盛上っていると良好に支持されないことになる。
更に、上記露光装置が電子線マスク描画装置である場合、露光時にフォトマスクブランクスの接地を取る際、レジスト膜の下のクロムを主成分とする遮光膜(導電性膜)と接地プローブとが良好に接触しないという問題が生じる。
従って、このような場合には基板周縁部の不要な塗布膜を除去する必要がある。
上記の問題点を解決するため、基板周縁部に形成される不要なレジスト膜を除去する技術として、特開2001−259502号公報に開示されている方法がある。この不要な膜を除去する方法は、レジスト膜を塗布形成後、周縁部(除去する不要膜の上方に位置する部位)に微細な孔が多数形成されたカバー部材である遮蔽部材を基板上に載置し、遮蔽部材上方より溶剤を供給することにより、溶剤が微細な孔を介して基板周縁部に供給され、基板周縁部に形成されたレジスト膜を溶解除去していた。また、基板と遮蔽部材との間隔は、基板中心側の非除去領域に溶剤が流れ込まないように、溶剤の表面張力が働く一定間隔になるように、各辺同じ位置に前記孔に糸(間隔調整部材)が通されている。また、基板は、基板四隅に各2箇所ずつ基板側面と一定のクリアランスを持って配置された基板保持部材を備えた基板保持台座に単に載置されるだけのものであった。
近年、基板の有効領域の拡大化により、除去領域幅の厳密な制御が必要とされている。従来の不要膜除去装置は、上述の構成を取っているため、基板と基板保持手段とのガタツキや偏芯、基板と遮蔽部材とのガタツキや偏芯によって、基板保持台座に対する基板の位置精度(重ね合わせ精度)や、基板に対する遮蔽部材の位置精度(重ね合わせ精度)が悪く、不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度(不要膜除去幅の均一性)が悪く、以下のような問題点が顕著になった。
1)基板周縁部における不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度が悪いため、マスク作製後の外観を損ねていた。
2)基板周縁部における不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度が悪いため、基板周縁部の不要膜が除去されたフォトマスクブランクスを使ってフォトマスクを作製したときの周縁部に位置する補助パターン(アライメントマークや品質保証パターン)のパターン不良(欠損や形状不良等)の原因となっていた。
3)また、不要膜を除去する前の回転塗布方法による(レジスト)成膜工程においても、回転塗布装置における被処理基板を支持する回転保持手段が、単に被処理基板を載置するだけの構造でしかなく、被処理基板の中心と、回転保持手段の回転中心がずれた(偏芯した)状態でレジスト膜を回転塗布することがあり、不要膜除去前の基板周縁部における比較的厚膜な部位の幅あるいは膜厚が偏ることにより、基板周縁部の不要膜除去が完全に行われず、不要膜の残滓が発生することがあった。
特開2001−259502号公報
そこで、本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決するため、
第1に基板と基板保持手段との偏芯やガタツキ、更には基板と遮蔽部材の偏芯やガタツキを抑制して、不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度(不要膜除去幅の均一性)が良好になり、且つ、不要膜除去後の不要膜残滓の発生を抑制する不要膜除去装置および不要膜除去方法、並びにこれを用いるフォトマスクブランクスの製造方法を提供することを第1の課題とする。
第2に、基板と基板保持手段との偏芯やガタツキ、更には基板と遮蔽部材の偏芯やガタツキを抑制して、不要膜除去後のレジスト端部の形状精度(不要膜除去幅の均一性)を良好にし、且つ、回転塗布方法による塗布膜の成膜工程において基板周縁部における比較的厚膜な部位の幅或いは膜厚の偏りを抑えて、不要膜除去後の不要膜残滓の発生を防止する不要膜除去方法、並びにそれを用いるフォトマスクブランクスの製造方法を提供することを第2の課題とする。
尚、本発明でいうマスクブランクスには、透過型マスクブランク、反射型マスクブランクの何れも指し、それらの構造は、基板上に被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜と、レジスト膜とを有する。
透過型マスクブランクは、基板として透光性基板を使用し、転写パターンとなる薄膜は、被転写体に転写するときに使用する露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜(例えば、遮光機能を有する薄膜)が使用されたフォトマスクブランクである。ここで、露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜とは、露光光を遮断する遮光膜や、露光光の位相差を変化させる位相シフトマスクなどを指す。
従って、本発明で言うフォトマスクブランクは、遮光機能を有する薄膜として遮光膜が形成された通常のフォトマスクブランクと、遮光機能を有する薄膜としてハーフトーン膜が形成された位相シフトマスクブランク(ハーフトーン型位相シフトマスクブランク)、位相シフト膜が形成された位相シフトマスクブランクなどを含む。
尚、遮光機能を有する薄膜として、上記のハーフトーン膜と遮光膜を積層させたものであっても構わない。また、遮光機能を有する薄膜のほかに位相シフト機能を持たせた層が形成された位相シフトマスクブランクを含むものとする。位相シフト機能を持たせた層は、位相シフト機能を透光性基板を掘り込むことにより形成する場合は、透光性基板が位相シフト機能をもつ層となる。また、位相シフト層を形成しても良い。
また、反射型マスクブランクは、基板として低熱膨張基板を使用し、その基板上に光反射多層膜、転写パターンとなる光吸収体膜とを有するマスクブランクである。
また、マスクブランクには、上述の膜以外に、レジスト下地反射防止膜(BARC:Bottom Anti−Reflective Coating)、レジスト上層反射防止膜(TARL:Top Anti−Reflective Layer)、レジスト上層保護膜、導電性膜等の膜が形成されても良い。
本発明は、上述の課題を解決するために、基板、更には遮蔽部材の中心が、基板保持手段の回転中心と一致するように機械的に押付けて固定する基板用可動固定手段、更には遮蔽部材用可動固定手段を備えることによって、基板と基板保持手段との偏芯およびガタツキや、更には基板と遮蔽部材との偏芯およびガタツキ、即ちそれぞれの重ね合わせ精度の悪化を抑制して、不要膜除去後の除去端部(例えば、レジスト膜端部)の形状精度(不要膜除去幅の均一性)を向上させ、更には不要膜除去後の不要膜残滓の発生を抑制することができる不要膜除去装置および不要膜除去方法、並びにそれを用いるマスクブランクスの製造方法を提供するものである。
また、不要膜を除去する前の膜形成工程は、回転塗布装置による回転塗布工程を含むものであって、前記回転塗布装置は、基板を回転可能に保持する回転保持手段に、基板の中心が前記回転保持手段の回転中心と一致するように、前記基板を機械的に押付けて固定する基板固定手段を備えており、回転塗布工程中、被処理基板の中心と回転保持手段の中心が一致するようにしたことにより、不要膜除去前における基板周縁部の比較的厚膜な部位の幅あるいは膜厚の偏りを抑えて、不要膜除去後の除去部分の形状精度を向上させ、かつ、不要膜除去後の不要膜残滓の発生を防止する不要膜除去方法、およびマスクブランクスの製造方法を提供するものである。即ち、その要旨とするところは、特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1) マスクブランクス表面に形成された膜のうち周縁部を含む不要な部分のみに薬液を供給して、前記マスクブランクスに形成された不要な膜部分を除去する不要膜除去装置であって、
該不要膜除去装置は、前記マスクブランクスを面内回転するように保持する基板保持手段と、前記薬液を供給する薬液供給手段と、
前記マスクブランクス主表面の除去領域において、前記マスクブランクス主表面と一定の間隙が形成され、且つ、前記マスクブランクス主表面の非除去領域において、前記間隙よりも大きい空間が形成されるように前記マスクブランクス主表面を覆う遮蔽部材と、
前記遮蔽部材の外側に位置し、且つ、前記遮蔽部材に接続部材を介して前記遮蔽部材に固定され、前記遮蔽部材と共同して前記薬液の流路を形成する薬液案内部材とを有し、
前記基板保持手段は、前記マスクブランクスの中心が前記基板保持手段の回転中心と一致するように、前記マスクブランクスを機械的に押付けて固定する基板用可動保持手段を備え、前記遮蔽部材及び前記薬液案内部材の回転中心と前記基板保持手段の回転中心とが一致するように、前記薬液案内部材が位置決めされて前記基板保持手段に固定されており、
前記基板用可動保持手段により前記マスクブランクスを機械的に押付けて前記基板保持手段に固定した状態で、前記基板保持手段を回転させながら、前記薬液供給手段により前記流路及び前記間隙中に薬液を供給することで、前記マスクブランクス主表面の除去領域における不要な膜を除去することを特徴とする不要膜除去装置。
この解決手段によれば、基板の中心が基板保持手段の回転中心と一致するように基板が固定されて保持されるうえ、遮蔽部材及び前記薬液案内部材の回転中心と前記基板保持手段の回転中心とが一致するように、前記薬液案内部材を位置決めするので、回転時における基板の偏芯およびガタツキが低減でき、その結果、不要膜除去幅の均一性を向上させ、不要膜除去後の不要膜残滓の発生を抑制することができる。
(2)前記薬液案内部材に穴が設けられているとともに、前記基板保持手段には前記穴に勘合するピンが設けられており、前記穴と前記ピンとが勘合することにより、前記薬液案内部材が前記基板保持手段に位置決めされることを特徴とする(1)に記載の不要膜除去装置。
(3)前記薬液案内部材は機械的に押付けられて前記基板保持手段に固定されていることを特徴とする(1)に記載の不要膜除去装置。
(4)前記薬液案内部材は、前記遮蔽部材と前記マスクブランクスの側面とを覆うように設けられていることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1項
に記載の不要膜除去装置。
(5)前記間隙は、前記薬液が間隙中をつたわって間隙中に流れ込み、かつ、間隙中にのみ保持されることが可能な大きさに設定されていることを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1項に記載の不要膜除去装置。
この解決手段によれば、前記間隙を、薬液が間隙中を伝わって間隙中に流れ込み、かつ、間隙中にのみ保持されることが可能な大きさに設定されているので、薬液は基板主表面の除去領域において、基板と遮蔽部材との間に形成された間隙において、薬液の表面張力によるメニスカスが働き、間隙中に薬液は満た(供給)されるが、基板主表面の非除去領域に形成された空間には侵入しない。
また、遮蔽部材は、基板の主表面に形成された不要な膜の領域(除去領域)において、基板主表面から一定の間隙を設け、かつ一定の幅を持って設け、該間隔並びに幅を調整することによって、基板主表面における除去領域(幅)を厳密に制御することができる。
(6)(1)乃至(5)の何れかに記載の不要膜除去装置を用いた不要膜除去方法であって、前記基板保持手段に前記マスクブランクスを載置し、前記基板用可動保持手段によって前記マスクブランクスの中心が前記基板保持手段の回転中心と一致するように、前記マスクブランクス、前記遮蔽部材及び前記薬液案内部材をともに回転させながら、前記薬液供給手段により薬液を供給し、前記マスクブランクス表面に形成された膜のうち周縁部を含む不要な部分に薬液を供給することにより不要な膜部分を除去することを特徴とする不要膜除去方法。
この解決手段によれば、基板の中心が基板保持手段の回転中心と一致するように、更には、遮蔽部材の中心が基板保持手段の回転中心と一致するように、それぞれ基板用可動保持手段、遮蔽部材用可動保持手段によって機械的に押し付けて、基板、遮蔽部材が基板保持手段に固定されて保持されるので、回転時の基板と基板保持手段の偏芯やガタツキ、更には基板と遮蔽部材の偏芯やガタツキが抑制でき、その結果、不要膜除去幅の均一性を向上させ、不要膜除去後の不要膜残滓の発生を抑制することができる。
(7)前記マスクブランクス表面に形成された膜は、回転塗布装置による回転塗布工程によって成膜された塗布膜を含み、
前記回転塗布装置は、前記マスクブランクスを回転可能に保持する回転保持手段に、前記マスクブランクスの中心が前記回転保持手段の回転中心と一致するように、前記マスクブランクスを機械的に押付けて固定する基板用可動保持手段を備えており、回転塗布工程中、前記マスクブランクスの中心と回転保持手段の中心が一致するようにしたことを特徴とする(6)に記載の不要膜除去方法。
この解決手段によれば、不要膜除去前の基板周縁部に形成される比較的厚膜な部位の幅或いは膜厚の偏りを抑えることができるので、不要膜残滓を防止することができるとともに、不要膜除去幅の均一性を向上させることができる。
(8)基板上に、被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜とレジスト膜とを形成する膜形成工程を有するマスクブランクスの製造方法において、
前記膜形成工程において不要な部分に形成された不要膜を(6)または(7)に記載の不要膜除去方法で除去する不要膜除去工程を有することを特徴とするマスクブランクスの製造方法。
この解決手段によれば、不要膜除去後の除去端部(例えば、レジスト膜端部)の形状精度(不要膜除去幅の均一性)が向上し、更には、不要膜除去後の不要膜残滓(レジスト残滓)の発生を防止したマスクブランクスを得ることができる。また、周縁部に補助パターン(アライメントマークや品質保証パターン等)を形成するマスク作製においては、周縁部に位置する補助パターンのパターン不良を防止することができる。
基板と基板保持手段との偏芯やガタツキ、更には基板と遮蔽部材の偏芯やガタツキを抑制して、不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度(不要膜除去幅の均一性)が良好になり、かつ、不要膜除去後の不要膜残滓の発生を抑制する不要膜除去装置および不要膜除去方法、並びにこれを用いるフォトマスクブランクスの製造方法を提供することができた。
また、回転塗布方法による塗布膜の成膜工程において基板周縁部に形成される比較的厚膜な部位の幅或いは膜厚の偏りを抑えることで、不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度(不要膜除去幅の均一性)が良好になり、かつ、不要膜除去後の不要膜残滓の発生を防止する不要膜除去方法、並びにそれを用いるフォトマスクブランクスの製造方法を提供することができた。
本発明の実施の形態を、図1乃至図4を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の不要膜除去装置にレジスト付き基板をセットした状態における不要膜除去装置の構造を示す断面図である。
図1において、基板1は、合成石英ガラスからなる透明基板(152.4mm×152.4mm×6.35mm)の表面にクロムを主成分とする遮光膜が形成され、さらに、この遮光膜の上にレジスト膜2が所望の膜厚にスピンコート法等で形成されたフォトマスクブランクスである。
ここで、このレジスト膜2は、本来、基板1の表面における所望の有効領域にのみ形成されていればよい。しかしながら、レジスト膜2の形成の際に、本来形成する必要のない基板1の表面の周縁部、基板側面部および場合によっては基板裏面部にまで形成されてしまう。この発明にかかる不要膜除去方法およびその装置は、これらの不要膜を除去する方法および装置である。
本発明の不要膜除去装置、不要膜除去方法を以下に詳細に説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態の不要膜除去装置は、図1に示すように、基板1を面内回転するように保持する基板保持手段9と、基板1に形成された不要な膜部分を除去する薬液を供給する薬液供給手段6と、基板主表面上に不要な膜部分以外に薬液が供給されないように設けられた遮蔽部材である内カバー部材4と、内カバー部材4と共同して薬液の流路を形成する薬液案内部材である外カバー部材3とによって構成されている。
基板保持手段9は、スピンチャックを兼ね、基板保持台座10上に設けられた、基板1の底面(裏面)および側面を複数の位置で平行に保持する複数の基板用可動保持手段5と、複数の基板支持部材11で構成されている。基板用可動保持部材5は、基板1の中心が基板保持手段9の回転中心と一致するように、例えば、基板1の一対角方向の頂点近傍(コーナー部)に一対(2個)ずつ2箇所に配置され、基板保持手段9の回転中心から放射方向に可動し、基板1を基板保持手段9の回転中心方向に機械的に押付けるようにしている。
また、基板支持部材11は、例えば、基板用可動保持手段5と他の対角線方向に複数箇所(例えば、2箇所)設けられており、基板1を支えている。
基板用可動保持手段5は、基板1が回転中に安定して保持され、且つ、不要膜除去のための薬液供給が妨げられ、基板の底面、および側面に対し点接触、または線接触するような形状となっていて、バネ機構等により基板1を押圧する構造とすることが好ましい。この基板用可動保持手段5が、基板1を機械的に押付けて固定することによって、回転中における基板1のガタツキを低減することができ、さらに基板1の中心と基板保持手段9の回転中心を一致させることができるので、不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度(不要膜除去幅の均一性)を向上させ、不要膜除去後の不要膜(レジスト膜)残滓の発生を抑制することができる。
内カバー部材4は、基板1の主表面上方からかぶせるようにして覆う形状となっている。その形状は、基板中心部から周縁にかけての大部分は、略平坦な平坦部を有し、この平坦部の両外周端が下方に略直角に折り曲げられて、側面部が形成されるようになっている。内カバー部材4は、基板1の主表面上に配置されたときに、内カバー部材の側面部の底面がある一定の間隙が形成されるように固定される。このとき、内カバー部材4の側面部の底面およびそれより外側が基板主表面における不要な部分(除去領域)となる。また、内カバー部材4の側面部以外の上記平坦部は、前記間隙の大きさよりも大きい空間が形成され、非除去領域となる。尚、内カバー部材が基板に対しある一定の間隙を形成するための固定の仕方は特に制限はない。後述する間隔調整部材を側面部の底面に設けて基板1の主表面上に載置してもよいし、基板主表面の上方から吊り下げられるように固定しても良い。内カバー部材4を上記形状とすることによって、内カバー部材4の側面部の底面と、基板主表面との間に形成された間隙に薬液が供給されたときに、薬液の表面張力によるメニスカスが働き、間隙中に薬液は満たされるが、基板主表面の非除去領域に形成された空間には薬液は流れ込まない。
内カバー部材が基板に対しある一定の間隙が形成されるように、内カバー部材4の側面部底面(基板主表面の不要膜除去領域)には、内カバー部材4と基板(レジスト膜)表面との間隔を調整する間隔調整部材8が設けられており、この間隔調整部材8によって、内カバー部材4の側面部底面とレジスト膜2の表面との距離が0.1mm程度の一定の距離に保持されている。この距離は、薬液が表面張力により内カバー部材4の側面部底面とレジスト膜2の表面とによって形成された間隙中にのみ伝わることができるように設定される。これにより、形成されたレジスト膜に損傷を与えてはならない所望の有効領域に薬液が侵入するのを防止することができる。
この間隔調整部材8は、内カバー部材の側面部底面に3箇所以上設けられている。3箇所以上とするのは、3箇所以上であれば平面を特定でき、内カバー部材4の側面部底面と基板表面との間隙が決められるからである。
間隔調整部材8は、内カバー部材4の側面部底面を機械加工等により形成してもよく、また、一定の高さを有するものを内カバー部材4の側面部底面に取りつけても良い。例えば、間隔調整部材8として、薬液に耐性のある紐状体(例えば、樹脂製の糸)で構成することができる。樹脂製の糸は入手し易いうえ、内カバー部材4の側面部底面とレジスト膜2の表面との間に挟み込むことによって内カバー部材4とレジスト膜2との間隙の大きさを一定に保つことが容易だからである。糸の太さ、即ち、内カバー部材4の側面部底面とレジスト膜2の表面との間隙の大きさd1は、この間隙に薬液を供給したときに、表面張力により薬液が間隙から基板中央側にはみ出すことなく、間隙中のみに満たされることが可能な大きさに設定する。好ましくは、d1を0.05〜3mmとする。0.05mm未満だと薬液が間隙に十分に侵入することが困難になり、間隙中に薬液が満たされずに除去できない部分ができる場合や、除去部分と他の部分との境界がギザギザ状態になる場合があるからである。また、3mm超だと、表面張力がうまく作用せずに薬液を間隙中に維持できなくなり、薬液が基板中央側に向かって流れ込み、本来レジスト膜が形成されていなくてはならない領域(非除去領域)まで除去あるいは一部溶解してしまうからである。
また、上記間隙および基板側面の不要な膜部分に薬液が十分に供給できるように、内カバー部材4と基板1の側面を覆うように外カバー部材3が設けられている。外カバー部材3と内カバー部材4とは、外カバー部材3と内カバー部材4の間にある間隔が形成されるように接続部材7で固定されており、外カバー部材3と内カバー部材4の間が薬液の流路となっており、この流路の断面積、薬液流量あるいは基板の回転数を調整することにより不要な膜部分への薬液の供給量を調整することができる。尚、外カバー部材3は、薬液供給手段によって供給される薬液が、内カバー部材4の外周を伝わって基板1の不要な膜部分に供給されるように、外カバー部材3の上方に薬液供給手段6からの薬液の供給口となる開口部が設けられている。
尚、図1には図示しないが、基板保持台座10には、基板保持手段9の回転中心と、内カバー部材4、外カバー部材3の回転中心が一致するように位置決めするためのピン12が外カバー部材3に設けられた穴13と一定のクリアランスをもって勘合するように設けられている。
基板表面に形成された不要な膜は、薬液供給手段6によって供給される薬液によって除去される。薬液供給手段6は、例えば、ノズル形状となっており、外カバー部材3の上方に設けられた開口部と、基板1の裏面にそれぞれ設置されている。薬液は例えば、アセトン等の溶剤またはTMAH(テトラ・メリル・アンモニウム・ハイドロオキサイド)等の現像液が使用される。
第1の実施形態の不要膜除去方法は、上述の第1の実施形態における不要膜除去装置を使って基板1上に形成された不要な膜を、薬液供給手段6から供給される薬液によって除去する。
薬液供給手段6から供給された薬液は、内カバー部材4と外カバー部材3の間を流路として内カバー部材4の外周を伝わって、基板の表面に形成された不要な膜部分に供給される。基板1は、基板保持手段9に設けられた基板用可動保持手段5によって基板1の中心と基板保持手段9の回転中心を一致させ、且つ回転中においてもガタツキがないように機械的に固定保持される。さらに、基板保持手段9の基板保持台座10に設けられたピン12と外カバー部材3に設けられた穴13との勘合によって、基板保持手段9の回転中心と外カバー部材3および内カバー部材4の中心が一致するようにしているので、基板1、内カバー部材4、外カバー部材3が一体となって偏芯や回転方向のずれがなく回転することにより、ブレや位置ずれ(重ね合わせ精度の劣化)がなく薬液によって不要膜除去が可能となる。ここで、基板1の不要な膜部分に薬液を供給するときは、基板1、内カバー部材4、外カバー部材3が回転している方が、基板1の周縁部に均一に薬液が供給できるので好ましい。尚、薬液によって溶解された不要膜は、遠心力により外方に除去される。
<第2の実施形態>
第2の実施形態の不要膜除去装置は、図2に示すように、上述の第1の実施形態において、遮蔽部材である外カバー部材3および内カバー部材4を、外カバー部材3の外側から基板保持手段9の回転中心方向に機械的に押付けて固定する遮蔽部材用可動保持手段14を設けている点が相違する。
この遮蔽部材用可動保持手段14は、遮蔽部材用可動保持手段14の中心が、基板保持手段9の回転中心と一致するように、例えば、基板用可動保持手段5と他の対角線方向の頂点近傍(コーナー部)に一対(2個)ずつ2箇所に設置され、基板保持手段9の回転中心から放射方向に可動し、遮蔽部材用可動保持手段14を外カバー部材3の側面方向から基板保持手段9の回転中心方向に機械的に押付けるようにしている。
この遮蔽部材用可動保持手段14が、外カバー部材3を機械的に押付けて固定することによって、回転中における外カバー部材3および内カバー部材4の偏芯およびガタツキを抑えることができ、さらに上述の基板用可動保持手段5と組み合わせることによって、基板1、外カバー部材3および内カバー部材4の中心と、基板保持手段9の回転中心を一致させること(重ね合わせ精度を向上させること)ができるので、不要膜除去後のレジスト膜端部の形状精度(不要膜除去幅の均一性)をより一層向上させ、不要膜除去後の不要膜(レジスト膜)残滓の発生を抑制することができる。
尚、上述の実施の形態では、遮蔽部材として外カバー部材と内カバー部材を備えたものを挙げて説明したが、外カバー部材を設けずに、従来のような基板周縁部に微細な孔が多数形成された遮蔽部材を用いても構わない。
第2の実施形態の不要膜除去方法は、上述の第2の実施形態における不要膜除去装置を使って基板1上に形成された不要な膜を、薬液供給手段6から供給される薬液によって除去される。
<第3の実施形態>
第3の実施形態における不要膜除去方法は、上述の第1および第2の実施形態において、基板1上に形成される膜が、図3に示す回転塗布装置を使用して成膜することを特徴とする。図3に示す回転塗布装置を使用して成膜することにより、不要膜除去前の基板周縁部に形成されたレジスト膜の比較的厚膜な部位の幅或いは膜厚の偏りを抑えることができるので、不要膜除去後の不要膜残滓を防止することができ、さらに、不要膜除去幅の均一性を良好にすることができる。
図3は、基板1上に膜(例えば、レジスト膜)を回転塗布形成するための回転塗布装置の構造を示す断面図である。基板1を保持するための構成は、図1の不要膜除去装置と同じ構成を有しているので、その共通部分については、同じ用語を用いて、回転塗布装置について説明する。
基板1は基板保持手段9の上に載置され、モーターなどの回転駆動装置15により回転する。基板1の上方には、レジスト液18を供給するレジスト供給手段16が設置されており、基板1が静止或いは回転しながら、基板1の表面にレジスト液18が供給滴下され、遠心力によって基板1の表面全体にレジスト液18が塗布される。尚、基板保持手段9の外周には、カップ17が設けられており、飛散したレジスト液18を回収するようになっている。
基板保持手段9上には、上述の第1の実施形態と同様の複数の基板用可動保持手段5が設けられている。この基板用可動保持手段5を用いることによって、回転塗布時の基板1の中心と基板保持手段9の回転中心を一致させることができ、また、基板1のガタツキを抑えることによって、基板全面におけるレジスト膜厚の偏りを防止でき、更に基板周縁部に形成される比較的厚膜な部位の幅或いは膜厚の偏りを抑制することができる。
従って、第3の不要膜除去方法は、上述の回転塗布装置を使用して成膜することにより、不要膜除去前の基板周縁部に形成される比較的厚膜な部位或いは膜厚の偏りを抑えることができるので、当該回転塗布工程と、上述の第1、第2の実施形態における不要膜除去装置を使用しての不要膜除去方法による不要膜除去工程とにより、更に一層、不要膜除去後の不要膜残滓を防止することができ、また、不要膜除去幅の均一性を良好にすることができる。
<実施例>
図4は、フォトマスクブランクスの製造方法において、本発明の不要膜除去工程(薬液のみによる場合)を説明するための図であり、フォトマスクブランクスの製造工程において、遮光膜等の薄膜を形成した後の一部を取り出したものである。薬液のみによるレジスト不要膜除去を採用した場合について、遮光膜等の薄膜を形成した後の主な工程としては、レジスト塗布(S101)、不要膜除去(S102)、熱処理(S103)の工程からなる。
まず、遮光膜等の薄膜が形成された基板の主表面上にレジストが回転塗布装置によって回転塗布され(S101)、その後、該レジスト塗布されたレジスト付き基板を、上述の不要膜除去装置の基板保持手段にセットする。ここで使用したレジスト種は、ポジ型化学増幅型電子線描画用レジストのFEP171(富士フィルムアーチ社製)である。
次に、基板保持手段にセットされたレジスト付き基板を、薬液案内部材である外カバー部材と、不要な部分以外に薬液が供給されないように設けられた遮蔽部材である内カバー部材とからなるカバー部材(遮蔽部材)によって覆い、レジスト付き基板と、カバー部材を一体とし所定の回転数で回転させながら、基板周縁部の不要なレジスト膜部分に有機溶剤(例えば、アセトン)を供給することによって、基板周縁部の不要膜が除去される。次いで、有機溶剤の供給を止め、前記所定の回転数より高い回転数で回転させることで、不要膜が除去された部位は回転乾燥されて、基板周縁部の不要なレジスト膜の除去は完了する(S102)。
その後、熱処理を施す(S103)ことにより、レジスト膜が基板中央の所望の有効領域にのみ形成されたフォトマスクブランクスを得ることができる。
ここで、図5は、本発明における不要膜除去工程の子細を示すフローチャートである。
まず、レジスト膜を塗布した後のレジスト付き基板を基板保持手段にセットして上述のカバー部材を被せる。
次に、基板保持手段を回転数f1(200〜750rpmの範囲で調整(本実施例では500rpm))で回転させると同時に、薬液供給手段(ノズル)から供給量を微調整しながら薬液を供給し、基板保持手段を回転時間t1(5〜300秒の範囲で調整(本実施例では30秒間)回転させた。これにより、薬液が基板周縁部の不要膜部分を溶解除去した(不要膜溶解除去工程)。
次に、薬液供給手段(ノズル)から薬液の供給を停止し、続いて基板保持手段を回転数f2(350〜2500rpmの範囲で調整(本実施例では2000rpm))で回転させた。これによって、不要膜が除去された部位は乾燥される(乾燥工程)。
尚、上述のレジスト塗布工程で使用する回転塗布装置を、図3に示す回転塗布装置を使用することにより、不要膜除去前の基板周縁部に形成される比較的厚膜な部位の幅或いは膜厚の偏りを抑えることができるので、不要膜除去後の不要膜残滓を防止することができ、さらに、不要膜除去幅均一性を良好にすることができる
上述本発明の不要膜除去装置、回転塗布装置を使用して種々のフォトマスクブランクスを作製し、不要膜除去幅均一性、レジスト残滓を評価した。その結果を表1に示す。
表1において、膜塗布装置は、レジスト膜を回転塗布する回転塗布装置を示し、偏芯を抑制するよう基板を機械的に押付けて固定する基板可動用保持手段を備えた回転塗布装置を使用した場合を「有」、基板可動用保持手段を用いず、従来の単に一定のクリアランスを設けて固定した基板保持部材を備えた回転塗布装置を使用した場合を「無」と表示した。
また、不要膜除去装置は、偏芯を抑制するよう基板を機械的に押付けて固定する基板用可動保持手段を備えた不要膜除去装置を使用した場合を「有」、基板用可動保持手段を用いず、従来の単に一定のクリアランスを設けて固定した基板保持部材を備えた不要膜除去装置を使用した場合を「無」と表示した。
同様に、偏芯を抑制するようカバー部材(外カバー部材)を機械的に押付けて固定する遮蔽部材用可動保持手段を備えた不要膜除去装置を使用した場合を「有」、遮蔽部材用可動保持手段を用いず、従来の単に一定のクリアランスを設けて固定したピンを備えた不要膜除去装置を使用した場合を「無」と表示した。
尚、ここで不要膜除去幅均一性は、基板側面より1.5mm内側の基板周縁部に形成されたレジストの不要膜を除去した際に、除去されるべき幅からのレジスト端部のずれ量で評価した。また、レジスト残滓の発生率は、不要膜除去工程における不要膜除去条件を固定したときの、レジスト残滓の発生率を示す(フォトマスクブランクス100枚作製)。
基板周縁部におけるレジストの不要膜除去後の不要膜除去幅均一性と、基板周縁部のレジスト残滓の発生率を調べた結果、まず、膜塗布装置、不要膜除去装置において、基板用可動保持手段、遮蔽部材用可動保持手段を使用しない比較例の場合、不要膜除去幅均一性(所望の除去幅1.5mmに対する最大ずれ幅)が0.24mmで、レジスト残滓の発生率は17%であった。
次に、不要膜除去装置において、基板用可動保持手段のみを使用した実施例1は、不要膜除去幅均一性は0.16mm(比較例の2/3)まで低減し、レジスト残滓の発生率も3%まで低減された。
次に、不要膜除去装置において、基板用可動保持手段及び遮蔽部材用可動保持手段を使用した実施例2は、不要膜除去幅均一性は0.08mm(比較例の1/3)まで低減し、レジスト残滓の発生率も2%まで低減された。
さらに、膜塗布装置における基板用可動保持手段と、不要膜除去装置における基板用可動保持手段及び遮蔽部材用可動保持手段と、これら全てを使用した実施例3では、不要膜除去幅均一性は0.06mm(比較例の1/4)まで低減し、レジスト残滓は全く発生しなかった。
Figure 2008046650
ここで、上記実施例ではレジストを溶解する薬液として、有機溶剤アセトンを用いたが、これに限らず、レジストの現像液等、不要膜を溶解除去できるものであればどのようなものでもよい。
カバー部材(遮蔽部材である内カバー部材、薬液案内部材である外カバー部材)を構成する材料としては、熱を伝達しにくく、薬液に対する耐性を有し、所定の機械的強度を有するものであればどのようなものであっても良い。例えば、樹脂材料、ガラス材料、セラミックス材料およびこれらの複合材料等をあげることができる。なかでも比較的熱伝達しにくく、加工が容易でかつ軽量化が容易な樹脂材料が好ましい。また、カバー部材の基板表面の不要な膜部分以外の領域を覆う部分を上記材料で構成することが好ましい。
また、上記実施例では、ポジ型化学増幅型電子線描画露光用レジストを用いたが、これに限らず、高分子型やノボラック系レジストの非化学増幅型レジスト、レーザー描画露光用レジスト、或いはネガ型でも適用できることは言うまでもない。
さらに、上記実施例では、遮光膜上にレジスト膜を形成するフォトマスクブランクスの製造方法の場合に適用した例について説明したが、これは、レジスト膜の下(即ち遮光膜の上)にレジスト下地反射防止膜(BARC)等を形成し、また、レジスト膜上に導電膜あるいは保護膜等を形成したフォトマスクブランクス製造方法の場合にも適用できる。その場合、BARC(レジスト下地膜)、レジスト膜、導電膜あるいは保護膜(レジスト上層膜)を実施例に記述の方法を採用し、それぞれについて不要膜の除去を実施することができる。また、その場合、遮光膜を形成した基板のほか、反射膜と吸収体等を積層した反射型マスク用基板等であってもよい。また、透光性基板上にSOG膜を形成し、SOG膜上に遮光膜パターンを形成するようにした位相シフトマスクブランクスの製造方法の場合にも適用できる。その場合、遮光膜のほかに透明導電膜、エッチングストッパー膜等の膜が設けられたものであっても良い。
さらに、例えば、磁気ディスク媒体の保護膜や潤滑膜の塗布、カラーフィルターの保護膜を塗布する際に形成される不要膜の除去、あるいは、液晶ディスプレー用基板上の配線の電極部に形成される絶縁膜を除去する場合にも適用できる。また、例えば、不要膜がレジストの場合は、薬液としてレジストが可溶なケトン、エステル、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル等の液体を用いることができる。また、アルカリ現像型レジストでは、アルカリ現像液(特に高濃度の)を用いることができる。
また、不要膜除去工程として、不要な部分を露光し、現像処理して不要膜を除去する場合においては、薬液として現像液を用いることができる。
また、熱処理後の塗布膜は溶けにくいので、上記実施例では、熱処理する前に不要な膜の除去を行ったが、除去対象の膜種によっては、熱処理後に溶解が可能な場合もある。また、薬液供給手段を設ける位置は、上記実施例に限られるものではない。
なお、上記実施例では、基板とカバー部材とを一体にして回転させる例を掲げたが、これは必ずしも回転させる必要はない。ただし、回転させたほうが薬液を比較的早くかつ均一に間隙中に広げさせ、また、溶解された不要膜の排出を促進することができるので好ましい。
さらに、カバー部材として、上記実施例では、正方形状の基板に形成された塗布膜(レジスト膜)の周縁部を除去して正方形の塗布膜を残存させる例を挙げたが、基板の形状および残存させる塗布膜の形状は、正方形に限られるものではなく、円形、三角形、多角形その他任意の形状でもよい。
また、上記実施例では、偏芯を抑制するように、基板、カバー部材(外カバー部材)機械的に押付けて固定する可動保持手段は、基板保持手段9の回転中心から放射方向に移動するバネ機構を基板の一対角方向の頂点近傍(コーナー部)に一対(2個)ずつ2箇所に配置されて構成したがこれに限定されない。また、これら可動保持手段の可動動力機構は問わない。
本発明の第1の実施形態における不要膜除去装置に、レジスト膜付き基板をセットした状態における不要膜除去装置を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における不要膜除去装置に、レジスト膜付き基板をセットした状態における不要膜除去装置を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態におけるレジスト塗布工程で使用する回転塗布装置を示す断面図である。 本発明における不要膜除去工程を説明するための図である。 本発明における不要膜除去工程の実施例を示すフローチャートである。
符号の説明
1・・基板、
2・・レジスト膜、
3・・外カバー部材、
4・・内カバー部材、
5・・基板用可動保持手段、
6・・薬液供給手段、
7・・接続部材、
8・・間隔調整部材、
9・・基板保持手段、
10・・基板保持台座、
11・・基板支持部材、
12・・ピン、
13・・穴、
14・・遮蔽部材用可動保持手段、
15・・回転駆動装置、
16・・レジスト供給手段、
17・・カップ、
18・・レジスト液

Claims (8)

  1. マスクブランクス表面に形成された膜のうち周縁部を含む不要な部分のみに薬液を供給して、前記マスクブランクスに形成された不要な膜部分を除去する不要膜除去装置であって、
    該不要膜除去装置は、前記マスクブランクスを面内回転するように保持する基板保持手段と、前記薬液を供給する薬液供給手段と、
    前記マスクブランクス主表面の除去領域において、前記マスクブランクス主表面と一定の間隙が形成され、且つ、前記マスクブランクス主表面の非除去領域において、前記間隙よりも大きい空間が形成されるように前記マスクブランクス主表面を覆う遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材の外側に位置し、且つ、前記遮蔽部材に接続部材を介して前記遮蔽部材に固定され、前記遮蔽部材と共同して前記薬液の流路を形成する薬液案内部材とを有し、
    前記基板保持手段は、前記マスクブランクスの中心が前記基板保持手段の回転中心と一致するように、前記マスクブランクスを機械的に押付けて固定する基板用可動保持手段を備え、前記遮蔽部材及び前記薬液案内部材の回転中心と前記基板保持手段の回転中心とが一致するように、前記薬液案内部材が位置決めされて前記基板保持手段に固定されており、
    前記基板用可動保持手段により前記マスクブランクスを機械的に押付けて前記基板保持手段に固定した状態で、前記基板保持手段を回転させながら、前記薬液供給手段により前記流路及び前記間隙中に薬液を供給することで、前記マスクブランクス主表面の除去領域における不要な膜を除去することを特徴とする不要膜除去装置。
  2. 前記薬液案内部材に穴が設けられているとともに、前記基板保持手段には前記穴に勘合するピンが設けられており、前記穴と前記ピンとが勘合することにより、前記薬液案内部材が前記基板保持手段に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の不要膜除去装置。
  3. 前記薬液案内部材は機械的に押付けられて前記基板保持手段に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の不要膜除去装置。
  4. 前記薬液案内部材は、前記遮蔽部材と前記マスクブランクスの側面とを覆うように設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の不要膜除去装置。
  5. 前記間隙は、前記薬液が間隙中をつたわって間隙中に流れ込み、かつ、間隙中にのみ保持されることが可能な大きさに設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の不要膜除去装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の不要膜除去装置を用いた不要膜除去方法であって、
    前記基板保持手段に前記マスクブランクスを載置し、前記基板用可動保持手段によって前記マスクブランクスの中心が前記基板保持手段の回転中心と一致するように、前記マスクブランクス、前記遮蔽部材及び前記薬液案内部材をともに回転させながら、前記薬液供給手段により薬液を供給し、前記マスクブランクス表面に形成された膜のうち周縁部を含む不要な部分に薬液を供給することにより不要な膜部分を除去することを特徴とする不要膜除去方法。
  7. 前記マスクブランクス表面に形成された膜は、回転塗布装置による回転塗布工程によって成膜された塗布膜を含み、
    前記回転塗布装置は、前記マスクブランクスを回転可能に保持する回転保持手段に、前記マスクブランクスの中心が前記回転保持手段の回転中心と一致するように、前記マスクブランクスを機械的に押付けて固定する基板用可動保持手段を備えており、回転塗布工程中、前記マスクブランクスの中心と回転保持手段の中心が一致するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の不要膜除去方法。
  8. 基板上に、被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜とレジスト膜とを形成する膜形成工程を有するマスクブランクスの製造方法において、
    前記膜形成工程において不要な部分に形成された不要膜を請求項6または請求項7に記載の不要膜除去方法で除去する不要膜除去工程を有する
    ことを特徴とするマスクブランクスの製造方法。
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