JP2008043824A - スパイラル型膜エレメント及びその製造方法 - Google Patents

スパイラル型膜エレメント及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有効膜面積を向上させながら、封止部の信頼性および生産時の歩留まりを維持することができるスパイラル型膜エレメント、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】分離膜1と供給側流路材2と透過側流路材3とが積層状態で有孔の中心管5の周囲にスパイラル状に巻回された円筒状巻回体Rを備えると共に、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐための封止部が設けられているスパイラル型膜エレメントにおいて、透過側流路材3を介して対向する分離膜1は、軸方向の両側に両端封止部11を有すると共に、その両端封止部11は内周側より外周側が幅広く形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、種々の流体(液体あるいは気体)中に存在する特定成分を分離等するスパイラル型膜エレメント及びその製造方法に関する。より詳細には、膜の両側端辺近傍に封止構造を形成する方法の改善に関するものである。
従来、逆浸透ろ過、限外ろ過などに用いられる流体分離エレメントとして、例えば、供給側流体(原水)を分離膜表面へ導く供給側流路材、供給側流体を分離する分離膜、および分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体(透過水)を中心管(集水管)へと導く透過側流路材からなるユニットを有孔の中心管の周りに巻き付けたスパイラル型膜エレメントが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなスパイラル型膜エレメントは、図5(a)〜(b)に示すように、一般的に分離膜1を二つ折りにした間に供給側流路材2を配置したものと、透過側流路材3とを積み重ね、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐ封止部を形成するために、ウレタン樹脂等の接着剤4,6を、分離膜周辺部(3辺)に位置する透過側流路材3に塗布して分離膜ユニットUを作製し、このユニットUの単数または複数を中心管5の周囲にスパイラル状に巻きつけて、静置状態で時間をかけて接着剤4,6を硬化させることによって製造される。その際、接着強度を均一にする観点や、塗布工程の簡易化の観点から、図5(a)に示すように、透過側流路材3の両端部には、同じ幅で接着剤4が塗布されていた。
上記製造方法によると、図6に示すように、透過側流路材3を介して対向する分離膜1の両端は、一定幅の両端封止部11により封止され、また、透過側流路材3を介して対向する分離膜1の外周側端部は、軸方向に沿った外周側封止部12により封止される(例えば、特許文献2参照)。この例は、膜リーフ(封止された封筒状膜)が複数の場合であるが、膜リーフが単数の場合も存在する(例えば、特許文献1参照)。
一方、膜エレメントには、造水コストの削減が要求されており、膜エレメントの有効膜面積は、これに直接影響するため、その向上が常に望まれている。しかし、膜エレメントを装てんするベッセルは規格が統一されており、膜エレメント自体の体積も上限が決まっている。上限のある体積の中で、有効な膜面積を向上させる為には様々な方法があるが、中でも封止部の樹脂幅を削減することの効果は高い。
しかしながら、封止部の樹脂幅を狭める方法では、封止部の信頼性が損なわれたり、生産時の歩留まりが低下したりするという問題あった。例えば、UF膜を用いた膜エレメントの場合、封止部の信頼性が特に問題となるのは、逆洗工程における耐久性であり、膜エレメントの透過側流路から水を加圧供給して透過水で供給側流路に堆積した物質を洗浄する逆洗工程で、封止部の強度が不十分であると、その部分が破損し易くなる。また、RO膜を用いた膜エレメントの場合、透過水タンクの位置によっては、システム停止時に水頭差分の水圧が逆洗方向に生じる場合があり、更に運転時の差圧による変形で、封止部が破損し易いと言う問題もある。
一方、封止部の樹脂幅を一定以上に設定しないと、生産時の各部材のズレなどによって、封止部からリークが生じたり、樹脂幅が小さくなって強度が十分確保できない場合が生じる。
特開平10−341号公報 特開2005−199141号公報
そこで、本発明の目的は、有効膜面積を向上させながら、封止部の信頼性および生産時の歩留まりを維持することができるスパイラル型膜エレメント、及びその製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
本発明のスパイラル型膜エレメントは、分離膜と供給側流路材と透過側流路材とが積層状態で有孔の中心管の周囲にスパイラル状に巻回された円筒状巻回体を備えると共に、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐための封止部が設けられているスパイラル型膜エレメントにおいて、前記透過側流路材を介して対向する分離膜は、軸方向の両側に両端封止部を有すると共に、その両端封止部は内周側より外周側が幅広く形成されていることを特徴とする。
本発明者らの研究によると、逆洗工程を実施する場合において透過水を逆流させる際、膜リーフの先端(外周側の端部)に透過水が到達したときにウォーターハンマー現象が生じ、特に両端封止部の外周側端部に局所的に高い圧力がかかって、封止部に破損が生じやすいことが判明した。また、逆洗工程を実施しない場合でも、RO膜を用いた膜エレメントの運転時の差圧による変形や停止時の水圧で、両端封止部の外周側に位置する封止部が破損し易いことが判明した。このため、両端封止部の外周側端部の幅を維持すれば、内周側の幅を狭くしても、封止部の耐久性を維持することができる。
本発明のスパイラル型膜エレメントは、このような着想に基づくものであり、両端封止部の外周側より内周側の幅が狭くなるため、従来より有効膜面積を向上させることができ、その際、封止部の信頼性を維持することができる。しかも、生産時の各部材のズレは、膜エレメントの外周側ほど大きくなるため、両端封止部の外周側端部の幅を維持することによって、生産時の歩留まりを維持することができる。
上記において、前記両端封止部は、最内周側部の幅に対して、最外周側部の幅が1.1〜2.0倍に形成されていることが好ましい。この範囲とすることで、有効膜面積の向上と、封止部の信頼性や生産時の歩留まりの維持とをバランスよく両立させることができる。
一方、本発明のスパイラル型膜エレメントの製造方法は、分離膜と供給側流路材と透過側流路材とを積層状態で有孔の中心管の周囲にスパイラル状に巻回する巻回工程と、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐための封止部を形成する封止工程とを含むスパイラル型膜エレメントの製造方法において、前記封止工程は、前記透過側流路材を介して対向する分離膜の軸方向両側に、内周側より外周側が幅広くなる両端封止部を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法によると、両端封止部を形成する際に外周側より内周側の幅を狭くすることができるため、従来より有効膜面積を向上させることができ、その際、上記の理由から、封止部の信頼性を維持することができる。しかも、生産時の各部材のズレは、膜エレメントの外周側ほど大きくなるため、両端封止部の外周側端部の幅を維持することによって、生産時の歩留まりを維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のスパイラル型膜エレメント製造方法の一例を示す工程図である。図2は、本発明のスパイラル型膜エレメントの一例を示す部分破断した斜視図である。
本発明のスパイラル型膜エレメント及びその製造方法は、両端封止部の形状のみが従来のものと異なっており、他の構造は、上述の従来のスパイラル型膜エレメントの構成をいずれも適用することができる。まず、本発明のスパイラル型膜エレメントの製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、図1(a)〜(b)に示すように、分離膜1と供給側流路材2と透過側流路材3とを積層状態で有孔の中心管5の周囲にスパイラル状に巻回する巻回工程と、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐための封止部11,12を形成する封止工程とを含むものである。図1の(a)は、分離膜ユニットの組立斜視図であり、(b)は、分離膜ユニットを積層して巻回する前の状態を示す正面図である。
本実施形態では、最初に、供給側を内側にして折り返した分離膜1の供給側に供給側流路材2を、透過側に透過側流路材3を配置した分離膜ユニットUを形成する例を示す。分離膜ユニットUとしては、例えば幅500〜2000mm、好ましくは幅1000〜1600mmを使用することができる。
本発明に用いられる膜1としては、透過に一定以上の圧力損失を有する多孔質膜又は非多孔質膜であればよく、具体的には、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜、イオン交換膜、気体分離膜、透析膜、などが挙げられる。
膜1の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリアクリルニトリル、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子膜を用いることができる。また、上記の膜1は多孔質支持層のような補強層を有していてもよい。その場合、一般的には補強層の側に透過側流路材3が配置される。
透過側流路材3としては、スパイラル型膜エレメントとして従来公知の透過側流路材が何れも使用でき、ネット、メッシュ、線材織物、繊維織物、不織布、など何れでもよい。また、その材質もポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、 ポリアミド、エポキシ、ウレタン等の樹脂の他、天然高分子、ゴム、金属など何れでもよい。但し、分離操作等の際に流路材からの溶出が問題となる場合、それを考慮して材質を選択するのが好ましい。
透過側流路材3の厚みは0.2〜1mmであることが好ましく、透過側流路材3の厚み方向における空隙率は10%以上60%以下であることが好ましい。また、透過側流路材3がネット状である場合、そのピッチが0.3mm以上5mm以下であることが好ましい。
供給側流路材2としては、スパイラル型膜エレメントとして従来公知の供給側流路材が何れも使用でき、ネット、メッシュ、線材織物、繊維織物、不織布、溝付きシート、波形シートなど何れでもよい。また、その材質もポリプロピレン、ポリエチレント、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の樹脂の他、天然高分子、ゴム、金属など何れでもよい。但し、分離操作等の際に流路材からの溶出が問題となる場合、それを考慮して材質を選択するのが好ましい。
供給側流路材2の厚みは0.3mm以上2mm以下であることが好ましく、供給側流路材2の厚み方向における空隙率は10%以上70%以下であることが好ましい。また、供給側流路材2がネット状である場合、そのピッチが0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。
分離膜1の折り返しは、手や治具を用いて折り返したり、これを自動化した装置を用いて行うことができる。その際、折り目部の安定化、形状保持、強度アップなどのために、膜1を折り返す際や、折り返し後に加熱加圧を行うのが好ましい。具体的には、一対の加熱プレートを用いて折り返し部を挟み込む方法、一対の加熱したロール間を通過させる方法、折り返し部を保持可能な隙間を形成した加熱体に折り返し部を押し込む方法などが挙げられる。この加熱加圧は、折り返す際又は折り返し後、あるいは折り返しの際及び折り返し後に行えばよいが、折り返し後に加熱加圧状態を一定時間保持するのが好ましい。
本発明の製造方法は、前記封止工程として、前記透過側流路材3を介して対向する分離膜1の軸方向両側に、内周側より外周側が幅広くなる両端封止部11を形成する工程を含むが、例えば、図1(a)に示すように、分離膜ユニットUを形成する際に、内周側より外周側の幅が広くなるように接着剤4を塗布した後、これを接着・硬化させることにより実施することができる。なお、接着剤4,6としては、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ホットメルト接着剤等、従来公知の何れの接着剤も使用することができる。これにより、両端封止部11の外周側が内周側より幅広く形成される。
本発明では、最内周側部の幅W1に対して、最外周側部の幅W2が1.1〜2.0倍に形成されていることが好ましく、1.3〜1.5倍に形成されていることがより好ましい。最外周側部の幅W2が1.1倍未満であると、幅の変化が小さくなり、有効膜面積の向上効果が小さくなる傾向がある。逆に、最外周側部の幅W2が2.0倍を超えると、最内周側部の幅W1が小さくなりすぎ、封止部の信頼性を維持するのが困難になる傾向がある。
具体的には、両端封止部11の最内周側部の幅W1が5〜30mmが望ましく、10〜20mmが更に望ましい。また、最外周側部の幅W2は10〜40mmが望ましく、更に20〜30mmが望ましい。
内周側より外周側の幅が広くなるように接着剤4を塗布する方法としては、接着剤4である樹脂の吐出ノズルを、内周側から外周側へ動かす時、図3(a)に示すように、端辺から傾斜した矢印Aの方向に吐出ノズルを動かして、一定幅の接着剤4を斜めに塗布した後、巻回・硬化の後に、ラインCに沿って切断する方法が挙げられる。その際、端辺との傾斜角は、両端封止部11の幅を適切に変化させる観点から、0.04〜0.38°が好ましい。
また、吐出ノズルを内周側から外周側へ動かす時、図3(b)に示すように、端辺に平行な矢印Bの方向に吐出ノズルを動かしつつ、徐々に樹脂吐出量を増加させて、外周側ほど幅が広がった接着剤4を塗布した後、巻回・硬化の後に、ラインCに沿って切断する方法が挙げられる。その際、吐出量の変化は、両端封止部11の幅を適切に変化させる観点から、初期の吐出量に対して、終端での吐出量が10〜200%だけ変化するように吐出するのが好ましい。
さらに図3(b)に示すように、同様に矢印Bの方向に吐出ノズルを動かす際に、吐出ノズルの移動速度を徐々に遅くすることでも、外周側ほど幅が広がった接着剤4を塗布することができる。その際、ノズルの移動速度の変化は、両端封止部11の幅を適切に変化させる観点から、初期の移動速度に対して、終端での移動速度が10〜200%だけ変化するように吐出するのが好ましい。
次に、図1(b)に示すように、分離膜ユニットUを設定リーフ分だけ積層して、有孔の中心管5の周囲にスパイラル状に巻回する。なお、設定リーフ数は、例えば8インチサイズのもので15〜50リーフである。本実施形態では、他より長さの長い透過側流路材3の一端を中心管5に固着し、分離膜ユニットUを中心管5の円周の長さに合わせた間隔でずらして配置する。
中心管5としては、従来公知のものが何れも使用でき、例えば金属、繊維強化プラスチック、プラスチックまたはセラミックスなどが挙げられる。孔の形状、大きさ、位置、個数なども膜の種類などに応じて、従来公知のものがいずれも採用できる。
中心管5の外径と長さは、スパイラル型膜エレメントのサイズに応じて適宜決定される。例えば外径10〜100mm、長さ500〜2000mmであり、好ましくは外径12〜38mm、長さ900〜1200mmである。この例では、中心管5が透過側の流路(例えば集水管)となる。
積層体(膜リーフ)を中心管5に固着する方法としては、熱融着や超音波融着の他、接着剤による接着、粘着テープ、両面テープ、熱融着材による接着、機械的な固着など何れでもよい。固着の部位としては、等間隔でなくとも膜等の配置の仕方で修正することができるが、略等間隔とするのが好ましい。略等間隔とする場合、中心管5の外周長を固着する膜リーフの数で除した間隔とするのが好ましい。
積層体の巻回は、例えば巻付装置のチャックに中心管5をセットし、チャックを一定の速度で回転させることで、全膜リーフを巻き上げることができる。このとき、ロールを一定の圧力で円筒状巻回体Rに押し当てることで、端面を良好に揃えることができる。
次に、両端封止部11、外周側封止部12を固化して封止を行うために、巻き上げた円筒状巻回体Rに対し、形状を維持しながら、加熱・乾燥等を行う。例えば、接着剤4,6としては、ウレタン系接着剤等を用いる場合、巻き上げた円筒状巻回体Rを30〜60℃の乾燥機中で1〜2時間静置し、ウレタン樹脂等の硬化を促進させ、その後、室温に戻して完全に固化させる。その際、中心管5の周囲の外周側封止部12の封止を同時に行っても良い。
その後、円筒状巻回体Rは、軸方向の長さを調整するために、必要に応じて両端部がトリミング等される。
本発明のスパイラル型膜エレメントは、以上のような本発明の製造方法によって、好適に製造することができる。つまり、本発明のスパイラル型膜エレメントは、図1〜図2に示すように、分離膜1、供給側流路材2、および透過側流路材3が積層状態で、有孔の中心管5の周囲にスパイラル状に巻回された円筒状巻回体Rを備えると共に、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐための封止部が設けられている。本実施形態では、封止部として、両端封止部11、外周側封止部12が含まれる例を示す。
図2に示すように、透過側流路材3を介して対向する分離膜1の両端は、両端封止部11により封止され、スパイラル状に配置された複数の両端封止部11の間には、供給側流路材2が介在する。また、透過側流路材3を介して対向する分離膜1の外周側端部は、軸方向に沿った外周側封止部12により封止されている。
本発明のスパイラル型膜エレメントは、透過側流路材3を介して対向する分離膜1は、軸方向の両側に両端封止部11を有すると共に、その両端封止部11は内周側より外周側が幅広く形成されていることを特徴とする。
本発明のスパイラル型膜エレメントは、通常、外装材により拘束されて拡径しない構造になっているが、外装材は、円筒状巻回体Rの表面に単数又は複数のシートを巻回することができる。外装材としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ガラス繊維布等が使用できる。
本発明のスパイラル型膜エレメントには、更に変形(テレスコープ等)を防止するための有孔の端部材や、シール材、補強材などを必要に応じて設けることができる。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、両端封止部の最内周側部から最外周側部にかけて、両端封止部の幅が一定割合で変化している例を示したが、本発明では、例えば図4(a)〜(c)に示すように、外周側部より幅の狭い内周側部が存在すればよく、一定幅の部分を有していたり、両端封止部11の幅が変化する部分の両辺は、直線でも曲線でもよい。なお、このような形状の両端封止部11は、吐出ノズルの移動方向を2次元的に制御することによって、形成することができる。
図4(a)に示す例は、両端封止部11の長さL1の部分が、最外周側部と同じ幅W2で形成され、両端封止部11の長さL2の部分が、最内周側部と同じ幅W1で形成され、その中間に幅が変化する部分を設けた例である。このように、両端封止部11の全長の50%以上、特に65%以上を最内周側部と同じ幅W1で形成し、これより外周側を幅広く形成することで、封止部の信頼性を維持しながら、有効膜面積をより効果的に向上させることができる。
図4(b)に示す例は、両端封止部11の長さL1の部分のみが一定幅W2で形成される例である。また、図4(c)に示す例は、両端封止部11の略全長が最内周側部と同じ幅W1で形成され、その外周側の幅を変化させる際に、一辺が曲線となる例である。
(2)前述の実施形態では、接着剤を塗布・硬化させて両端封止部を形成する例を示したが、加熱により軟化し、冷却又は反応硬化により固化する接着性シート等を用いて両端封止部を形成してもよい。その場合、予め接着性シート等を所定の形状に裁断しておくことによって、内周側より外周側が幅広い両端封止部を容易に形成することができる。
(3)前述の実施形態では、透過側流路材に接着剤を塗布する例を示したが、分離膜に塗布等することも可能である。
(4)前述の実施形態では、分離膜ユニットを作製する際、分離膜を2つ折りにして供給側流路材を挟み込む例を示したが、連続する分離膜を用いて、これを交互に折り返して、供給側流路材および透過側流路材を挟み込むことも可能である。
(5)前述の実施形態では、図1に示すように、供給側流路材2を挟みこむように二つ折りにした分離膜1の上に、透過側流路材3を重ねて、接着剤4,6を塗布する例で説明したが、本発明では、透過側流路材3の上に二つ折りにした分離膜1を重ねその上に接着剤4,6を塗布することも可能である。
(6)前述の実施形態では、図1に示すように、複数の分離膜ユニットUを使用して、複数の膜リーフを備えるスパイラル膜エレメントを製造する例を示したが、本発明では、 1組の分離膜ユニットUを使用して、1枚の膜リーフを備えるスパイラル膜エレメントを製造してもよい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例1
図1(a)〜(b)に示す工程に従って、次の材料、条件等にてスパイラル型膜エレメントを作製し、その評価を行った。
日東電工(株)製のRO膜(CPA3)を繰り出しながら所定の長さ(1500mm)にカットし、供給側の膜面にて折り目にあたる箇所に等間隔でテープを幅方向に横断するように貼り付けた。その後、ポリプロピレン製の供給側流路材を挟み込みながら膜を半分に折り曲げ、PET製の透過側流路材を熱融着させた。
さらにその上からウレタン樹脂を一定流量で吐出しながら、中心管側から膜リーフ終端に向けて、樹脂吐出ノズル位置を封止幅が徐々に広くなるように移動速度を変えて移動させた(図3(b)参照)。その際、ノズルの移動速度は、初速を400mm/秒とし、速度を30%/秒ずつ低下させた。ウレタン樹脂を塗布した膜リーフは、設定した膜リーフの数(リーフ数29)だけ樹脂塗布と積層を繰り返すことで積層体を準備した。
以上のようにして組立てられたものについて巻付用のチャックに中心管をセットし、チャックを一定の速度で回転させて全膜リーフを巻き上げた。このときロールを一定の圧力でエレメントに当てて端面を揃えた。このとき膜リーフにシワ、折れ、ズレの発生は無かった。
巻き上げたエレメントを60℃の乾燥機中で1時間静置し、封止に用いたウレタン樹脂の硬化を促進させ、その後室温に戻して完全に固化させた。封止部が固化したエレメントは、その両端をトリミングして、両端封止部の最内周側部の幅15mm、最外周側部の幅20mmとした。このようにして、8インチのスパイラル型膜エレメントを製作した。固化が終了したエレメントについて、水中で中心管より0.05MPaの圧力でリーフ内の透過側をエア加圧しシール性を確認した結果、供給側からのバブルの発生は認められなかった。また、膜特性を測定した結果、所定の膜性能(塩阻止率、透過流量)を満足した。
実施例2
実施例1において、ノズルの移動速度を一定(400mm/秒)とし、ノズルの移動方向を傾斜させたこと以外は、同様にして8インチのスパイラル型膜エレメントを製作し、シール性の確認および膜特性の測定を行った。その結果、シール性及び膜特性は、実施例1と同様に良好であった。なお、ノズルの移動方向は、端辺に対して0.38°傾斜させ(図3(a)参照)、トリミング後の両端封止部は、最内周側部の幅15mm、最外周側部の幅30mmであった。
実施例3
実施例1において、ノズルの移動速度を一定(400mm/秒)とし、ノズルからの吐出量を変化させたこと以外は、同様にして8インチのスパイラル型膜エレメントを製作し、シール性の確認および膜特性の測定を行った。その結果、シール性及び膜特性は、実施例1と同様に良好であった。なお、ノズルからの吐出量は、初期量を600g/秒とし、吐出量を105g/秒ずつ増加させ(図3(b)参照)、トリミング後の両端封止部は、最内周側部の幅15mm、最外周側部の幅25mmであった。
本発明のスパイラル型膜エレメントの製造方法の一例を示す工程図 本発明のスパイラル型膜エレメントの一例を示す部分破断した斜視図 本発明における樹脂の塗布方法の例を示す工程図 本発明のスパイラル型膜エレメントの要部の他の例を示す平面図 従来のスパイラル型膜エレメントの製造方法の一例を示す工程図 従来のスパイラル型膜エレメントの一例を示す部分破断した斜視図
符号の説明
1 分離膜
2 供給側流路材
3 透過側流路材
4 接着剤
5 中心管
6 接着剤
11 両端封止部
12 外周側封止部
R 円筒状巻回体
U 分離膜ユニット
W1 両端封止部の最内周側部の幅
W2 両端封止部の最外周側部の幅

Claims (4)

  1. 分離膜と供給側流路材と透過側流路材とが積層状態で有孔の中心管の周囲にスパイラル状に巻回された円筒状巻回体を備えると共に、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐための封止部が設けられているスパイラル型膜エレメントにおいて、
    前記透過側流路材を介して対向する分離膜は、軸方向の両側に両端封止部を有すると共に、その両端封止部は内周側より外周側が幅広く形成されていることを特徴とするスパイラル型膜エレメント。
  2. 前記両端封止部は、最内周側部の幅に対して、最外周側部の幅が1.1〜2.0倍に形成されている請求項1記載のスパイラル型膜エレメント。
  3. 分離膜と供給側流路材と透過側流路材とを積層状態で有孔の中心管の周囲にスパイラル状に巻回する巻回工程と、供給側流体と透過側流体の混合を防ぐための封止部を形成する封止工程とを含むスパイラル型膜エレメントの製造方法において、
    前記封止工程は、前記透過側流路材を介して対向する分離膜の軸方向両側に、内周側より外周側が幅広くなる両端封止部を形成する工程を含むことを特徴とするスパイラル型膜エレメントの製造方法。
  4. 前記両端封止部は、最内周側部の幅に対して、最外周側部の幅が1.1〜2.0倍に形成されている請求項3記載のスパイラル型膜エレメントの製造方法。
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