JP2008041176A - 光ディスク装置および光ディスク制御方法 - Google Patents

光ディスク装置および光ディスク制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】出力信号のSN比を低下させず、消費電力を抑制することができるようにする。
【解決手段】光ディスク装置81において、DVD−R,DVD−RW,DVD+R_Dual、またはDVD+RW_Dualのいずれかのディスク種類の光ディスク2が装着されると、マイクロコンピュータ101は、ディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた電源電圧Vcc1を決定し、電源電圧Vcc1を表す制御信号Pvcc1をレギュレータ104に供給する。レギュレータ104は、電源電圧Vcc1をPD−IC16に供給する。データの記録時において、光ディスク2の記録面で反射された戻り光が、PD−IC16のフォトディテクタ41で受光され、PD−IC16は、受光量に応じた信号を信号演算回路21に出力する。本発明は、例えば、光ディスク装置に適用できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、光ディスク装置および光ディスク制御方法に関し、特に、出力信号のSN比を低下させず、消費電力を抑制することができるようにする光ディスク装置および光ディスク制御方法に関する。
CD(Compact Disc)−R(Recordable)やCD−RW(ReWritble)、DVD(Digital Versatile Disc)−R,DVD−RW,DVD+R、およびDVD+RWなど、複数種類の光ディスクに対してデータの記録または再生が可能な光ディスク装置が知られている。
光ディスクに照射するときの光(レーザ光)のパワーや波長、光の反射率などは、光ディスクの種類によって異なるため、上述の光ディスク装置内の受光素子が、光ディスクに反射されて返ってきた戻り光を受光したときの受光量もディスク種類によって異なる。また、通常は、同一のディスク種類であっても記録と再生で光ディスクに照射するパワーを変えるため、記録と再生でも受光素子における受光量は異なる。
そのため、受光素子の後段に設けられているI−Vアンプでは、どの種類の光ディスクを記録または再生した場合であっても出力電圧が飽和しないように、受光素子が受光する最大受光量に合わせてトランスインピーダンス(帰還抵抗の抵抗値)が設定されている。
しかしながら、逆に言うと、受光素子が最大受光量で受光することは少なく、通常のほとんどは、最大受光量よりも低い受光量で受光すると言える。I−Vアンプが出力する信号に含まれるノイズは受光量の大小にかかわらず一定であると考えられるので、受光量が少なくなるほど、出力信号のSN比(Signal/Noise比)が低下することを意味する。
そこで、従来の光ディスク装置では、トランスインピーダンスを数種類設け、記録と再生、または、ディスク種類に応じてゲインを切替えるようにして、受光量が少ない場合であっても出力信号のSN比を高くするようにしているものもある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−251300号公報
ところで、近年の光ディスク装置では、2層記録の採用や記録速度の高速化などのため、データの記録時に光ディスクに照射する光のパワーを大きくする傾向にある。
光ディスクに照射する光のパワーが大きくなると、それに応じて受光素子での受光量も大きくなるため、I−Vアンプの出力電圧が飽和しないように、ゲインをより低くする必要がある。このゲインの低下に伴い、受光量が少ないディスク種類の光ディスクに対してデータ記録するときの出力信号のSN比は、より一層低下する。
出力信号のSN比を低下させないためには、従来と同様に、ゲインの切替え段数をさらに増やすことが考えられるが、この場合、切替え信号の増加に関わる回路規模の増大、部品の大型化、コストアップなどの問題が生じる。
あるいは、受光量が増大しても出力電圧が飽和しないように、出力電圧が飽和するまでの受光量を引き上げるために、I−Vアンプに供給する電源電圧を高くすることも考えられるが、そのようにすると消費電力が大きくなるという問題がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、出力信号のSN比を低下させず、消費電力を抑制することができるようにするものである。
本発明の一側面の光ディスク装置は、光ディスクに光を照射するとともに、前記光ディスクに反射して戻ってきた戻り光を受光することにより、データの再生または記録を行う光ディスク装置において、前記戻り光の受光量に応じた信号を出力する信号出力手段と、前記光ディスクのディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた電源電圧を決定する電源電圧決定手段と、決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給する電源電圧供給手段とを備える。
前記電源電圧決定手段には、判別された前記ディスク種類の、光ディスクに照射する光の最適なパワーと光ディスクの反射率とから、前記電源電圧を決定させることができる。
前記光ディスクに照射する光の最適なパワーと前記反射率とを、前記ディスク種類ごとに記憶する記憶手段をさらに設けることができる。
前記電源電圧決定手段には、装着された前記光ディスクに対してフォーカスサーチを実行したときのプルイン信号レベルに基づいて、前記光ディスクのディスク種類を判別させることができる。
前記電源電圧決定手段には、さらに、前記プルイン信号レベルに基づいて、装着された前記光ディスクの反射率を決定し、決定された前記反射率と、判別された前記ディスク種類の前記光ディスクに照射する光の最適なパワーとから、前記電源電圧を決定させることができる。
本発明の一側面の光ディスク制御方法は、光ディスクに照射した光が前記光ディスクに反射して戻ってきた戻り光の受光量に応じた信号を出力する信号出力手段と、前記光ディスクのディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた電源電圧を決定する電源電圧決定手段と、決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給する電源電圧供給手段とを備え、前記光ディスクに光を照射するとともに、前記戻り光を受光することにより、データの再生または記録を行う光ディスク装置の光ディスク制御方法において、前記光ディスクのディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた前記電源電圧を決定し、決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給するステップを含む。
本発明の一側面においては、光ディスクのディスク種類が判別され、その判別されたディスク種類に応じた電源電圧が決定され、決定された電源電圧が信号出力手段に供給される。
本発明の一側面によれば、出力信号のSN比を低下させず、消費電力を抑制することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の光ディスク装置は、光ディスクに光を照射するとともに、前記光ディスクに反射して戻ってきた戻り光を受光することにより、データの再生または記録を行う光ディスク装置(例えば、図4の光ディスク装置81)において、前記戻り光の受光量に応じた信号を出力する信号出力手段(例えば、図4のPD−IC16)と、前記光ディスクのディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた電源電圧を決定する電源電圧決定手段(例えば、図4のマイクロコンピュータ101)と、決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給する電源電圧供給手段(例えば、図4のレギュレータ104)とを備える。
本発明の一側面の光ディスク装置は、前記光ディスクに照射する光の最適なパワーと前記反射率とを、前記ディスク種類ごとに記憶する記憶手段(例えば、図4のROM102)をさらに備える。
本発明の一側面の光ディスク制御方法は、光ディスクに照射した光が前記光ディスクに反射して戻ってきた戻り光の受光量に応じた信号を出力する信号出力手段と、前記光ディスクのディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた電源電圧を決定する電源電圧決定手段と、決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給する電源電圧供給手段とを備え、前記光ディスクに光を照射するとともに、前記戻り光を受光することにより、データの再生または記録を行う光ディスク装置の光ディスク制御方法において、前記光ディスクのディスク種類を判別し(例えば、図8のステップS2)、その判別されたディスク種類に応じた前記電源電圧を決定し(例えば、図8のステップS5)、決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給する(例えば、図9のステップS23)ステップを含む。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明するが、その前に、従来の光ディスク装置について簡単に説明する。
図1は、従来の光ディスク装置1の構成例を示すブロック図である。
光ディスク装置1は、そこに装着された光ディスク2に対して、データの記録または再生を行う装置である。光ディスク2は、例えば、データの書込みと読み出しの両方が可能なDVD(Digital Versatile Disc)−R(Recordable),DVD−RW(ReWritble),DVD+R_Dual(2層記録対応)、およびDVD+RW_Dual(2層記録対応)などや、読み出しのみが可能なDVD−ROM(Read Only Memory)などである。
光ディスク装置1において、レーザダイオード(以下、LDと称する)11は、LD駆動回路26の制御に従い、所定の出射パワーで、例えば、650ナノメートル(nm)の波長の光(レーザ光)を出射する。
LD11から出射された光は、ビームスプリッタ(以下、BSと称する)12に入射される。BS12は、2つのプリズム12aおよび12bが接合されて構成されている。BS12に入射されたLD11からの光は、プリズム12aと12bとの接合面12cで反射されてフロントモニタフォトディテクタ(以下、FPDと称する)13に入射される光と、接合面12cを透過して対物レンズ14に入射される光に分割される。
FPD13は、LD11が出射する光のパワー(以下、出射パワーと称する)をモニタするために設けられている。FPD13は、接合面12cで反射されて入射してくる光を受光し、受光量に応じた電気信号(電流値)をLD駆動回路26に出力する。
対物レンズ14は、接合面12cを透過して入射されてくる光を集光させ、光ディスク2の記録面に光スポットを形成する。なお、以下において、光ディスク2の記録面に照射されるときの光のパワーを記録パワーと称し、LD11が出射したときの光のパワーを出射パワーと称する。記録パワーと出射パワーとでは、LD11から出射された光がBS12で分割されたり、複数の光学部品を通過するので、記録パワーの方が出射パワーよりも低くなる。
光ディスク2の記録面で反射された光(以下、戻り光と称する)は、再び対物レンズ14を通過して、BS12に入射される。BS12に入射された戻り光は、BS12の接合面12cで反射される。そして、BS12の接合面12cで反射された戻り光は、シリンドリカルレンズ15によって非点収差が与えられ、フォトディテクタ−IC(Integrated Circuit)(以下、PD−ICと称する)16で収束する。
PD−IC16は、戻り光を受光するとともに、受光量に応じた電流信号を出力するフォトディテクタ41と、電流信号を電圧信号に変換して増幅するI−Vアンプ42(いずれも図2参照)により構成されている。PD−IC16は、戻り光の受光量に応じた電圧信号を信号演算回路21に出力する。また、PD−IC16には、光ディスク2にデータを記録する場合と光ディスク2に記録されているデータを再生する場合とでI−Vアンプ42のトランスインピーダンスを切替えるための制御信号PSWが供給される。
信号演算回路21は、PD−IC16から供給される電気信号から、データの再生または記録用のデータ検出信号(以下、RF信号と称する)、フォーカスエラー信号(以下、FE信号と称する)、およびトラッキングエラー信号(以下、TE信号と称する)を算出し、A/D変換回路22に供給する。A/D変換回路22は、信号演算回路21から供給されるアナログのRF信号、FE信号、およびTE信号を、デジタルの信号に変換し、マイクロコンピュータ23に供給する。
マイクロコンピュータ23は、ROM(Read Only Memory)24に記憶されている制御プログラムに従い、光ディスク装置1の各部を制御する。例えば、マイクロコンピュータ23は、FE信号およびTE信号に基づいて、図示せぬトラッキングモータおよび3軸アクチュエータの駆動を制御する。
また例えば、マイクロコンピュータ23は、ユーザの操作に基づいて操作部27から供給される再生指示信号または記録指示信号などに従い、装着された光ディスク2にデータを記録する場合には光ディスク装置1の動作モードを記録モードに設定したり、装着された光ディスク2に記録されているデータを再生する場合には光ディスク装置1の動作モードを再生モードに設定する。なお、光ディスク装置1の起動直後においては、動作モードは再生モードに設定される。
マイクロコンピュータ23は、光ディスク装置1が再生モードであるか、または記録モードであるかに応じて異なる制御信号PSWをPD−IC16に供給する。
また、マイクロコンピュータ23は、装着された光ディスク2にデータを記録する場合と、光ディスク2に記録されたデータを再生する場合とで、異なる記録パワーPWをLD駆動回路26に供給する。
ROM24は、マイクロコンピュータ23によって読み出される制御プログラムや、光ディスク装置1の制御に必要な固定データを記憶する。また、RAM(Random Access Memory)25には、光ディスク装置1の制御に一時的に必要となるデータが適宜記憶される。
LD駆動回路26は、マイクロコンピュータ23から供給される記録パワーPWに対応する出射パワーを算出し、算出された出射パワーで発光するようにLD11を制御する。なお、LD11の制御においては、FPD13からフィードバックされる電気信号が参照される。
操作部27は、例えば、データの記録を開始させる記録ボタン、光ディスク2に記録されたデータの再生を開始させる再生ボタン、再生または記録を一時停止させる一時停止ボタンなどの各種のボタンを備え、ユーザによって操作されたボタンに対応する動作指示信号(上述した再生指示信号や記録指示信号など)をマイクロコンピュータ23に供給する。
図2は、PD−IC16の詳細な構成例を示している。
PD−IC16は、上述したように、戻り光の受光量に応じた電流信号を出力するフォトディテクタ41と、電流信号を電圧信号に変換して増幅するI−Vアンプ42により構成される。I−Vアンプ42は、オペアンプ51、r1およびr2の抵抗値をそれぞれ有する帰還抵抗52および53、並びにゲインSW(スイッチ)54により構成される。
光ディスク2の記録面で反射された戻り光は、BS12およびシリンドリカルレンズ15(図1)を介してフォトディテクタ41に入射される。フォトディテクタ41の出力は、オペアンプ51の−入力端子(反転端子)と接続されており、フォトディテクタ41は、戻り光の受光量に応じた電流信号をオペアンプ51の−入力端子に供給する。
オペアンプ51の−入力端子には、フォトディテクタ41からの電流信号が入力され、オペアンプ51の+入力端子(非反転端子)には、基準バイアス電圧Vcが加えられる。オペアンプ51は、−入力端子に入力される電流信号に対応する電圧Vo(の電圧信号)を信号演算回路21に出力する。
なお、オペアンプ51には、PD−IC16に供給されているのと同一の固定の電源電圧Vccが供給されている。以下において、PD−IC16に供給される電源電圧をPDIC電源電圧と称する。
オペアンプ51の−入力端子は、帰還抵抗52および53の一端とも接続されており、帰還抵抗52および53の他端は、オペアンプ51の出力端子と接続されている。なお、帰還抵抗53の、オペアンプ51の−入力端子と接続されている一端とは異なる他端と、オペアンプ51の出力端子との間には、ゲインスイッチ54が接続されており、ゲインスイッチ54がマイクロコンピュータ23(図1)からの制御信号PSWに応じてオンしている場合には、並列接続された帰還抵抗52と53が、オペアンプ51の−入力端子と出力端子の間に接続される。一方、ゲインスイッチ54がマイクロコンピュータ23からの制御信号PSWに応じてオフしている場合には、オペアンプ51の−入力端子と出力端子は、帰還抵抗52だけを介して接続される。
マイクロコンピュータ23は、光ディスク2に記録されているデータを再生する場合、ゲインスイッチ54をオフさせる制御信号PSWをPD−IC16のI−Vアンプ42に供給する。ゲインスイッチ54がオフされた場合、オペアンプ51の−入力端子と出力端子との間には、帰還抵抗52のみが介在し、光ディスク装置81は高ゲインモードとなる。
一方、光ディスク2にデータを記録する場合、マイクロコンピュータ23は、ゲインスイッチ54をオンさせる制御信号PSWをPD−IC16のI−Vアンプ42に供給する。ゲインスイッチ54がオンされた場合、オペアンプ51の−入力端子と出力端子との間には、並列接続された帰還抵抗52および53が介在し、光ディスク装置81は低ゲインモードとなる。
即ち、マイクロコンピュータ23は、ゲインスイッチ54をオンまたはオフさせて、トランスインピーダンスを切り替えることにより、I−Vアンプ42を、高ゲインモードか、または、低ゲインモードのいずれかに切り替える。
図3は、高ゲインモードおよび低ゲインモードにおけるI−Vアンプ42の出力電圧Voを示す図である。
図3において、横軸は、フォトディテクタ41からの出力Pin[ワット(W)]を表し、縦軸は、I−Vアンプ42の出力電圧Vo[ボルト(V)]を表す。
実線で示される直線fLOWは、低ゲインモードにおける、フォトディテクタ41からの出力Pinと、I−Vアンプ42の出力電圧Voとの関係を表し、実線で示される直線fHIGHは、高ゲインモードにおける、フォトディテクタ41からの出力Pinと、I−Vアンプ42の出力電圧Voとの関係を表す。
フォトディテクタ41が最大の受光量を受光したときのフォトディテクタ41からの出力Pmaxにおいて、I−Vアンプ42の出力電圧Voが最大値Vomaxとなるように、低ゲインモードが設定されている。
図3において、出力電圧Voの最大値Vomaxと基準バイアス電圧Vcの差(VDR=Vomax−Vc)が、I−Vアンプ42の出力電圧Voのダイナミックレンジ(出力ダイナミックレンジ)VDRとなる。
低ゲインモードでは、受光量が少ないときI−Vアンプ42の出力電圧Voが小さくなるので、フォトディテクタ41からの出力Pinが小さい場合であっても出力電圧Voが大きくなるように、高ゲインモードが設定されている。
なお、PDIC電源電圧Vccと出力電圧Voの最大値Vomaxとの電位差Vβは、PD−IC16の回路で決定される固定の値である。
さて、図1の光ディスク装置1に対して、2層記録の採用や記録速度の高速化などのために、データの記録時に、より大きな記録パワーが必要となった場合、単純にLD11の出射パワーをより大きくすると、フォトディテクタ41の受光量も大きくなるので、フォトディテクタ41からの出力がPmaxを超えるときが生じる。出力Pmax以上では、I−Vアンプ42の出力電圧Voが飽和してしまうため、受光量に応じた正確な信号を出力することができなくなる。
出力電圧Voの飽和を回避する対策として、例えば、帰還抵抗53の抵抗値r2を変更して、図3において1点鎖線で示されるように、低ゲインモードのときの直線fLOWの傾斜を小さくすることが考えられる。
しかしながら、直線fLOWの傾斜を小さくすると、確率的には発生することが少ない、最大の受光量でフォトディテクタ41が受光したときのために、出力信号のSN比を全体的に低下させることになる。
あるいは、その他の対策として、例えば、もう1つの帰還抵抗を帰還抵抗52および53と並列に新たに接続させ、図3において1点鎖線で示されるような第2の低ゲインモードを設けることが考えられる。
しかしながら、モードを追加するとなると、追加モードに対応する帰還抵抗の回路と、その回路を制御する制御回路が追加されることになり、回路規模の増大、部品の大型化などの問題が生じる。
さらに、その他の対策として、PDIC電源電圧Vccを高くすることも考えられる。なぜなら、PDIC電源電圧Vccを高くすると、PDIC電源電圧Vccと出力電圧Voの最大値Vomaxとの電位差Vβが一定であるので、最大値Vomaxが引き上げられることになり、出力信号のSN比を低下させずに、I−Vアンプ42の出力電圧Voの飽和を防止することができるからである。しかしながら、PDIC電源電圧Vccを高くすると、消費電力が増大するという問題が生じる。
従って、図1の光ディスク装置1において、データの記録時に、より大きな記録パワーが必要となった場合、出力信号のSN比を低下させず、かつ、I−Vアンプ42の出力電圧Voの飽和を防止して、受光量に応じた正確な信号を出力するためには、記録パワーの増大に対応させてPDIC電源電圧Vccを引き上げることになり、消費電力が増大する。
そこで、図4は、データの記録時に、より大きな記録パワーが必要となった場合でも、出力信号のSN比を低下させずに、I−Vアンプ42の出力電圧Voの飽和を防止し、かつ、消費電力を抑制するようにした光ディスク装置81を示している。
即ち、図4は、本発明を適用した光ディスク装置の一実施の形態の構成例を示している。
なお、図4の光ディスク装置81において、図1と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
また、データの再生時においては、光ディスク装置81は、光ディスク装置1と同様の動作を行うので、本実施の形態では、光ディスク装置81が、光ディスク2に対してデータを記録する場合についてのみ説明する。
光ディスク装置81は、マイクロコンピュータ23、ROM24、およびRAM25に代えてマイクロコンピュータ101、ROM102、およびRAM103を有し、レギュレータ104をさらに有する点において、光ディスク装置1と相違する。
マイクロコンピュータ101、ROM102、およびRAM103それぞれは、ハードウエア構成としては、図1のマイクロコンピュータ23、ROM24、およびRAM25と同様であるが、ROM102に記憶されている制御プログラムによってマイクロコンピュータ101が行う処理と、ROM102およびRAM103に記憶されるデータが、マイクロコンピュータ23、ROM24、およびRAM25とは一部異なる。
マイクロコンピュータ101は、マイクロコンピュータ23と同様に、操作部27から供給される再生指示信号または記録指示信号などに従い、光ディスク装置81の動作モードを、記録モードまたは再生モードに設定する。
また、マイクロコンピュータ101は、光ディスク2が光ディスク装置81に装着されると、その装着された光ディスク2のディスク種類を判別する。例えば、マイクロコンピュータ101は、フォーカスサーチを行ったときの、複数分割されているフォトディテクタ41の受光面それぞれの電気信号の総和のピークレベル(いわゆるプルイン信号レベル)に基づいて、ディスク種類を判別する。
そして、マイクロコンピュータ101は、ディスク種類の判別結果に基づいて、装着された光ディスク2の反射率Ref1と、光ディスク2にデータを記録する場合にLD駆動回路26に供給する記録パワーPW1を決定する。具体的には、マイクロコンピュータ101は、ROM102に記憶されている反射率テーブルと記録パワーテーブルから、判別されたディスク種類の反射率と記録パワーを取得することにより、反射率Ref1と記録パワーPW1を決定する。
マイクロコンピュータ101は、光ディスク2の反射率Ref1と記録パワーPW1に基づいて、装着された光ディスク2に対してデータの記録を行ったときPD−IC16から出力される出力電圧Voを予測する。さらに、マイクロコンピュータ101は、この予測された出力電圧(以下、予測出力電圧Vo’と称する)に、予測値からの変動幅を考慮した所定のマージン(電位差)Vαを加えた予測最大出力電圧Vomax’を算出する。また、マイクロコンピュータ101は、予測最大出力電圧Vomax’が得られると、PD−IC16の回路に固定の電位差Vβを加算することにより、装着された光ディスク2にデータを記録するときPD−IC16に供給するPDIC電源電圧Vcc1を決定する。
マイクロコンピュータ101は、以上のようにして決定した記録パワーPW1とPDIC電源電圧Vcc1をRAM103に供給し、記憶させる。
ユーザによって操作部27の記録ボタンが押下され、操作部27からマイクロコンピュータ101に記録指示信号が供給されると、マイクロコンピュータ101は、ゲインスイッチ54をオンさせる制御信号PSWをPD−IC16のI−Vアンプ42(図7参照)に供給するとともに、RAM103に記憶されているPDIC電源電圧Vcc1を表す制御信号Pvcc1を、レギュレータ104に供給する。また、マイクロコンピュータ101は、RAM103に記憶されている記録パワーPW1をLD駆動回路26に供給する。
ROM102は、上述した反射率テーブルと記録パワーテーブルを記憶する。即ち、ROM102は、光ディスク2のディスク種類ごとの、光ディスク2の反射率と最適な記録パワーを記憶する。RAM103は、いま装着されている光ディスク2に対して決定された、記録パワーPW1とPDIC電源電圧Vcc1を一時記憶する。
レギュレータ104は、安定化電源回路であり、マイクロコンピュータ101から供給された制御信号Pvcc1に対応するPDIC電源電圧Vcc1を、PD−IC16に供給する。なお、マイクロコンピュータ101からレギュレータ104に供給される制御信号Pvcc1は、デジタル信号またはアナログ信号のどちらで供給しても良く、アナログ信号として供給する場合には、D/A変換回路がマイクロコンピュータ101とレギュレータ104との間に適宜設けられる。また、レギュレータ104の代わりにDC−DCコンバータを採用してもよい。
図5は、ROM102に記憶されている反射率テーブルの例を示し、図6は、ROM102に記憶されている記録パワーテーブルの例を示している。
反射率テーブルでは、図5に示されるように、DVD−R,DVD−RW,DVD+R_Dual、およびDVD+RW_Dualの各ディスク種類と、そのディスク種類の光ディスク2の反射率Refr,Refrw,Refrd、およびRefwdとが対応付けられて記憶されている。
また、記録パワーテーブルでは、図6に示されるように、DVD−R,DVD−RW,DVD+R_Dual、およびDVD+RW_Dualの各ディスク種類と、そのディスク種類に最適な記録パワーPWr,PWrw,PWrd、およびPWwdとが対応付けられて記憶されている。
マイクロコンピュータ101は、装着された光ディスク2のディスク種類の判別結果に応じて、反射テーブルの反射率Refr,Refrw,Refrd、またはRefwdのいずれかを反射率Ref1として取得するとともに、記録パワーテーブルの記録パワーPWr,PWrw,PWrd、またはPWwdのいずれかを記録パワーPW1として取得する。
図7は、PD−IC16の詳細な構成例を示している。
光ディスク装置81のPD−IC16は、光ディスク装置1における場合と同様に、戻り光の受光量に応じた電流信号を出力するフォトディテクタ41と、電流信号を電圧信号に変換して増幅するI−Vアンプ42により構成される。
しかしながら、光ディスク装置1においては、DVD−R,DVD−RW,DVD+R_Dual、またはDVD+RW_Dualのどのディスク種類においても同一の(固定の)PDIC電源電圧Vccがオペアンプ51に供給されていたが、光ディスク装置81では、図7に示されるように、判別されたディスク種類に応じて決定されたPDIC電源電圧Vcc1がオペアンプ51に供給される。即ち、光ディスク装置81では、オペアンプ51に供給されるPDIC電源電圧Vcc1は、ディスク種類に応じて可変する。
次に、図8のフローチャートを参照して、光ディスク装置81の起動処理について説明する。この処理は、例えば、光ディスク装置81の電源投入後、光ディスク装置81に光ディスク2が装着されたとき開始される。
初めに、ステップS1において、マイクロコンピュータ101は、光ディスク装置81の動作モードを再生モードに設定するとともに、ゲインSW54をオフさせる制御信号PSWをPD−IC16のI−Vアンプ42に供給する。
ステップS2において、マイクロコンピュータ101は、装着された光ディスク2のディスク種類を判別する。具体的には、マイクロコンピュータ101は、フォーカスサーチを行ったときのプルイン信号レベルに基づいて、ディスク種類を判別する。なお、このとき、LD11は、データ再生時の出射パワーで光を出射している。
ステップS3において、マイクロコンピュータ101は、ディスク種類の判別結果に基づいて、装着された光ディスク2の反射率Ref1を決定する。具体的には、マイクロコンピュータ101は、ROM102に記憶されている反射率テーブル(図5)から、判別されたディスク種類に対応する光ディスク2の反射率Refr,Refrw,Refrd、またはRefwdを取得することにより、光ディスク2の反射率Ref1を決定する。
ステップS4において、マイクロコンピュータ101は、ディスク種類の判別結果に基づいて、データ記録時の記録パワーPW1を決定する。具体的には、マイクロコンピュータ101は、ROM102に記憶されている記録パワーテーブル(図6)から、判別されたディスク種類に対応する記録パワーPWr,PWrw,PWrd、またはPWwdを取得することにより、データ記録時の記録パワーPW1を決定する。ここで決定された記録パワーPW1は、RAM103に供給され、記憶される。
ステップS5において、マイクロコンピュータ101は、光ディスク2の反射率Ref1と記録パワーPW1に基づいて、PDIC電源電圧Vcc1を決定する。
具体的には、マイクロコンピュータ101は、最初に、PD−IC16からの出力電圧Voを予測した予測出力電圧Vo’を、反射率Ref1と記録パワーPW1との積によって求める。次に、I−Vアンプ42からの出力電圧Voに多少の変動があっても飽和しないように、マイクロコンピュータ101は、予測出力電圧Vo’に所定のマージンVαを加えた予測最大出力電圧Vomax’を算出する。さらに、マイクロコンピュータ101は、予測最大出力電圧Vomax’に対して、PD−IC16の回路に固定の電位差Vβを加算することにより、PDIC電源電圧Vcc1を決定する。
ステップS6において、マイクロコンピュータ101は、決定されたPDIC電源電圧Vcc1をRAM103に供給し、記憶させて、処理を終了する。
次に、図9のフローチャートを参照して、ユーザによって光ディスク2に対するデータの記録が指示された場合に開始される、光ディスク装置81の記録処理について説明する。
初めに、ステップS21において、マイクロコンピュータ101は、光ディスク装置81の動作モードを記録モードに設定するとともに、ゲインSW54をオンさせる制御信号PSWをPD−IC16のI−Vアンプ42に供給する。
ステップS22において、マイクロコンピュータ101は、RAM103に記憶されているPDIC電源電圧Vcc1を読み出し、PDIC電源電圧Vcc1を表す制御信号Pvcc1をレギュレータ104に供給する。
ステップS23において、レギュレータ104は、マイクロコンピュータ101から供給された制御信号Pvcc1に対応するPDIC電源電圧Vcc1を、PD−IC16に供給する。
ステップS24において、マイクロコンピュータ101は、RAM103に記憶されている記録パワーPW1を読み出し、LD駆動回路26に供給する。
ステップS25において、マイクロコンピュータ101は、記録動作を開始させる。即ち、マイクロコンピュータ101は、LD駆動回路26、図示せぬスピンドルモータおよび3軸アクチュエータなどの駆動を開始させる。これにより、図示せぬデータ入力部から入力された記録データに対応して、記録パワーPW1の光が、光ディスク2の記録面に照射されるとともに、光ディスク2の記録面で反射された戻り光が、PD−IC16のフォトディテクタ41で受光される。
ステップS26において、マイクロコンピュータ101は、記録データの入力が終了したかを判定する。ステップS26で、記録データの入力がまだ終了していないと判定された場合、即ち、図示せぬデータ入力部から記録データがまだ入力されている場合、マイクロコンピュータ101は、記録データに対応する記録動作を継続する。
一方、ステップS26で、記録データの入力が終了したと判定された場合、ステップS27において、マイクロコンピュータ101は、記録動作を終了させるとともに、動作モードを再生モードに設定し、処理を終了する。
以上のように、光ディスク装置81では、ディスク種類の判別結果に基づいて、光ディスク2の反射率Ref1と記録パワーPW1を決定し、その決定された反射率Ref1と記録パワーPW1から、さらにPDIC電源電圧Vcc1を決定するので、光ディスク2のディスク種類ごとにPD−IC16に供給されるPDIC電源電圧は変化する。
図10を参照して、光ディスク装置1と比較した光ディスク装置81の効果について説明する。
図10Aは、図3に示したのと同一の、光ディスク装置1のI−Vアンプ42の出力電圧Voを示す図である。一方、図10Bは、光ディスク装置81のI−Vアンプ42の出力電圧Vo’を示す図である。
図2と図7を参照して説明したように、光ディスク装置1と光ディスク装置81とでは、同一のPD−IC16を構成として採用しているので、図10Aに示される直線fHIGHと直線fLOWの傾きと、図10Bに示される直線fHIGHと直線fLOWの傾きは同じである。
しかしながら、光ディスク装置1では、どのディスク種類の光ディスク2に対してデータを記録する場合であっても、オペアンプ51に供給される電源電圧は、図10Aに示されるように、常に一定のVccである。
これに対して、光ディスク装置81では、データを光ディスク2に記録するときオペアンプ51に供給される電源電圧は、ディスク種類に応じて変動する。
例えば、光ディスク装置81の起動処理において、フォーカスサーチを行ったときのプルイン信号レベルに基づいてディスク種類が判別され、その判別されたディスク種類に対して、例えば、図10Aに示されるように、出力電圧Voの最大値Vomaxと基準バイアス電圧Vcとの中間の値である予測出力電圧Vo’が求められたとする。
この場合、マイクロコンピュータ101は、図10Bに示されるように、予測出力電圧Vo’に所定のマージンVαを加えた予測最大出力電圧Vomax’を算出し、さらに、PD−IC16の回路に固定の電位差Vβを予測最大出力電圧Vomax’に加算することにより、いわば逆算的にPDIC電源電圧Vcc1を決定する。
従って、予測出力電圧Vo’が図10Aにおける最大出力電圧VomaxからマージンVαを引いた差以上である(Vo’>Vomax−Vα)場合を除いて、PD−IC16(のオペアンプ51)に供給されるPDIC電源電圧Vcc1は、光ディスク装置1におけるPDIC電源電圧Vccより低くなる。
また、フォトディテクタ41が最大の受光量を受光したとき、即ち、フォトディテクタ41からの出力がPmaxであるときには、予測最大出力電圧Vomax’も最大値Vomaxとなるように引き上げられるので、光ディスク装置81でI−Vアンプ42の出力電圧Voが飽和することはない。また、図10Aに示される直線fHIGHと直線fLOWの傾きと、図10Bに示される直線fHIGHと直線fLOWの傾きは同じであるので、光ディスク装置1と比較して出力信号のSN比も低下しない。
即ち、光ディスク装置81は、出力信号のSN比を低下させずに、I−Vアンプ42の出力電圧Voの飽和を防止し、かつ、消費電力を抑制することができる。
なお、光ディスク装置のなかには、データを光ディスクに記録する場合に間欠記録動作を行うものがある。間欠記録動作とは、例えば映像または音声データなどの、記録する元のデータ(オリジナルデータ)を圧縮してから記録する場合に行われる記録動作であって、光ディスクに記録される記録データは、オリジナルデータの数分の1程度の圧縮率で圧縮されたデータとなるため、バッファに溜まった記録データ(圧縮データ)を記録した後、次の記録データがバッファに用意されるまでに若干の空き時間が生じるので、記録動作が間欠的に行われることを意味する。例えば、ミニディスクの光ディスク装置において、このような間欠記録動作が行われている。
一般的な光ディスク装置では、間欠記録動作中の空き時間は、記録動作を停止させるだけでなく、消費電力を考慮して不必要な回路の電源を落としてしまうため、記録動作の再開時には再生モードから再び開始することになり、間欠記録動作中は、再生モードおよび記録モードが極めて短い時間で繰り返される。
これに対して、光ディスク装置81が間欠記録動作を行う場合には、マイクロコンピュータ101は、間欠記録動作の空き時間になっても再生モードのPDIC電源電圧には戻さず、常に記録モード時のPDIC電源電圧Vcc1がPD−IC16に供給されるようにする。光ディスク装置81は、図10を参照して説明したように、従来の光ディスク装置1よりも消費電力を抑制することができるので、極めて短い短時間だけ再生モードに戻すことによる消費電力効果よりも、むしろ、再生モードおよび記録モードを繰り返すことでPDIC電源電圧が不安定になる影響の方が大きいと考えられるからである。
一方、同じ記録モードと再生モードが繰り返される場合であっても、1回あたりの再生モードまたは記録モードの時間が長くなる場合には、図9を参照して説明したように、光ディスク装置81においてもPDIC電源電圧は切替えられる。例えば、記録スチル時などのように、光ディスク装置81が再生モードで長い時間記録動作待機している状態で、操作部27の記録ボタンがユーザによって操作された場合、マイクロコンピュータ101は、操作部27からの記録指示信号を受けてバッファへの記録データの格納を開始すると同時に、PDIC電源電圧を記録モード時のPDIC電源電圧Vcc1に変更するが、バッファに記録データが蓄積される迄の時間は十分長いので、記録動作開始迄にPDIC電源電圧Vcc1は安定する。従って、PDIC電源電圧の切替えは問題なく行うことができる。再生モードと記録モードの切替えについては、予め決められた動作条件に従ってマイクロコンピュータ101が判断する。
次に、光ディスク装置81のその他の実施の形態について説明する。
上述した例では、ROM102に記憶されている反射率テーブルと記録パワーテーブルから得られる光ディスク2の反射率Ref1と記録パワーPW1に基づいて、PDIC電源電圧Vcc1を決定するようにしたが、図11Aまたは図11Bに示す電源電圧テーブルをROM102に記憶させるようにして、ディスク種類の判別結果に対して、即座にPDIC電源電圧Vcc1を求めるようにすることもできる。
図11Aに示す電源電圧テーブルは、各ディスク種類に対してステップS5の処理において実行される演算を予め行って、ディスク種類とPDIC電源電圧Vcc1とを1対1に対応付けたものである。
図11Aに示す電源電圧テーブルを参照することにより、ディスク種類がDVD−Rである場合には電源電圧VrがPDIC電源電圧Vcc1とされ、ディスク種類がDVD−RWである場合には電源電圧VrwがPDIC電源電圧Vcc1とされる。同様に、ディスク種類がDVD+R_Dualである場合には電源電圧VrdがPDIC電源電圧Vcc1とされ、ディスク種類がDVD+RW_Dualである場合には電源電圧VwdがPDIC電源電圧Vcc1とされる。従って、ディスク種類の判別結果に対して、即座にPDIC電源電圧Vcc1を決定することができる。
また、例えば、製造メーカが異なると、同じディスク種類でも光ディスク2に最適な記録パワーが異なることがある。この場合、図11Bに示すように、DVD−R,DVD−RW,DVD+R_Dual、およびDVD+RW_Dualの各ディスク種類に対して、製造メーカに対応させた複数種類(図11BではN種類)の記録パワーP1乃至PNを用意した電源電圧テーブルをROM102に記憶させ、ディスク種類と記録パワーP1乃至PNとの組み合わせによって、PDIC電源電圧Vcc1を即座に決定することもできる。ここで、光ディスク2の製造メーカについての情報は、例えば、光ディスク2のディスク固有情報から読み取って判別する。
ところで、光ディスク装置81には、相変化記録方式でデータを光ディスク2に記録する場合など、光ディスク2にデータを記録するときの最適な記録パワーを探索する最適記録パワー探索動作を行うものがある。
図12は、光ディスク装置81が最適記録パワー探索動作を行う場合の起動処理のフローチャートを示している。
ステップS41乃至S44の処理は、図8のステップS1乃至S4の処理と、それぞれ同様であるので、その説明は省略する。
最適記録パワー探索動作では、記録パワーを所定範囲εだけ変化させて、その中から最適な記録パワーを探索するが、光ディスク装置81は、この振り幅εを予めROM102に記憶している。
そして、ステップS45において、マイクロコンピュータ101は、ステップS44で決定した記録パワーPW1を中心とする振り幅εの範囲を最適な記録パワーの探索範囲とするため、最適記録パワー探索動作における探索範囲の上限値となる記録パワーPW2を算出する。具体的には、ステップS44で決定された記録パワーPW1とε/2の和が記録パワーPW2とされる(PW2=PW1+ε/2)。
ステップS46において、マイクロコンピュータ101は、光ディスク2の反射率Ref1と記録パワーPW2に基づいて、PDIC電源電圧Vcc2を決定する。反射率Ref1と記録パワーPW2からPDIC電源電圧Vcc2を決定する決定方法は、上述したステップS5における場合と同様である。
ステップS47において、マイクロコンピュータ101は、決定されたPDIC電源電圧Vcc2を表す制御信号Pvcc2をレギュレータ104に供給する。
ステップS48において、マイクロコンピュータ101は、最適記録パワー探索動作を開始して、最適記録パワーPWoptを決定する。
ステップS49において、マイクロコンピュータ101は、光ディスク2の反射率Ref1と記録パワーPWoptに基づいて、光ディスク2にデータを記録するときのPDIC電源電圧Vcc2’を決定する。
ステップS50において、マイクロコンピュータ101は、決定されたPDIC電源電圧Vcc2’をRAM103に供給し、記憶させて、処理を終了する。
相変化記録方式でデータを光ディスク2に記録する記録処理では、以上のようにして決定されたPDIC電源電圧Vcc2’がレギュレータ104からPD−IC16に供給され、記録動作が開始される。
なお、図8および図12の起動処理では、ディスク種類と反射率とが1対1に対応付けられた反射率テーブル(図5)に基づいて、装着された光ディスク2の反射率Ref1を決定するようにしたが、反射率テーブルを用いずに、ディスク種類を判別するときのプルイン信号レベルから、光ディスク2の反射率Ref1を推定してもよい。この場合、光ディスク2に固有の反射率のばらつきを考慮したPDIC電源電圧Vcc1(またはVcc2’)を決定することができるので、装着された光ディスク2に対してより最適なPDIC電源電圧Vcc1(またはVcc2’)を決定することができる。
また、上述した例では、光ディスク2にデータを記録するときのみ、PD−IC16に供給するPDIC電源電圧Vcc1を可変するようにしたが、光ディスク2の再生時においても同様に、PD−IC16に供給するPDIC電源電圧Vcc1を可変させるようにすることも可能である。データの記録時に対して複数のゲインモードがある場合でも対応可能である。
さらに、上述した例では、フォーカスサーチのプルイン信号レベルによってディスク種類を判別するようにしたが、その他、光ディスク2に記録されたディスク固有情報を読み出してディスク種類を判別したり、光ディスク2がカートリッジなどに収納されている場合には、そのカートリッジに形成されているディスク判別穴などを用いてディスク種類を判別してもよい。
本発明は、1ビーム光学系および3ビーム光学系のいずれの光学系を有する光ディスク装置にも採用することが可能であり、また、DVDとCDなど波長の異なる複数のレーザ光を受光するPD−ICを備える光ディスク装置にも採用することが可能である。
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
従来の光ディスク装置の構成例を示すブロック図である。 図1のPD−ICの詳細な構成例を示す図である。 図1のPD−ICの出力電圧Voについて説明する図である。 本発明を適用した光ディスク装置の一実施の形態の構成例を示す図である。 ROMに記憶されている反射率テーブルの例を示す図である。 ROMに記憶されている記録パワーテーブルの例を示す図である。 図4のPD−ICの詳細な構成例を示す図である。 図4の光ディスク装置の起動処理について説明するフローチャートである。 図4の光ディスク装置の記録処理について説明するフローチャートである。 図4の光ディスク装置の効果を説明する図である。 電源電圧テーブルの例を示す図である。 図4の光ディスク装置のその他の起動処理のフローチャートである。
符号の説明
16 PD−IC, 81 光ディスク装置, 101 マイクロコンピュータ, 102 ROM, 104 レギュレータ

Claims (6)

  1. 光ディスクに光を照射するとともに、前記光ディスクに反射して戻ってきた戻り光を受光することにより、データの再生または記録を行う光ディスク装置において、
    前記戻り光の受光量に応じた信号を出力する信号出力手段と、
    前記光ディスクのディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた電源電圧を決定する電源電圧決定手段と、
    決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給する電源電圧供給手段と
    を備える光ディスク装置。
  2. 前記電源電圧決定手段は、判別された前記ディスク種類の、光ディスクに照射する光の最適なパワーと光ディスクの反射率とから、前記電源電圧を決定する
    請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記光ディスクに照射する光の最適なパワーと前記反射率とを、前記ディスク種類ごとに記憶する記憶手段をさらに備える
    請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記電源電圧決定手段は、装着された前記光ディスクに対してフォーカスサーチを実行したときのプルイン信号レベルに基づいて、前記光ディスクのディスク種類を判別する
    請求項1に記載の光ディスク装置。
  5. 前記電源電圧決定手段は、さらに、前記プルイン信号レベルに基づいて、装着された前記光ディスクの反射率を決定し、決定された前記反射率と、判別された前記ディスク種類の前記光ディスクに照射する光の最適なパワーとから、前記電源電圧を決定する
    請求項4に記載の光ディスク装置。
  6. 光ディスクに照射した光が前記光ディスクに反射して戻ってきた戻り光の受光量に応じた信号を出力する信号出力手段と、前記光ディスクのディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた電源電圧を決定する電源電圧決定手段と、決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給する電源電圧供給手段とを備え、前記光ディスクに光を照射するとともに、前記戻り光を受光することにより、データの再生または記録を行う光ディスク装置の光ディスク制御方法において、
    前記光ディスクのディスク種類を判別し、その判別されたディスク種類に応じた前記電源電圧を決定し、
    決定された前記電源電圧を前記信号出力手段に供給する
    ステップを含む光ディスク制御方法。
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