JP2008038529A - コンクリート函体 - Google Patents

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【課題】地中埋設用として順次縦列に並べられ、推進ジャッキの推力を受けるコンクリート函体において、緩衝材を函体接続端面に確実に密着させることにより、函体の接合端面に均一に推力を伝達して函体同士のずれを防止するとともに、函体端面の不陸を吸収してポイントタッチを防いでコンクリートの破損を防止し、さらにこれらの作用を維持できるコンクリート函体を提供する。
【解決手段】ポアソン比が小さく、応力に対する塑性領域の広い樹脂製の材質による緩衝材15aに、非伸縮性シートとして金属箔15bを埋め込んで複合緩衝部材15とし、これをコンクリート函体の前後方向の端面4eに幅広く被着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、上下水道、共同溝、電信・電話などの付設地下道等の地下構造物を市街地などに施工するオープンシールド工法や推進工法において使用するコンクリート函体であって、特に曲線施工を行う箇所において好適に使用することができるコンクリート函体に関するものである。
上下水道、共同溝、電信・電話などの付設地下道等の地下構造物を市街地などに施工する工法として、推進工法やオープンシールド工法が広く用いられている。推進工法とは、掘削機により切羽の掘削を行いながら掘削孔にコンクリート函体やヒューム管を発進坑に吊り降ろしてセットし、このコンクリート函体等を発進坑に配置した推進ジャッキにより押し出すことにより次のコンクリート函体等をセットするスペースを確保するという工程を繰り返して、順次縦列にコンクリート函体等を埋設する工法である。通常、先頭のコンクリート函体等の前には、刃口または掘進機が設置される。
一方、オープンシールド工法は開削工法(オープンカット工法)とシールド工法の長所を活かした合理性に富む工法であり、オープンシールド工法に関する特許文献としては、例えば以下のものが存在する。
特開2006−112101号公報 特開2006−112100号公報
このオープンシールド工法で使用するオープンシールド機1の概略は図5に示すように左右の側壁板1aと、これら側壁板1aに連結する底板1bとからなる前面、後面および上面を開口したもので、前記側壁板1aと底板1bの先端を刃口11として形成し、また側壁板1aの中央または後端近くに推進ジャッキ2を後方に向け上下に並べて配設する。図中3は隔壁を示す。
かかるオープンシールド機1を使用して施工するオープンシールド工法は、図示は省略するが、発進坑内にこのオープンシールド機1を設置して、オープンシールド機1の推進ジャッキ2を伸長して発進坑内の反力壁に反力をとってオープンシールド機1を前進させ、地下構造物を形成する第1番目のコンクリート函体4を上方から吊り降ろし、オープンシールド機1のテール部1c内で縮めた推進ジャッキ2の後方にセットする。推進ジャッキ2と反力壁との間にはストラットを配設して適宜間隔調整をする。
また、発進坑は土留壁で構成し、オープンシールド機1を発進させるにはこの土留壁を一部鏡切りするが、必要に応じて薬液注入などで発進坑の前方部分に地盤改良を施しておくこともある。
ショベル等の掘削機9でオープンシールド機1の前面または上面から土砂を掘削しかつ排土する。この排土工程と同時またはその後に推進ジャッキ2を伸長してオープンシールド機1を前進させる。この前進工程の場合、コンクリート函体4の前にはボックス鋼材または型鋼を用いた枠体よりなるプレスバー8を配設し、オープンシールド機1は後方にセットされたコンクリート函体4から反力をとる。
そして第1番目のコンクリート函体4の前に第2番目のコンクリート函体4をオープンシールド機1のテール部1c内で吊り降ろす。以下、同様の排土工程、前進工程、コンクリート函体4のセット工程を適宜繰り返して、順次コンクリート函体4をオープンシールド機1の前進に伴い縦列に地中に残置し、さらにこのコンクリート函体4の上面に埋戻土5を入れる。
なお、コンクリート函体4をオープンシールド機1のテール部1c内に吊り降ろす際には、コンクリートブロック等による高さ調整材7をコンクリート函体4下に配設し、このテール部1c内でコンクリート函体4の左右および下部の空隙にグラウト材6を充填する。
このようにして、オープンシールド機1が到達坑まで達したならばこれを撤去して工事を完了する。
このようなオープンシールド工法では、前記のごとくコンクリート函体4をオープンシールド機1の前進に伴い縦列に地中に残置し、コンクリート函体4は、オープンシールド機1のテール部1c内に吊り降ろされ、オープンシールド機1の前進とともに該テール部1cから出て地中に残されていくものであり、オープンシールド機1はこのように地中に残置したコンクリート函体4に反力をとって前進する。
コンクリート函体4は鉄筋コンクリート製で、図6に示すように左側板4a、右側板4bと上床板4cと下床板4dとからなるもので、前後方向面を開口10として開放されている。図中12は、端面4eに開口し、前後のコンクリート函体4を緊結する緊結部材としてのPC鋼棒を挿入するためのシース孔、17はPC鋼棒の碇着用の箱抜きを示す。
また、コンクリート函体4の強度を確保するため、一般的に角隅ハンチ部4fはハンチ形状としてコンクリートの厚みが大きく、開口10の形状が面取りしたようになっている。
ところで、曲線施工を行う場合にはオープンシールド機1としては、機体を前後方向に複数に分割し、それぞれ独自に方向変換可能な中折れ構造として主に推進ジャッキ2の使用位置や本数を変えながら上下左右方向に方向制御を行い推進させる。
図7に示すように、オープンシールド機1がコンクリート函体4に反力をとって曲線を描きながら前進する際には、左右の推進ジャッキ2でコンクリート函体4にアンバランスの力を加えることや、一点鎖線で示すように、コンクリート函体4に対してオープンシールド機1が傾くため、先頭のコンクリート函体4に加わる力は端面に対して均等ではなく偏心推力が作用する。
その結果、縦列するコンクリート函体4の接合端面相互にずれを生じさせる力が働き、コンクリート函体4の接続部において端面4e同士が部分的にしか接触しない所謂ポイントタッチが生じ、当該接触部分に応力が集中してコンクリートが破損してしまうおそれがある。
このように曲線施工を行う場合にはコンクリート函体4の接合面にずれを起こさせる力が特に大きく働くが、直線施工の場合においても、オープンシールド機1のローリングやピッチングなどによりコンクリート函体4端面4eに加わる力に偏りが生じ、コンクリート函体4の接合面にずれを起こさせ、コンクリートが破損する原因となっていた。
さらに、コンクリート函体4の端面4eをコテ仕上げする場合、端面4eに不陸(凹凸)が生じ、この場合もコンクリート函体4に推力を加えるとポイントタッチが生じて、クラックが発生してしまう原因となっていた。
ところで、オープンシールド機1の推進反力をコンクリート函体4の接続端面に均等に伝達させ、接続端面においてコンクリートの破損などが生じないよう、緩衝材をコンクリート函体4の端面4eに貼りつけることが一般に行われている。また、緩衝材としては、通常は合板や硬質プラスチックなどが使用される。
すなわち、コンクリート函体4の端面4eに貼りつけられる緩衝材には、曲線施工やローリング、ピッチングなどによるオープンシールド機1の偏心推進力によるコンクリート函体4の接続端面のずれを生じにくさせるとともに、コンクリート函体4の接続端面の不陸を吸収してポイントタッチを生じにくくさせる働きがある。
しかし、緩衝材として合板を使用した場合には、湿度により性能が大きく変化し、また、腐食し易く経年劣化によりコンクリート函体4の接続部分からの漏水の原因になる場合もある。
また、腐食に強い硬質プラスチックなどの樹脂製の緩衝材を使用した場合、コンクリート函体端面における緩衝材の受圧面積を広くとるためには、函体端面にできるだけ幅広く緩衝材を貼りつけることが望ましいが、そうするとコンクリート函体に推進力が加わった際、その圧力によって緩衝材が圧縮され、函体端面に沿って広がって、函体端面からはみ出してしまう。
そして緩衝材がはみ出した状態のまま放置すると、はみ出た部分から緩衝材が破損してしまい、緩衝作用を維持できなくなる可能性がある。また、これを回避するために施工時にはみ出た緩衝材を切除すると、施工の際に大きな手間となってしまう。
しかし、このような緩衝材の函体接続端面からのはみ出しを防ぐため、緩衝材として応力に対する塑性領域の狭い、硬い材質のものを使用すると、推進ジャッキの推力を受けても緩衝材が函体端面の凹凸に沿って充分に変形せず、函体接続端面の不陸が吸収できない。また、硬質の緩衝材は函体接続端面に密着しないため、曲線施工時の推進ジャッキの偏心推力を函体接続端面に均一に伝達することもできない。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、地中埋設用として順次縦列に並べられ、推進ジャッキの推力を受けるコンクリート函体において、緩衝材を函体接続端面に確実に密着させることにより、函体の接合端面に均一に推力を伝達して函体同士のずれを防止するとともに、函体端面の不陸を吸収してポイントタッチを防いでコンクリートの破損を防止し、さらにこれらの作用を維持できるコンクリート函体を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するため、第1に、地中埋設用として順次縦列に並べられ、推進ジャッキの推力を受けるコンクリート函体において、ポアソン比が小さく、応力に対する塑性領域の広い樹脂製の材質による帯状の緩衝材を幅広く、函体の前後方向の端面に被着すること、第2に、前記緩衝材に、非伸縮性シートを埋め込んで複合緩衝部材とすること、第3に、非伸縮性シートは金属箔または面布により構成することを要旨とするものである。
また、前記第1の内容に加えて第4に、緩衝材の間に、弾性の高いゴムを挟んで複合緩衝部材とすることを要旨とする。
更に、以上に加えて第5に、複合緩衝部材に並列させて、シール材を函体端面に被着することを要旨とする。
また、前記第1の内容に加えて第6に、前記緩衝材を、ブチル系ゴムを介して函体の前後方向の端面に被着することを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、緩衝材は応力に対する塑性領域の広い樹脂製の材質により構成するから、推進ジャッキの推力によって圧縮された緩衝材が圧縮方向に柔軟に変形して、函体の接続端面に確実に密着する。そしてこの緩衝材を函体の前後方向の端面に幅広く被着するようにしたから、コンクリート函体の接合端面に推力が不均一に加わる場合や、コンクリート函体端面に不陸が存在する場合でも、緩衝材が函体接続端面に幅広く密着して、推力を均一に伝達させて函体同士のずれを防止するとともに、函体端面の不陸を吸収して、函体端面におけるポイントタッチを防いでコンクリートの破損を防止することができる。
そして緩衝材として、応力を受けても広がり難いポアソン比の小さな材質を使用するようにしたから、緩衝材そのものが圧縮によって広がりにくく、緩衝材を函体の前後方向の端面に幅広く被着しても、推進ジャッキの推力によって圧縮された緩衝材が函体接続端面からはみ出してしまうことがない。すなわち、函体接続端面からはみ出してしまった部分から緩衝材の破損が進むことによって、時間の経過とともに前記ずれ防止およびコンクリート破損防止の作用が失われてしまうことがない。
更に、湿度により性能が変化し難く、腐食し難い樹脂製の緩衝材を使用することにより、函体接続部におけるずれ防止およびコンクリート破損防止の作用を維持することができる。
請求項2記載の本発明によれば、緩衝材に非伸縮性シートを埋め込むことにより複合緩衝部材としたから、緩衝材は非伸縮性シートによって幅方向の広がりを規制され、より一層広がり難くなり、推進ジャッキの推力によって圧縮された複合緩衝部材が函体接続端面からはみ出してしまうことがない。
請求項3記載の本発明によれば、非伸縮性シートを広く市販されている金属箔または面布により構成するようにしたから、前記作用に加えて、このような非伸縮性シートを緩衝材に埋め込む複合緩衝部材を容易に作成することができる。
請求項4記載の本発明によれば、緩衝材の間に弾性の高いゴムを挟んで複合緩衝部材とすることにより、前記請求項1の作用に加えて、ゴムの反発性によって函体接続端面への密着性が更に向上する。
請求項5記載の本発明によれば、複合緩衝部材に並列させて、シール材を函体端面に被着するようにしたから、複合緩衝部材による緩衝作用に加えて、シール材による函体接続部の止水作用も得ることができる。すなわち、このシール材はコンクリート函体間で圧縮されて止水効果を発揮する。
そして函体接続部は腐食したり破損したりし難い複合緩衝部材により保護されているから、函体接続部のシール材もこのような複合緩衝部材により保護されて、止水作用を維持することができる。
請求項6記載の本発明によれば、ブチル系ゴムを函体端面に幅広く被着し、その上に緩衝材を被着するようにしたから、前記請求項1の作用に加えて、ブチル系ゴムが緩衝材の変形を自由にして緩衝材の函体接続端面への密着度を高めるとともに、ブチル系ゴムによる止水効果も得られる。
以上述べたように本発明のコンクリート函体は、コンクリート函体の接合端面に推力が不均一に加わる場合や、コンクリート函体端面に不陸が存在する場合でも、緩衝材を函体接続端面に確実に密着させることによりポイントタッチを防いでコンクリートの破損を防止するとともに、函体接続部における緩衝作用を維持することができる。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のコンクリート函体の第1実施形態を示す全体斜視図で、前記従来例と同一の構成要素については、同一の符号を付したものである。なお、本発明のコンクリート函体を使用するオープンシールド工法については、前記従来例と同様であるから詳細な説明は省略する。
コンクリート函体4は鉄筋コンクリート製で、その基本構成は前記従来例と同様に左側板4a、右側板4bと上床板4cと下床板4dとからなるもので、前後面を開口10として開放されている。また、コンクリート函体4の角隅部はハンチ形状としてコンクリート函体4の強度を高めるためにコンクリートの厚みが大きくなっている。
このコンクリート函体4の前後方向の端面4eに、帯状の複合緩衝部材15を幅広く被着する。複合緩衝部材15は図2に示すように、緩衝材15aの中に、非伸縮性シートとして金属箔15bを埋め込んだものである。なお、緩衝材15aは腐食し難い樹脂製とし、更に、ポアソン比が小さく、応力に対する塑性領域の広い材質により構成する。
また、複合緩衝部材15は間隔を存して間に溝19を形成し、この溝19に紐状のシール材16を配置して端面4eに被着することにより、複合緩衝部材15とシール材とを並列させる。
このように溝19を形成することで、シール材16の位置決めも容易に行え、安定した状態で配設できる。かかる紐状のシール材16としてはブチル系ゴムもしくは水膨潤性ゴムが適する。
この帯状の複合緩衝部材15およびシール材16は、埋設される以前のコンクリート函体4に接着剤またはボルト止めで予め取付けておくものである。
なお、前記従来例と同様にコンクリート函体4の端面4eの角隅ハンチ部4fにはコンクリート函体4同士の緊結用のPC鋼棒を挿入するためのシース孔12も設け、シース孔12が位置する部分は、複合緩衝部材15やシール材16で覆わないようにする。
このように構成するコンクリート函体4が地中に縦列に配設された場合は、コンクリート函体4同士は前記複合緩衝部材15およびシール材16を介して接合することになる。
なお、複合緩衝部材15はコンクリート函体4の前後の端面4eのいずれか一方にのみ被着しておけば、縦列に並べた際に他のコンクリート函体4の複合緩衝部材15がないもう一方の端面4eがこれに当接することになる。
また、複合緩衝部材15をコンクリート函体4の前後両方の端面4eに設けるようにしてもよい。この場合、いずれか一方の端面4eには複合緩衝部材15のみを被着し、シール材16を設けることは行わない。
このようなコンクリート函体4を順次埋設する方法は、従来例と同様に、掘削機による排土工程、オープンシールド機の前進工程、コンクリート函体4のセット工程を適宜繰り返して、順次コンクリート函体4をオープンシールド機の前進に伴い縦列に地中に残置していくものである。残置したコンクリート函体4は、PC鋼棒などの緊結部材をシース孔12に貫通させて配置し、順次縦締め緊結を行う。
オープンシールド機が曲線施工するにあたってコンクリート函体4に反力をとって前進する際、推進反力がコンクリート函体4の接合面に不均一に加わるが、複合緩衝部材15が端面4eに密着してコンクリート函体4の接続部に介在することにより、推力が均一に端面4eに伝達される。
すなわち、複合緩衝部材15は、応力に対する塑性領域の広い材質による緩衝材15aを使って構成するから、推進反力によって圧縮された複合緩衝部材15が圧縮方向に柔軟に変形して、コンクリート函体4同士の接続部である端面4eに確実に密着する。
そしてこの複合緩衝部材15をコンクリート函体4の前後方向の端面4eに幅広く被着するようにしたから、コンクリート函体4の端面4eに推力が不均一に加わる場合や、コンクリート函体4の端面4eに不陸が存在する場合でも、複合緩衝部材15がコンクリート函体4の端面4eに幅広く密着して、推力を均一に伝達させて、コンクリート函体4同士のずれを防止するとともに、コンクリート函体4の端面4eの不陸を吸収して、コンクリート函体4の接合部におけるポイントタッチを防いでコンクリートの破損を防止することができる。
そして緩衝材15aとして、応力を受けても広がり難いポアソン比の小さな材質を使用し、これに非伸縮性シートとして金属箔15bを埋め込むことにより複合緩衝部材15としたから、緩衝材15aは金属箔15bによって幅方向の広がりを規制される上、緩衝材15aそのものも圧縮によって広がりにくく、この複合緩衝部材15をコンクリート函体4の前後方向の端面4eに幅広く被着しても、推進ジャッキ2の推力によって圧縮された複合緩衝部材15がコンクリート函体4の接続部の端面4eからはみ出してしまうことがない。
すなわち、コンクリート函体4の接続部の端面4eからはみ出してしまった部分から複合緩衝部材15の破損が進むことによって、時間の経過とともに、コンクリート函体4同士のずれ防止およびコンクリート破損防止の作用が失われてしまうことがない。
また、複合緩衝部材15に並列させて、シール材16をコンクリート函体4の端面4eに被着するようにしたから、複合緩衝部材15による緩衝作用に加えて、シール材16によるコンクリート函体4の接続部の止水作用も得ることができる。すなわち、このシール材16はコンクリート函体4間で圧縮されて止水効果を発揮する。
そしてコンクリート函体4接続部は腐食したり破損し難い複合緩衝部材15により保護されているから、コンクリート函体4の接続部に配置されるシール材16もこのような複合緩衝部材15により保護されて、止水作用を維持することができる。
また、緩衝材15aに埋め込むのは、非伸縮性のシート状のものであれば良く、金属箔15bの代わりに面布を使用しても良い。
また、図3に示すように、緩衝材15aの間に弾性の高いゴム15cを挟むようにして、複合緩衝部材15を構成するようにしても良い。このようにすることで、ゴム15cの反発性によって、複合緩衝部材15の端面4eへの密着性が更に向上する。
本発明のコンクリート函体の第2実施形態を図4に示す。なお、本実施例のコンクリート函体の基本構成は前記第1実施形態と同一であるが、コンクリート函体4の前後方向の端面4eに、複合緩衝部材15とシール材16とを並列させて被着する代わりに、帯状のブチル系ゴム18を幅広く被着し、さらにその上に重ねて緩衝材22を被着する。
なお、緩衝材22は腐食し難い樹脂製とし、更に、ポアソン比が小さく、応力に対する塑性領域の広い材質により構成する。また、ブチル系ゴム18と緩衝材22とは、先に重ねて接着したものを、埋設される以前のコンクリート函体4に接着剤またはボルト止めで予め取付けておくものである。
本実施例のコンクリート函体の使用方法も前記第1実施形態と同様であり、掘削機による排土工程、オープンシールド機の前進工程、コンクリート函体4のセット工程を適宜繰り返して、順次コンクリート函体4をオープンシールド機の前進に伴い縦列に地中に残置し、PC鋼棒などの緊結部材により順次縦締め緊結を行う。
オープンシールド機が曲線施工するにあたってコンクリート函体4に反力をとって前進する際、推進反力がコンクリート函体4の接合面に不均一に加わるが、前記第1実施形態と同様に、緩衝材22としてポアソン比が小さく、応力に対する塑性領域の広い樹脂製の材質を使用するようにしたから、推進ジャッキの推力によって緩衝材22がコンクリート函体4の接続部の端面4eに確実に密着し、コンクリート函体4同士のずれ防止およびコンクリートの破損防止の作用が得られるとともに、圧縮された緩衝材22がコンクリート函体4の端面4eより外側にはみ出したり緩衝材22が腐食したりしてこれらの作用が失われることもない。
更に、ブチル系ゴム18をコンクリート函体4の端面4eに幅広く被着し、その上に緩衝材22を被着するようにしたから、ブチル系ゴム18が緩衝材22の変形を自由にして緩衝材22のコンクリート函体4の端面4eへの密着度を高めるとともに、ブチル系ゴム18による止水効果も得られる。
なお、いずれの実施例においても、コンクリート函体4をオープンシールド工法で使用した場合について説明したが、本発明のコンクリート函体は推進工法にも適用可能である。
本発明のコンクリート函体の第1実施形態を示す全体斜視図である。 複合緩衝部材およびシール材を被着したコンクリート函体端面を示す縦断側面図である。 他の複合緩衝部材およびシール材を被着したコンクリート函体端面を示す縦断側面図である。 本発明のコンクリート函体の第2実施形態において、ブチル系ゴムと緩衝材を被着したコンクリート函体端面を示す縦断側面図である。 オープンシールド工法の概略を示す縦断側面図である。 従来のコンクリート函体の斜視図である。 オープンシールド工法の曲線施工によりコンクリート函体の接合部にズレを生じさせる力が働く様子を示す平面図である。
符号の説明
1 オープンシールド機 1a 側壁板
1b 底板 1c テール部
2 推進ジャッキ
3 隔壁 4 コンクリート函体
4a 左側板 4b 右側板
4c 上床板 4d 下床板
4e 端面 4f 角隅ハンチ部
5 埋戻土 6 グラウト材
7 高さ調整材 8 プレスバー
9 掘削機 10 開口
11 刃口 12 シース孔
15 複合緩衝部材 15a 緩衝材
15b 金属箔 15c ゴム
16 シール材 17 箱抜き
18 ブチル系ゴム 19 溝
22 緩衝材

Claims (6)

  1. 地中埋設用として順次縦列に並べられ、推進ジャッキの推力を受けるコンクリート函体において、ポアソン比が小さく、応力に対する塑性領域の広い樹脂製の材質による帯状の緩衝材を幅広く、函体の前後方向の端面に被着することを特徴とするコンクリート函体。
  2. 前記緩衝材に、非伸縮性シートを埋め込んで複合緩衝部材とする請求項1記載のコンクリート函体。
  3. 非伸縮性シートは金属箔または面布により構成する請求項1または請求項2記載のコンクリート函体。
  4. 前記緩衝材の間に、弾性の高いゴムを挟んで複合緩衝部材とする請求項1記載のコンクリート函体。
  5. 複合緩衝部材に並列させて、シール材を函体端面に被着する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコンクリート函体。
  6. 前記緩衝材を、ブチル系ゴムを介して函体の前後方向の端面に被着する請求項1記載のコンクリート函体。
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