JP4537358B2 - コンクリート函体の接続方法 - Google Patents

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Description

本発明は、上下水道、共同溝、電信・電話などの付設地下道等の地下構造物を市街地などに施工するオープンシールド工法や推進工法において適用でき、特に曲線施工を行う箇所において好適であるコンクリート函体の接続方法に関するものである。
上下水道、共同溝、電信・電話などの付設地下道等の地下構造物を市街地などに施工する工法として、推進工法やオープンシールド工法が広く用いられている。推進工法とは、掘削機により切羽の掘削を行いながら掘削孔にコンクリート函体やヒューム管を発進坑に吊り降ろしてセットし、このコンクリート函体等を発進坑に配置した推進ジャッキにより押し出すことにより次のコンクリート函体等をセットするスペースを確保するという工程を繰り返して、順次縦列にコンクリート函体等を埋設する工法である。通常、先頭のコンクリート函体等の前には、刃口または掘進機が設置される。
一方、オープンシールド工法は開削工法(オープンカット工法)とシールド工法の長所を活かした合理性に富む工法であり、オープンシールド工法に関する特許文献としては、例えば以下のものが存在する。
特開2006−112101号公報 特開2006−112100号公報
このオープンシールド工法で使用するオープンシールド機1の概略は図5に示すように左右の側壁板1aと、これら側壁板1aに連結する底板1bとからなる前面、後面および上面を開口したもので、前記側壁板1aと底板1bの先端を刃口11として形成し、また側壁板1aの中央または後端近くに推進ジャッキ2を後方に向け上下に並べて配設する。図中3は隔壁を示す。
かかるオープンシールド機1を使用して施工するオープンシールド工法は、図示は省略するが、発進坑内にこのオープンシールド機1を設置して、オープンシールド機1の推進ジャッキ2を伸長して発進坑内の反力壁に反力をとってオープンシールド機1を前進させ、地下構造物を形成する第1番目のコンクリート函体4を上方から吊り降ろし、オープンシールド機1のテール部1c内で縮めた推進ジャッキ2の後方にセットする。推進ジャッキ2と反力壁との間にはストラットを配設して適宜間隔調整をする。
また、発進坑は土留壁で構成し、オープンシールド機1を発進させるにはこの土留壁を一部鏡切りするが、必要に応じて薬液注入などで発進坑の前方部分に地盤改良を施しておくこともある。
ショベル等の掘削機9でオープンシールド機1の前面または上面から土砂を掘削しかつ排土する。この排土工程と同時またはその後に推進ジャッキ2を伸長してオープンシールド機1を前進させる。この前進工程の場合、コンクリート函体4の前にはボックス鋼材または型鋼を用いた枠体よりなるプレスバー8を配設し、オープンシールド機1は後方にセットされたコンクリート函体4から反力をとる。
そして第1番目のコンクリート函体4の前に第2番目のコンクリート函体4をオープンシールド機1のテール部1c内で吊り降ろす。以下、同様の排土工程、前進工程、コンクリート函体の4のセット工程を適宜繰り返して、順次コンクリート函体4をオープンシールド機1の前進に伴い縦列に地中に残置し、さらにこのコンクリート函体4の上面に埋戻土5を入れる。
なお、コンクリート函体4をオープンシールド機1のテール部1c内に吊り降ろす際には、コンクリートブロック等による高さ調整材7をコンクリート函体4下に配設し、このテール部1c内でコンクリート函体4の左右および下部の空隙にグラウト材6を充填する。
このようにして、オープンシールド機1が到達坑まで達したならばこれを撤去して工事を完了する。
このようなオープンシールド工法では、前記のごとくコンクリート函体4をオープンシールド機1の前進に伴い縦列に地中に残置し、コンクリート函体4は、オープンシールド機1のテール部1c内に吊り降ろされ、オープンシールド機1の前進とともに該テール部1cから出て地中に残されていくものであり、オープンシールド機1はこのように地中に残置したコンクリート函体4に反力をとって前進する。
コンクリート函体4は鉄筋コンクリート製で、図5に示すように左側板4a、右側板4bと上床板4cと下床板4dとからなるもので、前後方向面を開口10として開放されている。図中12cは、端面4eに開口し、前後のコンクリート函体4を緊結する緊結部材としてのPC鋼棒を挿入するためのシース用孔、17はPC鋼棒の碇着用の箱抜きを示す。
また、コンクリート函体4の強度を確保するため、一般的に角隅部はハンチ形状としてコンクリートの厚みが大きく、開口10の形状が面取りしたようになっている。
縦列に地中に残置されたコンクリート函体4同士をPC鋼棒などの緊結部材により緊結するには、まず、新たにオープンシールド機1のテール部1cに載置するコンクリート函体4の高さを、図7に示すように高さ調整材7を使うなどして合わせ、先に載置したコンクリート函体4とのシース用孔12cの高さを合わせる。新たに載置したコンクリート函体4の下にはグラウト材を注入する。
なお、先に載置されたコンクリート函体4はシース用孔12cを貫くPC鋼棒21によって緊結されており、その先端は図8に拡大して示すように、碇着用箱抜き17において、支圧板21aとナット21bとによって固定されている。
次に、図9に示すように、新しく載置したコンクリート函体4とそれ以前に載置したコンクリート函体4との間にPC鋼棒21を挿入し、仮締めを行う。その後、オープンシールド機1をコンクリート函体4の1個分掘進させて、テール部1cが前進したことによりできた空間にグラウト材を注入する。
その後、図10に示すように、新たに載置したコンクリート函体4のオープンシールド機1側端面から緊結ジャッキ21cにより、新たに挿入したPC鋼棒21を緊結する。緊結ジャッキ21cは連結棒21eを備え、これをコンクリート函体4のシース用孔12cに挿入し、図11に拡大して示すようにカップラー21dにより新たに挿入したPC鋼棒21と連結することにより、緊結ジャッキ21cの回転力をPC鋼棒21に付与してPC鋼棒21を緊結する。
ところで、曲線施工を行う場合にはオープンシールド機1としては、機体を前後方向に複数に分割し、それぞれ独自に方向変換可能な中折れ構造として主に推進ジャッキ2の使用位置や本数を変えながら上下左右方向に方向制御を行い推進させる。
図12に示すように、オープンシールド機1がコンクリート函体4に反力をとって曲線を描きながら前進する際には、左右の推進ジャッキ2でコンクリート函体4にアンバランスの力を加えることや、一点鎖線で示すように、コンクリート函体4に対してオープンシールド機1が傾くため、先頭のコンクリート函体4に加わる力は端面に対して均等ではなく偏心推力が作用し、その結果、縦列するコンクリート函体4の接合端面相互にずれが生じる。
このようなズレを防止するための方法としては、例えば図6に示すようにコンクリート函体4の端面4eに挿入孔13を形成し、ここにピンを挿入して、コンクリート函体4同士の接続端面同士を固定する方法も考えられる。
なお、このようなコンクリート函体4相互にずれに対する対処の工夫は従来なされておらず、それに関連する特許文献も存在しない。
しかし、施工個所の屈曲度合いが大きい場合などは、コンクリート函体4の接合端面にかかる偏心推力が大きくなり、ピンでは分力に耐えきれずにピンが変形し、挿入孔13周りのコンクリートの欠けが発生してしまい、コンクリート函体同士の接合のズレを起こすおそれがある。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、曲線施工など特にコンクリート函体の接合端面に推力が不均一に加わる場合に、コンクリート函体同士のズレを確実に防止できるコンクリート函体の接続方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、左右の側板と上下の床板とからなるもので、前後に開口して内部が開放されており、角隅ハンチ部で、コンクリート函体の外周面および内側表面からの深度が均一となる位置にシース用孔を備えた鉄筋コンクリート製のコンクリート函体で、PC鋼棒等の緊結部材が貫通するシース用孔に、緊結部材とほぼ同径の内径の通称ガス管と呼ばれる配管用炭素鋼鋼管を固定配置してシース孔とし、また、コンクリート函体の内側より前記シース孔を分断するように設ける緊結部材碇着用の箱抜きに連通する固結材流入口を、函体の上面若しくは側面に設けたコンクリート函体を使用するものであり、このコンクリート函体を縦列に地中に残置し、配管用炭素鋼鋼管に緊結部材を挿入して緊結し、前記コンクリート函体の内側よりシース孔を分断するように設ける緊結部材碇着用の箱抜きを、緊結部材の緊結後に固結材を充填して閉塞することを要旨とするものである。
シース用孔は緊結部材に対して通常、グラウト材の充填を行うためなどで、遊びがあるが、請求項1記載の本発明によれば、緊結部材が貫通するシース用孔に、緊結部材とほぼ同径の内径の管材を固定配置してシース孔を形成し、この管材に緊結部材を挿入して緊結することにより、緊結部材とシース孔との遊びが少なくなり、コンクリート函体が接合面において移動することを緊結部材が許容しなくなるから、コンクリート函体同士の接合面におけるズレを防止できる。
これはすなわち、従来はオープンシールド機の推進時の偏心推進推力による接続函体端面の目開き防止や敷設した函体全体の一体化等を目的として行われていたPC鋼棒などの緊結部材によるコンクリート函体の縦締め緊結を、更に函体の接合端面水平方向のズレ防止にも適用できるようにするものである。これは従来の緊結部材とシース孔との隙間を閉塞するだけであるから、大きな設計変更を必要とせず、容易に実現することができる。
また、緊結部材はもともと縦列に埋設されるコンクリート函体を縦締め緊結して一体化するものであるから、コンクリート函体の縦列方向全体に渡って一体的に延在するとともに、コンクリート函体の接合端面に上下左右方向に加わる力に充分耐えられるだけの太さを有しており、コンクリート函体の接合個所においてのみ使用する細く短いピン等に比べて、より確実にコンクリート函体にズレを起こさせようとする力に耐えることができる。
よって、曲線施工など特にコンクリート函体の接合端面に推力が不均一に加わる場合であっても、コンクリート函体同士のズレを確実に防止できる。
なお、コンクリート函体に設けるシース用孔に管材を挿入することにより、これにより形成されるシース孔が管材によって補強されるから、シース孔を貫通する緊結部材をコンクリート函体のズレ止めに使用しても、シース孔の緊結部材との接触部分が欠けるなどしてコンクリート函体が破損してしまうことを防ぐことができる。
本発明によれば、管材として鋼管を使用することにより、一般的に鋼材が使用される緊結部材を挿入する管材の強度を、コンクリート函体接合面に加わる函体にズレを生じさせようとする力に対して充分に耐え得るものとすることができる。すなわち、充分な強度を有する鋼管の管材により、コンクリート函体同士にズレを起こさせようとする力に対向しつつ、シース孔をより確実に保護して、シース孔付近の欠けなどによるコンクリート函体の破損を防ぐことができる。
また、本発明によれば、緊結部材の緊結後、コンクリート函体の内部空間よりシース孔を分断する緊結部材碇着用の箱抜きを、固結材を充填して閉塞するようにしたから、箱抜き部分において緊結部材がコンクリート函体本体に一体的に固着され、緊結部材とコンクリート函体との遊びがなくなり、緊結部材によってコンクリート函体同士のズレをより確実に防止することができる。
請求項2記載の本発明は、コンクリート函体は左右に傾く端面を有することを要旨とするものである。請求項3記載の本発明は、シース用孔は両端に向けてテーパ状に拡径することを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、左右に傾く端面を有するコンクリート函体を使用することにより、函体端面を推進ジャッキの推力を受ける方向に追随させて、推力をコンクリート函体の端面全体に均等に加わるようにすることができ、函体端面に加わる力の偏りを排除して、より確実にコンクリート函体のずれを防止することができる。
請求項3記載の本発明によれば、シース孔の端部が予めテーパ状に形成されるから、コンクリート函体同士のズレ止めとして緊結部材を利用した場合、コンクリート函体の接合部付近に位置して特に負荷がかかり易いシース孔の端部において、コンクリートの欠けを防止することができる。
以上述べたように本発明のコンクリート函体の接続方法及は、曲線施工など特にコンクリート函体の接合端面に推力が不均一に加わる場合に、コンクリート函体同士のズレを確実に防止できる。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のコンクリート函体の接続方法の第1実施形態に使用するコンクリート函体の角隅ハンチ部の縦断正面図である。本発明のコンクリート函体の接続方法およびコンクリート函体を使用するオープンシールド工法は前記従来例と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略する。また、前記従来例と同一の構成要素については、同一の符号を付す。
図1に示すように、鉄筋コンクリート製のコンクリート函体40は、前記従来例と同様に左右の側板と上下の床板とからなるもので、前後に開口して内部が開放されており、角隅ハンチ部にシース用孔12bを備える。なお、図中40aは鉄筋であり、17は緊結部材としてのPC鋼棒21を連結及び緊結する際に使用する碇着用箱抜きである。
このシース用孔12内に、通称ガス管と呼ばれる配管用炭素鋼鋼管(以下、ガス管)12aを挿入配置する。ガス管12aは例えば厚さ3.5mm、外径48.6mm、内径41.6mmである。
前記従来例と同様に、地中においてオープンシールド機を掘進させるとともに順次コンクリート函体40を吊り降ろし、コンクリート函体40を縦列に埋設する過程において、オープンシールド機のテール部にコンクリート函体40を吊り降ろして載置した後に、このガス管12aに、緊結部材として直径40mmのPC鋼棒21を挿入し、仮締めして更にオープンシールド機を掘進させた後、緊結ジャッキによりPC鋼棒21を縦締め緊結する。
この状態において、PC鋼棒21とガス管12aとの隙間はわずかしかなく、遊びが少ないため、その後、このコンクリート函体40を反力としてオープンシールド機を掘進させて曲線施工を行ったとしても、コンクリート函体40が接合面において移動することをPC鋼棒21が許容しない。よって、コンクリート函体40同士のズレを確実に防止することができる。
また、ガス管12aによってシース孔12を補強することにより、シース孔12がコンクリート函体40にズレを起こさせようとする力に耐え得るものとなり、コンクリート函体40の接合面におけるズレを防止するとともに、オープンシールド機から推進反力として与えられる負荷によりシース孔12が欠けるなどしてコンクリート函体40が破損してしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態においては、使用されるガス管12aおよびPC鋼棒21のサイズは、ガス管12aとPC鋼棒21との隙間が僅かとなるものであれば各種のサイズが使用可能である。例えば、適用可能なガス管12aとPC鋼棒12との対応を以下の表に示す。
Figure 0004537358
また、ガス管12aの外径とシース孔12の径とがほぼ同径である場合には、シース孔12にガス管12aを挿入しただけでもシース孔12に対してガス管12aの遊びはほとんどないが、ガス管12aの外径とシース孔12の径とに開きがある場合には、ガス管12aとシース孔12との間にグラウトを注入するなどの方法により、シース孔12に対してガス管12aを固定することができる。
以上のように、従来から使用されているコンクリート函体をそのまま使用することによっても、ガス管12aなどの管材をシース孔12に挿入することにより、コンクリート函体同士のズレを確実に防止することができるが、コンクリート函体を以下のように構成することもできる。
図2に、本発明のコンクリート函体の第1実施形態を示す。図2に示すように、本発明のコンクリート函体41は鉄筋コンクリート製で、その基本構成は前記従来例と同様に左側板4a、右側板4bと上床板4cと下床板4dとからなるもので、前後面を開口10として開放されている。
コンクリート函体41の角隅部はコンクリート函体41の強度を高めるためにコンクリートの厚みが大きくなっており、端面4eの角隅ハンチ部において、緊結部材としてのPC鋼棒21(図2において不図示)が貫通するシース孔12を設ける。
なお、シース孔12を設ける位置は、コンクリート函体41の各表面からの深度が均一となるようにする。例えば、図中右下に位置するシース孔12の場合を例に取ると、コンクリート函体41の底面からの距離L1と、側面からの距離L2と、内側の表面からの距離L3とが均一となる位置に設けるようにする。このように、全てのシース孔12について、コンクリート函体41の各表面からの深度が均一となる位置に設けるようにする。
コンクリート函体41の縦断側面図である図3にも示すように、シース孔12はガス管12aを配置して形成されており、その両端は端に向かって拡径するテーパ部12bとなっている。なお、図中17は、緊結部材としてのPC鋼棒(図3において不図示)を連結及び緊結する際に使用する碇着用の箱抜きである。
このコンクリート函体41の使用方法は前記実施例と同様であり、地中においてオープンシールド機を掘進させるとともに順次コンクリート函体41を吊り降ろし、コンクリート函体41を縦列に埋設する過程において、オープンシールド機のテール部にコンクリート函体41を吊り降ろして載置した後に、このシース孔12に、緊結部材として直径40mmのPC鋼棒を挿入し、仮締めして更にオープンシールド機を掘進させた後、緊結ジャッキによりPC鋼棒を縦締め緊結する。
この状態において、PC鋼棒とシース孔12との隙間はわずかしかなく、遊びが少ないため、その後、このコンクリート函体41を反力としてオープンシールド機を掘進させて曲線施工を行ったとしても、コンクリート函体41が接合面において移動することをPC鋼棒が許容しない。よって、コンクリート函体41同士のズレを確実に防止することができる。
また、ガス管12aによってシース孔12を補強することにより、シース孔12がコンクリート函体41にズレを起こさせようとする力に耐え得るものとなり、コンクリート函体41の接合面におけるズレを防止するとともに、オープンシールド機から推進反力として与えられる負荷によりシース孔12が欠けるなどしてコンクリート函体41が破損してしまうことを防止することができる。
なお、シース孔12とPC鋼棒との隙間は僅かしかないが、シース孔12の端部はテーパ部12bとなっているから、容易にシース孔12にPC鋼棒を挿入することができ、シース孔12とPC鋼棒とをコンクリート函体41設置の際のガイドとして利用することも可能となる。
また、コンクリート函体41の接合端部においてコンクリート函体41同士にズレを起こさせようとする外力が働いた場合、シース孔12の端部に大きな負荷がかかるが、シース孔12の端部をテーパ部12bとすることで、シース孔12端部におけるコンクリートの欠けを防ぐことができる。
本発明のコンクリート函体の第2実施形態を図4に示す。本実施形態のコンクリート函体42の基本構成は前記第1実施形態と同様であるが、上段に位置する碇着用箱抜き17に連通する固結材流入口22を、コンクリート函体42の上面に開口させて形成する。
このコンクリート函体42の基本的な使用方法は前記第1実施例と同様であり、地中においてオープンシールド機を掘進させるとともに順次コンクリート函体42を吊り降ろし、コンクリート函体42を縦列に埋設する過程において、オープンシールド機のテール部にコンクリート函体42を吊り降ろして載置した後に、このシース孔12に、緊結部材としてPC鋼棒21を挿入し、仮締めして更にオープンシールド機を掘進させた後、緊結ジャッキによりPC鋼棒21を縦締め緊結する。
その後、以下の手順で緊結部材碇着用の箱抜き17内を固結する。まず、コンクリート函体42内側の箱抜き17に位置するPC鋼棒21にセパレータ16の一端を溶接若しくは結合部材により結合し、他端を合板用のプラスチックコーン16aに接続し、フォームタイ15の軸足15aの貫通口を備えるコンパネ14によって碇着用箱抜き17のコンクリート函体42内側の開口部を塞ぎ、フォームタイ15の軸足15aをプラスチックコーン16aに挿入してフォームタイ15を締め、コンパネ14を固定する。
このようにして、箱抜き17のコンクリート函体42内側の開口部を塞いでから、固結材流入口22より無収縮モルタルを注入し、箱抜き17内に無収縮モルタルを充填して固結する。その後、コンパネ14及びフォームタイ15を取り外す。
これにより、箱抜き17内においてPC鋼棒21がコンクリート函体42本体に一体的に固着され、箱抜き17部分においてPC鋼棒21とコンクリート函体42との遊びがなくなり、前記実施例と同様の作用に加えて更に、PC鋼棒21によりコンクリート函体42同士のズレをより確実に防止することができる。
なお、固結材流入口22はコンクリート函体42の側面から箱抜き17に連通するように形成しても良い。また、下段の箱抜き17にもコンクリート函体42側面より固結材流入口22を形成してもよいが、下段の箱抜き17関しては、コンクリート函体42の内側の開口部から直接固結材を流し込むことができるので、特に固結材流入口22を形成する必要はない。
また、本発明のコンクリート函体の前記第1実施形態、第2実施形態のいずれにおいても、シース孔12として使用されるガス管12aおよびPC鋼棒21のサイズは、ガス管12aとPC鋼棒21との隙間が僅かとなるものであれば各種のサイズが使用可能である。例えば、適用可能なガス管12aとPC鋼棒12との対応を以下の表に示す。
Figure 0004537358
また、本発明のコンクリート函体の第3実施形態として、図2において一点鎖線で示すように、コンクリート函体41は左右に傾く端面4eを有するようにしても良い。なお、図示はしないが、PC鋼棒21などの直線状の緊結部材を使用する場合には、隣接するコンクリート函体41のシース孔12同士が、コンクリート函体41の接合面においても直線状となるように、シース孔12を形成する。
また更に、緊結部材としてPC鋼棒21の代わりにPC鋼線を使う場合は、シース孔12のテーパ部12bを大きく設けるか、コンクリート函体41の接合面においてもシース孔12が滑らかに連続するよう、シース孔12にカーブをつけるようにしてもよい。
このようなコンクリート函体41の接続方法は、緊結部材としてPC鋼棒21を使用する場合は前記本発明のコンクリート函体の接続方法の第1実施形態と同様に、隣接するコンクリート函体41同士の間にPC鋼棒21を挿入し、オープンシールド機1を推進させた後、碇着用箱抜き17において緊結ジャッキ21cにより緊結する。
また、緊結部材としてPC鋼線を使用する場合は、シース孔12にPC鋼線を挿入し、シース孔12内にグラウト材を注入し、次いで、PC鋼線を緊張し、グラウト材が硬化した後にPC鋼線の緊張を解除する。
これにより、端面4eの向きは施工曲線に追随したものとなり、オープンシールド機が推進する際の反力は端面4e全体に均等に加わることとなるから、緊結部材の緊結力によるコンクリート函体41のズレ防止に加えて、端面4eに加わる力の偏りを排除して、より確実にコンクリート函体42のずれを防止することができる。
また、緊結部材としてPC鋼棒21を使用する場合には、コンクリート函体41の接合面においても直線状となるようにシース孔12を形成し、緊結部材としてPC鋼線を使用する場合には、シース孔12のテーパ部12bを大きく設けるか、シース孔12にカーブをつけてコンクリート函体41の接合面においてもシース孔12が滑らかに連続するようにすることで、緊結部材の緊結力が充分に発揮され、コンクリート函体41のずれを防止する効果を十分に得ることができる。
本発明のコンクリート函体の接続方法の第1実施形態に使用するコンクリート函体の角隅ハンチ部の縦断正面図である。 本発明のコンクリート函体の第1実施形態を示す全体斜視図である。 本発明のコンクリート函体の第1実施形態の要部を示す縦断側面図である。 本発明のコンクリート函体の第2実施形態の要部を示す縦断正面図である。 オープンシールド工法の概略を示す縦断側面図である。 従来のコンクリート函体の斜視図である。 コンクリート函体の縦締め緊結の第1段階を示す縦断側面図である。 緊結されたPC鋼棒の先端を拡大して示す縦断側面図である。 コンクリート函体の縦締め緊結の第2段階を示す縦断側面図である。 コンクリート函体の縦締め緊結の最終段階を示す縦断側面図である。 緊結ジャッキによる緊結部材の緊結を示す縦断側面図である。 新オープンシールド工法によりコンクリート函体の接合部にズレを生じさせる力が働く様子を示す平面図である。
符号の説明
1 オープンシールド機 1a 側壁板
1b 底板 1c テール部
2 推進ジャッキ
3 隔壁 4 コンクリート函体
4a 左側板 4b 右側板
4c 上床板 4d 下床板
4e 端面部 5 埋戻土
6 グラウト材 7 高さ調整材
8 プレスバー 9 掘削機
10 開口 11 刃口
12 シース孔 12a ガス管
12b テーパ部 12c シース用孔
13 挿入孔
14 コンパネ 15 フォームタイ
16 セパレータ 16a プラスチックコーン
17 碇着用箱抜き 21 PC鋼棒
21a 支圧板 21b ナット
21c 緊結ジャッキ 21d カップラー
21e 連結棒 22 固結材流入口
40 コンクリート函体 40a 鉄筋
41、42 コンクリート函体

Claims (3)

  1. 左右の側板と上下の床板とからなるもので、前後に開口して内部が開放されており、角隅ハンチ部で、コンクリート函体の外周面および内側表面からの深度が均一となる位置にシース用孔を備えた鉄筋コンクリート製のコンクリート函体で、PC鋼棒等の緊結部材が貫通するシース用孔に、緊結部材とほぼ同径の内径の通称ガス管と呼ばれる配管用炭素鋼鋼管を固定配置してシース孔とし、また、コンクリート函体の内側より前記シース孔を分断するように設ける緊結部材碇着用の箱抜きに連通する固結材流入口を、函体の上面若しくは側面に設けたコンクリート函体を使用するものであり、
    このコンクリート函体を縦列に地中に残置し、
    配管用炭素鋼鋼管に緊結部材を挿入して緊結し、
    前記コンクリート函体の内側よりシース孔を分断するように設ける緊結部材碇着用の箱抜きを、緊結部材の緊結後に固結材を充填して閉塞することを特徴とするコンクリート函体の接続方法。
  2. コンクリート函体は左右に傾く端面を有する請求項1に記載のコンクリート函体の接続方法。
  3. シース用孔は両端に向けてテーパ状に拡径する請求項1または請求項2に記載のコンクリート函体の接続方法。
JP2006203149A 2006-07-26 2006-07-26 コンクリート函体の接続方法 Active JP4537358B2 (ja)

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