JP2008037500A - 樹幹材容器とその製造法 - Google Patents

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Abstract

【目的】従来の木製容器は、大量生産に適した均一形状のものであったが、個々の樹木が持つ木肌模様や年輪を積極的に容器の表面に表出させたい。また、簡単な付加加工で容器以外の物品に兼用若しくは転用できるようにしたい。
【構成】原木から得た樹幹を、輪切りにして木胴体1用材と木蓋2用材とし、木胴体1用材の一端から木芯部を刳り抜いて空間部3と底部4とを形成、その空間部3の開口辺部と木蓋2用材の周辺部に、互いに重ねて嵌め合う段差部4を、周辺部の樹幹外周である自然曲線に倣ったものとして形成し木胴体1及び木蓋2と成し、外見上で木蓋2の表面に年輪5、木胴体1に木肌模様6を表出する樹幹材容器とその製造法とする。更に、所用箇所に透孔8を穿孔してペット用等の骨壷・腰掛・踏み台・ランプシェード・植木鉢にできる。
【選択図】図1

Description

この発明は、素材として樹木の樹幹を利用し、その樹皮を剥ぎ取って芯部を刳り抜き、容器としたものである。特に、樹幹の有する自然形状を外見上表出させた容器としたことに特徴があるものであり、加えて、少しの穿孔加工を付加するだけで、容器以外の物品としても適用できるものとなるものである。
容器は、その収容物の種類により方形・円形・筒型・缶等と様々な形状があり、また、その素材も異にしている。これらの容器は、いずれの種類のものも大量生産品として一定の形状や外観をなしている。また、その製造工程においても当然ながら、定められた大きさの寸法や外見となるよう心掛け、均一な容器となるように管理して製造されている。
したがって、用いられる素材も収容物に適したもの、求める容器の形状作りに容易なものとして、金属・紙・木・ガラス・陶器等から選択され、また、それらの組合せとして採用されているのである。ここでは、本発明の容器の素材として木製であること、それも中空缶状体若しくは壷形のもの、その中に収容する物品に相応しい点にも着目する。
従来の木製の容器にも色々ある。多くは幾枚かの板材を組み合わせて方形の容器にするなり、細くした板材を並列に連結し、それを丸めて筒状の容器にするなどである。
中には形状の他に自然木の持つ香気を利用するものがある。例えば飲料に含ませるために、自然木を薄い厚み幅として中空円筒体に形成させ、飲料容器の内壁に沿うよう収納させたものである。また、木製の自然分解性を利用して地下埋葬するペット用骨壷がある。
これらの木製容器に対し本発明は、容器の素材として木、それも自然樹木の肥大した主茎である樹幹を利用したものである。すなわち、樹幹を所望の長さに切断し、その切断した樹幹の芯部を刳り抜いて容器としたものである。
しかも、樹木が個々に有する外見上の自然な形状は勿論のこと、木肌の模様・年輪をもその侭に表出させようとするものであるから、樹木個々の個性を生かした容器であって、その点は従来の均一的な各種容器とは根本的に製造観点に違いがあるのである。
上述した骨壷は、特殊な容器と言えようが結構需要があり、土中に埋めてからやがて自然分解して土に還すことにした例えば三角傾斜型の桐製骨壷で、形状が動物の頭蓋骨に類似している三角形のため無理なく収められ、丸型と異なって長広いスペースを確保できるから、骨を砕くことなく収めることを特徴とする考案の名称「ペット用桐製三角傾斜型骨壷」というものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、一般的な容器で、しかも、この発明と同じく木製の一体型の容器であるもの、すなわち、円柱状の木材を木口(こぐち)に刳り抜き、又は挽き抜いて円筒状に形成した胴
Figure 2008037500
入して胴体と底板とを一体に固定して形成した容器で、考案の名称「木製容器」というものがある(例えば、特許文献2参照。)。
更に、本発明と近似なものとして、所望製品の直径よりやや大きな径を有する原木を使用し、求める幅に輪切りにして円盤状の素材とし、この素材の芯部を刳り抜きリング状に形成して約6ヶ月間乾燥した後、ロクロ引き等により木製側枠部を形成し、この木製側枠部の一端に、刳り抜き穴と同じ寸法に切断した木製底板を固着させて容器とし、その上、木製底板の表面と木製側枠部に渡って稲妻模様等の不均一な彫り模様を施した発明の名称「木製容器およびその製造法」というものがある(例えば、特許文献3参照。)。
本発明は、完成品の外形から、その侭の形状で大きさを考慮して「腰掛」に、その胴体部に幾つかの透孔を設け小さめにして「炭等の脱臭剤入れ」とか、その底に透孔を設ければ「植木鉢」に、胴体部や蓋にも穿孔して「電気スタンド」にと、少し穿孔加工を付加するだけで、容器以外の物品としても容易に兼用又は転用できるものとなる。
それ故、出願人は、これらの各物品それぞれについて先願を調査したところ、樹幹材を用いたものは、似たものすら見出せなかったのである。
実用新案登録第3114814号公報(2頁〜3頁、図1) 実公昭47−37894号公報(1頁、第1図〜第3図) 特開昭57−86449号公報(2頁、第2図〜第4図)
ところで、上記の特許文献1は、骨壷としての容器が木製だから、土中にてやがて土に還る効果はあるが、形状はできるだけ骨を砕かずに収納しようとするものであるから、当然、三角形状に幾枚かの板材で立体的に組立てるゆえ大きな箱体となるしコストも嵩む。
特許文献2は、円柱状の木材を木口に刳り抜く点は、本発明の樹幹を利用するものと似
Figure 2008037500
ての改良考案が目的としたものである。
したがって、木口に刳り抜いても有底とした本発明とは全く関係ないし、勿論、樹幹を利用することについては全く関係ない。
特許文献3は、先願として本発明に最も似た容器の製造法であるが、円盤状の素材の芯部を刳り抜きリング状に形成とあるように、これも特許文献2と同様に、円筒状の胴体である木製側枠部に木製底板を固着させて容器を形成させたものである。
確かに、発明の主眼は、樹幹の木芯部を刳り抜いて乾燥による木割れの防止や、乾燥時間の短縮の効果を図っているが、他に木製底板の裏面と木製側枠部に渡って彫り模様を施して、意匠的効果と共に両者の木目の差異を隠し、併せて両者の接合部を不明瞭にすることをも目的としたものである。
なお、特許文献2も特許文献3も、お盆・菓子器等の所謂丸物の容器であって、蓋の記載はなく、また、樹幹の木肌模様や年輪等には一切触れていない。
ところで、一般に丸物の容器の製造においては、樹齢30年以上の大径の原木を切断して先ず円柱状の原材を得る。これを2〜3年間乾燥したものを輪切りにして素材とし、更に6ヶ月程乾燥して木芯部を避けて複数の丸物用材を木取りするのである。
そして、この丸物用材を個々にロクロ引き等にて容器状に加工する工程としている。
複数の丸物用材を木取りする際に、木芯部を避ける最大の理由は、木芯部から放射状に木割れが発生するからである。すなわち、このことによって原木が大木であっても、その輪切りした大きな平面部上に、円形に複数木取りするから、当然無駄な部分を多く生じ原材の損失が大きいのである。
また、大木の運搬も多大な費用を要すると共に長期間の乾燥を必要としていた。
本発明は、上記の諸欠点を解決すると共に、原木の有していた樹木の外周形状や、木肌や年輪も外観として見ることができるようになされたものであり、発明者達は鋭意検討した結果、従来手法であるロクロ引きを止め全く新規な製造方法を案出したのである。
更に、本発明の外観を有した容器以外の物品への適用も、至極簡単な付加加工のみで行えるようにしたいと考えたのである。
この発明の基本的な構成を図面に基づき説明する。なお、構成の部分において同一機能を有する箇所は、形状が異なっても同一の符号で表示した。
図1乃至図3に示すように、所望する太さの原木を、所望する長さに輪切り切断して得た輪切り状の樹幹を用いるのであり、その樹幹の一端近辺部を木芯軸横断方向に輪切りして、木胴体1用材と木蓋2用材とする。
そして、木胴体1用材の一端から他端に向い木芯部を深く刳り抜いて空間部3と底部4とを形成させ、その空間部3の開口辺部と、開口辺部に相対する木蓋2用材の周辺部に、互いに重ねて嵌め合うための段差部4を、周辺部の樹幹外周である自然な曲線にほぼ倣ったものとして形成させて木胴体1及び木蓋2とするのである。
また、空間部3の周囲面において、底部4との近傍をU字の湾曲状としてもよい。
つまるところ、外見上において木蓋2の表面には年輪5を、木胴体1の少なくとも外周囲には木肌模様6を表出するようにしたことを特徴とする樹幹材容器である。
以上がこの発明の基本構成であり、この構成によって後述する種々の収容物に相応しい容器となるのである。
なお、本発明の樹幹材容器は木製であるから、その用いる原木の種類によって組織の緻密さが異なるので多少の違いはあるとしても、液体を収容すると直ちに容器自体に滲み込み、やがて外方へ滲み出すものもあるから、これの防止策としては、空間部3を形成しているその周面と底部4とに、慣用周知手段である防水性塗料で塗装するか、図示省略したがプラスチック製の凹器を嵌め込むようにすればよい。
そこで、空間部3を、適当な大きさのものとしてペット用等の骨壷としたり、木胴体1と木蓋2とを、体重に耐える程度の強度と大きさとして室内用の脚のない腰掛若しくは踏み台としたりして兼用式の容器にするもよい。
また、図5に示すように、木胴体1の周面に多数の貫通する透孔8を設けて脱臭剤入れ用とするなり、同様に複数の透孔8を、表出させておきたい年輪5や木肌模様6を避けて配設すると共に、発生する上昇熱気を排出させるために少なくとも木蓋2の中心にも透孔8を有した室内用ムードランプシェード用とすると、中に電球等を入れて点灯すれば面白い電気スタンドとなる。
更に、図4に示すように、木胴体1の周面には一切穿孔せずに、木胴体1の底部4の少なくとも中心部に、底裏7に貫通する透孔8を設ければ、植木鉢用にも適用させたものとなる。勿論、この場合では木蓋2は不要であるが、底裏7に透孔8を設けても、透孔8径よりも大きい固形単体が収容物であるならば、十分にその侭で容器である。
なお、これらの透孔8の形状は、円形と限定するものではなく、その適用目的に相応しく方形・三角形・多角形等とするなり、それらの混在したものとするのは自由である。
次に、基本的な製造法について述べると、先ず、所望する太さの原木の外皮(樹皮)を剥がし、所望する長さに切断して得た輪切り状の樹幹を、その樹幹の一端近辺部を木芯軸横断方向に切断分離して木胴体1用材と木蓋2用材とする。なお、木蓋2の厚さは、図示した通常用いられている程度とする。
次に、木胴体1用材の一端から他端に向い木芯部を深く刳り抜いて空間部3と底部4とを形成させる。その際、底部4の厚さが薄くならないように注意する。
そして、空間部3と底部4とを形成した木胴体1用材と、木蓋2用材とを、数ヶ月間自然乾燥させるのである。
そして、十分乾燥させた木胴体1用材と木蓋2用材との表面を、適当な慣用の研磨手段にて磨いた後に、空間部3の開口辺部とその開口辺部に相対する木蓋2用材の周辺部に、互いに重ねて嵌め合うための段差部4を、その周辺部の樹幹外周である自然な曲線にほぼ倣ったものとして切削形成させるのである。
この工程にて大事なことは、段差部4が、図2に示すように真丸な真円ではなく、その樹幹が持っていた樹幹外周の自然な曲線が、ほぼその侭現出するように加工することである。したがって、出来上がった段差部4を有する木胴体1と木蓋2の両者を上下に合わせて蓋をすれば、上下方向には離反し得ても、左右の横方向には動かないようになる。
実際には、木製であるから吸湿膨張して、蓋が外れないような事態になることをも考慮して、緩みを持たせて多少は左右方向にも動けるようにする必要がある。
最終工程としては、年輪5や木肌模様6を表出するように、全体をクリヤー塗装等の仕上げ塗装をして完成する樹幹材容器の製造法である。
なお、樹幹を素材として用いるから、採用する樹木の種類によって多少は異なるとしても、どうしても木割れを生じやすい。それ故、その防止のために木工用ボンドを木蓋2の片面と木胴体1の裏面に塗布することが好ましい。また、底部4と底裏7との間、すなわち木胴体1の底の厚さは3cm以内にした方がよい。
更に加えて、全体を仕上げ塗装する工程の前に木胴体1の周面には複数の透孔8を、必要により木蓋2や底部4の中心部にも透孔8を穿孔して、その後に全体を仕上げ塗装し、容器以外の物品として兼用又は転用できるものとする穿孔工程を付加する樹幹材容器の製造法である。
上述における樹幹とは、容器として採用できる直径を有するスギ・ヒノキ・アカマツ・カラマツ・ヒバのような針葉樹、クリ・ケヤキ・ナラ・クヌギ・サクラのような広葉樹が用いられるが、一般的に知られているように、ヒノキは香りがよいことと防虫の効果があってピンク色であり、ヒバは同様な効果があって黄色である。また、スギは赤色で、マツは白色となるなど、その樹木の持つ色合いを考慮した容器として仕上げたい。
この発明は、樹幹の外皮(樹皮)を剥ぎ取った後の木肌模様6や、木口に現れる年輪5を積極的に製品の表面に表出させ、従来は邪魔で嫌われた節9さえ模様の一助とする。
かつ、樹幹の外周を形成している自然で複雑な曲面線もほぼその侭に表出させた容器としているから、一つとして同じ容器はない。
したがって、いびつな樹幹も使用できる。同じ程度の直径の原木を採用したとしても、個々にオリジナル商品なのである。それ故に、均一的な大量生産品では感ずることのできない触感が得られる楽しい容器となった。
また、原木としてヒノキを採用すれば、芳しい香気を発するから、それに相応しい物を入れる容器となり得るし、原木の樹幹自体が持つピンク・黄色・赤色・白色等の色々な自然色を、表面全体の仕上げ塗装をクリヤー塗装とするだけで表出できるのである。
更に、従来の容器は、同じ材料だとしても互いに異なった所から得た部分で円筒体と底板を作り、その両者を嵌め込んで容器とするが、本発明はこの点で大きく異なり、図3乃至図5に見られるように木胴体1はその底部4と同じ材料でしかも一体だから、たとえ異常な乾燥だったとしても変形防止となる効果が大きいのである。
また、当然ながら従来品の薄い底板と異なり重量があるから転がり難い利点もある。
加えて、木芯部を深く刳り抜いて空間部3を形成するから、空間部3の縦軸断面が、図3乃至図5に示した程度のU字の湾曲状とした底部4となって、内容物を手指にて取り出す際には指先が底部4からカーブ状に木胴体1の壁に向って掻き出せるし、底の角に残らないようになり小粒状の物品や菓子等の容器として好ましい容器であると言えよう。
容器として適当な大きさのものとし、ペット用等の骨壷とすれば、居間等に置いて骨と共に生活も可能だろうし、土中にその侭埋めても、やがては土に還るから心配はない。
体重に耐える程度の強度と大きさとすれば、小物入れ兼用の腰掛や踏み台となる。
また、前述したように、ただ単に透孔8をそれぞれの箇所に穿孔加工するだけで、木炭等の脱臭剤入れに、電灯を入れて電気スタンド用ランプシェードに、底部4の中心部に透孔8を設ければ植木鉢用にも転用可能となる等大変目先の変わった独特の商品に化ける。
これら透孔8を有したものは、一見して最早容器とは言えぬ程の変わりようであると思われるが、これらが有する透孔8が幾つか散在していても、透孔8の大きさよりも大きな物品を収容することは可能である。したがって、本発明は、使用目的によってどちらかを選択できるから、需要者にとって大層便利な樹幹材容器となるのである。
製造法としても、従来の丸物製造の場合は、樹齢30年以上の大木を円柱状に切断したものを、2〜3年間自然乾燥させた後に輪切りにし、更に6ヶ月間再度乾燥してから芯部を避けて複数の丸物加工物として木取し、その後にロクロ引き等にて丸物用の素地を得ていたが、長期間放置乾燥したために木芯部から放射状に木割れが発生していた。
本発明では、予め木割れが発生しやすい木芯部を深く刳り抜くので、割れる虞が減少したし、乾燥期間も短縮できた。更に、原木の有する直径そのものを殆どその侭容器用材として用いるのだから、従来の木取時に発生する複数の丸物同士の間部分の無駄が生じないから資源の利用度が高まったものと言える。
加えて、従来は曲がった原木は活用し難かったが、本発明用の容器ではかえって面白い形状の外観のものとして、場合によっては貴重な用材となるのである。
また、段差部4が、図2に示すように真円でなく、その樹幹が持っていた樹幹外周の自然な曲線が、ほぼその侭現出するように加工するので、出来上がった段差部4を有する木胴体1と木蓋2の両者を上下に合わせて蓋をすれば、同じ樹幹を切り離して作った木胴体1と木蓋2だから、当然上下方向には離反し得ても、左右の横方向には動かないようになるから、目で見なくとも合わすことができるし、木胴体1と木蓋2の両者の木肌模様6自体も、ほぼ上下に一致するから自然で見苦しいことはない落着いた感じの容器となった。
この発明を実施するための最良の形態を、その製造方法と共に順を追って記載する。
ア)原木の選定は、先ず原木としてスギ・ヒノキ・マツ・ヒバ等の針葉樹を採用した方が好ましい。その理由は、乾燥が早く、割れ難く寸法上の狂いが生じ難いからである。
勿論、製品としての色調・木肌模様等の理由でクリ・ケヤキ・ナラ・クヌギ・サクラのような広葉樹を採用することもある。
なお、原木は製造しようとする所望の製品の大きさの直径を有するものを選定する。
イ)外皮(樹皮)を剥ぎ取り、所望の長さに輪切り分断して個々の原材とする。
ウ)原材を、木胴体1用材と木蓋2用材とに輪切り分断する。
エ)木胴体1用材の一端から木芯部を深く刳り抜き、空間部3と底部4とを形成させる。
その際、刳り抜き工具としてチェン鑿を用いると、深堀が可能となると共に、その先端部自体がU字状となっていることを利用でき、U字の湾曲状の底部4を形成しやすい。
オ)木割れ防止策として木工用ボンドを、木胴体1用材の底裏7と木蓋2用材の片面に塗布する。塗布する場所は年輪5上であるが、乾燥中の湿気の発散用の面積が少なくならぬように木胴体1用材は底部4のみとし、木蓋2用材の両面塗布はしない。
カ)木割れ防止策を済ませた木胴体1用材と木蓋2用材とを、6ヶ月間自然乾燥する。
キ)木胴体1用材と木蓋2用材の全表面をワイヤーブラシやサンドペーパーで研磨する。
ク)研磨した木胴体1用材と木蓋2用材との突き合わせ程度の狂いの調整をする。
ケ)木胴体1用材と木蓋2用材の全表面を、適当な磨き剤にて磨く。
コ)磨き終わった木蓋2用材から、段差部4形成用の形定規を、その樹幹外周である自然な曲線にほぼ倣って内側に、段差部4用の間隔を有したものとして作る。
なお、形定規は、その都度作成すべきであるが、似た形状のものは他にも利用する。
サ)段差部4形成用の形定規を、木蓋2用材に、また、木胴体1用材の空間部3の開口辺部にあてがい切削して段差部4を形成させて木胴体1及び木蓋2とする。
シ)段差部4を形成させた木胴体1及び木蓋2の全表面に仕上げ塗装して完成する。
上記工程にては、常に樹幹の年輪5や木肌模様6の存在と配置に思いを凝らして作業することが肝要である。
それ故、仕上げ塗装は、透明膜となるクリヤー塗装とするのが最良であるが、全体又は一部を、たとえ年輪5や木肌模様6が見難い程度に着色しても、木胴体1の外周面の触感は残っているから、好みにより何色に着色しても一向に構わないことは言うまでもない。
容器としては、収容する物品によって自ずから収容物品に相応しい大きさや年輪5・木肌模様6の樹幹を選べばよいのであり、腰掛や踏み台も小物入れ兼用だから同様でよい。
植木鉢や電気スタンド用シェードの場合は、適当数の透孔8を必要とする。この透孔8は当然その大きさと個数や穿孔場所は任意であり、改めて説明する必要はなかろう。
以下に、この発明の各実施例を図面に基づいて説明する。実施例1は、図1乃至図3に示したように容器用である。原木は杉で、直径13cm、全高16cm、木胴体1の高さ13.5cm、空間部の直径11cm、空間部の底部4迄の深さ11.5cm、段差部4の幅約5mmとして前述の製造法で製造し、クリヤー塗装して完成させたものである。
なお、空間部3及び底部4を形成させる時に、木芯部の刳り抜き手段として小型のチェン鑿を用いて深堀し、その先端形状を利用して空間部3の底部4に近い壁面をU字状に形成したものであり、この工具を使用すれば、手斧の使用は勿論のこと、ドリルで円形状に並列する多数の穴を穿ったりする他の穿孔方法よりも遙かに作業が捗る利点がある。
実施例2は、図4に示した植木鉢で、実施例1との違いは空間部3の底部4に、排水用の透孔8と底裏7を削設して曲孔10を設けただけである。
なお、曲孔10は、対向部にも1ヶ所設けてある。
実施例3は、図5に示した電灯等の発光源を入れて用いる電気スタンド用ランプシェードで、実施例1との違いは、空間部3の底部4に、配線コード挿通用の透孔8と底裏7を削設して曲孔10を設け、木蓋2には投光用の透孔8を有したものである。
電源からのコードは配線コード挿通用の曲孔10と底部4の透孔8とを経て空間部3内に、電球等とソケットは木蓋2を除いておいて結線すれば、立派なムードランプになった。
なお、透孔8を、木胴体1に対して垂直状に穿孔したものとして描いているが、その孔径の大小や形状の違いと共に、傾斜させて穿孔したものとするもよい。
上記の各実施例にては、木炭等の脱臭剤入れの記載を省略したが、内容物は何であれ本発明にて限定するもではない。
以上詳記したように、ただ単に透孔8をそれぞれの箇所に穿孔加工するだけで、容器以外の物品に至極簡単に適用できる大変便利なものである。
この発明の実施例を示す斜視図である。(実施例1) 図1の木蓋を裏側から見た平面図である。(実施例1) この発明の実施例を、縦軸切断で示す正面断面図である。(実施例1) この発明の他の実施例で、植木鉢用にも適用させた縦軸切断の正面断面図である。(実施例2) この発明の更に他の実施例で、室内用ムードランプシェード用にも適用させた縦軸切断の正面断面図である。(実施例3)
符号の説明
1 木胴体
2 木蓋
3 空間部
4 底部
5 年輪
6 木肌模様
7 底裏
8 透孔
9 節
10 曲孔

Claims (10)

  1. 所望する太さの原木を、所望する長さに切断して得た輪切り状の樹幹を、該樹幹の一端近辺部を木芯軸横断方向に切断分離して木胴体(1)用材と木蓋(2)用材となし、該木胴体(1)用材の一端から他端に向い木芯部を深く刳り抜いて空間部(3)と底部(4)とを形成させ、該空間部(3)の開口辺部と、該開口辺部に相対する上記木蓋(2)用材の周辺部に、互いに重ねて嵌め合うための段差部(4)を該周辺部の樹幹外周である自然な曲線にほぼ倣ったものとして形成させて上記木胴体(1)と木蓋(2)と成し、かつ、外見上において上記木蓋(2)表面には年輪(5)を、上記木胴体(1)の少なくとも外周囲には木肌模様(6)を表出するようにしたことを特徴とする樹幹材容器。
  2. 空間部(3)の周囲面において、底部(4)との近傍を、U字の湾曲状とした請求項1記載の樹幹材容器。
  3. 空間部(3)を、適当な大きさのものとしてペット用等の骨壷とした請求項1又は請求項2記載の樹幹材容器。
  4. 木胴体(1)と木蓋(2)とを、体重に耐える程度の強度と大きさとして腰掛若しくは踏み台も兼用するようにした請求項1又は請求項2記載の樹幹材容器。
  5. 木胴体(1)の周面に多数の貫通する透孔(8)を設けて脱臭剤入れ用とした請求項1又は請求項2記載の樹幹材容器。
  6. 木胴体(1)の周面に複数の透孔(8)を配設すると共に、少なくとも木蓋(2)の中心にも透孔(8)を有して室内用ムードランプシェード用にも転用でき得るものとした請求項1又は請求項2記載の樹幹材容器。
  7. 木胴体(1)の底部(4)の少なくとも中心部に、底裏(7)に貫通する透孔(8)を設けて、植木鉢用にも適用させた請求項1又は請求項2記載の樹幹材容器。
  8. 所望する太さの原木の外皮を剥がし、所望する長さに切断して得た輪切り状の樹幹を、該樹幹の一端近辺部を木芯軸横断方向に切断分離して木胴体(1)用材と木蓋(2)用材となし、該木胴体(1)用材の一端から他端に向い木芯部を深く刳り抜いて空間部(3)と底部(4)とを形成させた後に数ヶ月間自然乾燥させ、上記木胴体(1)用材と木蓋(2)用材との表面を研磨した後、上記空間部(3)の開口辺部と、該開口辺部に相対する上記木蓋(2)用材の周辺部に、互いに重ねて嵌め合うための段差部(4)を、該周辺部の樹幹外周である自然な曲線にほぼ倣ったものとして切削形成させ、その後に全体を仕上げ塗装して完成することを特徴とする樹幹材容器の製造法。
  9. 空間部(3)と底部(4)とを形成する時に、空間部(3)の周囲面の底部(4)近傍を、チェン鑿を用いてU字の湾曲状に刳り抜く請求項8記載の樹幹材容器の製造法。
  10. 全体を仕上げ塗装する工程の前に、木胴体(1)周面には複数の透孔(8)を、必要により木蓋(2)や底部(4)の中心部にも透孔(8)を穿孔して、容器以外の物品として兼用又は転用できるものとする請求項8又は請求項9記載の樹幹材容器の製造法。
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