JP2008042011A - アルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム−炭化珪素質複合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パワーモジュール用ベース板として好適なアルミニウム−炭化珪素質複合体を提供すること。
【解決手段】平板状の炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸してなり、両主面に平均厚みが10〜150μmのアルミニウムを主成分とする金属からなるアルミニウム合金層を有するアルミニウム−炭化珪素質複合体を、(1)応力を掛けながら、温度400〜500℃で30秒間以上加熱処理することにより、クリープ変形させて所定の反り量を付与し、(2)凹型方向の反り付けを行った面を、平面研削加工してアルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させ、(3)温度500〜560℃で1分間以上加熱処理することにより、反り付け時のクリープ変形を除去して、アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させた面に凸型の反りを形成させることを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、パワーモジュール用ベース板として好適なアルミニウム−炭化珪素質複合体及びそれを用いた放熱部品に関する。
今日、半導体素子の高集積化、小型化に伴い、発熱量は増加の一途をたどっており、いかに効率よく放熱させるかが課題となっている。そして、高絶縁性・高熱伝導性を有する、例えば窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板等のセラミックス基板の表面に、銅製又はアルミニウム製の金属回路を、また裏面に銅製又はアルミニウム製の金属放熱板が形成されてなる回路基板が、パワーモジュール用回路基板として使用されている。
従来の回路基板の典型的な放熱構造は、回路基板の裏面(放熱面)の金属板、例えば銅板を介してベース板が半田付けされてなるものであり、ベース板の素材としては銅が一般的であった。しかしながら、この構造においては、半導体装置に熱負荷がかかった場合、ベース板と回路基板の熱膨張係数差に起因するクラックが半田層に発生し、その結果、放熱が不十分となって半導体素子を誤作動させたり、破損させたりするという課題があった。
そこで、熱膨張係数を回路基板のそれに近づけたベース板として、アルミニウム合金−炭化珪素質複合体が提案されている(特許文献1)。
特表平3−509860号公報。
ベース板は、放熱フィンと接合して用いることが多く、その接合部分の形状や反りも重要な特性として挙げられる。例えば、ベース板を放熱フィンに接合する場合、一般に高熱伝導性の放熱グリースを塗布し、ベース板の周縁部に設けられた穴を利用して放熱フィンや放熱ユニット等にねじ固定するが、ベース板に微少な凹凸が多く存在すると、ベース板と放熱フィンとの間に隙間が生じ、たとえ高熱伝導性の放熱グリースを塗布しても、熱伝達性が著しく低下し、その結果セラミックス回路基板、ベース板、放熱フィン等で構成されるモジュール全体の放熱性が著しく低下してしまうという課題があった。
そこで、ベース板と放熱フィンとの間に出来るだけ隙間が出来ないように、予めベース板に凸型の反りを付けたものを用いることが行われている。この反りは通常、所定の形状を有する治具を用い、加熱下、ベース板に圧力を掛けることで得られる(特許文献2)。しかし、この方法によって得られた反りは、反り量のバラツキがあり、且つ形状が一定でないため品質が安定しないという課題があった。また、反り形状のバラツキや表面の凹凸により、放熱フィンとの間に大きな隙間が生じるといった課題があった。
特許3792180号公報
ベース板表面を機械加工により切削することで反りを付ける方法も提案されているが、アルミニウム−炭化珪素質複合体は非常に硬いため、ダイヤモンド等の工具を用いて多くの研削が必要となるため、コストが高くなるという課題があった。
そこで、上記問題を解決するべく、平板状の炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸し、両主面にアルミニウムを主成分とする金属からなるアルミニウム合金層設け、放熱面側のアルミニウム合金層を機械加工する方法が提案されている(特許文献3)。
特許3732193号公報
しかしながら、上記方法を用いて製造されたベース板は、機械加工後に表面アルミニウム合金層の厚みが厚くなり、その結果、ベース板自体の熱膨張率が大きくなり、パワーモジュール組み立ての際にセラミックス回路基板と半田付けを行うと、セラミックス回路基板の放熱面に窪みが発生する場合があった。
更に、上記方法においては、両主面のアルミニウム合金層の厚みを均一に制御し、かつ、アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させない様にするため、高度な加工技術が必要となるという課題があった。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、パワーモジュール用ベース板として好適なアルミニウム−炭化珪素質複合体を提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、平板状の炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属(以下、アルミニウム合金という)を含浸してなるアルミニウム−炭化珪素質複合体において、両主面にアルミニウム合金からなるアルミニウム合金層を形成し、そのアルミニウム合金層厚を制御し、更に、アルミニウム−炭化珪素質複合体のクリープ変形を利用して予め反りを付与した後、凹型方向の反り付けを行った主面を平面研削加工してアルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させ、更に前記反り付け処理より高温で加熱処理することで、アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させた面に、窪みの殆ど無い凸型の反りを形成できるとの知見を得て本発明を完成した。
すなわち、本発明は、平板状の炭化珪素質多孔体にアルミニウム合金を含浸してなり、両主面に平均厚みが10〜150μmのアルミニウムを主成分とする金属からなるアルミニウム合金層を有するアルミニウム−炭化珪素質複合体を、
(1)応力を掛けながら、温度400〜500℃で30秒間以上加熱処理することにより、クリープ変形させて所定の反り量を付与し、
(2)凹型方向の反り付けを行った面を、平面研削加工してアルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させ、
(3)温度500〜560℃で1分間以上加熱処理することにより、反り付け時のクリープ変形を除去して、
アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させた面に凸型の反りを形成させることを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法である。
また、本発明は、アルミニウム−炭化珪素質複合体が高圧鍛造法で製造されてなることを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法である。
更に、本発明は、アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させた面の反り量が長さ10cmあたり20〜200μmであり、かつ、面内の窪み深さが50μm以下であることを特徴とする前記製造方法により得られるアルミニウム−炭化珪素質複合体である。
加えて、本発明は、熱伝導率が180W/mK以上、並びに、温度150℃の熱膨張係数が9×10−6/K以下であることを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体であり、前記アルミニウム−炭化珪素質複合体にNiめっき処理を施して厚さ1〜20μmのめっき皮膜を形成し、半導体搭載用セラミックス基板を接合してなる放熱部品である。
本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、低熱膨張、並びに高熱伝導という特性を有する。平板状のアルミニウム−炭化珪素質複合体のセラミックス回路基板と半田付けする一主面に、薄く均一なアルミニウム合金層を配置することで、めっき性を付与すると共に、放熱面を研削加工することで平面度を著しく改善することができ、従来の反り付け方法に比べて、セラミックス回路基板と半田付けを行った後の放熱性が良好となるため、特に高信頼性を要求されるパワーモジュールのベース板として好適である。
金属−セラミックス複合体の製法は、大別すると含浸法と粉末冶金法の2種がある。このうち粉末冶金法は熱伝導率等の特性面で十分なものが得られておらず、実際に商品化されているのは、含浸法によるものである。含浸法にも種々の製法が有り、常圧で行う方法と、高圧下で行う方法(高圧鍛造法)がある。高圧鍛造法には、溶湯鍛造法とダイキャスト法がある。
本発明に好適な方法は、高圧下で含浸を行う高圧鍛造法であり、溶湯鍛造法とダイキャスト法のどちらも使用できるが、溶湯鍛造法がより好ましい。高圧鍛造法は、高圧容器内に、セラミックス多孔体(以下、プリフォームという)を装填し、これにアルミニウム合金の溶湯を高温、高圧下で含浸させて複合体を得る方法である。
以下、本発明について、溶湯鍛造法による製法例を説明する。
原料である炭化珪素粉末(必要に応じて例えばシリカ等の結合材を添加する)を、成形、焼成してプリフォームを作製する。得られたプリフォームは、所定の平面度を確保する為に、必要に応じて面加工を行う場合もある。このプリフォームを積層して一つのブロックとする方法は特に限定されるものではないが、例えば、次の方法が挙げられる。前記プリフォームを、離型剤を塗布した離型板で挟み積層して一つのブロックとする方法、前記プリフォームの両面に、アルミナまたはシリカを主成分とする繊維を直接接するように配置し、離型板で挟み、一つのブロックとする方法、更には、複数の部材から組み合わされた所望形状の空間と、前記空間と外部とを連結する1個以上の孔とを形成せしめる型枠を用いて、前記プリフォームをこの型枠内の空間の中に配置して離型剤を塗布した離型板で挟み積層して一つのブロックとする方法である。
次に、前記ブロックを500〜750℃程度で予備加熱後、高圧容器内に1個または2個以上配置し、ブロックの温度低下を防ぐために出来るだけ速やかにアルミニウム合金の溶湯を給湯して30MPa以上の圧力で加圧し、アルミニウム合金をプリフォームの空隙中に含浸させることで、両主面にアルミニウム合金層を設けたアルミニウム−炭化珪素質複合体が得られる。なお、含浸時の歪み除去の目的で、含浸品はアニール処理を行う。
本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体中のアルミニウム合金は、含浸時にプリフォームの空隙内に十分に浸透するために融点がなるべく低いことが好ましい。このようなアルミニウム合金として、例えばシリコンを5〜25質量%含有したアルミニウム合金が挙げられる。更にマグネシウムを含有させることは、炭化珪素粒子と金属部分との結合がより強固になり好ましい。アルミニウム合金中のアルミニウム、シリコン、マグネシウム以外の金属成分に関しては、極端に特性が変化しない範囲であれば特に制限はなく、例えば銅等が含まれていても良い場合がある。
本発明において、プリフォーム表面に所定厚みの均一なアルミニウム合金層を形成させるために、プリフォームの面内の厚みバラツキが100μm以下、好ましくは30μm以下になる様に成形または焼成品を面加工することが好ましい。プリフォームの面内の厚みバラツキが100μmを超えると、得られるアルミニウム−炭化珪素質複合体の表面アルミニウム合金層の厚みのバラツキが大きくなり好ましくない。
前記プリフォームは、離型剤を塗布した離型板で挟み積層するか、両面にアルミナまたはシリカを主成分とする繊維5〜40質量%含有した成形体を、離型板との間に挟み積層することが好ましい。この成形体を予め配置することにより、所定厚みのアルミニウム合金層を形成でき、表面アルミニウム合金層の厚みの制御ができるという利点がある。前記成形体中のアルミナまたはシリカを主成分とする繊維含有率が5質量%未満では、含浸後に両主面のアルミニウム合金層の厚み制御が困難となる。一方、繊維含有率が40%質量を超えると、含浸時の圧力によりプリフォームが割れてしまう場合がある。
プリフォームへのアルミニウム合金含浸時の歪み除去の目的で行うアニール処理は、500℃〜560℃の温度で1分以上行うことが好ましい。アニール温度が500℃未満であると、アルミニウム−炭化珪素質複合体内部の歪みが十分に開放されずに、その後の反り形成工程での反り付け量がばらつく場合がある。一方、アニール温度が560℃を超えると、含浸で用いたアルミニウム合金が溶融する場合がある。アニール時間が1分未満であると、アニール温度が500℃〜560℃であってもアルミニウム−炭化珪素質複合体内部の歪みが十分に開放されず、その後の反り形成工程での反り付け量がばらつく場合がある。
本発明に係る多孔質炭化珪素成形体(以下、SiCプリフォームという)の製造方法に関して特に制限はなく、公知の方法で製造することが可能である。例えば、炭化珪素粉末にシリカ或いはアルミナ等を結合材として添加して混合、成形し、800℃以上で焼成することによって得ることができる。成形方法についても特に制限は無く、プレス成形、押し出し成形、鋳込み成形等を用いることができ、必要に応じて保形用バインダーの併用が可能である。
アルミニウム−炭化珪素質複合体の特に重要な特性は、熱伝導率と熱膨張係数である。アルミニウム−炭化珪素質複合体中の炭化珪素(以下、SiCという。)含有率の高い方が、熱伝導率が高く、熱膨張係数が小さくなるため好ましいが、あまりにも含有率が高い場合にはアルミニウム合金の含浸操作が容易でなくなる。実用的には、40μm以上の粗いSiC粒子を40質量%以上含み、SiCプリフォームの相対密度が55〜75%の範囲にあるものが好ましい。又SiCプリフォームの強度は、曲げ強度で3MPa以上あれば、取り扱い時や含浸中の割れの心配がなくなるため好ましい。
SiCプリフォームを得る為の、原料SiC粉については、粒度調整を行うことが好ましい。粗粉のみでは、強度発現に乏しく、微粉のみでは、得られる複合体について高い熱伝導率を望めないからである。本発明者の検討によれば、例えば、40μm以上の粒径の炭化珪素粗粉40〜80質量%と、15μm以下の粒径の炭化珪素微粉を60〜20質量%とを混合した混合粉末が好ましいものとして挙げられる。
SiCプリフォームは、炭化珪素粉末の成形体を、脱脂、焼成することにより得られる。シリカゾルをバインダーとして用いた場合、焼成温度が800℃以上であれば、焼成時の雰囲気に関係なく、曲げ強度が3MPa以上のプリフォームとすることができる。酸化性雰囲気では、1100℃を超える温度で焼成すると、炭化珪素の酸化が促進され、アルミニウム−炭化珪素質複合体の熱伝導率が低下してしまう場合がある。そのため、酸化性雰囲気では、800〜1100℃の温度で焼成することが望ましい。焼成時間は、SiCプリフォームの大きさ、焼成炉への投入量、焼成雰囲気等の条件に合わせて適宜決められる。
本発明に係るSiCプリフォームは、成形時に所定の形状を付加する場合、1枚ずつ乾燥を行うか、或いは、SiCプリフォーム間にカーボン等のスペーサーを用いて重ねて乾燥することで、乾燥による反り形状変化を防ぐことが出来る。また、焼成に関しても乾燥時と同様の処理を行うことにより、内部組織の変化に伴う形状変化を防ぐことが可能である。
SiCプリフォームの形状は、長方形形状(図1)または長方形に外周部の穴部を取り囲む部分が付加された形状(図2、図3)の平板であることが好ましい。本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、複合化後にパワーモジュール用ベース板等として用いるために、外周形状及び外周部に取り付け穴等を形成する必要がある。この場合、アルミニウム−炭化珪素質複合体は非常に硬く、ダイヤモンド等の工具を用いて多くの研削が必要となるので、コストが高くなるという課題がある。従って、容易に機械加工できる様に、予め加工部分をアルミニウム合金、或いは、セラミックス繊維、セラミックス粒子及びアルミニウム合金からなる易加工性の複合体としておくことが好ましい。
次に、得られたアルミニウム−炭化珪素質複合体の加工方法の例を説明する。本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、外周部及び穴部等をNC旋盤、マシニングセンター等の装置を用いて容易に機械加工することができる。また、外周部、穴部の加工方法については、特に制約はなく、外周部、或いは、外周部及び穴部を、ウォータジェット加工機、放電加工機等を用いて、アルミニウム−炭化珪素質複合体が露出する様に加工することもできる。更には、得られるベース板形状より面積の大きいSiCプリフォームを用いてアルミニウム−炭化珪素質複合体を作製した後、前記加工法によりベース板の外周部、穴部等を形成することもできる。本発明では、SiCプリフォームの面精度を調整し、独自の積層方法を用いて複合化することにより、アルミニウム−炭化珪素質複合体表面に設けられるアルミニウム合金層の厚みを制御している。
アルミニウム−炭化珪素質複合体表面に設けられるアルミニウム合金層の厚みは、平均厚みが10〜150μmであり、好ましくは30〜100μmである。アルミニウム合金層の厚みは、前記複合体表面を研削加工して所定厚みに調整することも可能である。前記アルミニウム合金層は、めっき処理を施す際のめっき密着性を確保するために必要である。平均厚みが10μm未満では、その後のめっき前処理等の表面処理時に部分的にアルミニウム−炭化珪素質複合体が露出し、その部分にめっき未着が発生したり、めっき密着性が低下する等の問題が発生する場合がある。一方、本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、一主面がアルミニウム−炭化珪素質複合体を露出した構造であるため、このアルミニウム合金層の厚みが、そのまま表裏のアルミニウム合金層の厚み差となる。この為、平均厚みが150μmを超えると、その後の反り形成工程にて最終アニール時に、アルミニウム合金層とアルミニウム−炭化珪素質複合体の熱膨張差により、発生する反り量が大きくなり過ぎると共に、パワーモジュール用のベース板として用いる際に、加熱サイクル時に反り量が変化するという問題が発生する場合がある。
本発明では、図4に示す以下の手法で平板状のアルミニウム−炭化珪素質複合体に反りを形成する。
(1)応力を掛けながら、温度400〜500℃で30秒間以上加熱処理することにより、クリープ変形させて所定の反り量を付与し、
(2)凹型方向の反り付けを行った面を、平面研削加工してアルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させ、
(3)温度500〜560℃で1分間以上加熱処理することにより、反り付け時のクリープ変形を除去して、アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させた面に凸型の反りを形成させる
まず、形状加工を施されたアルミニウム−炭化珪素質複合体は、放熱面側に所望する方向と逆方向の反りを形成させるべく、応力を掛けつつ、温度400〜500℃で30秒間以上加熱処理することで、アルミニウム−炭化珪素質複合体をクリープ変形させて反りを付与する。処理温度が400℃未満では、十分なクリープ変形が起こらず、反り付け量が不足する。また、処理温度が400〜500℃であっても、処理時間が30秒未満では、同様に十分なクリープ変形が起こらず、反り付け量が不足する。一方、処理温度の上限に関しては、(3)のアニール処理で当該反り付け工程によるクリープ変形を除去する為、(3)のアニール処理温度以下である必要がある為、処理温度の上限は500℃である。また、反り付け処理後のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、必要に応じて300℃〜400℃の温度でアニール処理を行い、反り付け時に発生した残留応力の除去を行う場合がある。
次に、前記反り付けを行った複合体の放熱面側の凹型方向の反り付けを行った主面を平面研削加工して、アルミニウム−炭化珪素質複合体が露出する様に加工する。放熱面を研削加工することにより、前記複合体の放熱面を凹凸のない平面とすることができる。前記複合体の面加工に関しては、特に制限はなく、例えば平面研削盤、ベルト研削盤等で平面研削加工を行いうことができ、安価に放熱面を凹凸のない平面とすることができる。
放熱面を平面研削加工したアルミニウム−炭化珪素質複合体は、500℃〜560℃の温度で1分以上のアニール処理を行い、アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させた面に凸型の反りを形成する。本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、一主面にアルミニウム合金層を有しており、当該アニール処理を行うことにより、アルミニウム合金層とアルミニウム−炭化珪素質複合体の熱膨張差により発生する反り(反り量(1))と、前記反り付けでアルミニウム−炭化珪素質複合体のクリープ変形にて形成した反りを除去することで発生する反り(反り量(2))の合計の反り(反り量(1)+反り量(2))が発生する。アニール温度が500℃未満であると、前記反り付け工程で付与した反りが十分に除去されず、半田付け等のその後の熱処理工程で反りが変化してしまう場合がある。一方、アニール温度が560℃を越えると含浸で用いたアルミニウム合金が溶融する場合がある。また、アニール時間が1分未満であると、アニール温度が500℃〜560℃であっても前記反り付け工程で付与した反りが十分に除去されず、半田付け等のその後の熱処理工程で反りが変化してしまう場合がある。本発明の反り形成法は、前記アニール処理によりアルミニウム−炭化珪素質複合体の残留応力を十分に除去する為、パワーモジュール用のベース板として使用する際の反り安定性に非常に優れている。また、本発明の反り形成法では、放熱面を一端平面研削加工したのち、アニール処理により、残留応力を除去して反りを形成するため、その反り形状は、理想的な球面形状に近い反り形状となる。
尚、本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体をパワーモジュール用のベース板として用いる場合に、使用する個々の部材の熱膨張率等の特性によっては、ベース板の放熱面側の反りが凹の方が好ましい場合もあり、この場合は、(1)の反り付け工程で、放熱面側の反り量が増加する方向に反り付けを行い、同様に放熱面を平面研削加工した後、アニール処理を行うことにより、放熱面が凹型の反り形状を形成することもできる。
アルミニウム−炭化珪素質複合体の露出した研削加工面のアニール後の反り量は、長さ10cmあたり20〜200μmであることが好ましい。パワーモジュール用ベース板として用いる場合に、放熱面となる研削加工面が凹型に反ると、その後のモジュール組み立て工程でベース板と放熱フィンとの間に隙間が生じ、たとえ高熱伝導性の放熱グリースを塗布しても、熱伝達性が著しく低下し、その結果セラミックス回路基板、ベース板、放熱フィン等で構成されるモジュールの放熱性が著しく低下してしまう場合がある。又、反り量が200μmを超えると、放熱フィンとの接合の際のネジ止め時に、ベース板、又はセラミックス回路基板にクラックが発生してしまう場合がある。
本発明では、アルミニウム−炭化珪素質複合体の放熱面を平面研削加工することにより、前記複合体の放熱面を凹凸の少ない、窪み深さ50μm以下の形状とすることができる。放熱面の窪み深さについては、好ましくは30μm以下である。放熱面の窪み深さが50μmを超えると、パワーモジュール用ベース板として用いる場合、その後のモジュール取り付け工程でベース板と放熱フィンとの間に隙間が生じ、たとえ高熱伝導性の放熱グリースを塗布しても、熱伝達性が著しく低下し、その結果セラミックス回路基板、ベース板、放熱フィン等で構成されるモジュールの放熱性が著しく低下してしまう場合がある。
本発明のパワーモジュール用ベース板は、パワーモジュールの信頼性の尺度となるヒートサイクル試験(温度350℃で10分間保持した後、室温で自然冷却する)を行った際の形状安定性に優れており、例えば、前記条件のヒートサイクル試験を10回実施した後の反り変化量は長さ10cm当たり30μm以下である。反り変化量が、10cmあたり30μmを超えると、パワーモジュール用のベース板として用いる際に、使用時の加熱サイクル時に放熱フィンとの間に隙間が生じ、たとえ高熱伝導性の放熱グリースを塗布しても、熱伝達性が著しく低下する場合がある。
本発明に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体は、良好な放熱特性と共に応力緩和性を有するもので、例えば、セラミックス回路基板と放熱フィン等の放熱部品との間に介在するベース板として好適である。
本発明に係るアルミニウム−炭化珪素質複合体は、パワーモジュール用ベース板として用いる場合、セラミックス回路基板と半田付けにより接合して用いられるのが一般的である。この為、ベース板表面には、Niめっきを施すことが必要である。めっき処理方法は特に限定されず、無電解めっき処理、電気めっき処理法のいずれでもよい。Niめっきの厚みは1〜20μmであることが好ましい。めっき厚みが1μm未満では、部分的にめっきピンホールが発生し、半田付け時に半田ボイド(空隙)が発生し、回路基板からの放熱特性が低下する場合がある。一方、Niめっきの厚みが20μmを超えると、Niめっき膜と表面アルミニウム合金との熱膨張差によりめっき剥離が発生する場合がある。Niめっき膜の純度に関しては、半田濡れ性に支障をきたさないものであれば特に制約はなく、リン、硼素等を含有しても支障のない場合がある。
本発明のアルミニウム−炭化珪素質複合体は、熱伝導率が180W/mK以上、温度150℃の熱膨張係数が9×10−6/K以下であることが好ましい。前記効果に加えて、高熱伝導率で、しかも半導体部品やセラミックス回路基板と同等レベルの低膨張率であるため、これを用いた放熱部品、更にそれを用いたパワーモジュールは、放熱特性に優れ、また、温度変化を受けても変形し難く、その結果、高信頼性が得られるという特長がある。
(実施例1)
炭化珪素粉末A(大平洋ランダム社製:NG−150、平均粒径:100μm)100g、炭化珪素粉末B(大平洋ランダム社製:NG−220、平均粒径:60μm)100g、炭化珪素粉末C(屋久島電工社製:GC−1000F、平均粒径:10μm)100g、及びシリカゾル(日産化学社製:スノーテックス)30gを秤取し、攪拌混合機で30分間混合した後、190mm×140mm×5.5mmの寸法の平板状に圧力10MPaでプレス成形した。
得られた成形体を、温度120℃で2時間乾燥後、大気中、温度950℃で2時間焼成して、相対密度が65%のSiCプリフォームを得た。得られたSiCプリフォームは、平面研削盤でダイヤモンド製の砥石を用いて、5.8mmの厚みに面加工した後、マシニングセンターで外形寸法が183×133mmで図2の形状に外周部を加工した。得られたSiCプリフォームの3点曲げ強度を測定した結果、5MPaであった。加工後のSiCプリフォームの厚み測定結果を表1に示す。尚、厚み測定ポイントはプリフォームを9分割した中心部を測定した。
Figure 2008042011
得られたSiCプリフォームは、両面をカーボンコートした210mm×160mm×0.8mmの寸法のステンレス板で挟んで、30枚を積層した後、両側に6mm厚みの鉄板を配置して、M10のボルト6本で連結して面方向の締め付けトルクが3Nmとなるようにトルクレンチで締め付けて一つのブロックとした。次に、一体としたブロックを電気炉で600℃に予備加熱した後、あらかじめ加熱しておいた内径400mmφのプレス型内に収め、シリコンを12質量%、マグネシウムを0.8質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を注ぎ、100MPaの圧力で20分間加圧して炭化珪素質多孔体にアルミニウム合金を含浸させた。室温まで冷却した後、湿式バンドソーにて離型板の形状に沿って切断し、挟んだステンレス板をはがした後、含浸時の歪み除去のために530℃の温度で3時間アニール処理を行い、アルミニウム−炭化珪素質複合体を得た。
得られたアルミニウム−炭化珪素質複合体の縁周部8カ所に直径7mmの貫通穴、4カ所にφ10−4mmの皿穴を加工し、外周のアルミニウム層の部分をNC旋盤で加工して、187mm×137mm×5.8mmの形状とした。次に、このアルミニウム−炭化珪素質複合体に反りを付与するため、カーボン製で曲率半径が15000mmの球面を設けた凹凸型を準備した。この凹凸型を熱プレス機に装着し、加熱して型の表面温度を470℃とした。この凹凸型の間に前記複合体を配置し40KPaでプレスした。この際、当該複合体の側面に熱電対を接触させ測温した。複合体の温度が450℃になった時点から3分間保持後、加圧を解除し、50℃まで自然冷却した。次に、歪み除去のために、電気炉で350℃の温度で1時間アニール処理を行った。得られた複合体は、輪郭形状測定機(東京精密社製;コンターレコード1600D−22)を使用し、長さ10cm当たりの反り量を測定した結果、長さ10cm当たり90μmの反り量が付加されていた。
得られたアルミニウム−炭化珪素質複合体は、凹型方向の反り付けを行った面を平面研削盤にてダイヤモンド製の砥石を用いて0.8mm研削加工して、187×137×5mmの形状とした。次に、得られた加工体は、加工時の歪み除去のために、電気炉で530℃の温度で1時間アニール処理を行った。次いで、圧力0.4MPa、搬送速度1.0m/minの条件でアルミナ砥粒にてブラスト処理を行い清浄化した後、無電解Ni―P及びNi−Bめっきを行った。複合体表面に8μm厚(Ni−P:6μm+Ni−B:2μm)のめっき層を形成した。
得られたアルミニウム−炭化珪素質複合体より、機械加工により各サンプルの対角線に沿って切断を行い、切断により露出した片主面のアルミニウム層の厚みをそれぞれ対角線に等間隔に20点測定し、その平均の厚みを算出した。また、研削加工により熱膨張係数測定用試験体(直径3mm長さ10mm)、熱伝導率測定用試験体(直径11mm厚さ3mm)を作製した。それぞれの試験片を用いて、25〜250℃の熱膨張係数を熱膨張計(セイコー電子工業社製;TMA300)で、25℃での熱伝導率をレーザーフラッシュ法(理学電機社製;LF/TCM−8510B)で測定した。反り形状については、輪郭形状測定機(東京精密社製;コンターレコード1600D−22)を使用し、長さ10cm当たりの反り量及び窪み深さを測定した。得られた結果を表2に示す。また、輪郭形状測定機による実施例1の反り形状測定結果を図5に示す。
Figure 2008042011
実施例1のめっき品を用いて、温度350℃に加熱したホットプレートに当該めっき品を載せ、物温が350℃に達した後、10分間保持した後、室温まで自然冷却するヒートサイクル試験を10回行った。実施例1のヒートサイクル試験後の長さ10cm当たりの反り量の変化は17μmであった。
(実施例2〜7、比較例1)
実施例1のアルミニウム−炭化珪素質複合体を縁周部8カ所に直径7mmの貫通穴、4カ所にφ10−4mmの皿穴を加工し、外周のアルミニウム層の部分をNC旋盤で加工して、187mm×137mm×5.8mmの形状とした後、輪郭形状測定機(東京精密社製;コンターレコード1600D−22)を使用し、長さ10cm当たりの反り量を測定した結果を表3に示す。次に、表3に示す曲率半径の球面を設けたカーボン製の凹凸型を準備し、この凹凸型を熱プレス機に装着し、加熱して型の表面温度を470℃とした。この凹凸型の間に前記複合体を配置し40KPaでプレスした。この際、当該複合体の側面に熱電対を接触させ測温した。複合体の温度が450℃になった時点から3分間保持後、加圧を解除し、50℃まで自然冷却した。次に、歪み除去のために、電気炉で350℃の温度で1時間アニール処理を行った。比較例1は、反り付けを行わなかった。得られた複合体は、輪郭形状測定機(東京精密社製;コンターレコード1600D−22)を使用し、長さ10cm当たりの反り量を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2008042011
得られたアルミニウム−炭化珪素質複合体は、凹型方向の反り付けを行った面を平面研削盤にてダイヤモンド製の砥石を用いて0.8mm研削加工して、187×137×5mmの形状とした。次に、得られた加工体は、加工時の歪み除去のために、電気炉で530℃の温度で1時間アニール処理を行った後、輪郭形状測定機(東京精密社製;コンターレコード1600D−22)を使用し、長さ10cm当たりの反り量を測定した。その結果を表3に示す。また、実施例2〜7、比較例1について、反り付け量と最終アニール処理後の反り量の関係を図6に示す。
(実施例8)
炭化珪素粉末A(太平洋ランダム社製:NG−150、平均粒径:100μm)200g、炭化珪素粉末C(屋久島電工社製:GC−1000F、平均粒径:10μm)100g、及びシリカゾル(日産化学社製:スノーテックス)30gを原料として用いた以外は、実施例1と同様の方法で相対密度が66%のSiCプリフォームを得た。得られたSiCプリフォームは、平面研削盤でダイヤモンド製の砥石を用いて、5.8mmの厚みに面加工した後、マシニングセンターで190mm×140mmに外周部を加工した。
得られたSiCプリフォームを、一部は190mm×140mm×0.4mmの5質量%アルミナ繊維(田中製紙製,純度97%)を配し、両面をカーボンコートしたステンレス板で挟んで28枚を積層した後、両側に6mm厚みの鉄板を配置して、M10のボルト6本で連結して面方向の締め付けトルクが3Nmとなるようにトルクレンチで締め付けて一つのブロックとした。得られた積層体は、実施例1と同様の方法でアルミニウム−炭化珪素質複合体を作製した。得られた複合体は、縁周部8カ所に直径7mmの貫通穴、4カ所にφ10−4mmの皿穴を加工し、外周部をウォ−タ−ジェット加工機にて187×137mm(コーナー部はR7mm)に加工した。
次に、このアルミニウム−炭化珪素質複合体に反りを付与するため、カーボン製で曲率半径が12000mmの球面を設けた凹凸型を準備した。この凹凸型を熱プレス機に装着し、加熱して型の表面温度を470℃とした。この凹凸型の間に前記複合体を配置し40KPaでプレスした。この際、当該複合体の側面に熱電対を接触させ測温した。複合体の温度が450℃になった時点から3分間保持後、加圧を解除し、50℃まで自然冷却した。次に、歪み除去のために、電気炉で350℃の温度で1時間アニール処理を行った。得られた複合体は、輪郭形状測定機(東京精密社製;コンターレコード1600D−22)を使用し、長さ10cm当たりの反り量を測定した結果、長さ10cm当たり120μmの反り量が付加されていた。
得られたアルミニウム−炭化珪素質複合体は、凹型方向の反り付けを行った面を平面研削盤にてダイヤモンド製の砥石を用いて0.8mm研削加工して、187×137×5mmの形状とした。次に、得られた加工体は、加工時の歪み除去のために、電気炉で530℃の温度で1時間アニール処理を行った。次いで、圧力0.4MPa、搬送速度1.0m/minの条件でアルミナ砥粒にてブラスト処理を行い清浄化した後、無電解Ni―P及びNi−Bめっきを行った。複合体表面に8μm厚(Ni−P:6μm+Ni−B:2μm)のめっき層を形成した。得られた複合体は、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表4に示す。
Figure 2008042011
(実施例9)
実施例8のプリフォーム形状を180×110×5.8mm(図1参照)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でアルミニウム−炭化珪素質複合体を作製し、反り付け、機械加工、めっき処理を行った。得られた複合体は、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表5に示す。
Figure 2008042011
本発明で使用される、ベース板用アルミニウム−炭化珪素質複合体の一実施の形態を示す説明図 本発明で使用される、ベース板用アルミニウム−炭化珪素質複合体の一実施の形態を示す説明図 本発明で使用される、ベース板用アルミニウム−炭化珪素質複合体の一実施の形態を示す説明図 本発明の反り形成フロー図 実施例1の輪郭形状測定機による反り形状測定結果 実施例2〜7、比較例1の反り付け量と最終アニール処理後の反り量の関係
符号の説明
a)アルミニウム−炭化珪素質複合体
b)アルミニウム合金
c)φ7mmの貫通穴
d)表面アルミニウム合金層
e)アルミニウム−炭化珪素質複合体
f)φ10−4mmの皿穴
g)アルミニウム−炭化珪素質複合体
h)M4mmのタップネジ

Claims (5)

  1. 平板状の炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸してなり、両主面に平均厚みが10〜150μmのアルミニウムを主成分とする金属からなるアルミニウム合金層を有するアルミニウム−炭化珪素質複合体を、
    (1)応力を掛けながら、温度400〜500℃で30秒間以上加熱処理することにより、クリープ変形させて所定の反り量を付与し、
    (2)凹型方向の反り付けを行った面を、平面研削加工してアルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させ、
    (3)温度500〜560℃で1分間以上加熱処理することにより、反り付け時のクリープ変形を除去して、
    アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させた面に凸型の反りを形成させることを特徴とするアルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法。
  2. アルミニウム−炭化珪素質複合体が高圧鍛造法で製造されてなることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム−炭化珪素質複合体の製造方法。
  3. アルミニウム−炭化珪素質複合体を露出させた面の反り量が長さ10cmあたり20〜200μmであり、かつ、面内の窪み深さが50μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の製造方法により得られるアルミニウム−炭化珪素質複合体。
  4. 熱伝導率が180W/mK以上、並びに、温度150℃の熱膨張係数が9×10−6/K以下であることを特徴とする請求項3記載のアルミニウム−炭化珪素質複合体。
  5. 請求項3または4記載のアルミニウム−炭化珪素質複合体に、Niめっき処理を施して厚さ1〜20μmのめっき皮膜を形成し、半導体搭載用セラミックス基板を接合してなることを特徴とする放熱部品。
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