JP3593527B2 - マスクブランクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクブランクの角型基板周辺部のレジスト膜が除去されたマスクブランクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マスクブランク、中でも透光性基板上に例えば電子回路のパターンとなる薄膜パターンが形成されたフォトマスクの原版であるフォトマスクブランクの製造工程において、基板表面にレジストが形成された後、その基板は各種処理工程を経る間に、搬送機構に保持されたり、基板収納ケースに挿抜されたりする。このとき、基板の周辺部が搬送機構のチャック部や、収納ケース内の収納溝に接触することにより、基板周辺部のレジスト膜が剥離して発塵源となり、その剥離したレジストがフォトマスクブランクの主表面に付着することによる欠陥が問題となっている。
【0003】
そこで、レジストを回転塗布してレジスト膜を形成させた後、基板周辺部のレジスト膜を予め除去しておく処理が施される。この処理は、基板を所定の回転中心周りに水平回転させながら、基板周辺部のレジストにレジストを溶解する処理液を供給し、この基板周辺部の被膜を溶解除去することが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている方法は、基板表面に中空のピラミッド形状をなしたカバーを配置し、ピラミッドの頂点の上から溶媒を供給して周辺部に供給するようにしたものである。
【特許文献1】
特公昭58−19350号公報(第1−4頁、第6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来例の場合、図10に示すように基板周辺部のレジスト除去後に残ったレジスト膜の周辺部に盛り上がりが発生することがわかった。これは、レジスト膜が形成された側の基板表面をカバー部材で覆った状態で基板周辺部のレジストを除去した場合に見られることがわかった。図10に示すような盛り上がりがある場合、上述と同様に基板収納ケースに挿抜するときにレジスト膜が剥離して発塵源となったり、盛り上がりの領域が基板中心部へ広く形成された場合は、アライメントマーク等の基板周辺近傍にパターニングする際のパターンくずれ要因となり問題である。また、盛り上がりの高さが大きい場合は、基板周辺部付近のパターン(例えば、アライメントマークや品質保証パターン等)がパターン不良となったり、パターン不良を防止するためにレジスト膜の露光を複数回行わなければならず、パターニング工程が複雑になるので問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板の周辺部のレジスト膜の除去後の盛り上がりを抑えたマスクブランクの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、第1の手段は、
被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜がが形成された基板を準備する工程と、前記基板の主表面上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜が形成された側の少なくとも前記基板主表面をカバー部材で覆った状態で基板を所定の回転数f1で回転させ、このカバー部材の上方から溶媒を供給してこの溶媒を溶媒流路を通じて不要なレジスト膜を溶媒で溶解する不要膜溶解工程と、前記溶媒の供給を停止し、前記回転数f1より回転数が大きい所定の回転数f2で回転させ、溶解した不要膜を除去し、除去した領域を乾燥する除去・乾燥工程と、を有し、前記回転数f2から前記基板の回転を停止するまでの減速速度を1000rpm/sec以下とすることを特徴とするマスクブランクの製造方法である。
【0008】
第2の手段は、
前記カバー部材の外周部には周辺平坦部が形成され、該周辺平坦部の内壁と基板の表面とによって形成される間隙の大きさを、該間隙に前記溶媒を供給したとき溶媒が間隙中をつたわって間隙中にのみ広がることが可能な大きさに設定されていることを特徴とする第1の手段に記載のマスクブランクの製造方法である。
【0009】
第3の手段は、
前記カバー部材は、前記基板主表面の除去領域において前記間隙が形成され、且つ前記基板主表面の非除去領域において、前記間隙よりも大きい空間が形成されるように前記基板主表面を覆うことを特徴とする第1の手段又は第2の手段に記載のマスクブランクの製造方法である。
【0010】
第4の手段は、
前記溶媒流路は、前記カバー部材の所定部位に設けられた溶媒供給孔とすることを特徴とする第1の手段乃至第3の手段の何れかに記載のフォトマスクブランクの製造方法である。
【0011】
第5の手段は、
前記不要膜溶解工程前に、レジスト膜付き基板を真空乾燥することを特徴とする第1の手段乃至第4の手段の何れかに記載のフォトマスクブランクの製造方法である。
【0012】
上述の第1の手段のように、基板周辺部に形成されたレジスト膜を溶媒で溶解する不要膜溶解工程の基板の回転数をf1、溶解した不要膜を除去し、除去した領域を乾燥する除去・乾燥工程の基板の回転数をf2としたとき、回転数f2を回転数f1より大きくし、前記回転数f2から前記基板の回転を停止するまでの減速速度を1000rpm/sec以下としたので、盛り上がりを抑えることができる。理由は定かではないが、以下によるものと推察される。
【0013】
基板表面をカバー部材で覆った状態で高速回転させると、カバー部材と基板表面との間における気圧が低下する。従って、レジスト膜が溶解して除去した後、直ぐに基板の回転を停止すると、カバー部材と基板表面との間の気圧が元に戻されようとするので、その気圧の変化により周辺部のレジスト膜が基板の中心方向に流動されて盛り上がりが形成される。
【0014】
この気圧の変化によるレジスト膜の流動を抑制するために、上述の第1の手段のように、除去・乾燥工程における基板の回転数f2から、基板の回転を停止するまでの減速速度を、1000rpm/sec以下とする。即ち、カバー部材と基板主表面との間における気圧の変化によりレジスト膜が基板の中心方向(回転中心方向)に流動して形成される凸部の高さが所定値以下(例えば、レジスト膜の盛り上がり(凸部)が発塵源となってフォトマスクブランク表面に付着し、欠陥となる不良率と、凸部の高さとの関係を把握しておいて、不良率がある一定以下に抑えられる凸部の高さを所定値とする等)になるように設定しているので、カバー部材と基板表面との間に気圧の変化を緩やかにでき、周辺部のレジスト膜が基板の中心方向に流動されることを抑制し、盛り上がりを抑えることができる。
【0015】
ここで、回転数f2を回転数f1より大きくしているのは、回転数f2が小さいと膨張したレジストのまとまろうとする力に負けてしまうからである。
また、不要膜溶解工程における基板回転数f1は、200〜750rpm、乾燥工程における基板回転数f2は、350〜2500rpmの範囲で、それぞれ不要膜(レジスト膜)の材料に応じて適宜設定する。
ここで、除去・乾燥工程が終了する直前の基板の減速速度は、1000rpm/sec以下とするが、好ましくは、700rpm/sec以下、さらに好ましくは、500rpm/sec以下、さらに好ましくは250rpm/sec以下が望ましい。減速速度が小さいほど凸部の高さは低減されるが、生産効率が落ちる。凸部の高さと生産効率を考慮すると、減速速度は250rpm/sec超700rpm/sec以下が好ましい。
【0016】
尚、上述の第1の手段のマスクブランクの製造方法によって、基板周辺部に形成されたレジスト膜が溶媒による溶解により除去され、除去する前のレジスト膜表面を基準面としたときに、レジスト膜周辺部の高さ(盛り上がり)が、基準面から1μm以下(0μm以上1μm以下)のマスクブランクや、さらには、基板周辺部に形成されたレジスト膜が溶媒による溶解により除去され、除去された領域に面したレジスト膜周辺部を除く基板中央付近のレジスト膜表面を基準面としたときに、レジスト膜周辺部の高さ(盛り上がり)が、基準面から1μm以下(0μm以上1μm以下)のマスクブランクが得られる。
【0017】
従って、基板収納ケースに挿抜するときにレジスト膜が剥離して発塵源となったり、基板周辺部付近のパターン(例えば、アライメントマークなど)不良を防止することができる。
中でも、除去された領域に面したレジスト膜周辺部を除く基板中央付近のレジスト膜表面を基準面としたときに、レジスト膜周辺部の高さ(盛り上がり)が、基準面から1μm以下(0μm以上1μm以下)とするには、レジスト膜周辺部を除去するところまでレジスト膜厚が均一に形成されているのが良い。
好ましくは、レジスト膜周辺部の高さ(盛り上がり)は、0.75μm以下(0μm以上0.75μm以下)、さらに好ましくは0.5μm以下(0μm以上0.5μm以下)が望ましい。
【0018】
尚、本発明でいうマスクブランクは、透過型マスクブランク、反射型マスクブランクの何れも指し、それらの構造は、基板上に被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜と、レジスト膜とを有するものである。
透過型マスクブランクは、基板として透光性基板を使用し、転写パターンとなる薄膜は、被転写体に転写するときに使用する露光光に対し、光学的変化をもたらす薄膜(例えば、遮光機能を有する薄膜)が使用されたフォトマスクブランクである。ここで、露光光に対し光学的変化をもたらす薄膜とは、露光光を遮断する遮光膜や、露光光の位相差を変化させる位相シフト膜などを指す。
また、「遮光機能を有する薄膜」とは、遮光機能と位相シフト機能を有する所謂ハーフトーン膜と、遮光機能を有する遮光膜とを含む。
【0019】
従って、本発明でいうフォトマスクブランクは、遮光機能を有する薄膜として遮光膜が形成された通常のフォトマスクブランクと、遮光機能を有する薄膜としてハーフトーン膜が形成された位相シフトマスクブランク(ハーフトーン型位相シフトマスクブランク)、位相シフト膜が形成された位相シフトマスクブランクなどを含む。尚、遮光機能を有する薄膜として、上記のハーフトーン膜と遮光膜を積層させたものであっても構わない。また、遮光機能を有する薄膜のほかに位相シフト機能を持たせた層が形成された位相シフトマスクブランクを含むものとする。位相シフト機能を持たせた層は、位相シフト機能を、透光性基板を掘り込むことにより形成する場合は、透光性基板が位相シフト機能を持つ層となる。また、位相シフト層を形成しても良い。
【0020】
また、反射型マスクブランクは、基板として低熱膨張基板を使用し、その基板上に光反射多層膜、転写パターンとなる光吸収体膜とを有するマスクブランクである。
また、マスクブランクには、上述の膜以外に、レジスト下地反射防止膜(BARC:Bottom Anti−Reflective Coating)、レジスト上層反射防止膜(TARL:Top Anti−Reflective Layer)、レジスト上層保護膜、導電性膜等の膜が形成されても良い。
【0021】
ここで、溶媒とは、レジスト膜を除去できる液体をいう。例えば、溶解除去する有機溶剤や、レジスト膜を露光した後、現像して除去するための現像液などをいう。
【0022】
また、溶媒流路とは、カバー部材における不要なレジスト膜部分に対応する位置に溶媒を供給するための溶媒供給孔を設けて溶媒流路としても、また、カバー部材の外側に溶媒案内部材を設けて、カバー部材と溶媒案内部材を溶媒流路としても良い。
【0023】
上述の第2の手段のように、本発明における具体的なレジスト膜除去方法は、カバー部材として、該カバー部材の外周部に周辺平坦部が形成され、前記周辺平坦部の内壁と基板の表面とによって形成される間隙の大きさを、該間隙に前記溶媒を供給したとき溶媒が間隙中をつたわって間隙中にのみ広がることが可能な大きさに設定されているものを使用して行われる。
このように、基板表面とカバー部材との間に形成された間隙において、溶媒の表面張力によるメニスカスにより、間隙中に溶媒は満たされるが、それ以外の領域には溶媒は供給されない。上述の原理を利用して基板周辺部のレジスト膜を除去することにより、除去領域を正確に制御することができる。
【0024】
さらに、上述の第3の手段のように、前記カバー部材は、前記基板主表面の除去領域において前記間隙が形成され、且つ前記基板主表面の非除去領域において、前記間隙よりも大きい空間が形成されるように前記基板主表面を覆うことによって、基板主表面におけるレジスト膜の除去領域を正確に制御することができる。
尚、カバー部材は、少なくともレジスト膜が形成されている側の基板主表面を覆っているものであって、基板面取部や基板側面部までも覆うようにしても構わない。
【0025】
また、上述の第4の手段のように、基板周辺部に溶媒を給するための溶媒流路は、カバー部材の所定部位(不要なレジスト膜部分に対応する位置)に、溶媒を供給するための溶媒供給孔とする。
【0026】
上述の第5の手段のように、不要膜溶解工程前に、レジスト膜付き基板を真空乾燥(減圧乾燥)を行うことにより、膨潤する領域を狭くできレジスト膜周辺部の高さ(盛り上がり)が更に低減でき、断面が良好となるので好ましい。
真空乾燥方法としては、例えば、真空ポンプなどがあり、真空乾燥条件は、レジスト種に応じて適宜設定される。具体的な条件の範囲として、例えば、真空引き時間5〜600秒である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例にかかるフォトマスクブランクの断面図である。図2は実施例にかかる不要膜溶解工程前の基板の端部拡大図である。図3は実施例にかかる不要膜除去装置の構成を示す側断面図である。図4と図5は図3の部分拡大断面図である。図6は実施例にかかる不要膜除去装置の分解斜視図である。図7は実施例にかかる回転台の回転数の時間変化を示すグラフである。図8は実施例にかかる回転台の回転数の時間変化を示すグラフである。図9は実施例にかかる除去・乾燥工程後の回転数から基板の回転を停止するまでの回転数の時間変化を示すグラフである。
【0028】
以下の説明では、まず、不要膜が形成されたフォトマスクブランクを説明し、次に、不要膜を溶剤による溶解によって除去する不要膜除去装置の構成を説明し、最後に周辺部の不要膜(レジスト膜)を除去するフォトマスクブランクの製造方法と、その製造方法によって得られたフォトマスクブランクを説明する。
【0029】
図3ないし図6において、基板10は、合成石英ガラスからなる透明基板(6インチ×6インチ×0.25インチ(1インチ=25.4mm))11の表面にクロムからなる遮光膜12が形成され、さらに、この遮光膜12の上に厚さ4000オングストロームの未ベークの状態のレジスト膜(例えば、チッソ株式会社製商品名:PBSC)13がスピンコート法等で形成されたフォトマスクブランクである。
【0030】
図2は不要膜が形成されたフォトマスクブランクである基板10の端部拡大図である。レジスト膜13は、本来、透明基板11の表面の主要部にのみ形成されていればよい。しかしながら、不要膜部分13aに示すように、本来形成する必要のない透明基板11の表面の周辺部、基板側面部及び場合によっては基板裏面部にまで形成されてしまう。なお、本実施例での透明基板11は、面取りされている。
【0031】
この基板10表面の周辺部、基板10側面部、基板10裏面部における不要膜部分13aを除去する具体的な不要膜除去装置を以下に説明する。
【0032】
図3に本実施例の不要膜除去装置を示す。回転台20に載置保持された基板10の上面側をカバー部材30によって覆い、このカバー部材30の上方からノズル40よりMCA(メチルセロソルブアセテート)等の溶媒50を噴出させてカバー部材30の溶媒供給孔31を通じて不要膜部分13aに供給してこれを溶解除去するものである。
【0033】
カバー部材30は、基板10を上方からかぶせるようにして覆うもので、中心部から周辺にかけての大部分は平坦部32である。この平坦部32から外周部に向けて傾斜部33が形成され、この傾斜部33からさらに外周部に向けて周辺平坦部34が形成され、この周辺平坦部34の外周端が下方に略直角に折り曲げられて、側面部35が形成されている。
【0034】
周辺平坦部34には、多数の貫通孔である溶媒供給孔31が形成されている。この溶媒供給孔31は、溶媒50の粘度等に応じて適切な形状、大きさ及び形成間隔が選定される。すなわち、孔形状は正方形、長方形、円形、楕円形、その他いずれでもよい。孔の大きさは、溶媒が一定の供給速度で不要膜部分13aにむらなく供給される大きさに設定する。また、孔どうしの間隔は、溶媒供給孔31から供給された溶媒が不要膜部分13a全体に隙間なく行き渡らせられる間隔に設定する。
【0035】
この実施例では、孔径を10.0mm以下で、溶媒を孔の近辺の不要膜部分13aを溶解できる量以上の量だけ通過できる以上の大きさとし、孔どうしの間隔(孔径の外側と外側との間隔)を10.0mm以下とした。孔径が小さすぎると、孔の近辺の不要膜部分13aを溶解できなくなり、10mm以上にすると、除去部分とその他の部分との境界部がギザギザの状態になり易いとともに、カバー部材30の機械的強度の維持が困難になるからである。また、孔どうしの間隔が小さすぎると、カバー部材30の機械的強度の維持が困難になるとともに、孔径によっては、溶媒の安定供給ができなくなる場合がある。逆に、孔どうしの間隔を10.0mm以上とすると、除去部分と他の部分との境界部がギザギザの状態になるとともに、除去したい部分を正確に完全に除去することが困難になるからである。
【0036】
カバ−部材30の中心部から周辺にかけての大部分である平坦部32の内壁と対向する基板表面の領域は、必要なレジスト膜13の領域(不要膜部分13a以外の領域)であり、この領域においては、基板表面とカバー部材との間で、溶媒の表面張力によるメニスカスが働かないように、後述するd1よりも大きく、カバー部材30の内壁と基板10の表面との間の間隙を、レジスト膜13の温度分布がカバー部材30の内壁面からの熱伝達によって影響を受けないように所定以上大きく、かつ、間隙で気体の対流が生じてこの対流によって基板主表面のレジスト膜13に温度分布が生じないように所定以下に小さく設定した値であるd3とする。
【0037】
この実施例では、d3を0.05mm〜20.0mmとする。0.05mm以下だとカバー部材からの熱伝達を受け易くなり、例えば、カバー部材表面に溶媒の気化熱が不規則に作用して大きな温度分布が生じた場合、その温度分布を直接反映してレジスト膜13に温度分布を付与してしまうおそれが高くなる。一方、20.0mm以上だと間隙内に自然の対流が生じてレジスト膜13に温度分布を生じさせるおそれが高くなる。
【0038】
図4に示ように、溶媒供給孔31のうち適宜の数箇所(例えば4箇所)には、溶媒に耐性のある(例えば、樹脂系)糸60が通され、カバー部材30の内壁と基板10の表面との間に介在されてこれらの間隙の大きさを設定するようになっている。すなわち、この糸60は、溶媒供給孔31を通り、周辺平坦部34の内壁と基板10の表面との間及び側面部35の内壁と基板10の側面との間を通り、さらにカバー部材30の側面部35の外側を通過してループ状に形成されている。
【0039】
糸60の太さは、周辺平坦部34の内壁と基板10の表面との間隙の大きさd1を、この間隙に溶媒を供給したとき、溶媒の表面張力によるメニスカスにより溶媒が間隙中をつたわって間隙中に拡がることが可能な大きさに設定する。この実施例では、d1を0.05mm〜3mmとする。0.05mm以下及び3mm以上だと溶媒が間隙中をつたわって間隙中に拡がることが困難になり、除去できない部分ができたり、除去部分と他の部分との境界がギザギザ状態になる場合があるからである。
【0040】
また、側面部35の内壁と基板10の側面との間隙の大きさd2は、この間隙中を溶媒が膜に接触しながら通過できる大きさであればよい。
【0041】
図5に示すように、基板10の下方にも溶媒供給用のノズル40aが設けられており、ノズル40aから溶媒50aを供給して、不要膜部分13aの除去を確実にすることができるようになっている。
【0042】
図6に基づいて、基板10が回転台20に保持される様子を説明する。回転台20は回転軸21に取り付けられた4本の水平方向に放射状に延びた支持腕22と、それぞれの支持腕22の先端部に設けられた一対の保持台座23とを有する。保持台座23上に、基板10の4角を配置して保持するものである。回転軸21は、図示しない回転駆動装置に結合され、所望の回転数で回転されるようになっている。カバー部材30を被された基板10は、回転台20に保持されて回転されながら処理される。
【0043】
以下、上述の装置による不要膜除去方法の実施例を図7を用いて説明する。
【0044】
(実施例1)
まず、基板10を回転台20にセットしてカバー部材30を被せたら、ノズル40から供給量を調節しながら溶媒50を供給する。同時に、回転台20を回転数200〜500rpmで5〜300秒間回転させる。これにより、溶媒50が溶媒供給孔31を通じて不要膜部分13aに浸透し、不要膜部分13aが溶解される。(不要膜溶解工程P1)
【0045】
次に、ノズル40からの溶媒50の供給を停止し、回転台20を回転数650〜2000rpmで5〜300秒間回転させる。これにより、溶解された不要膜部分13aが除去され、その後、不要膜部分13aが除去された領域を乾燥させる。(除去・乾燥工程P2)
【0046】
次に、除去・乾燥工程における回転数から基板の回転を停止するまでの回転数の変化を、カバー部材30と基板10主表面との間における気圧の変化によりレジスト膜13が基板10の中央方向に流動するのを抑制するように、回転台20を単調連続的に減速させ(減速速度300〜500rpm/sec)、除去・乾燥工程における回転数から3〜6秒間かけて回転台を停止させた。
【0047】
除去・乾燥工程後、ベーク処理等を施してレジスト膜13が基板の中央部に略正方形状に形成されたレジスト膜付きフォトマスクブランクを得る。尚、遮光膜が形成された側の基板主表面におけるレジスト膜の除去幅は、レジスト膜の除去領域が基板周辺部付近のパターンにかからないように、基板側面から1.5mm±0.3mmであり、レジスト膜の平均膜厚は、4000オングストローム弱であった。
【0048】
図1にこうして得られたフォトマスクブランクを示す。そのレジスト膜13の状態を目視で観察した。その結果、処理中にレジスト膜13に温度分布が加えられることに起因するリング状の色ムラがみられず、また、レジスト膜13と除去部分との境界線はほぼ直線状であり、除去幅がほぼ一定で正確に除去されていることがわかった。さらに、レジスト膜13を顕微鏡で観察したところ、溶媒の飛沫等によるピンホールは全くみられなかった。
また、除去されたレジスト膜13の周辺部の盛り上がり(凸部の高さ)を触針式膜厚測定器(テーラーホブソン社製タリーステップ)によって測定したところ、除去された領域に面したレジスト膜13周辺部を除く基板中央部付近のレジスト膜13表面を基準面としたときに、基準面からの高さhは、0.25μmであった(また、レジスト膜13周辺部を除去するところまでレジスト膜13の厚さが均一に形成されていたため、不要膜部分13a除去前の表面を基準面としたときの高さも0.25μmであった。)。
【0049】
この得られたフォトマスクブランクを基板収納ケースに収納した後、フォトマスクを作製した。その結果、レジスト膜13の盛り上がりによるパターン不良や、発塵による欠陥不良は起きなかった。
【0050】
(実施例2)
上記実施例1において、不要膜溶解工程前に、レジスト膜付き基板を真空乾燥させた以外は実施例1と同様にしてフォトマスクブランクを得た。その結果、レジスト膜13が基板10の中央部に略正方形状に形成されたレジスト膜付きフォトマスクブランクが得られた。
【0051】
こうして得られたフォトマスクブランクのレジスト膜13の状態を目視で観察した。その結果、処理中にレジスト膜13に温度分布が加えられることに起因するリング状の色ムラがみられず、また、レジスト膜13と除去部分との境界線はほぼ直線状であり、除去幅がほぼ一定で正確に除去されていることがわかった。さらに、レジスト膜13を顕微鏡で観察したところ、溶媒50の飛沫等によるピンホールは全くみられなかった。
また、レジスト膜13の周辺部の盛り上がり(凸部の高さ)を触針式膜厚測定器(テーラーホブソン社製タリーステップ)によって測定したところ、除去された領域に面したレジスト膜13周辺部を除く基板中央部付近のレジスト膜13表面を基準面としたときに、基準面からの高さは、0.1μmであった(また、不要膜部分13aを除去するところまでレジスト膜13の厚さが均一に形成されていたため、不要膜部分13a除去前の表面を基準面としたときの高さも0.1μmであった。)。
【0052】
この得られたフォトマスクブランクを基板収納ケースに収納した後、フォトマスクを作製した。その結果、レジスト膜13の盛り上がりによるパターン不良や、発塵による欠陥不良は起きなかった。
【0053】
この実施例のように、真空乾燥を行うことにより、実施例1の場合と比べて、除去されたレジスト膜の周辺部の盛り上がり(凸部の高さ)が更に低減し、断面が良好になった。
【0054】
(実施例3〜5)
次に、上述実施例1において、カバー部材30と基板10主表面との間における気圧の変化によりレジスト膜13が基板10の中央方向に流動するのを抑制するように、回転台20を単調連続的に減速させ、減速速度を100rpm/sec超300rpm/sec以下(実施例3)、減速速度を500rpm/sec超750rpm/sec以下(実施例4)、減速速度を750rpm/sec超1000rpm/sec以下(実施例5)にして回転台の回転を停止した以外は実施例1と同様にしてフォトマスクブランクを作製した。
【0055】
レジスト膜13の周辺部の盛り上がり(凸部の高さ)を触針式膜厚測定器(テーラーホブソン社製タリーステップ)によって測定したところ、除去された領域に面したレジスト膜13周辺部を除く基板中央部付近のレジスト膜13表面を基準面としたときに、基準面からの高さhはそれぞれ、実施例3が0.25μm、実施例4が0.25〜0.3μm、実施例5が0.5〜1μmであった。
【0056】
上述の結果から、凸部の高さを1μm以下にするには、減速速度を1000rpm/sec以下にすれば良いことがわかる。減速速度が500rpm/sec以下は、凸部の高さの変化が確認できないので、凸部の高さと生産効率を考慮し、減速速度は250rpm/sec超700rpm/sec以下が好ましい。
この得られたフォトマスクブランクを基板収納ケースに収納した後、フォトマスクを作製した。その結果、レジスト膜13の盛り上がりによるパターン不良や、発塵による欠陥不良は起きなかった。
【0057】
(実施例6)
次に、上述実施例1において、レジストを高分子型レジスト(日本ゼオン株式会社製商品名:ZEP)に変え、このレジストを溶解可能な溶媒にした以外は、実施例1と同様にしてフォトマスクブランクを作製した。
【0058】
実施例1と同様に、除去されたレジスト膜13の周辺部の盛り上がり(凸部の高さ)を触針式膜厚測定器(テーラーホブソン社製タリーステップ)によって測定したところ、除去された領域に面したレジスト膜13周辺部を除く基板中央部付近のレジスト膜13表面を基準面としたときに、基準面からの高さhは、0.05μmであった(また、レジスト膜13周辺部を除去するところまでレジスト膜13の厚さが均一に形成されていたため、不要膜部分13a除去前の表面を基準面としたときの高さも0.05μmであった。)。
【0059】
この得られたフォトマスクブランクを基板収納ケースに収納した後、フォトマスクを作製した。その結果、レジスト膜13の盛り上がりによるパターン不良や、発塵による欠陥不良は起きなかった。
【0060】
(比較例1)
上記実施例1において、除去・乾燥工程の回転台の回転数f2を150〜500rpmで10〜120秒間回転させた以外は実施例1と同様にしてフォトマスクブランクを作製した。
【0061】
レジスト膜13の周辺部の盛り上がり(凸部の高さ)を触針式膜厚測定器(テーラーホブソン社製タリーステップ)によって測定したところ、除去された領域に面したレジスト膜13周辺部を除く基板中央部付近のレジスト膜13表面を基準面としたときに、基準面からの高さは、3.5μmで、不要膜部分13a除去前の表面を基準面としたときに、その高さは2.5μmであった。
【0062】
この得られたフォトマスクブランクを基板収納ケースに収納した後、フォトマスクを作製した。その結果、レジスト膜13の盛り上がりによる発塵や、発塵によるパターン欠陥が確認された。また、レジスト膜13の盛り上がりによる、基板周辺部付近のパターン不良が発見された。
【0063】
(比較例2)
上記実施例1において、除去・乾燥工程における回転数から基板の回転を停止するまでの回転数の変化を単調連続的に減速させず、除去・乾燥工程時の回転数から急に回転台の回転を停止した以外は実施例1と同様にしてフォトマスクブランクを作製した。(このときの減速速度は、1000rpm/secを超える条件であった。)
【0064】
レジスト膜13の周辺部の盛り上がり(凸部の高さ)を触針式膜厚測定器(テーラーホブソン社製タリーステップ)によって測定したところ、除去された領域に面したレジスト膜13周辺部を除く基板中央部付近のレジスト膜13表面を基準面としたときに、基準面からの高さは3μmで、不要膜部分13a除去前の表面を基準面としたときに、その高さは2μmであった。
【0065】
この得られたフォトマスクブランクを基板収納ケースに収納した後、フォトマスクを作製した。その結果、レジスト膜13の盛り上がりによる基板周辺部付近のパターン不良や、発塵によるパターン欠陥が確認された。
【0066】
なお、上述したd3の上限である20.0mmは、必ずしも規制されるものではない。例えば、強制的に間隙内の気体を均一に撹拌することによって、自然対流による温度分布発生を阻止することも可能である。しかしながら、この間隙を大きくすることは、必然的にカバー部材30の平坦部32の高さが高くなることを意味する。平坦部32の高さが高くなり過ぎると、ノズル40から供給される溶媒が周辺平坦部34に至るまでの距離が長くなり、途中で気化する量が増したり、カバー部材及び基板を回転しながら処理する場合には、溶媒が周囲に飛び散るおそれも高くなる。また、装置も大型化するので望ましくない。
【0067】
なお、上述したd2の大きさは、d1と同じにすることが好ましいが、d1と異ならしめてもよい。異ならしめるときには、d1<d2とする場合とd1>d2とする場合がある。
【0068】
図示しないが、d1<d2とする場合は、例えば、側面部35に孔を別個に形成して糸60より太い糸を用いてその間隙の大きさを規制するようにしてもよい。d1>d2とする場合は、周辺平坦部34上で溶媒供給孔31よりも側面部35側に糸60を通す孔を別個に形成して、その孔と溶媒供給孔31に糸60を通し、側面部35に孔を別個に形成して糸60より細い糸を通す。すなわちこの糸は、側面部35に形成した孔と、側面部35と基板10の間と、カバー部材30の側面部35の外側を通る。
【0069】
なお、溶媒50の滴下は、不要膜溶解工程P1中において回転台20の回転数が一定になってから開始するのが好ましいが、回転台20の回転開始時からでもよい。
【0070】
図8にあるように、不要膜溶媒工程P1、除去・乾燥工程P2を複数回繰り返すことにより、レジスト膜13の周辺部の盛り上がり(凸部の高さ)がさらに小さくなり、不要膜部分13aを除去した後の境界部の断面形状が良好になる。
【0071】
図9は実施例にかかる除去・乾燥工程の回転数から基板の回転を停止するまでの回転数の時間変化を示すグラフである。
図9に示すように、上述の除去・乾燥工程P2の回転数から基板の回転を停止するまでの減速の仕方には特に制限はない。例えば、段階的な減速、連続的な減速、段階的な減速と連続的な減速を組み合わせることもできる。具体的には図9の91〜94のような選択をすることができる。
91は基板の回転数f2を単調に連続的に減速させた場合である。
92は周辺部のレジスト膜が除去された直後のレジスト膜は溶媒が接触されていたことにより、レジストの粘性が小さいのである程度乾燥された状態になるまで緩やかな減速とし、ある程度乾燥された状態にして減速の割合を高くした場合である。
93は、連続的な減速と段階的な減速を組み合わせた場合である。
94は、段階的に減速をさせた場合である。
【0072】
上記実施例ではレジスト膜13を溶解する溶媒として、MCA(メチルセロソルブアセテート)を用いたが、これに限られず、レジスト膜13を希釈できる溶媒等、溶解除去できるものであればどのようなものでもよい。また、レジストの不要部分を露光し、現像によって除去する場合において、現像液を用いることができる。また、上記実施例では間隙設定部材として、樹脂系の糸60を用いたが、これは、可撓性を有し、かつ溶媒に対して耐性を有するものであれば他のものでもよい。また、間隙設定部材は、糸状体に限られるものではなく、間隙を設定できるものであればどのようなものでもよく、例えば、カバー部材内壁に設けられた凸状体であってもよい。
【0073】
カバー部材30を構成する材料としては、熱を伝達しにくく、溶媒に対する耐性を有し、所定の機械的強度を有するものであればどのようなものであってもよい。例えば、樹脂材料、ガラス材料、セラミックス材料及びこれらの複合材料等をあげることができる。なかでも比較的熱伝達しにくく、加工が容易でかつ軽量化が容易な樹脂材料が好ましい。また、カバー部材30の少なくとも基板10表面の不要膜部分13a以外の領域を覆う部分を上記材料で構成することが好ましい。
【0074】
さらに、上記実施例では遮光膜12上にレジスト膜13を形成する場合に適用した例について説明したが、これは、透光性基板11上にSOG膜を形成し、SOG膜上に遮光膜12を形成するようにした場合にも適用できる。その場合、遮光膜12の外に透明導電膜、エッチングストッパー膜等の膜が設けられたものであってもよい。
【0075】
さらに、例えば、磁気ディスク媒体の保護膜の塗布、カラーフィルターの保護膜の塗布の際に形成される不要膜の除去、あるいは、ディスプレー用基板上の配線の電極部に形成される絶縁膜を除去する場合にも適用できる。 また、例えば、不要膜がレジストの場合は、溶媒としてレジストが可溶なケトン、エステル、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル等の液体を用いることができる。
【0076】
また、不要膜がSOGの場合は、ベークした後は塗布膜は溶けにくいので、上述の第1実施例のように、ベークする前に基板の裏面、側面及び表面周辺部の塗布膜を溶解して除去することが好ましいが、塗布膜がレジストの場合は、レジストの種類によっては、ベーク後においても溶解可能な場合もある。また、溶媒供給孔31の設ける位置は、上記実施例に限られるものではない。
【0077】
なお、上記実施例では、基板10とカバー部材30とを一体にして回転させる例を掲げたがこれは必ずしも回転させる必要はない。ただし、回転させたほうが溶媒を比較的早くかつ均一に間隙中に拡げさせることができるので好ましい。 さらに、カバー部材30として上記実施例では、正方形状の基板に形成された塗布膜の周辺部を除去して正方形の塗布膜を残存させる例を掲げたが、基板の形状及び残存させる塗布膜の形状は、正方形に限られるものではなく、円形、三角形、多角形その他任意の形状でもよい。その場合には、カバー部材の溶媒供給面と非供給面との形状をそのように形成すればよい。
【0078】
【発明の効果】
本発明のマスクブランクの製造方法によれば、不要膜溶解工程の基板の回転数をf1、溶解した不要膜を除去し、除去した領域を乾燥する除去・乾燥工程の基板の回転数をf2としたとき、f2>f1とし、さらに前記回転数f2から前記基板の回転を停止するまでの減速速度を1000rpm/sec以下としたので、レジスト膜周辺除去後のレジスト膜の盛り上がりを抑えたフォトマスクブランクを得ることができる。よって、この製造方法で作られたマスクブランクは、発塵源をなくすことができ、また基板周辺部付近のパターン不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にかかるフォトマスクブランクの断面図である。
【図2】実施例にかかる不要膜溶解工程前の基板の端部拡大図である。
【図3】実施例にかかる不要膜除去装置の構成を示す側断面図である。
【図4】図3の部分拡大断面図である。
【図5】図3の部分拡大断面図である。
【図6】実施例にかかる不要膜除去装置の分解斜視図である。
【図7】実施例にかかる回転台の回転数の時間変化を示すグラフである。
【図8】実施例にかかる回転台の回転数の時間変化を示すグラフである。
【図9】実施例にかかる除去・乾燥工程の回転数から基板の回転を停止するまでの回転数の時間変化を示すグラフである。
【図10】従来技術で不要膜除去を行った場合に得られるフォトマスクブランクの端部拡大図である。
【符号の説明】
10…基板、11…透明基板、12…遮光膜(遮光機能を有する薄膜)、13…レジスト膜。
Claims (5)
- 被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜が形成された基板を準備する工程と、
前記基板の主表面上にレジスト膜を形成する工程と、
レジスト膜が形成された側の前記基板表面をカバー部材で覆った状態で基板を所定の回転数f1で回転させ、このカバー部材の上方から溶媒を供給してこの溶媒を、溶媒流路を通じて不要なレジスト膜を溶媒で溶解する不要膜溶解工程と、前記溶媒の供給を停止し、前記回転数f1より回転数が大きい所定の回転数f2で回転させ、溶解した不要膜を除去し、除去した領域を乾燥する除去・乾燥工程と、を有し、
前記回転数f2から前記基板の回転を停止するまでの減速速度を1000rpm/sec以下とすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 前記カバー部材の外周部には周辺平坦部が形成され、該周辺平坦部の内壁と基板の表面とによって形成される間隙の大きさを、該間隙に前記溶媒を供給したとき溶媒が間隙中をつたわって間隙中にのみ広がることが可能な大きさに設定されていることを特徴とする請求項1記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記カバー部材は、前記基板主表面の除去領域において前記間隙が形成され、且つ前記基板主表面の非除去領域において、前記間隙よりも大きい空間が形成されるように前記基板主表面を覆うことを特徴とする請求項1又は2記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記溶媒流路は、前記カバー部材の所定部位に設けられた溶媒供給孔とすることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
- 前記不要膜溶解工程前に、レジスト膜付き基板を真空乾燥することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
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