JP2008036465A - 光触媒複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気、水等に含まれる有害物質の分解除去能に優れ、環境浄化に有用な光触媒複合材料及びその簡易かつ効率的な製造方法の提供。
【解決手段】本発明の光触媒複合材料の製造方法は、基材と光触媒とを混練して成形する成形工程と、該成形工程により得られた成形物を粉砕し、該成形物の表面に前記光触媒の少なくとも一部を露出させる粉砕工程とを少なくとも含むことを特徴とする。本発明の光触媒複合材料は、本発明の前記光触媒複合材料の製造方法により製造されたことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気、水等に含まれる有害物質を分解除去可能であり、環境浄化に有用な光触媒複合材料及びその簡易かつ効率的な製造方法に関する。
近年、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等を発揮する、酸化チタン(TiO)等が有する光触媒活性が注目されており、該酸化チタンは、衛生機器、家電、建材などに広く利用されるに至っている。また、前記酸化チタン等の光触媒材料は、その形態が粉状であるため、該光触媒材料自体をそのまま空気浄化や水浄化に使用すると、回収が困難であるという問題があり、樹脂等の基材と複合化して使用することが必要である。
しかし、従来の樹脂成形技術においては、添加剤が成形体の表面から露出しないように加工するのが一般的であり、前記光触媒を前記樹脂等の他の基材と複合化すると、該光触媒が前記基材の内部に多く局在化することとなる。この場合、該基材内部に位置する前記光触媒は、光触媒活性機能を発現することができず、前記光触媒の添加量の割に、分解対象物の分解効率が低いという問題がある。
これに対し、例えば、ベースとなる樹脂に、光触媒を添加してシートに成形し、延伸することにより、光触媒の粒子をシートの表面に突出するようにした光触媒機能をもつシートが提案されている(特許文献1参照)。該シートにおいては、光触媒が基材の表面から突出して配置されるため、該光触媒と分解対象物とを接触させることができるものの、製造上、延伸工程が必須となるほか、得られる成形物はシート状であるため、その用途が限定される。また、特許文献1に記載のシートにおける光触媒としては、酸化チタンが用いられているが、該酸化チタン自体は、物質に対する吸着能に乏しいため、該酸化チタンの光触媒活性に基づき、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等を発現させるためには、該酸化チタンの分解対象物に対する吸着能を向上させる必要がある。
したがって、分解対象物に対する吸着能に優れ、該分解対象物の分解効率が高く、空気、水等の環境浄化に有用な光触媒複合材料及びその簡易かつ効率的な製造方法は未だ提供されていないのが現状である。
特開2002−339477号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、空気、水等に含まれる有害物質の分解除去能に優れ、環境浄化に有用な光触媒複合材料及びその簡易かつ効率的な製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、後述の付記に記載の通りである。即ち、
本発明の光触媒複合材料の製造方法は、基材と光触媒とを混練して成形する成形工程と、該成形工程により得られた成形物を粉砕し、該成形物の表面に前記光触媒の少なくとも一部を露出させる粉砕工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
該光触媒複合材料の製造方法では、前記成形工程において、前記基材と前記光触媒とが混練されて成形される。前記粉砕工程において、前記成形工程により得られた成形物が粉砕され、該成形物の表面(粉砕面)に前記光触媒の少なくとも一部が露出される。その結果、比表面積が大きく、しかも光触媒複合材料の表面に対する前記光触媒の露出面積が大きい光触媒複合材料が、簡易かつ効率的に製造される。
本発明の光触媒複合材料は、本発明の前記光触媒複合材料の製造方法により製造されたことを特徴とする。
該光触媒複合材料においては、比表面積が大きく、しかも該光触媒複合材料の表面に対する前記光触媒の露出面積が大きいので、分解対象物と効率的に接触し、該分解対象物の分解効率が高い。このため、空気、水等に含まれる有害物質の分解除去能に優れ、環境浄化に有用である。
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、空気、水等に含まれる有害物質の分解除去能に優れ、環境浄化に有用な光触媒複合材料及びその簡易かつ効率的な製造方法を提供することができる。
(光触媒複合材料及びその製造方法)
本発明の光触媒複合材料は、本発明の前記光触媒複合材料の製造方法により得られる。
本発明の光触媒複合材料の製造方法は、成形工程と粉砕工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択した、その他の工程を含む。
以下、本発明の光触媒複合材料の製造方法の説明を通じて、本発明の光触媒複合材料の詳細も明らかにする。
<成形工程>
前記成形工程は、基材と光触媒とを混練して成形する工程である。
−基材−
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒が吸収する波長域の光に対する透過率が高い材料であるのが好ましく、更に透明であるのがより好ましく、更に無色透明であるのが特に好ましく、成形性、低コスト性等の観点から、具体的には、樹脂が好適に挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、合成樹脂、生分解性樹脂などが好適に挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記樹脂は、適宜選択した公知の添加剤等を含有していてもよい。この場合、該添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、充填材、難燃剤、抗菌剤、可塑剤、などが挙げられる。
前記合成樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、などが好適に挙げられ、これらの具体例としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、スチレン系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン樹脂、変性メチルメタクリレート−ブタジエン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、透明性等の点で、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、などが好ましい。
前記生分解性樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、天然物由来生分解性樹脂、化学合成生分解性樹脂、その他のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記天然物由来生分解性樹脂としては、例えば、キチン、キトサン、アルギン酸、グルテン、コラーゲン、ポリアミノ酸、バクテリアセルロース、プルラン、カードラン、多糖類系副産物、デンプン、変性デンプン、微生物産生ポリエステル(バイオポリエステル)、などが挙げられる。
前記化学合成生分解性樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン(PU)、などが挙げられる。前記脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリ3−ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ3−ヒドロキシバレエート等のポリヒドロキアルカノエート系、ポリカプロラクトン(PCL)系、ポリブチレンサクシネート(PBS)系、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)系、ポリエチレンサクシネート(PES)系、ポリグリコール酸(PGA)系、ポリ乳酸(PLA)系、などが挙げられる。
前記その他のものとしては、例えば、脂肪族ポリエステルのカーボネート共重合体、脂肪族ポリエステルとポリアミドとの共重合体、などが挙げられる。
前記生分解性樹脂の中でも、成形性・耐熱性・耐衝撃性等に優れる点で脂肪族系ポリエステル樹脂が好ましく、その中でもポリ乳酸(PLA)系脂肪族系ポリエステル樹脂がより好ましく、環境面の観点からはポリ乳酸が特に好ましい。
前記ポリ乳酸(PLA)系脂肪族系ポリエステル樹脂としては、例えば、乳酸、りんご酸、グルコース酸等のオキシ酸の重合体、これらの共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリ乳酸に代表されるヒドロキシカルボン酸系脂肪族系ポリエステル樹脂が特に好適に挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸系脂肪族系ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、環状ジエステルであるラクチド及び対応するラクトン類の開環重合によるラクチド法、乳酸直接脱水縮合法、などが挙げられる。また、製造時に使用する触媒としては、錫、アンチモン、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、錫、アルミニウム化合物などが好ましく、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトネートがより好ましい。
−光触媒−
前記光触媒は、その形態としては、特に制限はなく、その形状、構造、大きさ、比重等については適宜選択することができるが、前記形状としては、例えば、粒子状(粒状)、粉状、多孔質固形状、などが好適に挙げられる。これらの中でも、前記基材との混練性が良好な点で、粉状であるのが特に好ましい。
前記光触媒の構造としては、例えば、単層構造、積層構造、多孔質構造、コア・シェル構造、などが挙げられる。
前記光触媒の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光触媒の比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、小さいほど好ましく、例えば、汚水の浄化に用いられる場合には、水中で沈降することなく、浮遊して循環可能であるのが好ましい。
前記光触媒が前記粉状である場合、該光触媒の粒度分布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粒度分布がシャープである(狭くなる)程、前記光触媒を前記基材中に、均一に分散させることができる。
なお、前記光触媒の同定・形態等の観察は、例えば、TEM、XRD、XPS、FT−IR等に行うことができる。
前記光触媒の光触媒活性の発現に必要な光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外光乃至可視光等の広帯域の光に対して吸収性を示し、光触媒活性を発現可能であるのが好ましい。
前記光触媒の前記基材に対する添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒の添加量が多くなるほど、前記有害成分(分解対象物)の分解除去能に優れるが、前記基材との成形性が低下するため、成形可能な程度に添加量を多くするのが好ましく、例えば、30〜80質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましい。
前記光触媒の具体的な材質乃至組成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光触媒活性(光触媒能)を有するアパタイトなどが特に好適に挙げられる。該光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトであると、該アパタイトの優れた吸着特性により、気体、水等に含まれる前記有害成分に対する吸着特性に優れる点で有利であり、また、その光触媒活性(光触媒能)により、吸着した前記有害成分を効率的に光触媒活性により分解除去可能である点で有利である。
前記光触媒活性(光触媒能)を有するアパタイトとしては、光触媒活性を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アパタイトが、光触媒活性を有するのに必要な金属原子(以下、「光触媒活性を発現可能な金属原子」と称することがある。)を有してなるものなどが好適に挙げられる。前記アパタイトが該光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有すると、該アパタイトに光が照射されると、該光触媒活性を有するのに必要な金属原子の作用により該アパタイトが活性化され、該アパタイトの表面に吸着している前記有害成分(分解対象物)から電子を奪い取ることができ、該有害成分を酸化し、分解させることができる。
前記アパタイトとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(1)で表されるもの、などが好適に挙げられる。
前記一般式(1)において、Aは、金属原子を表し、該金属原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、ランタン(La)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ユウロピウム(Eu)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、などが挙げられる。これらの中でも、吸着性に優れる点で、カルシウム(Ca)が特に好ましい。
Bは、リン原子(P)及び硫黄原子(S)のいずれかを表し、これらの中でも、生体親和性に優れる点で、リン原子(P)が好ましい。
Oは、酸素原子を表す。
Xは、水酸基(OH)、CO、及びハロゲン原子のいずれかを表し、これらの中でも、前記Aの金属原子と共に金属酸化物型の光触媒性部分構造を形成可能な点で、水酸基(OH)が特に好ましい。なお、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、などが挙げられる。
m、n、z、及びsは、整数を表し、例えば、電荷バランスが良好な点で、mは8〜10が好ましく、nは3〜4が好ましく、zは5〜7が好ましく、sは1〜4が好ましい。
前記一般式(1)で表されるアパタイトとしては、例えば、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト若しくはクロロアパタイト、又は、これらの金属塩、リン酸三カルシウム若しくはリン酸水素カルシウム、などが挙げられる。これらの中でも、上記一般式(1)における、Xが水酸基(OH)であるハイドロキシアパタイトが好ましく、上記一般式(1)における、Aがカルシウム(Ca)であり、Bがリン原子(P)であり、かつXが水酸基(OH)であるカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)、即ち、Ca10(PO)(OH)が特に好ましい。
前記カルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)は、カチオンに対してもアニオンに対してもイオン交換し易いため、各種の有害成分(分解対象物)に対する吸着特性に優れ、特にタンパク質等の有機物に対する吸着特性に優れており、加えて、ウイルス、カビ、細菌等の微生物等に対する吸着特性にも優れ、これらの増殖を阻止乃至抑制し得る点で好ましい。
なお、前記分解対象物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、その成分としては、タンパク質、アミノ酸、脂質、糖質、などが挙げられる。該分解対象物は、これらを1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。該分解対象物の具体例としては、一般に、人間の皮膚に由来する汚れ成分、ゴミ、埃、汚泥、不要成分、廃液成分、土壌中乃至空気中の有害成分、微生物、ウイルス、などが挙げられる。なお、前記有害成分としては、例えば、アセトアルデヒドガスなどが挙げられる。前記微生物としては、特に制限はなく、原核生物及び真核生物のいずれであってもよいし、原生動物も含まれ、前記原核生物としては、例えば、大腸菌、黄色ブドウ球菌等の細菌などが挙げられ、前記真核生物としては、例えば、酵母菌類、カビ、放線菌等の糸状菌類などが挙げられる。前記ウイルスとしては、例えば、DNAウイルス、RNAウイルスなどが挙げられ、具体的には、インフルエンザウイルスなどが挙げられる。これらの分解対象物は、固体状、液体状、及び気体状のいずれの態様で存在していてもよい。前記液体状の場合には、前記分解対象物としては、例えば、廃液、栄養液、循環液、などが挙げられる。また、前記気体状の場合には、前記分解対象物としては、例えば、空気、排ガス、循環ガス、などが挙げられる。
前記アパタイトの前記光触媒における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、85〜97mol%であるのが好ましく、85〜90mol%であるのがより好ましい。
前記アパタイトの含有量が、85mol%未満であると、前記光触媒の光触媒活性が十分でないことがあり、97mol%を超えても、それに見合う効果が得られず、また、該光触媒の前記有害成分(分解対象物)に対する吸着特性や光触媒活性等が低下することがある。
なお、前記アパタイトの前記光触媒における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子としては、光触媒中心として機能し得る限り特に制限はなく、光触媒活性を有するものとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光触媒活性に優れる点で、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、インジウム(In)、鉄(Fe)、などから好適に選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。これらの中でも、特に前記光触媒活性(光触媒能)に優れる点で、チタン(Ti)が好ましい。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の前記光触媒における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光触媒における全金属原子に対し、5〜15mol%であるのが好ましく、8〜12mol%であるのがより好ましい。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の含有量が、5mol%未満であると、前記光触媒の光触媒活性が十分でないことがあり、15mol%を超えても、それに見合う効果が得られず、また、該光触媒の分解対象物に対する吸着特性や光触媒活性等が劣化することがある。
なお、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の前記光触媒における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子が、前記アパタイトの結晶構造を構成する金属原子の一部として該アパタイトの結晶構造中に取り込まれる(置換等される)ことによって、該アパタイトの結晶構造内に、光触媒機能を発揮し得る「光触媒性部分構造」が形成される。
このような光触媒性部分構造を有する前記アパタイトは、光触媒活性を有し、また、アパタイト構造部分が吸着特性に優れ、光触媒活性を有する公知の金属酸化物よりも、前記有害成分(分解対象物)に対する吸着特性に優れるため、分解作用、抗菌作用、防汚作用、カビや細菌等の増殖阻止乃至抑制作用に優れる。
前記光触媒の具体例としては、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子がチタン(Ti)であり、前記アパタイトがカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP):Ca10(PO)(OH)であるものが好ましい。
このような光触媒は、空気、水等に含まれる前記有害成分(分解対象物)の吸着性能に優れる。
前記光触媒活性を有するアパタイトとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記光触媒活性を有するアパタイトの合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アパタイト中に、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子をドープさせることにより行うことができる。
前記光触媒活性を有するアパタイトの市販品としては、例えば、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトでは、太平化学産業株式会社製の商品名「PCAP−100」などが好適に挙げられる。
前記ドープの態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換、化学結合、吸着などが挙げられるが、これらの中でも、反応の制御が容易であり、ドープされた後で前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子が脱離等することがなく、これらを前記光触媒中で、安定に保持させることができる点で、置換が好ましい。
前記置換の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アパタイトにおける金属原子の少なくとも一部を、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子により置換させる態様、などが好適に挙げられる。この態様の場合には、前記光触媒活性を有するのに必要な原子が、前記アパタイトに脱落不能に保持される点で有利である。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子による置換の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、イオン交換、などが好適に挙げられる。該置換がイオン交換の場合には、置換効率に優れる点で有利である。
前記ドープの具体的な方法、即ち前記アパタイト中への前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子のドープの具体的な方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を含む化合物等を溶解させた(共存させた)水溶液中に、前記アパタイトを浸漬させることにより行う浸漬法、前記アパタイトの原料と、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を含む化合物等を溶解させた(共存させた)水溶液中で、該原料と該光触媒活性を有するのに必要な金属原子を共沈させる共沈法、などが好適に挙げられる。
なお、前記水溶液は、静置しておいてもよいが、攪拌した方が前記置換が効率的に行われる点で好ましい。なお、該攪拌は、公知の装置、手段を用いて行うことができ、例えば、マグネティックスターラーを用いてもよいし、攪拌装置を用いてもよい。これらの方法の中でも、簡便に操作可能な点で、浸漬法がより好ましい。
なお、前記浸漬法においては、上述のように、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を溶解させた(共存させた)水溶液中に、前記アパタイトを浸漬させてもよいし、逆に、前記アパタイトを分散させた水溶液中に、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を含む化合物を溶解させてもよい。
前記ドープの際の前記水溶液中での前記アパタイトの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.3〜1.0質量%が好ましく、0.4〜0.6質量%がより好ましい。
前記アパタイトの濃度が、0.3質量%未満であると、光触媒活性が低下することがあり、1.0質量%を超えても、それに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って光触媒活性が低下することがある。
前記ドープの際の前記水溶液中での前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1×10−4〜1×10−3Mが好ましく、1×10−4〜5×10−4Mがより好ましい。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の濃度が、1×10−4M未満であると、光触媒活性が低下することがあり、1×10−3Mを超えても、それに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って光触媒活性が低下することがある。
前記ドープを行う反応系としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液中、空気中、などで行うことができるが、これらの中でも、液中で行うのが好ましい。
この場合、該液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水乃至水を主体にした液が好ましい。
なお、該液を収容する容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ラージスケールであれば混合器、攪拌器などが挙げられ、スモールスケールであればビーカーなどが好適に挙げられる。
前記ドープの際の条件としては、特に制限はなく、温度、時間、圧力等については目的に応じて適宜選択することができる。
前記温度としては、特に制限はなく、材料の種類や量比等に応じて異なり、一概に規定することはできないが、例えば、通常、0℃〜100℃程度であり、室温(20℃〜30℃)が好ましい。前記時間としては、特に制限はなく、材料の種類や量比に応じて異なり、一概に規定することはできないが、通常、10秒〜30分間程度であり、1〜10分間がより好ましい。前記圧力としては、特に制限はなく、材料の種類や量比等に応じて異なり、一概に規定することはできないが、通常、大気圧であるが好ましい。
なお、前記光触媒における、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の量は、添加量(M)、あるいは前記条件を適宜調整することにより、所望に制御することができる。
前記アパタイト中に、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子をドープさせた後、ドープが完了した該アパタイトを600〜800℃で焼成するのが好ましい。
前記焼成の温度が、600℃未満であると、光触媒活性が最大とならないことがあり、800℃を超えると、分解が生ずることがある。
前記焼成の条件、例えば、時間、雰囲気、圧力、装置等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記時間としては、前記ドープが完了したアパタイトの量等に応じて異なり、一概に規定することはできないが、例えば、1時間以上が好ましく、1〜2時間がより好ましい。前記雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、大気雰囲気などが挙げられるが、大気雰囲気が好ましい。前記圧力としては、例えば、大気圧などが挙げられる。前記装置としては、公知の焼成装置を使用することができる。
前記焼成を行うことにより、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子をドープした、前記アパタイトの結晶性を高めることができ、前記光触媒における光触媒能(吸着特性、光触媒活性などを含む)をより高めることができる。
ここで、前記光触媒の製造方法の一例について説明する。前記ドープを前記置換で行う場合、具体的には前記置換をイオン交換により浸漬法で行う場合には、まず、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子としてのチタンを含む硫酸チタン水溶液を調製する。ビーカーに前記アパタイトとしてのカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)を秤量し、そこに前記硫酸チタン水溶液を添加する。この混合液をマグネティックスターラーで5分間攪拌した後、濾紙でアスピレータを使用して吸引濾過を行い、純水で洗浄し、100℃のオーブンで2時間乾燥することにより、前記チタンをドープさせたTiHAP粉体が得られる。その後、マッフル炉で650℃にて1時間の焼成(大気雰囲気)を行う。以上により、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子としてのチタンをドープさせたTiHAP粉体(光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイト)からなる光触媒が製造される。
−混練及び成形−
前記基材と前記光触媒との混練方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニーダー等の公知の混練装置を用いて行うことができる。
前記成形の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム成形、押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、カレンダー成形、熱成形、流動成形、積層成形、などが挙げられる。
以上の工程により、前記基材と前記樹脂とが混練されて成形され、成形物が得られる。
−成形物−
前記成形物としては、その形状、構造、大きさ、比重、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記形状としては、例えば、球状、板状(薄板状)、シート状などが好ましく、後述する粉砕工程において、容易に粉砕可能な点で、球状、薄板状などがより好ましい。
なお、従来の光触媒の材料である酸化チタンでは、前記樹脂と混練して一体化すると、該酸化チタンの光触媒効果により、前記樹脂自身を劣化させてしまうため、一体化して成形することができなかった。しかし、本発明における前記光触媒(光触媒チタンアパタイト等)では、前記樹脂と直接一体化しても、該樹脂自身を殆ど劣化させることがないため、一体化して形成し使用することができる。
<粉砕工程>
前記粉砕工程は、上述した成形工程により得られた成形物を粉砕し、該成形物の表面に前記光触媒の少なくとも一部を露出させる工程である。
なお、前記基材、前記光触媒、前記成形物などの詳細については、上述した通りである。
−粉砕−
前記粉砕の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の粉砕機を用いて行うことができる。
前記粉砕の条件としては、特に制限はなく、製造する光触媒複合材料の大きさなどに応じて適宜選択することができる。
また、前記粉砕機を用いて前記成形物を粉砕した後、粉砕後の成形物を、篩等を用いて所望の大きさのものに分別するのが好ましい。
以上の工程により、前記成形工程により得られた前記成形物が粉砕される。すると、前記成形物中に散在している前記光触媒の一部が、前記成形物の表面(粉砕面)から露出され、本発明の光触媒複合材料が得られる。
本発明の光触媒複合材料(粉砕された前記成形物)の表面における、前記光触媒の露出状態を確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することにより行うことができる。
前記光触媒複合材料の比重としては、効果的かつ効率的に循環水中を移動可能とし、かつ容易に分離可能とするためには、水の比重に近いのが好ましい。具体的には、0.8〜1.3程度が好ましく、沈降分離する場合には、1.1、浮上分離する場合には、0.9程度が特に好ましい。
また、前記光触媒複合材料の形状としては、比表面積を考慮すると、球形であるのが好ましく、大きさとしては、小さい方が好ましい。具体的には、取扱い容易性の点で、1〜5mm程度が好ましい。
本発明の光触媒複合材料の製造方法によると、前記粉砕工程において、前記成形工程により得られた前記成形物が粉砕されて、該成形物の表面に前記光触媒の一部が露出されるので、比表面積が大きく、しかも光触媒複合材料の表面に対する前記光触媒の露出面積が大きい本発明の光触媒複合材料が、簡易かつ効率的に製造される。
本発明の光触媒複合材料は、比表面積が大きく、しかも該光触媒複合材料の表面に対する前記光触媒の露出面積が大きいので、分解対象物と効率的に接触し、該分解対象物の分解効率が高い。このため、空気、水等に含まれる有害物質の分解除去能に優れ、例えば、大気、ダム湖畔等における水などの環境浄化、ビニールハウス等における植物栽培用液の浄化などに有用である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−光触媒複合材料の作製−
前記基材としてのポリプロピレン樹脂に対して、前記光触媒(前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子としてのチタンを有してなるアパタイト(光触媒チタンアパタイト))としての、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP;太平化学産業株式会社製、PCAP−100)を30質量%添加し、混練して直径3cmのボール状(球状)に成形した。以上が前記成形工程である。得られた樹脂ボール(前記成形物)を、破断機にかけ、篩で約5mm角に粉砕し、光触媒複合材料を作製した。以上が前記粉砕工程である。
−光触媒複合材料の水相分解試験−
成形物(樹脂ボール)を粉砕して得られた光触媒複合材料(以下、「粉砕光触媒複合材料」と称することがある。)10gを、10−5Mメチレンブルー水溶液100ml中に浸漬させた後、紫外線が照射されるように窓辺に放置し、メチレンブルー水溶液の退色の度合いを、吸光度測定及び目視観察により評価した。
また、比較対象として、同量のメチレンブルー水溶液についても同様に評価した。
これらの結果を、吸光度測定については図1に、目視観察については図2A及び図2Bに、それぞれ示す。なお、図2Aは、光触媒複合材料をメチレンブルー水溶液に浸漬した直後(before)の状態を表し、図2Bは、放置5日後の状態を表す。また、図2A及び図2B中、左側に位置するビーカー内は、メチレンブルー水溶液のみが入れてあり、右側に位置するビーカー内には、粉砕光触媒複合材料が浸漬されている。
図1より、光触媒によりメチレンブルーの分解が進むに従って吸光度が減少し、放置後5日経過すると、粉砕光触媒複合材料については、吸光度が大幅に減少していた。一方、メチレンブルーのみのサンプルは、自然分解により吸光度減少が観察されているものの、初期値の半分程度であった。
図2A及び図2Bより、メチレンブルー水溶液の退色の度合いは、粉砕光触媒複合材料(図2A及び図2B中、右側に位置するビーカー)については、メチレンブルーのみの試料(図2A及び図2B中、左側に位置するビーカー)に比して、肉眼でも明確な退色を認めることができ、成形物を粉砕して得られた本発明の光触媒複合材料は、効果的にメチレンブルー色素を吸着分解していることが判った。
−光触媒複合材料の気相分解試験−
アセトアルデヒドを用い、下記方法により、光触媒複合材料の気相分解試験を行い、光触媒活性及び吸着能を評価した。
<光触媒活性の評価>
成形物を粉砕して得られた前記粉砕光触媒複合材料と、成形物(樹脂ボール)を粉砕することなく、その表面に凹凸を形成することにより表面積を増大させたイガグリ状の光触媒複合材料(以下、「非粉砕光触媒複合材料」と称することがある。)とを、それぞれ10gずつ秤量し、容量500mlの密閉容器に入れ、合成空気(酸素30容量%−窒素70容量%)で容器内部を置換した。次に、アセトアルデヒドガス濃度が約14,000ppm(残りは合成空気)のガス12mlをシリンジで容器内部に注入し、アセトアルデヒドガスが光触媒複合材料と吸着平衡に達するまで暗所で放置した(約2時間)。その後、暗所で1時間放置後、紫外光を照射し、その1時間後、2時間後、3時間後、4時間後及び5時間後において、前記容器内部のガスをシリンジで抜き取り、ガスクロマトグラフィー(GC−390B、GLサイエンス社製)を用いて、アセトアルデヒドガスの分解により発生する炭酸ガス濃度を計測した。結果を図3に示す。なお、紫外光の照射にはブラックライト(1mW/cm)を用いた。
<吸着能の評価>
前記<光触媒活性の評価>と同様にして、成形物を粉砕して得られた前記粉砕光触媒複合材料、及び成形物の表面に凹凸を形成したイガグリ状の前記非粉砕光触媒複合材料を、それぞれ10gずつ秤量して、密閉容器に入れ、合成空気で容器内部を置換した後、アセトアルデヒドガス濃度が約10,000ppm(残りは合成空気)のガス12mlをシリンジで容器内部に注入し、アセトアルデヒドガスが光触媒粉体と吸着平衡に達するまで暗所で放置した(約2時間)。その後、暗所で1時間放置後、紫外光を照射し、その1時間後、2時間後、3時間後、4時間後及び5時間後において、前記容器内部のガスをシリンジで抜き取り、ガスクロマトグラフィー(GC−390B、GLサイエンス社製)を用いて、アセトアルデヒドガスの濃度を計測した。結果を図4に示す。
図3より、粉砕光触媒複合材料(本発明の光触媒複合材料)では、非粉砕光触媒複合材料に比して、炭酸ガス濃度が大幅に増加しており、光触媒活性に優れることが判った。また、図4より、粉砕光触媒複合材料では、非粉砕光触媒複合材料に比して、アセトアルデヒド濃度が低くなっており、良好な吸着能を有していることが判った。
本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 基材と光触媒とを混練して成形する成形工程と、該成形工程により得られた成形物を粉砕し、該成形物の表面に前記光触媒の少なくとも一部を露出させる粉砕工程とを少なくとも含むことを特徴とする光触媒複合材料の製造方法。
(付記2) 成形物が、薄板状である付記1に記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記3) 成形物が、球状である付記1に記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記4) 光触媒複合材料が、比重が0.8〜1.3であり、大きさが1〜5mmの球形である付記1から3のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記5) 基材が、樹脂である付記1から4のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記6) 樹脂が、合成樹脂及び生分解性樹脂の少なくともいずれかである付記5に記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記7) 合成樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、及びスチレン系樹脂から選択され、生分解性樹脂が、ポリ乳酸から選択される付記6に記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記8) 光触媒が、粉状である付記1から7のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記9) 光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトを少なくとも含んでなる付記1から8のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記10) アパタイトが、光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなる付記9に記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記11) 光触媒活性を有するのに必要な金属原子が、チタン(Ti)である付記10に記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記12) アパタイトが、カルシウムハイドロキシアパタイトである付記9から11のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記13) 光触媒の基材に対する添加量が、30〜80質量%である付記1から12のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
(付記14) 付記1から13のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法により製造されたことを特徴とする光触媒複合材料。
(付記15) 比重が0.8〜1.3であり、大きさが1〜5mmの球形である付記14に記載の光触媒複合材料。
本発明の光触媒複合材料の製造方法は、比表面積が大きく、しかも光触媒複合材料の表面に対する前記光触媒の露出面積が大きい光触媒複合材料を、簡易かつ効率的に製造することができ、本発明の光触媒複合材料の製造に好適である。
本発明の光触媒複合材料は、分解対象物の分解効率が高く、空気、水等に含まれる有害物質の分解除去能に優れ、大気、ダム湖畔等における水などの環境浄化、ビニールハウス等における植物栽培用液の浄化などに有用である。
図1は、光触媒複合材料の水相分解試験における吸光度を示すグラフである。 図2Aは、光触媒複合材料の水相分解試験における、目視観察結果(before)を示す写真である。 図2Bは、光触媒複合材料の水相分解試験における、目視観察結果(5日後)を示す写真である。 図3は、光触媒複合材料の気相分解試験における光触媒活性の評価結果を示すグラフである。 図4は、光触媒複合材料の気相分解試験における吸着能の評価結果を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 基材と光触媒とを混練して成形する成形工程と、該成形工程により得られた成形物を粉砕し、該成形物の表面に前記光触媒の少なくとも一部を露出させる粉砕工程とを少なくとも含むことを特徴とする光触媒複合材料の製造方法。
  2. 成形物が、球状である請求項1に記載の光触媒複合材料の製造方法。
  3. 基材が、樹脂である請求項1から2のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
  4. 樹脂が、合成樹脂及び生分解性樹脂の少なくともいずれかである請求項3に記載の光触媒複合材料の製造方法。
  5. 光触媒が、粉状である請求項1から4のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
  6. 光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトを少なくとも含んでなる請求項1から5のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
  7. アパタイトが、光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなり、該金属原子が、チタン(Ti)である請求項6に記載の光触媒複合材料の製造方法。
  8. アパタイトが、カルシウムハイドロキシアパタイトである請求項6から7のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
  9. 光触媒の基材に対する添加量が、30〜80質量%である請求項1から8のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の光触媒複合材料の製造方法により製造されたことを特徴とする光触媒複合材料。
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