JP2019191806A - 異常検出装置および異常検出方法 - Google Patents

異常検出装置および異常検出方法 Download PDF

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直士 垣田
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康司 大西
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隆幸 小笹
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武生 松本
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Abstract

【課題】移動体に搭載されたカメラの異常を適切に検出することができる技術を提供する。【解決手段】移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出装置は、前記カメラの画像に基づいて特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出部と、前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定部と、前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得部と、前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定部と、を備える。前記移動情報推定部は、前記フロー導出部により導出されたオプティカルフローに、前記移動体の影に由来する前記オプティカルフローが含まれているか判断し、含まれている場合に、前記移動体の影に由来する前記オプティカルフローを除外する除外処理を行って前記第1移動情報を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、異常検出装置および異常検出方法に関し、詳細には、移動体に搭載されたカメラの異常検出に関する。
従来、車両等の移動体にカメラが搭載され、当該カメラは例えば駐車支援等に利用されている。例えば車両に搭載される車載カメラは、車両を工場から出荷する前に、車両に固定状態で取り付けられる。しかしながら、車載カメラは、例えば不意の接触や経年変化等によって、工場出荷時の取付け状態からずれを起こすことがある。車載カメラの取付け位置や角度がずれると、カメラ画像を利用して判断されるハンドルの操舵量等に誤差が生じるために、車載カメラの取付けのずれを検出することは重要である。
特許文献1に開示される車両用走行支援装置は、後方カメラで取得した画像を画像処理部で画像処理することで車両状態量によらずに車両の移動量を算出する第1の移動量算出手段と、車輪速センサと、操舵角センサの出力を基にして車両状態量に基づいて車両の移動量を算出する第2の移動量算出手段とを備える。例えば、第1の移動量算出手段は、後方カメラで取得した画像データからエッジ抽出等の手法により特徴点を抽出し、逆射影変換によって設定した特徴点の地表面上における位置を算出し、その位置の移動量を基にして車両の移動量を算出する。特許文献1には、求めた車両の移動量を比較して、偏差が大きい場合には、第1の移動量算出手段と第2の移動量算出手段との算出結果とのうちのいずれか一方に問題が生じている可能性があることが開示されている。
特開2004−338637号公報 特開2015−200976号公報
移動体の影がカメラの画像中に存在する場合、例えば影の境界位置等に、移動体が移動したにもかかわらず、短時間に撮影された2画像間で移動量がゼロになる特徴点が検出される(例えば特許文献2参照)。このために、カメラの画像中に移動体の影が存在する場合に、画像データ中の特徴点の動きを利用して移動体の移動量を推定すると、移動量の推定値が不正確になることがある。そして、この推定値を利用してカメラが正常であるか否かを判定すると、誤判定を生じる可能性がある。
本発明は、移動体に搭載されたカメラの異常を適切に検出することができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の異常検出装置は、移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出装置であって、前記カメラの画像に基づいて特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出部と、前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定部と、前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得部と、前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定部と、を備え、前記移動情報推定部は、前記フロー導出部により導出されたオプティカルフローに、前記移動体の影に由来する前記オプティカルフローが含まれているか判断し、含まれている場合に、前記移動体の影に由来する前記オプティカルフローを除外する除外処理を行って前記第1移動情報を推定する構成(第1の構成)になっている。
また、上記目的を達成するために本発明の異常検出装置は、移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出装置であって、前記カメラの画像に基づいて特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出部と、前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定部と、前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得部と、前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定部と、を備え、前記移動情報推定部は、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローが所定量以下である場合に、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローを除外する除外処理を行って前記第1移動情報を推定する構成(第2の構成)になっている。
上記第2の構成の異常検出装置において、前記移動情報推定部は、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローが前記所定量を超える場合に、前記除外処理を行うことなく前記第1移動情報を推定する構成(第3の構成)であることが好ましい。
上記第2の構成の異常検出装置において、前記異常判定部は、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローが前記所定量を超える場合に、前記カメラの異常を検出する構成(第4の構成)であってよい。
上記第2から第4のいずれかの構成の異常検出装置において、前記移動情報推定部は、前記移動体の速度が所定の速度閾値より小さい場合、前記除外処理を行うことなく前記第1移動情報を推定する構成(第5の構成)であってよい。
上記第2から第5のいずれかの構成の異常検出装置において、前記特徴点は、前記カメラの画像の所定領域内から抽出され、前記所定領域内には、複数のブロックが設定され、各前記ブロックから抽出される前記特徴点の数は最大1つである構成(第6の構成)が好ましい。
上記第2から第6のいずれかの構成の異常検出装置において、前記フロー導出部によって導出される前記オプティカルフローには、前記カメラの画像から取得される第1オプティカルフローと、前記第1オプティカルフローを座標変換して取得される第2オプティカルフローと、が含まれ、前記オプティカルフローの大きさがゼロとみなせるか否かは、前記第1オプティカルフロー又は前記第2オプティカルフローを用いて判定される構成(第7の構成)であることが好ましい。
上記第2から第7のいずれかの構成の異常検出装置において、前記オプティカルフローの、前後方向成分の二乗と、左右方向成分の二乗との和が所定値以下である場合に、当該オプティカルフローは大きさがゼロであるとみなされる構成(第8の構成)であってよい。
上記第2から第8のいずれかの構成の異常検出装置は、前記カメラの画像中における、前記移動体の影の境界位置を検出する境界検出部を更に備え、前記移動情報推定部は、前記除外処理に加えて、前記境界位置上にある前記オプティカルフローと、前記境界位置に跨る前記オプティカルフローとのうち少なくとも一方を除外する処理を行って記第1移動情報を推定する構成(第9の構成)であってよい。
上記第2から第9のいずれかの構成の異常検出装置は、前記カメラの画像中における、前記移動体の影の境界位置を検出する境界検出部を更に備え、前記移動情報推定部は、前記除外処理に加えて、複数の前記オプティカルフローから所定の閾値に基づいて一部の前記オプティカルフローを除外する処理を行って前記第1移動情報を推定し、前記所定の閾値が、前記境界位置に基づいて決められる前記影の内側と外側とで異なる構成(第10の構成)であってよい。
上記第1から第10のいずれかの構成の異常検出装置において、前記移動情報取得部は、前記移動体に設けられる前記カメラ以外のセンサから得られる情報に基づいて前記第2移動情報を取得する構成(第11の構成)であることが好ましい。
上記第1から第11のいずれかの構成の異常検出装置において、前記異常は、前記カメラの取付けのずれが生じた状態である構成(第12の構成)であることが好ましい。
上記目的を達成するために本発明の異常検出方法は、移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出方法であって、前記カメラの画像に基づいて特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出工程と、前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定工程と、前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得工程と、前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定工程と、を備え、前記第1移動情報の推定は、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローが所定量以下である場合に、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローを除外する除外処理を行って実施される構成(第13の構成)になっている。
本発明によると、移動体に搭載されたカメラの異常を適切に検出することができる。
異常検出システムの構成を示すブロック図 車載カメラが車両に配置される位置を例示する図 異常検出装置によるカメラずれの検出フローの一例を示すフローチャート 特徴点を抽出する手法を説明するための図 第1オプティカルフローを導出する手法を説明するための図 座標変換処理を説明するための図 移動情報推定部によって生成された第1ヒストグラムの一例を示す図 移動情報推定部によって生成された第2ヒストグラムの一例を示す図 カメラずれが発生した場合のヒストグラムの変化を例示する図 異常判定部によって行われるカメラずれ判定処理の一例を示すフローチャート フロントカメラによって撮影された撮影画像を例示する模式図 図11に示す撮影画像に基づいて生成された第1ヒストグラムを示す図 大きなカメラずれを生じたフロントカメラによって撮影された撮影画像を例示する模式図 図13に示す撮影画像に基づいて生成された第1ヒストグラムを示す図 除外処理を行うか否かを判定するために用いる所定量の決め方について説明するための図 除去処理を行うか否かを判定する手順の一例を示すフローチャート 除去処理が実施された場合のヒストグラムについて説明するための模式図 除去処理が実施されない場合のヒストグラムについて説明するための模式図 第1変形例の異常検出装置の構成を示すブロック図 第2変形例の異常検出装置について説明するための模式図
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、移動体として車両を例にとり説明するが、移動体は車両に限定される趣旨ではない。車両には、例えば自動車、電車、無人搬送車等の車輪のついた乗り物が広く含まれる。車両以外の移動体として、例えば船舶や航空機等が挙げられる。
また以下の説明では、車両の直進進行方向であって、運転席からハンドルに向かう方向を「前方向」とする。また、車両の直進進行方向であって、ハンドルから運転席に向かう方向を「後方向」とする。また、車両の直進進行方向及び鉛直線に垂直な方向であって、前方向を向いている運転者の右側から左側に向かう方向を「左方向」とする。また、車両の直進進行方向及び鉛直線に垂直な方向であって、前方向を向いている運転者の左側から右側に向かう方向を「右方向」とする。
<1.異常検出システム>
図1は、本発明の実施形態に係る異常検出システムSYSの構成を示すブロック図である。本実施形態において、異常は、カメラの取付けのずれが生じた状態である。すなわち、異常検出システムSYSは、車両に搭載されたカメラの取付けのずれを検出するシステムである。詳細には、異常検出システムSYSは、例えば、車両の工場出荷時における車両へのカメラの取付け状態等の、基準となる取付け状態からのカメラのずれを検出するシステムである。図1に示すように、異常検出システムSYSは、異常検出装置1と、撮影部2と、入力部3と、センサ部4とを備える。
異常検出装置1は、車両に搭載されたカメラの異常を検出する装置である。詳細には、異常検出装置1は、車両に搭載されたカメラの取付けのずれを検出する装置である。取付けのずれには、取付け位置のずれや取付け角度のずれが含まれる。異常検出装置1を用いることによって、車両に搭載されたカメラの取付けのずれを迅速に検出することができ、例えば、カメラずれが生じた状態で運転支援等が行われることを防止することができる。以下、車両に搭載されたカメラのことを「車載カメラ」と表現することがある。
異常検出装置1は、車載カメラを有する各車両に備えられる。異常検出装置1は、撮影部2に含まれる車載カメラ21〜24で撮影された撮影画像、および、当該装置1の外部に設けられるセンサ部4からの情報を処理して、車載カメラ21〜24の取付け位置や取付け角度のずれを検出する。異常検出装置1の詳細については後述する。
なお、異常検出装置1は、不図示の表示装置や運転支援装置に処理情報を出力してよい。表示装置は、異常検出装置1から出力される情報に基づいて、適宜、警告等を画面に表示してよい。運転支援装置は、異常検出装置1から出力される情報に基づいて、適宜、運転支援機能を停止したり、撮影情報の補正を行って運転支援を行ったりしてよい。運転支援装置は、例えば自動運転を支援する装置、自動駐車を支援する装置、緊急ブレーキを支援する装置等であってよい。
撮影部2は、車両周辺の状況を監視する目的で車両に設けられる。本実施形態では、撮影部2は、4つの車載カメラ21〜24を備える。各車載カメラ21〜24は、有線または無線によって異常検出装置1に接続される。図2は、車載カメラ21〜24が車両7に配置される位置を例示する図である。図2は、車両7を上から見た図である。図2に例示する車両は自動車である。
車載カメラ21は車両7の前端に設けられる。このため、車載カメラ21をフロントカメラ21とも呼ぶ。フロントカメラ21の光軸21aは車両7の前後方向に沿っている。フロントカメラ21は車両7の前方向を撮影する。車載カメラ22は車両7の後端に設けられる。このため、車載カメラ22をバックカメラ22とも呼ぶ。バックカメラ22の光軸22aは車両7の前後方向に沿っている。バックカメラ22は車両7の後方向を撮影する。フロントカメラ21及びバックカメラ22の取付け位置は、車両7の左右中央であることが好ましいが、左右中央から左右方向に多少ずれた位置であってもよい。
車載カメラ23は車両7の左側ドアミラー71に設けられる。このため、車載カメラ23を左サイドカメラ23とも呼ぶ。左サイドカメラ23の光軸23aは車両7の左右方向に沿っている。左サイドカメラ23は車両7の左方向を撮影する。車載カメラ24は車両7の右側ドアミラー72に設けられる。このため、車載カメラ24を右サイドカメラ24とも呼ぶ。右サイドカメラ24の光軸24aは車両7の左右方向に沿っている。右サイドカメラ24は車両7の右方向を撮影する。
各車載カメラ21〜24は魚眼レンズで構成され、水平方向の画角θは180°以上である。このため、車載カメラ21〜24によって、車両7の水平方向における全周囲を撮影することができる。なお、本実施形態では、車載カメラの数は4つであるが、この数は適宜変更されてよく、複数でも単数でもよい。例えば、車両7がバックで駐車することを支援する目的で車載カメラが搭載されている場合には、撮影部2が有する車載カメラは、バックカメラ22、左サイドカメラ23、右サイドカメラ24の3つで構成されてよい。
図1に戻って、入力部3は、異常検出装置1に対する指示を入力可能とする。入力部3は、例えば、タッチパネル、ボタン、レバー等で構成されてよい。入力部3は、有線または無線によって異常検出装置1に接続される。
センサ部4は、車載カメラ21〜24が搭載される車両7に関する情報を検出する複数のセンサを有する。本実施形態では、センサ部4は、車速センサ41と舵角センサ42とを含む。車速センサ41は、車両7の速度を検出する。舵角センサ42は、車両7のステアリングホイール(ハンドル)の回転角を検出する。車速センサ41および舵角センサ42は、通信バス50を介して異常検出装置1と繋がる。すなわち、車速センサ41で取得された車両7の速度情報は、通信バス50を介して異常検出装置1に入力される。舵角センサ42で取得された車両7のステアリングホイールの回転角情報は、通信バス50を介して異常検出装置1に入力される。なお、通信バス50は、例えばCAN(Controller Area Network)バスであってよい。
<2.異常検出装置>
<2−1.異常検出装置の概要>
図1に示すように、異常検出装置1は、画像取得部11と、制御部12と、記憶部13とを備える。
画像取得部11は、4つの車載カメラ21〜24のそれぞれから、撮影画像を取得する。画像取得部11は、アナログの撮影画像をデジタルの撮影画像に変換するA/D変換機能などの基本的な画像処理機能を有する。画像取得部11は、取得した撮影画像に所定の画像処理を行い、処理後の撮影画像を制御部12に入力する。
制御部12は、例えばマイクロコンピュータであり、異常検出装置1の全体を統括的に制御する。制御部12は、CPU、RAMおよびROM等を備える。記憶部13は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部13は、ファームウェアとしてのプログラムや各種のデータを記憶する。
詳細には、制御部12は、フロー導出部121と、移動情報推定部122と、移動情報取得部123と、異常判定部124とを備える。すなわち、異常検出装置1は、フロー導出部121と、移動情報推定部122と、移動情報取得部123と、異常判定部124とを備える。制御部12が備えるこれら各部121〜124の機能は、例えば記憶部13に記憶されるプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことによって実現される。
なお、制御部12のフロー導出部121、移動情報推定部122、移動情報取得部123、および、異常判定部124の少なくともいずれか1つは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。また、フロー導出部121、移動情報推定部122、移動情報取得部123、および、異常判定部124は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてよい。また、画像取得部11は、制御部12のCPUがプログラムに従って演算処理を行うことによって実現される構成でもよい。
フロー導出部121は、カメラの画像に基づいて特徴点ごとにオプティカルフローを導出する。特徴点は、カメラによって撮影された画像中のエッジの交点など、撮影画像において際立って検出できる点である。特徴点は、例えば路面に描かれた白線のエッジ、路面上のひび、路面上のしみ、路面上の砂利等である。特徴点は、通常、1つの撮影画像の中に多数存在する。フロー導出部121は、例えば、ハリスオペレータ等の公知の手法を用いて撮影画像の特徴点を導出する。
オプティカルフローは、所定の時間間隔をあけて撮影された2つの画像間における特徴点の動きを示す動きベクトルである。本実施形態では、フロー導出部121によって導出されるオプティカルフローには、第1オプティカルフローと第2オプティカルフローとが含まれる。第1オプティカルフローは、カメラ21〜24の画像(画像そのもの)から取得されるオプティカルフローである。第2オプティカルフローは、第1オプティカルフローを座標変換して取得されるオプティカルフローである。本明細書では、同一の特徴点から導出される第1オプティカルフローOF1と第2オプティカルフローOF2とについて、特に区別する必要がない場合に、単にオプティカルフローと記載することがある。
なお、本実施形態では、車両7は4つの車載カメラ21〜24を有する。このために、フロー導出部121は、各車載カメラ21〜24について、オプティカルフローを特徴点ごとに導出する。また、フロー導出部121は、カメラ21〜24の画像から抽出された各特徴点を座標変換して上述の第2オプティカルフローに相当するオプティカルフローをいきなり導出する構成であってもよい。この場合、フロー導出部121は上述の第1オプティカルフローの導出は行わず、一種類のオプティカルフローのみを導出することになる。
移動情報推定部122は、オプティカルフローに基づき車両7の第1移動情報を推定する。本実施形態では、移動情報推定部122は、複数の第2オプティカルフローを統計処理して、第1移動情報を推定する。なお、本実施形態では、車両7が4つの車載カメラ21〜24を有するために、移動情報推定部122は、車載カメラ21〜24ごとに、車両7の第1移動情報を推定する。移動情報推定部122が行う統計処理は、ヒストグラムを用いた処理である。ヒストグラムを用いた第1移動情報の推定処理の詳細については後述する。
なお、第1移動情報は、本実施形態では車両7の移動距離である。ただし、第1移動情報は移動距離以外であってよい。第1移動情報は、例えば車両7の速度(車速)等であってよい。
移動情報取得部123は、第1移動情報の比較対象となる車両7の第2移動情報を取得する。本実施形態では、移動情報取得部123は、車両7に設けられるカメラ21〜24以外のセンサから得られる情報に基づいて第2移動情報を取得する。詳細には、移動情報取得部123は、センサ部4から得られる情報に基づいて第2移動情報を取得する。本実施形態では、第1移動情報が移動距離であるために、第1移動情報の比較対象となる第2移動情報も移動距離である。移動情報取得部123は、車速センサ41から得られる車速に所定の時間を乗じて移動距離を得る。本実施形態によれば、車両7が通常備えるセンサを用いてカメラずれを検出することができるために、カメラずれを検出するために必要となる設備コストを抑制することができる。
なお、第1移動情報が移動距離の代わりに車速である場合には、第2移動情報も車速とすればよい。また、移動情報取得部123は、車速センサ41の代わりにGPS(Global Positioning System)受信機から取得される情報に基づいて第2移動情報を取得してもよい。また、移動情報取得部123は、カメラずれの検出対象となる車載カメラ以外の少なくとも1つの車載カメラから得られる情報に基づいて第2移動情報を取得する構成としてもよい。この場合、移動情報取得部123は、カメラずれの検出対象となる車載カメラ以外の車載カメラから得られるオプティカルフローに基づいて第2移動情報を取得してよい。
異常判定部124は、第1移動情報と第2移動情報とに基づいてカメラ21〜24の異常を判定する。本実施形態では、異常判定部124は、第2移動情報として得られた移動距離を正解値として、当該正解値に対して第1移動情報として得られた移動距離のずれの大きさを判定する。当該ずれの大きさが所定の閾値を超える場合に、異常判定部124はカメラずれを検出する。なお、本実施形態では、車両7が4つの車載カメラ21〜24を有するために、異常判定部124は、車載カメラ21〜24ごとに異常の判定を行う。
図3は、異常検出装置1によるカメラずれの検出フローの一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、4つの車載カメラ21〜24のそれぞれについて、図3に示すカメラずれの検出フローが実施される。重複説明を避けるために、ここでは、フロントカメラ21の場合を代表例として、カメラずれの検出フローを説明する。
図3に示すように、まず、制御部12は、フロントカメラ21を搭載する車両7が直進しているか否かを監視する(ステップS1)。車両7が直進しているか否かは、例えば、舵角センサ42から得られるステアリングホイールの回転角情報に基づいて判断することができる。例えば、ステアリングホイールの回転角がゼロの時に車両7が完全にまっすぐに進むとした場合に、回転角がゼロの場合だけなく、回転角がプラス方向とマイナス方向の一定範囲内の回転である場合を含めて、車両7が直進していると判断してよい。なお、直進には、前進方向の直進と、後退方向の直進との両方が含まれる。
制御部12は、車両7の直進を検出するまで、ステップS1の監視を繰り返す。車両7が直進走行しない限り、カメラずれを判定するための情報が取得されない。これによれば、車両7の進行方向が曲がっている場合の情報を用いてカメラずれの判定が行われないために、カメラずれを判定するための情報処理が複雑になることを避けられる。
車両7が直進していると判断される場合(ステップS1でYes)、制御部12は、車両7の速度が所定速度範囲内であるか否かを確認する(ステップS2)。所定速度範囲は、例えば時速3km以上5km以下としてよい。本実施形態では、車両7の速度は車速センサ41によって取得することができる。なお、ステップS1とステップS2とは、順番が入れ替わってもよい。また、ステップS1とステップS2とは同時に処理が行われてもよい。
制御部12は、車両7の速度が所定速度範囲外である場合(ステップS2でNo)、ステップS1に戻って車両7の直進判断を行う。すなわち、本実施形態では、車両7の速度が所定速度範囲内でない限り、カメラずれを判定するための情報が取得されない。例えば、車両7の速度が速すぎると、オプティカルフローの導出に際して誤差が生じやすくなる。一方で、車両7の速度が遅すぎると、車速センサ41から取得される車両7の速度の信頼性が低下する。この点、本実施形態の構成によれば、車両7の速度が速すぎる場合や遅すぎる場合を除いてカメラずれの判定を行うことができるために、カメラずれの判定の信頼性を向上することができる。
なお、所定速度範囲は設定変更可能であることが好ましい。これによれば、所定速度範囲を各車両に適した値にすることができ、カメラずれの判定の信頼性を向上することができる。本実施形態では、所定速度範囲の設定は入力部3によって行うことができる。
車両7が所定速度範囲内で走行していると判断される場合(ステップS2でYes)、フロー導出部121によって特徴点の抽出が行われる(ステップS3)。フロー導出部121による特徴点の抽出は、車両7が所定速度範囲内で安定して走行している場合に行われることが好ましい。
図4は、特徴点FPを抽出する手法を説明するための図である。図4は、フロントカメラ21で撮影される撮影画像Pを模式的に示している。特徴点FPは路面RS上に存在する。図4においては、特徴点FPの数は2つとされているが、この数は便宜的なものであり、実際の数を示すものではない。通常、多数の特徴点が取得される。
図4に示すように、フロー導出部121は、特徴点FPを撮影画像Pの所定領域(以下、ROI(Region of Interest)という)内で抽出する。換言すると、特徴点FPは、カメラ21の画像の所定領域(ROI)内から抽出される。ROIは、撮影画像Pの中心部Cを含む広範囲に設定される。これにより、特徴点FPの発生箇所が均一でなく偏った範囲に偏在する場合でも、特徴点FPを抽出することができる。なお、ROIは、車両7のボディBOが映る領域は避けて設定される。
特徴点FPが抽出されると、フロー導出部121は、抽出した特徴点FPごとに第1オプティカルフローを導出する(ステップS4)。図5は、第1オプティカルフローOF1を導出する手法を説明するための図である。図5は、図4と同様に便宜的に示された模式図である。図5は、図4に示す撮影画像(前フレームP)の撮影後、所定時間が経過した後にフロントカメラ21で撮影された撮影画像(現フレームP´)である。図4に示す撮影画像Pの撮影後、所定時間が経過するまでの間に、車両7は後退している。図5に示す破線の丸印は、図4に示す撮影画像Pの撮影時点における特徴点FPの位置を示す。
図5に示すように、車両7が後退すると、車両7の前方に存在する特徴点FPは車両7から離れる。すなわち、特徴点FPは、現フレームP´と前フレームPとで異なる位置に現れる。フロー導出部121は、現フレームP´の特徴点FPと前フレームPの特徴点FPとを、その近傍の画素値に基づいて対応付け、対応付けた特徴点FPのそれぞれの位置に基づいて第1オプティカルフローOF1を導出する。
第1オプティカルフローOF1が導出されると、フロー導出部121は、カメラ座標系で得られた各第1オプティカルフローOF1を座標変換して、ワールド座標系の第2オプティカルフローOF2を導出する(ステップS5)。図6は、座標変換処理を説明するための図である。図6に示すように、フロー導出部121は、フロントカメラ21の位置(視点VP1)から見た第1オプティカルフローOF1を、車両7が存在する路面の上方の視点VP2から見た第2オプティカルフローOF2に変換する。フロー導出部121は、撮影画像Pにおける各第1オプティカルフローOF1を、路面に相当する仮想平面RS_Vに投影することで、ワールド座標系の第2オプティカルフローOF2に変換する。第2オプティカルフローOF2は、車両7の路面RS上の動きベクトルであり、その大きさは車両7の路面上の移動量を示す。
次に、移動情報推定部122は、フロー導出部121で導出された複数の第2オプティカルフローOF2に基づいてヒストグラムを生成する(ステップS6)。本実施形態では、移動情報推定部122は、各第2オプティカルフローOF2を前後方向と左右方向との2成分に分けて、第1ヒストグラムと第2ヒストグラムとを生成する。図7は、移動情報推定部122によって生成された第1ヒストグラムHG1の一例を示す図である。図8は、移動情報推定部122によって生成された第2ヒストグラムHG2の一例を示す図である。なお、図7および図8はカメラずれが発生していない場合に得られたヒストグラムを示す。
図7に示す第1ヒストグラムHG1は、各第2オプティカルフローOF2の前後方向成分に基づいて得られたヒストグラムである。第1ヒストグラムHG1は、第2オプティカルフローOF2の数を度数とし、前後方向への移動距離(第2オプティカルフローOF2の前後方向成分の長さ)を階級とするヒストグラムである。図8に示す第2ヒストグラムHG2は、第2オプティカルフローOF2の左右方向成分に基づいて得られたヒストグラムである。第2ヒストグラムHG2は、第2オプティカルフローOF2の数を度数とし、左右方向への移動距離(第2オプティカルフローOF2の左右方向成分の長さ)を階級とするヒストグラムである。
図7および図8は、カメラずれが発生しておらず、車両7が所定速度範囲で後方に直進した場合に得られたヒストグラムである。このために、第1ヒストグラムHG1は、後方側の特定の移動距離(階級)に偏って度数が多くなる正規分布形状になっている。一方、第2ヒストグラムHG2は、移動距離ゼロの近傍の階級に偏って度数が多くなる正規分布形状になっている。
図9は、カメラずれが発生した場合のヒストグラムの変化を例示する図である。図9は、フロントカメラ21がチルト方向(鉛直方向)に回転してずれた場合を例示する。図9において、上段(a)はカメラずれが発生していない場合(正常時)の第1ヒストグラムHG1であり、下段(b)はカメラずれが発生した場合の第1ヒストグラムHG1である。フロントカメラ21のチルト方向の回転ずれは、主に第2オプティカルフローOF2の前後方向成分に影響を与える。図9に示す例では、フロントカメラ21のチルト方向の回転ずれによって、度数が大きくなる階級が正常時に比べて前方側にずれている。
なお、フロントカメラ21のチルト方向の回転ずれは、第2オプティカルフローOF2の左右方向成分に対する影響は小さい。このために、図示は省略するが、第2ヒストグラムHG2のカメラずれ前後の変化は、第1ヒストグラムHG1の場合に比べて小さい。ただし、これは、フロントカメラ21がチルト方向にずれた場合の話であり、フロントカメラ21が、例えばパン方向(水平方向)やロール方向(光軸を中心とする回転方向)等にずれを生じた場合には、異なったヒストグラム変化が発生する。
移動情報推定部122は、生成したヒストグラムHG1、HG2によって車両7の第1移動情報を推定する(ステップS7)。本実施形態では、移動情報推定部122は、第1ヒストグラムHG1によって、車両7の前後方向の移動距離を推定する。移動情報推定部122は、第2ヒストグラムHG2によって、車両7の左右方向の移動距離を推定する。すなわち、移動情報推定部122は、第1移動情報として、車両7の前後方向および左右方向の移動距離を推定する。これによれば、車両7の前後方向および左右方向の移動距離の推定値を用いてカメラずれの検出を行うことができるために、カメラずれの検出結果の信頼性を向上することができる。
本実施形態では、移動情報推定部122は、第1ヒストグラムHG1の中央値(メジアン)を前後方向の移動距離の推定値とする。移動情報推定部122は、第2ヒストグラムHG2の中央値を左右方向の移動距離の推定値とする。ただし、移動情報推定部122による推定値の決定方法は、これに限定されない。移動情報推定部122は、例えば、各ヒストグラムHG1、HG2の度数が最大となる階級の移動距離を推定値としてもよい。また、移動情報推定部122は、例えば、各ヒストグラムHG1、HG2において、移動距離の平均値を推定値としてもよい。
なお、図9に示す例では、一点鎖線はフロントカメラ21が正常である場合の前後方向の移動距離の推定値を示し、二点鎖線はカメラずれが発生した場合の前後方向の移動距離の推定値を示す。図9に示すように、カメラずれの発生によって、前後方向の移動距離の推定値に差Δが生じていることがわかる。
移動情報推定部122で車両7の第1移動情報の推定値が得られると、異常判定部124は、当該推定値と、移動情報取得部123で取得された第2移動情報とを比較してフロントカメラ21のずれ判定を行う(ステップS8)。
なお、移動情報取得部123は、第2移動情報として、車両7の前後方向および左右方向の移動距離を取得する。本実施形態では、移動情報取得部123は、センサ部4から取得される情報に基づいて車両7の前後方向および左右方向の移動距離を取得する。移動情報取得部123が第2移動情報を取得するタイミングは特に限定されるものではないが、移動情報取得部123は、例えば、移動情報推定部122による第1移動情報の推定処理と並行して第2移動情報を取得する処理を行ってよい。
本実施形態では、車両7が前後方向に直進している場合に得られる情報に基づいて、ずれの判定が行われる。このために、移動情報取得部123が取得する左右方向の移動距離はゼロになる。移動情報取得部123は、オプティカルフローを導出するための2つの撮影画像の撮影時間間隔と、当該時間間隔における車速センサ41によって得られる車両7の速度とによって、前後方向の移動距離を算出する。
図10は、異常判定部124によって行われるカメラずれ判定処理の一例を示すフローチャートである。まず、異常判定部124は、車両7の前後方向の移動距離について、移動情報推定部122で求めた推定値と、移動情報取得部123で取得した取得値との差の大きさが、閾値αより小さいか否かを確認する(ステップS11)。両者の差の大きさが閾値α以上である場合(ステップS11でNo)、異常判定部124は、フロントカメラ21の取付け状態が異常であり、カメラずれが生じていると判定する(ステップS15)。一方、両者の差の大きさが閾値αより小さい場合(ステップS11でYes)、異常判定部124は、車両7の前後方向の移動距離からは異常が検出されないと判定する。
車両7の前後方向の移動距離から異常が検出されない場合(ステップS11でYes)、異常判定部124は、車両7の左右方向の移動距離について、移動情報推定部122で求めた推定値と、移動情報取得部123で取得した取得値との差の大きさが、閾値βより小さいか否かを確認する(ステップS12)。両者の差の大きさが閾値β以上である場合(ステップS12でNo)、異常判定部124は、フロントカメラ21の取付け状態が異常であり、カメラずれが生じていると判定する(ステップS15)。一方、両者の差の大きさが閾値βより小さい場合(ステップS12でYes)、異常判定部124は、左右方向の移動距離からは異常が検出されないと判定する。
車両7の左右方向の移動距離からも異常が検出されない場合、異常判定部124は、車両7の前後方向および左右方向の移動距離に基づいて得られる特定値について、第1移動情報から得られる値と、第2移動情報から得られる値との差の大きさが、閾値γより小さいか否かを確認する(ステップS13)。本実施形態では、特定値は、車両7の前後方向の移動距離を二乗して得られる値と、左右方向の移動距離を二乗して得られる値との和の平方根値である。ただし、これは例示にすぎず、特定値は、例えば、車両7の前後方向の移動距離を二乗して得られる値と、左右方向の移動距離を二乗して得られる値との和であってもよい。
第1移動情報から得られる特定値と、第2移動情報から得られる特定値との差の大きさが閾値γ以上である場合(ステップS13でNo)、異常判定部124は、フロントカメラ21の取付け状態が異常であり、カメラずれが生じていると判定する(ステップS15)。一方、両者の差の大きさが閾値γより小さい場合(ステップS13でYes)、異常判定部124は、フロントカメラ21の取付け状態は正常であると判定する(ステップS14)。
本実施形態では、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値のうち、いずれか1つでも、異常が認められると、カメラずれが発生していると判定する。これによれば、カメラずれが発生しているにもかかわらず、カメラずれが発生していないと判定する可能性を低減できる。ただし、これは例示である。例えば、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値の全てにおいて異常が認められる場合に限って、カメラずれが発生していると判定する構成としてもよい。カメラずれの判定基準は、入力部3によって適宜変更することができることが好ましい。
本実施形態では、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値について、順番に比較を行う構成としたが、これらの比較は同じタイミングで行われてもよい。また、前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値について、順番に比較を行う構成の場合、その順番は特に限定されず、図10に示す順番とは異なる順番で比較が行われてもよい。また、本実施形態では、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値を用いてずれ判定を行う構成としたが、これは例示にすぎない。例えば、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値のうちのいずれか1つ、或いは、いずれか2つを用いてずれ判定を行う構成としてもよい。
本実施形態では、移動情報推定部122によって第1移動情報が得られるたびに、ずれ判定を行う構成としているが、これも例示にすぎない。移動情報推定部122による第1移動情報の推定処理が複数回行われた後にカメラずれの判定処理が行われる構成としてもよい。例えば、異常判定部124は、移動情報推定部122による第1移動情報の推定処理が所定回数行われた時点で、所定回数の第1移動情報(移動距離)を累積して得られた累積値を用いてずれ判定を行う構成としてよい。この際、第1移動情報の累積値と比較されるのは、各第1移動情報の比較対象となる第2移動情報の累積値である。
本実施形態では、異常判定部124によって、カメラずれが生じていると一度判定されただけで、カメラずれが発生しているとの判定を確定し、カメラずれを検出する構成としている。これに限らず、異常判定部124によってカメラずれが生じていると判定された場合に、少なくとも1回、再判定を行い、再判定によって更にカメラずれが生じていると判定された場合に、カメラずれが発生しているとの判定を確定してもよい。
なお、カメラずれが検出された場合、異常検出装置1は、そのことを運転者等に報知するための処理を行うことが好ましい。また、異常検出装置1は、車載カメラ21〜24からの情報を用いて運転支援を行う運転支援装置に、カメラずれが発生していることを通知する処理を行うことが好ましい。本実施形態では、4つの車載カメラ21〜24が存在するが、4つの車載カメラ21〜24のうちの1つでもカメラずれが発生した場合には、上記報知処理及び通知処理を行うことが好ましい。
<2−2.異常検出装置における除去処理>
次に、移動情報推定部122によって実施される除去処理について説明する。なお、異常検出装置1は、各車載カメラ21〜24のカメラずれの検出処理を行う際に、必要に応じて移動情報推定部122による除去処理を行う。本実施形態では、移動情報推定部122は、フロー導出部121により導出されたオプティカルフローに、車両7の影に由来するオプティカルフローが含まれているか判断し、含まれている場合に、車両7の影に由来するオプティカルフローを除外する除外処理を行って第1移動情報を推定する。各車載カメラ21〜24に対して行われる除去処理は同じであるために、ここでも重複説明を避けるべく、フロントカメラ21の場合を例にとり説明する。
図11は、フロントカメラ21によって撮影された撮影画像Pを例示する模式図である。図11に示すように、撮影画像Pにはフロントカメラ21を搭載する車両7自身の影SH(以下、自車影SHという)がROI内に映っている。例えば、自車影SHの境界位置BOR等においては、車両7が移動しているにもかかわらず、オプティカルフローの大きさがゼロ又はゼロ近傍の値になる特徴点が検出されることが分かっている。
図12は、図11に示す撮影画像Pに基づいて生成された第1ヒストグラムHG1を示す図である。第1ヒストグラムHG1はROI内で検出されたオプティカルフローに基づいて生成される。図12に示す第1ヒストグラムHG1においては、自車影SHの存在によって、移動距離ゼロ近傍にピークを示す階級が現れている。すなわち、図12に示す第1ヒストグラムHG1には、車両7の実際の移動距離に応じたピークと、自車影SHに由来するピークとが現れており、第1ヒストグラムHG1に従って推定される第1移動情報は不正確になる。このために、車両7が移動しているにもかかわらず、大きさがゼロ又はゼロ近傍の値になるオプティカルフローが検出された場合には、当該オプティカルフローを除去してヒストグラムを生成することが考えられる。
図13は、大きなカメラずれを生じたフロントカメラ21によって撮影された撮影画像Pを例示する模式図である。図13に示す例では、フロントカメラ21が大きくずれて、ROI内には、空および遠方の建物(立体物)が主として映っている。通常、空や遠方の立体物からも特徴点が取得される。
図14は、図13に示す撮影画像Pに基づいて生成された第1ヒストグラムHG1を示す図である。図14に示すように、空および遠方の立体物に由来する特徴点のオプティカルフローは、車両7が移動しているにもかかわらず、ベクトルの大きさがゼロ又はゼロ近傍の値になる。このために、大きさがゼロ又はゼロ近傍の値になるオプティカルフローが検出された場合に当該オプティカルフローを単純に除去してヒストグラムを生成する構成とすると、大きなずれを生じたカメラずれを検出することが出来なくなる可能性がある。そこで、本実施形態では、特定条件の場合に限って、大きさがゼロ又はゼロ近傍の値になるオプティカルフローを除去する処理を行ってカメラずれの判定処理を行う構成になっている。
詳細には、移動情報推定部122は、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローが所定量以下である場合に、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローを除外する除外処理を行って第1移動情報を推定する。より詳細には、移動情報推定部122は、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローが所定量以下である場合に、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローは自車影に由来するオプティカルフローであるとみなし、当該オプティカルフローを除外する除外処理を行って第1移動情報を推定する。大きさがゼロとみなせるオプティカルフローとは、大きさがゼロのオプティカルフローのみでもよいが、大きさがゼロおよびゼロ近傍であるオプティカルフローを含むことが好ましい。換言すると、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローは、大きさがゼロを含む所定の範囲内であるオプティカルフローであることが好ましい。また、所定量とは、オプティカルフローの量の大小を比較できる値であればよく、例えば所定数や所定割合であってよい。
オプティカルフローの大きさがゼロとみなせるか否かは、第1オプティカルフローOF1又は第2オプティカルフローOF2を用いて判定される。第1オプティカルフローOF1と第2オプティカルフローOF2とのうちの一方のみを用いて、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローを検出するために、処理負担を軽減することができる。
本実施形態では、第1オプティカルフローOF1を用いて、オプティカルフローOF1の大きさがゼロとみなせるか否かを判定する。これによると、大きさがゼロとみなせる第1オプティカルフローOF1の除外処理を行った後に、座標変換を行って第2オプティカルフローOF2を求めることができる。このために、座標変換を行う第1オプティカルフローOF1の数を減らすことができ、処理負担を軽減することができる。また、第2オプティカルフローOF2は、第1オプティカルフローOF1に比べて少しの動きでも大きさが大きくなり易く、遠方の特徴点についてばらつきを生じやすい。このために、本実施形態のように第1オプティカルフローOF1を用いることによって、オプティカルフローの大きさがゼロであるか否かを精度良く求めることができる。
オプティカルフローの、前後方向成分の二乗と、左右方向成分の二乗との和が所定値以下である場合に、当該オプティカルフローは大きさがゼロであるとみなされる。これによれば、オプティカルフローの大きさがゼロとみなせるか否かを簡単な計算によって求めることができる。本実施形態では、第1オプティカルフローOF1を用いて、前後方向成分の二乗と左右方向成分の二乗との和が求められる。所定値は、実験やシミュレーションによって適宜設定される。なお、オプティカルフローは大きさがゼロであるか否かは、例えば、オプティカルフローの、前後方向成分の二乗と左右方向成分の二乗との和の平方根値によって求められてもよい。
図15は、除外処理を行うか否かを判定するために用いる所定量の決め方について説明するための図である。図15は、図11の一点鎖線で囲まれた領域REを拡大して示す模式図である。図15に示すように、ROI(所定領域)内には複数のブロックBLが設定される。ブロックBLのサイズ(横×縦)は特に限定されないが、例えば4×4ドットとされる。すなわち、1つのブロックBLは、例えば16画素で構成される。
ブロックBLは、特徴点FPを抽出する単位として設定される。すなわち、各ブロックBLから抽出される特徴点FPの数は最大1つである。フロー導出部121は、各ブロックBLについて、特徴点FPを抽出しない場合があるが、各ブロックBLから2つ以上の特徴点FPを抽出することはない。フロー導出部121は、1つのブロックBL中に複数の特徴点FPを検出した場合、特徴度が最も大きい特徴点FPを1つ抽出する。これによれば、特徴点FPの数が必要以上に多くなることを避けて、制御部12の処理負担を軽減することができる。
大きさがゼロとみなせるオプティカルフローは、自車影SHの境界位置BOR(自車影SHの周縁)付近に発生しやすい。例えば、ROIのサイズ(横×縦)が320×128ドット、ブロックサイズ(横×縦)が4×4ドットとする。この場合、自車影SHに由来する特徴点FPが横一列に並んで生じたとしても、当該特徴点FPの数は80個(=320/4)である。これよりも更に多めに見積もっても、例えば、自車影SHに由来する特徴点FPの数は160個(=80×2)程度と推測される。すなわち、自車影SHがROI中に存在する場合でも、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローの数は160個を超えないと推測される。一方、図14を参照してわかるように、カメラ21が大きくずれて空や遠方の立体物が映っている場合には、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローの数は160個よりずっと大きな数となることが予想される。
したがって、上述の例では、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローの数が160個以下である場合、当該大きさがゼロとみなせるオプティカルフローは自車影SHに由来するものであり、カメラずれの判定を行うには不適切なものであると推測できる。このため、フロー導出部121によって得られたオプティカルフローから、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローを除去して第1移動情報を求めることにより、正しいカメラずれの判定を行うことができる。
以上のように、所定量はROIのサイズおよびブロックBLのサイズに基づいて求めることができる。なお、上述の例では、自車影SHに由来する特徴点FPの数を多めに見積もるための係数として「2」を乗じたが、これは例示にすぎない。当該係数は、例えば、車両7(自車)の形状等によって適宜変更されてよい。例えば、車両7の形状に由来する影が直線状となるか、凸形状となるかによって、係数を変更する構成としてよい。例えば、後者の方が境界線(境界位置BOR)の距離が長くなるために、前者の場合に比べて係数が大きくされてよい。換言すると、所定量は、ROIのサイズ、ブロックBLのサイズ、及び、自車両の形状に基づいて求めることができる。
本実施形態によれば、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローが自車影SHに由来して生じていると判断される場合に限って、当該オプティカルフローを除去してヒストグラムの生成を行うことができる。このために、第1移動情報の推定精度を向上することができ、カメラずれの判定処理を正確に行うことができる。
なお、本実施形態では、移動情報推定部122は、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローが所定量以下である場合に、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローを除外する除外処理を必ず行う構成になっているが、これは例示である。例えば、移動情報推定部122は、車両7の速度が所定の速度閾値より小さい場合、上述の除外処理を行うことなく第1移動情報を推定する構成としてもよい。所定の速度閾値は、例えば、時速1km以下等であってよい。これによれば、車両7の速度が低速である場合に、必要以上にオプティカルフローの除去を行って第1移動情報の推定精度が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態では、移動情報推定部122は、大きさがゼロとみなされるオプティカルフローが所定量を超える場合に、除外処理を行うことなく第1移動情報を推定する。推定値として得られた第1移動情報は、第2移動情報との比較に用いられ、カメラのずれ判定が行われる。本実施形態によれば、第1移動情報の推定精度を向上しつつ、大きなずれを生じたカメラずれを検出することもできる。大きさがゼロとみなされるオプティカルフローが所定量を超える場合、カメラ21の大きなずれが生じている可能性が高いことがわかる。本実施形態では、このような場合でも、第1移動情報と第2移動情報とを比較してカメラのずれ判定を行うために、誤判定を行う可能性を低減することができる。
なお、異常判定部124は、大きさがゼロとみなされるオプティカルフローが所定量を超える場合に、カメラ21の異常を検出してもよい。すなわち、大きさがゼロとみなされるオプティカルフローが所定量を超えた場合、第1移動情報の推定が行われることなく、カメラ21のずれが検出されてよい。これにより、カメラ21の大きなずれを迅速に検出ことができる。また、本実施形態では、自車影に由来するオプティカルフローが存在するか否かを、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローが所定量以下かどうかで判断したが、それ以外の方法で判断してもよい。例えば、自車影の境界位置を検出し(検出方法は後述する第1変形例で説明する)、境界位置、またはその近傍に位置する特徴点を基に生成されたオプティカルフローが所定以上であれば、自車影に由来するオプティカルフローが存在すると判断し、そのオプティカルフローを第1移動情報の推定から除外するようにしてもよい。
図16は、除去処理を行うか否かを判定する手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、除去処理を行うか否かの判定は、フロー導出部121によって第1オプティカルフローOF1が得られた時点で開始される。まず、移動情報推定部122は、第1オプティカルフローOF1の大きさがゼロであるか否かを判定するための判定値を取得する(ステップS21)。判定値は、上述のように、第1オプティカルフローOF1の、前後方向成分の二乗と左右方向成分の二乗との和である。各第1オプティカルフローOF1に対して判定値が求められる。
移動情報推定部122は、判定値が所定値以下となる第1オプティカルフローOF1の数をカウントする(ステップS22)。すなわち、大きさがゼロとみなせる第1オプティカルフローOF1の数がカウントされる。
移動情報推定部122は、ステップS22でカウントされた第1オプティカルフローOF1の数が所定数以下であるか否かを確認する(ステップS23)。すなわち、大きさがゼロとみなされる第1オプティカルフローOF1の数が所定数以下であるか否かが確認される。所定数は、上述のように、ROIのサイズ、ブロックBLのサイズ、及び、自車両の形状に基づいて求められることが好ましい。
移動情報推定部122は、大きさがゼロとみなされる第1オプティカルフローOF1が所定数以下の場合(ステップS23でYes)、除去処理を実施する(ステップS24)。なお、「大きさがゼロとみなされる第1オプティカルフローOF1が所定数以下」には、大きさがゼロとみなされる第1オプティカルフローOF1が全くない場合も含まれる。
移動情報推定部122は、詳細には、フロー導出部121で導出された複数の第1オプティカルフローOF1の中から、大きさがゼロとみなされる第1オプティカルフローOF1、すなわち自車影に由来する第1オプティカルフローOF1を除外する。この除外処理に応じて、フロー導出部121は、除外後の残りの第1オプティカルフローOF1のそれぞれについて第2オプティカルフローOF2を求める。移動情報推定部122は、取得された複数の第2オプティカルフローOF2に基づいてヒストグラムHG1、HG2を生成し、第1移動情報(本実施形態では移動距離)を推定する。推定された第1移動情報に基づいて、カメラのずれ判定が行われる。当該ずれ判定では、カメラずれが検出される場合と、検出されない場合とがある。
図17は、除去処理が実施された場合のヒストグラムについて説明するための模式図である。なお、図17は、前後方向成分に基づいて得られる第1ヒストグラムHG1である。図17に示す例では、自車影SHに由来する、大きさがゼロとみなされるオプティカルフローが生じている。
図17に示すように、大きさがゼロとみなされるオプティカルフローを除去する除去処理が実施された場合、前後方向の移動距離がゼロおよびその近傍となるオプティカルフローは除外され、前後方向の移動距離の推定を行うために使用されない。移動情報推定部122は、除外処理後に残されたオプティカルフローを用いて、前後方向の移動距離の推定を行う。
なお、第2ヒストグラムHGを用いて行う左右方向の移動距離の推定を行う場合においても、大きさがゼロとみなされるオプティカルフローは除外されて移動距離の推定が行われる。また、移動情報推定部122は、除外処理後に残された全てのオプティカルフローを用いて第1移動情報の推定を行ってもよいが、更に一部のオプティカルフローを除外して第1移動情報の推定を行ってもよい。例えば、移動情報推定部122は、第2移動情報に基づいて設定された一定の範囲(例えば第2移動情報を中心とした一定の範囲)の移動距離を示すオプティカルフローに絞って移動距離の推定を行う構成としてもよい。図17に示す例では、前後方向の移動距離が一定の範囲内であるオプティカルフローに基づいて前後方向の移動距離の推定が行われる。
図16に戻って、移動情報推定部122は、大きさがゼロとみなされる第1オプティカルフローOF1が所定数を超える場合(ステップS23でNo)、除去処理を実施しない(ステップS25)。この場合、フロー導出部121で導出された第1オプティカルフローOF1の全てが第2オプティカルフローOF2に変換される。移動情報推定部122は、取得された第2オプティカルフローOF2に基づいて第1移動情報を推定する。
図18は、除去処理が実施されない場合のヒストグラムについて説明するための模式図である。なお、図18は、前後方向成分に基づいて得られる第1ヒストグラムHG1である。除去処理が実施されない場合には、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローが多数発生しているために、図18に示すように、前後方向の移動距離がゼロ、或いはその近傍に、ピークが出現する。これは実際の移動距離分布(破線で示す)から大きくずれており、図18に示すヒストグラムHG1から推定される前後方向の移動距離は、第2移動情報として得られる前後方向の移動距離と大きく異なる。すなわち、カメラ21のずれが検出される。なお、ここで検出されるカメラずれは、カメラ21の取付け位置の大きなずれである。
<3.変形例等>
<3−1.第1変形例>
図19は、第1変形例の異常検出装置1の構成を示すブロック図である。第1変形例の異常検出装置1は、境界検出部125を更に備える。境界検出部125は、カメラ21〜24の画像中における、車両7の影SHの境界位置BORを検出する。境界検出部125は、自車影SHの境界位置を検出する。影SHの境界位置においては、カメラ21〜24の画像の画素値が急激に変化する。このために、例えば、カメラ21〜24の画像の画素値を微分処理することによって、影SHの境界位置BORを検出することができる。影SHの境界位置の検出には、例えば、SobelやCanny法等のエッジ検出手法が用いられてよい。
本変形例においては、移動情報推定部122は、上記の実施形態で述べた除外処理に加えて、境界位置BOR上にあるオプティカルフローと、境界位置BORに跨るオプティカルフローとのうち少なくとも一方を除外する処理を行って第1移動情報を推定する。本変形例では、移動情報推定部122は、境界位置BOR上にあるオプティカルフローと、境界位置BORに跨るオプティカルフローとの両方を除外して第1移動情報を推定する。
境界位置BOR上にあるオプティカルフローと、境界位置BORに跨るオプティカルフローとを除外する処理は、第1オプティカルフローOF1を導出した時点と、第2オプティカルフローOF2を導出した時点とのいずれのタイミングで行われてもよい。ただし、前者の方が、処理負担を低減できるために好ましい。後者の場合には、ワールド座標系の境界位置を求める必要がある。
本変形例においても、第1移動情報の推定に際しては、自車影SHに由来して生じた、大きさがゼロとみなせるオプティカルフローは除去される。そして、本変形例では、第1移動情報の推定に際して、自車影SHの境界位置BORの付近から導出されたオプティカルフローは大きさがゼロでなくても除去する処理が行われる。本変形例によれば、自車影SHの境界位置BOR付近から取得される信頼性の低いオプティカルフローを除外して第1移動情報を推定することができるために、カメラずれの判定処理の信頼性を向上することができる。
<3−2.第2変形例>
第2変形例においても、異常検出装置1は、カメラ21〜24の画像中における、車両7の影SHの境界位置を検出する境界検出部125を備える。第2変形例においては、移動情報推定部122は、上記の実施形態で述べた除外処理に加えて、複数のオプティカルフローから所定の閾値に基づいて一部のオプティカルフローを除外する処理を行って第1移動情報を推定する。
詳細には、移動情報推定部122は、複数の第2オプティカルフローOF2のうち、左右方向の移動距離が所定の閾値を超える第2オプティカルOF2を除外してヒストグラムHG1、HG2を生成し、第1移動情報を推定する。本変形例においても、車両7が直進している場合に取得される画像を利用して第1移動情報の推定が行われる。このために、左右方向の移動距離は理想的にはゼロであり、左右方向の移動距離が所定の閾値を超える第2オプティカルフローOF2は信頼性が低いと予想される。本変形例では、このような信頼性の低い第2オプティカルフローOF2を除外することによって、第1移動情報の推定値の精度を向上することができる。
このような構成において、本変形例においては、上述の所定の閾値が、境界位置BORに基づいて決められる影SHの内側と外側とで異なる。図20は、第2変形例の異常検出装置1について説明するための模式図である。図20は、カメラ21〜24の画像に設定されるROI中に自車影SHが映っている状態を示す。なお、図20は、ワールド座標に変換した後の図である。
図20に示すように、自車影SHの境界位置BORの内側(影の中)においては、所定の閾値がX1に設定されている。自車影SHの境界位置BORの外側(影の外)においては、所定の閾値がX2に設定されている。X1はX2より小さく設定されている。すなわち、自車影SHの内側では、自車影SHの外側に比べて、第2オプティカルフローOF2の除外が行われ易くなっている。自車影SHの内側では、信頼性の低い第2オプティカルフローOF2が得られやすいために、本変形例の構成によれば、第1移動情報の推定値の精度を更に向上することができる。
<3−3.留意事項>
本明細書における実施形態や変形例の構成は、本発明の例示にすぎない。実施形態や変形例の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、複数の実施形態及び変形例は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
以上においては、車載カメラ21〜24の異常判定に用いるデータは、車両7が直進走行している場合に収集される構成とした。ただし、これは例示であり、車載カメラ21〜24の異常判定に用いるデータは、車両7が直進走行していない場合に収集されてもよい。車速センサ41から得られる速度情報と舵角センサ42から得られる情報とを用いれば、車両7の前後方向および左右方向の実際の移動距離や速度(第2移動情報)を正確に求めることができるために、車両7が直進走行していない場合でも上述の異常判定を行うことができる。
1・・・異常検出装置
4・・・センサ部
7・・・車両(移動体)
21・・・フロントカメラ(車載カメラ)
22・・・バックカメラ(車載カメラ)
23・・・左サイドカメラ(車載カメラ)
24・・・右サイドカメラ(車載カメラ)
121・・・フロー導出部
122・・・移動情報推定部
123・・・移動情報取得部
124・・・異常判定部
BL・・・ブロック
BOR・・・境界位置
FP・・・特徴点
OF1・・・第1オプティカルフロー
OF2・・・第2オプティカルフロー
ROI・・・所定領域

Claims (13)

  1. 移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出装置であって、
    前記カメラの画像に基づいて特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出部と、
    前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定部と、
    前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得部と、
    前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定部と、
    を備え、
    前記移動情報推定部は、前記フロー導出部により導出されたオプティカルフローに、前記移動体の影に由来する前記オプティカルフローが含まれているか判断し、含まれている場合に、前記移動体の影に由来する前記オプティカルフローを除外する除外処理を行って前記第1移動情報を推定する、異常検出装置。
  2. 移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出装置であって、
    前記カメラの画像に基づいて特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出部と、
    前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定部と、
    前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得部と、
    前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定部と、
    を備え、
    前記移動情報推定部は、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローが所定量以下である場合に、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローを除外する除外処理を行って前記第1移動情報を推定する、異常検出装置。
  3. 前記移動情報推定部は、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローが前記所定量を超える場合に、前記除外処理を行うことなく前記第1移動情報を推定する、請求項2に記載の異常検出装置。
  4. 前記異常判定部は、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローが前記所定量を超える場合に、前記カメラの異常を検出する、請求項2に記載の異常検出装置。
  5. 前記移動情報推定部は、前記移動体の速度が所定の速度閾値より小さい場合、前記除外処理を行うことなく前記第1移動情報を推定する、請求項2から4のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  6. 前記特徴点は、前記カメラの画像の所定領域内から抽出され、
    前記所定領域内には、複数のブロックが設定され、
    各前記ブロックから抽出される前記特徴点の数は最大1つである、請求項2から5のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  7. 前記フロー導出部によって導出される前記オプティカルフローには、
    前記カメラの画像から取得される第1オプティカルフローと、
    前記第1オプティカルフローを座標変換して取得される第2オプティカルフローと、
    が含まれ、
    前記オプティカルフローの大きさがゼロとみなせるか否かは、前記第1オプティカルフロー又は前記第2オプティカルフローを用いて判定される、請求項2から6のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  8. 前記オプティカルフローの、前後方向成分の二乗と、左右方向成分の二乗との和が所定値以下である場合に、当該オプティカルフローは大きさがゼロであるとみなされる、請求項2から7のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  9. 前記カメラの画像中における、前記移動体の影の境界位置を検出する境界検出部を更に備え、
    前記移動情報推定部は、前記除外処理に加えて、前記境界位置上にある前記オプティカルフローと、前記境界位置に跨る前記オプティカルフローとのうち少なくとも一方を除外する処理を行って記第1移動情報を推定する、請求項2から8のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  10. 前記カメラの画像中における、前記移動体の影の境界位置を検出する境界検出部を更に備え、
    前記移動情報推定部は、前記除外処理に加えて、複数の前記オプティカルフローから所定の閾値に基づいて一部の前記オプティカルフローを除外する処理を行って前記第1移動情報を推定し、
    前記所定の閾値が、前記境界位置に基づいて決められる前記影の内側と外側とで異なる、請求項2から9のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  11. 前記移動情報取得部は、前記移動体に設けられる前記カメラ以外のセンサから得られる情報に基づいて前記第2移動情報を取得する、請求項1から10のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  12. 前記異常は、前記カメラの取付けのずれが生じた状態である、請求項1から11のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  13. 移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出方法であって、
    前記カメラの画像に基づいて特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出工程と、
    前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定工程と、
    前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得工程と、
    前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定工程と、
    を備え、
    前記第1移動情報の推定は、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローが所定量以下である場合に、大きさがゼロとみなせる前記オプティカルフローを除外する除外処理を行って実施される、異常検出方法。
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