JP2008041589A - 高周波スイッチ - Google Patents

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Kohei Hida
浩平 飛田
Hiroshi Toshiyoshi
洋 年吉
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Abstract

【課題】垂直方向ではなく同一面上に構造体を製造して十分なアイソレーションを確保することを可能にした高周波スイッチを提供することを目的とする。
【解決手段】駆動電極と、駆動電極と自身の間に生じさせた静電力によって駆動電極側に弾性変位可能なバネ駆動部と、駆動電極側に弾性変位させたバネ駆動部との接触を通じて高周波信号の切換を行う切換部と、を同一層内に備える。バネ駆動部と切換部が接触していないときはバネ駆動部に高周波信号を通さないようバネ駆動部と切換部の接触部付近を分断し、分断された接触部付近をバネ駆動部と接触させた切換部によって中継することによりスイッチの切換を行う。バネ駆動部は、同一層内において移動可能である。高周波信号を通す部分には導電性部材が設けられており、バネ駆動部は両持ちバネとして形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチ(別名:マイクロマシンスイッチ)、特に、高周波信号の使用にも適したMEMS型の高周波スイッチに関する。
近年、MEMSスイッチの開発が盛んである。取り分け、静電駆動のMEMSスイッチは、一般の半導体スイッチより小型で挿入損失が少なく消費電力を減らせることから装置の小型化に適している。MEMSスイッチは、例えば、高周波信号を使用する携帯電話等の無線通信システムへの応用が期待されている。
特開2005−209625号公報や特開2005−277675号に、従来技術によるMEMSスイッチが例示されている。図15乃至図17に特開2005−209625号公報に開示されたMEMSスイッチを示す。図15は、この従来のMEMSスイッチの斜視図、図16、図17は、動作状態における同MEMSスイッチの上面図である。
図15に示すように、このMEMSスイッチは、シリコン基板146の表面にエアブリッジを構成するように垂直方向に形成されている。主に、導電性梁142と、キャパシタ構造をもつ第1および第2の三層構造梁B1、B2から成っている。導電性梁142と三層構造梁B1、B2は、いずれも、両持ちバネとして形成してある。導電性梁142は入力端子に、三層構造梁B1は出力端子に、それぞれ接続されており、更に、三層導電性梁B2は接地されている。三層構造梁B1、B2は、それぞれ、導電性梁142に対向する第1の導電体層138、140と、外側に配される第2の電極130、132とによって、誘電体層134、136を挟むことにより、キャパシタを構成しており、図16に示すように、静電力によって変位させた導電性梁142を、三層構造梁B1の第1の導電体層138に接触可能とし、また、図17に示すように、静電力によって変位させた導電性梁142を、三層構造梁B2の第1の導電体層140に接触可能としてある。これら導電性梁142と第1の導電体層138若しくは140が接触したときに、導電性梁と第2の導電体層130もしくは132の間で導電路を形成することによってスイッチング機能が実現されることになっている。
特開2005−209625号公報
図16に、導電性梁142と三層構造梁B1の第1の導電体層138が接触した際に高周波信号が流れる領域を斜線で概略的に示している。この斜線で示すように、従来構成におけるMEMSスイッチに高周波信号が流れた場合には、余計なスタブ部分によって反射作用等が生じ、信号の高周波特性に好ましくない結果が生じてしまう。本来的に、高周波信号は、必要な領域にのみ、且つ、一方向にのみ流れる状態とするのが好ましい。
また、この従来のMEMSスイッチでは、駆動電極と駆動部に相当する部材、つまり、電極(130、132)と第1の導電体層(138、140)の間に誘電体層(134、136)を挟み込むようにして互いに固定された状態で一体的に使用されることになっているため、駆動電極と駆動部の距離が比較的接近したものとなり、このためアイソレーションを確保しずらい構造ということができる。更に、この従来のMEMSスイッチは、ベース体に対して各構成を上方に重ねて製造していくことから製造性が悪く、その垂直方向において、実際には十分なアイソレーションを確保できないといった問題も有している。
本発明は、このような従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、必要な領域にのみ一方向に高周波信号が流れる構造とし、また、垂直方向ではなく同一層内に構造体を製造することとしてその製造を容易とし、また、十分なアイソレーションを確保することを可能にした高周波スイッチを提供することを目的とする。
本発明は、高周波スイッチにおいて、駆動電極と、該駆動電極と自身の間に生じさせた静電力によって前記駆動電極側に弾性変位可能なバネ駆動部と、前記駆動電極側に弾性変位させた前記バネ駆動部との接触を通じて高周波信号の切換を行う切換部と、を同一層内に備え、前記バネ駆動部と前記切換部が接触していないときは前記バネ駆動部に高周波信号を通さないよう前記バネ駆動部と前記切換部の接触部付近を分断し、該分断された接触部付近を前記バネ駆動部と接触させた前記切換部によって中継することによりスイッチの切換を行うものであり、前記バネ駆動部は、前記同一層内において移動可能とされており、前記高周波信号を通す部分には導電性部材が設けられ、前記バネ駆動部は両持ちバネとして形成されていることを特徴としている。
更に、上記スイッチにおいて、前記バネ駆動部は両持ちバネとして形成されていてもよい。
また、上記スイッチにおいて、前記駆動電極は前記切換部によって2つの駆動部分に分割されていてもよい。
また、上記スイッチにおいて、前記切換部の先端側の両端に前記バネ駆動部側に突出した駆動接点を設けてもよい。
上記スイッチにおいて、前記切換部は固定されていてもよい。
上記スイッチにおいて、前記バネ駆動部の両側に前記切換部と前記駆動電極を対称に設けてもよい。
上記スイッチにおいて、前記切換部は、前記駆動電極との間に生じさせた静電力によって前記駆動電極側に弾性変位可能な他のバネ駆動部に設けられてもよい。
上記スイッチにおいて、前記駆動電極は、前記駆動電極の本体部分から電気的且つ物理的に切り離され、前記バネ駆動部側、或いは、前記他のバネ駆動部側に延びて、前記バネ駆動部と前記駆動電極との間、或いは、前記他のバネ駆動部と前記駆動電極との間の過剰な接触を防止するストッパを有していてもよい。
また、本発明は、高周波スイッチにおいて、第一線路と第二線路と駆動電極を同一層内に有し、前記第一線路は、前記駆動電極の隣接に配置された前記駆動電極側に弾性変位可能なバネ駆動部を有し、前記第二線路は、前記バネ駆動部の隣接に対向配置された固定された切換部を有し、前記バネ駆動部の中間部付近は絶縁されており、前記バネ駆動部と前記駆動電極の間に生じさせた静電力によって前記バネ駆動部を前記駆動電極側に変位させ、前記バネ駆動部の絶縁部以外の部分と前記切換部とを接触させることにより、前記バネ駆動部の絶縁部以外の部分を前記切換部を用いて導通させて、高周波信号の切換を行うことを特徴としている。
更に、本発明は、高周波スイッチにおいて、第一線路と第二線路と駆動電極を同一層内に有し、前記第一線路は、前記駆動電極の隣接に配置された前記駆動電極側に弾性変位可能な第一のバネ駆動部を有し、前記第二線路は、前記第一のバネ駆動部の隣接に対向配置された切換部を有する、前記駆動電極の隣接に配置された前記駆動電極側に弾性変位可能な第二のバネ駆動部を有し、前記第一のバネ駆動部の中間部付近は絶縁されており、前記第一のバネ駆動部と前記駆動電極との間、或いは、前記第二のバネ駆動部と前記駆動電極との間、或いは、それら双方の間に生じさせた静電力によって前記第一のバネ駆動部、及び/又は、前記第二のバネ駆動部を前記駆動電極側に変位させ、前記第一のバネ駆動部の絶縁部以外の部分と前記切換部とを接触させることにより、前記第一のバネ駆動部の絶縁部以外の部分を前記切換部を用いて導通させて、高周波信号の切換を行うことを特徴としている。
更にまた、本発明は、高周波スイッチにおいて、第一線路と第二線路と駆動電極を同一層内に有し、前記第一線路は固定されており、前記第二線路は、前記第一線路の隣接に対向配置された切換部を有する、前記駆動電極の隣接に配置された前記駆動電極側に弾性変位可能なバネ駆動部を有し、前記第一線路の中間部付近は絶縁されており、前記バネ駆動部と前記駆動電極の間に生じさせた静電力によって前記バネ駆動部を前記駆動電極側に変位させ、前記第一線路の絶縁部以外の部分と前記切換部とを接触させることにより、前記第一線路の絶縁部以外の部分を前記切換部を用いて導通させて、高周波信号の切換を行うことを特徴としている。
本発明によれば、十分なアイソレーションが確保され且つ高周波使用にも適したMEMSスイッチが提供される。
図1は、本発明の第1の実施形態による高周波スイッチの斜視図、図2、図3は、このスイッチのスイッチ部分の拡大斜視図と拡大平面図である。ただし、図3は、図1、図2と完全には対応していない。この点については後述する。
本発明の高周波スイッチは、高周波信号用の切換スイッチとして利用できる。高周波信号は、主に、長手方向に延びる主線路(第一線路)(11、12、13)によって切換可能に伝達される。この主線路に並行して、副線路(第二線路)(19、20、26)と、これら主線路と副線路の間にそれらに隣接させた状態で駆動電極16が配置してある。これら主線路、副線路、駆動電極16は全て、グランド18によって四方側面を取り囲まれており、また、シリコン基板60上の同一層内に設けられ、通常の状態では、互いに電気的に分離されている。
主線路は、シリコン基板60面上の同一層内に設置された略直方体状の固定部11、12と、これらをつなぐ薄板状のバネ駆動部(第一のバネ駆動部)13から成る。バネ駆動部13は、この同一層内において移動可能とされており、固定部11、12はそれぞれ、高周波信号のための入力端子若しくは出力端子として利用され、バネ駆動部13は、例えば、これら入力端子と出力端子を電気的に分断させた状態でつなぐ高周波信号の導波路として利用される。したがって、この第1の実施形態による高周波スイッチは、長手方向両側にそれぞれ1つの入力と1つの出力を有する1入力1出力タイプのスイッチであるということができる。
固定部11、12とバネ駆動部13は、絶縁物で加工性が良好な部材で形成されていればよく、例えば、半導体、好ましくは、シリコン(Si)によって一体形成されている。バネ駆動部13は、固定部11、12の対向側側面の中間付近から、固定部11、12の間に延長状態で設けられており、シリコン基板60からは浮いた状態とされている。このようにバネ駆動部13を固定部11、12によって中空支持することにより、バネ駆動部13は両端を支持された両持ちバネとして形成され、駆動電極16側、即ち、図示矢印イ方向に弾性変位可能とされる。バネ駆動部13を両持ちバネとして形成することにより、十分なバネ力と強度を確保することができる。また、両持ちバネとして形成することにより、片持ち梁状に設けたバネに比較して、バネ特性を向上させることができる。バネ特性の向上は、製造工程においても利点を有する。例えば、後述するメッキ処理やリリース処理の際、バネ駆動部13が隣接部材に固着して変形したままになる危険を少なくすることができる。尚、バネ駆動部13の配置位置は、グランド18によって形成される層内空間50のちょうど中間位置付近、換言すれば、図2に示すように、層内空間50を形成する一方の側壁51からバネ駆動部13までの距離「エ」と、他方の側壁52からバネ駆動部13までの距離「オ」を、互いに等しく設定するのが好ましい。これにより、高周波伝送路を乱さずに良好なものとすることができる。
副線路は、主線路の構成に類似した構造を持つ。副線路は、シリコン基板60面上の同一層内に設置された略直方体状の固定部19、20と、これらをつなぐ薄板状のバネ駆動部(第二のバネ駆動部)26から成る。バネ駆動部26は、この同一層内において移動可能とされており、これらの部品は、シリコンによって一体形成されている。バネ駆動部26は、固定部19、20の対向側側面の片側端部付近から、固定部19、20の間に延長状態で設けられており、シリコン基板40から浮いた状態とされている。このようにバネ駆動部26を固定部19、20によって中空支持することにより、バネ駆動部26は両端を支持された両持ちバネとして形成され、駆動電極16側に、即ち、図示矢印ウ方向に弾性変位可能とされる。バネ駆動部26を両持ちバネとして形成することにより、上述したように、十分なバネ力と強度を確保し、バネ特性を向上させることができる。
副線路の固定部19、20は、主線路の固定部11、12と同様に、高周波信号のための入力端子若しくは出力端子として利用することもでき、また、副線路のバネ駆動部26は、主線路のバネ駆動部13と同様に、入力端子と出力端子を分断させた状態でつなぐ高周波信号の導波路として利用することもできる(この点は後述の実施形態で明らかにする)が、第1の実施形態では、副線路を構成する部材のうち、特に、バネ駆動部26に設けた切換部17を、バネ駆動部13の分断部分を中継する中継部材として利用する。切換部17は、バネ駆動部13の分断部分(15)の隣接に対向配置され、また、バネ駆動部26の中間部(例えば、真中)付近においてバネ駆動部13の側に突出した状態で設けられており、バネ駆動部26と同様にシリコン基板40から浮いた状態で中空支持されている。切換部17は、バネ駆動部26の一部であるから、バネ駆動部26と同様に図示矢印ウ方向に弾性変位可能である。切換部17に設けた複数の穴、即ち、長手方向に延びる細長い穴23−1や横方向に並列に配置された略長方形の4つの穴23−2〜23−5は、切換部17をシリコン基板40に対して中空設置するために製造工程を考慮して設けたものであって、その形状自体に意味はない。
駆動電極16は、主線路(11、12、13)や副線路(19、20、26)によって四方を取り囲まれた状態で配置される。図2によく示されるように、例えば、駆動電極16は、固定部11、12、19、20の駆動電極16側に突出した側壁(固定部11の側壁31、固定部12の側壁32、固定部19の側壁33、及び固定部20の側壁34)と、バネ駆動部13、26の駆動電極16側の側壁35、36とによって形成された空間に配置される。このような配置とすることにより、無駄なスペースを無くして、スペースの有効活用を図ることができる。尚、固定部11、12は、駆動電極16側のみならず、その対向側においても突出した状態とされている、更に言えば、固定部11には側壁37が、固定部12には側壁38が、それぞれ設けられているのに対し、固定部19、20は、駆動電極16側においてのみ突出した状態とされ、その対向側においてはほとんど突出していない。これは、固定部11、12によって中空支持されたバネ駆動部13を、層内空間50の中間位置に設けた状態で層内空間50をできるだけ小さくするため、突出部を設けないこととしたためである。
駆動電極16は、また、バネ駆動部26から主線路側に突出した切換部17を用いて、長手方向において左右2つの駆動部分16−1、16−2に分割される。これら駆動部分16−1、16−2は、主線路や副線路と共にシリコンによって一体成形されており、切換部17を挟んで互いに対称形状を有し、また、同様の機能を有する。各駆動部分16−1、16−2は、それぞれ、長手方向に延びた略直方形状を有し、駆動部分16−1の中間付近には、本体部分から電気的且つ物理的に切り離された、略立方形状のストッパ21−1、21−2が、また、駆動部分16−1の端部、特に、駆動部分16−2側との対向側の端部には、本体部分から電気的且つ物理的に切り離された、略立方形状のストッパ21−5が、それぞれ設けられており、同様に、駆動部分16−2の中間付近には、本体部分から電気的且つ物理的に切り離された、略立方形状のストッパ21−3、21−4が、また、駆動部分16−2の端部、特に、駆動部分16−1側との対向側の端部には、本体部分から電気的且つ物理的に切り離された、略立方形状のストッパ21−6が、それぞれ設けられている。これら略立方形状のストッパ21の一部として形成された接点22−1乃至22−6は、各々、バネ駆動部13側若しくはバネ駆動部26側に延ばされており、これらによってバネ駆動部13と駆動電極16の間、或いは、バネ駆動部26と駆動電極16の間の過剰な接触を防止するようになっている。例えば、バネ駆動部13と駆動電極16の本体部分(ストッパ21以外の部分)との接触は、弾性変位したバネ駆動部13を、接点22−1や接点22−5、また、接点22−3や接点22−6と衝突させることによって防止される。同様に、バネ駆動部26と駆動電極16の本体部分(ストッパ21以外の部分)との接触は、弾性変位したバネ駆動部26を、接点22−2や接点22−4と衝突させることによって防止される。尚、これらストッパ21の数や位置は特に限定されるものではなく、例えば、図3に示すように4個のストッパを設けるようにしてもよいし、それらの位置を力の加減によって変更してもよい。図3は、これらストッパの数や位置についてのみ、図1、図2と多少相違する。
電気を導通させるため、主線路と副線路の所定部分に、導電性部材を設ける。導電性部材は、例えば、金(Au)や銀(Ag)、プラチナ(Pt)、ロジウム(Rh)、或いは、その他の合金をメッキすることによって、また、メッキ以外にも、スパッタリングや蒸着を利用することによって、設けることができる。ここでは一例として、金14をメッキ(製膜)した場合を説明する。金メッキを施す部分によって、高周波信号の導通経路が決定されることになる。逆にいえば、高周波信号を通す部分は金メッキされた部分である。良好な高周波特性を得るため、金メッキは高周波信号を流す部分にのみ付与するのが好ましい。例えば、第1の実施形態において、実質的に金メッキを施してあるのは、固定部11、12の上部とそれら上部に連続する側面の少なくとも一部、更に、これら固定部11、固定部12と連続する状態で、中間部(例えば、真中)付近に設けた絶縁部15を除くバネ駆動部13の上部とその上部に連続する(特に切換部17側の)側面の少なくとも一部、更に、切換部17の先端側(バネ駆動部13側)の上部とその上部に連続する(特にバネ駆動部13側の)側面の少なくとも一部である。主線路(11、12、13)と副線路(19、20、26)は、全て、半導体材料であるシリコンで形成されているが、金メッキを施すことにより、固定部11、12は、絶縁部15を除く部分で高周波信号を通す状態とされ、更に、絶縁部15によって分断された部分は、切換部17を用いて、切換可能に中継され得る。絶縁部15によって分断されたバネ駆動部13の一部は、切換部17とバネ駆動部13の接触を通じて中継され、この結果、高周波信号は、固定部11と固定部12の間で伝達され得る。高周波信号は、例えば、固定部11(又は固定部12)から付与され、バネ駆動部13の固定部11側(又はバネ駆動部13側)の金メッキ部分を通じて、更に、バネ駆動部13と接触させた切換部17の金メッキ部分を通じて、更にまた、バネ駆動部13の固定部12側(又は固定部11側)の金メッキ部分を通じて、固定部12(又は固定部11)へ伝達される。尚、絶縁部15を設けて両持ちバネの中間部を絶縁(尚、本明細書中の「絶縁」の語は、厳密な意味のものではない。明らかなように、シリコンは半導体であって絶縁物ではないが、十分に抵抗値が高く高周波伝送(〜20GHz)においても絶縁体と見なせる、という程度の意味である。尚、シリコン上に酸化被膜を形成して絶縁性を高めるようにしてもよい。)させることにより、本願では、切換時のアイソレーションが確保(切換特性が向上)されており、また、物理的には連続しているにもかかわらず電気的な切換が可能とされている。物理的に離れた電気接点を設けることにより、アイソレーション特性を良化することもできる。
切換部17とバネ駆動部13を確実に接触させるため、また、切換部17とバネ駆動部13の間の接点固着を防ぐため、切換部17の先端側の両端にバネ駆動部13側に突出した駆動接点24を設けてもよい。これら駆動接点24を設けることにより、バネ駆動部13と切換部17の間の接圧を各駆動接点24において1点に集中させることができると同時に、接触抵抗を低く抑えることができる。尚、接点固着は、バネ駆動部13を両持ちバネとして切り離す反力を増加させたことによっても効果的に防止される、更に言えば、本願のバネ駆動部13は、両持ちバネとしてあることから反力が向上されており、従って、接点固着しにくい構造とされている。
バネ駆動部13と切換部17を接触させるには、バネ駆動部13を図示矢印イ方向に弾性変位させ、或いは、バネ駆動部26を図示矢印ウ方向に弾性変位させ、或いは、好ましくはそれら双方を上記方向に弾性変位させる必要がある。これらの弾性変位を行わせるために静電作用を利用する。静電作用は、主線路と駆動電極16の間に電圧を印加し、また、副線路と駆動電極16の間に電圧を印加することによって生じさせることができる。更に言えば、電圧を印加することにより、主線路と駆動電極16の間、或いは、副線路と駆動電極16の間に、所定の電位、例えば、約50Vの電位を生じさせ、この電位によって生じた静電力を利用して、バネ駆動部13やバネ駆動部26を駆動電極16側に引き込むことで、バネ駆動部13の金メッキ部分と切換部17の金メッキ部分を互いに接触させることができる。尚、主線路と駆動電極16の間の電位と、副線路と駆動電極16の間の電位は等しく設定するのが好ましい。これらを等しく設定し、駆動電極16に対するバネ駆動部13の引き付け力と、駆動電極16に対するバネ駆動部26の引き付け力を等しくすることにより、動作をより安定させることができる。
バネ駆動部13と切換部17が接触する際、バネ駆動部13やバネ駆動部26はそれら全体として駆動電極16に引き付けられる。この結果、何らの手段も設けなければ、バネ駆動部13やバネ駆動部26は、駆動電極16に大きな面積部分で接触してしまう。このような接触状態は固着の原因となる。上述したストッパ21を設けることによって、このような事態は回避される。即ち、接点22は、駆動電極16のバネ駆動部13側やバネ駆動部26側の一側面から僅かではあるがバネ駆動部13側やバネ駆動部26側に突出状態で設けられていることから、駆動電極16に引き付けられたバネ駆動部13やバネ駆動部26は、実質的には、ストッパ21にのみ接触し、これによって、駆動電極16とバネ駆動部13、バネ駆動部26との間の過剰な接触やそれらの間の固着を効果的に防止することができる。尚、図15、図16を参照して説明した従来スイッチでは、駆動電極と駆動部に相当する部材(130、132、138、140)の間に誘電体層(134、136)を挟み込むことでそれらを一体とし、それら駆動電極と駆動部に相当する部材(130、132、138、140)の電位を短絡させることなく駆動させるものであるが、この従来構成では、スイッチングを繰り返すと誘電体層(134、136)に電荷がたまり、導電性梁(142)にそれらの部材が固着して復帰しずらくなってしまうといった問題がある。これに対し、本発明の構成によれば、バネ駆動部13やバネ駆動部26の中間部付近に駆動部分15、17を設け、また、これらとは絶縁されたストッパ21を設けたことにより、このような従来構成における問題を解決することができる。
図4、図5を参照して、第1の実施形態による高周波スイッチのON・OFF動作を説明する。図4はOFF状態を、図5はON状態をそれぞれ簡略化して示している。尚、これら図において、基本的には、メッシュのハッチングで表示した部分が金メッキされた部分、即ち、高周波信号を通す部分であると考えてよい。但し、上の説明から明らかなように、実際に金メッキを施す部分は、例えば、固定部11、12の上部のみならず、それら上部に連続する側面等にも及んでいるが、図面簡略化のため部材の上方領域にのみメッシュ部分を書き加えている。図4に示すOFF状態のスイッチにおいて、駆動電極16とバネ駆動部13の間、及び/又は、駆動電極16とバネ駆動部26の間に電圧を印加することにより、図5に示すように、バネ駆動部13をイ方向に変位させ、或いは、バネ駆動部26をウ方向に変位させ(便宜上この変位は記載していない)、或いは、それら双方を変位させることができる。この結果、バネ駆動部13と切換部17が接触し、絶縁部15によって分断されたバネ駆動部13は、切換部17によって導通され、固定部11と固定部12の間で高周波信号の伝達が行われる。バネ駆動部13と切換部17の接触時に固定部11と固定部12の間で流れる電流の領域は、メッシュ状の部分だけである。このことから明らかなように、本願では、絶縁部15を設けて両持ちバネの中間部(例えば、真中)を絶縁構造にしているため、余分なスタブ構造を作らず、言い換えれば、スタブ構造を回避して、高周波特性を向上させることが可能である。
図6、図7を参照して、第1の実施形態による高周波スイッチの製造工程を簡単に説明する。図6の(A)乃至(F)は、それぞれ、所定の製造工程における図3のA−A線断面、図7は、この製造工程を用いて完成した高周波スイッチの図3のB−B線断面図である。
先ず、スイッチの元になる構造体を準備する。この構造体は、底部を形成するシリコン(Si)60と、このシリコン60面上の同一層(1つの層)内に設けられるシリコン61とシリコン酸化膜(SiO2)62から成る。ここで、シリコン酸化膜62は、シリコン60とシリコン61の間に位置する。
工程(A)に示すように、先ず、この構造体に、フォトレジスト63を付与する。次いで、工程(B)に示すように、フォトレジスト63をリソグラフィーでパターニングした後、プラズマイオン等によるドライエッチング(Dry Reactive Ion Etching)によってシリコン61をシリコン酸化膜62の表面までエッチングする。
更に、工程(C)において、希釈したフッ酸でシリコン酸化膜62を部分的に除去した後、リリースによって、バネ駆動部13やバネ駆動部26のような所定部分を中空状態とする。このリリースは、シリコン酸化膜62全体に影響を及ぼすことから、例えば、バネ駆動部13やバネ駆動部26のようにリリースによってシリコン60やシリコン酸化膜62と離れた中空状態とする部分については、固定部11や固定部12のように中空状態としない部分に比べて、より多くのリリースが行われるよう面積部分(上方から見た面積領域)を小さくしておく必要がある。切換部17に設けた穴23は、このような理由から設けられている。
次いで、工程(D)で、部分的に導体、例えば、金(Au)等を堆積させる。尚、金等の導伝率の良い金属を部分的に堆積させる方法は、スパッタに限らずメッキ蒸着法等を用いることもできる。また、マスキング方法は、シャドー・マスク、レジストマスク等、様々な方法を利用することができる。更に、全面に金属を付着させた後に、エッチングによるパターニングを行うようにしてもよい。尚、工程(D)は、工程(D’)に代えることもできる。即ち、工程(D’)で、ウェハ上に電極配線されたガラスキャップ65を被せた後、ダイシングソーを利用して個々のチップへ切断してもよい。
その後、工程(E)に示すように、チップの切断は、裏面をパターニングしてドライエッチングする。ここで、最下位層はフォトレジスト68を示し、その上の層はAl(アルミニウム)又はシリコン酸化膜67を示す。最後に、工程(F)で、ガラスキャップ65を被せ、図7に示すような状態として終了である。
スイッチの実際の使用時には、図7に示すように、ウェハ上にガラスキャップ65を被せた状態としてあるため、固定部11や固定部12等、外部と電気接続する必要がある部分には、ガラスキャップ65の所定位置に設けた穴66を通じて半田のような導通部材69を接触させることができるようになっている。このような構成により、内部部品を外部から保護しつつ、外部との電気的接続を可能としてある。
以上の製造工程により、本願を構成する部材、即ち、主線路、副線路、駆動電極は、全て、ベース体のシリコン60上の同一面上に面方向にて同一層として形成される。このように全ての部材を同一層内に加工することにより、構造プロセスの簡略化でき、また、加工精度を上げることができる。
尚、上の実施形態では、主線路の他に副線路を設け、バネ駆動部13、26の双方を弾性変位可能としたが、例えば、切換部17の部分を固定して設け、主線路側のバネ駆動部13だけをこの固定電極側に弾性変位可能としてもよい。
次に、図8乃至図10を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。これら図8乃至図10において、第1の実施形態と同様の部材には同様の参照番号を用い、更に、第1の実施形態と区別するため、参照番号の最後に記号「A」を付す。
図8乃至図10はそれぞれ、第1の実施形態の図1、図4、図5に対応する。更に言えば、図8は、本発明の第2の実施形態による高周波スイッチの斜視図、図9、図10は、この高周波スイッチのON・OFF動作を簡略化して示したものであって、図9はOFF状態を、図10はON状態をそれぞれ示す。
この第2の実施形態による高周波スイッチは、第1の実施形態と同じく1入力1出力スイッチであるが、ここでは、入力と出力を長手方向両側ではなく一方側に1つずつ配するものとしてある。更に言えば、この第2の実施形態は、長手方向一端の2つの固定部、特に主線路の固定部12Aと副線路の固定部20Aを、高周波信号のための入力端子若しくは出力端子として利用し、それらの間をつなぐバネ駆動部13A、切換部17A、バネ駆動部26Aの長手方向の一方側を、高周波信号の導波路として利用するものである。ただし、これに限らず、第1の実施形態のように、これら1つの入力と1つの出力を長手方向両側に配してもよい。
第2の実施形態における主線路(11A、12A、13A)や副線路(19A、20A、26A)、駆動電極16Aの形態は、第1の実施形態におけるそれら主線路(11、12、13)や副線路(19、20、26)、駆動電極16の形態と変わりはない。相違店は、金メッキを施す部分だけである。即ち、第2の実施形態では、長手方向の一方側にのみ入力と出力を設けるとしていることから、金メッキする必要があるのは、バネ駆動部13Aのうちの固定部12A側だけ、バネ駆動部26Aのうちの固定部20A側だけ、及び、切換部17Aの端部のうちの固定部12Aや固定部20A側だけである。このように、主線路、副線路、駆動電極の形態は同じであっても、スイッチの用途に合せて、金メッキを施す部分を適当に変えることにより、容易に高周波信号を流す部分を変更できる。更に言えば、いずれの固定部を高周波信号の入力部や出力部として使用することもできるし、また、切換部17Aの一部を含む、いずれの部分を高周波信号の導波路として使用することもできる。故に、スイッチ形態は、これらの図に示したものに限られるわけではない。第2の実施形態では、切換部17の片側の端部だけが金メッキされていることから、その片側の端部だけが駆動接点24Aとして利用され、もう一方の片側端部は非駆動接点25Aとして利用されることになるだけである。このように、電気的な接点を駆動接点24Aの1箇所とすることにより、バネ駆動部26Aのバネ駆動部13Aに対する反力を更に高めることができ、したがって、駆動電圧が同じであっても接点剥離力を高めることができる。
図9、図10を参照して、第2の実施形態による高周波スイッチのON・OFF動作を説明する。駆動電極16−1A、16−2Aとバネ駆動部13Aの間、或いは、駆動電極16−1A、16−2Aとバネ駆動部26Aの間に電圧を印加していないとき、スイッチは、図9に示すようにOFF状態を保つ。一方、駆動電極16−1A、16−2Aとバネ駆動部13Aの間、及び/又は、駆動電極16−1A、16−2Aとバネ駆動部26Aの間に電圧を印加することにより、図10に示すように、バネ駆動部13Aを図示矢印イ方向に変位させ、或いは、バネ駆動部26Aを図示矢印ウ方向に変位させ(便宜上この変位は記載していない)、或いは、それら双方を変位させることができる。この結果、バネ駆動部13Aと切換部17Aが接触し、バネ駆動部13Aのうちの固定部12A側の金メッキ部分と、バネ駆動部26Aのうちの固定部20A側の金メッキ部分が、切換部17Aの固定部12Aや固定部20A側の金メッキ部分との接触を通じて導通され、固定部12Aと固定部20Aの間で高周波信号の伝達が行われることになる。
次に、図11乃至図14を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。これら図11乃至図14において、第1の実施形態と同様の部材には同様の参照番号を用い、更に、第1の実施形態と区別するため、参照番号の最後に記号「B」を付す。
図11乃至図14はそれぞれ、第1の実施形態の図1、図4、図5に対応する。更に言えば、図11は、本発明の第3の実施形態による高周波スイッチの斜視図、図12乃至図14は、この高周波スイッチのON・OFF動作簡略化して示したものであって、図12はOFF状態を、図13は第1のON状態を、図14は第2のON状態をそれぞれ示す。
第1及び第2の実施形態は、1入力1出力タイプのスイッチであったのに対して、この第3の実施形態による高周波スイッチは、1入力2出力タイプのスイッチである。図11乃至図14では、1つの入力と2つの出力を、第2の実施形態と同様に、長手方向の一方側に配したものを例示している。更に言えば、第3の実施形態では、長手方向一端の固定部、特に、主線路の固定部12Bを、高周波信号のための入力端子とし、副線路の固定部20B若しくは20B’を、高周波信号のための出力端子として利用し、それらの間をつなぐバネ駆動部13B、切換部17B、17B’、バネ駆動部26B、26B’の長手方向の一方側を、高周波信号の導波路として利用するものである。ただし、これに限らず、例えば、第1の実施形態や第2の実施形態のように、これら1つの入力と2つの出力を長手方向両側に適当に配してもよい。
この第3の実施形態によるスイッチは、バネ駆動部13Bの両側が、長手方向沿いに対称となっている。第2の実施形態と比較すると、第2の実施形態では、固定部11A、12Aをつなぐバネ駆動部13Aを境として、長手方向沿いの一方側にのみ設けられていた副線路(19A、20A、26A)と駆動電極が、第3の実施形態では、もう一方の側にも対称配置されている。対称配置された部材には「’」を付している。明らかなように、この第3の実施形態では、主線路(11B、12B、13B)は1つであるが、副線路(19B、19B’、20B、20B’、26B、26B’)と駆動部分(16−1B、16−2B、16−1B’、16−2B’)は、この1つの主線路に対して2組設けられていることになる。この結果、1つの主線路を、2つの副線路や2つの駆動電極を用いて両側から駆動できる。このような両側駆動構造にすることにより、2通りのON状態を設けることができ、また、駆動電圧を抑えて反力を強めること、換言すれば、駆動電圧を上げず接点固着を低減、防止でき、更に、応答時間を半減できる。
図12乃至図14を参照して、第3の実施形態による高周波スイッチのON・OFF動作を説明する。駆動電極16−1B、16−2Bとバネ駆動部13Bの間、或いは、駆動電極16−1B、16−2Bとバネ駆動部26Bの間、更に、駆動電極16−1B’、16−2B’とバネ駆動部13Bの間、或いは、駆動電極16−1B’、16−2B’とバネ駆動部26B’の間に電圧を印加していないとき、スイッチは、図12に示すようにOFF状態を保つ。一方、駆動電極16−1B、16−2Bとバネ駆動部13Bの間、及び/又は、駆動電極16−1B、16−2Bとバネ駆動部26Bの間に電圧を印加することにより、図13に示すように、バネ駆動部13Bを図示矢印カ方向に変位させ、或いは、バネ駆動部26Bを図示矢印キ方向に変位させ(便宜上この変位は記載していない)、或いは、それら双方を変位させることができる。この結果、バネ駆動部13Bと切換部17Bが接触し、バネ駆動部13Bのうちの固定部12B側の金メッキ部分と、バネ駆動部26Bのうちの固定部20B側の金メッキ部分が、切換部17Bの固定部12Bや固定部20B側の金メッキ部分との接触を通じて導通され、固定部12Bと固定部20Bの間で高周波信号の伝達が行われることになる。また、駆動電極16−1B’、16−2B’とバネ駆動部13Bの間、及び/又は、駆動電極16−1B’、16−2B’とバネ駆動部26Bの間に電圧を印加することにより、図14に示すように、バネ駆動部13Bを図示矢印ク方向に変位させ、或いは、バネ駆動部26B’を図示矢印ケ方向に変位させ(便宜上この変位は記載していない)、或いは、それら双方を変位させることができる。この結果、バネ駆動部13Bと切換部17B’が接触し、バネ駆動部13Bのうちの固定部12B側の金メッキ部分と、バネ駆動部26B’のうちの固定部20B側の金メッキ部分が、切換部17B’の固定部12Bや固定部20B’側の金メッキ部分との接触を通じて導通され、固定部12Bと固定部20B’の間で高周波信号の伝達が行われることになる。
尚、第3の実施形態のように、2通りのON状態を設けた場合には、例えば、図13に示すような状態で接点が固着してしまった場合であっても、図14に示す状態とするように電圧を印加することによって、このような固着状態を容易に解除することができる。つまり、2通りのON状態を設けることによって、固着を確実に防止することもできる。
尚、本発明のスイッチは、高周波信号の使用に適したものであるが、金メッキ等の導電性部材を設けた部分同士を直接接触させて導通させるものであるから、高周波信号のみならず、直流信号(AC)にも使用することができる。つまり、本発明のスイッチは、直流信号(AC)から高周波信号まで幅広く使用できるものである。
高周波信号を利用する様々な機器のための小型スイッチとして幅広く用いることができる。
本発明の第1の実施形態による高周波スイッチの斜視図である。 同高周波スイッチのスイッチ部分の拡大斜視図である。 同高周波スイッチのスイッチ部分の拡大平面図である。 同高周波スイッチのOFF状態を示す図である。 同高周波スイッチのON状態を示す図である。 所定の製造工程における図3のA−A線断面図である。 完成した高周波スイッチの図3のB−B線断面図である。 本発明の第2の実施形態による高周波スイッチの斜視図である。 同高周波スイッチのOFF状態を示す図である。 同高周波スイッチのON状態を示す図である。 本発明の第3の実施形態による高周波スイッチの斜視図である。 同高周波スイッチのOFF状態を示す図である。 同高周波スイッチの第1のON状態を示す図である。 同高周波スイッチの第2のON状態を示す図である。 従来の高周波スイッチの斜視図である。 同スイッチの動作状態における上面図である。 同スイッチの動作状態における上面図である。
符号の説明
11 固定部
12 固定部
13 バネ駆動部
14 金
15 絶縁部
16 駆動電極
17 駆動部
18 グランド
19 固定部
20 固定部
21 ストッパ
22 接点
24 駆動接点
25 非駆動接点
26 バネ駆動部
60 シリコン(ベース体)
61 シリコン
62 シリコン酸化膜
63 フォトレジスト
64 金
65 ガラスキャップ
68 フォトレジスト
69 導通部材

Claims (10)

  1. 高周波スイッチにおいて、駆動電極と、該駆動電極と自身の間に生じさせた静電力によって前記駆動電極側に弾性変位可能なバネ駆動部と、前記駆動電極側に弾性変位させた前記バネ駆動部との接触を通じて高周波信号の切換を行う切換部と、を同一層内に備え、
    前記バネ駆動部と前記切換部が接触していないときは前記バネ駆動部に高周波信号を通さないよう前記バネ駆動部と前記切換部の接触部付近を分断し、該分断された接触部付近を前記バネ駆動部と接触させた前記切換部によって中継することによりスイッチの切換を行うものであり、前記バネ駆動部は、前記同一層内において移動可能とされており、前記高周波信号を通す部分には導電性部材が設けられ、前記バネ駆動部は両持ちバネとして形成されていることを特徴とする高周波スイッチ。
  2. 前記駆動電極は前記切換部によって2つの駆動部分に分割されている請求項1に記載の高周波スイッチ。
  3. 前記切換部の先端側の両端に前記バネ駆動部側に突出した駆動接点を設けている請求項1又は2に記載の高周波スイッチ。
  4. 前記切換部は固定されている請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波スイッチ。
  5. 前記バネ駆動部の両側に前記切換部と前記駆動電極を対称に設けた請求項1乃至4のいずれかに記載の高周波スイッチ。
  6. 前記切換部は、前記駆動電極との間に生じさせた静電力によって前記駆動電極側に弾性変位可能な他のバネ駆動部に設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の高周波スイッチ。
  7. 前記駆動電極は、前記駆動電極の本体部分から電気的且つ物理的に切り離され、前記バネ駆動部側、或いは、前記他のバネ駆動部側に延びて、前記バネ駆動部と前記駆動電極との間、或いは、前記他のバネ駆動部と前記駆動電極との間の過剰な接触を防止するストッパを有する請求項6に記載の高周波スイッチ。
  8. 高周波スイッチにおいて、第一線路と第二線路と駆動電極を同一層内に有し、
    前記第一線路は、前記駆動電極の隣接に配置された前記駆動電極側に弾性変位可能なバネ駆動部を有し、
    前記第二線路は、前記バネ駆動部の隣接に対向配置された固定された切換部を有し、
    前記バネ駆動部の中間部付近は絶縁されており、前記バネ駆動部と前記駆動電極の間に生じさせた静電力によって前記バネ駆動部を前記駆動電極側に変位させ、前記バネ駆動部の絶縁部以外の部分と前記切換部とを接触させることにより、前記バネ駆動部の絶縁部以外の部分を前記切換部を用いて導通させて、高周波信号の切換を行うことを特徴とする高周波スイッチ。
  9. 高周波スイッチにおいて、第一線路と第二線路と駆動電極を同一層内に有し、
    前記第一線路は、前記駆動電極の隣接に配置された前記駆動電極側に弾性変位可能な第一のバネ駆動部を有し、
    前記第二線路は、前記第一のバネ駆動部の隣接に対向配置された切換部を有する、前記駆動電極の隣接に配置された前記駆動電極側に弾性変位可能な第二のバネ駆動部を有し、
    前記第一のバネ駆動部の中間部付近は絶縁されており、前記第一のバネ駆動部と前記駆動電極との間、或いは、前記第二のバネ駆動部と前記駆動電極との間、或いは、それら双方の間に生じさせた静電力によって前記第一のバネ駆動部、及び/又は、前記第二のバネ駆動部を前記駆動電極側に変位させ、前記第一のバネ駆動部の絶縁部以外の部分と前記切換部とを接触させることにより、前記第一のバネ駆動部の絶縁部以外の部分を前記切換部を用いて導通させて、高周波信号の切換を行うことを特徴とする高周波スイッチ。
  10. 高周波スイッチにおいて、第一線路と第二線路と駆動電極を同一層内に有し、
    前記第一線路は固定されており、
    前記第二線路は、前記第一線路の隣接に対向配置された切換部を有する、前記駆動電極の隣接に配置された前記駆動電極側に弾性変位可能なバネ駆動部を有し、
    前記第一線路の中間部付近は絶縁されており、前記バネ駆動部と前記駆動電極の間に生じさせた静電力によって前記バネ駆動部を前記駆動電極側に変位させ、前記第一線路の絶縁部以外の部分と前記切換部とを接触させることにより、前記第一線路の絶縁部以外の部分を前記切換部を用いて導通させて、高周波信号の切換を行うことを特徴とする高周波スイッチ。
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