JP2008039166A - 作業車の変速操作構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 変速操作部と変速位置検出手段との間のずれで、変速操作具が零速位置に操作されているにもかかわらず、車体の駆動走行状態が継続される不都合の発生を阻止する。
【解決手段】 制御手段31が、操作位置検出手段29の検出と変速位置検出手段30の検出に基づいて、変速操作具24の操作位置に対応する変速操作位置に変速操作部16Aが変速操作されるように操作手段26の作動を制御し、かつ、操作位置検出手段29の検出に基づいて、変速操作具24が零速位置に到達したことを検知している状態で、変速位置検出手段30の検出に基づいて、変速操作部16Aが予め設定した零速位置近傍の設定位置に到達したことを検知すると、操作手段26に対する制御作動を停止して、付勢手段32,33の付勢で変速操作部16Aを零速位置に位置させるように構成してある。
【選択図】 図6

Description

本発明は、人為操作される変速操作具の操作位置を検出する操作位置検出手段と、無段変速装置における変速操作部の変速操作位置を検出する変速位置検出手段と、前記変速操作部を変速操作する操作手段と、前記操作手段の作動を制御する制御手段とを装備し、前記制御手段が、前記操作位置検出手段の検出と前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具の操作位置に対応する変速操作位置に前記変速操作部が変速操作されるように前記操作手段の作動を制御するように構成してある作業車の変速操作構造に関する。
上記のような作業車の変速操作構造としては、変速レバー(変速操作具)の操作量をポテンショメータ型の速度設定器(操作位置検出手段)により検出するとともに、静油圧式無段変速装置の変速用トラニオン軸(変速操作部)の操作アームと油圧シリンダ(操作手段)のシリンダロッドとを連動連結し、トラニオン軸の実回動量をポテンショメータ型のフィードバックセンサ(変速位置検出手段)により検出して、このフィードバックセンサの検出値が速度設定器による設定値に合致するよう制御装置(制御手段)が油圧シリンダに対する電磁制御弁を切り換え制御するように構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平07−23610号公報(段落番号0012、図1)
上記の構成によると、経時変化によって変速操作部と変速位置検出手段との間にずれが生じた場合には、制御手段が、そのずれに関係なく、変速位置検出手段の検出に基づいて、その検出が操作位置検出手段の検出に合致するように操作手段の作動を制御することになる。
その結果、変速操作具が零速位置に操作されているにもかかわらず、その操作に基づく制御手段の制御作動で、変速操作部が零速位置から外れた増速位置に位置することになって、車体の駆動走行状態が継続される、といった不都合を招くことになる。
本発明の目的は、経時変化による変速操作部と変速位置検出手段との間のずれに起因して、変速操作具が零速位置に操作されているにもかかわらず、車体の駆動走行状態が継続される、といった不都合の発生を阻止することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、人為操作される変速操作具の操作位置を検出する操作位置検出手段と、無段変速装置における変速操作部の変速操作位置を検出する変速位置検出手段と、前記変速操作部を変速操作する操作手段と、前記操作手段の作動を制御する制御手段と、前記変速操作部が零速位置に復帰するように付勢する付勢手段とを装備し、前記制御手段が、前記操作位置検出手段の検出と前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具の操作位置に対応する変速操作位置に前記変速操作部が変速操作されるように前記操作手段の作動を制御し、かつ、前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が零速位置に到達したことを検知している状態で、前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作部が予め設定した零速位置近傍の設定位置に到達したことを検知すると、前記操作手段に対する制御作動を停止して、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部を前記零速位置に位置させるように構成してある。
この特徴構成によると、変速操作具の増速操作が行われると、その操作に基づく制御手段の制御作動によって、変速操作部が、付勢手段の付勢に抗して変速操作具の操作位置に対応する変速操作位置に向けて増速操作される。
逆に、変速操作具の減速操作が行われると、その操作に基づく制御手段の制御作動と付勢手段の付勢によって、変速操作部が、変速操作具の操作位置に対応する変速操作位置に向けて減速操作される。
変速操作具の減速操作で変速操作具が零速位置に到達すると、その操作に基づく制御手段の制御作動と付勢手段の付勢によって、変速操作部が、変速操作具の零速位置に対応する変速操作位置(零速位置)に向けて減速操作され、この減速操作によって、変速操作部が予め設定した零速位置近傍の設定位置に到達すると、制御手段の制御作動による変速操作部の減速操作が停止され、付勢手段の付勢のみで変速操作部が零速位置に位置するようになる。
これによって、経時変化によって変速操作部と変速位置検出手段との間にずれが生じていたとしても、変速操作具を零速位置に操作した場合には、変速操作部を零速位置に位置させることができる。
従って、変速操作具が零速位置に操作されているにもかかわらず、経時変化による変速操作部と変速位置検出手段との間のずれに起因して、車体の駆動走行状態が継続される、といった不都合の発生を阻止することができる。
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、車速検出手段を備え、前記制御手段が、前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が前記零速位置に到達したことを検知している状態で、前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作部が前記設定位置に到達したことを検知し、かつ、前記車速検出手段の検出に基づいて、車速が予め設定した低い設定速度まで低下したことを検知すると、前記操作手段に対する制御作動を停止して、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部を前記零速位置に位置させるように構成してある。
ところで、変速操作具が零速位置に位置し、変速操作部が予め設定した零速位置近傍の設定位置に到達しても、走行時の慣性が大きくなるトレーラ作業や降坂走行などにおいては、車速が十分に低下していないことがある。
このように車速が十分に低下していない状態において、制御手段が操作手段に対する制御作動を停止すると、走行時の慣性で、無段変速装置が付勢手段の付勢に抗して増速操作されることがある。
そこで、請求項2に記載の発明では、変速操作具が零速位置に位置し、変速操作部が予め設定した零速位置近傍の設定位置に到達した上で、更に、車速が予め設定した、例えば、走行時の慣性では無段変速装置が付勢手段の付勢に抗して増速操作されることのない十分に低い速度、まで低下した場合に、制御手段が操作手段に対する制御作動を停止するように構成しているのである。
これによって、トレーラ作業や降坂走行などにおける走行時の慣性で、無段変速装置が付勢手段の付勢に抗して増速操作されることによって、車体の駆動走行状態が継続されるのを防止することができる。
従って、変速操作具が零速位置に操作されているにもかかわらず、経時変化による変速操作部と変速位置検出手段との間のずれに起因して、車体の駆動走行状態が継続される、といった不都合の発生をより確実に阻止することができる。
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、タイマーを備え、前記制御手段が、前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が前記零速位置に到達したことを検知している状態で、前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作部が前記設定位置に到達したことを検知すると、前記タイマーによる計時を開始し、その計時が予め設定した設定時間を経過すると、前記操作手段に対する制御作動を停止して、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部を前記零速位置に位置させるように構成してある。
ところで、変速操作具の零速位置への操作を操作位置検出手段が検出し、変速操作部の予め設定した零速位置近傍の設定位置への到達を変速位置検出手段が検出しても、変速操作部と変速位置検出手段との間のずれが大きい場合には、実際には変速操作部が零速位置の近傍まで操作されていないことで、車速が十分に低下しないことがある。
このように車速が十分に低下していない状態において、制御手段が操作手段に対する制御作動を停止すると、走行時の慣性で、無段変速装置が付勢手段の付勢に抗して増速操作されることがある。
そこで、請求項3に記載の発明では、変速操作具が零速位置に位置し、変速操作部が予め設定した零速位置近傍の設定位置に到達してから、更に、制御手段の制御作動による変速操作部の減速方向への操作を、予め設定した、例えば、走行時の慣性では無段変速装置が付勢手段の付勢に抗して増速操作されることのない十分に低い速度まで車速を低下させるのに必要な変速操作部の操作時間、の間継続し、その設定時間の経過後に、制御手段が操作手段に対する制御作動を停止するように構成しているのである。
これによって、変速操作部と変速位置検出手段との間のずれが大きい場合における走行時の慣性で、無段変速装置が付勢手段の付勢に抗して増速操作されることによって、車体の駆動走行状態が継続されるのを防止することができる。
従って、変速操作具が零速位置に操作されているにもかかわらず、経時変化による変速操作部と変速位置検出手段との間のずれに起因して、車体の駆動走行状態が継続される、といった不都合の発生をより確実に阻止することができる。
本発明のうちの請求項4に記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記変速操作具及び前記変速操作部を、前進変速操作領域と後進変速操作領域とを有するとともに、前記零速位置を挟んだ前記前進変速操作領域と前記後進変速操作領域とにわたる一連の操作が可能となるように構成し、前記制御手段が、前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が前記零速位置に到達したことを検知していない段階又は検知した段階で、前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作部が前記零速位置を越えた反対側の変速操作領域に操作されることを検知すると、前記制御手段が、前記操作手段に対する制御作動を停止して、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部を前記零速位置に位置させるように構成してある。
この特徴構成によると、変速操作具の操作に基づく制御手段の制御作動で、変速操作具が零速位置に到達するまでの段階又は到達した段階で、無段変速装置の変速操作部が零速位置を越えた反対側の変速操作領域に操作されるようになると、制御手段の制御作動による変速操作部の操作が停止され、付勢手段の付勢で変速操作部が零速位置に位置するようになる。
従って、経時変化による変速操作部と変速位置検出手段との間のずれに起因して、変速操作具の零速位置への操作にかかわらず車体が逆方向に走行する、といった不都合の発生を阻止することができる。
本発明のうちの請求項5に記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記変速操作具及び前記変速操作部を、前進変速操作領域と後進変速操作領域とを有するとともに、前記零速位置を挟んだ前記前進変速操作領域と前記後進変速操作領域とにわたる一連の操作が可能となるように構成し、前記制御手段が、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部が前記零速位置に位置した際に、前記変速位置検出手段で検出される前記変速操作部の実零速位置と、前記変速操作具の前記零速位置に対応させて設定した前記変速操作部の設定零速位置とを比較し、その比較結果と前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が、前記設定零速位置に対して前記実零速位置が変位している方向と対応する方向に操作されたことを検知した場合には、前記変速操作具が前記実零速位置と対応する操作位置に到達するまでの間は、前記操作手段に対する制御作動を停止し、かつ、前記変速操作具が前記実零速位置と対応する操作位置に到達するのに伴って、前記操作手段に対する制御作動を開始するように構成してある。
ところで、変速操作部と変速位置検出手段との間にずれが生じていない場合には、付勢手段の付勢で変速操作部が零速位置に位置した際に変速位置検出手段で検出される変速操作部の実零速位置と、変速操作具の零速位置に対応させて設定した変速操作部の設定零速位置とが一致する。
この状態では、変速操作具を零速位置から前進増速方向に操作すると、その操作に基づく制御手段の制御作動によって、変速操作具の操作に応じて変速操作部が零速位置から前進増速方向に変速操作される。
逆に、変速操作具を零速位置から後進増速方向に操作すると、その操作に基づく制御手段の制御作動によって、変速操作具の操作に応じて変速操作部が零速位置から後進増速方向に変速操作される。
これに対し、変速操作部と変速位置検出手段との間にずれが生じた場合には、付勢手段の付勢で変速操作部が零速位置に位置した際に変速位置検出手段で検出される変速操作部の実零速位置と、変速操作具の零速位置に対応させて設定した変速操作部の設定零速位置との間にもずれが生じることになる。
この状態で、設定零速位置に対して実零速位置がずれている方向と対応する方向に変速操作具を操作すると、その操作に基づく制御手段の制御作動によって、変速操作部は、その制御作動の開始とともに、変速操作具の操作位置に対応する変速操作位置に向けて、変速操作具の操作方向に対応する方向とは逆の方向に操作され、変速操作具の操作位置に対応する変速操作部の変速操作位置が実零速位置に到達するまでの間は、変速操作具の操作方向と対応する方向に減速操作され、実零速位置への到達後に、変速操作具の操作方向と対応する方向に増速操作される。
つまり、変速操作部と変速位置検出手段との間にずれが生じた場合には、変速操作具の操作方向によっては、変速操作具の零速位置からの操作に伴って、変速操作具の操作方向と逆の方向に車体が走行する不都合を招くことになる。
そこで、請求項5に記載の発明では、変速操作具が、変速操作部の設定零速位置に対して変速操作部の実零速位置が変位している方向と対応する方向に操作された場合には、制御手段が、変速操作具が変速操作部の実零速位置と対応する操作位置に到達するまでの間は、操作手段に対する制御作動を停止し、かつ、変速操作具が変速操作部の実零速位置と対応する操作位置に到達するのに伴って、操作手段に対する制御作動を開始するように構成しているのである。
これによって、変速操作部の設定零速位置に対して変速操作部の実零速位置がずれている方向と対応する方向に変速操作具を操作した場合、変速操作具が変速操作部の実零速位置と対応する操作位置に到達するまでの間は、変速操作部は、付勢手段の付勢で零速位置に位置し、変速操作具が変速操作部の実零速位置と対応する操作位置に到達するとともに、制御手段の制御作動によって、変速操作具の操作に応じて零速位置から増速方向に変速操作される。
従って、経時変化による変速操作部と変速位置検出手段との間のずれに起因して、変速操作具の零速位置からの操作に伴って、変速操作具の操作方向と逆の方向に車体が走行する、といった不都合の発生を阻止することができる。
本発明のうちの請求項6に記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記制御手段が、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部が前記零速位置に位置した際に、前記変速位置検出手段で検出される前記変速操作部の実零速位置と、前記変速操作具の前記零速位置に対応させて設定した前記変速操作部の設定零速位置とを比較し、前記実零速位置と前記設定零速位置との間で差が生じている場合には、前記実零速位置を新たな設定零速位置に設定変更するように構成してある。
この特徴構成によると、変速操作具を零速位置から増速方向に操作すると、その操作に基づく制御手段の制御作動によって、変速操作具の操作に応じて変速操作部が零速位置から増速方向に変速操作される。
従って、経時変化による変速操作部と変速位置検出手段との間のずれに起因して、変速操作具の零速位置からの操作に伴って、変速操作具の操作方向と逆の方向に車体が走行する、といった不都合の発生を阻止することができる。
図1には、作業車の一例であるトラクタの全体側面が示されている。このトラクタは、エンジン1を防振支持する前部フレーム2の左右に前輪3を配備し、エンジン1に連結されるフレーム兼用のミッションケース4の左右に後輪5を配備し、ミッションケース4の上方に、ステアリングホイール6や運転座席7などを備える搭乗運転部8を形成して構成されている。
図2〜4に示すように、エンジン1から取り出された動力は、乾式の主クラッチ9などを介して、主変速装置として備えた静油圧式無段変速装置(無段変速装置の一例)10に伝達される。
静油圧式無段変速装置10から取り出される動力のうち、走行用動力は、副変速装置として備えたギヤ式変速装置11や、前輪用差動装置12又は後輪用差動装置13などを介して左右の前輪3及び左右の後輪5に伝達される。ギヤ式変速装置11は、高中低の3段に変速切り換え可能に構成されている。
静油圧式無段変速装置10から取り出される動力のうち、作業用動力は、油圧式の作業クラッチ14などを介して動力取出軸15に伝達される。
ミッションケース4は、主クラッチ9などを内装する第1ケーシング部4A、静油圧式無段変速装置10などを内装する第2ケーシング部4B、作業クラッチ14などを内装する第3ケーシング部4C、及び、ギヤ式変速装置11などを内装する第4ケーシング部4D、などを連結して構成されている。
図2〜5に示すように、静油圧式無段変速装置10は、第2ケーシング部4Bに内装したアキシャルプランジャー型の可変容量ポンプ16やアキシャルプランジャー型の可変容量モータ17などを備え、可変容量ポンプ16からの非変速動力を作業用動力として出力し、可変容量モータ17からの変速動力を走行用動力として出力する。
可変容量ポンプ16と可変容量モータ17は、第1油路18及び第2油路19を介して接続され、その接続で形成された閉回路20に、エンジン動力で駆動されるチャージポンプ21からのチャージ油が、チャージ油路22やチェックバルブ23などを介して供給される。
図1及び図4〜6に示すように、このトラクタには、搭乗運転部8に備えた変速ペダル(変速操作具の一例)24の操作などに基づいて、可変容量ポンプ16の斜板〔変速操作部の一例(以下、ポンプ斜板と称する)〕16Aを変速操作するサーボコントロール機構25が装備されている。
変速ペダル24は、図外のバネによる付勢で中立位置(零速位置)に自動復帰する中立復帰型に構成されている。
図4〜6に示すように、サーボコントロール機構25は、ポンプ斜板16Aを無段階に変速操作する油圧式のポンプ用シリンダ(操作手段の一例)26、ポンプ用シリンダ26に対する作動油の流動を制御するサーボバルブ27、サーボバルブ27などに対する油圧を設定圧に維持するレギュレータバルブ28、変速ペダル24の操作位置を検出するポテンショメータからなるペダルセンサ(操作位置検出手段の一例)29、ポンプ用シリンダ26の操作量からポンプ斜板16Aの変速操作位置(斜板角)を検出するポテンショメータからなる斜板センサ(変速位置検出手段の一例)30、及び、ペダルセンサ29の検出や斜板センサ30の検出などが入力されるマイクロコンピュータを備えた制御装置(制御手段の一例)31、などを備えて構成されている。
ポンプ用シリンダ26は、ポンプ斜板16Aを中立位置(零速位置)に復帰付勢する前進減速バネ(付勢手段の一例)32や後進減速バネ(付勢手段の一例)33とともに第2ケーシング部4Bに内装されている。
そして、その前進変速用の油室34に作動油が供給されることで、前進減速バネ32の付勢に抗してポンプ斜板16Aを前進増速方向に変速操作し、前進変速用の油室34から作動油が排出されることで、前進減速バネ32の付勢によるポンプ斜板16Aの前進減速方向への変速操作を許容する。
又、その後進変速用の油室35に作動油が供給されることで、後進減速バネ33の付勢に抗してポンプ斜板16Aを後進増速方向に変速操作し、後進変速用の油室35から作動油が排出されることで、後進減速バネ33の付勢によるポンプ斜板16Aの後進減速方向への変速操作を許容する。
サーボバルブ27は、ポンプ用シリンダ26の前進変速用の油室34に対する作動油の流動を制御する電磁式の前進用比例バルブ36、及び、ポンプ用シリンダ26の後進変速用の油室35に対する作動油の流動を制御する電磁式の後進用比例バルブ37、などを備えて構成されている。
レギュレータバルブ28は、パワーステアリング用の供給ポンプ38から圧送される作動油を、作業クラッチ14と油圧式のパワーステアリング装置39とに、それぞれの作動に適した設定圧で分配するように構成されている。
そして、作業クラッチ14に対する供給油路40が接続されるレギュレータバルブ28の圧力ポート28Aに、サーボバルブ27に対する供給油路41が接続されている。
図6に示すように、制御手段31には、変速ペダル24の操作位置に応じた速度に変速する変速制御手段31Aが備えられている。
図6及び図7に示すように、変速制御手段31Aは、変速ペダル24の操作位置とポンプ斜板16Aの変速操作位置との相関関係を示す相関関係データとしてのマップデータ、及び、そのマップデータやペダルセンサ29の検出などに基づいて前進用比例バルブ36又は後進用比例バルブ37の作動を制御する制御プログラム、などを備えて構成されている。
変速制御手段31Aのマップデータは、変速ペダル24の中立位置から前進増速方向への操作量が大きくなるほど、ポンプ斜板16Aの中立位置から前進増速方向への操作量が大きくなり、変速ペダル24の中立位置から後進増速方向への操作量が大きくなるほど、ポンプ斜板16Aの中立位置から後進増速方向への操作量が大きくなるように、変速ペダル24の操作位置とポンプ斜板16Aの変速操作位置とを対応させたものである(図7参照)。
ちなみに、変速制御手段31Aに、上記のマップデータに代えて、変速ペダル24の操作位置とポンプ斜板16Aの変速操作位置との相関関係を示す相関関係式を相関関係データとして備えるようにしてもよい。
変速制御手段31Aの制御プログラムは、記憶装備したマップデータとペダルセンサ29の検出に基づいて、ペダルセンサ29が検出した変速ペダル24の操作位置に対応するポンプ斜板16Aの変速操作位置を、ポンプ斜板16Aの目標操作位置に設定し、その設定した目標操作位置と斜板センサ30の検出に基づいて、ポンプ斜板16Aの目標操作位置に斜板センサ30で検出される変速操作位置が一致するように、前進用比例バルブ36又は後進用比例バルブ37の作動を制御するように構成されている。
この制御作動によって、変速ペダル24を中立位置に自動復帰させるだけの比較的小さい復帰力に抗して変速ペダル24を操作することで、変速ペダル24の操作位置に応じた速度で車体を前進又は後進させることができる。
そして、サーボコントロール機構25は、ペダルセンサ29の検出及び斜板センサ30の検出に基づいて、変速制御手段31Aが、前進用比例バルブ36又は後進用比例バルブ37の作動を制御することで、ポンプ用シリンダ26を作動させて静油圧式無段変速装置10のポンプ斜板16Aを変速操作する電子式で、かつ、レギュレータバルブ28の圧力ポート28Aを経由した前進用比例バルブ36又は後進用比例バルブ37の出力圧力でポンプ用シリンダ26をダイレクトに駆動する直動型に構成されている。
これによって、静油圧式無段変速装置10の閉回路20での圧力変動やエンジン回転数の変動で圧力が変動するチャージ油路22からの出力圧力でポンプ用シリンダ26を駆動する場合に比較して、安定したサーボパイロット圧を得ることができ、ポンプ用シリンダ26の作動制御を精度良く行えるようになる。
その結果、サーボコントロール機構25を安価な直動型に構成しながらも、ペダルセンサ29の検出及び斜板センサ30の検出に基づいて、変速ペダル24の操作位置に応じた速度で車体を前進又は後進させる変速制御を精度良く行わせることができる。
図6に示すように、制御手段31には、変速ペダル24の操作位置に応じた速度に変速する際の操作速度を設定する操作速度設定手段31Bが備えられている。
図6及び図8に示すように、操作速度設定手段31Bは、変速制御手段31Aで設定されたポンプ斜板16Aの目標操作位置と斜板センサ30の検出とに基づいて、ポンプ斜板16Aの目標操作位置と実際の変速操作位置との偏差を算出する演算プログラム、ポンプ斜板16Aの目標操作位置と実際の変速操作位置との偏差と、ポンプ斜板16Aの操作速度との相関関係を示す相関関係データとしての複数のマップデータ、及び、それらのマップデータと演算プログラムの算出結果に基づいてポンプ斜板16Aの目標操作速度を設定する制御プログラム、などを備えて構成されている。
操作速度設定手段31Bの各マップデータは、斜板センサ30で検出されるポンプ斜板16Aの実際の変速操作位置と、変速制御手段31Aで設定されるポンプ斜板16Aの目標操作位置との偏差が大きい場合に、ポンプ斜板16Aの操作速度が速くなるように、又、後進時でのポンプ斜板16Aの偏差に対するポンプ斜板16Aの操作速度が、前進時でのポンプ斜板16Aの偏差に対するポンプ斜板16Aの操作速度よりも遅くなるように、ポンプ斜板16Aの偏差とポンプ斜板16Aの操作速度とを対応させたものである(図8の実線参照)。
ちなみに、操作速度設定手段31Bに、上記のマップデータに代えて、ポンプ斜板16Aの目標操作位置と実際の操作位置との偏差と、ポンプ斜板16Aの操作速度との相関関係を示す相関関係式を相関関係データとして備えるようにしてもよい。
操作速度設定手段31Bの制御プログラムは、記憶装備したマップデータと演算プログラムの算出結果とに基づいて、算出したポンプ斜板16Aの偏差に対応するポンプ斜板16Aの操作速度をポンプ斜板16Aの目標操作速度に設定し、その設定した目標操作速度を変速制御手段31Aに出力するように構成されている。
変速制御手段31Aの制御プログラムは、その制御作動において、操作速度設定手段31Bで設定された目標操作速度でポンプ斜板16Aが変速操作されるように、前進用比例バルブ36又は後進用比例バルブ37の作動を制御するように構成されている。
この制御作動によって、変速ペダル24の操作に対するポンプ斜板16Aの応答性を高めながらハンチングの発生を抑制することができ、結果、変速ペダル24の操作位置に応じた速度に、車速を迅速かつ正確に到達させることができる。
又、後進時でのポンプ斜板16Aの操作速度が、前進時でのポンプ斜板16Aの操作速度よりも遅くなって、後進時での静油圧式無段変速装置10の変速操作が、前進時での静油圧式無段変速装置10の変速操作に比較して緩やかに行われることから、前進時に比較して速度感覚をつかみ難い後進時での静油圧式無段変速装置10の変速操作が行い易くなる。
図6に示すように、制御装置31には、操作速度設定手段31Bなどが使用するマップデータを変更するデータ変更手段31Cが制御プログラムとして備えられている。
データ変更手段31Cは、搭乗運転部8に備えたポテンショメータからなる調節ダイヤル42の操作位置に基づいて、調節ダイヤル42の操作位置が基準位置からクイック側に大きく変更されるほど、ポンプ斜板16Aの変速操作が速やかに行われるように、操作速度設定手段31Bが使用するマップデータを、ポンプ斜板16Aの偏差に対するポンプ斜板16Aの操作速度が速くなるようにポンプ斜板16Aの偏差とポンプ斜板16Aの操作速度とを対応させたマップデータに変更する。
又、調節ダイヤル42の操作位置が基準位置からスロー側に大きく変更されるほど、ポンプ斜板16Aの変速操作が緩やかに行われるように、操作速度設定手段31Bが使用するマップデータを、ポンプ斜板16Aの偏差に対するポンプ斜板16Aの操作速度が遅くなるようにポンプ斜板16Aの偏差とポンプ斜板16Aの操作速度とを対応させたマップデータに変更する。
つまり、調節ダイヤル42を操作することで、変速ペダル24で静油圧式無段変速装置10を変速操作する際の操作フィーリングを、運転者の好みに応じたものに変更することができ、操作フィーリングや変速操作性の向上を図ることができる。
ところで、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢でポンプ斜板16Aの中立位置に向けた減速操作を行うように構成した場合には、トレーラ作業時の慣性などで、変速ペダル24の減速操作にかかわらず、ポンプ斜板16Aの中立位置に向けた減速操作が行われ難くなることがある。
そこで、ポンプ斜板制御手段31Aは、ペダルセンサ29の検出と斜板センサ30の検出とに基づいて、変速ペダル24の減速操作にかかわらず、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢によるポンプ斜板16Aの減速操作が行われていないことを検知した場合には、ポンプ斜板16Aを現在の操作位置に増速操作する際に使用した側とは反対側の前進用比例バルブ36又は後進用比例バルブ37の作動を制御して、ポンプ斜板16Aが中立位置に向けて減速操作される方向にポンプ用シリンダ26を強制作動させるように構成されている。
これによって、トレーラ作業時の慣性などで、変速ペダル24の減速操作にかかわらずポンプ斜板16Aが減速操作されない場合であっても、ポンプ斜板制御手段31Aによる前進用比例バルブ36又は後進用比例バルブ37の作動制御で、ポンプ用シリンダ26を強制作動させることで、ポンプ斜板16Aの減速操作を行うことができる。
図6に示すように、制御装置31には、変速制御手段31Aに制御作動の開始及び停止を指令する指令手段31Dが制御プログラムとして備えられている。
指令手段31Dは、ペダルセンサ29の検出に基づいて、変速ペダル24が中立位置に操作されたことを検知している状態で、斜板センサ30の検出に基づいて、ポンプ斜板16Aが予め設定した中立位置近傍の設定位置に到達したことを検知し、かつ、ギヤ式変速装置11の出力回転数から車速を検出する車速センサ(車速検出手段)50の出力に基づいて、車速が予め設定した低い設定速度まで低下したことを検知した場合には、変速制御手段31Aに制御作動の停止を指令する。
又、ペダルセンサ29の検出に基づいて、変速ペダル24が中立位置に操作されたことを検知していない段階又は検知した段階で、斜板センサ30の検出に基づいて、ポンプ斜板16Aが中立位置を越えた反対側の変速操作領域に操作されることを検知した場合にも、変速制御手段31Aに制御作動の停止を指令する。
つまり、変速ペダル24の減速操作で変速ペダル24が中立位置に到達すると、その操作に基づく変速制御手段31Aの制御作動と前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢によって、ポンプ斜板16Aが変速ペダル24の中立位置に対応する変速操作位置(中立位置)に向けて減速操作される。
この減速操作によって、ポンプ斜板16Aが予め設定した中立位置近傍の設定位置に到達すると、車速が予め設定した設定速度まで低下したか否かが判別され、設定速度まで低下していない場合は、変速制御手段31Aの制御作動が継続される。
一方、車速が予め設定した設定速度まで低下すると、変速制御手段31Aが制御作動を停止し、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢でポンプ斜板16Aが中立位置に位置するようになる。
又、変速ペダル24の減速操作で変速ペダル24が中立位置に到達するまでの段階又は到達した段階で、ポンプ斜板16Aが中立位置を越えた反対側の変速操作領域に操作されるようになると、変速制御手段31Aが制御作動を停止し、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢でポンプ斜板16Aが中立位置に位置するようになる。
尚、設定速度は種々の設定が可能であり、ここでは、走行時の慣性ではポンプ斜板16Aが前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢に抗して増速操作されることのない十分に低い速度に設定されている。
その結果、経時変化によるポンプ斜板16Aと斜板センサ30との間のずれにかかわらず、変速ペダル24を中立位置に位置させた場合にはポンプ斜板16Aが必ず中立位置に位置するようになり、これによって、ポンプ斜板16Aと斜板センサ30との間のずれに起因して、変速ペダル24が中立位置に位置しているにもかかわらず車体が走行する、といった不都合の発生を阻止することができる。
しかも、この状態では車速が十分に低下していることから、走行時の慣性でポンプ斜板16Aが増速操作される、といった不都合の発生を未然に回避することができる。
指令手段31Dは、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢でポンプ斜板16Aが中立位置に位置した際に、斜板センサ30によって検出されるポンプ斜板16Aの実中立位置(実零速位置)と、変速ペダル24の中立位置に対応させて設定したポンプ斜板16Aの設定中立位置(設定零速位置)とを比較し、その比較結果とペダルセンサ29の検出に基づいて、変速ペダル24が、ポンプ斜板16Aの設定中立位置に対してポンプ斜板16Aの実中立位置が変位している方向と対応する方向に操作されたことを検知した場合には、変速ペダル24がポンプ斜板16Aの実中立位置と対応する操作位置に到達するまでの間、変速制御手段31Aに制御作動の停止を指令する。
そして、変速ペダル24がポンプ斜板16Aの実中立位置と対応する操作位置に到達すると、その到達に伴って変速制御手段31Aに制御作動の開始を指令する。
逆に、変速ペダル24が、ポンプ斜板16Aの設定中立位置に対してポンプ斜板16Aの実中立位置が変位している方向に対応する方向と反対の方向に操作されたことを検知した場合には、その検知に伴って変速制御手段31Aに制御作動の開始を指令する。
これによって、変速ペダル24を、ポンプ斜板16Aの設定零速位置に対してポンプ斜板16Aの実零速位置がずれている方向と対応する方向に増速操作した場合には、変速ペダル24がポンプ斜板16Aの実零速位置と対応する操作位置に到達するまでの間、ポンプ斜板16Aは、前進減速バネ32及び後進減速バネ33の付勢で中立位置に位置するようになる。
そして、変速ペダル24がポンプ斜板16Aの実零速位置と対応する操作位置に到達するとともに、変速制御手段31Aが制御作動を開始し、その制御作動によって、ポンプ斜板16Aが、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢に抗して、変速ペダル24の操作に応じて増速操作されるようになる。
逆に、変速ペダル24を、ポンプ斜板16Aの設定零速位置に対してポンプ斜板16Aの実零速位置がずれている方向に対応する方向と反対の方向に増速操作した場合には、その操作とともに、変速制御手段31Aが制御作動を開始し、その制御作動によって、ポンプ斜板16Aが、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢に抗して、変速ペダル24の操作に応じて増速操作されるようになる。
その結果、経時変化によるポンプ斜板16Aと斜板センサ30との間のずれに起因して、変速ペダル24の零速位置からの増速操作の際に、変速ペダル24の操作方向に対応する方向とは逆の方向にポンプ斜板16Aが変速操作されて、変速ペダル24の操作方向と逆の方向に車体が走行する、といった不都合の発生を阻止することができる。
〔別実施形態〕
〔1〕作業車としては、田植機やコンバインあるいは草刈機やホイールローダなどであってもよい。
〔2〕無段変速装置10としてはベルト式のものなどであってもよい。
〔3〕変速操作具24としては変速レバーなどであってもよい。
〔4〕操作手段26として、電動シリンダや電動モータ又は油圧モータなどを採用してもよい。
〔5〕操作手段26としては、変速ペダル(変速操作具)24の前進減速操作に基づく変速制御手段31Aの制御作動で、前進減速バネ(付勢手段)32の付勢とともにポンプ斜板(変速操作部)16Aを前進減速方向に変速操作駆動し、変速ペダル24の後進減速操作に基づく変速制御手段31Aの制御作動で、後進減速バネ(付勢手段)33の付勢とともにポンプ斜板16Aを後進減速方向に変速操作駆動するように構成したものであってもよい。
〔6〕指令手段31Dとしては、ペダルセンサ(操作位置検出手段)29の検出に基づいて、変速ペダル(変速操作具)24が中立位置(零速位置)に操作されたことを検知している状態で、斜板センサ(変速位置検出手段)30の検出に基づいて、ポンプ斜板(変速操作部)16Aが予め設定した中立位置(零速位置)近傍の設定位置に到達したことを検知した場合に、変速制御手段31Aに制御作動の停止を指令するように構成したものであってもよい。
〔7〕図9に示すように、制御装置(制御手段)31にタイマー31Eを装備し、指令手段31Dが、ペダルセンサ(操作位置検出手段)29の検出に基づいて、変速ペダル(変速操作具)24が中立位置(零速位置)に操作されたことを検知している状態で、斜板センサ(変速位置検出手段)30の検出に基づいて、ポンプ斜板(変速操作部)16Aが予め設定した中立位置(零速位置)近傍の設定位置に到達したことを検知すると、タイマーによる計時を開始し、その計時が予め設定した設定時間を経過するのに伴って、変速制御手段31Aに制御作動の停止を指令するように構成してもよい。
尚、設定時間としては種々の設定が可能であり、例えば、経時変化によるポンプ斜板16Aと斜板センサ30との間のある程度のずれを考慮して、変速制御手段31Aの制御作動でポンプ斜板16Aが予め設定した中立位置近傍の設定位置に到達してから、走行時の慣性ではポンプ斜板16Aが前進減速バネ(付勢手段)32又は後進減速バネ(付勢手段)33の付勢に抗して増速操作されることのない十分に低い速度まで車速を低下させるのに必要なポンプ斜板16Aの操作時間を設定時間として設定することなどが考えられる。
つまり、この構成では、変速ペダル24の減速操作で変速ペダル24が中立位置に到達すると、その操作に基づく変速制御手段31Aの制御作動と前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢によって、ポンプ斜板16Aが変速ペダル24の中立位置に対応する変速操作位置(中立位置)に向けて減速操作される。
この減速操作によって、ポンプ斜板16Aが予め設定した中立位置近傍の設定位置に到達し、かつ、この到達から予め設定した設定時間の間、変速制御手段31Aの制御作動によるポンプ斜板16Aの減速操作が継続された後、変速制御手段31Aが制御作動を停止し、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢でポンプ斜板16Aが中立位置に位置するようになる。
これによって、経時変化で発生したポンプ斜板16Aと斜板センサ30との間のずれが大きい場合であっても、変速ペダル24を中立位置に位置させた場合には、走行時の慣性でポンプ斜板16Aが前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢に抗して増速操作される、といった不都合を招くことなく、ポンプ斜板16Aを、前進減速バネ32又は後進減速バネ33の付勢で中立位置に位置させることができる。
その結果、ポンプ斜板16Aと斜板センサ30との間のずれに起因して、変速ペダル24が中立位置に位置しているにもかかわらず車体が走行する、といった不都合の発生を阻止することができる。
〔8〕図10に示すように、制御装置(制御手段)31に、変速制御手段31Aの制御作動を停止して、前進減速バネ(付勢手段)32又は後進減速バネ(付勢手段)33の付勢で、ポンプ斜板(変速操作部)16Aが中立位置(零速位置)した際に、斜板センサ(変速位置検出手段)30で検出されるポンプ斜板16Aの実中立位置(実零速位置)と、変速ペダル(変速操作具)24の中立位置(零速位置)に対応させて設定したポンプ斜板16Aの設定中立位置(設定零速位置)とを比較し、ポンプ斜板16Aの実中立位置とポンプ斜板16Aの設定中立位置との間に差が生じた場合に、ポンプ斜板16Aの実中立位置を新たなポンプ斜板16Aの設定中立位置に設定変更する補正手段31Fを制御プログラムとして備えるようにしてもよい。
この構成によると、変速ペダル(変速操作具)24を中立位置に操作してポンプ斜板16Aが中立位置に変速操作された後の変速ペダル24による変速操作においては、変速ペダル24の中立位置からの増速操作に応じたポンプ斜板16Aの中立位置からの増速操作を良好に行える。
トラクタの全体側面図 トラクタの伝動構造を示す概略図 トラクタの伝動構造を示す要部の縦断側面図 トラクタの伝動構造を示す要部の横断平面図 油圧回路図 制御構造を示すブロック図 変速ペダルの操作位置とポンプ斜板の変速操作位置との相関関係を示す図 ポンプ斜板の偏差と目標操作速度との相関関係を示す図 タイマーを備えた別実施形態での制御構造を示すブロック図 補正手段を備えた別実施形態での制御構造を示すブロック図
符号の説明
10 無段変速装置
16A 変速操作部
24 変速操作具
26 操作手段
29 操作位置検出手段
30 変速位置検出手段
31 制御手段
31E タイマー
32 付勢手段
33 付勢手段
50 車速検出手段

Claims (6)

  1. 人為操作される変速操作具の操作位置を検出する操作位置検出手段と、無段変速装置における変速操作部の変速操作位置を検出する変速位置検出手段と、前記変速操作部を変速操作する操作手段と、前記操作手段の作動を制御する制御手段と、前記変速操作部が零速位置に復帰するように付勢する付勢手段とを装備し、
    前記制御手段が、
    前記操作位置検出手段の検出と前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具の操作位置に対応する変速操作位置に前記変速操作部が変速操作されるように前記操作手段の作動を制御し、
    かつ、前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が零速位置に到達したことを検知している状態で、前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作部が予め設定した零速位置近傍の設定位置に到達したことを検知すると、前記操作手段に対する制御作動を停止して、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部を前記零速位置に位置させるように構成してあることを特徴とする作業車の変速操作構造。
  2. 車速検出手段を備え、
    前記制御手段が、前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が前記零速位置に到達したことを検知している状態で、前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作部が前記設定位置に到達したことを検知し、かつ、前記車速検出手段の検出に基づいて、車速が予め設定した低い設定速度まで低下したことを検知すると、前記操作手段に対する制御作動を停止して、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部を前記零速位置に位置させるように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の作業車の変速操作構造。
  3. タイマーを備え、
    前記制御手段が、前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が前記零速位置に到達したことを検知している状態で、前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作部が前記設定位置に到達したことを検知すると、前記タイマーによる計時を開始し、その計時が予め設定した設定時間を経過すると、前記操作手段に対する制御作動を停止して、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部を前記零速位置に位置させるように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の作業車の変速操作構造。
  4. 前記変速操作具及び前記変速操作部を、前進変速操作領域と後進変速操作領域とを有するとともに、前記零速位置を挟んだ前記前進変速操作領域と前記後進変速操作領域とにわたる一連の操作が可能となるように構成し、
    前記制御手段が、前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が前記零速位置に到達したことを検知していない段階又は検知した段階で、前記変速位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作部が前記零速位置を越えた反対側の変速操作領域に操作されることを検知すると、前記制御手段が、前記操作手段に対する制御作動を停止して、前記付勢手段の付勢で前記変速操作部を前記零速位置に位置させるように構成してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業車の変速操作構造。
  5. 前記変速操作具及び前記変速操作部を、前進変速操作領域と後進変速操作領域とを有するとともに、前記零速位置を挟んだ前記前進変速操作領域と前記後進変速操作領域とにわたる一連の操作が可能となるように構成し、
    前記制御手段が、
    前記付勢手段の付勢で前記変速操作部が前記零速位置に位置した際に、前記変速位置検出手段で検出される前記変速操作部の実零速位置と、前記変速操作具の前記零速位置に対応させて設定した前記変速操作部の設定零速位置とを比較し、
    その比較結果と前記操作位置検出手段の検出に基づいて、前記変速操作具が、前記設定零速位置に対して前記実零速位置が変位している方向と対応する方向に操作されたことを検知した場合には、前記変速操作具が前記実零速位置と対応する操作位置に到達するまでの間は、前記操作手段に対する制御作動を停止し、かつ、前記変速操作具が前記実零速位置と対応する操作位置に到達するのに伴って、前記操作手段に対する制御作動を開始するように構成してある請求項1〜4のいずれか一つに記載の作業車の変速操作構造。
  6. 前記制御手段が、
    前記付勢手段の付勢で前記変速操作部が前記零速位置に位置した際に、前記変速位置検出手段で検出される前記変速操作部の実零速位置と、前記変速操作具の前記零速位置に対応させて設定した前記変速操作部の設定零速位置とを比較し、
    前記実零速位置と前記設定零速位置との間で差が生じている場合には、前記実零速位置を新たな設定零速位置に設定変更するように構成してある請求項1〜4のいずれか一つに記載の作業車の変速操作構造。
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