JP2008033837A - 点検システム及び誤差補正プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】積算型センサを搭載するととともに、積算型センサの累積誤差を容易に補正することを可能とする点検システム及び誤差補正プログラムを提供する。
【解決手段】閉空間内において走行面上を自走する点検ロボット100を含む点検システムが、カメラユニット130を所定角度回転させる毎にカメラユニット130が撮像する閉空間の画像から水平線分を抽出する画像処理部230と、画像処理部230によって抽出された水平線分と、水平線分が抽出される閉空間の画像を撮像した際におけるカメラユニット130の回動角とに基づいて、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正する制御部240とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】閉空間内において走行面上を自走する点検ロボット100を含む点検システムが、カメラユニット130を所定角度回転させる毎にカメラユニット130が撮像する閉空間の画像から水平線分を抽出する画像処理部230と、画像処理部230によって抽出された水平線分と、水平線分が抽出される閉空間の画像を撮像した際におけるカメラユニット130の回動角とに基づいて、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正する制御部240とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、閉空間内において走行面上を自走する点検ロボットを含む点検システム、及び、点検ロボットに設けられた積算型センサの累積誤差を補正する誤差補正プログラムに関する。
近年、建造物のリフォームや防災に対する関心が高まってきており、建造物の点検を行う機会が増えている。特に、建造物の床下や天井裏などについては、人目に触れにくい一方で、建造物の基幹部分であるため、点検のニーズが高いと考えられる。
一方で、建造物の床下や天井裏などは、一般的に、非常に狭い空間であり、衛生状態も悪いため、作業員による目視点検が困難である。従って、建造物の床下や天井裏などを点検するために、建造物の床下や天井裏などを撮像可能な点検ロボットの導入が望まれている。
このような点検ロボットとして、カメラを搭載した自走式の点検ロボットが提案されている(例えば、特許文献1)。具体的には、この点検ロボットは、予め設けられたマーク(テープやペイント)を検出して、検出したマーク上を自走することによって、建造物の床下や天井裏などを移動する。
特開2002−232702号公報
しかしながら、上述した点検ロボットでは、建造物の床下や天井裏などにおいて、点検ロボットが検出するマークを予め設ける必要があるため、作業員の労力が十分に軽減されていない。
また、点検ロボットが撮像する画像を作業員が視認することによって、点検ロボットの位置や向きを確認することも考えられるが、建造物の床下や天井裏などでは、作業員が画像を通じて視認する光景に変化がないため、点検ロボットの位置や向きを画像を通じて確認することが難しい。
さらに、点検ロボットの位置や向きを特定するために、点検ロボットが積算型センサ(ジャイロセンサ)などを搭載することも考えられるが、建造物の床下や天井裏などは閉空間であるため、GPSなどを利用して積算型センサの累積誤差を補正することができない場合がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、積算型センサを搭載するととともに、積算型センサの累積誤差を容易に補正することを可能とする点検システム及び誤差補正プログラムを提供することを目的とする。
第1の本発明の特徴は、閉空間内において走行面上を自走する点検ロボット(点検ロボット100)と、前記点検ロボットを遠隔操作する操作端末(操作端末200)とを含む点検システムにおいて、前記点検ロボットが、前記閉空間内を回動可能に撮像する撮像ユニット(カメラユニット130)と、前記点検ロボットの回動角の算出に用いられ、前記点検ロボットの向きの検出に用いられる積算型センサ(ジャイロセンサ150)とを有しており、点検ロボット又は操作端末が、前記撮像ユニットを所定角度回転させる毎に前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から水平線分を抽出する水平線分抽出部(画像処理部230)と、前記水平線分抽出部によって抽出された前記水平線分と、前記水平線分が抽出される前記閉空間の画像を撮像した際における前記撮像ユニットの回動角とに基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正する補正部(制御部160又は制御部240)との少なくとも一方を有することを要旨とする。
かかる特徴によれば、補正部は、水平線分抽出部によって抽出された水平線分と、水平線分が抽出される閉空間の画像を撮像した際における撮像ユニットの回動角とに基づいて、積算型センサの累積誤差を補正する。従って、建築物の床下や天井裏などのように、GPSなどを利用することができない閉空間内で積算型センサが用いられる場合であっても、積算型センサの累積誤差を容易に補正することができる。
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記撮像ユニットが、前記走行面と平行な面内で回動可能に前記閉空間を撮像することを要旨とする。
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記水平線分抽出部は、少なくとも90°に亘って前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から前記水平線分を抽出することを要旨とする。
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記閉空間が、前記走行面と平行な平面視において長方形の形状であり、前記水平線分抽出部が、360°に亘って前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から前記水平線分を抽出し、前記補正部が、前記水平線分抽出部によって抽出された前記水平線分を90°毎に4つの処理単位に区分けして、前記撮像ユニットの回動角と前記水平線分との関係を示す水平線分分布を前記処理単位毎に生成する分布生成部と、前記処理単位毎に生成された前記水平線分分布を合算する合算処理部とを有しており、前記合算処理部によって合算された前記水平線分分布に基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正することを要旨とする。
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記撮像ユニットを所定角度回転させる毎に前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から線分を抽出する線分抽出部(画像処理部230)を点検システムがさらに備え、前記補正部が、前記線分の本数と前記水平線分の本数との比率に基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正することを要旨とする。
第2の本発明の特徴は、閉空間内において走行面上を自走し、前記閉空間内を回動可能に撮像する撮像ユニットを有する点検ロボットに設けられており、点検ロボットの回動角の算出に用いられ、前記点検ロボットの向きの検出に用いられる積算型センサの累積誤差を補正する誤差補正プログラムが、前記撮像ユニットを所定角度回転させる毎に前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から水平線分を抽出するステップAと、前記ステップAで抽出された前記水平線分と、前記水平線分が抽出される前記閉空間の画像を撮像した際における前記撮像ユニットの回動角とに基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正するステップBとをコンピュータに実行させることを要旨とする。
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記撮像ユニットが、前記走行面と平行な面内で回動可能に前記閉空間を撮像することを要旨とする。
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記ステップAでは、少なくとも90°に亘って前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から前記水平線分を抽出することを特徴とする。
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記閉空間が、前記走行面と平行な平面視において長方形の形状であり、前記ステップAでは、360°に亘って前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から前記水平線分を抽出し、前記ステップBは、前記水平線分抽出部によって抽出された前記水平線分を90°毎に4つの処理単位に区分けして、前記撮像ユニットの回動角と前記水平線分との関係を示す水平線分分布を前記処理単位毎に生成するステップと、前記処理単位毎に生成された前記水平線分分布を合算するステップと、前記合算処理部によって合算された前記水平線分分布に基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正するステップとを含むことを要旨とする。
本発明の一の特徴は、本発明の上述した特徴において、前記撮像ユニットを所定角度回転させる毎に前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から線分を抽出するステップCを誤差補正プログラムがさらにコンピュータに実行させ、前記ステップBでは、前記線分の本数と前記水平線分の本数との比率に基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正することを要旨とする。
本発明によれば、積算型センサを搭載するととともに、積算型センサの累積誤差を容易に補正することを可能とする点検システム及び誤差補正プログラムを提供することができる。
以下において、本発明の実施形態に係る点検システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
なお、本発明の実施形態に係る点検システムは、閉空間内において走行面上を自走する点検ロボットと、点検ロボットを遠隔操作する操作端末とによって構成されている。
(点検ロボットの構成)
以下において、本発明の一実施形態に係る点検ロボットの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る点検ロボット100の構成を示す概略図である。なお、図1(a)は、点検ロボット100の側面視を示す図であり、図1(b)は、点検ロボット100の正面視を示す図であり、図1(c)は、点検ロボット100の上面視を示す図である。
以下において、本発明の一実施形態に係る点検ロボットの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る点検ロボット100の構成を示す概略図である。なお、図1(a)は、点検ロボット100の側面視を示す図であり、図1(b)は、点検ロボット100の正面視を示す図であり、図1(c)は、点検ロボット100の上面視を示す図である。
点検ロボット100は、建築物の床下や天井裏などの閉空間内において、走行面Sr上を自走するロボットである。また、点検ロボット100は、操作端末(図1では不図示)などによって遠隔操作で動作する。具体的には、点検ロボット100は、図1(a)〜図1(c)に示すように、前輪110aと、後輪110bと、キャタピラ120と、カメラユニット130とを有する。
なお、本実施形態において、閉空間は、走行面Srと平行な平面視で長方形であるものとして説明する。
前輪110a又は後輪110bは、キャタピラ120を回転させる駆動輪である。また、前輪110a又は後輪110bは、点検ロボット100の遠隔操作によって点検ロボット100の向きを左右方向に変えるように構成されている。
キャタピラ120は、前輪110a及び後輪110bに掛け渡されており、走行面Srの凹凸などを吸収する。
カメラユニット130は、走行面Srと平行な面内で回動可能に構成されており、建築物の床下や天井裏などの閉空間内を撮像するカメラ131を有している。すなわち、カメラユニット130は、カメラ131を左右方向(パン方向、ヨー角を変更する方向)に回動させる。
なお、カメラユニット130は、カメラ131を上下方向(チルト方向、ピッチ角を変更する方向)に回動させるように構成されていてもよい。また、カメラユニット130は、ロール角を変更する方向にカメラ131を回動させるように構成されていてもよい。
続いて、本発明の一実施形態に係る点検ロボットの機能ブロックについて、図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施形態に係る点検ロボット100の機能を示すブロック図である。なお、図2では、点検ロボット100の機能を説明するために必要な構成のみが記載されており、他の構成(例えば、キャタピラ120)が省略されていることに留意すべきである。
図2に示すように、点検ロボット100は、駆動輪110(前輪110a又は後輪110b)及びカメラユニット130に加えて、通信部140と、ジャイロセンサ150と、制御部160と、バッテリ170とを有する。
通信部140は、点検ロボット100と操作端末200との間で行われる通信のインターフェースである。具体的には、通信部140は、カメラユニット130によって撮像された閉空間の画像を操作端末200に送信する。また、通信部140は、閉空間の画像を撮像した際におけるカメラユニット130の回動角を操作端末200に送信する。
一方、通信部140は、点検ロボット100の動作を指示する指示信号を操作端末200から受信する。さらに、通信部140は、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正信号を操作端末200から受信する。
ジャイロセンサ150は、ジャイロセンサ150を搭載する点検ロボット100の回動に伴う角速度を検出して、検出した角速度を積分(単位時間毎に積算)することによって、点検ロボット100の回動角を検出する積算型センサである。このように、ジャイロセンサ150は、点検ロボット100の角速度の積算値によって、点検ロボット100の向きを検出する。
なお、一般的に、ジャイロセンサ150が検出する角速度には、ノイズや信号電圧の温度ドリフトなどに伴う誤差が含まれている。従って、角速度の積算によって誤差が累積的に蓄積される。累積的に蓄積される誤差を累積誤差と称する。
制御部160は、点検ロボット100の各構成を制御する。例えば、制御部160は、通信部140によって受信された指示信号に基づいて、駆動輪110の回転量を制御して、点検ロボット100の進行速度を制御する。また、制御部160は、通信部140によって受信された指示信号に基づいて、前輪110a(又は、後輪110b)の回動角を制御して、点検ロボット100の進行方向を制御する。さらに、制御部160は、通信部140によって受信された指示信号に基づいて、カメラユニット130の回動角を制御する。
また、制御部160は、通信部140によって受信された補正信号に基づいて、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正する。
バッテリ170は、点検ロボット100の動作に用いる電力を蓄積可能なバッテリであって、点検ロボット100に電力を供給する。例えば、バッテリ170は、リチウム電池などの一次電池、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池である。
(操作端末の構成)
以下において、本発明の一実施形態に係る操作端末の機能ブロックについて、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る操作端末200の機能を示すブロック図である。
以下において、本発明の一実施形態に係る操作端末の機能ブロックについて、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る操作端末200の機能を示すブロック図である。
図3に示すように、操作端末200は、通信部210と、操作I/F220と、画像処理部230と、制御部240とを有する。
通信部210は、点検ロボット100と操作端末200との間で行われる通信のインターフェースである。具体的には、通信部210は、カメラユニット130によって撮像された閉空間の画像を点検ロボット100から受信する。また、通信部210は、閉空間の画像を撮像した際におけるカメラユニット130の回動角を点検ロボット100から受信する。
一方、通信部210は、点検ロボット100の動作を指示する指示信号を点検ロボット100に送信する。さらに、通信部210は、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正信号を点検ロボット100に送信する。
操作I/F220は、ジョイスティックや各種キーなどによって構成されている。なお、作業員は、点検ロボット100の動作を指示する指示信号を操作I/F220を用いて入力する。
画像処理部230は、通信部210によって受信された閉空間の画像から、水平方向に延びる水平線分を抽出する。具体的には、画像処理部230は、閉空間の画像についてエッジ検出処理を行って、閉空間の画像に含まれる直線状のエッジ成分を取得する。また、画像処理部230は、取得した直線状のエッジ成分のうち、所定の長さ閾値(Lth)以上の直線状のエッジ成分を線分として抽出する。さらに、画像処理部230は、抽出した線分のうち、所定の傾き閾値(Ath)以下の線分を水平線分として抽出する。
続いて、画像処理部230は、閉空間の画像が撮像された際におけるカメラユニット130の回動角と、抽出した線分の本数と、抽出した水平線分の本数とをセットにして、制御部240に入力する。
ここで、画像処理部230は、360°に亘ってカメラユニット130が所定角度(例えば、6°)毎に撮像する画像から線分及び水平線分を抽出して、カメラユニット130の回動角、線分の本数及び水平線分の本数を制御部240に入力する。
制御部240は、カメラユニット130の回動角、線分の本数及び水平線分の本数に基づいて、線分の本数と水平線分の本数との比率(水平線分比率)を縦軸として、カメラユニット130の回動角を横軸とするヒストグラムを生成する。なお、ヒストグラムの詳細については後述する(図5を参照)。
具体的には、制御部240は、画像処理部230によって抽出された線分及び水平線分を90°毎に4つの処理単位に区分けする。すなわち、制御部240は、0〜90°の処理単位、90〜180°の処理単位、180〜270°の処理単位及び270〜360°の処理単位に区分けする。また、制御部240は、上述したヒストグラムを処理単位毎に生成して、処理単位毎に生成されたヒストグラムを合算する。
続いて、制御部240は、合算されたヒストグラムに基づいて、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正信号を生成する。具体的には、制御部240は、合算されたヒストグラムを参照して、水平線分比率が最も高いカメラユニット130の回動角を特定する。また、制御部240は、水平線分比率が最も高いカメラユニット130の回動角において、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直であると判定する。
例えば、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直であるとジャイロセンサ150によって推定される点検ロボット100の回動角を角度γとして、水平線分比率が最も高いカメラユニット130の回動角を角度θpとした場合に、ジャイロセンサ150の累積誤差角(α)は、α=γ−θpによって求められる。従って、制御部240は、ジャイロセンサ150の検出角を累積誤差角(α)だけ補正すべきことを指示する補正指示を生成する。
(閉空間の画像の一例)
以下において、本発明の一実施形態に係る閉空間の画像の一例について、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る閉空間の画像の一例を示す図である。なお、図4(a)は、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直である場合に撮像される画像を示す図であり、図4(b)は、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直でない場合に撮像される画像を示す図である。
以下において、本発明の一実施形態に係る閉空間の画像の一例について、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る閉空間の画像の一例を示す図である。なお、図4(a)は、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直である場合に撮像される画像を示す図であり、図4(b)は、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直でない場合に撮像される画像を示す図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直である場合に撮像される画像に含まれる水平線分の本数は、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直でない場合に撮像される画像に比べて多い。従って、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直である場合における水平線分比率も、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直でない場合に比べて高い。
(ヒストグラムの一例)
以下において、本発明の一実施形態に係るヒストグラムの一例について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るヒストグラムの一例を示す図である。
以下において、本発明の一実施形態に係るヒストグラムの一例について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るヒストグラムの一例を示す図である。
図5に示すように、ヒストグラムでは、横軸がカメラユニット130の回動角であり、縦軸が水平線分比率である。また、図5に示すヒストグラムでは、処理単位(0〜90°、90〜180°、180〜270°及び270〜360°)毎に生成されたヒストグラムが合算されている。
これは、走行面Srと平行な平面視において閉空間が長方形であり、閉空間を構成する複数の壁が一般的に同様の構成を有していることに着目して、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直である回動角の推定精度の向上を図るためである。
(点検システムの動作)
以下において、本発明の一実施形態に係る点検システムの動作について、図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る点検システムの動作を示すフロー図である。
以下において、本発明の一実施形態に係る点検システムの動作について、図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る点検システムの動作を示すフロー図である。
図6に示すように、ステップ10において、点検ロボット100は、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直であると目視で確認された方向に向けて設置され、点検ロボット100の向きが初期化される。すなわち、点検ロボット100の回動角(γ)に“0”をセットする。また、点検ロボット100は、カメラユニット130の回動角(θ)に“0”をセットする。
ステップ20において、点検ロボット100は、カメラユニット130の回動角(θ)が360°であるか否かを判定する。また、点検ロボット100は、カメラユニット130の回動角(θ)が360°である場合には、ステップ80の処理に移り、カメラユニット130の回動角(θ)が360°未満である場合には、ステップ30の処理に移る。
ステップ30において、点検ロボット100は、処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)が90°であるか否かを判定する。また、点検ロボット100は、処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)が90°である場合には、ステップ40の処理に移り、カメラユニット130の回動角(θH)が90°未満である場合には、ステップ50の処理に移る。
ステップ40において、点検ロボット100は、処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)に“0”をセットする。
ステップ50において、点検ロボット100は、閉空間の画像を撮像するとともに、閉空間の画像及び処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)を操作端末200に送信する。
ステップ60において、操作端末200は、点検ロボット100から受信した閉空間の画像から線分及び水平線分を抽出して、水平線分比率を算出する。なお、水平線分比率算出処理の詳細については後述する(図7を参照)。
なお、操作端末200は、水平線分比率と、処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)とを、上述したヒストグラムを作成するために記憶しておく。
ステップ70において、点検ロボット100は、カメラユニット130の回動角(θ)に所定角度(6°)を加算するとともに、処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)に所定角度(6°)を加算する。また、点検ロボット100は、カメラユニット130を所定角度(6°)回動させる。
ステップ80において、操作端末200は、水平線分比率を縦軸として、処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)を横軸とするヒストグラムを処理単位毎に生成する。続いて、操作端末200は、処理単位毎に生成されたヒストグラムを合算する。
なお、本実施形態では、処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)を操作端末200が点検ロボット100から受信するため、ヒストグラムの合算処理が容易であるが、これに限定されるものではない。
例えば、カメラユニット130の回動角(θ)を操作端末200が点検ロボット100から受信しておき、カメラユニット130の回動角(θ)が90°を超える場合には、カメラユニット130の回動角(θ)から90°を減算するなどして、処理単位におけるカメラユニット130の回動角(θH)を操作端末200側で算出してもよい。
ステップ90において、操作端末200は、ステップ80で合算されたヒストグラムを参照して、水平線分比率が最も高いカメラユニット130の回動角を特定する。また、操作端末200は、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直であるとジャイロセンサ150によって推定される点検ロボット100の回動角を角度γとして、水平線分比率が最も高いカメラユニット130の回動角を角度θpとした場合に、ジャイロセンサ150の累積誤差角(α)は、α=γ−θpによって求められる。
なお、図6では、ステップ10において、閉空間の壁に対して垂直であるとジャイロセンサ150によって推定される方向に点検ロボット100が向くため、角度γは0°である。従って、ジャイロセンサ150の累積誤差角(α)はθである。
続いて、操作端末200は、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正信号を点検ロボット100に送信し、点検ロボット100は、操作端末200から受信した補正信号に基づいてジャイロセンサ150の累積誤差を補正する。
次に、上述した水平線分比率算出処理について、図面を参照しながら説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る水平線分比率算出処理を示すフロー図である。
図7に示すように、ステップ61において、操作端末200は、線分の本数をカウントする線分カウンタに“0”をセットするとともに、水平線分の本数をカウントする水平線分カウンタに“0”をセットする。
ステップ62において、操作端末200は、点検ロボット100から受信した閉空間の画像についてエッジ検出処理を行う。
ステップ63において、操作端末200は、エッジ検出処理の結果に基づいて、閉空間の画像に含まれる直線状のエッジ成分を取得する。なお、直線状のエッジ成分の長さをLiと称し、直線状のエッジ成分の傾きをAiと称する。
ステップ64において、操作端末200は、ステップ63で取得された直線状のエッジ成分の中から、処理対象のエッジ成分を抽出する。続いて、操作端末200は、処理対象のエッジ成分の長さ(Li)が所定の長さ閾値(Lth)以上であるか否かを判定する。また、操作端末200は、処理対象のエッジ成分の長さ(Li)が所定の長さ閾値(Lth)以上である場合には、ステップ65の処理に移り、処理対象のエッジ成分の長さ(Li)が所定の長さ閾値(Lth)未満である場合には、ステップ68の処理に移る。
ステップ65において、操作端末200は、線分カウンタに“1”を加算する。
ステップ66において、操作端末200は、処理対象のエッジ成分の傾き(Ai)が所定の傾き閾値(Ath)以下であるか否かを判定する。また、操作端末200は、処理対象のエッジ成分の傾き(Ai)が所定の傾き閾値(Ath)以下である場合には、ステップ67の処理に移り、処理対象のエッジ成分の傾き(Ai)が所定の傾き閾値(Ath)よりも大きい場合には、ステップ68の処理に移る。
ステップ67において、操作端末200は、水平線分カウンタに“1”を加算する。
ステップ68において、操作端末200は、未処理のエッジ成分があるか否かを判定する。また、操作端末200は、未処理のエッジ成分がある場合には、ステップ64の処理に移り、未処理のエッジ成分がない場合には、ステップ69の処理に移る。
ステップ69において、操作端末200は、線分カウンタの値と水平線分カウンタの値とに基づいて水平線分比率を算出する。
(作用及び効果)
本発明の一実施形態に係る点検システムによれば、制御部240は、画像処理部230によって抽出された水平線分と、水平線分が抽出される閉空間の画像を撮像した際における回動角とに基づいて、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正指示を生成する。従って、建築物の床下や天井裏などのように、GPSなどを利用することができない閉空間内でジャイロセンサ150が用いられる場合であっても、ジャイロセンサ150の累積誤差を容易に補正することができる。
本発明の一実施形態に係る点検システムによれば、制御部240は、画像処理部230によって抽出された水平線分と、水平線分が抽出される閉空間の画像を撮像した際における回動角とに基づいて、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正指示を生成する。従って、建築物の床下や天井裏などのように、GPSなどを利用することができない閉空間内でジャイロセンサ150が用いられる場合であっても、ジャイロセンサ150の累積誤差を容易に補正することができる。
また、制御部240は、走行面Srと平行な平面視において閉空間が長方形であることに着目して、処理単位(90°)毎に生成されたヒストグラムを合算して、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正指示を生成する。従って、走行面Srと平行な平面視において閉空間が長方形であり、閉空間を構成する複数の壁が一般的に同様の構成を有していることに着目して、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直である回動角の推定精度の向上を図ることができる。
ここで、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直である場合に比べて、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直でない場合に、画像処理部230によって抽出される線分のうち、水平線分ではない線分(斜め線分)が多く現れる。
この点に着目して、制御部240が、水平線分カウンタの値と線分カウンタの値との比率に基づいて、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正指示を生成することにより、点検ロボット100の向きが閉空間の壁に対して垂直である回動角の推定精度をさらに高めることができる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態に係る点検システムの動作は、コンピュータにおいて実行可能なプログラムとしても提供することができる。
また、上述した実施形態では、線分及び水平線分の抽出などの画像処理、ヒストグラムの生成、ジャイロセンサ150の累積誤差角(α)の算出などの処理は、操作端末200によって行われるが、これに限定されるものではない。具体的には、これらの処理の一部又は全部は、点検ロボット100によって行われてもよい。
さらに、上述した実施形態では、走行面Srと平行な平面視において閉空間が長方形であるが、これに限定されるものではない。例えば、走行面Srと平行な平面視において、閉空間は三角形や五角形以上の矩形形状であってもよい。
この場合において、点検ロボット100は、閉空間の壁に対して垂直であるとジャイロセンサ150によって推定される方向に対して、±45°の範囲で所定角度毎に閉空間の画像を撮像する。一方で、操作端末200は、点検ロボット100によって所定角度毎に撮像された閉空間の画像(90°の範囲)に基づいてヒストグラムを生成する。
また、上述した実施形態では、360°に亘って所定角度毎に閉空間の画像を撮像するが、これに限定されるものではない。例えば、ジャイロセンサ150の累積誤差が小さいと見込まれる場合には、閉空間の画像を撮像する角度範囲を小さくしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、操作端末200は、水平線分の本数と線分の本数との比率である水平線分比率に基づいて、ジャイロセンサ150の累積誤差を補正するための補正指示を生成するが、これに限定されるものではない。具体的には、操作端末200は、単に水平線分の本数のみに基づいて補正指示を生成してもよい。
また、上述した実施形態では、積算型センサの一例としてジャイロセンサ150を挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、積算型センサは、点検ロボット100に設けられた左右のクローラ(キャタピラ120)の回転数(又は、左右のクローラを駆動するモータの回転数)をデジタル値で検出するロータリエンコーダであってもよい。ここで、ロータリエンコーダは、点検ロボット100の向きの検出に用いられ、左右のクローラの回転数差(又は、左右のクローラを駆動するモータの回転数差)に基づいて、点検ロボット100の回動角が算出される。
100・・・点検ロボット、110・・・駆動輪、110a・・・前輪、110b・・・後輪、120・・・キャタピラ、130・・・カメラユニット、131・・・カメラ、140・・・通信部、150・・・ジャイロセンサ、160・・・制御部、170・・・バッテリ、200・・・操作端末、210・・・通信部、220・・・操作I/F、230・・・画像処理部、240・・・制御部
Claims (6)
- 閉空間内において走行面上を自走する点検ロボットと、前記点検ロボットを遠隔操作する操作端末とを含む点検システムであって、
前記点検ロボットは、
前記閉空間内を回動可能に撮像する撮像ユニットと、
前記点検ロボットの回動角の算出に用いられ、前記点検ロボットの向きの検出に用いられる積算型センサとを有しており、
前記点検ロボット又は前記操作端末は、
前記撮像ユニットを所定角度回転させる毎に前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から水平線分を抽出する水平線分抽出部と、
前記水平線分抽出部によって抽出された前記水平線分と、前記水平線分が抽出される前記閉空間の画像を撮像した際における前記撮像ユニットの回動角とに基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正する補正部との少なくとも一方を有することを特徴とする点検システム。 - 前記撮像ユニットは、前記走行面と平行な面内で回動可能に前記閉空間内を撮像することを特徴とする請求項1に記載の点検システム。
- 前記水平線分抽出部は、少なくとも90°に亘って前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から前記水平線分を抽出することを特徴とする請求項1に記載の点検システム。
- 前記閉空間は、前記走行面と平行な平面視において長方形の形状であり、
前記水平線分抽出部は、360°に亘って前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から前記水平線分を抽出し、
前記補正部は、
前記水平線分抽出部によって抽出された前記水平線分を90°毎に4つの処理単位に区分けして、前記撮像ユニットの回動角と前記水平線分との関係を示す水平線分分布を前記処理単位毎に生成する分布生成部と、
前記処理単位毎に生成された前記水平線分分布を合算する合算処理部とを有しており、
前記合算処理部によって合算された前記水平線分分布に基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の点検システム。 - 前記撮像ユニットを所定角度回転させる毎に前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から線分を抽出する線分抽出部をさらに備え、
前記補正部は、前記線分の本数と前記水平線分の本数との比率に基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正することを特徴とする請求項1に記載の点検システム。 - 閉空間内において走行面上を自走し、前記閉空間内を回動可能に撮像する撮像ユニットを有する点検ロボットに設けられており、前記点検ロボットの回動角の算出に用いられ、前記点検ロボットの向きの検出に用いられる積算型センサの累積誤差を補正する誤差補正プログラムであって、コンピュータに、
前記撮像ユニットを所定角度回転させる毎に前記撮像ユニットが撮像する前記閉空間の画像から水平線分を抽出するステップAと、
前記ステップAで抽出された前記水平線分と、前記水平線分が抽出される前記閉空間の画像を撮像した際における前記撮像ユニットの回動角とに基づいて、前記積算型センサの累積誤差を補正するステップBとを実行させることを特徴とする誤差補正プログラム。
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---|---|---|---|
JP2006209180A JP2008033837A (ja) | 2006-07-31 | 2006-07-31 | 点検システム及び誤差補正プログラム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009281977A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Tamagawa Seiki Co Ltd | 空間安定装置 |
JP2019519842A (ja) * | 2016-05-18 | 2019-07-11 | フラウンホーファー−ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ. | バーチャル環境表示における視方向の設定方法 |
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- 2006-07-31 JP JP2006209180A patent/JP2008033837A/ja not_active Withdrawn
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