JP2008036840A - 治具 - Google Patents

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昌彦 吉田
Hiroichi Nunokawa
博一 布川
Bunji Ishimoto
文治 石本
Tatsuya Nakano
龍也 中野
Yoichi Kakehashi
洋一 掛橋
Toru Miyamoto
徹 宮本
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Abstract

【課題】テストシートの側辺の反りが押さえられ、テストシートがスキャナに対して平行にセットされること。
【解決手段】測定対象となるテストシートをスキャナの読み取り面に置くための治具であって、前記テストシートの側辺を突き当てるための突き当て部と、前記側辺を前記突き当て部に突き当てた時、前記読み取り面の反対側から前記側辺を押さえる押さえ部と、を有する治具。
【選択図】図12B

Description

本発明は、治具に関する。
ヘッドが移動方向に移動し、その移動中にノズルからインクを吐出させる動作と、搬送方向に媒体を搬送させる動作とを交互に繰り返すことで印刷画像を完成させるインクジェットプリンタが知られている。
このようなプリンタでは、媒体を搬送させる際に搬送誤差が生じると、媒体上の正しい位置にインク滴が着弾せず、画質が劣化するおそれがある。
そこで、媒体の搬送誤差を補正するため、テストシートに測定用パターンを印刷し、この測定用パターンをスキャナ(読み取り部)により読み取った結果に基づいて補正値を算出し、搬送量に反映させる方法が提案されている。(特許文献1参照)
特開平5−96796号公報
ところで、テストシートの側辺が反ってしまうことがある。この場合、スキャナの原稿台ガラスの上にテストシートを置くだけでは、テストシートの側辺はスキャナの原稿台ガラスと密着することはなく、テストシートの側辺の印刷画像は読み取られない可能性がある。
また、テストシートがスキャナに対して傾いてセットされると、測定用パターンが傾いた画像として読み取られてしまう。
そこで、本発明では、テストシートの側辺の反りが押さえられ、テストシートがスキャナに対して平行にセットされることを目的とする。
前記課題を解決する発明は、測定対象となるテストシートをスキャナの読み取り面に置くための治具であって、前記テストシートの側辺を突き当てるための突き当て部と、前記側辺を前記突き当て部に突き当てた時、前記読み取り面の反対側から前記側辺を押さえる押さえ部と、を有する治具である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
すなわち、測定対象となるテストシートをスキャナの読み取り面に置くための治具であって、前記テストシートの側辺を突き当てるための突き当て部と、前記側辺を前記突き当て部に突き当てた時、前記読み取り面の反対側から前記側辺を押さえる押さえ部と、を有する治具が実現できること。
このような治具によれば、突き当て部とテストシートの側辺が平行となるように、テストシートがセットされる。また、テストシートの側辺の反りが押さえられ、読み取り面とテストシートの側辺が密着し、明確に画像が読み取られる。
かかる治具であって、前記治具と前記読み取り面の間の間隔のうち、前記テストシートが挿入される部分での間隔は、前記突き当て部から遠ざかるほど広くなること。
このような治具によれば、治具と読み取り面の間にテストシートの側辺を挿入しやすくなること。
かかる治具であって、前記スキャナは読取キャリッジが所定方向に移動しながら画像を読み取るスキャナであり、前記突き当て部は、前記所定方向と平行であること。
このような治具によれば、テストシートの側辺が所定方向に対して傾くことなく、テストシートがスキャナにセットされる。
かかる治具であって、前記読み取り面と対向している前記治具の底面のうち、前記押さえ部とは別の領域に、前記所定方向に所定間隔おきに複数のラインが形成されていること。
このような治具によれば、スキャナによる読み取り誤差を補正するためのライン(後述)が治具に形成されているので、テストシートをスキャナに読み込ませる検査の際に、ラインが形成された基準シートをセットする必要がなくなる。その結果、検査時間が短縮される。
かかる治具であって、前記治具は第1治具と第2治具からなり、前記第1治具は前記突き当て部と前記押さえ部を有し、前記第2治具は前記読み取り面の反対側から前記側辺以外の前記テストシートの領域を押さえること。
このような治具によれば、第2治具により、テストシートの側辺以外も読み取り面と密着するので、テストシートの全面の画像が明確に読み取られる。
かかる治具であって、前記第1治具は、前記第1治具と前記スキャナを固定するための固定部を有すること。
このような治具によれば、第1治具をスキャナに取り付けた後に、第1治具の位置がずれてしまうことがなくなる。即ち、テストシートの側辺が所定方向と平行である状態で、スキャナに画像を読み取られる。
かかる治具であって、前記治具の表面は黒いこと。
このような治具によれば、スキャナが原稿(テストシート)の画像を読み取る際に照射する光が反射することを防ぐことができる。その結果、スキャナは明確に画像を読み取ることができる。
かかる治具であって、前記スキャナは読取キャリッジが所定方向に移動しながら画像を読み取るスキャナであり、前記第2治具の一部と、前記第1治具の一部が、前記所定方向に沿って接触するように構成されていること。
このような治具によれば、第2治具により押さえられるテストシートの領域が増える。
かかる治具であって、前記治具の底面に設けられた突起部の一方の側面が前記突き当て部になり、前記突起部の他方の側面は、前記所定方向と平行であり、前記所定方向に所定間隔おきに複数のラインが形成されている基準シートの前記所定方向の側辺が突き当たる基準シート用突き当て部になり、前記基準シート用突き当て部に前記基準シートの前記所定方向の側辺を突き当てた状態で、前記基準シートが前記治具の底面に取り付けられていること。
このような治具によれば、テストシートの側辺と基準シートの側辺が所定方向と平行である状態で、テストシートと基準シートがスキャナにセットされる。
また、測定対象となるテストシートをスキャナの読み取り面に置くための治具であって、前記テストシートの側辺を突き当てるための突き当て部と、前記側辺を前記突き当て部に突き当てた時、前記読み取り面の反対側から前記側辺を押さえる押さえ部と、を有し、前記治具と前記読み取り面の間の間隔のうち、前記テストシートが挿入される部分での間隔は、前記突き当て部から遠ざかるほど広くなり、前記スキャナは読取キャリッジが所定方向に移動しながら画像を読み取るスキャナであり、前記突き当て部は、前記所定方向と平行であり、前記読み取り面と対向している前記治具の底面のうち、前記押さえ部とは別の領域に、前記所定方向に所定間隔おきに複数のラインが形成され、前記治具の表面は黒く、前記治具は第1治具と第2治具からなり、前記第1治具は前記突き当て部と前記押さえ部を有し、前記第2治具は前記読み取り面の反対側から前記側辺以外の前記テストシートの領域を押さえ、前記第1治具は、前記第1治具と前記スキャナを固定するための固定部を有し、前記第2治具の一部と、前記第1治具の一部が、前記所定方向に沿って接触するように構成されている、治具を実現することもできる。
このような治具によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
===インクジェットプリンタの構成===
印刷装置としてインクジェットプリンタを例にとり、本発明の実施形態を説明する。
〈構成〉
図1は本実施形態のプリンタ1の全体構成ブロック図である。外部装置であるコンピュータ60から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ50により、各ユニット(搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30)を制御し、媒体S(以下、紙Sとする)に画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群40が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ50は各ユニットを制御する。図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。図2Bは、プリンタ1全体構成の断面図である。図3は、搬送ユニット10の構成の説明図である。
コントローラ50は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットであり、インターフェース部51と、CPU52と、メモリ53と、ユニット制御回路54とを有する。インターフェース部51は、外部装置であるコンピュータ60とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU52は、プリンタ1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ53は、CPU52のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。CPU52は、メモリ53に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路を有して各ユニットを制御する。
搬送ユニット10は、紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下、搬送方向という)に所定の搬送量で紙Sを搬送させるためのものであり、給紙ローラ11と、搬送モータ12と、搬送ローラ13と、プラテン14と、排紙ローラ15とを有する。
ヘッドユニット30は、紙にインクを吐出するためのものであり、ヘッド31を有する。ヘッド31は、インク吐出部であるノズルを複数有する。そして、各ノズルには、各ノズルを駆動してインクを吐出させるための駆動素子であるピエゾ素子(不図示)が設けられている。
図4は、ヘッド31の下面(ノズル面)におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド31の下面には、イエローインクノズル列Yと、マゼンタインクノズル列Mと、シアンインクノズル列Cと、ブラックインクノズル列Kが形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを90個備えている。90個のノズルのうち、下流側のノズルほど若い番号が付されている(#i=#1〜#90)。また、各ノズル列のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔Dでそれぞれ整列している。本実施形態では、ノズル列長は1インチ、間隔Dを90dpiとする。
キャリッジユニット20は、ヘッド31を搬送方向と垂直の方向(以下、移動方向という)に移動させるためのものであり、キャリッジ21と、キャリッジモータ22とを有する。
検出器群40には、リニア式エンコーダ41、ロータリー式エンコーダ42、紙検出センサ43、および光学センサ44等が含まれる。
===印刷手順===
〈1:印刷命令受信〉
コントローラ50は、コンピュータ60から印刷命令及び印刷データを受信すると、印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の処理を行う。
〈2:給紙処理〉
コントローラ50は、給紙ローラ11を回転させ、印刷すべき紙Sを搬送ローラ13まで送る。紙検出センサ43が、給紙ローラ11から送られてきた紙Sの先端の位置を検出すると、コントローラ50は搬送ローラ13を回転させ紙Sを印刷開始位置(頭出し位置)に位置決めする。紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド31の少なくとも一部のノズルは、紙Sと対向している。
〈3:ドット形成処理〉
コントローラ50は、キャリッジモータ22を駆動し、キャリッジ21を移動方向に移動させる。ヘッド31は、キャリッジ21に設けられているため、ヘッド31もキャリッジ21と共に移動方向に移動する。キャリッジ21の移動方向への1回の移動をパスという。そして、コントローラ50は、キャリッジ21の移動中に、印刷データに基づいてノズルからインクを吐出させる。ノズルから吐出されたインク滴が紙S上に着弾すれば、紙S上にドットが形成される。移動するヘッド31からインクが断続的に吐出されるので、紙S上には移動方向に沿ったドット列が形成される。なお、キャリッジ21の移動方向の位置をリニア式エンコーダ41が検出し、キャリッジ21(ヘッド31)に取り付けられている光学センサ44が紙の端部の位置を検出する。図4に示すように光学センサ44は、ヘッド31の一番上流側にあるノズル#90とほぼ同じ位置にある。
〈4:搬送処理〉
コントローラ50は、搬送モータ12を駆動し、搬送ローラ13を回転させて、紙Sを搬送方向に所定の搬送量分だけ搬送する。この搬送処理により、ヘッド31は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。なお、印刷中の紙Sはプラテン14によって支持される。
紙Sの搬送量は、搬送ローラ13の回転量に応じて定まる。本実施形態の搬送ローラ13の円周の長さは1インチである。即ち、搬送ローラ13が1回転すると、紙Sが1インチ搬送される。(但し、実際には摩擦や搬送誤差(後述)の影響により、搬送ローラ13が1回転しても、紙Sが1インチ搬送されない場合もある。)そして、コントローラ50は、搬送ローラ13の回転量を検出ですることで、紙Sの搬送量を制御する。なお、搬送ローラ13の回転量はロータリー式エンコーダ42によって検出される。
ロータリー式エンコーダ42は、スケール421と検出部422とを有する。スケール421は、所定の間隔毎に設けられた多数のスリットを有する。このスケール421は、搬送ローラ13に設けられている。つまり、スケール421は、搬送ローラ13が回転すると、一緒に回転する。そして、搬送ローラ13が回転すると、スケール421の各スリットが検出部422を順次通過する。検出部422は、スケール421と対向して設けられており、プリンタ本体側に固定されている。ロータリー式エンコーダ42は、スケール421に設けられたスリットが検出部422を通過する毎に、パルス信号を出力する。搬送ローラ13の回転量に応じてスケール421に設けられたスリットが順次検出部422を通過するので、ロータリー式エンコーダ42の出力に基づいて、搬送ローラ13の回転量が検出される。
〈5:排紙処理〉
コントローラ50は、印刷中の紙Sの排紙の判断を行う。印刷中の紙Sに印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ50は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、画像を徐々に紙Sに印刷する。印刷中の紙Sに印刷すべきデータがなくなったところで、コントローラ50は、排紙ローラ15を回転させて紙Sを排紙する。この排紙ローラ15は、搬送ローラ13と同期して回転する。なお、排紙ローラ15の円周の長さは1インチである。
===搬送誤差について===
ロータリー式エンコーダ42は搬送ローラ13の回転量を検出する。そして、コントローラ50は、搬送ローラ13の回転量に応じて、紙Sがどれ位搬送されたかを判断している。逆に言うと、コントローラ50は、紙Sを所定搬送量F搬送させるため、所定搬送量Fに応じた搬送ローラ13の回転量分だけ搬送ローラ13を回転させる。しかし、所定搬送量Fと搬送ローラ13の回転量の関係が、設計上(理論上)と実際の装置上で異なった場合、紙Sは所定搬送量Fを搬送されない。つまり、搬送誤差が生じる。搬送誤差が生じると、紙S上の正しい位置にドットが形成されなくなり、印刷された画像にスジが生じ、画像劣化が生じる。
図5Aは、設計上の搬送ローラ13の断面図である。搬送ローラ13の半径を半径r、搬送ローラ13の回転中心を中心O、中心角θに対応する搬送ローラ13の円周を円弧ABと円弧CDとする。中心Oから搬送ローラ13の円周までの距離が必ず半径rであるならば、円弧ABと円弧CDの長さは等しい。つまり、搬送ローラ13を角度θ(中心角θ)回転させれば、搬送ローラ13の円周上の位置に関係なく紙Sは円弧AB(円弧CD)の長さを搬送される。この中心角θと円弧ABの長さの関係が、設計上における搬送ローラ13の回転量と紙Sの搬送量の関係となる。しかし、実際の搬送ローラ13は製造誤差等によって、必ずしも中心Oから搬送ローラ13の円周までの距離が半径rであるわけではない。以下、AC成分の搬送誤差とDC成分の搬送誤差の2種類の搬送誤差について説明する。
〈AC成分の搬送誤差〉
図5Bは、搬送ローラ13がつぶれて、断面が楕円形状になってしまった搬送ローラ131の断面図である。搬送ローラ131の中心O1から円周までの距離は、搬送ローラ131の円周上の位置によって異なる。中心O1から円周までの距離r1が設計上の半径r(図5A)よりも短い場合、その地点における中心角θに対応する円弧A1B1は、図5Aの円弧ABよりも短くなる(なお、図5Aから図5Dに示す角度θの大きさは全て等しいとする)。つまり、設計上の搬送ローラ13の半径rよりも装置上の搬送ローラ131の半径r1の方が短い場合、設計上での紙Sの搬送量よりも装置上の紙Sの搬送量の方が少なくなる。逆に、中心O1から円周までの距離r2が設計上の半径rよりも長い場合、その地点における中心角θに対応する円弧C1D1は、図5Aの円弧ABよりも長くなる。つまり、設計上の搬送ローラ13の半径rよりも装置上の搬送ローラ131の半径r2の方が長い場合、設計上での紙Sの搬送量よりも装置上での紙Sの搬送量の方が多くなる。
図5Cは、搬送ローラの回転中心が円の中心Oからずれてしまった搬送ローラ132の断面図である。この場合も図5Bと同様に、搬送ローラ132の中心O2から円周までの距離が、搬送ローラ132の円周上の位置によって異なる。中心O2から円周までの距離r3が設計上の半径rよりも短い場合、設計上の紙Sの搬送量(円弧AB)よりも装置上の紙Sの搬送量(円弧A2B2)の方が少なくなる。そして、中心O2から円周までの距離r4が設計上の半径rよりも長い場合、設計上の紙Sの搬送量よりも装置上での紙Sの搬送量(円弧C2D2)の方が多くなる。
つまり、搬送ローラ13の回転中心から搬送ローラ13の円周までの距離が、設計上と実際の装置上とで異なった場合に生じる搬送誤差がAC成分の搬送誤差である。
また、搬送ローラ13の回転中心と、ロータリー式エンコーダ42のスケール421の回転中心がずれた場合にも、搬送誤差が生じる。図5Cを用いて説明するため、搬送ローラ13の回転中心を中心Oとし、スケール421の回転中心を中心O2とする。搬送ローラ13が中心Oを回転中心として角度θ回転すると、紙Sは円弧ABの長さ分だけ搬送される。しかし、スケール421は、中心O2を回転中心として角度θ回転するので、紙Sが円弧ABよりも短い円弧A2B2の長さ分だけしか搬送されていないと検出してしまう。その結果、コントローラ50は必要以上に搬送ローラ13を回転させてしまい、搬送誤差が生じる。この搬送誤差もAC成分の搬送誤差である。
以上をまとめると、AC成分の搬送誤差は、搬送ローラ13の円周上のどの位置で紙Sを搬送するかによって、搬送誤差量が異なってくる。また、搬送ローラ13の円周の長さに関する搬送誤差(後述のDC成分の搬送誤差)は、AC成分の搬送誤差には含まれない。つまり、搬送ローラ13の円周の長さを設計上と実際の装置上とで等しいと考えられるため、搬送ローラ13が1回転すれば、AC成分の搬送誤差はゼロとなる。
〈DC成分の搬送誤差〉
DC成分の搬送誤差とは、製造誤差等により搬送ローラ13の円周の長さが設計上と実際の装置上とで異なる場合に発生する搬送誤差のことである。
図5Dは、設計上の搬送ローラ13と、設計上の搬送ローラ13よりも1回り大きい搬送ローラ133の断面図である。中心Oから装置上の搬送ローラ133までの距離r5の方が、中心Oから設計上の搬送ローラ13の円周までの距離rよりも長い。そして、装置上の搬送ローラ133の円周の長さは、設計上の搬送ローラ13の円周の長さよりも長い。この場合、同じ中心角θに対応する各搬送ローラの円弧の長さに関して、装置上の搬送ローラ133の円弧A3B3の方が、設計上の搬送ローラ13の円弧ABよりも長くなる。つまり、設計上の搬送ローラ13よりも円周が長い搬送ローラ133を角度θ回転させた場合、設計上の紙Sの搬送量(円弧AB)よりも装置上の紙Sの搬送量(円弧A3B3)の方が多くなる。逆に、設計上の搬送ローラ13よりも円周が短い搬送ローラ(不図示)を角度θ回転させた場合は、設計上の紙Sの搬送量よりも装置上の紙Sの搬送量の方が少なくなる。
以上をまとめると、DC成分の搬送誤差は、搬送ローラ13の円周上の位置に関わらず、紙Sの搬送量が増加すれば搬送誤差も増加する。即ち、紙Sの搬送量が増加すると、コントローラ50が指示した搬送量よりも多く(または少なく)搬送されてしまう度合いが増すということである。DC成分の搬送誤差は、搬送ローラ13の円周の長さに関係する誤差であるため、AC成分の搬送誤差のように搬送ローラ13が1回転しても誤差はゼロにはならない。
===本実施形態の搬送誤差の補正について===
搬送誤差にはAC成分の搬送誤差とDC成分の搬送誤差の2種類ある。AC成分の搬送誤差は搬送ローラ13の位置によって搬送誤差量が変わってくる。そのため、AC成分の搬送誤差を補正するには、原点センサにより搬送ローラ13の回転開始位置を把握する必要がある。しかし、原点センサを設けるとコストアップとなってしまうため、本実施形態ではDC成分の搬送誤差のみを補正する。
DC成分の搬送誤差の原因は、製造誤差等による搬送ローラ13の円周の長さの誤差であり、個々のプリンタによって生じる誤差の特性が異なる。そのため、個々のプリンタ毎に補正量を求める必要がある。
図6は、搬送誤差補正のフロー図である。図7は、搬送誤差補正を行う時のシステム構成図である。プリンタ製造工場の検査工程にて、完成したプリンタ1とスキャナ70をコンピュータ60に接続する。プリンタ1は、テストシートTSに測定用パターンとして複数のラインを印刷する(S101)。この複数のラインは所定間隔おきに搬送方向に並んでいる。テストシートTSに印刷された測定用パターンと、基準シートSSに印刷された基準パターン(後述)をスキャナ70に読み取らせる(S102)。測定用パターンのラインの間隔と、コンピュータ60が印刷の際に指示したラインの間隔との差が搬送誤差となる。そして、コンピュータ60は搬送誤差に対する補正値を算出する(S103)。その後、コンピュータ60は、算出した補正値をプリンタ1内のメモリ53に記憶させる(S104)。以下に、DC成分の搬送誤差に対する補正方法について詳しく説明する。
===測定用パターンの印刷(S101)===
図8は、テストシートTSとヘッド31の位置関係を示している。複数のラインのうち、紙の上端側のラインほど若い番号が付されている(L1〜L20、Lb1、Lb2)。また、複数のラインのうち、テストシートTSの一番上端側のラインL1と、下端側のラインLb2と、個体識別コードの印刷位置に近いラインL16は、スキャナ70で読み込んだ後に、画像の傾きを検出するために使用されるので、他のラインよりも移動方向に長く伸びている。なお、n回目のキャリッジ21の移動方向への移動をパスnとする。そして、図8では説明の都合上、ヘッド31がテストシートTSに対して移動しているように描かれているが、実際にはテストシートTSがヘッド31に対して搬送方向に搬送される。
また、テストシートTS(媒体)が搬送ローラ13と従動ローラ16に挟まれている状態のことをNIP状態という。逆に、非NIP状態とは、テストシートTSが搬送ローラ13と従動ローラ16の間を外れた状態のことをいう。非NIP状態では、排紙ローラ15と従動ローラ17だけでテストシートTSが搬送される。即ち、NIP状態と非NIP状態では、搬送の特性が異なる。そのため、NIP状態で生じる搬送誤差と非NIP状態で生じる搬送誤差を分けて補正する必要がある。なお、テストシートTSがNIP状態のときに印刷されるテストシートTSの領域を通常領域とし、テストシートTSが非NIP状態のときに印刷されるテストシートTSの領域を下端領域とする。また、テストシートTSが搬送ローラ13と従動ローラ16の間から外れたとき、ノズル#90と対向しているテストシートTSの位置をNIPラインとし、図8に示す。
〈通常領域での印刷〉
測定用パターンをテストシートTSに印刷するにあたり、まず、プリンタ1にセットされたテストシートTSが印刷開始位置まで搬送される。その後、キャリッジ21が移動方向に移動しながら最初のライン(L1)が印刷される。1回のパスで、1本のラインが印刷される。ラインL1はマゼンタインク用ノズル列Mのノズル#90を用いて印刷される。できる限り多くのラインが通常領域に印刷されるように、一番上流側のノズル#90が用いられる。
そして、ラインL1の印刷後、コントローラ50はテストシートTSを所定搬送量F分だけ搬送する。その後、パス2においてラインL2が印刷される。この所定搬送量Fと実際の搬送量との差が搬送誤差である。ところで、ロータリー式エンコーダ42は直接的にテストシートTSの搬送量を検知していない。そのため、実際の搬送量は、実際に印刷されたラインL1とラインL2の間隔を計測して求め、搬送誤差を求める。
このように、ラインが印刷される動作と、テストシートTSが所定搬送量F分だけ搬送される動作が交互に繰り返されることにより、テストシートTSの通常領域に複数のライン(L1からL20)が印刷される。本実施形態では、搬送ローラ13の円周の長さの4等分を所定搬送量Fとする。搬送ローラ13の円周の長さは1インチであるので、テストシートTSは1/4インチずつ搬送される。即ち、設計上では、搬送方向に隣り合うラインの間隔は1/4インチとなる。こうして、テストシートTSが1/4インチ搬送されたときに生じる搬送誤差を求めることができる。また、ノズルの特性の違いが影響しないように、通常領域のラインは全て同じノズルによって印刷される。即ち、ラインL1からラインL20の全てが、マゼンタインク用ノズル列Mのノズル#90によって、印刷される。
そして、テストシートTSの通常領域に複数のラインが印刷された後、個体識別コードが印刷される。個体識別コードとは、プリンタ1を識別するための製造番号等である。これから算出される補正値が、誤って別のプリンタのメモリに記憶されないようにするために、個体識別コードもスキャナ70に読み込まれる。個体識別コードを印刷する際には、ノズル#90だけでなく、マゼンタインク用のノズル列Mの全てのノズル(#1〜#90)を使用可能とする。
〈下端領域での印刷〉
テストシートTSが非NIP状態になると、コントローラ50は、マゼンタインク用ノズル#90で最初のラインLb1を印刷する。その後、コントローラ50は、排紙ローラ15を1回転させることにより、テストシートTSを1インチ搬送する。そして、マゼンタインク用ノズル#3でラインLb2を印刷する。このラインLb1とラインLb2の間隔は、設計上では3/90インチとなる。下端領域の搬送誤差も、同じノズル(マゼンタインク用ノズル#90)で印刷された2本のラインの間隔から求められることが理想的である。しかし、排紙ローラ15によるAC成分の搬送誤差の影響が無くなるように、排紙ローラ15を1回転させると、テストシートTSの下端はノズル#90の下を通り過ぎてしまう。そこで、本実施形態では、ラインLb1を印刷し、排紙ローラ15を1回転させた後でも、テストシートTSと対向している下流側のノズルのうち、ラインLb1とラインLb2の間隔が適度に開き、ラインLb2がスキャナ70の読み取り範囲内に印刷されるようなノズル(ノズル#3)を用いてラインLb2を印刷する。
===測定用パターンと基準パターンの読み取り(S102)===
〈スキャナ70の構成〉
まず、測定用パターンの読み取りに用いられるスキャナ70の構成について説明する。図9Aは、スキャナ70の縦断面図である。図9Bは、上蓋71を外した状態のスキャナ70の上面図である。
スキャナ70は、上蓋71と、原稿mが置かれる原稿台ガラス72(読み取り面)と、この原稿台ガラス72を介して原稿mと対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ73と、読取キャリッジ73を副走査方向に案内する案内部74と、読取キャリッジ73を移動させるための移動機構75と、スキャナ70内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ73には、原稿mに光を照射する露光ランプ76と、副走査方向と垂直な方向である主走査方向のラインの像を検出するラインセンサ77と、原稿mからの反射光をラインセンサ77へ導くための光学系78とが設けられている。図中の読取キャリッジ73の内部の破線は、光の軌跡を示している。
原稿mの画像を読み取るとき、作業者は通常、上蓋71を開いて原稿mを原稿台ガラス72に置き、上蓋71を閉じる。但し、本実施形態では、原稿mをセットする際に、セット用治具(後述)を用いるため、上蓋71を使用しない。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ76を発光させた状態で読取キャリッジ73を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ77により原稿mの表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ60のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ60は、原稿mの画像データを取得する。
〈測定用パターンと基準パターンの読み取り〉
ところで、スキャナ70がテストシートTSの画像を読み取る際に、読み取り誤差が発生してしまう。読み取り誤差とは、実際の画像の位置と読み取った画像の位置との差のことである。例えば、読取キャリッジ73を読み取り開始位置から1インチ移動させたとき、読み取り開始位置から実際には1インチ離れた画像を、読み取り開始位置から1インチと60μm離れた位置に画像があると読み取ってしまうことなどがある。そのため、スキャナ70で読み取ったテストシートTSのラインの間隔には、プリンタ1の搬送誤差とスキャナ70による読み取り誤差が含まれることになる。
そこで、本実施形態では、テストシートTSと基準シートSSも一緒にスキャナ70で読み取らせる。図10は、基準シートSSの説明図である。基準シートSSには、360dpi間隔に多数のラインが形成されており、予めスマートスコープ等の測定機器によりその間隔が正確であると確認されている。つまり、スキャナ70で読みとった基準シートSSのラインの間隔には、スキャナ70による読み取り誤差のみしか含まれていない。ゆえに、基準シートSSも一緒にスキャナ70で読み取ることで、テストシートTSのラインの間隔に含まれたスキャナ70の読み取り誤差を補正することができる。また、基準シートSSは、多数のプリンタの検査に対して使用されるので、紙ではなくPETフィルムなどの丈夫な素材で構成されている。そして、スキャナ70がテストシートTSと基準シートSSの画像を読み取った後、その画像データはコンピュータ60に伝送される。
なお、原稿台ガラス72にテストシートTSと基準シートSSをセットする際に、セット用治具を用いる。詳細については、以下に説明する。
===セット用治具について===
〈構成〉
図11は、第1治具の一部90’と第2治具100の斜視図である。セット用治具として、第1治具90と第2治具100を用いる。なお、図11に示す第1治具の一部90’に基準シートSSを貼り付けたものを第1治具90とする。図12Aは、第1治具90の断面図と、セット用治具が取り付けられていないスキャナ70の断面図である。図12Bは、スキャナ70に第1治具90と第2治具100とテストシートTSがスキャナ70に設けられた際の断面図である。図12Cは、スキャナ70に第1治具90と第2治具100が設けられた際の上面図である。
第1治具90は、スキャナの70の原稿台ガラス72上に、テストシートTSの側辺が反ることなく、また、テストシートTSがスキャナ70の主走査方向に対して傾くことなくセットされるようにするための治具である。第1治具90は、基準シートSSと固定部91と面取り部92と突起部97とテストシート押さえ部94と基準シート押さえ部95とを備える。なお、突起部97の面取り部92側の側面がテストシート用突き当て部93であり、固定部91側の側面が基準シート用突き当て部96となっている。
基準シートSSは、ラインが印刷されている表面が原稿台ガラス72と対向するように貼られている。即ち、基準シートSSは、基準シートSSの裏面と第1治具90の基準シート押さえ部95が合わさるように貼られている。なお、基準シート用突き当て部96は副走査方向に長く伸びた面であり、第1治具90の副走査方向の側面98及び99と平行である。そして、基準シートSSに印刷されているラインと垂直方向の基準シートの側辺(図10に示す基準シートSSの長い方の側辺)が基準シート用突き当て部96と突き当たるように、基準シートSSは貼られている。
即ち、図11の第1治具の一部90’に基準シートSSを貼り付ける際に、まず、基準シートSSの表面を下に向け、基準シートSSの左側の側辺を基準シート用突き当て部96に突き当てる。そして、基準シートSSの裏面と基準シート押さえ部95が密着するように、基準シートSSを第1治具90に貼り付ける。この結果、基準シートSSの側辺は、基準シート用突き当て部96(副走査方向)と平行となる。そして、基準シートSSに印刷されたラインは、副走査方向に対して垂直となる。言い換えると、第1治具90をスキャナ70に取り付けた際に、原稿台ガラス72と対向する第1治具90の底面のうち、テストシート押さえ部94とは別の領域に、副走査方向に所定間隔に複数のラインが形成されていることとなる。なお、基準シートSSを貼り付けた位置がずれないように、基準シートSSと基準シート押さえ部95は接着剤により貼り付けられている。
また、原稿台ガラス72と基準シート押さえ部95の間隔は、基準シートSSの厚さに合わせて作られている。そのため、図12Aに示すように、基準シートSSを基準シート押さえ部95に貼り付けた後、突起部97の底面と基準シートSSの表面が平らになる。そうすることで、図12Bのように、第1治具90がスキャナ70に取り付けられた際に、基準シートSSは原稿台ガラス72と密着し、基準シートSSに印刷されたラインはスキャナ70に明確に読み取られる。
固定部91は、第1治具90の固定部91以外の部分から取り外し可能となっている。そこで、説明のため、第1治具90のうち固定部91以外の部分を本体MBとする。固定部91はL字型金具911と四角型金具912からなる。図12Aに示す、L字型金具911の左側の側面913が、本体MBの右側の側面98と接し、ボルトB2により固定されている。そして、L字型金具911の底面914が四角型金具912の上面915と接し、ボルトB1により固定されている。なお、固定部91は本体MBよりも副走査方向の長さは短く、固定部91は本体MBの副走査方向の中央部に位置する。
面取り部92は、本体MBの側面99の副走査方向に伸びた側辺のうち下側の側辺と、テストシート押さえ部94の副走査方向に伸びた側辺のうち側面99側の側辺により形成される面である。ゆえに、本体MBの副走査方向の長さと同様に、面取り部92も副走査方向に長く伸びている。また、第1治具90をスキャナ70に取り付けた際に(後述)、原稿台ガラス72に対して、側面99は垂直な面となり、テストシート押さえ部94は平行な面となり、面取り部92は傾斜した面となる。言い換えると、原稿台ガラス72と面取り部92の間は、テストシート用突き当て部93に近いほど間隔が狭く、テストシート用突き当て部93から遠ざかるにつれて間隔が徐々に広くなる。なお、面取り部92は、側面99とテストシート押さえ部94が交わったときの角を切り取る(面取りする)ことにより形成される。
第2治具100は、テストシートTSの側辺以外の部分を、原稿台ガラス72の反対側から押さえるための道具である。その結果、テストシートTSの側辺以外の部分も原稿台ガラス72に密着する。第2治具100は、押さえ部101と取っ手102から成る。
また、第1治具90と第2治具100の素材は金属である。そのため、第1治具90と第2治具100の各押さえ部は、テストシートTSと基準シートSSを原稿台ガラス72に密着させるだけの重量を十分に備える。但し、スキャナ70は原稿(テストシートTS)の裏から光を照射して、画像データを取得するため、第1治具90と第2治具100の表面に金属の光沢があると、光を反射してしまうおそれがある。そうすると、明確な画像データを取得できないため、第1治具90と第2治具100の表面は共に黒く塗られている。
〈第1治具90の取り付け方法〉
図13は、テストシートTSと第1治具の突起部97と基準シートSSが原稿台ガラス72上に設けられた状態の上面図である。実際には、ラインや測定用パターンが印刷されている面を原稿台ガラス72に向けるため、上から見た場合にライン等が見えないこともある。しかし、図13では説明の為、ライン等が透けて見えた場合の様子を示している。
また、図13に示すように原稿台ガラス72の周囲はガラス枠79となっている。そして、図12Aに示すようにガラス枠79と原稿台ガラス72の境目は段差となっており、ガラス枠79の左側の側面を段差面791とする。ガラス枠79の上面は上面792とし、ガラス枠79の右側の側面は外枠793とする。なお、本実施形態では、第1治具90をスキャナ70の右側に取り付ける。
そして、本体MBの側面98のうちL字型金具911よりも下の部分の面(以下、本体MBの右下面98Aという)が、副走査方向に沿って、ガラス枠79の段差面791に接するようにして、第1治具90はスキャナ70に取り付けられる。そうすると、L字型金具の底面914の一部とガラス枠の上面792が接し、四角型金具912の本体MB側の側面916がガラス枠の外枠793と接し、図12Bのように第1治具90がスキャナ70に取り付けられる。
その結果、ガラス枠79の段差面791に、本体MBの右下面98Aが突き合たっているため、第1治具の側面98と原稿台ガラス72の右側側辺(副走査方向)が平行となる。また、基準シートSSの側辺と基準シート用突き当て部96も、副走査方向に平行になる。そうすると、基準シートSSに印刷されたラインは主走査方向に対して傾くことなく、スキャナ70にセットされ、スキャナ70に読みこまれることになる。
しかし、このように第1治具90をスキャナ70に取り付けても、この後の作業で、第1治具90の位置がずれてしまっては、基準シートSSのラインが傾いて読み込まれてしまう。そこで、本実施形態では、本体MBの右下面98Aと四角型金具912の側面916で、主走査方向のガラス枠79を挟むことにより、第1治具90をスキャナ70に固定している。そのため、ガラス枠79の主走査方向の長さと、L字金具911の側面913から四角型金具912の側面916までの長さが同程度となるように固定部91を作る必要がある。(実際には、ガラス枠79の主走査方向の長さの方が若干短くなる。)なお、固定部91は第1治具90の本体MBにボルトB2により固定されているだけなので、ガラス枠の主走査方向の長さが異なるスキャナに対しても、固定部を取り替えれば、本体MBを使用することができる。
〈テストシートTSのセット方法〉
次に、テストシートTSのセット方法について説明する。まず、テストシートTSの測定用パターンが印刷されている表面を下に向ける。そして、テストシートTSに印刷されているラインと垂直方向の側辺のうち、第1治具90側(右側)の側辺をテストシート押さえ部94と原稿台ガラス72の間に挿入する。
なお、テストシート押さえ部94と原稿台ガラス72の間隔(以下、間隔Sという)は、テストシートTSの厚さに合わせて作成されている。つまり、テストシートTSが間隔Sにセットされると、テストシートTSの側辺は、原稿台ガラス72の反対側からテストシート押さえ部94に押され、テストシートTSと原稿台ガラス72が密着するようになっている。そのため、間隔SにはテストシートTSの厚さ以外の隙間がほとんどなくなる。即ち、間隔Sは狭く、始めからテストシートTSの側辺を間隔Sに挿入することは難しい。そこで、本実施形態では、面取り部92を設け、面取り部92により徐々に第1治具90(面取り部92)と原稿台ガラス72の間隔を狭めることで、間隔SにテストシートTSの側辺を挿入しやすくしている。
そして、面取り部92と原稿台ガラス72の間から間隔SまでテストシートTSの側辺を挿入した後、テストシートTSの側辺をテストシート用突き当て部93に突き当てる。ところで、図13のように第1治具90の突起部97は、副走査方向に長く伸びており、突起部97の主走査方向の長さは一定である。即ち、突起部97の左右の側面は平行となる。つまり、テストシート用突き当て部93と基準シート用突き当て部96は、お互いに平行な面であり、副走査方向と平行である。そのため、テストシートTSの右側の側辺の全てが、テストシート用突き当て部93に突き当たることで、テストシートTSの側辺と基準シートSSの側辺は副走査方向と平行になる。その結果、基準シートSSの側辺に対して垂直方向に印刷されたラインと、テストシートTSの側辺に対して垂直方向に印刷されたラインは平行となる。即ち、2つのシートに印刷されたラインは主走査方向に対して傾くことなく、スキャナ70に読み取られる。
最後に、テストシートTSのうち第1治具90に押さえられていない部分を、第2治具100の押さえ部101により押さえる。これにより、テストシートTSの全面が原稿台ガラス72に密着することになる。なお、作業者がテストシートTSの上に第2治具100を置きやすくするために、第2治具100には取っ手102が設けられている。
また、第1治具90の側面99の一部に、第2治具100の側面の一部を副走査方向に沿って接触させることにより、面取り部92と原稿台ガラス72の間に位置するテストシートTS以外のテストシートTSは、確実に原稿台ガラス72と密着する。
〈突き当て部と押さえ部〉
図14は、比較例として第1治具90を用いないでテストシートTSと基準シートSSをセットした状態を示す図である。もし、突き当て部93及び96が無かったら、基準シートSSとテストシートTSは共に厚さが薄いので、原稿台ガラス72の上の基準シートSSの隣にテストシートTSをセットする際に、図14のように基準シートSSの下にテストシートTSの一部が潜り込んでしまう可能性がある。そうすると、テストシートTSはスキャナ70の副走査方向に対して傾いてセットされてしまう。そして、テストシートTSに印刷された測定用パターンのラインは主走査方向に対して傾いた状態で読み取られてしまう。
後に詳しく説明するが、スキャナ70による読み取り誤差を補正するためには、基準パターンのラインに対する測定用パターンのラインの相対的位置が重要になってくる。また、測定用パターンのラインはある程度の長さをもっている。そのため、測定用パターンのラインが基準パターンのラインに対し傾いていると、基準パターンのラインに対する測定用パターンのラインの相対的位置が、測定用パターンのラインの場所によって異なり、1つの位置に定まらなくなってしまう。そうすると、スキャナ70による読み取り誤差を補正することが出来なくなってしまう。つまり、測定用パターンのラインと基準用パターンのラインが平行である状態で、スキャナ70に画像が読み取られることが課題となる。
そこで、本実施形態のように突き当て部93及び96を有する第1治具90を用いて、図13のようにテストシートTSと基準シートSSを原稿台ガラス72の上にセットする。その結果、測定用パターンのラインと基準用パターンのラインは平行に、スキャナ70に読み取られる。また、テストシートTSをセットする際に、テストシートTSの右側の側辺は、テストシート用突き当て部93より基準シートSS側にいくことはないので、基準シートSSの下にテストシートTSが潜り込むことがなくなる。
また、測定用パターンのラインと基準用パターンのラインが平行である状態であっても、測定用パターンのラインと基準用パターンのラインがスキャナ70の主走査方向に対して傾いていると、スキャナ70による読み取り誤差を補正することが出来ない。なぜなら、読み取り誤差量は読取キャリッジ73が画像を読み取った位置により変わってくるので、もし、測定用パターンのラインと基準用パターンのラインが主走査方向に対して傾いていたら、基準パターンのラインの右端の位置で生じる読み取り誤差量と、測定用パターンのラインの左端の位置で生じる読み取り誤差量に、大きな差ができてしまうからである。しかし、本実施形態では、突き当て部93及び96を用いて2枚のシートをセットするので、測定用パターンのラインと基準用パターンのラインがスキャナ70の主走査方向と平行になるように、画像が読み取られる。
図15Aは、比較例として、テストシート用突き当て部93がなく、テストシートTSの側辺が反っている状態を示す図である。テストシートTSは薄い紙であり、テストシートTSの側辺が反っていることがある。もし、テストシート用突き当て部93が無かったら、基準シートSSの左側の側辺とテストシートTSの右側の側辺が接する位置が分からない。そのため、作業者が、原稿台ガラス72上の基準シートSSの左側にテストシートTSをセットし、上蓋71を閉じたときに、基準シートSSの上にテストシートTSの側辺が重なってしまうおそれがある。そうすると、テストシートTSの一部の画像はスキャナ70に読み取られなくなってしまう。つまり、基準シートSSとテストシートTSが重ならないようにセットすることが課題となる。
そこで、本実施形態のように突き当て部93及び96を有する第1治具90を用いて、図13のようにテストシートTSと基準シートSSを原稿台ガラス72の上にセットする。その結果、テストシートTSの突き当て部93側の側辺は突き当て部93より基準シートSS側にいくことはないので、基準シートSSとテストシートTSが重なることはなくなる。
図15Bは、比較例として、テストシート用突き当て部93はあるが上蓋71(押さえ部)がなく、テストシートTSの側辺が反っている状態を示す図である。この場合、テストシート用突き当て部93により基準シートSSとテストシートTSが重なることはないが、上蓋71が無いため、テストシートTSの側辺は原稿台ガラス72と密着することなく、テストシートTSの側辺の画像は読み取られないことになる。また、基準シートSSやテストシートTSの側辺以外の部分も上蓋71により原稿台ガラス72と密着していないため、画像が明確に読み取られない可能性がある。
また、テストシート用突き当て部93があることによって、上蓋71を閉じようとしても、上蓋71とテストシート用突き当て部93がぶつかってしまい、上蓋71が2枚のシート(基準シートSSとテストシートTS)と原稿台ガラス72を密着させることが出来ない場合も考えられる。つまり、突き当て部93を設け、更に、テストシートTSの側辺の反りを押さえ、2枚のシートと原稿台ガラス72を密着させることが課題となる。
そこで、本実施形態では、突き当て部93及び96と、基準シートSSと原稿台ガラス72を密着させるための基準シート押さえ部95と、テストシートTSの側辺の反りを押さえて、テストシートTSの側辺を原稿台ガラス72と密着させるためのテストシート押さえ部94を有する第1治具90と、テストシートTSの右側の側辺以外の部分を原稿台ガラス72と密着させるための第2治具100を用いて、2枚のシートをスキャナ70にセットする。
さらに、テストシートTSの側辺の反りを押さえてから、第2治具100をテストシートTSの上に置く必要がある。図16Aは、テストシート用突き当て部93と第2治具100を用いてテストシートTSをセットする状態を示している。図16Bは、テストシートTSの側辺が折れてセットされた状態を示す。このように、テストシートTSの側辺の反りを押さえずに、第2治具100を置くと、テストシートTSの側辺が第2治具100と突き当て部93に挟まれて、テストシートTSの側辺が折れてセットされてしまうおそれがある。こうなると、テストシートTSの側辺の画像は読み取られない。図16Cは、テストシートTSの側辺が突き当て部93から離れた状態で、第2治具100が置かれた様子を示す。このように、テストシートTSの側辺とテストシート用突き当て部93が突き当たっていな状態で、第2治具100が置かれると、テストシートTSの側辺の位置が定まらない。その為、テストシートTSの側辺が副走査方向に対して傾いて、テストシートTSがセットされるおそれがある。
そこで、本実施形態では、テストシートTSをセットする際に、まず、テストシートTSの側辺を、テストシート押さえ部94と原稿台ガラス72の間に挿入する。そうすることで、テストシートTSの側辺が反っていても、テストシート押さえ部94により反りが押さえられ、テストシートTSの側辺を突き当て部93に突き当てることができる。そして、テストシートTSの側辺が折れることもなく、テストシートTSの側辺が副走査方向に対して平行にセットされる。
〈面取り部92〉
図17Aは、比較例として、第1治具90に面取り部92がない場合の断面図である。図17Bは、第1治具90に面取り部92がある場合の断面図である。テストシートTSの厚さは薄いため、テストシート押さえ部94と原稿台ガラス72の間隔は非常に狭い。そのため、図17AのようにテストシートTSの右側の側辺が反っている場合、テストシートTSの側辺は第1治具90の左側の側面にぶつかってしまい、テストシート押さえ部94と原稿台ガラス72の間にテストシートTSを潜り込ませることは難しい。
そこで、本実施形態では、面取り部92を設ける。そうすることで、たとえ、テストシートTSの側辺が反っていて、テストシートTSの側辺が面取り部92にぶつかったとしても、テストシートTSの側辺を面取り部92に沿わせながら、テストシート押さえ部94の下に潜り込ませることができる。つまり、面取り部92を有する第1治具90を用いることで、テストシートTSの側辺をテストシート押さえ部94と原稿台ガラス72の間に潜り込ませやすくしている。また、面取り部92は副走査方向に長く伸びた面であるので、テストシートTSの側辺の全体に対して効果がある。
〈セット用治具の使用例〉
製造工場ではたくさんのプリンタの搬送誤差に対する補正値をそれぞれ算出する。即ち、たくさんのテストシートTSに印刷された測定用パターンをスキャナ70に読み取らせる。ところで、テストシートTSはプリンタ毎に異なるが、基準シートSSは他のプリンタにも共通に使用することが出来る。そのため、基準シートSSが取り付けられている第1治具90を常にスキャナ70に取り付けた状態にする。そうすると、あるプリンタのテストシートTSの読み取り作業が終了したら、基準シートSSはセットされたままの状態で、第2治具100とテストシートTSを外し、その後、別のプリンタのテストシートTSをセットして、第2治具100を置いて、スキャナ70に読み取らせるという動作を繰り返すことになる。その結果、プリンタ毎に、第1治具90を取り付ける手間が省け、検査時間を短縮することができる。
また、本実施形態で用いるテストシートTSの副走査方向の長さは、原稿台ガラス72の副走査方向の長さに比べて短い。但し、種々のテストシートTSのサイズに対応できるように、第1治具90と第2治具100の副走査方向の長さは、原稿台ガラス72の副走査方向の長さと同様の長さにしている。そうすれば、サイズの大きいテストシートをスキャナ70で読み取る際にも、共通の第1治具90と第2治具100を用いることができる。
なお、第1治具90を用いることで、基準シートSSとテストシートTSをスキャナ70の副走査方向に対して平行にセットできると説明したが、第1治具90も2枚のシートも作業者の手によりセットされるので、微小の傾きは生じてしまう可能性がある。そのため、スキャナ70で読み取った画像が微小に傾いている場合は、以下で説明するS132において画像の傾きを補正する。
===補正値の算出(S103)===
図18は、補正値算出処理のフロー図である。補正値取得プログラムは、各処理をコンピュータ60に実行させるためのコードを有する。そして、コンピュータ60はそのコードに従って各処理を実行し、補正値を算出する。
〈画像の分割(S131)〉
図19Aは、スキャナ70から取得した画像データの示す画像が描かれている。図19Bは、分割された画像が描かれている。まず、コンピュータ60はスキャナ70からの画像データを、基準パターンの画像と測定用パターンの画像に分割する。これは、基準シートSSとテストシートTSが個々に傾いてスキャナ70にセットされたおそれがあるので、それぞれ別々に傾きを補正するためである。
また、測定用パターンの画像のうち図19Bに破線で囲った部分の画像データをコピーし、コンピュータ60内のメモリに保存する。破線で囲った部分には、個体識別コードと、個体識別コードの画像の傾きを補正するためのラインL16の画像が含まれるようにする。これは、テストシートTSの搬送中に、テストシートTSの傾きが変わってしまうことがあるので、テストシートTSの下端側に位置する個体識別コードの画像は、ライン(L1からL20)の画像とは別に、傾きを補正するためである。
つまり、各画像データ(基準パターン、測定用パターン、個体識別コード)の傾きを補正するために、スキャナ70で読み取った画像データ(図19A)を3つの画像データ(図19B)にする。
〈各画像の傾きの検出(S132)〉
図20Aは、スキャナ70で読み取った測定用パターンの画像の一部であり、傾きを検出する様子を示している。コンピュータ60内において、画像データの位置を特定するために、スキャナ座標系(x方向・y方向)を定める。ラインL1は、x方向に対して傾きθの大きさで、傾斜している。この傾きθを算出し、画像データの傾きを補正する。
まず、コンピュータ60は、画像データの中から、左からKX2番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。同様に、左からKX3番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。なお、取り出される画素の中にラインL1を示す画素が含まれるように、パラメータKX2、KX3、KY1及びJYが設定されている。
図20Bは、取り出された画素の濃度を示すグラフである。グラフの横軸はy方向の画素の位置、グラフの縦軸は画素の濃度を示している。ラインL1はy方向にY画素分の幅を持った画像であるため、ラインL1のy方向の重心位置を決定する必要がある。そこで、コンピュータ60は、ラインL1のy方向の最高濃度位置を求める。最高濃度位置を中心とする所定の範囲を演算範囲とし、ラインL1のy方向の重心位置を求める。図中では、左からKX2番目の画素のうち、ラインL1のy方向の重心位置をKY2とし、左からKX3番目の画素のうち、ラインL1のy方向の重心位置をKY3とする。そして、コンピュータ60は、次式によりラインL1の傾きθを算出する。
θ=tan−1{(KY2−KY3)/(KX3−KX2)}
なお、コンピュータ60は、測定用パターンの画像の傾きだけでなく、基準パターンの画像の傾き、個体識別コードの画像の傾きも検出する。傾きの検出方法は、上記の方法とほぼ同様であるので、説明を省略する。
<各画像の傾きの補正(S133)>
次に、コンピュータ60は、S132において検出した傾きθに基づいて、画像を回転処理し、画像の傾きを補正する。測定用パターンの画像と基準パターンの画像と個体識別コードの画像の各傾きを、それぞれ検出した傾きθを用いて補正する。
画像の回転処理のアルゴリズムには、バイリニア法が用いられる。このアルゴリズムは良く知られているので、説明は省略する。
<印刷時の傾きの検出(S134)>
次に、コンピュータ60は、測定用パターンの印刷時の傾き(スキュー)を検出する。測定用パターンを印刷するときにテストシートTSの下端が搬送ローラ13から外れると、テストシートTSの下端がヘッド31に接触し、テストシートTSが動くことがある。このようなことが起こると、その測定用パターンにより算出された補正値が不適切なものになる。そこで、測定用パターンの印刷時の傾きを検出することにより、テストシートTSの下端がヘッド31に接触したか否かを検出し、接触した場合にはエラーとする。
図21は、測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。まず、コンピュータ60は、ラインL1(一番上のライン)とラインLb2(一番下のライン、下端が搬送ローラ13を通過した後に形成されるライン)における左側の間隔YLと、右側の間隔YRとを検出する。そして、コンピュータ60は、間隔YLと間隔YRの差を算出し、この差が所定範囲内であれば次の処理(S135)へ進み、この差が所定範囲外であればエラーとする。
<余白量の算出(S135)>
図22は、余白量Xの説明図である。図中の実線の四角形(外側の四角形)は、S133の回転補正後の画像を示している。図中の点線の四角形(内側の斜めの四角形)は、回転補正前の画像を示している。回転補正後の画像を長方形状にするため、S133の回転補正処理が行われる際に、回転後の画像の四隅に直角三角形状の余白が付加される。
回転補正し、余白が付加された測定用パターンの画像データのx方向の中央の地点から測定用パターンの各ラインまでの距離を各ラインの絶対位置とする。この場合、図22に示す余白量Xもラインの絶対位置に含まれることになる。基準シートSSとテストシートTSの傾きとは別個に傾きを補正しているため、基準シートSSとテストシートTSの余白量が異なる可能性がある。そうすると、基準パターンと測定用パターンの余白量Xが異なってしまう。そして、スキャナ70にセットした際の基準パターンと測定用パターンの相対的な位置関係がずれてしまう。
本実施形態では、基準パターンと測定用パターンの相対的な位置関係より、スキャナ70による読み取り誤差を補正する(後述)。そのため、基準パターンと測定用パターンの相対的な位置関係が余白量Xの差によってずれてしまわないように、余白量Xを差し引いて、各ラインの絶対位置を算出する。余白量Xは以下のように求める。
X=(w cosθ−w´/2)×tanθ
<スキャナ座標系での各ラインの重心位置の算出(S136)>
次に、コンピュータ60は、スキャナ座標系での基準パターンと測定用パターンの各ラインの重心位置を算出する。なお、各画像における左上の画素の位置を、スキャナ座標系の原点とする。
図23Aは、測定用パターンのラインの重心位置を算出する際に用いられる画像の範囲の説明図である。図中の点線で示す範囲の画像の画像データが、各ラインの重心位置を算出する際に用いられる。図23Bは、測定用パターンのラインの重心位置の算出の説明図である。横軸は、画素のy方向の位置を示している。縦軸は、画素の濃度を示している。画像の傾きを補正したとき(S132)と同様に、測定用パターンと基準パターンの各ラインの重心位置を求める。そして、各ラインの重心位置からS135で求めた余白量Xを差し引く。
<測定用パターンの各ラインの絶対位置の算出(S137)>
次に、S136において求めた測定用パターンと基準パターンの重心位置(余白量Xを差し引いた値)より、コンピュータ60は、測定用パターンの各ラインの絶対位置を算出する。
測定用パターンのn番目のラインの重心位置L(n)とn+1番目のラインの重心位置L(n+1)の間隔は、所定搬送量F(1/4インチ)にプリンタ1による搬送量誤差とスキャナ70による読み取り誤差が加わった値となる。ゆえに、搬送誤差を補正する補正値を求めるため、読み取り誤差が含まれないラインの絶対位置を算出する必要がある。そのために、読み取り誤差のみが含まれている基準パターンのラインと、測定用パターンのラインの相対的な位置関係により、ラインの絶対位置を算出する。
図24は、基準パターンのラインと測定用パターンのラインの位置関係を示している。以下に、測定用パターンのn番目のラインL(n)の絶対位置の求め方について説明する。ラインL(n)は、基準パターンのi番目のラインK(i)とi+1番目のラインK(i+1)の間に位置する。また、ラインK(i)とラインK(i+1)の間隔をSとし、ラインK(i)とラインL(n)の間隔をS(m)とする。
ところで、基準パターンと測定用パターンは同時にスキャナ70に読み取られている。つまり、スキャナ70の読み取り開始位置からラインK(i)までの間隔が有する読み取り誤差量と、読み取り開始位置からラインL(n)までの間隔が有する読み取り誤差量は、ほぼ等しい。(但し、厳密に言えば、ラインK(i)とラインL(n)の間隔S(m)を読取キャリッジ73が移動する間にも読み取り誤差eは生じている。しかし、この誤差eは、プリンタ1による搬送誤差に比べたら大変微小であるため、誤差eはゼロとする。)ゆえに、基準パターンのラインK(i)及びラインK(i+1)と測定用パターンのラインL(n)の位置関係は、スキャナ70にセットした時と読み取った画像とで変わらない。そこで、まず、間隔Sに対するラインL(n)の比率Hを求める。
H=S(m)/S
={L(n)−K(i)}/{K(i+1)−K(i)}
そして、ラインK(i)とラインK(i+1)の重心位置から求めた間隔Sには読み取り誤差が含まれている可能性があるが、実際の基準パターンのライン間隔は1/36インチである。そこで、間隔Sを1/36インチとすることで、ラインK(i)に対するラインL(n)の絶対位置を求めることができる。ラインK(i)の絶対位置Ka(i)を基準とし、ラインL(n)の絶対位置La(n)を算出する。
La(n)={Ka(i+1)−Ka(i)}×H+Ka(i)
=1/36インチ×H+Ka(i)
ここで、仮にラインK(i−1)を基準として、ラインK(i−1)の絶対位置Ka(i−1)をゼロとする。そうすると、ラインK(i−1)とラインK(i)の実際の間隔は1/36インチであるので、ラインK(i)の絶対位置Ka(i)は、1/36となる。そして、基準に対するラインL(n)の絶対位置も求めることができる。本実施形態では、基準パターンの1番目のラインをゼロ(基準)として、測定用パターンの各ラインの絶対位置を求める。
<補正値の算出(S138)>
次に、S137で求めた測定用パターンのラインの絶対位置La(n)により補正値を求める。補正値は、理論上のライン間隔と実際のライン間隔との差に基づいて算出する。パスnとパスn+1との間で行われた搬送動作の搬送誤差を補正する値をC(n)として、以下のように求める。
C(n)
=理論上のライン間隔(1/4インチ)−(La(n+1)−La(n))
このようにして補正値C(1)〜補正値C(19)を算出する。
但し、下端領域にあるラインLb1及びLb2を用いて補正値Cbを算出する場合、ラインLb1とラインLb2の理論上のライン間隔は3/90インチとして計算する。
<補正値の平均化(S139)>
さて、S138において求めた補正値C(n)には、DC成分の搬送誤差だけでなく、AC成分の搬送誤差も含まれている。AC成分の搬送誤差は搬送ローラ13の位置によって異なるが、本実施形態では原点センサなどで搬送ローラ13の位置を管理していない。そのため、補正値C(n)を基に実際に搬送誤差の補正をする際に、補正値C(n)を求めた時の搬送ローラ13の位置と、実際に搬送誤差を補正する際の搬送ローラ13の位置が異なってしまった場合、搬送誤差を正しく補正することができない。そこで、AC成分の搬送誤差を含まない、DC成分の搬送誤差のみを補正する補正値が必要となる。
ところで、搬送ローラ13が1回転したときには、AC成分の搬送誤差は生じない。言い換えると、搬送ローラ13が1回転したときに生じる搬送誤差には、AC成分の搬送誤差は含まれず、DC成分の搬送誤差のみを含むこととなる。そこで、実際に搬送誤差を補正する際、補正値C(n)ではなく、搬送ローラ13が1回転する間に生じた4個の補正値C(n)を平均値化した補正値Ca(n)を用いる。
Ca(n)={C(n−1)+C(n)+C(n+1)+C(n+2)}/4
=[1インチ−{La(n+3)−La(n−1)}]/4
図25は、測定用パターンのラインと補正値Caとの関係の説明図である。具体例を挙げると、補正値Ca(2)は以下のよう求めることができる。
Ca(2)={C(1)+C(2)+C(3)+C(4)}/4
=[1インチ−{La(5)−La(1)}]/4
ラインL1が印刷された後、搬送ローラ13が1回転して、ラインL5が印刷される。つまり、ラインL1とラインL5の間隔には、DC成分の搬送誤差のみが含まれるので、平均値化した補正値Ca(2)にはAC成分の搬送誤差が含まれていないことになる。このように、搬送ローラ13が1回転したときの搬送誤差を求めることで、AC成分の搬送誤差が含まれていないDC成分のみの搬送誤差が求められる。そのために、所定搬送量Fは、搬送ローラ13の円周の長さをn等分した長さに設定する。
そして、平均値化した補正値Ca(2)は、ラインL1とラインL5の間隔の中央付近の搬送誤差を補正するために用いられる。即ち、補正値Ca(2)は、ラインL2とラインL3の間隔の搬送誤差を補正するために用いられる。そして、本実施形態では、測定用パターンのラインを1/4インチごとに印刷し、補正値C(n)を求めるため、1インチごとではなく1/4インチの細かい範囲で搬送誤差を補正することができる。
また、平均値化した補正値Ca(n)を算出する際にn−1がゼロ以下になる場合、補正値C(n−1)は補正値C(1)を適用する。例えば、平均値化した補正値Ca(1)は次式のように求める。
Ca(1)={C(1)+C(1)+C(2)+C(3)}/4
平均値化した補正値Ca(n)を算出する際にn+1(n+2)が20以上になる場合、補正値C(n+1)は補正値C(19)を適用する。例えば、平均値化した補正値Ca(19)は次式のように求める。
Ca(19)={C(18)+C(19)+C(19)+C(19)}/4
コンピュータ60は、このようにして平均値化した補正値Ca(1)〜Ca(19)を算出する。なお、下端領域に用いられる補正値Cbは、AC成分の搬送誤差を含まないラインLb1とラインLb2の間隔から求められた搬送誤差であるため、S138で求めた補正値Cbを平均値化する必要はない。
また、S104において平均値化した補正値Ca(n)のデータをプリンタ1に記憶させる前に、傾きが補正された(S133)個体識別コードの画像データの内容と、補正値Ca(n)のデータを送信するプリンタ1の個体識別コードが等しいかを確認する必要がある。個体識別コードの画像データの内容とプリンタ1の個体識別コードが等しければ、コンピュータ60は、次の処理(補正値の記憶:S104)に進む。もし、個体識別コードの画像データの内容とプリンタ1の個体識別コードが一致しなければエラーとなる。
===補正値の記憶(S104)===
次に、コンピュータ60は、平均値化した補正値Ca(n)をプリンタ1のメモリ53に記憶させる。メモリ53には、補正値Ca(n)だけでなく、補正値Ca(n)の境界位置情報も記憶させる。境界位置情報とは、補正値Ca(n)がどの地点で用いられるのかを示す情報である。例えば、補正値Ca(1)に関連付けられる境界位置情報は、測定用パターンのラインL2の理論上の位置であり、補正値Ca(2)に関連付けられる境界位置情報は、測定用パターンのラインL3の理論上の位置である。この境界位置情報とは、補正値Ca(n)を適用する範囲の下端側の境界を示す情報である。
例えば、搬送前にノズル#90と対向する紙Sのある位置がラインL2の理論上の位置と一致し、搬送後にノズル#90と対向する紙Sの他の位置がラインL3の理論上の位置と一致する場合、補正値Ca(2)を用いて搬送誤差が補正される。
なお、補正値Ca(1)の上端側の境界位置情報はゼロである。即ち、メモリ53に記憶される境界位置情報は、紙の上端を基準地点としている。また、非NIP状態では、補正値Cbのみしか用いないので、境界位置情報を一緒にメモリ53に記憶させる必要はない。
プリンタ製造工場では、製造されるプリンタ毎に、各プリンタの個体の特徴を反映した補正値Ca(n)と境界位置情報がメモリ53に記憶される。
===ユーザーの下での印刷時の搬送動作===
メモリ53に記憶された補正値Ca(n)を実際に使用する際に、コントローラ50は、紙Sのどの位置に補正値Ca(n)が適用されるかを管理する必要がある。本実施形態では、補正値Ca(n)を求めるためにノズル#90が用いられている。そのため、コントローラ50は、ノズル#90と対向する紙Sの位置(以下、基準位置とする)を基準として、どの補正値Ca(n)を適用するかを管理する。また、補正値Ca(1)の上端側の境界位置情報はゼロである。ゆえに、コントローラ50は、ノズル#90と移動方法に並んでいる光学センサ44が紙Sの上端を検知した地点を、境界位置の基準地点と判断する。
更に、実際にプリンタ1を使用する際の紙Sの目標搬送量fと、補正値Caを求めたときの搬送量(1/4インチ)が異なる場合には、目標搬送量fに合わせた補正値Ca´を求める必要がある。また、搬送前に紙Sの基準位置と、補正値Ca(n)の境界位置がずれていたり、目標搬送量fの範囲が2つの補正値Ca(n)とCa(n+1)の範囲をまたいだりする可能性がある。そのため、それぞれのケースに応じた補正値Ca´に換算する必要がある。
図26Aは、第1のケースの補正値Ca´(n)の説明図である。搬送開始前の基準位置が補正値Ca(n)の上端側の位置と等しく、目標搬送量fが補正値Ca(n)の適用範囲L(1/4インチ)と等しい場合には、補正値Ca(n)がそのまま用いられる。
図26Bは、第2のケースの補正値Ca´(n)の説明図である。搬送開始前と搬送後の基準位置が補正値Ca(n)の適用範囲内に位置し、目標搬送量fが補正値Ca(n)の適用範囲Lよりも短い場合、以下に示す補正値Ca´(n)を用いる。
Ca´(n)=Ca(n)×(f/L)
図26Cは、第3のケースの補正値Ca´(n)の説明図である。搬送開始前の基準位置が補正値Ca(n)の適用範囲内に位置し、搬送後の基準位置が補正値Ca(n+1)の適用範囲内に位置するまで紙Sが搬送される場合、以下に示す補正値Ca´(n)を用いる。
Ca´(n)=Ca(n)×(f1/L)+Ca(n+1)×(f2/L)
図26Dは、第4のケースの補正値Ca´(n)の説明図である。搬送開始前の基準位置が補正値Ca(n)の適用範囲内に位置し、搬送後の基準位置が補正値Ca(n+2)の適用範囲内に位置するまで紙Sが搬送される場合、以下に示す補正値Ca´(n)を用いる。
Ca´(n)=Ca(n)×(f1/L)+Ca(n+1)
+Ca(n+2)×(f2/L)
なお、非NIP状態の搬送誤差に対しては補正値Cbを用いる。この補正値Cbは、紙Sが非NIP状態であるときに1インチ搬送される場合の補正量である。そのため、非NIP状態の搬送量fが1インチ(=L)でない場合は、以下に示す補正値Cb´を用いる。
Cb´=f/L
また、テストシートTSと実際に印刷する用紙サイズが異なる場合、補正値Ca(n)の適用範囲を印刷用紙に適応することができない。そこで、印刷用紙の搬送特性とテストシートTSの搬送特性が近似している地点を対応させ、対応する地点の補正値Ca(n)を使用する。そうして、補正値Ca(n)を組み合わせ、印刷用紙用にデータを作成する。
===その他の実施形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェット方式のプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、テストシートをスキャナにセットするための治具等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
〈基準シートのセット方法〉
前述の実施形態では、基準シートSSを貼り付けた治具を第1治具90としているが、これに限らない。例えば、最初に、基準シートSSを原稿台ガラス72にセットしてもよい。この場合、基準シートSSに印刷されているラインに対して垂直方向の基準シートSSの側辺が副走査方向と平行になるように、基準シートSSをセットする。このとき、ラインが印刷されている面を原稿台ガラス72と合わせる。なお、ガラス枠79の段差面791に基準シートSSの側辺を突き当てることで、基準シートSSの側辺は副走査方向と平行になる。ところで、第1治具90’(基準シートSSは含まない)の突起部97の両側面は副走査方向と平行であり、一方がテストシート用突き当て部93で、他方が基準シート用突き当て部96となる。そこで、基準シート用突き当て部96が、基準シートSSの左側の側辺に突き当たるように、第1治具90’をセットする。そして、第1治具90’の底面である基準シート押さえ部95と基準シートSSを接着させる。そうすると、第1治具90’は副走査方向と平行にスキャナ70に取り付けられる。
本実施形態のプリンタの全体構成ブロック図である。 図2Aはプリンタの全体構成の概略図であり、図2Bはプリンタ全体構成の断面図である。 搬送ユニットの構成の説明図である。 ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 図5Aは設計上の搬送ローラの断面図であり、図5Bは搬送ローラがつぶれて断面が楕円形状になってしまった搬送ローラの断面図であり、図5Cは搬送ローラの回転中心が円の中心からずれてしまった搬送量ローラの断面図であり、図5Dは設計上の搬送ローラと設計上の搬送ローラよりも1回り大きい搬送ローラの断面図である。 搬送誤差補正のフロー図である。 搬送誤差補正を行う時のシステム構成図である。 テストシートとヘッドの位置関係を示している。 図9Aはスキャナの縦断面図であり、図9Bは上蓋を外した状態のスキャナの上面図である。 基準シートの説明図である。 第1治具の一部と第2治具の斜視図である。 第1治具の断面図とセット用治具が取り付けられていないスキャナの断面図である。 スキャナに第1治具と第2治具とテストシートがスキャナに設けられた際の断面図である。 スキャナに第1治具と第2治具が設けられた際の上面図である。 テストシートと第1治具の突起部と基準シートが原稿台ガラス上に設けられた状態の上面図である。 比較例として第1治具を用いないでテストシートと基準シートをセットした状態を示す図である。 図15Aは比較例としてテストシート用突き当て部がなく、テストシートの側辺が反っている状態を示す図であり、図15Bは比較例としてテストシート用突き当て部はあるが上蓋がなくテストシートの側辺が反っている状態を示す図である。 図16Aはテストシート用突き当て部と第2治具を用いてテストシートをセットする状態を示し、図16Bはテストシートの側辺が折れてセットされた状態を示し、図16Cはテストシートの側辺が突き当て部から離れた状態で第2治具が置かれた様子を示す。 図17Aは比較例として第1治具に面取り部がない場合の断面図であり、図17Bは第1治具に面取り部がある場合の断面図である。 補正値算出処理のフロー図である。 図19Aはスキャナから取得した画像データの示す画像が描かれており、図19Bは分割された画像が描かれている。 図20Aはスキャナで読み取った測定パターンの画像の一部で傾きを検出する様子を示しており、図20Bは取り出された画素の濃度のグラフである。 測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。 余白量Xの説明図である。 図23Aは測定用パターンのラインの重心位置を算出する際に用いられる画像の範囲の説明図であり、図23Bは測定用パターンのラインの重心位置の算出の説明図である。 基準パターンのラインと測定用パターンのラインの位置関係を示している。 測定用パターンのラインと補正値との関係の説明図である。 図26Aは第1のケースの補正値の説明図であり、図26Bは第2のケースの補正値の説明図であり、図26Cは第3のケースの補正値の説明図であり、図26Dは第4のケースの補正値の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、
10 搬送ユニット、11 給紙ローラ、12 搬送モータ、13 搬送ローラ、
14 プラテン、15 排紙ローラ、16 従動ローラ、17 従動ローラ、
20 キャリッジユニット、21 キャリッジ、22 キャリッジモータ、
30 ヘッドユニット、31 ヘッド、
40 検出器群、41 リニア式エンコーダ、42 ロータリー式エンコーダ、
43 紙検出センサ、44 光学センサ、421 スケール、422 検出部、
50 コントローラ、51インターフェース部、52 CPU、53 メモリ、
60 コンピュータ、
70 スキャナ、71 上蓋、72 原稿台ガラス、73 読取キャリッジ、
74 案内部、75 移動機構、76 露光ランプ、77 ラインセンサ、
78 光学系、79 ガラス枠、791 段差面、792 上面、793 外枠、
TS テストシート、SS 基準シート、m 原稿、
90 第1治具、91 固定部、911 L字型金具、912 四角型金具、
92 面取り部、93 テストシート用突き当て部、
94 テストシート押さえ部、95 基準シート押さえ部、
96 基準シート用突き当て部、97突起部、98 側面、99 側面、
100 第2治具、101 押さえ部、102 取っ手

Claims (10)

  1. 測定対象となるテストシートをスキャナの読み取り面に置くための治具であって、
    前記テストシートの側辺を突き当てるための突き当て部と、
    前記側辺を前記突き当て部に突き当てた時、前記読み取り面の反対側から前記側辺を押さえる押さえ部と、
    を有する治具。
  2. 請求項1に記載の治具であって、
    前記治具と前記読み取り面の間の間隔のうち、前記テストシートが挿入される部分での間隔は、前記突き当て部から遠ざかるほど広くなる、
    治具。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の治具であって、
    前記スキャナは読取キャリッジが所定方向に移動しながら画像を読み取るスキャナであり、
    前記突き当て部は、前記所定方向と平行である、
    治具。
  4. 請求項3に記載の治具であって、
    前記読み取り面と対向している前記治具の底面のうち、前記押さえ部とは別の領域に、前記所定方向に所定間隔おきに複数のラインが形成されている、
    治具。
  5. 請求項1から請求項4に記載の治具であって、
    前記治具は第1治具と第2治具からなり、
    前記第1治具は前記突き当て部と前記押さえ部を有し、
    前記第2治具は前記読み取り面の反対側から前記側辺以外の前記テストシートの領域を押さえる、
    治具。
  6. 請求項5に記載の治具であって、
    前記第1治具は、前記第1治具と前記スキャナを固定するための固定部を有する、
    治具。
  7. 請求項1から請求項6に記載の治具であって、
    前記治具の表面は黒い、
    治具。
  8. 請求項5から請求項7に記載の治具であって、
    前記スキャナは読取キャリッジが所定方向に移動しながら画像を読み取るスキャナであり、
    前記第2治具の一部と、前記第1治具の一部が、前記所定方向に沿って接触するように構成されている、
    治具。
  9. 請求項3に記載の治具であって、
    前記治具の底面に設けられた突起部の一方の側面が前記突き当て部になり、
    前記突起部の他方の側面は、前記所定方向と平行であり、前記所定方向に所定間隔おきに複数のラインが形成されている基準シートの前記所定方向の側辺が突き当たる基準シート用突き当て部になり、
    前記基準シート用突き当て部に前記基準シートの前記所定方向の側辺を突き当てた状態で、前記基準シートが前記治具の底面に取り付けられている、
    治具。
  10. 測定対象となるテストシートをスキャナの読み取り面に置くための治具であって、
    前記テストシートの側辺を突き当てるための突き当て部と、
    前記側辺を前記突き当て部に突き当てた時、前記読み取り面の反対側から前記側辺を押さえる押さえ部と、
    を有し、
    前記治具と前記読み取り面の間の間隔のうち、前記テストシートが挿入される部分での間隔は、前記突き当て部から遠ざかるほど広くなり、
    前記スキャナは読取キャリッジが所定方向に移動しながら画像を読み取るスキャナであり、
    前記突き当て部は、前記所定方向と平行であり、
    前記読み取り面と対向している前記治具の底面のうち、前記押さえ部とは別の領域に、前記所定方向に所定間隔おきに複数のラインが形成され、
    前記治具の表面は黒く、
    前記治具は第1治具と第2治具からなり、前記第1治具は前記突き当て部と前記押さえ部を有し、前記第2治具は前記読み取り面の反対側から前記側辺以外の前記テストシートの領域を押さえ、
    前記第1治具は、前記第1治具と前記スキャナを固定するための固定部を有し、
    前記第2治具の一部と、前記第1治具の一部が、前記所定方向に沿って接触するように構成されている、
    治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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