JP2007277433A - 機能性マスターバッチ、この機能性マスターバッチを成形加工してなる機能性成形加工品、機能性繊維材料、及びこの機能性繊維材料を加工してなる機能性繊維製品並びに機能性フィルター - Google Patents

機能性マスターバッチ、この機能性マスターバッチを成形加工してなる機能性成形加工品、機能性繊維材料、及びこの機能性繊維材料を加工してなる機能性繊維製品並びに機能性フィルター Download PDF

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Abstract

【目的】 本発明は、吸着特性、殺菌特性及び自浄特性を備えた環境改善・浄化効果に優れる新規な機能性マスターバッチを提供することを目的とし、更に、本発明は、この機能性マスターバッチを成形加工してなる機能性成形加工品、機能性繊維材料、及びこの機能性繊維材料を加工してなる機能性繊維製品並びに機能性フィルターを提供することも目的とする。
【構成】 表面に光触媒材料を担持してなる活性炭粉末を高分子樹脂材料に分散させ、これをマスターバッチとして加工したことを特徴とする機能性マスターバッチ。
又、この機能性マスターバッチを成形加工してなる機能性成形加工品、機能性繊維材料、及びこの機能性繊維材料を加工してなる機能性繊維製品並びに機能性フィルターを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、環境改善や室内等の生活空間の改善、水の浄化などに好適に用いられる機能性マスターバッチ、この機能性マスターバッチを成形加工してなる機能性成形加工品、機能性繊維材料、及びこの機能性繊維材料を加工してなる機能性繊維製品並びに機能性フィルターに関する。
例えば、室内等の生活空間においては、埃や塵、調理器具や暖房器具等から発生する一酸化炭素や水蒸気、或いは住宅建材等から発生するホルムアルデヒドやトルエンなどのシックハウスの原因物質、人やペットからのアンモニア臭等の生活臭が常に発生、存在している。
従来の日本式住宅においては、風通しがよく、又、土壁や畳、或いは障子等の建材を用いていたことから、この建材を用いた建物自体が、前記の水分や物質をある程度吸着したり、吸湿したりする役割を担っていた。
しかしながら、近年の日本においては洋式の住宅が多く普及しており、土壁や畳等はパネルボードやフローリング等に取って代わられており、又、住宅の高気密化と相成って、建物自体の水分やその他の成分等に対する吸着機能や吸湿機能が低下しており、その結果、ダニやカビを発生させ、いわゆる生活臭やアレルギー等の原因となっているといわれている。
そのため、最近では、室内に空気清浄機やエアコンディショナーなどの設置や、脱臭剤や吸着剤などの使用が不可欠となってきている。
ところで、これらの空気清浄機やエアコンディショナーなどにあっては、吸着・脱臭エレメントとして、不織布や織布或いはネット等の通気性を有する布基材に活性炭等の吸着材を担持させた吸着シートが多く用いられており、又、脱臭剤等にあっては、不織布や織布等の通気性を有する布基材を袋状に成形し、活性炭等の吸着材を封入したものが一般に用いられている。
活性炭は、木材、おがくず、木材乾留物、木炭、椰子殻又はリグニン等を原料(活性炭原料)として、これに特別処理(賦活処理)を施すことによって、気体や色素等に対する吸着能力を高めたものであり、臭いの成分や水分等の微粒子成分に対する吸着能力が比較的高く、且つ安価であることから、現在、冷蔵庫や下駄箱の消臭剤或いは空気清浄機のフィルターその他の消臭・吸着製品の分野において、最も広く使用されている吸着材となっている。
しかしながら、係る活性炭による吸着は非定常で、吸着平行に支配されるため、一定量の微粒子成分や水分を吸着すると、活性炭はその吸着能力を失い、いわゆる失活状態となる。
ここで、この失活した活性炭の吸着能を再生するためには、当該活性炭に対して加熱処理や高温不活性ガス等の処理を施し、吸着物質を分解したり、吸着した微粒子成分や水分を活性炭表面の微細孔から追い出す方法などがある。
又、微粒子成分が、活性炭表面の微細孔に強固に吸着した場合にあっては、当該活性炭を500〜800℃程度の高温で数時間加熱して、吸着した微粒子成分を炭化させる炭化処理を行い、更に水蒸気の存在下、900〜1000℃で数時間加熱して表面の炭化物をガス化させる賦活化処理を行うといった再生処理等も行われている。
しかしながら、上述の活性炭の再生方法にあっては、専用の再生炉が必要であることから、再生コストが高くなり、しかも再生炉における水蒸気濃度や賦活化温度或いは賦活化時間等の制御が困難であり、特に再生を繰り返す度に数%〜数十%の吸着能のロスが生ずるといった問題があった。
そのため、通常の活性炭を用いた消臭・吸着製品においては、上述の再生処理を行うことなく、単に消臭・吸着製品全体を交換するか、或いは当該製品内の活性炭を詰め替えるかの方法が採られることが殆どであるが、実際の使用状況下において、この交換という作業は非常に煩わしいものである。
そのため、ごく最近では、活性炭と二酸化チタン等の光触媒材料とを混合したり、活性炭の表面に対して、接着剤等のバインダーを用いて光触媒材料を担持させたりすることにより、活性炭表面の微細孔に捉えられた微粒子成分を分解させる手段が研究・開発されている。
即ち、これらの光触媒材料と混合させた、或いは光触媒材料を担持させた活性炭は、活性炭表面の微細孔に微粒子成分が捉えられて当該活性炭が飽和状態になった場合にあっても、当該活性炭に対して太陽光や白熱灯等の紫外線を含む光を照射することにより、光触媒材料が前記微粒子成分を分解して活性炭の吸着能力を再生し、長期間にわたる吸着作用を維持・確保することができることから、現在、広く研究されているものであり、本発明者も活性炭の表面に光触媒材料を担持させた光触媒活性炭を開発している(例えば、特許文献1。)。
特開2003−226512号公報
そして、本発明者は、更に研究を進め、この活性炭の表面に光触媒材料を担持させた光触媒活性炭の二次的な利用形態として、表面に光触媒材料を担持してなる活性炭粉末を高分子樹脂材料に分散させ、これをマスターバッチとして加工したことを特徴とする本発明の機能性マスターバッチを開発するに至ったのである。
即ち、本発明者は、表面に光触媒材料を担持してなる活性炭粉末の吸着特性、殺菌特性及び自浄特性に着目し、これを高分子樹脂材料に分散させてマスターバッチとして加工することにより、微粒子に対する吸着作用、殺菌作用及び自浄作用を備えた新規なマスターバッチを得ることができるとの知見を得たのである。
又、この機能性マスターバッチは、成形加工して糸状、フィルム状、シート状又はパイプ状などの所望の形状に加工することができるのであり、微粒子に対する吸着特性及び自浄作用を備えた新規な加工品として、広範な分野において応用できるとの知見も得たのである。
更に、この機能性マスターバッチを繊維状に加工した場合にあっては、この繊維を紡糸したり、織ったり、編んだりすることにより、微粒子に対する吸着特性、殺菌特性及び自浄作用を備えた新規な繊維製品として利用することができるとの知見も得たのである。
加えて、前記機能性繊維製品を用いて機能性フィルターを形成すると、この機能性フィルターは、光触媒の自浄作用によって長期間にわったて吸着特性を維持することができる上、光触媒の殺菌作用によって水を緑色にするアオコに代表される微細な藍藻(ランソウ)類や緑藻類等の藻類更に細菌や微生物、貝類の付着を効果的に抑止することができるのであり、海、河川、湖沼などの自然水域や、生簀や水槽、或いはクーリングタワーに設置するだけで水の汚れや微生物の発生を長期間にわたって抑制することができるとの知見も得たのである。
本発明は、これらの知見に基づき完成されたものであり、吸着特性、殺菌特性及び自浄特性を備えた環境改善・浄化効果に優れる新規な機能性マスターバッチを提供することを目的とし、更に、本発明は、この機能性マスターバッチを成形加工してなる機能性成形加工品、機能性繊維材料、及びこの機能性繊維材料を加工してなる機能性繊維製品並びに機能性フィルターを提供することも目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の機能性マスターバッチは、表面に光触媒材料を担持してなる活性炭粉末を高分子樹脂材料に分散させ、これをマスターバッチとして加工していることを特徴とするものである。
以下、本発明の機能性マスターバッチについて詳細に説明する。
本発明の機能性マスターバッチは、表面に光触媒材料を担持してなる活性炭粉末を高分子樹脂材料に分散させたものである。
即ち、本発明においては、活性炭粉末の表面に光触媒材料を担持させ、これを高分子材料に分散させてなるものであるが、この活性炭粉末としては、活性炭を粉末状に加工したものであれば特に限定されるものではなく、工業用の触媒の担体、脱臭剤、有機溶剤の回収等に用いられる通常の活性炭を用いることができる。
又、活性炭原料としても特に限定されるものではなく、木材、おがくず、木材乾留物、木炭、椰子殻及びリグニン等の既知の活性炭原料を好適に用いることができるが、中でも、入手しやすく、安価でしかも吸着能力の高い椰子殻を用いることが特に好ましい。
ところで、本発明においては、用いられる活性炭粉末中に、脱臭作用、吸水(湿)作用、消臭作用、脱酸素作用、小動物忌避作用、殺虫作用、芳香作用、遠赤外線放射作用又はマイナスイオン発生作用等の種々の作用(機能)を発現する各種機能性薬剤を染み込ませ、担持させてなるものが好ましく、このような機能を発現する活性炭粉末を用いることにより、各種機能性薬剤の特性を更に付与することができるのである。
ここで、具体的な機能性薬剤の例としては、まず、室内の水分、ホルムアルデヒドやアルキルベンゼン等のシックハウスの原因となる有害物質や生活臭の原因となる物質の吸着作用を有する、酸化カルシウムや酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属や遷移金属の酸化物、水酸化物或いは塩化物、更にシリカゲル、ゼオライト、パーライト、パーミキュライト、アルミナ、活性白土等を挙げることができるのであり、又、フェノール、過マンガン酸カリウム、植物抽出液等の化学的吸着作用や生活臭を分解して消臭効果を発現する物質等も挙げることができる。
脱酸素作用を有する機能性薬剤として、鉄粉に代表される金属粉、特に、金属化合物の水溶液に活性炭粉末を分散させ、これを電気化学的に還元したもの等を挙げることができる。
小動物を忌避したり、殺虫したりする作用を有する機能性薬剤としては、例えば橙皮油、レモン油、ベルガモット油、ういきょう油、松葉油、ハッカ油、テレビン油、樟脳油等の如き柑橘類の精油、リモネン等の如きテルペン類、カラシ、わさび等及びこれらに含まれる辛味成分(カプサイシンや安息香酸デナトニウム等)、その他、木酢油、天然ゴム、ケロシン、カプリンアルデヒド、カプリルアルデヒド、シラトール、酢酸、タンニン又は植物抽出油等を挙げることができる。
芳香作用を有する機能性薬剤としては、既知の芳香剤を適宜選択して用いることができる。
マイナスイオン発生作用を有する機能性薬剤としては、空気放電による電離作用によってマイナスイオンを発生させたり、天然放射線による放射線の空中飛程での空気のイオン化によってマイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生作用を挙げることができるのであり、このような作用によりマイナスイオンを好適に発生するマイナスイオン発生作用の好ましい例としてはトルマリンやレアアース鉱石等を挙げることができる。
遠赤外線放射作用を有する機能性薬剤としては、遠赤外線領域近辺の波長範囲を有する電波を好適に照射する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、中でも遠赤外線を照射する非金属の無機質固体(遠赤外線放射セラミック)が好ましく、具体的には、金属の酸化物、炭化物、窒化物又は炭酸塩から選ばれた少なくとも1種以上を適宜選択して用いることができる。
なお、遠赤外線放射セラミックにおける前記金属としては、例えば、Al、Be、V、Fe、Y、Co、Cu、Ni、Si、Sn、Ti、Cr、Ce、Zr、Ca、Ta及びNb等から選ばれた金属を挙げることができる。
そして、本発明において用いられる表面に光触媒材料を担持してなる活性炭は、これらの活性炭粉末の表面に光触媒材料を担持させるのであるが、この光触媒材料としては、光吸収によって触媒反応を起こし、活性炭に吸着された微粒子成分を分解し得るものであれば特に制限されるものでない。
又、光触媒反応は反応系に光エネルギーが加わるので、反応系自身としてはギブスの自由エネルギーが減少する場合と増加する場合の双方があり、一般に後者を光触媒反応とは区別して取り扱う場合もあるが、本発明における光触媒反応は双方の場合を特に区別する必要はない。
具体的な光触媒材料の例としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、特に、アナターゼ型のTiO2を必須成分とすることが特に好ましい。
この理由としては、第一に光触媒材料としてのアナターゼ型のTiO2の微粒子成分に対する分解能力が優れるからであるが、更に、活性炭粉末の表面に白色顔料としても用いられるTiO2を形成・担持させることにより、活性炭表面が灰色ないし白色となり、活性炭の黒いイメージが一新するからである。
従って、本発明においては、活性炭表面に担持させる光触媒材料として、アナターゼ型のTiO2を必須成分とすることが好ましく、具体的には、活性炭粉末の表面に形成・担持された光触媒皮膜全体の60〜100重量%がアナターゼ型のTiO2とすることが好ましく、特に、光触媒皮膜全体の85〜100重量%がアナターゼ型のTiO2とするのが一層好ましい。
ここで、前記活性炭粉末の表面に前記光触媒材料を担持させる手段としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、活性炭粉末をアナターゼ型酸化チタン微粒子分散アルコール溶液に浸漬し、これを引き上げて乾燥、固着させたり、活性炭粉末をチタンアルコキシドアルコール溶液などに浸漬し、これを引き上げて、温度400〜600℃の範囲で熱処理を施したり、活性炭粉末の表面に光触媒の被膜を形成したりする湿式手段や、スパッタリング、グロー放電、熱蒸着、化学蒸着或いはイオンプレーティング等のいわゆる薄膜作成技術を利用した蒸着手段により、活性炭粉末の表面に光触媒の被膜を形成する手段などを挙げることができる。
又、本発明において、活性炭粉末の表面に形成・担持させる光触媒材料の量は、特に限定されるものではなく、その使用目的や用途等に応じて適宜決定すれば良く、一般的には、活性炭粉末100重量部に対して、光触媒材料を20〜200重量部程度担持させるのが望ましい。
更に、活性炭粉末の表面に光触媒材料を形成・担持させるにあたり、光触媒材料を一回の処理で形成・担持させるよりも、前述の方法を複数回繰り返して光触媒材料を形成・担持させるほうが、活性炭粉末の表面に光触媒材料を一層強固に、且つ大量に担持させることができるので望ましい。
そして、本発明の機能性マスターバッチにおいては、前述の表面に光触媒材料を担持してなる活性炭粉末を高分子樹脂材料に分散させ、これをマスターバッチとして加工した点に最も大きな特徴を有するのである。
即ち、本発明の機能性マスターバッチにおいては、表面に光触媒材料を担持した活性炭を高分子樹脂材料に分散させ、これをマスターバッチとして加工しているから、微粒子に対する吸着特性、殺菌特性及び自浄特性を備えた新規なマスターバッチとなるのである。
なお、表面に光触媒材料を担持させた活性炭粉末を分散させるマトリックスとしての高分子材料としては、公知の高分子材料を好適に用いることができるので、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリアミノ酸、ニトリルゴム、ブチルゴム又はシリコーンゴム等から選ばれた少なくとも1種以上の高分子材料を一般的な例として挙げることができる。
又、本発明の機能性マスターバッチにおいて、高分子材料中に光触媒材料を担持した活性炭粉末を分散させる手段については、特に限定されるものではなく、例えば、高分子材料中に活性炭粉末を添加し、ミキサー、オープンロール又はバンバリーミキサー等の混練り機を用い、加熱、混練する方法等を挙げることができる。
この場合、添加する光触媒材料を担持した活性炭粉末(A)と高分子材料(B)との配合割合は、当該高分子材料(B)の種類、又は作成後の機能性マスターバッチに求められる強度及び特性によって、適宜決定されるものであり、特に限定されるものではないが、一般的には、高分子材料(B)100重量部に対して、活性炭粉末(A)5〜100重量部程度であることが好ましく、活性炭粉末(A)の配合割合が、5重量部未満になると所要の効果が得られない場合が有り、一方、100重量部を超えると効果に限界が生じるうえ、強度が低下する恐れが有るので、いずれの場合も好ましくない。
そして、表面に光触媒材料を担持した活性炭粉末が分散配合された高分子材料は、所定の形状、例えば、ペレット状、粒状又は錠剤状等のマスターバッチとして成形され、機能性マスターバッチとして利用に供されるのである。
ここで、本発明に係る機能性マスターバッチは、例えば圧縮成形、トランスファー成形、射出成形又は押出し成形等の成形手段によって成形加工されることにより、優れた吸着特性、殺菌特性及び自浄作用を備えた新規な機能性成形加工品として、広範な分野において応用できるのである。
即ち、本発明の機能性成形加工品においては、本発明の機能性マスターバッチを成形加工してなることを特徴とするものであり、本発明の機能性マスターバッチを、所望の形状、例えば、糸状、フィルム状、シート状、パイプ状或いは各種成形品などに成形加工したものであり、優れた吸着特性、殺菌特性及び自浄作用を備えた新規な加工品として、広範な分野において応用できるのである。
又、本発明の機能性マスターバッチの他の利用の例としては、この機能性マスターバッチを繊維状に加工して機能性繊維材料としても良いのであり、又、この機能性繊維材料を糸状、綿状、布状、又は網状などに加工して機能性繊維製品としても良いのである。
即ち、本発明の機能性繊維材料は、本発明の機能性マスターバッチを繊維状に加工したことを特徴とするものであり、この繊維材料を、紡糸したり、織ったり、編んだり、固めたりすることにより、例えば、糸やロープなどの紐状製品や綿状製品、織布、不織布、編物、フェルトなどの布状製品、或いは網状製品などの機能性繊維製品とすることができるのであり、このように構成することにより、優れた吸着特性、殺菌特性及び自浄作用を備えた新規な繊維製品として利用することができるのである。
一般的には、この機能性繊維製品を素材として衣料、特殊衣料、衣料用副資材並びにインテリア繊維製品等の繊維製品(二次製品或いは三次製品)を形成し、これにより、この機能性繊維製品の特性を具体的な商品に生かすことができるのである。
特に、この機能性繊維製品を機能性フィルター、つまり機能性繊維フィルターや機能性スポンジフィルターなどの水質浄化フィルターとして形成すれば、光触媒の自浄作用によって長期間にわったて吸着特性を維持することができる上、光触媒の殺菌作用によって水を緑色にするアオコに代表される微細な藍藻(ランソウ)類や緑藻類更に細菌や微生物、貝類の付着を好適に抑止することができるのであり、海、河川、湖沼などの自然水域や、生簀や水槽、或いはクーリングタワーに設置するだけで水の汚れや微生物の発生を長期間にわたって抑制することができるのである。
本発明は、前記構成を有し、吸着特性及び自浄作用を備えた環境改善・浄化作用に著しく優れる新規な機能性マスターバッチ、この機能性マスターバッチを成形加工してなる機能性成形加工品、機能性繊維材料、及びこの機能性繊維材料を加工してなる機能性繊維製品並びに機能性フィルターである。
即ち、本発明の機能性マスターバッチは、表面に光触媒材料を担持してなる活性炭粉末を高分子樹脂材料に分散させ、これをマスターバッチとして加工したものであり、極めて優れた吸着特性及び自浄作用を備えるのである。
又、本発明の機能性成形加工品は、本発明の機能性マスターバッチを成形加工してなるものであり、本発明の機能性マスターバッチを、所望の形状、例えば、糸状、フィルム状、シート状、パイプ状或いは各種成形品などに成形加工したものであり、優れた吸着特性、殺菌特性及び自浄作用を備えた新規な加工品として、広範な分野において応用できるなどの効果を奏するのである。
更に、本発明の機能性繊維材料は、本発明の機能性マスターバッチを繊維状に加工したものであり、この繊維材料を、紡糸したり、織ったり、編んだり、固めたりすることにより、例えば、糸やロープなどの紐状製品や綿状製品、織布、不織布、編物、フェルトなどの布状製品、或いは網状製品などの機能性繊維製品とすることができるのであり、このように構成することにより、優れた吸着特性、殺菌特性及び自浄作用を備えた新規な繊維製品として利用することができるなどの効果を奏するのである。
本発明に係る機能性フィルターは、本発明の機能性繊維製品を利用して形成されたものであり、この機能性フィルターを水質浄化フィルターとして形成すれば、光触媒の自浄作用によって長期間にわったて吸着特性を維持することができる上、光触媒の殺菌作用によって水を緑色にするアオコに代表される微細な藍藻(ランソウ)類や緑藻類更に細菌や微生物、貝類の付着を好適に抑止することができるのであり、海、河川、湖沼などの自然水域や、生簀や水槽、或いはクーリングタワーに設置するだけで水の汚れや微生物の発生を長期間にわたって抑制することができる上、家電製品などの各種フィルターとしても広範に利用できるなどの効果を奏するのである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
<表面に光触媒材料が担持された活性炭粉末の作成>
椰子殻を乾燥して微粉を除いた活性炭原料を焼成炭(550〜650℃)に入れ、赤熱した状態で水蒸気、炭酸ガス(燃焼ガス中のCO2)及び酸素(燃焼空気中のO2)の混合雰囲気中、温度850〜950℃で活性化処理し、これを粉砕ローラを用いて更に細かく粉砕し、フィルターに通過させることにより、平均一次粒径0.005mm程度の活性炭粉末を得た。
この得られた活性炭粉末100重量部を、真空容器内に設けられたホルダーに設置して、当該ホルダーに設けられた攪拌棒で攪拌しながら約450℃に加熱した。
一方、真空容器内に設けられた基台には、光触媒であるアナターゼ型TiO2(15重量部)を設置し、これを蒸発源とした。
引き続いて、真空容器内に充填されている窒素ガスを真空ポンプを用いて吸引し、真空容器内部を減圧にし、0.0000035mmHgに達した時点で、基台をヒーターで加熱し、温度約450℃で前記アナターゼ型TiO2を蒸発させ、ホルダー上の活性炭表面に当該アナターゼ型TiO2を担持、形成させることにより、表面に光触媒材料が担持された活性炭粉末を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対し、前記光触媒材料が担持された活性炭粉末45重量部を配合し、ニーダーによって均一に加熱、混練した後、細孔から押し出しながら、細かく切断することにより、粒状の本発明の機能性マスターバッチを得た。
比較例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対し、光触媒材料を担持していない活性炭粉末45重量部を配合し、ニーダーによって均一に混練した後、細孔から押し出しながら、細かく切断することにより、粒状のマスターバッチを得た。
この実施例1で得られた本発明の機能性マスターバッチ及び比較例1で得られたマスターバッチについて、以下の要領でアンモニア性窒素の吸着能試験を行った。
アンモニア性窒素の吸着能試験は、アンモニア性窒素の初期濃度が20mg/Lとなるように硫酸アンモニウム(試薬特級)で1Lの検液を調整し、実施例1で得られた機能性マスターバッチ及び比較例で得られたマスターバッチをそれぞれ浸漬して、スターラーで緩く攪拌しながら24時間経過時のアンモニア性窒素濃度をインドフェノール青吸光光度法により測定し、除去率を計算した。
ここにおいて、Lとはリットルの意味である。
その結果、24時間経過後のアンモニア性窒素の除去率は実施例1で得られた機能性マスターバッチ及び比較例で得られたマスターバッチのいずれも70%前後となることが確認された。
その後、同条件で48時間経過した後に、アンモニア性窒素濃度を測定したところ、比較例1で得られたマスターバッチにおける48時間経過後のアンモニア性窒素の除去率は75%程度となっており、活性炭の吸着能が飽和状態に達していることが認められた。
一方、実施例1で得られた機能性マスターバッチにおける48時間経過後のアンモニア性窒素の除去率は88%にまで上昇していることが確認され、これより、本発明の機能性マスターバッチにおける微粒子に対する吸着特性及び自浄作用が認められた。
実施例1で得られた機能性マスターバッチを繊維状に加工し、この繊維群を綿状に加工して機能性フィルターを得た。
比較例2
比較例1で得られたマスターバッチを繊維状に加工し、この繊維群を綿状に加工して機能性フィルターを得た。
アオコが発生している池の水(30リットル)を循環ポンプ付きの水槽に入れ、水の循環経路中に、前記実施例2で得られた綿状の機能性フィルターを設置し、ポンプの電源を入れたまま一週間水を循環させた。
又、アオコが発生している池の水(30リットル)を循環ポンプ付きの別水槽に入れ、水の循環経路中に、前記比較例2で得られた綿状の機能性フィルターを設置し、ポンプの電源を入れたまま一週間水を循環させた。
一週間経過後、各水槽内のアオコの状態を目視で確認したところ、実施例2で得られた綿状の機能性フィルターを設置した水槽については、アオコが死滅し、水の透明度も明らかに向上していることが認められた。
一方、比較例2で得られた綿状の機能性フィルターを設置したものについては、多少水の透明度が向上していることが確認されたが、アオコはそのままの状態で生存していることが確認された。

Claims (6)

  1. 表面に光触媒材料を担持してなる活性炭粉末を高分子樹脂材料に分散させ、これをマスターバッチとして加工されていることを特徴とする機能性マスターバッチ。
  2. 活性炭中に、機能性薬剤を染み込ませ、担持させてなる請求項1に記載の機能性マスターバッチ。
  3. 請求項1又は2に記載の機能性マスターバッチを成形加工してなることを特徴とする機能性成形加工品。
  4. 請求項1又は2に記載の機能性マスターバッチを、繊維状に加工してなることを特徴とする機能性繊維材料。
  5. 請求項4に記載の機能性繊維材料を糸状、綿状、布状、又は網状に加工してなることを特徴とする機能性繊維製品。
  6. 請求項5に記載の機能性繊維製品を用いて形成したことを特徴とする機能性フィルター。
JP2006106777A 2006-04-07 2006-04-07 機能性マスターバッチ、この機能性マスターバッチを成形加工してなる機能性成形加工品、機能性繊維材料、及びこの機能性繊維材料を加工してなる機能性繊維製品並びに機能性フィルター Pending JP2007277433A (ja)

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