JP2008039926A - 感光性熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、プリント配線基板製造工程での使用に適した感光性熱硬化性樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いてなるフォトレジストインキに関する。詳しくは、本発明は現像性、光高感度、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、貯蔵安定性、密着性、耐メッキ性に優れた新規な感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
ソルダーレジストはプリント配線基板製造工程で部品をはんだ付けする際に不必要な部分へのはんだ付着防止及び回路を保護する目的で使用され、熱硬化型のものをスクリーン印刷することにより画像形成されるのが一般的であった。
ところが近年のプリント配線板の高密度化に伴い、より高い解像度が要求されるため、写真法による現像型のものが盛んに用いられる様になっている。中でもアルカリ水溶液現像型のものが、作業環境保全、地球環境保全の観点から主流である。また生産効率性の観点からも、従来汎用の用途と比較して、高感度な材料が強く求められている。
またさらなる高密度化に伴い、基板上に設けられた配線パターンの所定位置に対してソルダーレジストを開口させる場合に高い位置精度が求められ、従来の露光方式では位置ずれにより歩留まりが低下するため、高精度の露光方式が用いられる場合等があるが、その場合には従来の露光方式と比較して、さらに低露光量にて感光する高感度なレジスト材料が求められている。
またパターンの高密度化のため、絶縁信頼性や耐クラック性などの高実用物性も従来以上に求められている。
特開2005−250004号公報には、アルカリ水溶液に可溶な光硬化性エポキシアクリレート、およびエポキシ樹脂、およびUV開始剤として2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オンからなる組成物が提案されている。
特開2005−157048号公報にも、アルカリ水溶液に可溶な光硬化性エポキシアクリレート、およびエポキシ樹脂、およびUV開始剤として2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オンからなる組成物が提案されている。
前記公開公報に記載されている、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オンは、比較的感度が高いために、これらの光硬化性熱硬化性樹脂組成物、並びにその用途としてフォトソルダーレジストに多用されている。
ただし、前記した2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オンをはじめとして、光重合開始剤の多くは熱に対して不安定なものが多く、組成物中に含まれる有機溶剤等の乾燥工程における加熱条件によっては、熱によりラジカル重合が開始し、光硬化性成分が反応してアルカリ現像工程において現像不良が発生する場合がある。また同加熱乾燥工程において、光開始剤が昇華して揮散する場合があり、その場合にはヒュームとして乾燥オーブン内を汚染し、かつ後工程での光硬化反応において十分な硬化性を維持させるため、乾燥工程において揮散して消失する分のUV開始剤を加味し、予め必要以上に組成物中に添加しておく場合がある。しかし余分な開始剤を系中に添加し、それが最終形態の時点で残留することにより、用途によっては最終的に必要となる信頼性の性能を損なう場合があり好ましくなかった。
また最終的に組成物の皮膜等を熱硬化する場合には、塗膜中に余剰残留している未反応の開始剤が硬化温度において揮散し、ヒュームによるオーブンの汚染や、開始剤が揮散した部分の体積減少により、被膜の寸法安定性が損なわれたり、ポーラスな被膜となり必要な物性を損なう場合があった。
また該組成物の硬化皮膜を長時間、特定の環境下に暴露した場合には、表面に開始剤がブリードし、それが原因となって用途によっては信頼性を損なう場合があった。
特開2005−250004号公報
特開2005−157048号公報
ところが近年のプリント配線板の高密度化に伴い、より高い解像度が要求されるため、写真法による現像型のものが盛んに用いられる様になっている。中でもアルカリ水溶液現像型のものが、作業環境保全、地球環境保全の観点から主流である。また生産効率性の観点からも、従来汎用の用途と比較して、高感度な材料が強く求められている。
またさらなる高密度化に伴い、基板上に設けられた配線パターンの所定位置に対してソルダーレジストを開口させる場合に高い位置精度が求められ、従来の露光方式では位置ずれにより歩留まりが低下するため、高精度の露光方式が用いられる場合等があるが、その場合には従来の露光方式と比較して、さらに低露光量にて感光する高感度なレジスト材料が求められている。
またパターンの高密度化のため、絶縁信頼性や耐クラック性などの高実用物性も従来以上に求められている。
特開2005−250004号公報には、アルカリ水溶液に可溶な光硬化性エポキシアクリレート、およびエポキシ樹脂、およびUV開始剤として2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オンからなる組成物が提案されている。
特開2005−157048号公報にも、アルカリ水溶液に可溶な光硬化性エポキシアクリレート、およびエポキシ樹脂、およびUV開始剤として2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オンからなる組成物が提案されている。
前記公開公報に記載されている、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オンは、比較的感度が高いために、これらの光硬化性熱硬化性樹脂組成物、並びにその用途としてフォトソルダーレジストに多用されている。
ただし、前記した2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1-オンをはじめとして、光重合開始剤の多くは熱に対して不安定なものが多く、組成物中に含まれる有機溶剤等の乾燥工程における加熱条件によっては、熱によりラジカル重合が開始し、光硬化性成分が反応してアルカリ現像工程において現像不良が発生する場合がある。また同加熱乾燥工程において、光開始剤が昇華して揮散する場合があり、その場合にはヒュームとして乾燥オーブン内を汚染し、かつ後工程での光硬化反応において十分な硬化性を維持させるため、乾燥工程において揮散して消失する分のUV開始剤を加味し、予め必要以上に組成物中に添加しておく場合がある。しかし余分な開始剤を系中に添加し、それが最終形態の時点で残留することにより、用途によっては最終的に必要となる信頼性の性能を損なう場合があり好ましくなかった。
また最終的に組成物の皮膜等を熱硬化する場合には、塗膜中に余剰残留している未反応の開始剤が硬化温度において揮散し、ヒュームによるオーブンの汚染や、開始剤が揮散した部分の体積減少により、被膜の寸法安定性が損なわれたり、ポーラスな被膜となり必要な物性を損なう場合があった。
また該組成物の硬化皮膜を長時間、特定の環境下に暴露した場合には、表面に開始剤がブリードし、それが原因となって用途によっては信頼性を損なう場合があった。
これらの従来の重合開始剤を含む光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、高感度、高信頼性が求められる用途においては必ずしも十分とはいえず、更に高感度で且つ熱安定性の高い重合開始剤を含む組成物が求められている。
本発明者らは、上記の問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、構造中に少なくとも1個以上のラジカル重合性不飽和基を有し、かつ少なくとも1個以上のフェノール性水酸基およびまたはカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、構造中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有する化合物(B)、希釈剤(C)、エポキシ樹脂硬化剤(D)、および、下記一般式(1)で表記されるラジカル重合開始剤(E)、を含んでなる感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
一般式(1)
すなわち本発明は、構造中に少なくとも1個以上のラジカル重合性不飽和基を有し、かつ少なくとも1個以上のフェノール性水酸基およびまたはカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、構造中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有する化合物(B)、希釈剤(C)、エポキシ樹脂硬化剤(D)、および、下記一般式(1)で表記されるラジカル重合開始剤(E)、を含んでなる感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
一般式(1)
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアルケニル基を表す。また、R1とR2とが一体となって環を形成してもよい。
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5を表す。また、R3とR4とが一体となって環を形成してもよい。
R5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。
Xは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基を表し、
Ar1は下記一般式(2)を表す。)
一般式(2)
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5を表す。また、R3とR4とが一体となって環を形成してもよい。
R5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。
Xは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基を表し、
Ar1は下記一般式(2)を表す。)
一般式(2)
(式中、R6〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の複素環チオ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のジアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基、またはハロゲン原子を表す。また、R6〜R10は、一体となって芳香環を形成してもよい。)
更に本発明は、Xが、下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)である、上記感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
更に本発明は、Xが、下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)である、上記感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
(式中、YおよびZは、それぞれ独立に、−O−、−S−、>S=O、>SO2、−N(R11)−、−CO−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、炭素原子数2〜6のアルキリデン基もしくは直接結合を表し、
Uは、−O−、−S−、または−N(R11)−を表し、
VおよびWは、窒素原子を表し、
R11は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。)
更に本発明は、Xが、一般式(3)である、上記感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、上記光硬化性樹脂(A)が、エポキシ樹脂(a)にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)を反応してなる樹脂(c)の生成した水酸基に、さらに二塩基酸無水物(d)を反応してなる、ラジカル重合性不飽和アシル基とカルボキシル基とを有する樹脂(e)である上記感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、希釈剤(C)が、有機溶剤及び/または光重合性モノマーである上記感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、上記感光性熱硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することを特徴とする感光物の製造方法に関する。
さらに本発明は、上記感光性熱硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射した後、加熱することを特徴とする硬化物の製造方法に関する。
さらに本発明は、上記感光性熱硬化性樹脂組成物を含んでなるフォトレジストインキに関する。
Uは、−O−、−S−、または−N(R11)−を表し、
VおよびWは、窒素原子を表し、
R11は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。)
更に本発明は、Xが、一般式(3)である、上記感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、上記光硬化性樹脂(A)が、エポキシ樹脂(a)にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)を反応してなる樹脂(c)の生成した水酸基に、さらに二塩基酸無水物(d)を反応してなる、ラジカル重合性不飽和アシル基とカルボキシル基とを有する樹脂(e)である上記感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、希釈剤(C)が、有機溶剤及び/または光重合性モノマーである上記感光性熱硬化性樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、上記感光性熱硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することを特徴とする感光物の製造方法に関する。
さらに本発明は、上記感光性熱硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射した後、加熱することを特徴とする硬化物の製造方法に関する。
さらに本発明は、上記感光性熱硬化性樹脂組成物を含んでなるフォトレジストインキに関する。
さらに本発明は、支持体上に、上記感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層が積層されていることを特徴とする感光性フィルムに関する。
さらに本発明は、支持体上に、上記感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層を積層することを特徴とする感光性フィルムの製造方法に関する。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合開始剤(E)が乾燥工程、熱硬化過程での熱に対し安定であり、さらに感度が高いために、添加量を従来の開始剤と比較して飛躍的に少なくすることが可能となったため、最終工程後の皮膜中に存在する不必要な開始剤の量が少なく、用途毎に必要とされる物性を損なわないことを可能とした。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
本発明で用いられる光硬化性樹脂(A)は、構造中に少なくとも1個以上のラジカル重合性不飽和基を有し、かつ少なくとも1個以上のフェノール性水酸基およびまたはカルボキシル基を有する。
本発明で用いられる光硬化性樹脂(A)は、構造中に少なくとも1個以上のラジカル重合性不飽和基を有し、かつ少なくとも1個以上のフェノール性水酸基およびまたはカルボキシル基を有する。
本発明で用いられる構造中に少なくとも1個以上のラジカル重合性不飽和基を有し、かつ少なくとも1個以上のカルボキシル基を有する、光硬化性樹脂(A)は、例えば、
ラジカル重合性不飽和アシル基とカルボキシル基とを有する樹脂(e)と、1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基とを有する化合物(f)とを反応して得られる(第3の反応)。
また、本発明で用いられるラジカル重合性不飽和アシル基とカルボキシル基とを有する樹脂(e)は、水酸基を有する樹脂(c)と、二塩基酸無水物(d)とを反応して得られる(第2の反応)。
また、本発明で用いられる水酸基を有する樹脂(c)は、エポキシ樹脂(a)と、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)とを反応して得られる(第1の反応)。
あるいは、本発明で用いられる光硬化性樹脂(A)として、第1の反応と第2の反応との反応物である樹脂(e)が挙げられる。
まず、第1の反応について説明する。
本発明で用いられるエポキシ樹脂(a)は、少なくとも1個以上のエポキシ基を有する樹脂であればには特に制限はなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、含ブロムエポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、複素環式エポキシ樹脂、エポキシ基を含有するアクリル共重合体などを挙げることができる。これらの中で、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂が、ノボラック型エポキシ樹脂である場合、光硬化性樹脂(A)にフェノール性水酸基を持たせることができる場合がある。
このエポキシ樹脂(a)のエポキシ基に反応させるラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)には特に制限はなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、ソルビン酸、桂皮酸などを挙げる事ができる。これらの中で、アクリル酸はエポキシ基との反応性が良好で、生成した樹脂が光硬化特性に優れるので特に好ましい。
第1の反応の、エポキシ基とカルボキシル基との公知の反応条件が使用できる。反応により、エポキシ基が解裂し、水酸基ができる。
つぎに、第2の反応について説明する。
水酸基を有する樹脂(c)に反応させる二塩基酸無水物(d)には特に制限はなく、飽和二塩基酸無水物および不飽和二塩基酸無水物のいずれをも使用することができる。このような二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、クロレンド酸無水物などを挙げることができる。これらの中で、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸及びメチルテトラヒドロ無水フタル酸が特に好ましい。これらの二塩基酸無水物は、1種を単独で使用することができ、2種以上を混合して使用することもできる。
第2の反応の、水酸基と無水物基との公知の反応条件が使用できる。反応により、無水物基が解裂し、カルボキシル基ができる。なお、ラジカル重合性不飽和アシル基は、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)のラジカル重合性不飽和基に由来する。
つぎに、第3の反応について説明する。
1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物(f)としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
第3の反応の、カルボキシル基とエポキシ基との公知の反応条件が使用できる。反応により、エポキシ基が解裂する。光硬化性樹脂(A)は、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)由来のラジカル重合性不飽和基と、化合物(f)由来のラジカル重合性不飽和基を有するために、効果的な光硬化性を示す。
構造中に少なくとも1個以上のラジカル重合性不飽和基を有し、かつ少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を有する光硬化性樹脂(A)のその他の例としては、以下の反応を経て得られるものが例示できる。
例えば、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性重合体と、分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合、及びイソシアネート基またはエポキシ基を有する化合物とを反応させたものが例示できる。若しくは、イソシアネート及び/またはエポキシ当量/水酸基当量比との比が1:0.1〜0.8の範囲で反応させて得られる。この樹脂をインキ組成物中に含有する事により、得られるインキは耐熱性、耐薬品性に優れる。
前記した、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性重合体としては、たとえばノボラック樹脂が挙げられる。ノボラック樹脂の具体的な例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、エチルフェノールノボラック樹脂、イソプロピルフェノールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、3,5−キシレノールノボラック樹脂、ブロムフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフタレンノボラック樹脂等が挙げられ、これらの中では特にフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が好ましい。
また、ポリビニルフェノールまたはその誘導体も、アルカリ可溶性重合体に使用できる。
分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合、及びイソシアネート基またはエポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物、あるいは、分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合及びエポキシ基を有する化合物である。当該重合可能な二重結合としては(メタ)アクリレート基または(メタ)アクリルアミド基などのアクリル基、アリル基、カルボン酸などのビニルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテルなど各種の置換二重結合を用いる事が可能であるが、特に好ましいのはアクリル基である。
分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物としては、たとえば(メタ)アクリロイルイソシアネート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらの三量化物、メチレンビスフェニルイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の水酸基に代表されるイソシアネート基と反応しうる官能基を有する(メタ)アクリレート化合物とを、部分的に付加反応させることにより得られる反応生成物または反応混合物を使用できる。
分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合及びエポキシ基を有する化合物としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、桂皮酸等の不飽和脂肪酸のグリシジルエステル、カネカレジンAXE(鐘淵化学工業製)、CYCLOMER A−200、M−200(ダイセル化学工業製)が用いられる。また特開昭50−59315に開示されている、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリカルボン酸無水物とエピハロヒドリンの反応物なども用いる事ができる。さらに、多官能エポキシ化合物に(メタ)アクリル酸などの不飽和基含有モノカルボン酸を、酸当量/エポキシ当量比を1±0.1の範囲で付加反応させた反応生成物または反応混合物も使用できる。
構造中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有する化合物(B)としては特に制限はなく、例えば日本化薬(株)社製の耐熱性エポキシ樹脂類としてはEOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−4500、EOCN−4600、CER−1020、CER−3000L、XD−1000、XD−1000L、XD−10002L、NC−3000、NC−3000H、EPPN−201L、EPPN−201H、EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、NC−7000L、耐熱・難燃性エポキシ樹脂としてBREN−S、BREN−105、BREN−304、液状エポキシ樹脂としてGAN、GOT、AK−601などが挙げられる。又、ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することもできる。これらは1種単独でも、2種以上を混合して用いても良い。
本発明においては、光重合性ビニル系モノマーを希釈剤(C)として加える事ができる。光重合性ビニル系モノマーの代表的なものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノまたはジアクリレート類、N、N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド類、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコールまたは、これらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドあるいはε−カプロラクトンの付加物の多価アクリレート類、フェノキシアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどフェノール類、あるいはそのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルから誘導されるエポキシアクリレート類、メラミンアクリレート類、および/または上記アクリレートに対応するメタクリレート類などがある。
また他の希釈剤(C)としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどの酢酸エステル類、石油エーテル、石油ナフサなどの有機溶剤、を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。また、該有機溶剤と該光重合性モノマーとを混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂硬化剤(D)としては以下のものが例示できる。例えば、潜在性熱硬化剤、常温で固体の熱硬化剤、または熱硬化促進剤は、従来公知のもの、例えば、「新エポキシ樹脂」(昭晃堂刊,昭和60年5月)第164頁〜263頁及び第356頁〜405頁記載のもの、「架橋剤ハンドブック」(大成社刊、昭和56年10月)第606頁〜655頁記載のもののうち、貯蔵安定性の良好なものから1種または2種以上が選択される。潜在性熱硬化剤としては、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)とその誘導体、メラミンとその誘導体、アミンイミド(AI)、ポリアミンの塩等が挙げられる。
ラジカル重合性不飽和アシル基とカルボキシル基とを有する樹脂(e)と、1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基とを有する化合物(f)とを反応して得られる(第3の反応)。
また、本発明で用いられるラジカル重合性不飽和アシル基とカルボキシル基とを有する樹脂(e)は、水酸基を有する樹脂(c)と、二塩基酸無水物(d)とを反応して得られる(第2の反応)。
また、本発明で用いられる水酸基を有する樹脂(c)は、エポキシ樹脂(a)と、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)とを反応して得られる(第1の反応)。
あるいは、本発明で用いられる光硬化性樹脂(A)として、第1の反応と第2の反応との反応物である樹脂(e)が挙げられる。
まず、第1の反応について説明する。
本発明で用いられるエポキシ樹脂(a)は、少なくとも1個以上のエポキシ基を有する樹脂であればには特に制限はなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、含ブロムエポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、複素環式エポキシ樹脂、エポキシ基を含有するアクリル共重合体などを挙げることができる。これらの中で、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂が、ノボラック型エポキシ樹脂である場合、光硬化性樹脂(A)にフェノール性水酸基を持たせることができる場合がある。
このエポキシ樹脂(a)のエポキシ基に反応させるラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)には特に制限はなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、ソルビン酸、桂皮酸などを挙げる事ができる。これらの中で、アクリル酸はエポキシ基との反応性が良好で、生成した樹脂が光硬化特性に優れるので特に好ましい。
第1の反応の、エポキシ基とカルボキシル基との公知の反応条件が使用できる。反応により、エポキシ基が解裂し、水酸基ができる。
つぎに、第2の反応について説明する。
水酸基を有する樹脂(c)に反応させる二塩基酸無水物(d)には特に制限はなく、飽和二塩基酸無水物および不飽和二塩基酸無水物のいずれをも使用することができる。このような二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、クロレンド酸無水物などを挙げることができる。これらの中で、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸及びメチルテトラヒドロ無水フタル酸が特に好ましい。これらの二塩基酸無水物は、1種を単独で使用することができ、2種以上を混合して使用することもできる。
第2の反応の、水酸基と無水物基との公知の反応条件が使用できる。反応により、無水物基が解裂し、カルボキシル基ができる。なお、ラジカル重合性不飽和アシル基は、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)のラジカル重合性不飽和基に由来する。
つぎに、第3の反応について説明する。
1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物(f)としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
第3の反応の、カルボキシル基とエポキシ基との公知の反応条件が使用できる。反応により、エポキシ基が解裂する。光硬化性樹脂(A)は、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)由来のラジカル重合性不飽和基と、化合物(f)由来のラジカル重合性不飽和基を有するために、効果的な光硬化性を示す。
構造中に少なくとも1個以上のラジカル重合性不飽和基を有し、かつ少なくとも1個以上のフェノール性水酸基を有する光硬化性樹脂(A)のその他の例としては、以下の反応を経て得られるものが例示できる。
例えば、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性重合体と、分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合、及びイソシアネート基またはエポキシ基を有する化合物とを反応させたものが例示できる。若しくは、イソシアネート及び/またはエポキシ当量/水酸基当量比との比が1:0.1〜0.8の範囲で反応させて得られる。この樹脂をインキ組成物中に含有する事により、得られるインキは耐熱性、耐薬品性に優れる。
前記した、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性重合体としては、たとえばノボラック樹脂が挙げられる。ノボラック樹脂の具体的な例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、エチルフェノールノボラック樹脂、イソプロピルフェノールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、3,5−キシレノールノボラック樹脂、ブロムフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフタレンノボラック樹脂等が挙げられ、これらの中では特にフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が好ましい。
また、ポリビニルフェノールまたはその誘導体も、アルカリ可溶性重合体に使用できる。
分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合、及びイソシアネート基またはエポキシ基を有する化合物は、分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物、あるいは、分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合及びエポキシ基を有する化合物である。当該重合可能な二重結合としては(メタ)アクリレート基または(メタ)アクリルアミド基などのアクリル基、アリル基、カルボン酸などのビニルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテルなど各種の置換二重結合を用いる事が可能であるが、特に好ましいのはアクリル基である。
分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物としては、たとえば(メタ)アクリロイルイソシアネート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらの三量化物、メチレンビスフェニルイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の水酸基に代表されるイソシアネート基と反応しうる官能基を有する(メタ)アクリレート化合物とを、部分的に付加反応させることにより得られる反応生成物または反応混合物を使用できる。
分子内に少なくとも一つ以上の重合可能な二重結合及びエポキシ基を有する化合物としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、桂皮酸等の不飽和脂肪酸のグリシジルエステル、カネカレジンAXE(鐘淵化学工業製)、CYCLOMER A−200、M−200(ダイセル化学工業製)が用いられる。また特開昭50−59315に開示されている、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとポリカルボン酸無水物とエピハロヒドリンの反応物なども用いる事ができる。さらに、多官能エポキシ化合物に(メタ)アクリル酸などの不飽和基含有モノカルボン酸を、酸当量/エポキシ当量比を1±0.1の範囲で付加反応させた反応生成物または反応混合物も使用できる。
構造中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有する化合物(B)としては特に制限はなく、例えば日本化薬(株)社製の耐熱性エポキシ樹脂類としてはEOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−4500、EOCN−4600、CER−1020、CER−3000L、XD−1000、XD−1000L、XD−10002L、NC−3000、NC−3000H、EPPN−201L、EPPN−201H、EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、NC−7000L、耐熱・難燃性エポキシ樹脂としてBREN−S、BREN−105、BREN−304、液状エポキシ樹脂としてGAN、GOT、AK−601などが挙げられる。又、ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用することもできる。これらは1種単独でも、2種以上を混合して用いても良い。
本発明においては、光重合性ビニル系モノマーを希釈剤(C)として加える事ができる。光重合性ビニル系モノマーの代表的なものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノまたはジアクリレート類、N、N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド類、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコールまたは、これらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドあるいはε−カプロラクトンの付加物の多価アクリレート類、フェノキシアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどフェノール類、あるいはそのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルから誘導されるエポキシアクリレート類、メラミンアクリレート類、および/または上記アクリレートに対応するメタクリレート類などがある。
また他の希釈剤(C)としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどの酢酸エステル類、石油エーテル、石油ナフサなどの有機溶剤、を挙げることができ、これらを単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。また、該有機溶剤と該光重合性モノマーとを混合して使用することもできる。
エポキシ樹脂硬化剤(D)としては以下のものが例示できる。例えば、潜在性熱硬化剤、常温で固体の熱硬化剤、または熱硬化促進剤は、従来公知のもの、例えば、「新エポキシ樹脂」(昭晃堂刊,昭和60年5月)第164頁〜263頁及び第356頁〜405頁記載のもの、「架橋剤ハンドブック」(大成社刊、昭和56年10月)第606頁〜655頁記載のもののうち、貯蔵安定性の良好なものから1種または2種以上が選択される。潜在性熱硬化剤としては、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)とその誘導体、メラミンとその誘導体、アミンイミド(AI)、ポリアミンの塩等が挙げられる。
また、常温で固体の熱硬化剤としては、メタフェニレンジアミン(MP−DA)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、チバガイギー社製の「ハードナーHT972」等の芳香族アミン類、無水フタール酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタール酸等の環状脂肪族酸無水物等が挙げられる。
また、熱硬化促進剤としてはアセチルアセトナートZn、アセチルアセトナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級ホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7及びその2−エチルヘキサン酸塩及びフェノール塩、イミダゾール、イミダゾリウム塩、トリエタノールアミンボレート等が挙げられる。
その他、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物には、要求される高感度を満足することが出来れば、他の成分を添加しても良い。
他の成分としては、塗布状態を確認し易くするための染顔料、絶縁信頼性を向上させるイオン捕集剤、流動性の調整,硬化収縮の低減,粘度の調整,現像を容易にするための、有機/無機フィラー、暗反応を防止し貯蔵安定性を向上させるための重合禁止剤、その他消泡剤、熱重合開始剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
その他、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物には、要求される高感度を満足することが出来れば、他の成分を添加しても良い。
他の成分としては、塗布状態を確認し易くするための染顔料、絶縁信頼性を向上させるイオン捕集剤、流動性の調整,硬化収縮の低減,粘度の調整,現像を容易にするための、有機/無機フィラー、暗反応を防止し貯蔵安定性を向上させるための重合禁止剤、その他消泡剤、熱重合開始剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
染顔料としては、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、キナクリドンレッド、ジアゾイエロー、酸化チタンが挙げられる。
イオン捕集剤としては、無機あるいは有機のイオン交換体が好適に用いられる。詳しくは無機イオン交換体イグゼ(東亞合成(株)製)、やイオン交換樹脂「ダイアイオン」(三菱化学(株)製)が用いられるが、イオン捕集能を有するものであればこれらに限定されない。
有機/無機フィラーとしては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂を使用する溶剤に不溶となるまで高分子化し微粒子化した有機フィラー類、シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム、沈降性炭酸バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム等の無機フィラー類が挙げられる。上記フィラーは1種又は2種以上を混合して使用しても構わない。上記フィラーは、好ましくは、平均粒径が10μm以下の微粒子であり、より好ましくは5μm以下の微粒子である。
ラジカル重合開始剤(E)を以下に説明する。本発明のラジカル重合開始剤は一般式(1)で表記される構造を有しており、α−アミノアセトフェノン誘導体のベンゼン環部位を、芳香族アシル基を有するヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる芳香族環縮合基に置き替えた特徴的な構造を有する。この芳香族環縮合基を導入することにより、本発明の化合物は250nmから450nmの波長領域に好適な光の吸収特性を持つことができ、光照射に対する大幅な高感度化を実現している。また、この構造を有することにより、本発明の化合物は該波長領域の光照射に対して、非常に効率的に分解するため、その結果、多量のラジカルを効率的に発生する高感度な材料として機能することが可能となっている。
一般式(1)
ラジカル重合開始剤(E)を以下に説明する。本発明のラジカル重合開始剤は一般式(1)で表記される構造を有しており、α−アミノアセトフェノン誘導体のベンゼン環部位を、芳香族アシル基を有するヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる芳香族環縮合基に置き替えた特徴的な構造を有する。この芳香族環縮合基を導入することにより、本発明の化合物は250nmから450nmの波長領域に好適な光の吸収特性を持つことができ、光照射に対する大幅な高感度化を実現している。また、この構造を有することにより、本発明の化合物は該波長領域の光照射に対して、非常に効率的に分解するため、その結果、多量のラジカルを効率的に発生する高感度な材料として機能することが可能となっている。
一般式(1)
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアルケニル基を表す。また、R1とR2とが一体となって環を形成してもよい。
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5を表す。また、R3とR4とが一体となって環を形成してもよい。
R5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。
Xは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基を表し、
Ar1は下記一般式(2)を表す。)
(式中、R6〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の複素環チオ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のジアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基、またはハロゲン原子を表す。また、R6〜R10は、一体となって芳香環を形成してもよい。)
次に、本発明の光重合開始剤の構造について詳細に説明する。
本発明の光重合開始剤はその特性を阻害しない範囲において、一般式(1)に示したように、各種の置換基を導入することが可能である。置換基の導入により、本発明の光重合開始剤は吸収極大波長や透過率などのエネルギー線の吸収特性、併用する樹脂や溶剤に対する溶解度を適当に調整して用いることができる。
一般式(1)における置換基R1およびR2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または置換もしくは未置換のアルケニル基である。
置換もしくは未置換のアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から18であり、場合により1個以上の−O−なる構造により中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる、が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH3、
−CH2−CH2−O−CH2−CH3 等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換の複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4〜24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられ、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換のアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1およびR2は、上記以外の置換位置で一般式(1)の炭素原子と結合していてもよく、それらも本発明のR1およびR2で表記される置換基の範疇に含まれる。
また、R1とR2は一体となって環を形成してもよい。
R1とR2が一体となって環を形成する場合、形成される部位としては、置換もしくは未置換の、炭素原子数2〜8からなるアルキレン基、炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基、もしくは炭素原子数3〜9のアザアルキレン基が挙げられる。
ここで、炭素原子数2〜8からなるアルキレン基である場合に形成される環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基、もしくは炭素原子数3〜9のアザアルキレン基である場合に形成される環としては、テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、ピペリジン環等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記置換基のうち、R1としては合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メチルベンジル基、または2−プロペニル基が特に好ましい。
一般式(1)中の置換基R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5である。
R3およびR4における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R3およびR4における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R3およびR4における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R3およびR4における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基である。
R5における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基と酸素原子が上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR5で表記される置換基の範疇に含まれる。
一般式(1)中の置換基R5における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、複素環基と酸素原子が上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR5で表記される置換基の範疇に含まれる。
また、R3とR4は一体となって環を形成してもよい。
R3およびR4が一体となって環を形成する場合、形成される部位としては、炭素原子数2〜6のアルキレン基、炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、炭素原子数2〜6のチアアルキレン基、もしくは炭素原子数2〜6のアザアルキレン基が挙げられる。
ここで、炭素原子数2〜6のアルキレン基である場合に形成される環としては、プロピレンイミン環、ピロリジン環、ピペリジン環、またはピペコリン環等を形成することを例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、炭素原子数2〜6のチアアルキレン基、もしくは炭素原子数2〜6のアザアルキレン基である場合に形成される環としては、モルホリン環、チオモルホリン環、チアゾリジン環、ピペラジン環、またはホモピペラジン環等を形成することを例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記置換基のうち、R3およびR4としては合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、アルキル基、アルケニル基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のアルキレン基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のチアアルキレン基もしくは、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のアザアルキレン基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、またはピペラジノ基が特に好ましい。
一般式(1)中のAr1は、上記一般式(2)で表される。
一般式(2)中の置換基R6〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の複素環チオ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のジアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基、置換もしくは未置換のベンジルアミノ基、置換もしくは未置換のジベンジルアミノ基、またはハロゲン原子である。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基とカルボニル基、複素環基とカルボニル基は、それぞれ上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、置換基R5におけるアルコキシル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、置換基R5におけるアリールオキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、置換基R5における複素環オキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアシルオキシ基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、炭素数6から18の単環状あるいは縮合アリール基が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、3−フロイルオキシ基、2−テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基、イソニコチノイルオキシ基、9−アンスロイルオキシ基、5−ナフタセノイルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基とカルボニルオキシ基、複素環基とカルボニルオキシ基は、それぞれ上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数1〜12の炭酸エステル基が挙げられ、具体例としてはtert−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルオキシ基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシ基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルチオ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアリールチオ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基と硫黄原子は上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
R6〜R10における置換もしくは未置換の複素環チオ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環複素環チオ基が挙げられ、具体例としては、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、複素環基と硫黄原子は、上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基、インドリノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
上記置換基のうち、置換基R6〜R10としては、合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、置換基R6〜R10全てが同時に水素原子、置換基R6がメチル基で置換基R7〜R10が同時に水素原子、置換基R10がメチル基で置換基R6〜R9が同時に水素原子、置換基R8がメチル基で置換基R6、R7、R9、およびR10が同時に水素原子、である場合が特に好ましい。
Ar1がアルキル基である場合は、本発明のラジカル重合開始剤に比べて、感度の面で劣る。つまり、高感度化のためには、本発明のように、Ar1が芳香族基であることが必要である。
一般式(1)中のXは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基である。
本発明において、芳香族環縮合基とは、2つ以上の環が縮合したものであって、少なくとも1つの環が芳香族環であるものを示す。特に、前記芳香族環は、一般式(1)の2つのカルボニル基のうちの少なくとも一方と共役するように結合していることが好ましい。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基としては、特に限定はなく、ヘテロ原子の種類、ヘテロ原子の数、ヘテロ原子の置換位置についても特に限定はない。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の種類は、特に限定はないが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましい。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の数は、特に限定はないが、0〜4個が好ましい。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の置換位置は、特に限定はないが、Xの含む芳香族環と一般式(1)の2つのカルボニル基のうちの少なくとも一方との共役を遮らないように結合していることが好ましい。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ナフタセニル基、ピレニル基、フェニルナフチル基、インデニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、アセナフテニル基、フラニル基、ピロリル基、チエニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インデニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジオキシニル基、フェノキサチイニル基、フェノチアジニル基、チアントレニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、フェノキサジニル基、フェナジニル基、アクリジニル基、キサントニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、1,2−ベンズイソキサゾリル基、フェナナントリジニル基、フェナントロリニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミノスチルベニル基、アクリドニル基、トリフェニルアミン基、N−フェニルピロリル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基の好ましい例としては、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)である。
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)中の置換基R11は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基である。
R11における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、前述のアルコキシル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1とR2は一体となって環を形成してもよい。
R1とR2が一体となって環を形成する場合、形成される部位としては、置換もしくは未置換の、炭素原子数2〜8からなるアルキレン基、炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基、もしくは炭素原子数3〜9のアザアルキレン基が挙げられる。
ここで、炭素原子数2〜8からなるアルキレン基である場合に形成される環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素原子数3〜9のオキサアルキレン基、もしくは炭素原子数3〜9のアザアルキレン基である場合に形成される環としては、テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、ピペリジン環等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記置換基のうち、R1としては合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、ベンジル基、p−メチルベンジル基、または2−プロペニル基が特に好ましい。
一般式(1)中の置換基R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5である。
R3およびR4における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R3およびR4における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R3およびR4における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R3およびR4における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基である。
R5における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R5における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基と酸素原子が上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR5で表記される置換基の範疇に含まれる。
一般式(1)中の置換基R5における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、複素環基と酸素原子が上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR5で表記される置換基の範疇に含まれる。
また、R3とR4は一体となって環を形成してもよい。
R3およびR4が一体となって環を形成する場合、形成される部位としては、炭素原子数2〜6のアルキレン基、炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、炭素原子数2〜6のチアアルキレン基、もしくは炭素原子数2〜6のアザアルキレン基が挙げられる。
ここで、炭素原子数2〜6のアルキレン基である場合に形成される環としては、プロピレンイミン環、ピロリジン環、ピペリジン環、またはピペコリン環等を形成することを例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、炭素原子数2〜6のチアアルキレン基、もしくは炭素原子数2〜6のアザアルキレン基である場合に形成される環としては、モルホリン環、チオモルホリン環、チアゾリジン環、ピペラジン環、またはホモピペラジン環等を形成することを例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記置換基のうち、R3およびR4としては合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、アルキル基、アルケニル基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のアルキレン基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のオキサアルキレン基、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のチアアルキレン基もしくは、R3およびR4が一体となって形成する炭素原子数2〜6のアザアルキレン基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、またはピペラジノ基が特に好ましい。
一般式(1)中のAr1は、上記一般式(2)で表される。
一般式(2)中の置換基R6〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルチオ基、置換もしくは未置換のアリールチオ基、置換もしくは未置換の複素環チオ基、置換もしくは未置換のアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは未置換のアリールアミノ基、置換もしくは未置換のジアリールアミノ基、置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基、置換もしくは未置換のベンジルアミノ基、置換もしくは未置換のジベンジルアミノ基、またはハロゲン原子である。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基とカルボニル基、複素環基とカルボニル基は、それぞれ上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、置換基R5におけるアルコキシル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、置換基R5におけるアリールオキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、置換基R5における複素環オキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアシルオキシ基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、炭素数6から18の単環状あるいは縮合アリール基が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、3−フロイルオキシ基、2−テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基、イソニコチノイルオキシ基、9−アンスロイルオキシ基、5−ナフタセノイルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基とカルボニルオキシ基、複素環基とカルボニルオキシ基は、それぞれ上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数1〜12の炭酸エステル基が挙げられ、具体例としてはtert−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルオキシ基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルオキシ基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルチオ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアリールチオ基としては、炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、アリール基と硫黄原子は上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
R6〜R10における置換もしくは未置換の複素環チオ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環複素環チオ基が挙げられ、具体例としては、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、複素環基と硫黄原子は、上記以外の位置で結合していてもよく、それらも本発明のR6〜R10で表記される置換基の範疇に含まれる。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基、インドリノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10における置換もしくは未置換のアルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R6〜R10におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
上記置換基のうち、置換基R6〜R10としては、合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、置換基R6〜R10全てが同時に水素原子、置換基R6がメチル基で置換基R7〜R10が同時に水素原子、置換基R10がメチル基で置換基R6〜R9が同時に水素原子、置換基R8がメチル基で置換基R6、R7、R9、およびR10が同時に水素原子、である場合が特に好ましい。
Ar1がアルキル基である場合は、本発明のラジカル重合開始剤に比べて、感度の面で劣る。つまり、高感度化のためには、本発明のように、Ar1が芳香族基であることが必要である。
一般式(1)中のXは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基である。
本発明において、芳香族環縮合基とは、2つ以上の環が縮合したものであって、少なくとも1つの環が芳香族環であるものを示す。特に、前記芳香族環は、一般式(1)の2つのカルボニル基のうちの少なくとも一方と共役するように結合していることが好ましい。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基としては、特に限定はなく、ヘテロ原子の種類、ヘテロ原子の数、ヘテロ原子の置換位置についても特に限定はない。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の種類は、特に限定はないが、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましい。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の数は、特に限定はないが、0〜4個が好ましい。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基におけるヘテロ原子の置換位置は、特に限定はないが、Xの含む芳香族環と一般式(1)の2つのカルボニル基のうちの少なくとも一方との共役を遮らないように結合していることが好ましい。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ナフタセニル基、ピレニル基、フェニルナフチル基、インデニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、アセナフテニル基、フラニル基、ピロリル基、チエニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インデニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジオキシニル基、フェノキサチイニル基、フェノチアジニル基、チアントレニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、フェノキサジニル基、フェナジニル基、アクリジニル基、キサントニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、1,2−ベンズイソキサゾリル基、フェナナントリジニル基、フェナントロリニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イミノスチルベニル基、アクリドニル基、トリフェニルアミン基、N−フェニルピロリル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Xにおけるヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族基の好ましい例としては、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)である。
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)中の置換基R11は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基である。
R11における置換もしくは未置換のアルキル基としては、前述のアルキル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換のアリール基としては、前述のアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換の複素環基としては、前述の複素環基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、前述のアルケニル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換のアルコキシル基としては、前述のアルコキシル基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、前述のアリールオキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、前述の複素環オキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)としては、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インデニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジオキシニル基、フェノキサチイニル基、フェノチアジニル基、チアントレニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、フェノキサジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、1,2−ベンズイソキサゾリル基、イミノスチルベニル基、キサントニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
R11における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、前述の複素環オキシ基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)としては、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インデニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジオキシニル基、フェノキサチイニル基、フェノチアジニル基、チアントレニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、フェノキサジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、1,2−ベンズイソキサゾリル基、イミノスチルベニル基、キサントニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)のうち、合成の難易度の面や、ラジカル発生剤としての感度の点で、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、フルオレニル基ジベンゾ〔b,e〕〔1,4〕ジオキシニル基、フェノキサチイニル基、フェノチアジニル基、チアントレニル基、キサンテニル基、チオキサンテニル基、フェノキサジニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基である場合が特に好ましい。
上述したR1〜R11が有しても良い置換基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜18の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1ーナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、9−フルオレニル基等が挙げられる。
複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環または縮合多環複素環基が挙げられ、具体例としては、2−フラニル基、2−チエニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−アクリジニル基等が挙げられる。
アシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、あるいは、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状あるいは縮合多環状複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、それらは構造中に不飽和結合を有していてもよく、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シンナモイル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、9−アンスロイル基、5−ナフタセノイル基等が挙げられる。
アルコキシル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状あるいは縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等が挙げられる。
複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、炭素数6から18の単環状または縮合多環状アリール基が結合したカルボニルオキシ基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環基が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、3−フロイルオキシ基、2−テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基、イソニコチノイルオキシ基、9−アンスロイルオキシ基、5−ナフタセノイルオキシ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等が挙げられる。
複素環チオ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状または縮合多環状複素環チオ基が挙げられ、具体例としては、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等が挙げられる。
アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられる。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられる。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられる。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられる。
以上述べた光重合開始剤として、特に好ましい具体例を以下に示すが、本発明のラジカル重合開始剤の構造はそれらに限定されるものではない。
また、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物はさらに必要に応じて、他の光重合開始剤を併用することが可能である。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物と混合して併用可能な他の光重合開始剤としては、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717(旭電化社)、Esacure1001M(Lamberti社)、ルシリンTPO(BASF社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−213861号公報、特開平5−255347号公報、特開平5−255421号公報、特開平6−157623号公報、特開2000−344812号公報、特開2002−265512号公報、特願2004−053009号公報、ならびに特願2004−263413号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)、特開昭61−24558号公報、特表2004−534797号公報、ならびに特開2004−359639号公報記載のオキシムエステル化合物、特表2002−530372号公報記載の二官能性光開始剤などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物と混合して併用可能な他の光重合開始剤としては、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717(旭電化社)、Esacure1001M(Lamberti社)、ルシリンTPO(BASF社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−213861号公報、特開平5−255347号公報、特開平5−255421号公報、特開平6−157623号公報、特開2000−344812号公報、特開2002−265512号公報、特願2004−053009号公報、ならびに特願2004−263413号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)、特開昭61−24558号公報、特表2004−534797号公報、ならびに特開2004−359639号公報記載のオキシムエステル化合物、特表2002−530372号公報記載の二官能性光開始剤などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物はさらに必要に応じて増感剤を併用してもよい。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物と混合して併用可能な増感剤としては、ベンゾフェノン類、カルコン誘導体やジベンザルアセトンなどに代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどを挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどを挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102などを挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の感光性フィルム及びその製造方法について説明する。本発明の感光性フィルムは、支持体上に上記感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層が積層されている感光性フィルムである。支持体としては、一般的な熱可塑性樹脂のフィルムが用いられるが、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層の除去が不可能となるような材質からなるフィルムや、除去が不可能となるような表面処理が施されたフィルムは不適当である。熱可塑性樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、トリアセチルアセテート等からなるフィルムが挙げられ、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの熱可塑性樹脂フィルムは、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層の除去を容易にするため、シリコーンコート剤のような剥離剤を表面に塗布したものでも構わない。支持体の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは5〜25μmである。
また、紫外線等の活性エネルギー線による露光時の光の散乱を低減するため、熱可塑性樹脂フィルムは透明性に優れる方が好ましい。具体的には、透明性の指標となる濁度(ヘーズ,JIS-K6714)が0.1〜5であるものが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムは、感光性樹脂組成物からなる層の支持体として使用するが、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層の保護フィルムとして感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層の両面に積層してもよい。その場合、より容易に剥離する側が保護フィルムとなる。ただし、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層を支持体上に積層した後、同一工程内で直ちに使用される場合や、常温でほとんど粘着性が無い場合には保護フィルムは設けなくても構わない。
本発明の感光性フィルムは、支持体上に上記感光性熱硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥し、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層を積層することにより製造することができる。
具体的には、まず、真空脱泡方法等で感光性熱硬化性樹脂組成物中の泡を完全に除去した後、感光性熱硬化性樹脂組成物を支持体上に塗布し、熱風炉あるいは遠赤外線炉により溶剤を除去し、乾燥せしめ、ついで必要に応じて得られた乾燥皮膜上に保護フィルムを積層することにより感光性フィルムを製造することができる。
具体的には、まず、真空脱泡方法等で感光性熱硬化性樹脂組成物中の泡を完全に除去した後、感光性熱硬化性樹脂組成物を支持体上に塗布し、熱風炉あるいは遠赤外線炉により溶剤を除去し、乾燥せしめ、ついで必要に応じて得られた乾燥皮膜上に保護フィルムを積層することにより感光性フィルムを製造することができる。
感光性熱硬化性樹脂組成物の塗布方式としては、グラビアコート方式、マイクログラビアコート方式、リバースコート方式、キスリバースコート方式、ダイコート方式、スロットダイ方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、カーテンコート方式、チャンバーグラビアコート方式、スロットオリフィス方式、スプレーコート方式、ディップコート方式等が挙げられる。感光性熱硬化性樹脂組成物は、数回に分けて塗布しても良いし、1回で塗布しても良く、また異なる方式を複数組み合わせて塗布しても良い。中でも、均一塗工性に優れる、ダイコート方式が好ましい。また、異物混入等をさけるために、クリーンルーム等の異物発生の少ない環境で塗布することが好ましい。
また、支持体の厚みが薄い場合、加熱による支持体の収縮や支持体の破断が起こる場合がある。この場合、100μm程度のシリコーン剥離処理のされたフィルムに感光性熱硬化性樹脂組成物を一旦塗布し、乾燥後、所望する支持体を積層して、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層を支持体側に転移させた後、シリコーン剥離処理のされたフィルムを除去して、再度保護フィルムを積層する方法で製造しても構わない。感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層の厚みは特に制限されないが、通常5〜100μm、好ましくは15〜45μmである。
さらに、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物及び感光性フィルムをフォトソルダーレジストとして用いたプリント配線基板の製造方法について説明する。
感光性熱硬化性樹脂組成物を直接銅回路の形成されたプリント配線基板上等に塗布する場合には、プリント配線基板上に乾燥後の厚みとして5〜100μm、好ましくは15〜45μmの厚みで塗布される。塗布の手段としては、現在はスクリーン印刷法による全面印刷が一般に多く用いられているが、これを含めて均一に塗工できる塗工手段であればどのような手段を用いてもよい。例えば、スプレーコート方式、ホットメルトコート方式、バーコート方式、アプリケーター方式、ブレードコート方式、ナイフコート方式、エアナ
イフコート方式、カーテンフローコート方式、ロールコート方式、グラビアコート方式、オフセット印刷方式、ディップコート方式、刷毛塗り、その他通常の方法はすべて使用できる。塗布後、必要に応じて熱風炉あるいは遠赤外線炉等でプリベーク工程すなわち仮乾燥を行う。プリベークの温度はおおむね50〜100℃程度が好ましい。
イフコート方式、カーテンフローコート方式、ロールコート方式、グラビアコート方式、オフセット印刷方式、ディップコート方式、刷毛塗り、その他通常の方法はすべて使用できる。塗布後、必要に応じて熱風炉あるいは遠赤外線炉等でプリベーク工程すなわち仮乾燥を行う。プリベークの温度はおおむね50〜100℃程度が好ましい。
次に、露光工程に入る。露光工程では、半田メッキされる部分だけが活性エネルギー線を通さないようにしたネガマスクを用いて活性エネルギー線による露光が行なわれる。また、ネガマスクを用いずに活性エネルギー線のビームで直接描画してもよい。ネガマスクとしては活性エネルギー線が紫外線、可視光線の場合にはネガフィルムが、電子線の場合には金属性マスクが、X線の場合には鉛性マスクがそれぞれ使用されるが、簡便なネガフィルムを使用できるためプリント配線基板製造では活性エネルギー線としては紫外線が多く用いられる。露光方法にはネガマスクをプリント配線基板に密着して行う接触露光法と、密着させずに平行光線を使用して露光する非接触露光法とがあるが、どちらを用いてもかまわない。紫外線の照射量はおおむね10〜1000mJ/cm2 である。
露光工程の後、現像工程にはいる。現像工程は炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ液を現像液とし、スプレー、浸漬等の手段で行なわれ、未露光部分が溶解、膨潤、剥離等の作用で除去される。
最後に、ポストベーク工程に入る。ポストベークは熱風炉あるいは遠赤外線炉等で、エポキシ成分が十分反応する温度、時間で行えばよい。
以上の工程でプリント配線基板上にフォトソルダーレジストが施される。
最後に、ポストベーク工程に入る。ポストベークは熱風炉あるいは遠赤外線炉等で、エポキシ成分が十分反応する温度、時間で行えばよい。
以上の工程でプリント配線基板上にフォトソルダーレジストが施される。
感光性フィルムを用いて、プリント配線基板上に感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層を設ける場合には、保護フィルムがあれば保護フィルムを除去後、感光性フィルム及び/またはプリント配線基板を加熱しながら、感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層とプリント配線基板が接触する向きで圧着させることにより積層する。加熱、圧着方法は特に限定されないが、通常80〜120℃に加熱し、空気等が含有されにくい、真空ラミネート法で行うことが好ましい。圧着後、支持体を残した状態で、ネガマスクを支持体上に置き、前述の直接印刷の場合と同様に露光した後、支持体の除去を行い、以下、現像、ポストベークを直接印刷と同様に行うことにより、基板上に感光性フィルムによるフォトソルダーレジストが施される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
光硬化性樹脂(A)の合成例
エチルカルビトールアセテート368.5部、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量217、1分子中に平均して7個のフェノール核を有する)434部とアクリル酸の144部をフラスコに入れ、撹拌下120℃で10時間反応を続けた。いったん反応生成物を室温まで冷却し、無水テトラヒドロフタル酸131部を加え、80℃に加熱して4時間撹拌した。この反応生成物を室温まで冷却し、光硬化性樹脂(A)(不揮発分約65.8%、酸価約70[KOHmg/g])を得た。
実施例に用いた本発明のラジカル重合開始剤(E1)、(E2)を下記に示す。
光硬化性樹脂(A)の合成例
エチルカルビトールアセテート368.5部、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量217、1分子中に平均して7個のフェノール核を有する)434部とアクリル酸の144部をフラスコに入れ、撹拌下120℃で10時間反応を続けた。いったん反応生成物を室温まで冷却し、無水テトラヒドロフタル酸131部を加え、80℃に加熱して4時間撹拌した。この反応生成物を室温まで冷却し、光硬化性樹脂(A)(不揮発分約65.8%、酸価約70[KOHmg/g])を得た。
実施例に用いた本発明のラジカル重合開始剤(E1)、(E2)を下記に示す。
これらラジカル重合開始剤(E1)、(E2)は、特願2005−022871に記載されている合成方法を用いることで得ることができた。
実施例1〜4、比較例1〜3
表1の配合に従い撹拌混合後、三本ロールミルで混練し、フォトソルダーレジストインキ組成物を調整した。
表1の配合に従い撹拌混合後、三本ロールミルで混練し、フォトソルダーレジストインキ組成物を調整した。
*1:エポキシ樹脂(日本化薬(株)社製)のエチルカルビトールアセテート溶液(固形分70%)
*2:プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成(株)社製)
*3:ジシアンジアミド(JER社製)
*4:日本アエロジル社製 微粉シリカ
*5:東洋インキ製造(株)製 緑顔料
*6:2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン(日本チバガイギー社製)
*2:プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成(株)社製)
*3:ジシアンジアミド(JER社製)
*4:日本アエロジル社製 微粉シリカ
*5:東洋インキ製造(株)製 緑顔料
*6:2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン(日本チバガイギー社製)
試験例
上記実施例1〜4、及び比較例1〜3のソルダーレジストインキをPET離形フィルムに乾燥膜厚で25μmになるよう塗布し、熱風循環型乾燥機で80℃、30分間予備乾燥後、12μm厚のPETフィルムとラミネートさせて乾燥塗膜を得た。離形フィルムを剥がした後、この塗膜を銅箔基板上に80℃で熱圧着し、光感度評価用21段ステップタブレット(Stouffer社)を密着させ、高圧水銀灯露光装置を用いて、露光条件:100mJ/cm2 照射し光硬化を行った。12μmPETフィルムを外した後、0.85%水酸化ナトリウム水溶液(液温30℃)を現像液に用いて、2kg/cm2のスプレー圧で30秒間現像し、未露光部分を溶解除去した。その後、165℃で60分間加熱して熱硬化を行った。得られた試験片により、光感度、現像性を評価した。
絶縁信頼性については、上記で得られた乾燥塗膜を、ポリイミド上に設けられた導体巾25μm、導体間25μm、導体厚10μmの櫛形銅電極上に、上記と同様に熱硬化した塗膜を設け、130℃、湿度85%の条件の加圧チャンバー内で5Vの電圧を電極に印加し、250時間経時し、絶縁性の低下度合を評価した。
上記実施例1〜4、及び比較例1〜3のソルダーレジストインキをPET離形フィルムに乾燥膜厚で25μmになるよう塗布し、熱風循環型乾燥機で80℃、30分間予備乾燥後、12μm厚のPETフィルムとラミネートさせて乾燥塗膜を得た。離形フィルムを剥がした後、この塗膜を銅箔基板上に80℃で熱圧着し、光感度評価用21段ステップタブレット(Stouffer社)を密着させ、高圧水銀灯露光装置を用いて、露光条件:100mJ/cm2 照射し光硬化を行った。12μmPETフィルムを外した後、0.85%水酸化ナトリウム水溶液(液温30℃)を現像液に用いて、2kg/cm2のスプレー圧で30秒間現像し、未露光部分を溶解除去した。その後、165℃で60分間加熱して熱硬化を行った。得られた試験片により、光感度、現像性を評価した。
絶縁信頼性については、上記で得られた乾燥塗膜を、ポリイミド上に設けられた導体巾25μm、導体間25μm、導体厚10μmの櫛形銅電極上に、上記と同様に熱硬化した塗膜を設け、130℃、湿度85%の条件の加圧チャンバー内で5Vの電圧を電極に印加し、250時間経時し、絶縁性の低下度合を評価した。
評価基準
光感度:現像後の21段ステップタブレットの残段数のうち、光沢を呈する段数を以下のように区分した。
光沢段数:0〜2段 ×(不良)
光沢段数:3〜5段 ○(良好)
光沢段数:6〜8段 ◎(極めて良好)
光感度:現像後の21段ステップタブレットの残段数のうち、光沢を呈する段数を以下のように区分した。
光沢段数:0〜2段 ×(不良)
光沢段数:3〜5段 ○(良好)
光沢段数:6〜8段 ◎(極めて良好)
現像性:現像後の未露光部分のレジスト残物の有無を目視評価した。
○:レジスト残なし
×:レジスト残あり
絶縁信頼性:250時間経時後の絶縁抵抗値により評価した(初期抵抗値は2×10-13Ωであった)。
○:抵抗値変化少(1×10―9Ω以上)
×:抵抗値変化大(1×10-9Ω未満)
○:レジスト残なし
×:レジスト残あり
絶縁信頼性:250時間経時後の絶縁抵抗値により評価した(初期抵抗値は2×10-13Ωであった)。
○:抵抗値変化少(1×10―9Ω以上)
×:抵抗値変化大(1×10-9Ω未満)
実施例に例示したように、本願発明の組成物は、光感度、現像性、絶縁信頼性ともに良好な結果を得るものとなっているが、その理由として詳細は明らかではないが、乾燥工程、熱硬化工程、評価工程における熱履歴に対し光開始剤が安定であること、且つ光感度が高いことが考えられる。それに対し、比較例1の組成物は光開始剤の感度が低いために、被膜表面が過現像されることにより失沢した。また皮膜の光架橋度が低いために、絶縁信頼性において抵抗値の低下が見られる結果となった。比較例2の組成物は、開始剤を増量したために光感度は高くなっているものの、絶縁信頼性が低下する結果となっている。これは系中に多量に残存する開始剤が熱に不安定であるため、絶縁信頼性に悪影響を与えているものと考えられる。比較例3の組成物は光開始剤をさらに多量に添加しているため、光感度はさらに高くなっているものの、系中に存在する開始剤の量が多く、乾燥工程における熱履歴で開始剤が不安定となり、ラジカル重合が進み、アルカリによる現像がされにくくなり、レジスト残りが発現する結果となっている。
本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物は、特にアルカリ現像型フォトソルダーレジスト組成物として有用であるが、その他にも絶縁材料、表面被覆剤に適用できる。
Claims (10)
- 構造中に少なくとも1個以上のラジカル重合性不飽和基を有し、かつ少なくとも1個以上のフェノール性水酸基およびまたはカルボキシル基を有する光硬化性樹脂(A)、構造中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有する化合物(B)、希釈剤(C)、エポキシ樹脂硬化剤(D)、および、下記一般式(1)で表記されるラジカル重合開始剤(E)、を含んでなる感光性熱硬化性樹脂組成物。
一般式(1)
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、またはCOR5を表す。また、R3とR4とが一体となって環を形成してもよい。
R5は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。
Xは、ヘテロ原子を含んでも良い炭素原子数4〜16からなる2価の芳香族環縮合基を表し、Ar1は下記一般式(2)を表す。)
一般式(2)
- Xが、下記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、または一般式(6)である請求項1記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
一般式(3)
Uは、−O−、−S−、または−N(R11)−を表し、
VおよびWは、窒素原子を表し、
R11は、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルコキシル基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、または置換もしくは未置換の複素環オキシ基を表す。) - Xが、下記一般式(3)である請求項2記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
- 光硬化性樹脂(A)が、エポキシ樹脂(a)にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸(b)を反応してなる樹脂(c)の生成した水酸基に、さらに二塩基酸無水物(d)を反応してなる、ラジカル重合性不飽和アシル基とカルボキシル基とを有する樹脂(e)である請求項1〜3いずれか記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
- 希釈剤(C)が、有機溶剤及び/または光重合性モノマーである、請求項1〜4いずれか記載の感光性熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5いずれか記載の感光性熱硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することを特徴とする感光物の製造方法。
- 請求項1〜5いずれか記載の感光性熱硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射した後、加熱することを特徴とする硬化物の製造方法。
- 請求項1〜5いずれか記載の感光性熱硬化性樹脂組成物を含んでなるフォトレジストインキ。
- 支持体上に、請求項1〜5いずれか記載の感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層が積層されていることを特徴とする感光性フィルム。
- 支持体上に、請求項1〜5いずれか記載の感光性熱硬化性樹脂組成物からなる層を積層することを特徴とする感光性フィルムの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2006211127A JP2008039926A (ja) | 2006-08-02 | 2006-08-02 | 感光性熱硬化性樹脂組成物 |
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JP2006211127A Withdrawn JP2008039926A (ja) | 2006-08-02 | 2006-08-02 | 感光性熱硬化性樹脂組成物 |
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-
2006
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