JP2008043583A - 微細注射針 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細注射針の機械的強度を十分に確保することが可能で、かつ、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能な微細注射針を提供する。
【解決手段】先端側端部に尖頭部174を有する芯部材110と、芯部材110の外周面を覆う溝形成用被覆層120とを備え、溝形成用被覆層120の外周面に長手方向に沿って溝122が形成された円柱状部材130と、円柱状部材130の外周面を覆う被覆層140とを備え、溝122の部分に流路150が形成されていることを特徴とする微細注射針1。
【選択図】図1
【解決手段】先端側端部に尖頭部174を有する芯部材110と、芯部材110の外周面を覆う溝形成用被覆層120とを備え、溝形成用被覆層120の外周面に長手方向に沿って溝122が形成された円柱状部材130と、円柱状部材130の外周面を覆う被覆層140とを備え、溝122の部分に流路150が形成されていることを特徴とする微細注射針1。
【選択図】図1
Description
本発明は、微細注射針及びその製造方法、マイクロ流体素子及びその製造方法並びにコネクタ付き微細注射針に関する。
従来、注射の際に患者が受ける痛みを大幅に軽減することを可能とする微細注射針が知られている。図21は、そのような従来の微細注射針900を説明するために示す図である。従来の微細注射針900は、外径が50μmであり、極めて細く形成されている。また、従来の微細注射針900は、図21に示すように、微細注射針900の先端孔916が微細注射針900の尖頭部912ではなく先端斜面に形成されている。
このため、従来の微細注射針900によれば、外径が50μmと細いため、注射の際に患者が受ける痛みを大幅に軽減することが可能となる。また、従来の微細注射針900によれば、微細注射針900の先端孔916が先端斜面に形成されているため、注射の際の目詰まりを抑制することが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、従来の微細注射針900においては、従来の微細注射針900を製造する際に雄型と雌型とを極めて精度よく位置合わせしなければ微細注射針の中心部に中心孔914を精度よく形成することができない。このため、従来の微細注射針900においては、微細注射針の機械的強度を十分に確保することが困難であり、また(薬液注射の際の)薬液の注入効率や(採血注射の際の)血液の吸入効率を均一化することが困難であるという問題がある。
図22は、従来の微細注射針900の問題点を説明するために示す図である。図22(a)及び図22(b)は微細注射針の中心部に中心孔914を精度よく形成することができなかった場合における従来の微細注射針900の縦断面図である。すなわち、微細注射針900の中心部に中心孔914を精度よく形成することができなかった場合には、図22(a)及び図22(b)に示すように、側壁部910の肉厚が不均一となることで微細注射針の機械的強度を十分に確保することが困難となり、また先端斜面に形成する先端孔916の長さが不均一となることで薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが困難となるのである。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、微細注射針の機械的強度を十分に確保することが可能で、かつ、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能な微細注射針及びその製造方法を提供することを目的とする。また、このような微細注射針を備えるマイクロ流体素子及びその製造方法を提供することを目的とする。さらにまた、このような微細注射針を備えるコネクタ付き微細注射針を提供することを目的とする。
(1)本発明の微細注射針は、先端側端部に尖頭部を有し、外周面に溝が長手方向に沿って形成された円柱状部材と、前記円柱状部材の外周面を覆う被覆層とを備え、前記溝の部分に流路が形成されていることを特徴とする。
このため、本発明の微細注射針によれば、中実の円柱状部材の外周部に流路が形成された構造を有しているため、流路を形成することに起因して微細注射針の強度が低下するということもなく、微細注射針の機械的強度を十分に確保することが可能となる。
また、本発明の微細注射針によれば、予め精度よく溝を形成しておいた円柱状部材を準備しておけば、円柱状部材と被覆層との間に形成される流路は精度のよいものとなるため、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能となる。
このため、本発明の微細注射針は、微細注射針の機械的強度を十分に確保することが可能で、かつ、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能な微細注射針となる。
(2)本発明の微細注射針においては、前記被覆層は、樹脂からなることが好ましい。
被覆層としては、例えばアルミ箔のような金属性の被覆層を用いることもできるが、このように構成することにより、密着性のよい被覆層を比較的容易に形成することが可能となる。
(3)本発明の微細注射針においては、前記円柱状部材は、先端側端部に尖頭部を有する芯部材と、前記芯部材の外周面を覆う溝形成用被覆層とを備え、前記溝は、前記溝形成用被覆層に形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、精度よく溝が形成された円柱状部材を比較的容易に製造することが可能となる。
円柱状部材に溝を形成する方法としては、溝形成用被覆層にレーザ照射を行って溝形成を行うレーザ加工法及び芯部材の外周面に選択的に溝形成用被覆層をコーティングすることで溝形成を行うコーティング法を好ましく用いることができる。
このような方法とすることにより、溝の深さを溝形成用被覆層の層厚に揃えることが可能となるため、流路を精度よく形成することが可能となり、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能となる。
なお、前者の場合には、予め溝形成用被覆層が被覆された円柱状部材に対して、芯部材には損傷を与えないような条件でレーザ照射を行うことで、溝形成用被覆層のみに溝形成を行うことが可能となり、後者の場合には、溝に対応する部分だけ溝形成用被覆層がコーティングされないような条件で溝形成用被覆層をコーティングすることで、溝形成用被覆層のみに溝形成を行うことが可能となる。
(4)本発明の微細注射針においては、前記芯部材は、金属からなることが好ましい。
このように構成することにより、微細注射針の機械的強度を十分に高くすることが可能となる。また、芯部材には損傷を与えないような条件を容易に選択することが可能となる。
(5)本発明の微細注射針においては、前記溝形成用被覆層は、樹脂からなることが好ましい。
溝形成用被覆層としては、例えばアルミ箔のような金属性の溝形成用被覆層を用いることもできるが、このように構成することにより、良好な溝を比較的容易に形成することが可能となる。
(6)本発明の微細注射針においては、前記円柱状部材は、単一の部材からなることも好ましい。
このように構成することによっても、精度よく溝が形成された円柱状部材を比較的容易に製造することが可能となる。また、このように構成することにより、構成部品の数が少なくなることから、信頼性の高い微細注射針を構成することが可能となる。
円柱状部材に溝を形成する方法としては、円柱状部材の外周面にレーザ照射を行って溝形成を行うレーザ加工法を好ましく用いることができる。この場合、レーザ光のビーム径及びレーザ光の出力を調整することで、所望の寸法の溝を精度よく形成することが可能となる。その結果、流路を精度よく形成することが可能となり、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能となる。
(7)本発明の微細注射針においては、前記円柱状部材は、金属からなることが好ましい。
このように構成することにより、微細注射針の機械的強度を十分に高くすることが可能となる。
(8)本発明の微細注射針においては、前記溝は、前記円柱状部材の基端側端部にまで達しておらず、前記被覆層には、前記溝の基端側端部に連通する孔が形成され、前記溝及び前記孔によって流路が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、微細注射針の側面に流路が露出する構造の微細注射針となるため、本発明の微細注射針を様々な形状・構造を有する他の流体回路に対して取り付けることが可能となる。
(9)本発明の微細注射針においては、前記溝は、前記円柱状部材の基端側端部にまで達していることが好ましい。
このように構成することにより、微細注射針の基端側端部に流路が露出する構造の微細注射針となるため、やはり、本発明の微細注射針を様々な形状・構造を有する他の流体回路に対して取り付けることが可能となる。
(10)本発明の微細注射針においては、前記被覆層の先端側端部にテーパ部が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、微細注射針を皮膚に刺すときの抵抗を小さくすることが可能となる。また、本発明の微細注射針を用いて採血を行う場合には、血液に含まれる異物が流路に入って目詰まりを起こしてしまうのを効果的に抑制することが可能となる。
(11)本発明の微細注射針においては、前記被覆層の先端側端部に突き当て部が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、突き当て部の抵抗により、微細注射針が皮膚表面から所定の深さよりも深く入らないようにすることが可能となるため、皮膚表面から所定の深さ位置のところで薬液の注入を行ったり、血液の吸入を行ったりすることが可能となる。
(12)本発明の微細注射針においては、前記円柱状部材の外周面には、複数の溝が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、流路として複数の流路を有することとなるため、薬液の注入効率や血液の吸入効率をさらに高くすることが可能となる。
(13)本発明の微細注射針においては、前記円柱状部材の外周面には、先端側端部及び基端側端部の両端部に達する他の溝が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、他の溝を使用することで、本発明の微細注射針に対して様々な機能を付加することが可能となる。
(14)本発明の微細注射針においては、前記他の溝には、前記被覆層を構成する樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率樹脂が充填されていることが好ましい。
このように構成することにより、高屈折率樹脂層が光導波路として機能するようになり、微細注射針の尖頭部近傍に光を照射したり、微細注射針の尖頭部近傍からの光を観察したりすることが可能となる。このため、本発明の微細注射針を様々な目的で使用することが可能となる。
(15)本発明の微細注射針においては、前記他の溝には、光ファイバが配置されていることが好ましい。
このように構成することによっても、微細注射針の尖頭部近傍に光を照射したり、微細注射針の尖頭部近傍からの光を観察したりすることが可能となる。このため、上記の場合と同様に、本発明の微細注射針を様々な目的で使用することが可能となる。
(16)本発明の微細注射針においては、前記他の溝には、極細ワイヤが配置されていることが好ましい。
このように構成することにより、微細注射針の尖頭部近傍で組織を切断したり、微細注射針の尖頭部近傍で様々な機械加工を行ったり、微細注射針の尖頭部近傍で細胞を採取したり、微細注射針の尖頭部近傍に様々な物を載置したりすることが可能となる。
(17)本発明の微細注射針の製造方法は、本発明の微細注射針を製造するための微細注射針の製造方法であって、外周面に溝が長手方向に沿って形成された円柱状部材を準備する円柱状部材準備工程と、前記円柱状部材を挟み込むようにして2枚のシート部材を貼り合わせるシート部材貼り合わせ工程と、前記2枚のシート部材の所定位置にレーザ光を照射して2枚のシート部材を切断することで、前記2枚のシート部材における前記円柱状部材を挟み込む部分を残して前記2枚のシート部材を除去するシート部材切断・除去工程と、前記2枚のシート部材における切断・除去部分にレーザ光を照射して前記切断・除去部分を溶融させて前記被覆層を形成する被覆層形成工程と、前記被覆層における前記先端側部分を除去して前記円柱状部材を露出させる円柱状部材露出工程と、前記円柱状部材における先端側端部を尖端化して前記尖頭部を形成する尖頭部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
このため、本発明の微細注射針の製造方法によれば、本発明の微細注射針(上記(1)に記載の微細注射針)を製造することが可能となる。
前記シート部材切断・除去工程は、円柱状部材を長手方向に移動させながら、シート部材にレーザ光を照射することにより行う。
(18)本発明の微細注射針の製造方法は、本発明の微細注射針を製造するための微細注射針の製造方法であって、外周面に溝が長手方向に沿って形成された円柱状部材を準備する円柱状部材準備工程と、前記円柱状部材に熱収縮チューブを被せる熱収縮チューブ配置工程と、前記熱収縮チューブを加熱して熱収縮チューブを収縮させて前記被覆層を形成する被覆層形成工程と、前記被覆層における前記先端側部分を除去して前記円柱状部材を露出させる円柱状部材露出工程と、前記円柱状部材における先端側端部を尖端化して前記尖頭部を形成する尖頭部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
このため、本発明の微細注射針の製造方法によっても、本発明の微細注射針(上記(1)に記載の微細注射針)を製造することが可能となる。
なお、本発明の微細注射針の製造方法において、円柱状部材として、芯部材の外周面に溝形成用被覆層が被覆された円柱状部材を用いる場合には、本発明の微細注射針のうち上記(2)に記載の微細注射針を製造することが可能となる。
また、本発明の微細注射針の製造方法において、円柱状部材として、単一の部材からなる円柱状部材を用いる場合には、本発明の微細注射針のうち上記(6)に記載の微細注射針を製造することが可能となる。
また、本発明の微細注射針の製造方法において、円柱状部材として、基端側端部にまで溝が達していない円柱状部材を用いる場合には、被覆層の所定位置(溝の基端側端部)に孔を開ける孔開け工程をさらに含むものとすることが好ましい。
このような方法とすることにより、本発明の微細注射針のうち上記(8)に記載の微細注射針を製造することが可能となる。
また、本発明の微細注射針の製造方法において、円柱状部材として、基端側端部にまで溝が達している円柱状部材を用いる場合には、本発明の微細注射針のうち上記(9)に記載の微細注射針を製造することが可能となる。
また、本発明の微細注射針の製造方法においては、円柱状部材を回転させながら被覆層側からレーザ光を照射する工程を、レーザ光の照射領域を円柱状部材の長手方向に沿ってずらしながら行うことにより、テーパ部を形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、本発明の微細注射針のうち上記(10)に記載の微細注射針を製造することが可能となる。
また、本発明の微細注射針の製造方法においては、円柱状複合部材を回転させながら、被覆層側からレーザ光を照射することにより、突き当て部を形成することが好ましい。
このような方法とすることにより、本発明の微細注射針のうち上記(11)に記載の微細注射針を製造することが可能となる。
また、本発明の微細注射針の製造方法において、複数の溝が形成された円柱状部材を用いる場合には、本発明の微細注射針のうち上記(12)に記載の微細注射針を製造することが可能となる。
また、本発明の微細注射針の製造方法において、他の溝が形成された円柱状部材を用いる場合には、本発明の微細注射針のうち上記(13)に記載の微細注射針を製造することが可能となる。
(19)本発明のマイクロ流体素子は、本発明の微細注射針(上記(8)に記載の微細注射針)と、前記微細注射針の基端側端部を挟み込むように配置された2枚の第2シート部材と、前記2枚の第2シート部材を挟み込むように配置された2枚の第3シート部材と、前記2枚の第3シート部材を挟み込むように配置された2枚の第4シート部材とを備えるマイクロ流体素子であって、前記第2シート部材には、前記被覆層における前記孔に対応して孔が形成され、前記第3シート部材には、前記第2シート部材の前記孔に連通するように溝が形成され、前記溝の部分に流路が形成されていることを特徴とする。
このため、本発明のマイクロ流体素子によれば、微細注射針を用いて採取した血液を微細注射針の流路を介してマイクロ流体素子の流路に導入することが可能となる。従って、マイクロ流体素子の流路中に様々な分析素子を設置しておけば、極めて少量の血液で必要な分析を行うことが可能なマイクロ分析システム(μTAS)を構成することが可能となる。
(20)本発明のマイクロ流体素子の製造方法は、本発明のマイクロ流体素子を製造するためのマイクロ流体素子の製造方法であって、本発明の微細注射針(上記(8)に記載の微細注射針)を準備する微細注射針準備工程と、前記微細注射針の基端側端部を挟み込むようにして前記2枚の第2シート部材を貼り合わせる第2シート部材貼り合わせ工程と、前記2枚の第2シート部材を挟み込むようにして前記2枚の第3シート部材を貼り合わせる第3シート部材貼り合わせ工程と、前記2枚の第3シート部材を挟み込むようにして前記2枚の第4シート部材を貼り合わせる第4シート部材貼り合わせ工程とを含むことを特徴とする。
このため、本発明のマイクロ流体素子の製造方法によれば、本発明のマイクロ流体素子を製造することが可能となる。
なお、第2シート部材の孔は、第2シート部材貼り合わせ工程の前に予め開けておくこととしてもよいし、第2シート部材貼り合わせ工程後で第3シート部材貼り合わせ工程前にレーザ加工等により開けることとしてもよい。
また、第3シート部材の溝は、第3シート部材貼り合わせ工程の前に予め形成しておくこととしてもよいし、第3シート部材貼り合わせ工程後で第4シート部材貼り合わせ工程前にレーザ加工等により形成することとしてもよい。但し、分析素子を予め形成しておくためには、前者であることが好ましい。
(21)本発明のコネクタ付き微細注射針は、本発明の微細注射針(上記(9)に記載の微細注射針)と、前記微細注射針を注射筒に取り付けるためのコネクタとを備えることを特徴とする。
このため、本発明のコネクタ付き微細注射針によれば、微細な微細注射針でありながら、注射筒への装着が容易なコネクタ付き微細注射針となる。
以下、本発明の微細注射針及びその製造方法、マイクロ流体素子及びその製造方法並びにコネクタ付き微細注射針について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る微細注射針1を説明するために示す図である。図1(a)は微細注射針1の斜視図であり、図1(b)は微細注射針1の平面図であり、図1(c)は微細注射針1の断面図であり、図1(d)は図1(c)とは別の角度で切断したときの微細注射針1の断面図であり、図1(e)は微細注射針1を図1(b)の左から見たときの側面図であり、図1(f)は微細注射針1を図1(b)の右から見たときの側面図であり、図1(g)は図1(b)におけるA1−A1断面図であり、図1(h)は図1(b)におけるA2−A2断面図であり、図1(i)は図1(b)におけるA3−A3断面図である。
図1は、実施形態1に係る微細注射針1を説明するために示す図である。図1(a)は微細注射針1の斜視図であり、図1(b)は微細注射針1の平面図であり、図1(c)は微細注射針1の断面図であり、図1(d)は図1(c)とは別の角度で切断したときの微細注射針1の断面図であり、図1(e)は微細注射針1を図1(b)の左から見たときの側面図であり、図1(f)は微細注射針1を図1(b)の右から見たときの側面図であり、図1(g)は図1(b)におけるA1−A1断面図であり、図1(h)は図1(b)におけるA2−A2断面図であり、図1(i)は図1(b)におけるA3−A3断面図である。
なお、この明細書において「先端側」とは、円柱状部材130における尖頭部174側(図1(b)の右側)のことをいい、「基端側」とは、円柱状部材130における尖頭部174とは反対側(図1(b)の左側)のことをいう。
実施形態1に係る微細注射針1は、図1に示すように、先端側端部に尖頭部174を有する円柱状部材130と、円柱状部材130の外周面を覆う被覆層140とを備える。被覆層140は、樹脂(例えば、ポリイミド。)からなる。円柱状部材130は、先端側端部に尖頭部174を有する芯部材110と、芯部材110の外周面を覆う溝形成用被覆層120とを備える。溝形成用樹脂層120の外周面(すなわち、円柱状部材130の外周面でもある。)には溝122が長手方向に沿って形成されており、溝122の部分に流路150が形成されている。芯部材110の直径は100μmであり、溝形成用被覆層120の膜厚は20μmであり、従って、円柱状部材130の直径は140μmである。また、被覆層140の膜厚は20μmであり、溝122の幅は20μmである。
円柱状部材130に溝122を形成する方法としては、溝形成用被覆層120にレーザ照射を行って溝形成を行うレーザ加工法を用いる。予め溝形成用被覆層120が被覆された円柱状部材130に対して、芯部材110には損傷を与えないような条件でレーザ照射を行うことで、溝形成用被覆層120のみに溝形成を行う。レーザ加工を行うレーザ加工装置としては、紫外線レーザ加工装置を用いた(発振周波数:266nm、パルス発振周波数:10Hz。)。
実施形態1に係る微細注射針1においては、芯部材110は、金属(例えば、ステンレス。)からなり、溝形成用被覆層120は、樹脂(例えば、ポリイミド。)からなる。
実施形態1に係る微細注射針1においては、溝122は、図1(d)に示すように、円柱状部材130の基端側端部にまで達しておらず、被覆層140には、溝122の基端側端部に連通する孔142が形成され、溝122及び孔142によって流路150が形成されている。
実施形態1に係る微細注射針1においては、被覆層140の先端側端部でテーパ部170(図1(b)参照。)が形成されている。
実施形態1に係る微細注射針1においては、円柱状部材130の外周面には、複数(2本)の溝122が形成され、その結果、流路150として、複数(2本)の流路が形成されている。
図2〜図4は、実施形態1に係る微細注射針の製造方法を説明するために示す図である。図2(a)〜図2(i)は実施形態1に係る微細注射針の製造方法における各工程図である。図3(a)〜図3(c)は溝形成用被覆層120に溝122を形成する様子を模式的に示す図である。図4(a)〜図4(d)は被覆層140における先端側部分を除去して円柱状部材130を露出させる様子を模式的に示す図である。
実施形態1に係る微細注射針1は、以下に示す微細注射針の製造方法(実施形態1に係る微細注射針の製造方法)によって、製造することができる。
実施形態1に係る微細注射針の製造方法は、円柱状部材準備工程と、シート部材貼り合わせ工程と、シート部材切断・除去工程と、被覆層形成工程と、円柱状部材露出工程と、尖頭部形成工程と、孔開け工程とををこの順序で含む。以下、実施形態1に係る微細注射針の製造方法を工程に沿って説明する。
1.円柱状部材準備工程
円柱状部材準備工程は、長手方向に沿って外周面に溝が形成された円柱状部材を準備する工程である(図2(a)〜図2(c)。この円柱状部材準備工程においては、まず、芯部材110を準備し(図2(a)参照。)、次に、芯部材110の外周面に溝形成用被覆層120を被覆し(図2(b)参照。)、最後に、溝形成用被覆層120に2本の溝122を形成する(図2(c)参照。)。溝122の形成は、図3に示すように、円柱状部材130を長手方向に沿って移動させながら、溝形成用被覆層120にレーザ光Lを照射することにより行う。
円柱状部材準備工程は、長手方向に沿って外周面に溝が形成された円柱状部材を準備する工程である(図2(a)〜図2(c)。この円柱状部材準備工程においては、まず、芯部材110を準備し(図2(a)参照。)、次に、芯部材110の外周面に溝形成用被覆層120を被覆し(図2(b)参照。)、最後に、溝形成用被覆層120に2本の溝122を形成する(図2(c)参照。)。溝122の形成は、図3に示すように、円柱状部材130を長手方向に沿って移動させながら、溝形成用被覆層120にレーザ光Lを照射することにより行う。
2.シート部材貼り合わせ工程
シート部材貼り合わせ工程は、円柱状部材130を挟み込むようにして2枚のシート部材160を貼り合わせる工程である(図2(d)参照。)。シート部材160としては、例えば、樹脂からなるシート部材を用いる。このとき、2枚のシート部材160の合わせ目が溝122の上に位置しないように、合わせ目と溝122とを円柱状部材130を周方向に90度ずらして配置する。
シート部材貼り合わせ工程は、円柱状部材130を挟み込むようにして2枚のシート部材160を貼り合わせる工程である(図2(d)参照。)。シート部材160としては、例えば、樹脂からなるシート部材を用いる。このとき、2枚のシート部材160の合わせ目が溝122の上に位置しないように、合わせ目と溝122とを円柱状部材130を周方向に90度ずらして配置する。
3.シート部材切断・除去工程
シート部材切断・除去工程は、2枚のシート部材160の所定位置にレーザ光を照射して2枚のシート部材160を切断することで、2枚のシート部材160における円柱状部材130を挟み込む部分を残して2枚のシート部材160を除去する工程である(図2(e)参照。)。シート部材切断・除去工程は、円柱状部材130を長手方向に移動させながら、シート部材160にレーザ光を照射することにより行う。
シート部材切断・除去工程は、2枚のシート部材160の所定位置にレーザ光を照射して2枚のシート部材160を切断することで、2枚のシート部材160における円柱状部材130を挟み込む部分を残して2枚のシート部材160を除去する工程である(図2(e)参照。)。シート部材切断・除去工程は、円柱状部材130を長手方向に移動させながら、シート部材160にレーザ光を照射することにより行う。
4.被覆層形成工程
被覆層形成工程は、2枚のシート部材160における切断・除去部分にレーザ光を照射して切断・除去部分を溶融させて被覆層140を形成する工程である(図2(f)参照。)。これにより、円柱状部材130の外周面に被覆層140を被覆することができる。
被覆層形成工程は、2枚のシート部材160における切断・除去部分にレーザ光を照射して切断・除去部分を溶融させて被覆層140を形成する工程である(図2(f)参照。)。これにより、円柱状部材130の外周面に被覆層140を被覆することができる。
5.円柱状部材露出工程
円柱状部材露出工程は、被覆層140における先端側部分を除去して円柱状部材130を露出させる工程である(図2(g)参照。)。この工程は、図4に示すように、円柱状部材130を回転させながら被覆層140にレーザ光Lを照射する工程を、レーザ光Lの照射領域を円柱状部材130の長手方向に沿って移動させながら行う。これにより、被覆層140及び溝形成用被覆層120の先端側端部にテーパ部170が形成される。
円柱状部材露出工程は、被覆層140における先端側部分を除去して円柱状部材130を露出させる工程である(図2(g)参照。)。この工程は、図4に示すように、円柱状部材130を回転させながら被覆層140にレーザ光Lを照射する工程を、レーザ光Lの照射領域を円柱状部材130の長手方向に沿って移動させながら行う。これにより、被覆層140及び溝形成用被覆層120の先端側端部にテーパ部170が形成される。
6.尖頭部形成工程
尖頭部形成工程は、円柱状部材130における先端側端部を尖端化して尖頭部174を形成する工程(図2(h)参照。)である。この過程で、円柱状部材130の先端側端部にテーパ部172が形成される。尖頭部形成工程は、旋盤加工により行うこともできるし、レーザ加工により行うこともできる。
尖頭部形成工程は、円柱状部材130における先端側端部を尖端化して尖頭部174を形成する工程(図2(h)参照。)である。この過程で、円柱状部材130の先端側端部にテーパ部172が形成される。尖頭部形成工程は、旋盤加工により行うこともできるし、レーザ加工により行うこともできる。
7.孔開け工程
孔開け工程は、被覆層140の所定位置(溝122の基端側端部)に孔142を開ける工程である(図2(i)参照。)。この工程も、レーザ加工により行う。
孔開け工程は、被覆層140の所定位置(溝122の基端側端部)に孔142を開ける工程である(図2(i)参照。)。この工程も、レーザ加工により行う。
以上のように構成され、また、以上のようにして製造された、実施形態1に係る微細注射針1によれば、中実の円柱状部材130の外周部に流路150が形成された構造を有しているため、流路を形成することに起因して微細注射針の強度が低下するということもなく、微細注射針の機械的強度を十分に確保することが可能となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1によれば、予め精度よく溝を形成しておいた円柱状部材を準備しておけば、円柱状部材130と被覆層140との間に形成される流路150は精度のよいものとなるため、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能となる。
このため、実施形態1に係る微細注射針1は、微細注射針の機械的強度を十分に確保することが可能で、かつ、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能な微細注射針となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1においては、被覆層として、例えばアルミ箔のような金属性の被覆層を用いることもできるが、被覆層として、樹脂からなる被覆層140を用いることとしているため、密着性のよい被覆層を比較的容易に形成することが可能となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1によれば、芯部材110の外周面を覆う溝形成用被覆層120の外周面に溝122が形成されているため、精度よく溝122が形成された円柱状部材130を比較的容易に製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1によれば、芯部材110は、金属からなるため、微細注射針の機械的強度を十分に高くすることが可能となる。また、芯部材110には損傷を与えないような条件を容易に選択することが可能となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1においては、溝形成用被覆層として、例えばアルミ箔のような金属性の溝形成用被覆層を用いることもできるが、溝形成用被覆層として、樹脂からなる溝形成用被覆層120を用いることとしているため、良好な溝を比較的容易に形成することが可能となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1によれば、微細注射針の側面に流路が露出する構造を有しているため、実施形態1に係る微細注射針1を様々な形状・構造を有する他の流体回路に対して取り付けることが可能となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1によれば、被覆層140の先端側端部にテーパ部170が形成されているため、微細注射針を皮膚に刺すときの抵抗を小さくすることが可能となる。また、実施形態1に係る微細注射針1を用いて採血を行う場合には、血液に含まれる異物が流路に入って目詰まりを起こしてしまうのを効果的に抑制することが可能となる。
図5は、実施形態1に係る微細注射針1の作用効果を説明するために示す図である。図5(a)は薬液注入時の薬液の流れを示す図であり、図5(b)は血液吸入時の血液の流れを示す図である。図5(b)からもわかるように、実施形態1に係る微細注射針1を用いて採血を行う場合には、血液に含まれる異物が流路に入って目詰まりを起こしてしまうのを効果的に抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1によれば、複数(2本)の流路が形成されているため、薬液の注入効率や血液の吸入効率をさらに高くすることが可能となる。
また、実施形態1に係る微細注射針1によれば、複数(2本)の流路が形成されているため、2本の流路を用いて、薬液の注入と血液の吸入とを同時に行うことが可能となる。
図6は、実施形態1に係る微細注射針1の作用効果を説明するために示す図である。図6(a)は薬液注入と血液吸入とを同時に行っているときの薬液及び血液の流れを示す図であり、図6(b)及び図6(c)は図6(a)の要部拡大図である。図6(a)〜図6(c)からもわかるように、2本の流路150a,150bを用いれば、薬液の注入と血液の吸入とを同時に行うことが可能となる。
〔実施形態2〕
図7は、実施形態2に係る微細注射針2を説明するために示す図である。
図7は、実施形態2に係る微細注射針2を説明するために示す図である。
実施形態2に係る微細注射針2は、基本的には実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するが、流路の構造が、実施形態1に係る微細注射針1の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る微細注射針2においては、流路として、図7に示すように、先端部側から基端部側に向かって徐々に幅が広くなるような流路152を用いている。
このため、実施形態2に係る微細注射針2によれば、薬液の注入や血液の吸入をさらに効率よく行うことが可能となる。
なお、実施形態2に係る微細注射針2は、上記以外の点では実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る微細注射針1が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態3〕
図8は、実施形態3に係る微細注射針3を説明するために示す図である。図8(a)は微細注射針3の斜視図であり、図8(b)は微細注射針3の平面図であり、図8(c)は微細注射針3の断面図であり、図8(d)は図8(c)とは別の角度で切断したときの微細注射針3の断面図であり、図8(e)は微細注射針3を図8(b)の左から見たときの側面図であり、図8(f)は微細注射針3を図8(b)の右から見たときの側面図であり、図8(g)は図8(b)におけるA1−A1断面図であり、図8(h)は図8(b)におけるA2−A2断面図であり、図8(i)は図8(b)におけるA3−A3断面図である。
図8は、実施形態3に係る微細注射針3を説明するために示す図である。図8(a)は微細注射針3の斜視図であり、図8(b)は微細注射針3の平面図であり、図8(c)は微細注射針3の断面図であり、図8(d)は図8(c)とは別の角度で切断したときの微細注射針3の断面図であり、図8(e)は微細注射針3を図8(b)の左から見たときの側面図であり、図8(f)は微細注射針3を図8(b)の右から見たときの側面図であり、図8(g)は図8(b)におけるA1−A1断面図であり、図8(h)は図8(b)におけるA2−A2断面図であり、図8(i)は図8(b)におけるA3−A3断面図である。
図9は、実施形態3に係る微細注射針の製造方法を説明するために示す図である。図9(a)〜図9(j)は実施形態3に係る微細注射針の製造方法における各工程図である。図10は、実施形態3に係る微細注射針3の作用効果を説明するために示す図である。
なお、図8〜図10において、図1及び図2と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態3に係る微細注射針3は、基本的には実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するが、溝の構成が実施形態1に係る微細注射針1の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係る微細注射針2においては、図8に示すように、溝形成用被覆層120に形成される溝として、溝122とは異なる他の溝126をさらに有し、他の溝126には溝形成用被覆層120を構成する樹脂の屈折率や被覆層140を構成する樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率樹脂180が充填されている。
このため、実施形態3に係る微細注射針3によれば、図10に示すように、高屈折率樹脂180が充填された溝122が光導波路して機能するようになり、微細注射針3の尖頭部174近傍に光を照射したり(図10における符号Lout参照。)、微細注射針3の尖頭部174近傍からの光を観察したり(図10における符号Lin参照。)することが可能となる。このため、実施形態3に係る微細注射針3を様々な目的で使用することが可能となる。
なお、実施形態3に係る微細注射針3は、上記以外の点では実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る微細注射針1が有する効果のうち該当する効果を有する。
なお、実施形態3に係る微細注射針3は、図9に示すような製造工程により製造することができる。すなわち、図9(c)に示すように、溝122を形成する際に他の溝126も同時に形成し、図9(g)に示すように、被覆層140を形成した後に、他の溝126に高屈折率樹脂180を真空導入するのである。これ以外の工程は、実施形態1に係る微細注射針1における製造工程と同様である。
〔実施形態4〕
図11は、実施形態4に係る微細注射針4の縦断面図である。
図11は、実施形態4に係る微細注射針4の縦断面図である。
実施形態4に係る微細注射針4は、基本的には実施形態3に係る微細注射針3と良く似た構成を有するが、他の溝126に導入されているものが実施形態3に係る微細注射針3の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係る微細注射針4においては、図11に示すように、他の溝126には光ファイバ182が導入されている。
このように、実施形態4に係る微細注射針4は、他の溝126に導入されているものが実施形態3に係る微細注射針3の場合とは異なるが、他の溝126には光ファイバ182が導入されているため、実施形態3に係る微細注射針3の場合と同様に、微細注射針4の尖頭部174近傍に光を照射したり、微細注射針4の尖頭部174近傍からの光を観察したりすることが可能となる。このため、実施形態4に係る微細注射針4を様々な目的で使用することが可能となる。
なお、実施形態4に係る微細注射針4は、上記以外の点では実施形態3に係る微細注射針3と同様の構成を有するため、実施形態3に係る微細注射針3が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態5〕
図12は、実施形態5に係る微細注射針5の縦断面図である。
図12は、実施形態5に係る微細注射針5の縦断面図である。
実施形態5に係る微細注射針5は、基本的には実施形態4に係る微細注射針4と良く似た構成を有するが、他の溝126に導入されているものが実施形態4に係る微細注射針4の場合とは異なる。すなわち、実施形態5に係る微細注射針5においては、図12に示すように、他の溝126には極細ワイヤ184が導入されている。2本の微細ワイヤ184のうち上側の微細ワイヤ184は、先端部がカッタ状に加工されており、下側の微細ワイヤ184は、先端部が鉤状に加工されている。
このため、実施形態5に係る微細注射針5によれば、他の溝126には極細ワイヤ184が導入されているため、微細ワイヤ184がカッタ状の場合には、微細注射針5の尖頭部174近傍で組織を切断したり、微細注射針5の尖頭部174近傍で様々な機械加工を行ったりすることが可能となり、微細ワイヤ184が鉤状の場合には、微細注射針5の尖頭部174近傍で細胞を採取したり、微細注射針5の尖頭部174近傍に様々な物を載置したりすることが可能となる。
なお、実施形態5に係る微細注射針5は、上記以外の点では実施形態4に係る微細注射針4と同様の構成を有するため、実施形態4に係る微細注射針4が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態6〕
図13は、実施形態6に係る微細注射針6の縦断面図である。
図13は、実施形態6に係る微細注射針6の縦断面図である。
実施形態6に係る微細注射針6は、基本的には実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するが、被覆層における先端側端部の構造が実施形態1に係る微細注射針1の場合とは異なる。すなわち、実施形態6に係る微細注射針6においては、図13に示すように、被覆層140の先端側端部に突き当て部176が形成されている。
このため、実施形態6に係る微細注射針6によれば、突き当て部176の抵抗により、微細注射針6が皮膚表面から所定の深さよりも深く入らないようにすることが可能となるため、皮膚表面から所定の深さ位置のところで薬液の注入を行ったり、血液の吸入を行ったりすることが可能となる。
なお、実施形態6に係る微細注射針6は、上記以外の点では実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る微細注射針1が有する効果のうち該当する効果を有する。
なお、突き当て部176の形成は、円柱状部材130を回転させながら、被覆層140側からレーザ光を照射することにより行うことができる。
〔実施形態7〕
図14は、実施形態7に係る微細注射針の製造方法を説明するために示す図である。図14(a)〜図14(i)は実施形態7に係る微細注射針の製造方法における各工程図である。なお、図14において、図2と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図14は、実施形態7に係る微細注射針の製造方法を説明するために示す図である。図14(a)〜図14(i)は実施形態7に係る微細注射針の製造方法における各工程図である。なお、図14において、図2と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態7に係る微細注射針の製造方法は、基本的には実施形態1に係る微細注射針の製造方法と同様の工程を有するが、被覆層形成工程が実施形態1に係る微細注射針の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態7に係る微細注射針の製造方法においては、図14(d)及び図14(e)に示すように、熱収縮チューブ162を円柱状部材130に被せ、その後、加熱により熱収縮チューブ162を収縮させることにより被覆層144を形成することとしている。
このように、実施形態7に係る微細注射針7は、被覆層形成工程が実施形態1に係る微細注射針の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る微細注射針の製造方法の場合と同様の構造の微細注射針を製造することができる。
〔実施形態8〕
図15は、実施形態8に係る微細注射針8を説明するために示す図である。図15(a)は微細注射針8の斜視図であり、図15(b)は微細注射針8の平面図であり、図15(c)は微細注射針8の断面図であり、図15(d)は図15(c)とは別の角度で切断したときの微細注射針8の断面図であり、図15(e)は微細注射針8を図15(b)の左から見たときの側面図であり、図15(f)は微細注射針8を図15(b)の右から見たときの側面図であり、図15(g)は図15(b)におけるA1−A1断面図であり、図15(h)は図15(b)におけるA2−A2断面図であり、図15(i)は図15(b)におけるA3−A3断面図である。
図15は、実施形態8に係る微細注射針8を説明するために示す図である。図15(a)は微細注射針8の斜視図であり、図15(b)は微細注射針8の平面図であり、図15(c)は微細注射針8の断面図であり、図15(d)は図15(c)とは別の角度で切断したときの微細注射針8の断面図であり、図15(e)は微細注射針8を図15(b)の左から見たときの側面図であり、図15(f)は微細注射針8を図15(b)の右から見たときの側面図であり、図15(g)は図15(b)におけるA1−A1断面図であり、図15(h)は図15(b)におけるA2−A2断面図であり、図15(i)は図15(b)におけるA3−A3断面図である。
図16は、実施形態8に係る微細注射針の製造方法を説明するために示す図である。図16(a)〜図16(i)は実施形態8に係る微細注射針の製造方法における各工程図である。
なお、図15及び図16において、図1及び図2と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態8に係る微細注射針8は、基本的には実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するが、円柱状部材の構造が実施形態1に係る微細注射針1の場合とは異なる。すなわち、実施形態8に係る微細注射針8においては、円柱状部材132は、図15及び図16に示すように、単一の金属部材からなる。
このため、実施形態8に係る微細注射針8によれば、構成部品の数が少なくなることから、信頼性の高い微細注射針を構成することが可能となる。また、円柱状部材132は金属からなるため、微細注射針の機械的強度を十分に高くすることが可能となる。
なお、実施形態8に係る微細注射針8は、上記以外の点では実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る微細注射針1が有する効果のうち該当する効果を有する。
なお、実施形態8に係る微細注射針8において、円柱状部材132に溝134を形成する方法としては、円柱状部材132の外周面にレーザ照射を行って溝形成を行うレーザ加工法を好ましく用いることができる。この場合、レーザ光のビーム径及びレーザ光の出力を調整することで、所望の寸法の溝を精度よく形成することが可能となる。その結果、流路150を精度よく形成することが可能となり、薬液の注入効率や血液の吸入効率を均一化することが可能となる。
〔実施形態9〕
図17は、実施形態9に係る微細注射針9を説明するために示す図である。図17(a)は微細注射針9の斜視図であり、図17(b)は微細注射針9の平面図であり、図17(c)は微細注射針9の断面図であり、図17(d)は図17(c)とは別の角度で切断したときの微細注射針9の断面図であり、図17(e)は微細注射針9を図17(b)の左から見たときの側面図であり、図17(f)は微細注射針9を図17(b)の右から見たときの側面図であり、図17(g)は図17(b)におけるA1−A1断面図であり、図17(h)は図17(b)におけるA2−A2断面図であり、図17(i)は図17(b)におけるA3−A3断面図である。
図17は、実施形態9に係る微細注射針9を説明するために示す図である。図17(a)は微細注射針9の斜視図であり、図17(b)は微細注射針9の平面図であり、図17(c)は微細注射針9の断面図であり、図17(d)は図17(c)とは別の角度で切断したときの微細注射針9の断面図であり、図17(e)は微細注射針9を図17(b)の左から見たときの側面図であり、図17(f)は微細注射針9を図17(b)の右から見たときの側面図であり、図17(g)は図17(b)におけるA1−A1断面図であり、図17(h)は図17(b)におけるA2−A2断面図であり、図17(i)は図17(b)におけるA3−A3断面図である。
実施形態9に係る微細注射針9は、基本的には実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するが、溝の構成が実施形態1に係る微細注射針1の場合とは異なる。すなわち、実施形態9に係る微細注射針9においては、図17に示すように、溝128は、円柱状部材130の基端側端部にまで達している。
このため、実施形態9に係る微細注射針9によれば、微細注射針9の基端側端部に流路154が露出する構造の微細注射針となるため、微細注射針9を様々な形状・構造を有する他の流体回路に対して取り付けることが可能となる。
なお、実施形態9に係る微細注射針9は、上記以外の点では実施形態1に係る微細注射針1と同様の構成を有するため、実施形態1に係る微細注射針1が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態10〕
実施形態10は、本発明のマイクロ流体素子を説明するための実施形態である。
実施形態10は、本発明のマイクロ流体素子を説明するための実施形態である。
図18は、実施形態10に係るマイクロ流体素子10を製造するためのマイクロ流体素子の製造方法(実施形態10に係るマイクロ流体素子の製造方法)を説明するために示す図である。図18(a)〜図18(d)は実施形態10に係るマイクロ流体素子の製造方法における各工程図である。
実施形態10に係るマイクロ流体素子の製造方法は、図18に示すように、微細注射針準備工程と、第2シート部材貼り合わせ工程と、第3シート部材貼り合わせ工程と、第4シート部材貼り合わせ工程とをこの順序で含む。以下、実施形態10に係るマイクロ流体素子の製造方法を工程に沿って説明する。
1.微細注射針準備工程
微細注射針準備工程は、実施形態1に係る微細注射針1を準備する工程である(図18(a)参照。)。実施形態1に係る微細注射針1は、実施形態1に係る微細注射針の製造方法によって製造する(図2(a)〜図2(i)参照。)。
微細注射針準備工程は、実施形態1に係る微細注射針1を準備する工程である(図18(a)参照。)。実施形態1に係る微細注射針1は、実施形態1に係る微細注射針の製造方法によって製造する(図2(a)〜図2(i)参照。)。
2.第2シート部材貼り合わせ工程
第2シート部材貼り合わせ工程は、微細注射針1の基端側端部を挟み込むようにして2枚の第2シート部材210を貼り合わせる工程である(図18(b)参照。)。第2シート部材210としては、例えば、樹脂からなるシート部材を用いる。なお、第2シート部材210の孔212は、第2シート部材貼り合わせ工程の前に予め開けておく。
第2シート部材貼り合わせ工程は、微細注射針1の基端側端部を挟み込むようにして2枚の第2シート部材210を貼り合わせる工程である(図18(b)参照。)。第2シート部材210としては、例えば、樹脂からなるシート部材を用いる。なお、第2シート部材210の孔212は、第2シート部材貼り合わせ工程の前に予め開けておく。
3.第3シート部材貼り合わせ工程
第3シート部材貼り合わせ工程は、2枚の第2シート部材210を挟み込むようにして2枚の第3シート部材220を貼り合わせる工程である(図18(c)参照。)。第3シート部材220としては、例えば、樹脂からなるシート部材を用いる。なお、第3シート部材の溝222は、第3シート部材貼り合わせ工程の前に予め形成しておく。
第3シート部材貼り合わせ工程は、2枚の第2シート部材210を挟み込むようにして2枚の第3シート部材220を貼り合わせる工程である(図18(c)参照。)。第3シート部材220としては、例えば、樹脂からなるシート部材を用いる。なお、第3シート部材の溝222は、第3シート部材貼り合わせ工程の前に予め形成しておく。
4.第4シート部材貼り合わせ工程
第4シート部材貼り合わせ工程は、2枚の第3シート部材220を挟み込むようにして2枚の第4シート部材230を貼り合わせる工程である(図18(d)参照。)。第4シート部材230としては、例えば、樹脂からなるシート部材を用いる。
第4シート部材貼り合わせ工程は、2枚の第3シート部材220を挟み込むようにして2枚の第4シート部材230を貼り合わせる工程である(図18(d)参照。)。第4シート部材230としては、例えば、樹脂からなるシート部材を用いる。
実施形態10に係るマイクロ流体素子の製造方法によれば、実施形態10に係るマイクロ流体素子10を製造することが可能となる。実施形態10に係るマイクロ流体素子10は、微細注射針1と、微細注射針1の基端側を挟み込むように配置された2枚の第2シート部材210と、2枚の第2シート部材210を挟み込むように配置された2枚の第3シート部材220と、2枚の第3シート部材220を挟み込むように配置された2枚の第4シート部材230とを備える。そして、第2シート部材210には、被覆層140における孔142に対応して孔212が形成され、第3シート部材220には、第2シート部材210の孔212に連通するように溝222が形成され、溝222の部分に流路224が形成されている。
以上のように構成され、また、以上のようにして製造された実施形態10に係るマイクロ流体素子10によれば、微細注射針1を用いて採取した血液を微細注射針1の流路150を介してマイクロ流体素子10の流路224に導入することが可能となる。従って、マイクロ流体素子10の流路中に様々な分析素子を設置しておけば、極めて少量の血液で必要な分析を行うことが可能なマイクロ分析システム(μTAS)を構成することが可能となる。
〔実施形態11〕
図19は、実施形態11に係るマイクロ流体素子の製造方法を説明するために示す図である。図19(a)〜図19(e)は実施形態11に係るマイクロ流体素子の製造方法における各工程図である
図19は、実施形態11に係るマイクロ流体素子の製造方法を説明するために示す図である。図19(a)〜図19(e)は実施形態11に係るマイクロ流体素子の製造方法における各工程図である
実施形態11に係るマイクロ流体素子の製造方法は、基本的には実施形態10に係るマイクロ流体素子の製造方法と同様の工程を有するが、第2シート部材の孔を開ける時期が実施形態10に係るマイクロ流体素子の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態11に係るマイクロ流体素子の製造方法においては、図19に示すように、第2シート部材貼り合わせ工程後で第3シート部材貼り合わせ工程前に第2シート部材214の孔216を開けることとしている。
このように、実施形態11に係るマイクロ流体素子の製造方法は、第2シート部材の孔を開ける時期が実施形態10に係るマイクロ流体素子の製造方法の場合とは異なるが、実施形態10に係る微細注射針の製造方法の場合と同様の構造のマイクロ流体素子を製造することができる。
〔実施形態12〕
図20は、実施形態12に係るコネクタ付き微細注射針12を説明するために示す図である。
図20は、実施形態12に係るコネクタ付き微細注射針12を説明するために示す図である。
実施形態12に係るコネクタ付き微細注射針12は、図20に示すように、実施形態9に係る微細注射針9と、微細注射針9を注射筒310に取り付けるためのコネクタ300とを備える。なお、符号302は、コネクタ300を微細注射針1に取り付ける際に用いる接着剤を示す。
このため、実施形態12に係るコネクタ付き微細注射針12によれば、微細な微細注射針でありながら、注射筒への装着が容易なコネクタ付き微細注射針となる。
以上、本発明の微細注射針及びその製造方法、マイクロ流体素子及びその製造方法並びにコネクタ付き微細注射針を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)実施形態1においては、溝形成用被覆層120にレーザ光を照射することにより溝を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、芯部材110の外周面に選択的に溝形成用被覆層120をコーティングすることで溝を形成してもよい。
(2)実施形態1においては、2本の溝を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、3本以上の溝を形成することとしてもよい。
(3)実施形態1においては、円筒状部材露出工程後に芯部材110に尖頭部174を形成することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、円柱部材準備工程で、尖頭部を有する芯部材を出発原料として用いることとしてもよい。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,900…微細注射針、10,11…マイクロ流体素子、12…コネクタ付き微細注射針、110…芯部材、120…溝形成用被覆層、122,124,128,134,222…溝、126…他の溝、130,132…円柱状部材、140,144…被覆層、142…孔、150,150a,150b,152,154,224…流路、160…シート部材、162…熱収縮チューブ、170,172…テーパ部、174,178…尖頭部、176…突き当て部、180…高屈折率樹脂、182…光ファイバ、184…極細ワイヤ、210,214…第2シート部材、212,216…孔、220…第3シート部材、230…第4シート部材、300…コネクタ、302…接着剤、310…注射筒、320…ピストン、910…側壁部、912…先端部、914…中心孔、916…先端孔、L…レーザ光
Claims (21)
- 先端側端部に尖頭部を有し、外周面に溝が長手方向に沿って形成された円柱状部材と、
前記円柱状部材の外周面を覆う被覆層とを備え、
前記溝の部分に流路が形成されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1に記載の微細注射針において、
前記被覆層は、樹脂からなることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1又は2に記載の微細注射針において、
前記円柱状部材は、先端側端部に尖頭部を有する芯部材と、前記芯部材の外周面を覆う溝形成用被覆層とを備え、
前記溝は、前記溝形成用被覆層に形成されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項3に記載の微細注射針において、
前記芯部材は、金属からなることを特徴とする微細注射針。 - 請求項3又は4に記載の微細注射針において、
前記溝形成用被覆層は、樹脂からなることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1又は2に記載の微細注射針において、
前記円柱状部材は、単一の部材からなることを特徴とする微細注射針。 - 請求項6に記載の微細注射針において、
前記円柱状部材は、金属からなることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の微細注射針において、
前記溝は、前記円柱状部材の基端側端部にまで達しておらず、
前記被覆層には、前記溝の基端側端部に連通する孔が形成され、
前記溝及び前記孔によって流路が形成されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の微細注射針において、
前記溝は、前記円柱状部材の基端側端部にまで達していることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の微細注射針において、
前記被覆層の先端側端部にテーパ部が形成されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の微細注射針において、
前記被覆層の先端側端部に突き当て部が形成されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1〜11のいずれかに記載の微細注射針において、
前記円柱状部材の外周面には、複数の溝が形成されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1〜12のいずれかに記載の微細注射針において、
前記円柱状部材の外周面には、先端側端部及び基端側端部の両端部に達する他の溝が形成されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項13に記載の微細注射針において、
前記他の溝には、前記被覆層を構成する樹脂の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率樹脂が充填されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項13に記載の微細注射針において、
前記他の溝には、光ファイバが配置されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項13に記載の微細注射針において、
前記他の溝には、極細ワイヤが配置されていることを特徴とする微細注射針。 - 請求項1に記載の微細注射針を製造するための微細注射針の製造方法であって、
外周面に溝が長手方向に沿って形成された円柱状部材を準備する円柱状部材準備工程と、
前記円柱状部材を挟み込むようにして2枚のシート部材を貼り合わせるシート部材貼り合わせ工程と、
前記2枚のシート部材の所定位置にレーザ光を照射して2枚のシート部材を切断することで、前記2枚のシート部材における前記円柱状部材を挟み込む部分を残して前記2枚のシート部材を除去するシート部材切断・除去工程と、
前記2枚のシート部材における切断・除去部分にレーザ光を照射して前記切断・除去部分を溶融させて前記被覆層を形成する被覆層形成工程と、
前記被覆層における前記先端側部分を除去して前記円柱状部材を露出させる円柱状部材露出工程と、
前記円柱状部材における先端側端部を尖端化して前記尖頭部を形成する尖頭部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする微細注射針の製造方法。 - 請求項1に記載の微細注射針を製造するための微細注射針の製造方法であって、
外周面に溝が長手方向に沿って形成された円柱状部材を準備する円柱状部材準備工程と、
前記円柱状部材に熱収縮チューブを被せる熱収縮チューブ配置工程と、
前記熱収縮チューブを加熱して熱収縮チューブを収縮させて前記被覆層を形成する被覆層形成工程と、
前記被覆層における前記先端側部分を除去して前記円柱状部材を露出させる円柱状部材露出工程と、
前記円柱状部材における先端側端部を尖端化して前記尖頭部を形成する尖頭部形成工程とをこの順序で含むことを特徴とする微細注射針の製造方法。 - 請求項8に記載の微細注射針と、
前記微細注射針の基端側端部を挟み込むように配置された2枚の第2シート部材と、
前記2枚の第2シート部材を挟み込むように配置された2枚の第3シート部材と、
前記2枚の第3シート部材を挟み込むように配置された2枚の第4シート部材とを備えるマイクロ流体素子であって、
前記第2シート部材には、前記被覆層における前記孔に対応して孔が形成され、
前記第3シート部材には、前記第2シート部材の前記孔に連通するように溝が形成され、前記溝の部分に流路が形成されていることを特徴とするマイクロ流体素子。 - 請求項19に記載のマイクロ流体素子を製造するためのマイクロ流体素子の製造方法であって、
請求項8に記載の微細注射針を準備する微細注射針準備工程と、
前記微細注射針の基端側端部を挟み込むようにして前記2枚の第2シート部材を貼り合わせる第2シート部材貼り合わせ工程と、
前記2枚の第2シート部材を挟み込むようにして前記2枚の第3シート部材を貼り合わせる第3シート部材貼り合わせ工程と、
前記2枚の第3シート部材を挟み込むようにして前記2枚の第4シート部材を貼り合わせる第4シート部材貼り合わせ工程とを含むことを特徴とするマイクロ流体素子の製造方法。 - 請求項9に記載の微細注射針と、
前記微細注射針を注射筒に取り付けるためのコネクタとを備えることを特徴とするコネクタ付き微細注射針。
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- 2006-08-18 JP JP2006223186A patent/JP2008043583A/ja not_active Withdrawn
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