JP2008045133A - 架橋樹脂フィルム、およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学透明性、耐熱性、耐液晶性、寸法安定性、接着性を持ち、液晶表示装置およびEL表示装置における基板ガラスの代替品として、また、これらの装置の偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルム、EL表示装置用フィルム、透明導電性複合材料、反射防止フィルムなどに用いることができる架橋樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】特定の反応性シリル基を有する環状オレフィン系付加型共重合体を含有し、さらに必要に応じて、オルガノシラン類や金属酸化物などを含有する組成物を成形してなる樹脂フィルムをシロキサン結合で架橋してなる架橋樹脂フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルコキシシリル基を有する環状オレフィン系付加型共重合体を含有し、さらに必要に応じて、オルガノシラン系化合物や金属酸化物を配合した環状オレフィン系付加型共重合体組成物を成形して得られるフィルムを、シロキサン結合で架橋した樹脂フィルムに関する。
さらに、本発明は、上記架橋樹脂フィルムを用いた、光学透明性、耐熱性、耐吸水性、耐液晶性、寸法安定性、接着・密着性などに優れた、液晶表示装置およびEL表示装置用の基板フィルム、偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルムに関する。
液晶およびEL表示装置は、高画質、薄型、軽量、低消費電力などの特徴を持ち、電卓、時計、携帯電話、パソコン、テレビ、プロジェクタ、ATM、ナビゲーションなどの車載用表示装置など、多くの製品に使われている。液晶、およびEL表示装置は、多種の部品・材料から構成されている。液晶表示装置では、液晶、液晶配向膜、液晶基板、透明電極、カラーフィルター、偏光フィルム、導光板、透明導電性フィルム、位相差フィルム、表面保護フィルム、光拡散フィルム、プリズムシート、スペーサー、シール剤などが挙げられる。これらを組立て、さらに駆動IC、プリント基板、バックライトなどのモジュール部品を取り付けて、液晶表示装置となる。また、EL表示装置では、EL(エレクトロルミネッセンス)、偏光フィルム、位相差フィルム、透明電極などが挙げられ、これらを組み立てて、EL表示装置となる。
液晶基板としては、従来、ガラス基板が主に用いられてきた。ガラス基板は、ガラスの機械強度が弱いため薄型化が困難であること、柔軟性に欠けるため形状の自由度がないこと、割れ易いため生産性に難があることなどの問題点がある。近年、著しく普及している携帯電話などの携帯情報端末、ノートブック型パソコン、サブノート型パソコンなどの携帯性の高い機器に用いる液晶表示装置、および、これに用いる液晶基板は、軽量、薄型、割れないことが求められている。そこで、軽量、薄型、割れないことなどが重視される用途の液晶表示装置においては、ガラス基板に代わって透明樹脂からなる液晶基板フィルムが用いられている。ガラス基板では、塗布した配向膜を200℃以上の高温で焼成するが、従来、この用途によく使用されている透明樹脂PES(ポリエーテルサルフォン)製の液晶基板フィルムの耐熱性は、160〜170℃が限界であり、さらに耐熱性が大きい透明樹脂フィルムが求められている。
偏光フィルムは、入射光を互いに直交する2つの偏光成分に分離し、その一方のみを通過させ、他の成分を吸収または分散させる機能を有している。この偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコールなどのフィルムを一定方向に分子配列させ、これにポリ沃素、色素などの二色性物質を吸着させたものが用いられている。しかし、これらの偏光膜は、透過軸方向に対する機械的強度が弱く、しかも熱や水分による収縮といった問題点があり、通常偏光膜の両面に保護層として表面保護フィルムが設けられている。
表面保護フィルムは、低複屈折性、耐熱性、低吸湿性、機械強度、表面平滑性、高解像度、粘着剤との密着性などの性能が要求される。従来、表面保護フィルムとしては、低複屈折性と表面平滑性に優れているキャスティング法で製造されたTAC(トリアセチルセルロース)フィルムが用いられている。TACフィルムは、高温高湿下での耐久性、耐熱性、機械的強度、低複屈折性、粘着剤との密着性に劣るという問題点があり、さらに耐熱性が大きい材料が求められている。
位相差フィルムは、STN方式の液晶表示装置において、液晶分子をねじったために出てくる屈折率の波長依存性の着色を、補償する目的で使用される。位相差フィルムは、鮮明な色彩と精細な画像を得るために、複屈折が全面に均一であり、高温や高湿度になる厳しい条件下においても光学特性が変化しないことが求められている。位相差フィルムは、接着剤層を介して偏光フィルムが積層された形で液晶表示装置に用いられている。位相差フィルムは、通常、PC(ポリカーボネート)フィルムを延伸、配向させてなるフィルムが用いられているが、PCフィルムは、光弾性係数が9×10-12cm2/dynと大きいため、複屈折が大きくなりすぎること、複屈折が不均一となること、組立時や環境変化に基づいて生じたわずかな応力で、複屈折が変化する問題があった。また、PCフィルムは、表面硬度が小さいためにフィルム製造時やデバイス組立時にも問題があり、これに代る新しい材料が求められている。
透明導電性フィルムは、透明フィルム基材の上に透明導電膜が積層された構成になっている。この透明フィルム基材は、耐熱性、表面平滑性、光学特性、耐湿性に優れていることが求められ、従来よりPES(ポリエーテルサルフォン)やPAR(ポリアリレート)が用いられているが、PESからなるフィルムは透明性に劣り、PARも光学歪が出やすく、透明で光学的に均一なフィルムを得るためには複雑な技術を必要とした。
光拡散フィルムは、液晶表示素子において光拡散あるいは輝度向上の目的でバックライトの上に積層され、一般に透明なシートまたはフィルムの表面にエンボス工程や光硬化性樹脂の塗布などによりファインパターンを形成してなるものである。光拡散フィルムの基材として通常用いられているものに、PCやPET(ポリエチレンテレフタレート)が挙げられるが、PCからなるフィルムは、表面硬度が低いのでフィルムが傷つきやすく、ファインパターンの形成時やディスプレイなどの組立作業においてフィルムが傷つくことにより透明性が失われるなどの問題がある。また、PETからなるフィルムは、透明性に劣り、このようなフィルムを用いた液晶表示装置は、明るさに欠け見づらい画像となる問題がある。また、耐熱性も十分ではなく、ファインパターン形成時にフィルムにソリが生じるなど均一なファインパターン形成が困難であった。
プリズムシートは、光拡散フィルムを通って拡散した光を液晶表示装置の視野角に集め、液晶表示装置の輝度を向上させるためのフィルムで、大型のカラーSTN、カラーTFTに使われている。これは、PCフィルムにプリズム角を付けたものであるが、光学的不均一性の改良、光透過性の向上による液晶表示装置の輝度の一層の向上が求められている。
液晶およびEL表示装置に使用される厚さ約10〜500mμの各種フィルムは、それぞれ必要とされる特性を満たす透明樹脂から製造されている。透明樹脂としてはポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂、PAR(ポリアリレート)樹脂が用いられているが、PC樹脂やポリエステル樹脂は複屈折が大きく、アクリル系樹脂は耐熱性および耐湿性が不足し、PESフィルムの耐熱性は160〜170℃が限界である、などの問題があった。
反射防止フィルムの基板フィルムとしては、PETやPC、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明樹脂からなるフィルムが広く用いられている。このフィルムに形成される反射防止膜は単層の場合もあれば2層以上の多層構造の場合もあり、層を多くするにつれて広い波長領域の反射防止が可能となるが、層を多く形成していくにつれ透明性が低下するため、基板の透明性が特に求められている。また、これら反射防止フィルムはディスプレイ用途に用いられることが多いが、複屈折の大きいフィルムであると表示画像が歪んだりするなど良好な画像を得ることが難しいため、フィルム全般にわたって複屈折の小さい、均一なフィルムであることが求められている。
また、プラスチック基板材料などの光学部品材料として、下記のような開環重合体の水素化物および付加重合体も提案されている。
(1)開環重合体の水素化物
(1−1)テトラシクロドデセン系化合物の開環共重合体の水素化物(特許文献1:特開昭60−26024号公報、特許文献2:特許第3050196号公報)
(1−2)エステル基を含むノルボルネン系またはテトラシクロドデセン系化合物の開環共重合体の水素化物(特許文献3:特開平1−132625号公報、特許文献4:特開平1−132626号公報)
(2)付加重合体
(2−1)エチレンとノルボルネン系化合物またはテトラシクロドデセン系化合物の共重合体〔特許文献5:特開昭61−292601号公報、非特許文献1:Makromol.Chem.Macromol.Symp.Vol.47,83(1991)〕
(2−2)ノルボルネンの付加重合体、ノルボルネンとアルキル置換ノルボルネンとの付加型共重合体(非特許文献2:MetCon97,June4−5,1997 B.L.Goodallら、特許文献6:特開平4−63807号公報、特許文献7:特開平8−198919号公報)
(2−3)ノルボルネンのカルボン酸エステルの付加重合体、ノルボルネンとノルボルネンのカルボン酸エステルとの付加型共重合体、ノルボルネンのカルボン酸の付加重合体〔非特許文献3:Macromolecule,Vol.29,2755(1996)、非特許文献4:Macromol.Rapid.Commun.Vol.19,251(1998)、および特許文献8:国際特許公開WO96/37526号公報〕
しかしながら、上記(1−1)および(1−2)の開環共重合体の水素化物に関しては、同じモノマーであっても開環共重合体は付加重合体に比べそのガラス転移温度が相対的に低く、ガラス転移温度の高い重合体を得ることが困難である。また、開環共重合体は、完全に水素化することが困難で、その水素化物は、微量な不飽和結合を重合体中に含むことになり、その結果、250℃以上の高温で薄膜、フィルムまたはシートへ成形加工をする際に着色することがあり、耐熱性の点で必ずしも充分ではない。
また、上記(2−1)のエチレンとノルボルネン系化合物またはテトラシクロドデセン系化合物との共重合体は、エチレンの連鎖に分布があり、エチレン連鎖が少しでも長いと結晶化し、光学的透明性の点で不充分となることが多く、また、極性基を含まないため、接着性および密着性の点で不充分なものである。
一方、(2−2)の付加重合体は、ガラス転移温度が高く、耐熱性は高いが、耐溶剤性の点で不十分である。また、(2−3)のノルボルネンのカルボン酸エステルの付加重合体、ノルボルネンとノルボルネンのカルボン酸エステルとの付加型共重合体、ノルボルネンのカルボン酸の付加重合体は、極性基を多く含むため、接着性および密着性の点では優れるが、耐吸湿性の点では不充分で、寸法安定性に欠ける。
特開昭60−26024号公報 特許第3050196号公報 特開平1−132625号公報 特開平1−132626号公報 特開昭61−292601号公報 Makromol.Chem.Macromol.Symp.Vol.47,83(1991) MetCon97,June4−5,1997 B.L.Goodallら 特開平4−63807号公報 特開平8−198919号公報 Macromolecule,Vol.29,2755(1996) Macromol.Rapid.Commun.Vol.19,251(1998) 国際特許公開WO96/37526号公報
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定構造を有する環状オレフィン系共重合体でしかもその架橋体を使用することにより、耐熱性、耐溶剤性、寸法安定性が良く、透明性に優れる液晶表示素子を形成するための液晶配向膜形成基板が得られることを見いだし、本発明を完成したものである。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、表示装置用フィルムとして従来使用されていた環状オレフィン系共重合体(開環重合)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂、PET樹脂などの樹脂に代わる、新規な樹脂を用いる液晶およびEL表示装置用フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、上記の本発明のフィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置用の基板フィルム、偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明は、下記式(1)で示される繰り返し単位(a)と下記式(2)で示される繰り返し単位(b)を含む環状オレフィン系付加型共重合体を含有する、環状オレフィン系付加型共重合体組成物を成形して得られる樹脂フィルムをシロキサン結合で架橋した架橋樹脂フィルムに関する
Figure 2008045133
[式(1)中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、または、
−(CRSi(OR (3−g)
−(CRSi(R)OSi(OR (3−g)
−(CRC(O)O(CH2hSi(OR (3−g)
で表されるアルコキシシリル基、アリロキシシリル基を示し、A〜Aの少なくとも一つはアルコキシシリル基、アリロキシシリル基を示す。ここで、R,Rはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、f,hは0〜5の整数、gは1〜3の整数を示す。また、Yは−CH−または−O−を示し、mは0または1を示す。]
Figure 2008045133
[式(2)中、B,B,B,Bはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、または−(CH2Xで表される極性基示す。ここで、Xは−C(O)OR、または−OC(O)Rであり、R,Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、またはこれらのハロゲン置換基、jは0〜5の整数を示す。また、B〜BにはBとBまたはBとBで形成されるアルキリデニル基、BとB、BとB、またはBとBで形成されるシクロアルキレン基、シクロアルケニレン基も含まれる。nは0から2の整数を示す。]
また、上記架橋樹脂フィルムには、下記化合物(A)〔下記式(3)で示されるで表されるオルガノシラン、あるいは該オルガノシランの加水分解物、あるいは該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物(以下「オルガノシラン類」ともいう)〕や、下記化合物(B)〔シリカ、アルミナ、ジルコニアおよびチタニアの群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物〕が配合されていてもよい。
(RSi(OR4−P
………(3)
[式(3)中、Rは、2個存在する場合には同一または異なり、炭素数1〜10の有機基を示し、Rは同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、pは0〜2の整数である。]
さらに、本発明の架橋樹脂フィルムには、上記のオルガノシラン類や金属酸化物などの配合物と、環状オレフィン系付加型共重合体とを、キャスト時あるいはそれ以前にグラフト結合させるため、
Al、Zr、Sn、Zn、Ca、Ba、Ti、Sc、Gd、Yb、Sm、Nd、Sb、Y、およびCeの群から選ばれた少なくとも一種の金属化合物が配合されてもよい。
本発明の架橋樹脂フィルムは、上記の環状オレフィン系付加型共重合体組成物を、溶液キャスト法にてフィルム化したのちに、50℃以上に加熱、あるいは熱水または水蒸気で加熱することにより、シロキサン結合を形成させて架橋させることによって得られる。
また、本発明の架橋樹脂フィルムは、液晶表示装置用フィルムおよびEL表示装置用フィルムとして好ましく使用できる。
また、本発明の架橋樹脂フィルムは、液晶表示装置の液晶基板フィルム、偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルム、および反射防止フィルムとして、好ましく使用できる。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体を含有する組成物からなる透明な架橋樹脂フィルムを用いた表示装置用フィルムは、光学透明性、耐熱性、耐液晶性、寸法安定性、接着性を持ち、液晶表示装置およびEL表示装置における基板ガラスの代替品として好適に用いられることをはじめ、これらの装置の偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルム、EL表示装置用フィルム、透明導電性複合材料、反射防止フィルムなどに用いることができる。
本発明の表示装置用フィルムに有用な架橋樹脂フィルムは、上記式(1)に示す繰り返し単位(a)と上記繰り返し単位(b)を含む環状オレフィン系付加型共重合体を含有する環状オレフィン系付加型共重合体組成物を成形して得られる樹脂フィルムがシロキサン結合で架橋された架橋樹脂フィルムである。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体に用いられる繰り返し単位(a)は、下記式(1)’に示す環状オレフィン(以下、「特定の環状オレフィン(1)」ということがある)の付加重合により形成することができる。
Figure 2008045133
[式(1)’中、 A〜A 、Y、およびmは上記式(1)に示すものと同一である。]
このような「特定の環状オレフィン(1)」の具体例としては、
5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、
5−トリメトキシシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシクロロシリル−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシクロロシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−メトキシクロロメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシクロロシリル−2−ノルボルネン、
5−メトキシヒドリドメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシヒドリドシリル−2−ノルボルネン、
5−メトキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−ジエトキシクロロシリル−2−ノルボルネン、
5−エトキシクロロ−メチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ジエトキシヒドリドシリル−2−ノルボルネン、
5−エトキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−エトキシジエチルシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−プロポキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−トリプロポキシシリル−2−ノルボルネン、
5−トリフェノキシシリル−2−ノルボルネン、
5−トリメトキシシリルメチル−2−ノルボルネン、
5−(2−トリメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、
5−(2−ジメトキシクロロシリル)エチル−2−ノルボルネン、
5−(1−トリメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、
5−(2−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、
5−(1−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシリルエチル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシメチルシリルメチル−2−ノルボルネン、
5−トリメトキシプロピルシリル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシロキシ−ジメチルシリル−2−ノルボルネン、
8−トリエトキシシリル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
8−メチルジメトキシシリル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
8−トリエトキシシロキシ−ジメチルシリル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
5−トリメトキシシロキシ−ジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシロキシ−ジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−メチルジメトキシシロキシ−ジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメトキシメチルシリルプロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル、
5−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメトキシメチルシリルプロピル、
などが挙げられる。
繰り返し単位(a)の環状オレフィン系付加型共重合体中の割合は、0.2〜30モル%、好ましくは0.5〜20モル%、さらに好ましくは1.0〜10モル%である。繰り返し単位(a)の環状オレフィン系付加型共重合体中の割合が0.2モル%未満では、架橋体の形成が困難となり、一方、割合が30モル%を超えると、耐吸湿性、寸法安定性が低下する。
なお、式(1)で表される繰り返し単位(a)を形成する他の方法としては、トリクロロシリル基、ジクロロアルキルシリル基を有する環状オレフィン(以下、「特定の環状オレフィン(2)」という)を付加共重合したのち、得られた共重合体中のトリクロロシリル基、またはジクロロアルキルシリル基をアルカリ金属のアルコキシド化合物またはアリロキシド化合物と反応させる、あるいはアミン化合物の存在下でアルコールまたはフェノール類と反応させる方法を挙げることができる。
このような「特定の環状オレフィン(2)」の具体例としては
5−トリクロロシリル−2−ノルボルネン、
5−トリクロロシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−ジクロロメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ジクロロエチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリクロロシリルプロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリクロロシリルプロピル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジクロロメチルシリルプロピル、
などが挙げられる。
本発明の共重合体において、式(1)で示される繰り返し単位(a)とともに用いられる式(2)で示される繰り返し単位(b)は、下記式(2)’に示す環状オレフィン(以下、「特定の環状オレフィン(3)」という。)を付加共重合することにより形成される。
Figure 2008045133
[式(2)’中、B〜B、およびnは式(2)と同一である。]
このような「特定の環状オレフィン(3)」の具体例としては、
2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、
5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、
5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、
5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、
5−オクチル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、
5−ドデシル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、
5−アリル−2−ノルボルネン、5−ブテニル−2−ノルボルネン、
5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、
5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、
5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、
5−メチル,5−エチル−2−ノルボルネン、
5、6−ベンゾ−2−ノルボルナジエン、
5−フェニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、
2、5−ノルボルナジエン、
5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、
5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、
5−フロロ−2−ノルボルネン、5−クロロ−2−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸プロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチル、
2−エチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリフロロエチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル酢酸エチル、
5−ノルボルネン−2−スピロ−N−フェニルスクシンイミド、
5−ノルボルネン−2−スピロ−N−シクロヘキシルスクシンイミド、
5−ノルボルネン−2−スピロ−N−メチルスクシンイミド、
5−ノルボルネン−2,3−N−フェニルジカルボキシイミド、
5−ノルボルネン−2,3−N−シクロヘキシルジカルボキシイミド、
アクリル酸2−メチル−5−ノルボルネン、
メタクリル酸2−メチル−5−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジエチル、
3−トリシクロ[4.3.0.12,5]デセン、
3,7−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカジエン(ジシクロペンタジエン)、
3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
8−メチル,3−テトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデセン、
8−エチリデン−3−テトラシクロ[4.4.0.12,57,10]ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
などを挙げることができる。
上記繰り返し単位(b)を形成する上記式(2)’に示す化合物は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
繰り返し単位(b)の本発明の環状オレフィン系付加型共重合体中の割合は、全繰り返し単位中、70〜99.8モル%、好ましくは80〜99.5モル%、さらに好ましくは90〜99モル%である。(b)の割合が70モル%未満では、ガラス転移温度が低下することがあり、一方、99.8モル%を超えると、架橋が困難となる。
なお、上記式(2)’で示される環状オレフィンの中の特定のものを使用し変性することにより、式(1)で表される繰り返し単位(a)を形成することもできる。例えば、ノルボルナジエン化合物、アルケニル置換基を有する化合物およびビニリデニル置換基を有する化合物の群から選ばれた少なくとも1種(以下、「特定の環状オレフィン(4)」という)を付加共重合した後、得られた共重合体中の不飽和二重結合と、Si−H結合をもつアルコキシシラン化合物をPt、Rh、Ruなどの化合物を触媒としてヒドロシリル化反応させる方法を挙げることができる。
このような「特定の環状オレフィン(4)」の具体例としては、
2,5−ノルボルナジエン、7−オキサ−2,5−ノルボルナジエン、
5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、
5−ビニル−7−オキサ−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、
5−ブテニル−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、
8−エチリデン−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
などが挙げられる。
Si−H結合をもつアルコキシシラン化合物の具体例としては、
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、
トリプロポキシシラン、ジメトキシシラン、
ジエトキシシラン、ジメトキシクロロシラン、
ジエトキシクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、
ジエトキシメチルシラン、ジメトキシフェニルシラン、
ジエトキシフェニルシラン、モノメトキシジメチルシラン、
モノエトキシジメチルシラン、モノエトキシジエチルシラン、
などが挙げられる。
また、ヒドロシリル化反応触媒としては、HPtCl・HO、Pt/Al、RhCl(PPh、Rh/Al、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、およびTiClなどが挙げられる。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体に用いられる重合の触媒としては、以下の1)、2)および3)に挙げる多成分系触媒が用いられる。
1)遷移金属化合物
ニッケルまたはコバルトの有機カルボン酸塩、有機亜リン酸塩、有機リン酸塩、有機スルホン酸塩、β−ジケトン化合物などから選ばれた化合物またはニッケルまたはコバルトの有機カルボン酸塩と六フッ化アンチモン酸、四フッ化硼素酸、トリフロロ酢酸、六フッ化アセトン、などの超強酸変性化合物、
ニッケルの1,5−シクロオクタジエン錯体、
[(η3-クロチル)Ni(シクロオクタジエン)][B((CF3)2C6H4)4]、
ニッケルのシクロドデカトリエン錯体、
ニッケルのノルボルナジエン錯体、などのジエンまたはトリエンが配位した錯体、
ニッケルまたはコバルトのビス(トリアリールホスフィン)ジハロゲン錯体、
[(η3-クロチル)Ni(シクロオクタジエン)][B((CF3)2C6H4)4
Bis[N−(3−tert−butylsalicylidene)phenylaminato]Ni
Ni[PhC(O)CHPPh2](Ph)(PPh3
Ni(OC(O)(C6H4)PPh2)(H)(PCy3)
Ni[OC(O)(C6H4)PPh2](H)(PPh3)
Ni(COD)2とPPh3=CHC(O)Phの反応物
[(ArN=CHC6H3(O)(Anth)](Ph)(PPh3)Ni
(Ar:2,6−(Pr)2C6H3 ,Pr:isopropyl ,Anth:9-anthracene、
Ph:phenyl、Cy:Cyclohexyl)
などの2または3座配位子をもつ錯体
2)有機アルミニウム化合物
メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサン、
トリアルキルアルミニウムが部分混合されたメチルアルモキサン、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、
ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、
エチルアルミニウムジクロライド
などの有機アルミニウム化合物
3)さらに、重合活性向上のため添加できる化合物として
1,5−シクロオクタジエン、1,5,9-シクロドデカトリエンなどの
非共役ジエン化合物、
三フッ化ホウ素のエーテル、アミン、フェノールなどの錯体、
トリ(ペンタフロロフェニル)ボラン、
トリ(3,5-ジ-トリフロロメチルフェニル)ボラン、
トリ(ペンタフロロフェニル)アルミニウム
などのルイス酸化合物。
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ジ-トリフロロメチル-フェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、
N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、
などのイオン性ホウ素化合物。
これらの触媒成分は、以下の範囲の使用量で用いられる。すなわち、ニッケルまたはコバルト化合物は単量体1モルに対して、0.02〜100ミリモル原子、有機アルミニウム化合物はニッケルまたはコバルト1モル原子に対し、1〜5,000モル、また非共役ジエン、ルイス酸化合物、イオン性ホウ素化合物はニッケルまたはコバルト1モル原子に対して、0.2〜100モルである。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体の重合反応の溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブテン、2−メチルブテンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ニトロメタンなどの極性溶媒から1種または2種以上選ばれて用いられる。
以下に、本発明の環状オレフィン系付加型共重合体を得る方法の概要を例示するが、必ずしもこの例示に限定されるものではない。
すなわち、窒素、またはアルゴン雰囲気下で、反応容器に溶媒と環状オレフィンからなるモノマーと分子量調節剤を仕込み、−20℃〜100℃の範囲の温度に重合系を設定する。
次に、上記触媒成分を添加して−20℃〜100℃の範囲で重合を行う。溶媒/モノマーの重量比は1〜20の範囲で行われる。分子量の調節は、重合触媒の量とα−オレフィン、水素、ジフェニルジヒドロシランなどの分子量調節剤の添加量、重合体への転化率および重合温度によって、目的とする分子量に調節される。重合の停止は、水、アルコール、有機酸、炭酸ガスなどから選ばれた化合物により行われる。重合体溶液にマレイン酸、フマル酸、シュウ酸から選ばれた酸の水/アルコール混合物を添加して、触媒残さは重合体溶液から分離・除去される。重合体は、重合体溶液をメタノール、エタノール、イソプロパノールなどから選ばれたアルコール中に入れて、凝固し、減圧乾燥することにより得られる。この工程で重合体溶液に残存する未反応モノマーも除去される。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲル・パーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量が好ましくは10,000〜1,000,000、さらに好ましくは50,000〜500,000である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは15,000〜1,500,000、さらに好ましくは70,000〜700,000である。ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000未満、重量平均分子量が15,000未満であると、破壊強度が不充分となることがある。一方、ポリスチレン換算の数平均分子量が1,000,000を超え、重量平均分子量が1,500,000を超えると、環状オレフィン系付加型共重合体の溶液を用いて、キャストしてシートまたはフィルム状の基板を作製するときに溶液粘度が高くなり、うねり、そりなどがない平滑性のよい、シート、フィルムの作製が困難となることがある。
また、上記のようにして得られた本発明の環状オレフィン系付加型共重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは250℃〜400℃である。200℃未満であると、架橋するときの熱負荷に対して変形を生じることがある。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体を含む樹脂フィルムの架橋反応は、酸触媒により進行する。酸触媒としては、加熱分解により酸を発生する化合物、あるいは熱水または水蒸気の存在下で加水分解することにより酸を発生する化合物の中から選ばれた、少なくとも1種以上の化合物が用いられる。熱分解、あるいは加水分解の進行する温度は、50℃以上、好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。
加熱分解により酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、ベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルホスホニウム塩、ヒドラジニウム塩などが挙げられる。
一方、加水分解により酸を発生する化合物としては、亜リン酸エステル、次亜リン酸エステル、イミノホスホナート、有機カルボン酸エステル、有機スルホン酸エステル、有機スルフィン酸などを挙げることができる。
これらのうちでも、貯蔵安定性の点から、亜リン酸エステルおよび次亜リン酸エステルが好ましい。
亜リン酸エステルには、モノエステル、ジエステル、およびトリエステルの3種があるが、室温から100℃付近までの範囲では、トリエステルは中性、モノおよびジエステルは極めて弱い酸性であることが多く、架橋触媒としての作用は弱い。
一方、高温に加熱した条件下では、モノおよびジエステルは酸性度のより強い互変異体へと異性化することが知られている。また、トリエステルは、熱水または水蒸気存在下で加水分解を受け、モノあるいはジエステルに変化することで酸としての機能が発現する。
次亜リン酸エステルの場合もこれと同様であり、中性を示すジエステルが加水分解を受け、高温で酸性を示すモノエステル、および次亜リン酸へと変換される。
この反応機構により、熱水および水蒸気存在下で、亜リン酸エステルおよび次亜リン酸エステルの架橋触媒機能が発現すると考えられる。
亜リン酸エステルまたは次亜リン酸エステルは、ヒドロキシ基を有する有機化合物と亜リン酸または次亜リン酸と反応させることにより得られる。亜リン酸または次亜リン酸と反応させる、ヒドロキシ基を有する有機化合物としては、炭素数1〜40の飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素にヒドロキシ基が1個以上置換したアルコール、炭素数5〜40の飽和あるいは不飽和の脂環族炭化水素にヒドロキシ基が1個以上置換したアルコール、および炭素数6〜40の、アルキル基置換あるいは無置換の芳香族炭化水素にヒドロキシ基が1個以上置換したフェノールなどが挙げられる。
これらヒドロキシ基を有する有機化合物と亜リン酸の反応により形成される亜リン酸エステルの具体例としては、
[亜リン酸トリエステルの具体例]
トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、
トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、
トリヘキシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、
トリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
トリノニルフェニルホスファイト、トリステアリルホスファイト、
ジフェニルオクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、
フェニルジデシルホスファイト、
(テトラフェニル)ジプロピレングリコールジホスファイト、
(テトラフェニル)テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、
テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、
2、2−メチレンビス(4,6−ジーt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、
トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(ジ−ノニル−フェニル)ホスファイト、
1、1,3−トリス(2−メチルー4−ジトリデシルホスファイトー5−t−ブチルフェニル)ブタン、
ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシカルボニルエチル−フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−オクタデシルオキシカルボニルエチル−フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
[亜リン酸ジエステルの具体例]
ジメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、ジプロピルホスファイト、
ジブチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジオクチルホスファイト、
ジデシルホスファイト、ジラウリルホスファイト、ジオレイルホスファイト、
ジフェニルホスファイト、フェニルオクチルホスファイト、フェニルデシルホスファイト、
[亜リン酸モノエステルの具体例]
メチルホスファイト、エチルホスファイト、プロピルホスファイト、
ブチルホスファイト、ヘキシルホスファイト、オクチルホスファイト、
デシルホスファイト、フェニルホスファイト、
などが挙げられる。
一方、次亜リン酸エステルの具体例としては、
[次亜リン酸ジエステルの具体例]
ジメチル−フェニルホスホナイト、ジエチル−フェニルホスホナイト、
ジプロピル−フェニルホスホナイト、ジブチル−フェニルホスホナイト、
ジヘキシル−フェニルホスホナイト、ジオクチル−フェニルホスホナイト、
ジデシル−フェニルホスホナイト、メチル−ジフェニルホスホナイト、
エチル−ジフェニルホスホナイト、プロピル−ジフェニルホスホナイト、
ブチル−ジフェニルホスホナイト、ヘキシル−ジフェニルホスホナイト、
オクチル−ジフェニルホスホナイト、デシル−ジフェニルホスホナイト、
ビス[ビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェニル、
ビス[ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェニル、
[次亜リン酸モノエステルの具体例]
メチル−フェニルホスフィネート、エチル−フェニルホスフィネート、
プロピル−フェニルホスフィネート、ブチル−フェニルホスフィネート、
ヘキシル−フェニルホスフィネート、オクチル−フェニルホスフィネート、デシル−フェニルホスフィネート、
などが挙げられる。
亜リン酸エステルおよび次亜リン酸エステルのうち、触媒活性および貯蔵安定性の両面をから好ましいのは、亜リン酸エステルであり、さらに好ましいのは亜リン酸トリエステルである。
また、加水分解により酸を発生する他の化合物としては、下記の例が挙げられる。
[有機カルボン酸エステルの具体例]
酢酸−プロピルエステル、酢酸−ブチルエステル、酢酸−アミルエステル、
プロピオン酸−プロピルエステル、プロピオン酸−ブチルエステル、プロピオン酸−アミルエステル、2−エチルヘキサン酸−プロピルエステル、2−エチルヘキサン酸−ブチルエステル、2−エチルヘキサン酸−アミルエステル、
[有機スルホン酸エステルの具体例]
p-トルエンスルホン酸−エチルエステル、 p-トルエンスルホン酸−プロピルエステル、
p-トルエンスルホン酸−ブチルエステル、 p-トルエンスルホン酸−アミルエステル、デカンスルホン酸−エチルエステル、デカンスルホン酸−プロピルエステル、デカンスルホン酸−ブチルエステル、デカンスルホン酸−アミルエステル
[有機スルフィン酸エステルの具体例]
p-トルエンスルフィン酸−エチルエステル、 p-トルエンスルフィン酸−プロピルエステル、
p-トルエンスルフィン酸−ブチルエステル、 p-トルエンスルフィン酸−アミルエステル、デカンスルフィン酸−エチルエステル、デカンスルフィン酸−プロピルエステル、デカンスルフィン酸−ブチルエステル、デカンスルフィン酸−アミルエステル
[イミノスルホナートの具体例]
2,3,4−トリヒドロナフチル−1−イミノ−N−フェニルスルホナート
これらの、加水分解して酸として作用する酸触媒(架橋触媒)は、重合体100重量部当たり、0.001〜10重量部の範囲で、好ましくは0.01〜5.0重量部、さらに好ましくは0.05〜2.0重量部の範囲で用いられる。酸触媒の使用割合が0.001重量部未満では架橋触媒としての効果が不十分であり、一方、10重量部を超えて添加すると、得られる架橋樹脂フィルムの透明性低下、加熱時の揮発成分の増加などが生じてしまい、好ましくない。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体と混合および/または縮合して配合されてその樹脂フィルムを形成する化合物としては、下記化合物(A)および(B)が挙げられる(これら配合物を総称して、以下「配合物(1)」という)。
化合物(A):
下記式(3)で表されるオルガノシラン(以下、「オルガノシラン(1)」という。)、オルガノシラン(1)の加水分解物、およびオルガノシラン(1)の縮合物から選択された少なくとも1種
(RSi(OR4−P ………(3)
[式(3)中、Rは、2個存在する場合には同一または異なり、炭素数1〜10の有機基を示し、Rは同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、pは0〜2の整数である。]
化合物(B):
シリカ、アルミナ、ジルコニアおよびチタニアの群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物
これら配合物(1)を添加することにより、線膨張係数の小さい、すなわち寸法安定性の良いフィルムシートが得られる、という効果がある。
ここで、上記オルガノシラン(1)の加水分解物は、オルガノシラン(1)に含まれるRがすべて加分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいはこれらの混合物であってもよい。
また、上記オルガノシラン(1)の縮合物は、オルガノシラン(1)の加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
式(3)において、Rの炭素数は1〜10、好ましくは1〜8である。R1の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基や、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基、カプロイル基などのアシル基、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるRの炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて20以下である。
式(3)中に、Rが2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよい。
また、Rの炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。
このようなオルガノシラン(1)の具体例としては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセチルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランなどを挙げることができる。
これらのうち、テトラアルコキシシラン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましく、トリアルコキシシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましく、さらに、ジアルコキシシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。
本発明において、オルガノシラン(1)としては、特に、テトラアルコキシシランのみ、トリアルコキシシランのみ、あるいは、テトラアルコキシシラン10〜90モル%とトリアルコキシシラン10〜90モル%との組み合わせが好ましい。テトラアルコキシシラン、またはトリアルコキシシランを導入することより、得られる塗膜の架橋度を増加させ、また、密着性を向上させることができる。
オルガノシラン(1)は、そのまま、あるいは加水分解物および/または縮合物として使用される。
また、上記加水分解縮合物は、オルガノシラン(1)を加水分解・縮合して得られるのみならず、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシランなどのクロロシラン化合物を加水分解・縮合して得ることもできる。
オルガノシラン(1)が、加水分解・縮合物として使用されるとき、該縮合物のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは、800〜100,000、さらに好ましくは、1,000〜50,000である。
オルガノシラン(1)の加水分解・縮合物の市販品には、三菱化学(株)製のMKCシリケート、コルコート社製のエチルシリケート、東レ・ダウコーニング社製のシリコーンレジン、東芝シリコーン(株)製のシリコーンレジン、信越化学工業(株)製のシリコーンレジン、ダウコーニング・アジア(株)製のヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン、日本ユニカ(株)製のシリコーンオリゴマーなどがあり、これらをそのまま、または縮合させて使用してもよい。
これらの組成物において、上記の配合物(1)の割合は、本発明の環状オレフィン系付加型共重合体100重量部に対して、2〜70重量部の割合で、好ましくは5〜50重量部配合される。配合される化合物の割合が2重量部未満では、フィルムまたはシートにした際、耐溶剤性、寸法安定性などの効果が少ない。一方、70重量部を超えると、透明性が損なわれることが多い。
また、配合物(1)が加水分解・縮合により無機粒子を生成する場合は、その粒径が100μm以下、好ましくは10μm以下で重合体中に分散されることにより、組成物は光学的に透明でかつ耐熱性、寸法安定性のよいものとなる。
上記の配合物(1)を含む環状オレフィン付加型共重合体の架橋樹脂フィルムでは、時々白濁が生じてしまう場合がある。この問題を解決し、透明性の高い架橋樹脂フィルムを再現よく製造するためには、キャスト時あるいはそれ以前に、環状オレフィン付加型共重合体と配合物(1)をグラフト化させて、重合体中への配合物(1)の分散化率を向上させる手法をとることができる。具体的には、下記の金属触媒(1)の作用(アルコキシシリル基の加水分解・縮合反応)により、共重合体に含まれるアルコキシシリル基と配合物(1)とのグラフト化が進行する。
金属触媒(1)
アルミニウム(Al)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、スズ(Sn)化合物、亜鉛(Zn)化合物、カルシウム(Ca)化合物、バリウム(Ba)化合物、チタン(Ti)化合物、スカンジウム(Sc)化合物、ランタニド(Gd、Yb、Sm、Ndなど)化合物、アンチモン(Sb)化合物、イットリウム(Y)化合物、セリウム(Ce)化合物など。
具体例としては、
[アルミニウム化合物の具体例]
トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
[ジルコニウム化合物の具体例]
テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;
[スズ化合物の具体例]
Sn(OCOCH
Sn(OCOC
Sn(OCOC
Sn(OCOC
Sn(OCOC11
Sn(OCOC13
Sn(OCOC15
Sn(OCOC17
Sn(OCOC19
Sn(OCOC1021
Sn(OCOC1123
Sn(OCOCH=CHCOOCH3
Sn(OCOCH=CHCOOC49
Sn(OCOCH=CHCOOC817
Sn(OCOCH=CHCOOC1633
Sn(OCOCH=CHCOOC1735
Sn(OCOCH=CHCOOC1837
Sn(OCOCH=CHCOOC2041
(C492Sn(OCOC11232
(C492Sn(OCOCH=CHCOOCH32
(C492Sn(OCOCH=CHCOOC492
(C8172Sn(OCOC8172
(C8172Sn(OCOC11232、1
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOCH32
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC492
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC8172
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC16332
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC17352
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC18372
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC20412
(C492SnOCOCH3



(C492SnOCOCH3
(C49)Sn(OCOC11233
(C49)Sn(OCONa)3
などのカルボン酸型有機スズ化合物;
(C492Sn(SCH2COOC8172
(C492Sn(SCH2CH2COOC8172
(C8172Sn(SCH2COOC8172
(C8172Sn(SCH2CH2COOC8172
(C8172Sn(SCH2COOC12252
(C8172Sn(SCH2CH2COOC12252
(C49)Sn(SCOCH=CHCOOC8173
(C817)Sn(SCOCH=CHCOOC8173

(C492Sn(SCH2COOC817



(C492Sn(SCH2COOC817
などのメルカプチド型有機スズ化合物
(C49Sn=S、(C8172Sn=S、

(C492Sn=S



(C492Sn=S
などのスルフィド型有機スズ化合物;
(C49)SnCl3、(C492SnCl2
(C8172SnCl2
(C492Sn−Cl



(C492Sn−Cl
などのクロライド型有機スズ化合物
(C492SnO、(C8172SnOなどの有機スズオキサイドや、これらの有機スズオキサイドとシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物
[スズ化合物の具体例]
酢酸亜鉛、オクタン酸亜鉛
[カルシウム化合物の具体例]
酢酸カルシウム、オクタン酸カルシウム
[バリウム化合物の具体例]
酢酸バリウム、オクタン酸バリウム
[チタン化合物の具体例]
テトラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウム
[スカンジウム化合物の具体例]
スカンジウムトリイソプロポキシド
[ランタニド化合物の具体例]
Gd、Yb、Sm、Ndなどのイソプロポキドやブトキシド
[アンチモン化合物の具体例]
酢酸アンチモン、アンチモンエチレングリコキシド
[イットリウム化合物の具体例]
イットリウムトリイソプロポキシド、イットリウムトリス(アルミニウムテトライソプロポキシド)
[セリウム化合物の具体例]
トリイソプロポキシセリウム、三塩化セリウム
などが挙げられる。
金属触媒(1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他の反応遅延剤と混合して使用することもできる。
金属触媒(1)の使用量は、前述のオルガノシラン (1)中に含まれるOR1モルに対して、通常、0〜10モル、好ましくは、0.001〜7モル、さらに好ましくは、0.001〜5モルである。この場合、有機金属化合物(1)の使用量が10モル以内であれば、組成物の保存安定性に優れるほか、塗膜強度に優れクラックが発生しにくくなる傾向がある。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体を含む樹脂フィルムは、溶液キャスティング法(溶液流延法)により製造することができる。
キャスティング法によるフィルムの製造は、環状オレフィン系付加型共重合体の有機溶媒(該共重合体の重合溶媒など)に、該共重合体と、酸触媒(例えば、加水分解して酸を発生する化合物)、さらに必要に応じて前述の配合物(1)、さらに必要に応じて前述の金属触媒(1)を均一に混合してなる溶液を、所定の温度で所定時間反応、あるいは熟成し、必要に応じてキャスティングに適当な濃度に濃縮、あるいは希釈してから、平滑なフッ素系樹脂板やガラス板に、T型ダイなどを用いて流延し、溶媒を蒸発除去し、必要に応じてさらに加熱して行なわれる。キャスト溶媒として用いられる溶媒は、重合体の種類によりその溶解性が異なるが、炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル類、エステル類、ケトン類、アミン類、アミド類、アルコール類、フェノール類、スルフォキシド類などから1種以上選んで用いられる。溶媒の量は、重合体100重量部あたり、1〜10,000重量部、好ましくは10〜5,000重量部の範囲で用いられる。
また、キャスティング前に、各成分の溶解度や粘度を調整するため、あるいは、キャスティングを容易にするために、溶媒の一部または全部を別の溶媒に置換することもできる。
このキャストフィルムの架橋反応は、前述のようにフィルムを水あるいは水蒸気下で加熱して行われる。前述の酸触媒(架橋触媒)を添加しない場合では、水蒸気下で加熱してもシロキサン結合は形成されず、全く架橋されない。また、重合体のアルコキシシラン含量に対して、十分水が供給されないと、架橋が不十分なものになる。反応温度は、50℃以上、好ましくは60℃〜300℃の範囲で、さらに好ましくは80℃〜250℃で、特に好ましくは100℃〜200℃の範囲である。50℃未満の温度ではほとんど架橋されず、一方、300℃を超える温度では、重合体が熱分解する可能性が高まる。
架橋反応の時間は、目的とする架橋の度合い、反応系の状態、重合体の種類、触媒の量、触媒の種類により適宜選択されるが、通常、1分〜1,000時間、好ましくは5分〜100時間、さらに好ましくは10分〜50時間である。
本発明の架橋樹脂フィルムは、25℃のトルエンで測定される膨潤度が500%未満であることが好ましく、300%以下であることがさらに好ましい。
トルエン膨潤度が500%以上であるものでは、ガラス代替品として使用する場合、耐薬品性、耐溶剤性、加熱時の寸法安定性などが不十分である場合がある。なお、この膨潤度の測定は、後記する方法で測定した値である。架橋体の膨潤度は、架橋触媒の量、反応温度、および反応時間により、容易に調整することができる。
また、下記に示すフィルム用途より、本発明の架橋樹脂フィルムの線膨張係数は、好ましくは65(ppm/℃)以下、より好ましくは60(ppm/℃)以下である。
本発明の透明架橋樹脂フィルムは、シリル基を有するためガラスとの親和性が大であり、石英ガラスへの密着試験における剥離ブロックの割合が25ブロック中、好ましくは5ブロック以下、より好ましくは3ブロック以下、特に好ましくは1ブロック以下である。
本発明に用いられる組成物には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル,4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、などのフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤;さらにトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤を添加して、酸化安定性を向上させることができる。これらの酸化防止剤の添加量は、本発明の環状オレフィン付加型共重合体と、配合物(1)の合計100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。酸化防止剤の使用量が少なすぎる場合には耐久性の改良効果が不十分であり、多すぎる場合には成形表面がブリードしたり、透明性が低下するなどの問題点が生じ好ましくない。
また、本発明に用いられる組成物には、紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
上述のようにして、本発明の環状オレフィン系付加型共重合体組成物からなる透明樹脂を用いて得られた架橋樹脂フィルムは、そのまま液晶表示装置あるいはEL表示装置などの表示装置用フィルムとして使用できる。
本発明の表示装置用フィルムの厚さは、通常、5〜600μm、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは25〜400μmであり、用途により適宜決められる。本発明の表示装置用フィルムは、レターデーションのバラツキが小さいことが望ましく、波長633nmにおけるレターデーションのバラツキが±20%以下であることが好ましい。レターデーションのバラツキが±20%の範囲外であると、光学的に均一なフィルムとは言い難くなり、表示装置に用いた場合、ディスプレイの画像が歪んだりするなど良好な表示性能が得られにくい。本発明においてレターデーション値は、エリプソメーター〔溝尻光学(株)製DVA−36LS〕を用いて波長633nmの光で測定した値である。
本発明の液晶基板フィルムは、上述の表示装置用フィルムを使用してなるもので、通常、厚さ25〜400μm、厚さムラは全面で厚さの±30%以下、Rmax値が0.2μm以下であり、好ましくは、厚さムラが全面で厚さの±20%以下、Rmax値が0.1μm以下である。厚さムラが大きい、または表面平滑性に劣る場合には、液晶表示装置の画面の歪みが生じる。
本発明の偏光フィルムは、PVA系フィルムなどをベースとした偏光膜に、本発明の表示装置用フィルムを保護層として貼り合せて製造することができる。保護層の厚さは、通常、5〜500μm、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜200μmである。偏光フィルムの偏光膜に保護層を積層するには、粘着剤や接着剤を用いることができる。これらの粘着剤、接着剤としては、透明性に優れたものが好ましく、具体例としては天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエーテル、アクリル系、変性ポリオレフィン系、およびこれらにイソシアナートなどの硬化剤を添加した硬化型粘着剤、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアナート系樹脂溶液を混合するドライラミネート用接着剤、合成ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。
本発明で使用する偏光膜は、偏光子としての機能を有するものであれば、特に限定されない。例えば、PVA・ヨウ素系偏光膜、PVA系フィルムに二色性染料を吸着配向させた染料系偏光膜、また、PVA系フィルムより脱水反応を誘起させたり、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸反応により、ポリエンを形成させたポリエン系偏光膜、分子内にカチオン基を含有する変性PVAからなるPVA系フィルムの表面および/または内部に二色性染料を有する偏光膜などが挙げられる。偏光膜の製造方法も特に限定されない。例えば、PVA系フィルムを延伸後ヨウ素イオンを吸着させる方法、PVA系フィルムを二色性染料による染色後延伸する方法、PVA系フィルムを延伸後二色性染料で染色する方法、二色性染料をPVA系フィルムに印刷後延伸する方法、PVA系フィルムを延伸後二色性染料を印刷する方法などの公知の方法が挙げられる。より具体的には、ヨウ素をヨウ化カリウム溶液に溶解して、高次のヨウ素イオンを作り、このイオンをPVAフィルムに吸着させて延伸し、次いで1〜4重量%ホウ酸水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して偏光膜を製造する方法、あるいはPVAフィルムを同様にホウ酸処理して一軸方向に3〜7倍程度延伸し、0.05〜5重量%の二色性染料水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して染料を吸着し、80〜100℃で乾燥して熱固定して偏光膜を製造する方法などがある。
本発明で使用する表面保護フィルムは、上述の偏光フィルムの製造において、偏光膜に貼り合せたフィルムと同じものである。表示装置用の薄膜部品に対して、表面を保護するために、該部品の片面あるいは両面に貼り合わせて使用される。
本発明で使用する位相差フィルムは、上述の表示装置用フィルムを使用してなるもので、これを延伸配向もしくは表面プレスして製造することができる。延伸前のシートの厚さは、通常、25〜500μm、好ましくは50〜400μm、さらに好ましくは100〜300μmである。延伸方法としては公知の一軸延伸法、すなわちテンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、周縁の異なるロールを利用する縦一軸延伸法を用いることができる。また、分子の配向に影響のない範囲で延伸した後、分子を配向させるべく一軸方向に延伸する二軸延伸であってもよい。上記のようにして得たフィルムは、延伸により分子が配向し、一定のレターデーション値を持つが、レターデーションは、延伸前のシートのレターデーションと延伸倍率、延伸温度、延伸配向フィルムの厚さにより制御することができる。延伸前のシートが一定の厚さの場合、延伸倍率が大きいフィルムほどレターデーションの絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望のレターデーションの延伸配向フィルムを得ることができる。
本発明において、上記の方法によって得たフィルムは、偏光顕微鏡によるレターデーションの測定値が5〜900nmのものが用いられる液晶ディスプレイの種類や形状によってそれぞれ好ましいレターデーションの範囲が異なるが、例えばTFT方式による液晶表示装置に用いられる偏光フィルムでは、透明性が特に高いことが必要であり、光学的に均一でレターデーションが10〜80nmの小さなものが好適に用いられる。
本発明の透明導電性フィルムは、本発明の透明樹脂からなるフィルムに透明導電層を形成したものである。透明導電層を形成するための素材としては、Sn、In、Ti、Pb、Au、Pt、Agなどの金属、またはそれらの酸化物が一般的に使用される。これらの金属は、液晶基板フィルム上に、プラズマ法、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ、イオンプレーティング法、スプレー法、電解析出法などによって、通常、厚さ10〜10,000オングストローム、好ましくは50〜5,000オングストロームに被膜される。金属単体をフィルム上に形成したときは、必要に応じてその後、酸化することもできる。当初から酸化物層として付着形成させる方法もあるが、最初は金属単体または低級酸化物の形態で被膜を形成し、しかるのち、加熱酸化、陽極酸化あるいは液相酸化などの酸化処理を施して透明化することもできる。透明導電膜の比抵抗は、100オームcm以下であることが好ましい。
本発明の光拡散フィルムは、本発明の透明樹脂からなるフィルムの片面に、拡散機能を有する形状のパターンを形成することにより製造することができる。ここで、拡散機能を有する形状のパターンは、エンボス加工、あるいは、紫外線などの光硬化性樹脂を塗布してパターンを形成させる方法の他に、各種コート材を塗布して形成することもできる。
本発明のフィルム上にパターンを形成するために用いられる光硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性二重結合をその分子内に少なくとも1個以上有する化合物1種以上と光重合開始剤とを配合した組成物、エポキシ基などの開環反応性を有する基をその分子内に少なくとも1個有する化合物1種以上と光カチオン反応開始剤とを配合した組成物、ゼラチンと重クロム酸塩とを配合した組成物、環化ゴムとビスアジド系感光剤とを配合した組成物、ノボラック樹脂とキノンアジド系感光剤とを配合した組成物などをあげることができる。また、フィルムの表面は、光硬化性樹脂を塗布する前に、その付着性を制御するために、プラズマ処理などの物理的下地処理、あるいは、従来のゴム系、樹脂系、特にアクリル系、シリコーン系などの各種コート材による化学的下地処理を施していても良い。
光拡散フィルムを通って拡散した光を、表示装置の視野角に集めて、表示装置の輝度を向上させるためのプリズムシートは、透明フィルム面に微小なプリズム角を付したものであるが、上記の光拡散フィルムと同様にして、本発明の透明樹脂からなるフィルム面に、プリズム角のパターンをエンボス加工、あるいは、紫外線などの光硬化性樹脂を塗布してパターンを形成させるなどの方法により製造することができる。
本発明の架橋樹脂フィルムは、EL表示装置用フィルムとしても有用である。このEL表示装置用フィルムとしては、上記液晶表示装置にも使用されている、基板フィルム、偏光フィルム、表面保護フィルム、透明導電フィルムなどが挙げられる。もちろん、これらフィルムの特性などは、必ずしも液晶表示装置用の場合と同じとは限らない。
また、本発明の架橋樹脂フィルムの表面に、透明導電性膜を形成させることにより、透明導電性複合材料として、使用することができる。この透明導電性複合材料としては、上記液晶表示装置あるいはEL表示装置用の電極フィルムのほか、CRTなどの電子機器の電磁波防止フィルムとしても有用である。
さらに、本発明の架橋樹脂フィルムの表面に、該フィルムの表面と接する層がSiO(0.8≦x≦1.8)からなり、最外層がSiOからなる層である反射防止膜を形成させることにより、反射防止フィルムとして用いることができる。この反射防止フィルムは、耐熱性に優れるため、上記液晶表示装置あるいはEL表示装置だけでなく、プラズマディスプレイやフィールドエミッションディスプレイなどにも有用である。
本発明の表示装置用各種フィルムは、隣接して使用する場合、予め一体化しておくと部品数の削減、表示装置の厚さの減少、軽量化などの利点がある。例えば、液晶基板フィルムと偏光フィルム、位相差フィルムと透明導電フィルム、光拡散フィルムとプリズムシート、偏光フィルムと光拡散フィルムなどである。一体化には、両膜間に接着層および/またはアンカーコート層を形成して接着する。この接着層としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリブタジエン、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱樹脂を例示することができる。またアンカーコート層としては、エポキシジアクリレート、ウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレートなどのいわゆるアクリルプレポリマーなどを成分として含むものが用いられる。硬化の方法は公知の手法を用いることができ、例えばUV硬化や熱硬化などが用いられる。
本発明の表示装置用フィルムは、優れた光学透明性、耐熱性、耐吸湿性、耐液晶性、寸法安定性、接着・密着性を有するので、液晶表示装置およびEL表示装置の製造に好適に使用でき、これら表示装置は、パソコン、テレビ、携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイなどに用いることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限を受けるものでない。
また、分子量、膨潤度、ガラス転移温度、耐液晶性、全光線透過率、複屈折率は、下記の方法で測定した。
(1)重量平均分子量、数平均分子量
ウオ−ターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)装置で東ソー(株)製Hタイプカラムを用い、o-ジクロロベンゼンを溶媒として、120℃で測定した。得られた分子量は標準ポリスチレン換算値を示す。
(2)金属原子量
(株)日立製作所製Z-9000形原子吸光分光光度計を用い、ニッケルおよびアルミニウムの標準溶液〔和光純薬工業(株)〕により作成した検量線を基に、共重合体中の残存金属原子を定量した。
(3)トルエン膨潤度
厚さ50〜500ミクロン、縦2cm × 横2cmのフィルムまたはシートを25℃のトルエンに3時間浸漬し、浸漬前後の重量比から膨潤度を算出した。まったく膨潤しないものを100%とした。
(4)ガラス転移温度
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体のガラス転移温度は、走査型示差熱量系(DSC)の測定では、不明確で測定されないことが多いため、動的粘弾性で測定されるTanδ(貯蔵弾性率E’と損失弾性率E’’との比E’/E″=Tanδ)のピーク温度で規定した。動的粘弾性の測定は、レオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック株式会社製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmの条件で行った。
(5)全光線透過率
ASTM−D1003に準拠し、厚さ100μmのフィルムの全光線透過率を測定した。
(6)線膨張係数
TMA(Thermal Mechanical
Analysis)/SS6100 (セイコーインスツルメント社製)を用いて、膜厚100μm、幅3 mm、長さ10 cmの試料を、チャック間距離10 mmで固定し、室温から200
℃ 程度まで一旦昇温して残留ひずみをとった後、室温から3℃/min. で昇温し、チャック間距離の伸びから線膨張率を求めた。
(7)耐液晶性
厚さ50〜500ミクロン、縦横2cm×2cmの本評価用試料をTFT用液晶〔メルクジャパン(株)製 ZLI5081〕中に浸漬し、1滴(約20mg)滴下し、大気下150℃で1時間加熱した後のフィルム表面の変化を目視で評価した。評価基準は下記のとおりである。
◎;形状変化なし。
○;やや膨潤する。
△;膨潤する。
×;溶解などで、形状くずれる。
(8)接着性・密着性:
本評価用フィルム上にアルミニウムを蒸着し、この蒸着膜に対して、カッターにより、1mm×1mmの碁盤目が10個×10個形成されるように、切り込みを入れ、セロハンテープによる剥離試験を行ない、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定した。なお、石英ガラスに対する密着性評価においては、本発明組成物を石英ガラスに乾燥塗膜5〜10μmになるよう塗布し、90℃で乾燥・硬化した後に上記同様のセロハンテープによる剥離試験を行なった。
(9)複屈折(nm)
エリプソメーター〔(株)溝尻光学工業所製〕により測定した。
参考例1(共重合体aの合成)
単量体として2−ノルボルネン 593.75ミリモル、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン 31.25ミリモル、溶媒としてトルエン 500g、分子量調節剤(1,5−シクロオクタジエン)0.25ミリモルを容量1リットルの反応器に窒素下で仕込んだ。反応系を10℃にして、予めオクタン酸ニッケル〔Ni(オクトエート)]と六フッ化アンチモン酸を−15℃でモル比1:1で反応させたニッケル化合物を0.25ミリモル、トリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体を2.25ミリモル、トリエチルアルミニウム 2.5ミリモルを仕込み、重合を行った。
30℃で1時間重合を行い、イソプロピルアルコールで重合を停止した。共重合体への添加率は95%であった。共重合体溶液に乳酸 6gを加え、触媒成分と反応させた。共重合体溶液を4リットルのイソプロパノールに入れて共重合体を凝固し、未反応単量体と触媒残磋を除去した。
凝固した共重合体を乾燥し、共重合体aを得た。
共重合体aの270MHz H−NMRによる(3.8〜4.0ppmのエトキシシリル基メチレン吸収、溶媒はd化トルエン、TMS基準)分析で、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンに由来する構造体の含有量は5.0モル%であった。また、共重合体aのポリスチレン換算の数平均分子量は87,000、重量平均分子量は211,000であった。重合体中残存ニッケルは0.1ppm以下、残存アルミニウムは1.6ppmであった。
参考例2(共重合体bの合成)
単量体として2−ノルボルネン 562.5ミリモル、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン 62.5ミリモルとした以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い、共重合体bを得た。
共重合体bの270MHz H−NMRによる(4ppmのエトキシシリル基メチレン吸収、溶媒はd化トルエン、TMS基準)分析で、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンに由来する構造体の含有量は9.9モル%であった。また、共重合体bのポリスチレン換算の数平均分子量は88,000、重量平均分子量は223,000であった。重合体中残存ニッケルは0.1ppm以下、残存アルミニウムは1.2ppmであった。
参考例3(共重合体cの合成)
単量体として2−ノルボルネン 531.23ミリモル、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン 62.50ミリモル、8−メチル−8−メトキシカルボニル−3−テトラシクロ〔4.4.0.12,57,10〕ドデセン 31.25ミリモルとした以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い、共重合体cを得た。
共重合体cの270MHz H−NMRによる(4ppmのエトキシシリル基メチレン吸収、溶媒はd化トルエン、TMS基準)分析で、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンに由来する構造体の含有量は9.9モル%であった。共重合体c中の8−メチル,8−メトキシカルボニル−3−テトラシクロ〔4.4.0.12,57,10〕ドデセンに由来する構造体の割合は,赤外分析1,730cm−1の特性吸収による検量線から、4.9モル%であった。また、共重合体cのポリスチレン換算の数平均分子量は89,000、重量平均分子量は256,000であった。重合体中残存ニッケルは0.1ppm以下、残存アルミニウムも0.1ppm以下であった。
実施例1〔共重合体aの架橋フィルム作成 (P添加、Sn無し)〕
共重合体a10gを水分70ppmを含むトルエン40gに溶解して、共重合体100重量部に対して、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕1.0重量部を添加した。酸触媒(架橋触媒)として、トリブトキシホスファイト 0.5重量部を添加後、この溶液をステンレス製シャーレに流し込み、40℃、3時間かけてキャストした。生成したフィルムを150℃で2時間乾燥させた後、150℃の水蒸気下で4時間熱処理した。その後、真空下230℃で1時間乾燥することにより、厚さ100μmの無色透明のフィルムを得た。フィルム作成条件および得られたフィルムの状態、膨潤度を表1に示す。
実施例2〔共重合体a の架橋フィルム作成 (P, Sn添加)〕
実施例1で調製したキャスト溶液に、さらにジオクチルスズ(II)添加したこと以外は、実施例1と同条件下で架橋フィルムを作成した。結果を表1に示す。
実施例3〔共重合体a + TEOS複合系の架橋フィルム作成(P添加Sn添加)〕
実施例1で調製したキャスト溶液に、さらにテトラエトキシシラン(TEOS)を2gとジオクチルスズ(II)を添加したこと以外は、実施例1と同条件下でフィルムを作成した。フィルムのトルエン膨潤度は160%, 線膨張係数は45 ppm/℃ となった。結果を表1に示す。
実施例4〔共重合体a + TEOS複合系の架橋フィルム作成 (P 添加,
Sn無し)〕
実施例1で調製したキャスト溶液に、さらにテトラエトキシシラン(TEOS)を2g添加したこと以外は、実施例1と同条件下で架橋フィルムを作成した。このフィルムはやや白濁し、全光線透過率は85%となった。結果を表1に示す。
実施例5〔共重合体b + TEOS複合系の架橋フィルム作成 (P,
Sn添加)〕
共重合体aの代わりに共重合体bを用いたこと以外は、実施例2と同条件下でフィルムを作成した。結果を表1に示す。
実施例6〔共重合体c + TEOS複合系の架橋フィルム作成 (P,
Sn添加)〕
共重合体aの代わりに共重合体cを用いたこと以外は、実施例1と同条件下でフィルムを作成した。結果を表1に示す。
比較例1〔共重合体aの架橋フィルム作成(P無し, Sn無し)〕
トリブトキシホスファイトを添加しなかった以外は、実施例1と同条件下でフィルムを作成した。この条件では、全く架橋しなかった。結果を表1に示す。
比較例2〔共重合体aの架橋フィルム作成(P無し、Sn添加)〕
トリブトキシホスファイトを添加せず、代わりにジオクチルスズ(II)を添加したこと以外は、実施例1と同条件下でフィルムを作成した。この条件では、ほとんど架橋しなかった。結果を表1に示す。
比較例3〔共重合体aの架橋フィルム作成(P, Sn添加、40℃温水処理)〕
水蒸気(150℃)の代わりに、40℃の温水中でフィルムを加熱したこと以外は、実施例1と同じ操作でフィルムを作成した。この条件では、全く架橋しなかった。結果を表1に示す。
比較例4〔共重合体a + TEOS複合系の架橋フィルム作成(P無し、Sn添加)〕
トリブトキシホスファイトを添加しなかったこと以外は、実施例2と同条件下でフィルムを作成した。この条件では、ほとんど架橋しなかった。結果を表1に示す。
Figure 2008045133
実施例7
液晶表示装置用フィルム、液晶基板フィルムの製造:実施例3で作成した架橋フィルム(1)の波長633nmにおけるレターデーションのバラツキは±5%であった。得られたフィルムに、水/アルコール(50/50重量比)を溶剤成分とするイオン高分子錯体〔東ソー(株)製トヨバイン210K〕からなるアンカー剤溶液を塗布し、90℃で5分間乾燥して、水系アンカーコート層(2)を形成させた。この水系アンカーコート層の上に、ウレタン系接着剤〔武田薬品工業(株)製タケラックAー371〕と硬化剤〔武田薬品工業(株)製タケネ−トA−10〕からなる接着剤層(3)を形成させた。さらに、この接着剤層の上に、エチレンービニルアルコール共重合体/2色性染料系偏光膜(4)を重ね、80℃、圧力3kg/cm2で熱圧して積層一体化した。次いで、この偏光膜面に、酸化インジウム/酸化スズ(重量比95:5)からなるターゲットを用いて透明導電層(5)をスパッタリング法により形成させた。これにより、透明電極(5)/偏光膜(4)/接着剤層(3)/水系アンカーコート層(2)/基板層(1)からなる積層構造を有する液晶表示パネルが得られた。この積層体の基板層(1)と偏光膜層(4)の密着性は良好で剥離は全く認められなかった。また、80℃、90%相対湿度の条件で耐久試験を行なったところ、1,000時間の段階でこの積層体に異常は認められず、耐久性は良好であった。
実施例8
表面保護フィルムの製造:実施例3で調製した混合溶液に、合計100重量部に対して、ステアリル−β−(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを1重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.1重量部添加し、キャスティング法により、厚さ80μmのフィルムを作製し、保護フィルムとした。このフィルムのガラス転移温度は340℃であった。また波長633nmにおけるレターデーションのバラツキは±5%と小さい値であった。
実施例9
偏光フィルムの製造:厚さ50μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素5.0g、ヨウ化カリウム250g、ほう酸10g、水1,000gからなる40℃の浴に浸漬しながら約5分間で4倍まで一軸延伸した。得られたフィルムを緊張を保ちながらアルコールで表面を洗浄後風乾し、偏光膜を得た。このポリビニルアルコール製偏光膜に、n−ブチルアクリレート90重量%、エチルアクリレート7重量%、アクリル酸3重量%からなるアクリル系樹脂100重量部とトリレンジイソシアナート(3モル)のトリメチロールプロパン(1モル)付加物の75重量%酢酸エチル溶液2重量部からなる架橋剤を混合して得られた粘着剤を用いて、上記の保護フィルムを積層した。この積層体の両層の密着性は良好で剥離は認められなかった。また、80℃、90%の相対湿度での耐久試験を行なったところ、1,000時間の段階で偏光フィルムに異常は認められず耐久性は良好であった。
実施例10
位相差フィルムの製造:実施例3で調製した混合溶液を用いて、キャスティング法により厚さ100μmのフィルムを作製した。このフィルムを温度300℃で一軸方向に延伸して厚さ80μmの位相差フィルムを得た。このフィルムの波長633nmにおけるレターデーションは136μmであり、またレターデーションのバラツキは±5%と小さい値となった。また、450nm〜750nmの波長範囲におけるレターデーションの波長分散性(α)は1.01であった。
実施例11
透明導電性フィルムの製造:実施例3の手法で、縦200mm、横200mm、厚さ0.1mmのフィルムを作成した。得られたフィルム上にスパッター機(中外炉工業)を用いて以下の条件でインジウム−スズ酸化物(ITO)膜を形成した。
電源 MHzの高周波電源
基板温度 70℃
ターゲット In2O3/SnO2=90/10(重量比)の合金
雰囲気 アルゴンガス流入下
スパッター速度 270オングストローム/分
スパッター圧力 10-2 Torr
得られたITOの膜の厚さは2,500オングストローム、比抵抗は1.5×10-3オームcmであり、透明導電性複合材料の400〜800
nmにおける光透過率は84%であった。得られた透明導電性複合材料とITO膜との密着性についてJIS K−5400(8,5,2盤番目試験)により試験したところ、全く剥離は認められなかった。さらに、得られた透明導電性複合材料を温度90℃、湿度95%の条件下に一週間保存した後の導電特性および外観には全く変化が認められなかった。

実施例12
EL表示装置の製造:ITO膜が形成された5cm角のガラス基板上にキノリノール錯体溶液を塗布した後、溶剤の除去処理を行なうことにより、厚みが50nmのエレクトロルミネッセンス層を形成した。次いで、エレクトロルミネッセンス層上に、トリスキノリノラートアルミナムよりなる厚みが60nmの電子輸送発光層を形成し、この電子輸送発光層上に、蒸着法によって厚みが100nmの5mm角のマグネシウム/銀アロイ(重量比10:1)膜(陰極層)を形成した。さらに、ITO膜が形成されたガラス基板のITO膜と反対側に、上記の位相差フィルムと市販偏光フィルム〔日東電工(株)製 NPF−F1225DU〕の積層体を積層して、EL表示装置を製造した。
製造したEL表示装置は、色調;黒、品位;外景色の映り込みなし、光反射率(%);0.2、密着性;剥離なし、高温高湿での耐久性;異常はなし、の評価結果であった。このように本発明の位相差フィルムを用いたEL表示装置は、背面電極からの反射光を遮断して、外部の景色が写らないようにすることができ、明るいところでも非常に見やすいEL表示装置を得ることができた。
実施例13
光拡散複合シートの製造:実施例3の手法で、厚さ0.1mmのフィルムを作成した。得られたフィルム上に、メチルエチルケトン/エチレングリコール(40/0.1重量比)を溶媒成分とする塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体10gからなる溶液を塗布、乾燥して厚さ30μmの樹脂膜を形成させた。次に、このフイルムを80℃の熱水中に45分間浸せきしてから取り出し、乾燥して厚さ130μmの光拡散複合シートを得た。この場合において、透明樹脂膜の光透過率は75%であり、粒径2〜8μmの範囲の単独気泡であった。
実施例14
反射防止フィルムの製造:実施例3で調製した混合溶液を用いて、キャスティング法により厚さ100μmのフィルムを作製した。このフィルムの表面に、10-4 Torrの真空下でSiOを825nmの膜厚で蒸着を行った。次に、SiOを130nmの膜厚で蒸着した。さらに、ZrOとTiOの混合物を130nmの膜厚で蒸着した。さらに、最外層としてSiOを248nmの膜厚で蒸着して、反射防止フィルムを得た。この反射防止フィルムの光線透過率は90%であり、また、複屈折は2nmと小さい値となった。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で示される繰り返し単位(a)と下記式(2)で示される繰り返し単位(b)を含む環状オレフィン系付加型共重合体を含有する環状オレフィン系付加型共重合体組成物を成形して得られる樹脂フィルムをシロキサン結合で架橋してなることを特徴とする架橋樹脂フィルム。
    Figure 2008045133
    [式(1)中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、または、
    −(CRSi(OR (3−g)
    −(CRSi(R)OSi(OR (3−g)
    −(CRC(O)O(CH2hSi(OR (3−g)
    で表されるアルコキシシリル基、アリロキシシリル基を示し、A〜Aの少なくとも一つはアルコキシシリル基、アリロキシシリル基を示す。ここで、R,Rはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、f,hは0〜5の整数、gは1〜3の整数を示す。また、Yは−CH−または−O−を示し、mは0または1を示す。]
    Figure 2008045133
    [式(2)中、B,B,B,Bはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、または−(CH2Xで表される極性基示す。ここで、Xは−C(O)OR、または−OC(O)Rであり、R,Rは炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、またはこれらのハロゲン置換基、jは0〜5の整数を示す。また、B〜BにはBとBまたはBとBで形成されるアルキリデニル基、BとB、BとB、またはBとBで形成されるシクロアルキレン基、シクロアルケニレン基も含まれる。nは0から2の整数を示す。]
  2. 請求項1記載の環状オレフィン系付加型共重合体組成物に、さらに下記化合物(A)および/または(B)を含有する請求項1記載の架橋樹脂フィルム。
    化合物(A):
    下記式(3)で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物、および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少なくとも1種
    (RSi(OR4−P ………(3)
    [式(3)中、Rは、2個存在する場合には同一または異なり、炭素数1〜10の有機基を示し、Rは同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、pは0〜2の整数である。]
    化合物(B):
    シリカ、アルミナ、ジルコニアおよびチタニアの群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物
  3. 有機溶媒に請求項1または2記載の環状オレフィン系付加型共重合体組成物を混合して溶液とし、溶液キャスト法にてフィルム化したのちに、50℃以上に加熱、あるいは熱水または水蒸気で加熱することにより、シロキサン結合を形成させて架橋させる工程を含む製造方法によって得られる請求項1または2記載の架橋樹脂フィルム。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂フィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置の液晶基板フィルム。
  5. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂フィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置の偏光フィルム。
  6. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂フィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置の表面保護フィルム。
  7. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂ムフィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置の位相差フィルム。
  8. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂フィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置の透明導電性フィルム。
  9. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂フィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置の光拡散フィルム。
  10. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂フィルムを使用することを特徴とするEL表示装置用フィルム。
  11. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂フィルムの表面に、透明導電性膜を形成してなることを特徴とする透明導電性複合材料。
  12. 請求項1〜3いずれか1項記載の架橋樹脂フィルムの表面に、該フィルムの表面と接する層がSiO(0.8≦x≦1.8)からなり、最外層がSiOからなる層である反射防止膜が形成されてなることを特徴とする反射防止フィルム。
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