JP2008040429A - 現像ローラ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性層を形成したローラを塗布液に浸漬して引き上げることで表面層を形成する場合に、ローラの端部を除去する工程の有無や除去量に関わらず、表面に欠陥が生じることを防止できる現像ローラの製造方法を提供する。また、表面上の欠陥が画像上に現れることのない現像ローラを提供する。
【解決手段】軸芯体と、該軸芯体の外周面に設けられた弾性層と、該弾性層の周りに設けられた表面層とを有する現像ローラを、軸芯体の外周面に、付加型シリコーンゴムにより該弾性層を形成する工程と、該弾性層の外周面と、該弾性層の端面のいずれか一方と、に該表面層との易接着処理をする工程と、該易接着処理がされた弾性層の端面側から、該弾性層を表面層形成用塗工液に浸漬する工程と、該弾性層を該表面層形成用塗工液から引き上げ、該弾性層の周りに該表面層を設ける工程とを有する方法により製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真装置、静電記録装置等に用いられる現像ローラ及びその製造方法に関するものである。詳しくは、表面層を有する現像ローラにおいて、表面層を形成する工程で現像ローラの表面上に欠陥が生じない塗布方法に特徴のある現像ローラの製造方法に関する。
電子写真装置、静電記録装置の概略構成は、図1に示すとおりである。1は潜像担持体(以下感光ドラムと表す)であり、所定のプロセススピードで回転する。感光ドラムは所定のプロセススピードで回転する工程で、所定の帯電バイアスを持つ帯電手段2によって、感光ドラム表面に一定の電位になるよう処理される。続いて露光系3により、目的の画像と対応としたネガ画像露光(原稿像のアナログ露光、デジタル走査露光)を受けて感光ドラムの表面に目的とする静電潜像が形成される。
形成された感光ドラム上の静電潜像に対し、現像手段4より供給かつ帯電されたトナーが静電潜像上に対応した量で感光ドラム上に移動し、トナーが移動することにより感光ドラム上にトナー画像として現像される。さらに、そのトナー画像が形成された感光ドラム1と転写手段5との間の転写部に、給紙手段より所定のタイミングで紙やOHPシートが搬送される。このとき、転写手段5に対して転写バイアスが印加され、感光ドラム表面の現像されたトナーが紙やOHPシートに対して順次、移動し転写される。転写手段としては、転写ローラあるいは転写ベルトが用いられる。
トナー画像が転写された紙やOHPシートは、感光ドラム表面から分離されて定着手段へ移動してトナー画像が定着され、排出される。また一方で、トナー画像転写後の感光ドラムには転写されなかったトナーが残っており、クリーニング手段6により感光ドラム上の残トナーが除去されることにより、感光ドラムが洗浄され、繰り返して使用される。
現在の電子写真装置では、接触式一成分現像装置が使われることが多い。これは一成分現像剤を用いた一成分現像方式である。この方式では、まず、現像手段4において、現像ローラと当接した弾性ローラによってトナーを現像ローラ上に供給する。ついでトナーをトナー規制部材により現像ローラ上に薄く乗せると同時にトナー規制部材との摩擦および現像ローラとの摩擦によりトナー粒子に電荷が付与される。さらに現像ローラと潜像担持体とが対向した現像領域に搬送され、潜像担持体上の静電潜像に移動することにより、トナー画像として顕像化する方法である。
このような接触式一成分現像装置に用いる現像ローラとして、半導電性弾性ローラを用いるのが主流である。具体的には、導電剤を添加することにより中抵抗領域に調整された厚さ数mmのゴムで構成された弾性層の周面上に、厚さ数μm〜数十μmの同じく導電剤を添加することにより中抵抗領域に調整された樹脂で構成された表面層を有するローラが用いられている。この半導電性弾性ローラを作製する方法として、軸芯体の周面に弾性層を形成し、表面層を種々の方法で形成した後に、ローラ(弾性層及び表面層)の端部を必要に応じた量を切除する方法が挙げられる。また、表面層を形成する手段として、あらかじめ樹脂と溶剤中に導電剤を分散させた塗布液を弾性層の表面に塗布する方法が挙げられる。その方法の一つとして、塗布液槽に先の塗布液を用意し、ローラを浸漬、引き上げる方法があり、所望の厚さ数μm〜数十μmの表面層を得ることができる。この方法は簡便であるためローラの作製方法として使われているが、種々の問題が発生しており、様々な検討や対応がされている。
例えば、表面層の外形バラツキを抑え、寸法精度を良好にする手法が検討されている。特許文献1では、ローラ状弾性体と弾性体端部と同形状の円筒部材を準備し、ローラ状弾性体を垂直に浸漬し、引き上げた後に、ローラ状弾性体の端部と円筒部材の端部を当接させている。
また、表面層に見られる気泡の発生を防止する手法も検討されている。特許文献2では、沸点の異なる2成分以上の溶剤と樹脂からなる塗工液にローラ状弾性体を浸漬し、引き上げた後に、2成分以上の溶剤の中で最も低い沸点以下で乾燥した後に、2成分以上の溶剤の中で最も高い沸点以上で乾燥させている。
特開2000−343622号公報 特開2000−346050号公報
しかし、近年の環境対応に伴い、表面層を形成した後のローラの端部を切除する工程において、切除する量を減らしたり、切除する工程自体をなくすことが求められている。特にローラの端部を切除しない前提で弾性層を所定の長さと形状で形成し、上記の浸漬、引き上げにより表面層を塗布すると、場合により、塗布した表面層上にスジ状の欠陥が見られる等の弊害が起こる。したがって、弾性層を形成したローラを塗布液に浸漬して引き上げることにより表面層を形成する方法としては、依然改善や検討が求められていた。
本発明の目的は、弾性層を形成したローラを塗布液に浸漬して引き上げることで表面層を形成する場合に、ローラの端部を除去する工程の有無や除去量に関わらず、表面に欠陥が生じることを防止できる現像ローラの製造方法を提供することにある。また、表面上の欠陥が画像上に現れることのない現像ローラを提供することにある。
本発明者らは、ローラの端部を切除しない前提で所定の長さと形状で弾性層を形成し、弾性層が形成されたローラを塗布液に浸漬し、引き上げると表面層の表面におもにスジ状の欠陥が生じる原因について鋭意調査、検討を行った。その結果、弾性層が形成されたローラの表面に塗布液に対するぬれ性が良い部分と悪い部分があることが分かった。そして、特にローラ端面にぬれ性が悪い部分があると、塗布液に浸漬した際、ぬれ性が悪い部分では空気を巻き込んでしまい、ローラを引き上げた際、表面に欠陥が生じることが明らかとなった。そこで、さらに検討することにより、以下の本発明に至った。
すなわち、軸芯体と、該軸芯体の外周面に設けられた弾性層と、該弾性層の周りに設けられた表面層とを有する現像ローラの製造方法において、
軸芯体の外周面に、付加型シリコーンゴムにより該弾性層を形成する工程と、
該弾性層の外周面と、該弾性層の端面のいずれか一方と、に該表面層との易接着処理をする工程と、
該易接着処理がされた弾性層の端面側から、該弾性層を表面層形成用塗工液に浸漬する工程と、
該弾性層を該表面層形成用塗工液から引き上げ、該弾性層の周りに該表面層を設ける工程と
を有することを特徴とする現像ローラの製造方法である。
易接着処理が、該弾性層の表面に反応可能な官能基を設けることにより該表面を改質する処理であることが望ましい。
易接着処理が、紫外線またはプラズマを用いる処理であることが望ましい。
また、電子写真装置内の現像ユニットに搭載される現像ローラであって、前記の製造方法により形成されたことを特徴とする現像ローラである。
本発明により、弾性層を形成したローラを塗布液に浸漬して引き上げることで表面層を形成する場合でも、ローラの端部を除去する工程の有無や除去量に関わらず、表面に欠陥が生じることを防止できる。そして、この現像ローラによれば、表面上の欠陥が画像上に現れることなく、良好な画像を形成可能となった。
本発明は、軸芯体と、該軸芯体の外周面に設けられた弾性層と、該弾性層の周りに設けられた表面層とを有する現像ローラの製造方法において、以下の工程を有する。
(1)軸芯体の外周面に、付加型シリコーンゴムにより該弾性層を形成する工程。
(2)該弾性層の外周面と、該弾性層の端面のいずれか一方と、に該表面層との易接着処理をする工程。
(3)該易接着処理がされた弾性層の端面側から、該弾性層を表面層形成用塗工液に浸漬する工程。
(4)該弾性層を該表面層形成用塗工液から引き上げ、該弾性層の周りに該表面層を設ける工程。
易接着処理が、該弾性層の表面に反応可能な官能基を設けることにより該表面を改質する処理であることが望ましい。また、易接着処理が、紫外線またはプラズマを用いる処理であることが望ましい。
このような方法で得られた現像ローラを電子写真装置内の現像ユニットに搭載される現像ローラとして用いることで、画像上に塗布起因となる不良が発生せず、良好な画像が得られる。
本発明の現像ローラは、図1に断面図を示すように、軸芯体4bと、軸芯体4bの外周面に設けられた弾性層4aと、弾性層4aの周りに設けられた表面層4cとを有する。なお、弾性層とは、現像剤規制部材および感光ドラムと圧接した場合に、適当な接触面積を得るために現像ローラに弾性をもたせるために設けた層であり、本発明においては1層もしくは複数層設けることができる。また、表面層とは、現像ローラの表面の特性を制御するため、さらには弾性層の低分子量成分の染み出しを防止するため等のために設けた層で、本発明においては1層もしくは複数層設けることができる。
現像ローラの軸心体は、導電性部材の電極および支持する部材として機能するものであれば本発明に適用できる。その材質として、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼などの金属または合金、クロムやニッケル等で鍍金処理を施した鉄、合成樹脂などの導電性の材質で構成される。なお、軸芯体とその周面に形成される弾性層を接着するためにプライマー等を軸芯体に塗布することができ、通常使用されている公知のプライマー、例えばシランカップリング系プライマーを用いることができる。
本発明では、この軸芯体の外周面に、付加型シリコーンゴムにより弾性層を形成する。弾性層に用いられる材料は、変形後に速やかに回復することが求められる観点から、圧縮永久歪み特性、反発弾性特性に優れたシリコーンゴムを用いることが望ましい。また、寸法精度が要求されるので反応時に分子等の脱離のない付加型シリコーンゴムを用いるのが望ましい。なお、付加型シリコーンゴムであれば特に制限無く適宜用いることができる。例えばジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム等が挙げられる。
弾性層の厚さは、1.0〜6.0mmの範囲にあることが好ましく、1.5〜5.0mmの範囲にあることがより好ましい。弾性層の厚さが1.0mmより薄くなると、均一なニップを確保することが困難になる場合がある。一方、弾性層の厚さを6.0mmより厚くしても、帯電性能の向上に繋がらないだけでなく、ゴム材の成型コストが上昇しコスト的に不利である。
弾性層は、例えば、軸心体を円筒金型内に配置し、その金型内に付加型シリコーンゴムを注入し、加熱硬化した後脱型し、必要に応じて後硬化することで形成することができる。また、精度を向上させるため、円筒金型内で成型した後研磨する方法で、弾性層を形成しても良い。
本発明では、弾性層の外周面と、弾性層の端面のいずれか一方と、に表面層との接着強度を高めるための易接着処理をする。易接着処理は、以下に挙げるような方法により数工程で簡単に行うことができる。例えば、カップリング剤に代表される接着剤を塗布する処理や、紫外線やプラズマによる処理が挙げられる。なお、弾性層の表面を紫外線やプラズマ処理した場合、分子中の結合を切断し、カルボキシル基や、水酸基等の親水基を導入することができ、これらの官能基が表面層を構成する材料と反応し、弾性層と表面層間で接着が為される。
接着剤を塗布する場合、接着剤としては、例えば、アミン系シランカップリング剤等のシランカップリング剤等を使用することができる。
紫外線で処理する場合、紫外線発生源として、キセノンエキシマランプ(172nm)、低圧水銀ランプ(185nm)等を使用することができる。低コスト、メンテナンス性、長寿命、小装置化という観点で、キセノンエキシマランプを用いるのが望ましい。
エキシマ処理装置として、エキシマランプが収納されている容器内はエキシマ光が吸収されにくい窒素で置換され、エキシマランプは冷却水により冷却される。エキシマ光は弾性層を設けたローラを回転させながら照射することにより弾性層周面を均一に処理することができる。このときのローラの回転数は5〜50rpmであることが望ましい。
また、処理する際のエキシマランプとローラの距離は1〜5mmとするのが望ましい。1mmより短いと装置として制御するのが困難な場合があり、5mmより長いと十分にローラの表面を処理することが困難な場合がある。
紫外線で処理する際の積算光量は50〜300mJ/cm2であることが望ましい。50mJ/cm2より小さいと、表面層との接着強度が十分でない場合がある。300mJ/cm2を超えるとローラの抵抗が高くなるため、かぶり性能などの画像性能として弊害が発生する場合がある。
プラズマ処理をする場合の方法は特に制限されず、真空下、あるいは常圧下で行うことができる。また使用するガスとして特に制限されず、例えば、窒素、酸素、アルゴン、エチレン等の気体を用いることができる。
本発明では、弾性層の端面のいずれか一方にのみ表面層との易接着処理をすることが好ましい。弾性層の片側の端面のみの易接着処理によって、本発明は十分効果がある。弾性層の両側の端面に易接着処理を行うと、コストアップに繋がる。
本発明では、易接着処理がされた弾性層の端面側から、弾性層を表面層形成用塗工液に浸漬し、その後に弾性層を表面層形成用塗工液から引き上げることで、弾性層の周りに表面層を設ける。具体的には、軸芯体上に弾性層が形成されたローラを、易接着処理がされた弾性層の端面を下方に向けて、表面層形成用塗工液が入った塗工槽に投入させる。このときのローラの方向は、易接着処理がされた弾性層の端面側が、易接着処理がされていない弾性層の端面より先に浸漬すればよい。例えば、ローラの軸方向が表面層形成用塗工液の液面と垂直になるように、軸芯体上に弾性層が形成されたローラの易接着処理がされた弾性層の端面を下方に向けて塗工を行うことができる。ローラの軸方向が表面層形成用塗工液の液面と60〜90°の角度を形成するように配置することもできる。60°より小さいと、表面に欠陥が生じることなく塗工することができるが、浸漬して引き上げる装置が90°の場合と比較して煩雑になる。
表面層の形成に用いる樹脂としては、特に制限されること無く適宜用いることもできる。具体的には、水酸基,カルボキシル基,酸無水物基,アミノ基,イソシアネート基,エポキシ基,不飽和基,メチロール基,アルコキシメチル基,アルデヒド基,メルカプト基等の反応基を持つフッ素樹脂,ポリアミド樹脂,アクリルウレタン樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,シリコーン樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリビニルアセタール樹脂,エポキシ樹脂,ポリエーテル樹脂,アミノ樹脂,アクリル樹脂,尿素樹脂等及びこれらの混合物を挙げることができる。トナーに対する非汚染性、圧縮永久ひずみ性能などの点からウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
例えば、ウレタン樹脂の原料に用いられるポリオール化合物の場合、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、テトラメチレングリコールポリエチレンジアジペート、ポリカーボネートポリオールなどの公知のポリウレタン用ポリオールが挙げられる。また、ウレタン樹脂の原料に用いられるイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のジイソシアネート、およびそれらのビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレタン変性体等を好ましく使用することができる。特に好ましいイソシアネート化合物は、MDIおよびそのビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレタン変性体等が挙げられる。
表面層形成用塗工液には、必要に応じてカーボンブラック等を配合することができる。カーボンブラックとしては特に制限されず、適宜使用することができるが、分散後、表面層として被覆した際、現像ローラの抵抗が所定の範囲内となるようにすることが好ましい。また、配合量としては、分散終了後の塗工液の安定性より、樹脂成分を100質量部としたときに15〜35質量部となるよう設計することが望ましい。
表面層形成用塗工液に用いる溶剤としては、表面層の形成に用いる樹脂が溶解するという条件内で適宜使用することができる。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンに代表されるケトン類;ヘキサン、トルエン等に代表される炭化水素類;メタノール、イソプロパノールに代表されるアルコール類;その他エステル類、水等の溶剤を挙げることができる。溶剤の使用量は、表面層形成用塗工液の所定の粘度になる量とすることが好ましい。
表面層形成用塗工液の粘度により塗工時の表面層の膜厚が変わるので、所望の膜厚の表面層が得られる任意の粘度で塗工することができる。ただし、表面層形成用塗工液の粘度が大きすぎても小さすぎても、塗工後表面層上に不良が発生するので、5〜30mPa・s(5〜30cP)で塗工するのが望ましい。また、塗工液の溶剤以外の成分の濃度が高くなるほど得られる表面層の膜厚が厚くなる傾向があるので、所望の膜厚の表面層が得られる任意の濃度で塗工することができる。ただし、あまり濃度が高くても低くても塗工した際のスジ等の不良が発生しやすくなるので、表面層形成用塗工液中で溶剤以外のポリマー等の添加物の質量が、表面層形成用塗工液全体に対して5〜50質量%となる濃度で塗工するのが望ましい。
表面層形成用塗工液が入った塗工槽にローラを投入する速度、浸漬後にローラを引き上げる速度は特に制限無く決定することができるが、引き上げる時の速度は速いと膜厚が厚くなる傾向があるので、所望の膜厚が得られる引き上げ速度で塗工することができる。
形成する表面層の厚みとしては、5〜100μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。厚みが5μmより薄いと、弾性層中の低分子量成分が染み出してきて感光体を汚染したり、表面層が剥れる恐れがある。また、100μmより厚いと、現像ローラの表面が高くなり、トナー劣化を引き起こし、画像性能が低下する原因となる場合がある。
弾性層上に表面層形成用塗工液を塗工し、任意の温度、時間で焼成後、必要に応じてローラの端部を切除することができる。本発明においては、ローラの端部を切除する工程を行わない前提で弾性層が形成されたローラを作製し、表面層を塗工しても、塗工起因の不良が発生しないので、ローラ端部を切除しなくても構わない。
以上のような本発明の現像ローラの製造方法と、従来の現像ローラの製造方法との比較を図3に示す。このように、ローラの端部を除去する工程は必要ではなく、その有無や除去量に関わらず、表面に欠陥が生じることを防止できることに特徴がある。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではない。
〔実施例1〕
SUS製のφ8mmの軸芯体に、シランカップリング系プライマーをスポンジを用いて塗布した後に、180℃、20分焼付けした。ついで、軸心体を円筒金型内に配置し、付加型シリコーンゴム組成物を金型に注入した。付加型シリコーンゴム組成物は次のように調製した。まず、下記式1に示すビニル基末端を有する導電性液状ポリジメチルシロキサンと、下記式2に示すような珪素−水素結合を有する導電性液状ポリジメチルシロキサンを1:1(質量比)で混合した。次いで、この混合物100部に、シリカを40部、カーボンブラック6部添加し、よく分散させたものを、付加型シリコーンゴム組成物とした。続いて、150℃、20分加熱することにより、付加型シリコーンゴム組成物を硬化し、冷却した後に脱型し、210℃、5時間熱風炉で加熱することにより、ゴム部の長さが260mm、φ16.0の弾性層を軸芯体の外周に設けた。
Figure 2008040429
Figure 2008040429
次に、円筒状の紫外線ランプ(波長172nmのキセノンエキシマランプ)に対して、弾性層が形成されているローラを平行に配置した。そして、周方向に30rpmで回転させながら、5分間紫外線を照射する(積算光量:230mJ/cm2)ことにより、弾性層の円周面に弾性層と表面層との易接着処理を行った。さらに、弾性層が形成されているローラを平行に配置されている状態から長手方向に45°傾け、弾性層の片方の端面に紫外線が照射できるよう配置し、30rpmでローラを回転させながら2分間紫外線を照射した。
次に、以下の成分を、MEK120部に添加し、ペイントシェーカーを用いて8時間分散した。
・ポリオール 100部
(ポリエステルウレタン)
・硬化促進剤 0.8部
(ジブチルスズジラウレート)
・MDI 40部
(平均官能基数が2.8であるヘキサメチレンジイソシアネート)
・導電性カーボンブラック 25部
(東海カーボン社製)
・ウレタン樹脂粒子 16部
(平均粒径:φ10μm)
この分散液を上記MEK以外の成分の合計が塗工液全体の30質量%となるようにMEKを加えた後に、オーバーフロー型循環式塗布装置に加えた。この塗布装置に上記弾性層が形成されているローラを易接着処理の行った端面から浸漬し、引き上げた後に、風乾120分、150℃、2時間加熱することにより表面層を設け、現像ローラを得た。なお、浸漬は、ローラの軸方向が塗工液面と90°の角度を形成するように配置して行った。
得られた現像ローラの表面を目視で観察したところ、現像ローラ表面に気泡等による欠損等が見られず良好であった。また、得られた現像ローラをキヤノン製カラーレーザープリンターに組み込み、ベタ画像、ハーフトーン画像を出力し、画像を確認したところ良好な画像が得られた。
〔実施例2〕
ゴム部の長さが264mmの弾性層を軸芯体の外周に設け、表面層を形成した後、ゴム部の両端を2mmずつ切除したこと以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。得られた現像ローラの表面を目視で観察したところ、現像ローラ表面に気泡等による欠損等が見られず良好であった。また、得られた現像ローラを用いて実施例1と同様に画像を出力し、画像を確認したところ良好な画像が得られた。
〔実施例3〕
易接着処理として、紫外線を照射する変わりにアミン系シランカップリング剤を塗布したこと以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。なお、アミン系シランカップリング剤の塗布による易接着処理は、ディッピングにより塗布し、150℃で2時間焼成した。得られた現像ローラの表面を目視で観察したところ、現像ローラ表面に気泡等による欠損等が見られず良好であった。また、得られた現像ローラを用いて実施例1と同様に画像を出力し、画像を確認したところ良好な画像が得られた。
〔実施例4〕
易接着処理として、紫外線を照射する変わりにプラズマで処理したこと以外は、実施例1と同様にして現像ローラを得た。なお、プラズマによる易接着処理は、ローラを45rpmで回転させながら処理した。得られた現像ローラの表面を目視で観察したところ、現像ローラ表面に気泡等による欠損等が見られず良好であった。また、得られた現像ローラを用いて実施例1と同様に画像を出力し、画像を確認したところ良好な画像が得られた。
〔比較例1〕
紫外線の照射を弾性層の外周面のみに行い、弾性層の端面を処理しなかったこと以外は実施例1と同様にして現像ローラを得た。得られた現像ローラの表面を観察したところ、浸漬した側から長手方向に向かって伸びる3本スジが見られた。これは弾性層ローラを塗工液に侵入時に空気を巻き込んでしまったために発生したスジである。また、得られた現像ローラを用いて実施例1と同様に画像を出力し、画像を確認したところ、現像ローラの表面に見られたスジと同様な形状が画像上でも見られた。
〔比較例2〕
弾性層が形成されているローラを易接着処理の行った端面と反対側の端面から浸漬したこと以外には実施例1と同様にして現像ローラを得た。得られた現像ローラの表面を観察したところ、浸漬した側から長手方向に向かって伸びる4本スジが見られた。これは弾性層ローラを塗工液に侵入時に空気を巻き込んでしまったために発生したスジである。また、得られた現像ローラを用いて実施例1と同様に画像を出力し、画像を確認したところ、現像ローラの表面に見られたスジと同様な形状が画像上でも見られた。
実施例1〜4において、弾性層の外周面上と、弾性層の端面のどちらか一方と、に表面層との易接着処理を施し、易接着処理された端面側から表面層塗布液に浸漬し、浸漬上端から引き上げ、表面層を塗工した。そのため、弾性層が形成されたローラを塗工液槽に投入した時に空気を巻き込むことなく浸漬でき、表面にスジ等の不良が発生することなく現像ローラを作製することができた。また、実施例1と2から、表面層を形成した後のゴム部の端部を切除する工程の有無に関わらず、現像ローラとして使用できることが明らかとなった。さらに、実施例1、3、4から、弾性層に施した表面層との易接着処理の方法によらず、表面に不良が発生することなく現像ローラを作製できることが明らかとなった。
一方、比較例1では、従来の現像ローラの作製方法である弾性層の外周面上のみ易接着処理を行う方法であったため、表面に塗工起因によるスジが発生し、現像ローラとして使用したところ画像上にスジが見られることから、現像ローラとして使用できない。また、比較例2では、弾性層の端面を易接着処理したが、塗工液に投入する際、易接着処理していない側から投入したため、比較例1と同様な理由からスジが発生した。
以上のことから、本発明の方法によれば、表面にスジ等の不良のない良好な現像ローラが得られることが明らかとなった。すなわち、弾性層の外周面と、弾性層の端面のいずれか一方と、に表面層との易接着処理を施し、易接着処理がされた弾性層の端面側から、弾性層を表面層形成用塗工液に浸漬し、その後引き上げることで、弾性層の周りに表面層を設ければよい。
電子写真装置、静電記録装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態を示す現像ローラの断面図であり、(a)は軸方向に垂直な方向から見た断面図、(b)は軸方向から見た断面図である。 本発明の現像ローラの製造方法と従来の現像ローラの製造方法とを比較した概念図である。
符号の説明
1 潜像担持体(感光ドラム)
2 帯電手段
3 露光系
4 現像手段
4a 弾性層
4b 軸芯体
4c 表面層
5 転写手段
6 クリーニング手段

Claims (4)

  1. 軸芯体と、該軸芯体の外周面に設けられた弾性層と、該弾性層の周りに設けられた表面層とを有する現像ローラの製造方法において、
    軸芯体の外周面に、付加型シリコーンゴムにより該弾性層を形成する工程と、
    該弾性層の外周面と、該弾性層の端面のいずれか一方と、に該表面層との易接着処理をする工程と、
    該易接着処理がされた弾性層の端面側から、該弾性層を表面層形成用塗工液に浸漬する工程と、
    該弾性層を該表面層形成用塗工液から引き上げ、該弾性層の周りに該表面層を設ける工程と
    を有することを特徴とする現像ローラの製造方法。
  2. 該易接着処理が、該弾性層の表面に反応可能な官能基を設けることにより該表面を改質する処理であることを特徴とする請求項1記載の現像ローラの製造方法。
  3. 該易接着処理が、紫外線またはプラズマを用いる処理であることを特徴とする請求項1または2記載の現像ローラの製造方法。
  4. 電子写真装置内の現像ユニットに搭載される現像ローラであって、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により形成されたことを特徴とする現像ローラ。
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