JP2019191808A - 異常検出装置および異常検出方法 - Google Patents

異常検出装置および異常検出方法 Download PDF

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隆幸 小笹
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康司 大西
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直士 垣田
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武生 松本
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輝彦 上林
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Abstract

【課題】移動体に搭載されたカメラの異常検出の信頼性を向上できる技術を提供する。【解決手段】移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出装置は、前記カメラの画像から抽出された特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出部と、前記フロー導出部で導出された前記オプティカルフローの中から所定の条件に基づいて前記オプティカルフローの除去処理を行い、前記除去処理後に残った前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定部と、前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得部と、前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定部と、前記除去処理の処理状況に基づいて前記特徴点を用いた処理の信頼度を判定する信頼度判定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、異常検出装置および異常検出方法に関し、詳細には、移動体に搭載されたカメラの異常検出に関する。
従来、車両等の移動体にカメラが搭載され、当該カメラは例えば駐車支援等に利用されている。例えば車両に搭載される車載カメラは、車両を工場から出荷する前に、車両に固定状態で取り付けられる。しかしながら、車載カメラは、例えば不意の接触や経年変化等によって、工場出荷時の取付け状態からずれを起こすことがある。車載カメラの取付け位置や角度がずれると、カメラ画像を利用して判断されるハンドルの操舵量等に誤差が生じるために、車載カメラの取付けのずれを検出することは重要である。
特許文献1に開示される車両用走行支援装置は、後方カメラで取得した画像を画像処理部で画像処理することで車両状態量によらずに車両の移動量を算出する第1の移動量算出手段と、車輪速センサと、操舵角センサの出力を基にして車両状態量に基づいて車両の移動量を算出する第2の移動量算出手段とを備える。例えば、第1の移動量算出手段は、後方カメラで取得した画像データからエッジ抽出等の手法により特徴点を抽出し、逆射影変換によって設定した特徴点の地表面上における位置を算出し、その位置の移動量を基にして車両の移動量を算出する。特許文献1には、求めた車両の移動量を比較して、偏差が大きい場合には、第1の移動量算出手段と第2の移動量算出手段との算出結果とのうちのいずれか一方に問題が生じている可能性があることが開示されている。
特開2004−338637号公報
特徴点の追跡は、例えば路面種類や路面状況等の影響を受け易い。このために、特許文献1の構成では、第1の移動量算出手段を用いて算出される車両の移動量は、ばらつきが大きくなることが懸念される。すなわち、特許文献1の構成では、第1の移動量算出手段で求めた移動量と、第2の移動量算出手段で求めた移動量との比較結果は、信頼性が低い可能性がある。
本発明は、移動体に搭載されたカメラの異常検出の信頼性を向上できる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の異常検出装置は、移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出装置であって、前記カメラの画像から抽出された特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出部と、前記フロー導出部で導出された前記オプティカルフローの中から所定の条件に基づいて前記オプティカルフローの除去処理を行い、前記除去処理後に残った前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定部と、前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得部と、前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定部と、前記除去処理の処理状況に基づいて前記特徴点を用いた処理の信頼度を判定する信頼度判定部と、を備える構成(第1の構成)になっている。
上記第1の構成の異常検出装置において、前記信頼度判定部で判定された前記信頼度に基づいて、前記カメラの異常を判定するか否かを決定する処理が行われる構成(第2の構成)であってよい。
上記第1又は第2の構成の異常検出装置において、前記信頼度判定部で判定された前記信頼度に基づいて、前記異常判定部における判定結果の信頼性をユーザに通知する構成(第3の構成)であってよい。
上記第1から第3のいずれかの構成の異常検出装置において、前記信頼度判定部は、前記除去処理によって除去された前記オプティカルフローの数と、所定の閾値との比較に基づいて前記信頼度を決定する構成(第4の構成)であってよい。
上記第1から第3のいずれかの構成の異常検出装置において、前記信頼度判定部は、前記除去処理によって除去された前記オプティカルフローの数の、前記フロー導出部で導出された前記オプティカルフローの総数に対する比率と、所定の閾値との比較に基づいて前記信頼度を決定する構成(第5の構成)であることが好ましい。
上記第4又は第5の異常検出装置において、前記所定の閾値は、複数の閾値で構成され、前記信頼度は、少なくとも3つの段階に分かれている構成(第6の構成)であってよい。
上記第1から第6のいずれかの構成の異常検出装置において、複数種類の前記所定の条件が設定され、複数種類の前記除去処理が実行され、前記信頼度判定部は、複数種類の前記除去処理のそれぞれに対して前記信頼度に関する個別処理を行い、複数の前記個別処理の結果に基づき前記信頼度を決定する構成(第7の構成)であってよい。
上記第1から第7のいずれかの構成の異常検出装置において、前記信頼度判定部の判定結果に応じて、前記特徴点の抽出領域の変更が行われ、前記第1移動情報を推定する処理が再度行われる構成(第8の構成)であってよい。
上記第1から第8のいずれかの構成の異常検出装置において、前記移動情報取得部は、前記移動体に設けられる前記カメラ以外のセンサから得られる情報に基づいて前記第2移動情報を取得する構成(第9の構成)であってよい。
上記第1から第9のいずれかの構成の異常検出装置において、前記異常は、前記カメラの取付けのずれが生じた状態である構成(第10の構成)が好ましい。
上記目的を達成するために本発明の異常検出方法は、移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出方法であって、前記カメラの画像から抽出された特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出工程と、前記フロー導出工程で導出された前記オプティカルフローの中から所定の条件に基づいて前記オプティカルフローの除去処理を行い、前記除去処理後に残った前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定工程と、前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得工程と、前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定工程と、前記除去処理の処理状況に基づいて前記特徴点を用いた処理の信頼度を判定する信頼度判定工程と、を備える構成(第11の構成)になっている。
本発明によると、移動体に搭載されたカメラの異常検出の信頼性を向上することができる。
異常検出システムの構成を示すブロック図 車載カメラが車両に配置される位置を例示する図 異常検出装置によるカメラずれの検出フローの一例を示すフローチャート 特徴点を抽出する手法を説明するための図 第1オプティカルフローを導出する手法を説明するための図 座標変換処理を説明するための図 移動情報推定部によって生成された第1ヒストグラムの一例を示す図 移動情報推定部によって生成された第2ヒストグラムの一例を示す図 カメラずれが発生した場合のヒストグラムの変化を例示する図 異常判定部によって行われるカメラずれ判定処理の一例を示すフローチャート フロントカメラで撮影された撮影画像を用いて生成された第1ヒストグラムを例示する図 信頼度判定部によって行われる信頼度の判定処理の一例を示すフローチャート 信頼度の判定結果に基づいて行われる処理の一例を示すフローチャート 信頼度の判定処理の変形例を示すフローチャート 信頼度の判定結果に基づいて行われる処理の変形例を示すフローチャート
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、移動体として車両を例にとり説明するが、移動体は車両に限定される趣旨ではない。車両には、例えば自動車、電車、無人搬送車等の車輪のついた乗り物が広く含まれる。車両以外の移動体として、例えば船舶や航空機等が挙げられる。
また以下の説明では、車両の直進進行方向であって、運転席からハンドルに向かう方向を「前方向」とする。また、車両の直進進行方向であって、ハンドルから運転席に向かう方向を「後方向」とする。また、車両の直進進行方向及び鉛直線に垂直な方向であって、前方向を向いている運転者の右側から左側に向かう方向を「左方向」とする。また、車両の直進進行方向及び鉛直線に垂直な方向であって、前方向を向いている運転者の左側から右側に向かう方向を「右方向」とする。
<1.異常検出システム>
図1は、本発明の実施形態に係る異常検出システムSYSの構成を示すブロック図である。本実施形態において、異常は、カメラの取付けのずれが生じた状態である。すなわち、異常検出システムSYSは、車両に搭載されたカメラの取付けのずれを検出するシステムである。詳細には、異常検出システムSYSは、例えば、車両の工場出荷時における車両へのカメラの取付け状態等の、基準となる取付け状態からのカメラのずれを検出するシステムである。図1に示すように、異常検出システムSYSは、異常検出装置1と、撮影部2と、入力部3と、センサ部4とを備える。
異常検出装置1は、車両に搭載されたカメラの異常を検出する装置である。詳細には、異常検出装置1は、車両に搭載されたカメラの取付けのずれを検出する装置である。取付けのずれには、取付け位置のずれや取付け角度のずれが含まれる。異常検出装置1を用いることによって、車両に搭載されたカメラの取付けのずれを迅速に検出することができ、例えば、カメラずれが生じた状態で運転支援等が行われることを防止することができる。以下、車両に搭載されたカメラのことを「車載カメラ」と表現することがある。
異常検出装置1は、車載カメラを有する各車両に備えられる。異常検出装置1は、撮影部2に含まれる車載カメラ21〜24で撮影された撮影画像、および、当該装置1の外部に設けられるセンサ部4からの情報を処理して、車載カメラ21〜24の取付け位置や取付け角度のずれを検出する。異常検出装置1の詳細については後述する。
なお、異常検出装置1は、不図示の表示装置や運転支援装置に処理情報を出力してよい。表示装置は、異常検出装置1から出力される情報に基づいて、適宜、警告等を画面に表示してよい。運転支援装置は、異常検出装置1から出力される情報に基づいて、適宜、運転支援機能を停止したり、撮影情報の補正を行って運転支援を行ったりしてよい。運転支援装置は、例えば自動運転を支援する装置、自動駐車を支援する装置、緊急ブレーキを支援する装置等であってよい。
撮影部2は、車両周辺の状況を監視する目的で車両に設けられる。本実施形態では、撮影部2は、4つの車載カメラ21〜24を備える。各車載カメラ21〜24は、有線または無線によって異常検出装置1に接続される。図2は、車載カメラ21〜24が車両7に配置される位置を例示する図である。図2は、車両7を上から見た図である。図2に例示する車両は自動車である。
車載カメラ21は車両7の前端に設けられる。このため、車載カメラ21をフロントカメラ21とも呼ぶ。フロントカメラ21の光軸21aは車両7の前後方向に沿っている。フロントカメラ21は車両7の前方向を撮影する。車載カメラ22は車両7の後端に設けられる。このため、車載カメラ22をバックカメラ22とも呼ぶ。バックカメラ22の光軸22aは車両7の前後方向に沿っている。バックカメラ22は車両7の後方向を撮影する。フロントカメラ21及びバックカメラ22の取付け位置は、車両7の左右中央であることが好ましいが、左右中央から左右方向に多少ずれた位置であってもよい。
車載カメラ23は車両7の左側ドアミラー71に設けられる。このため、車載カメラ23を左サイドカメラ23とも呼ぶ。左サイドカメラ23の光軸23aは車両7の左右方向に沿っている。左サイドカメラ23は車両7の左方向を撮影する。車載カメラ24は車両7の右側ドアミラー72に設けられる。このため、車載カメラ24を右サイドカメラ24とも呼ぶ。右サイドカメラ24の光軸24aは車両7の左右方向に沿っている。右サイドカメラ24は車両7の右方向を撮影する。
各車載カメラ21〜24は魚眼レンズで構成され、水平方向の画角θは180°以上である。このため、車載カメラ21〜24によって、車両7の水平方向における全周囲を撮影することができる。なお、本実施形態では、車載カメラの数は4つであるが、この数は適宜変更されてよく、複数でも単数でもよい。例えば、車両7がバックで駐車することを支援する目的で車載カメラが搭載されている場合には、撮影部2が有する車載カメラは、バックカメラ22、左サイドカメラ23、右サイドカメラ24の3つで構成されてよい。
図1に戻って、入力部3は、異常検出装置1に対する指示を入力可能とする。入力部3は、例えば、タッチパネル、ボタン、レバー等で構成されてよい。入力部3は、有線または無線によって異常検出装置1に接続される。
センサ部4は、車載カメラ21〜24が搭載される車両7に関する情報を検出する複数のセンサを有する。本実施形態では、センサ部4は、車速センサ41と舵角センサ42とを含む。車速センサ41は、車両7の速度を検出する。舵角センサ42は、車両7のステアリングホイール(ハンドル)の回転角を検出する。車速センサ41および舵角センサ42は、通信バス50を介して異常検出装置1と繋がる。すなわち、車速センサ41で取得された車両7の速度情報は、通信バス50を介して異常検出装置1に入力される。舵角センサ42で取得された車両7のステアリングホイールの回転角情報は、通信バス50を介して異常検出装置1に入力される。なお、通信バス50は、例えばCAN(Controller Area Network)バスであってよい。
<2.異常検出装置>
<2−1.異常検出装置の概要>
図1に示すように、異常検出装置1は、画像取得部11と、制御部12と、記憶部13とを備える。
画像取得部11は、4つの車載カメラ21〜24のそれぞれから、撮影画像を取得する。画像取得部11は、アナログの撮影画像をデジタルの撮影画像に変換するA/D変換機能などの基本的な画像処理機能を有する。画像取得部11は、取得した撮影画像に所定の画像処理を行い、処理後の撮影画像を制御部12に入力する。
制御部12は、例えばマイクロコンピュータであり、異常検出装置1の全体を統括的に制御する。制御部12は、CPU、RAMおよびROM等を備える。記憶部13は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部13は、ファームウェアとしてのプログラムや各種のデータを記憶する。
詳細には、制御部12は、フロー導出部121と、移動情報推定部122と、移動情報取得部123と、異常判定部124と、信頼度判定部125とを備える。すなわち、異常検出装置1は、フロー導出部121と、移動情報推定部122と、移動情報取得部123と、異常判定部124と、信頼度判定部125とを備える。制御部12が備えるこれら各部121〜125の機能は、例えば記憶部13に記憶されるプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことによって実現される。
なお、制御部12のフロー導出部121、移動情報推定部122、移動情報取得部123、異常判定部124、および、信頼度判定部125の少なくともいずれか1つは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。また、フロー導出部121、移動情報推定部122、移動情報取得部123、異常判定部124、および、信頼度判定部125は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてよい。また、画像取得部11は、制御部12のCPUがプログラムに従って演算処理を行うことによって実現される構成でもよい。
フロー導出部121は、カメラの画像から抽出された特徴点ごとにオプティカルフローを導出する。特徴点は、カメラによって撮影された画像中のエッジの交点など、撮影画像において際立って検出できる点である。特徴点は、例えば路面に描かれた白線のエッジ、路面上のひび、路面上のしみ、路面上の砂利等である。特徴点は、通常、1つの撮影画像の中に多数存在する。フロー導出部121は、例えば、ハリスオペレータ等の公知の手法を用いて撮影画像の特徴点を導出する。
オプティカルフローは、所定の時間間隔をあけて撮影された2つの画像間における特徴点の動きを示す動きベクトルである。本実施形態では、フロー導出部121によって導出されるオプティカルフローには、第1オプティカルフローと第2オプティカルフローとが含まれる。第1オプティカルフローは、カメラ21〜24の画像(画像そのもの)から取得されるオプティカルフローである。第2オプティカルフローは、第1オプティカルフローを座標変換して取得されるオプティカルフローである。本明細書では、同一の特徴点から導出される第1オプティカルフローOF1と第2オプティカルフローOF2とについて、特に区別する必要がない場合に、単にオプティカルフローと記載することがある。
なお、本実施形態では、車両7は4つの車載カメラ21〜24を有する。このために、フロー導出部121は、各車載カメラ21〜24について、オプティカルフローを特徴点ごとに導出する。また、フロー導出部121は、カメラ21〜24の画像から抽出された各特徴点を座標変換して上述の第2オプティカルフローに相当するオプティカルフローをいきなり導出する構成であってもよい。この場合、フロー導出部121は上述の第1オプティカルフローの導出は行わず、一種類のオプティカルフローのみを導出することになる。
移動情報推定部122は、フロー導出部121で導出されたオプティカルフローに基づき車両7の第1移動情報を推定する。本実施形態では、移動情報推定部122は、複数の第2オプティカルフローを統計処理して、第1移動情報を推定する。なお、本実施形態では、車両7が4つの車載カメラ21〜24を有するために、移動情報推定部122は、車載カメラ21〜24ごとに、車両7の第1移動情報を推定する。移動情報推定部122が行う統計処理は、ヒストグラムを用いた処理である。ヒストグラムを用いた第1移動情報の推定処理の詳細については後述する。
なお、第1移動情報は、本実施形態では車両7の移動距離である。ただし、第1移動情報は移動距離以外であってよい。第1移動情報は、例えば車両7の速度(車速)等であってよい。
また、本実施形態では、詳細には、移動情報推定部122は、フロー導出部121で導出されたオプティカルフローの中から所定の条件に基づいてオプティカルフローの除去処理を行う。そして、移動情報推定部122は、除去処理後に残ったオプティカルフローに基づき車両7の第1移動情報を推定する。除去処理の詳細については後述する。
移動情報取得部123は、第1移動情報の比較対象となる車両7の第2移動情報を取得する。本実施形態では、移動情報取得部123は、車両7に設けられるカメラ21〜24以外のセンサから得られる情報に基づいて第2移動情報を取得する。詳細には、移動情報取得部123は、センサ部4から得られる情報に基づいて第2移動情報を取得する。本実施形態では、第1移動情報が移動距離であるために、第1移動情報の比較対象となる第2移動情報も移動距離である。移動情報取得部123は、車速センサ41から得られる車速に所定の時間を乗じて移動距離を得る。本実施形態によれば、車両7が通常備えるセンサを用いてカメラずれを検出することができるために、カメラずれを検出するために必要となる設備コストを抑制することができる。
なお、第1移動情報が移動距離の代わりに車速である場合には、第2移動情報も車速とすればよい。また、移動情報取得部123は、車速センサ41の代わりにGPS(Global Positioning System)受信機から取得される情報に基づいて第2移動情報を取得してもよい。また、移動情報取得部123は、カメラずれの検出対象となる車載カメラ以外の少なくとも1つの車載カメラから得られる情報に基づいて第2移動情報を取得する構成としてもよい。この場合、移動情報取得部123は、カメラずれの検出対象となる車載カメラ以外の車載カメラから得られるオプティカルフローに基づいて第2移動情報を取得してよい。
異常判定部124は、第1移動情報と第2移動情報とに基づいてカメラ21〜24の異常を判定する。本実施形態では、異常判定部124は、第2移動情報として得られた移動距離を正解値として、当該正解値に対して第1移動情報として得られた移動距離のずれの大きさを判定する。当該ずれの大きさが所定の閾値を超える場合に、異常判定部124はカメラずれを検出する。なお、本実施形態では、車両7が4つの車載カメラ21〜24を有するために、異常判定部124は、車載カメラ21〜24ごとに異常の判定を行う。
信頼度判定部125は、詳細は後述する除去処理の処理状況に基づいて、カメラ画像から抽出された特徴点を用いた処理の信頼度を判定する。本実施形態では、信頼度判定部125は、オプティカルフローを導出する処理と、第1移動情報を推定する処理と、カメラの異常を判定する処理とを含む一連の処理の信頼度を判定する。信頼度は、カメラの異常判定を行った後に求めることもできるが、カメラの異常判定を行う前にも求めることができる。信頼度は、例えば、第1移動情報の推定前或いは推定後に求められてもよい。
信頼度を求めることによって、カメラずれに関して信頼性の低い情報を異常検出装置1から外部に発信することを避けることができ、異常検出装置1によるカメラの異常検出の信頼性を向上することができる。例えば、カメラずれに関して、信頼性の低い判定結果をユーザに通知することを辞めることができる。また、信頼性の低い判定結果に基づいて自動運転の中止や継続を判定することを避けることができる。信頼度判定部125における信頼度の判定処理の詳細については後述する。
図3は、異常検出装置1によるカメラずれの検出フローの一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、4つの車載カメラ21〜24のそれぞれについて、図3に示すカメラずれの検出フローが実施される。重複説明を避けるために、ここでは、フロントカメラ21の場合を代表例として、カメラずれの検出フローを説明する。
図3に示すように、まず、制御部12は、フロントカメラ21を搭載する車両7が直進しているか否かを監視する(ステップS1)。車両7が直進しているか否かは、例えば、舵角センサ42から得られるステアリングホイールの回転角情報に基づいて判断することができる。例えば、ステアリングホイールの回転角がゼロの時に車両7が完全にまっすぐに進むとした場合に、回転角がゼロの場合だけなく、回転角がプラス方向とマイナス方向の一定範囲内の回転である場合を含めて、車両7が直進していると判断してよい。なお、直進には、前進方向の直進と、後退方向の直進との両方が含まれる。
制御部12は、車両7の直進を検出するまで、ステップS1の監視を繰り返す。車両7が直進走行しない限り、カメラずれを判定するための情報が取得されない。これによれば、車両7の進行方向が曲がっている場合の情報を用いてカメラずれの判定が行われないために、カメラずれを判定するための情報処理が複雑になることを避けられる。
車両7が直進していると判断される場合(ステップS1でYes)、制御部12は、車両7の速度が所定速度範囲内であるか否かを確認する(ステップS2)。所定速度範囲は、例えば時速3km以上5km以下としてよい。本実施形態では、車両7の速度は車速センサ41によって取得することができる。なお、ステップS1とステップS2とは、順番が入れ替わってもよい。また、ステップS1とステップS2とは同時に処理が行われてもよい。
制御部12は、車両7の速度が所定速度範囲外である場合(ステップS2でNo)、ステップS1に戻って車両7の直進判断を行う。すなわち、本実施形態では、車両7の速度が所定速度範囲内でない限り、カメラずれを判定するための情報が取得されない。例えば、車両7の速度が速すぎると、オプティカルフローの導出に際して誤差が生じやすくなる。一方で、車両7の速度が遅すぎると、車速センサ41から取得される車両7の速度の信頼性が低下する。この点、本実施形態の構成によれば、車両7の速度が速すぎる場合や遅すぎる場合を除いてカメラずれの判定を行うことができるために、カメラずれの判定の信頼性を向上することができる。
なお、所定速度範囲は設定変更可能であることが好ましい。これによれば、所定速度範囲を各車両に適した値にすることができ、カメラずれの判定の信頼性を向上することができる。本実施形態では、所定速度範囲の設定は入力部3によって行うことができる。
車両7が所定速度範囲内で走行していると判断される場合(ステップS2でYes)、フロー導出部121によって特徴点の抽出が行われる(ステップS3)。フロー導出部121による特徴点の抽出は、車両7が所定速度範囲内で安定して走行している場合に行われることが好ましい。
図4は、特徴点FPを抽出する手法を説明するための図である。図4は、フロントカメラ21で撮影される撮影画像Pを模式的に示している。特徴点FPは路面RS上に存在する。図4においては、特徴点FPの数は2つとされているが、この数は便宜的なものであり、実際の数を示すものではない。通常、多数の特徴点が取得される。
図4に示すように、フロー導出部121は、特徴点FPを撮影画像Pの所定の抽出領域(ROI(Region of Interest)と呼ばれることがある)ER内で抽出する。換言すると、特徴点FPは、カメラ21の画像の所定の抽出領域ERから抽出される。所定の抽出領域ERは、例えば、撮影画像Pの中心部Cを含む広範囲に設定される。これにより、特徴点FPの発生箇所が均一でなく偏った範囲に偏在する場合でも、特徴点FPを抽出することができる。なお、所定の抽出領域ERは、車両7のボディBOが映る領域は避けて設定される。
特徴点FPが抽出されると、フロー導出部121は、抽出した特徴点FPごとに第1オプティカルフローを導出する(ステップS4)。図5は、第1オプティカルフローOF1を導出する手法を説明するための図である。図5は、図4と同様に便宜的に示された模式図である。図5は、図4に示す撮影画像(前フレームP)の撮影後、所定時間が経過した後にフロントカメラ21で撮影された撮影画像(現フレームP´)である。図4に示す撮影画像Pの撮影後、所定時間が経過するまでの間に、車両7は後退している。図5に示す破線の丸印は、図4に示す撮影画像Pの撮影時点における特徴点FPの位置を示す。
図5に示すように、車両7が後退すると、車両7の前方に存在する特徴点FPは車両7から離れる。すなわち、特徴点FPは、現フレームP´と前フレームPとで異なる位置に現れる。フロー導出部121は、現フレームP´の特徴点FPと前フレームPの特徴点FPとを、その近傍の画素値に基づいて対応付け、対応付けた特徴点FPのそれぞれの位置に基づいて第1オプティカルフローOF1を導出する。
第1オプティカルフローOF1が導出されると、フロー導出部121は、カメラ座標系で得られた各第1オプティカルフローOF1を座標変換して、ワールド座標系の第2オプティカルフローOF2を導出する(ステップS5)。図6は、座標変換処理を説明するための図である。図6に示すように、フロー導出部121は、フロントカメラ21の位置(視点VP1)から見た第1オプティカルフローOF1を、車両7が存在する路面の上方の視点VP2から見た第2オプティカルフローOF2に変換する。フロー導出部121は、撮影画像Pにおける各第1オプティカルフローOF1を、路面に相当する仮想平面RS_Vに投影することで、ワールド座標系の第2オプティカルフローOF2に変換する。第2オプティカルフローOF2は、車両7の路面RS上の動きベクトルであり、その大きさは車両7の路面上の移動量を示す。
次に、移動情報推定部122は、フロー導出部121で導出された複数の第2オプティカルフローOF2に基づいてヒストグラムを生成する(ステップS6)。本実施形態では、移動情報推定部122は、各第2オプティカルフローOF2を前後方向と左右方向との2成分に分けて、第1ヒストグラムと第2ヒストグラムとを生成する。図7は、移動情報推定部122によって生成された第1ヒストグラムHG1の一例を示す図である。図8は、移動情報推定部122によって生成された第2ヒストグラムHG2の一例を示す図である。図7および図8はカメラずれが発生していない場合に得られたヒストグラムを示す。
なお、本実施形態では、移動情報推定部122は、ヒストグラムHG1、HG2の生成前に、フロー導出部121で導出された全ての第2オプティカルフローOF2の中から所定の条件に基づいて少なくとも一部の第2オプティカルフローOF2を除去する除去処理を行う。移動情報推定部122は、除去処理後に残った第2オプティカルフローOF2を用いてヒストグラムHG1、HG2の生成を行う。除去処理の詳細は後述する。
図7に示す第1ヒストグラムHG1は、各第2オプティカルフローOF2の前後方向成分に基づいて得られたヒストグラムである。第1ヒストグラムHG1は、第2オプティカルフローOF2の数を度数とし、前後方向への移動距離(第2オプティカルフローOF2の前後方向成分の長さ)を階級とするヒストグラムである。図8に示す第2ヒストグラムHG2は、第2オプティカルフローOF2の左右方向成分に基づいて得られたヒストグラムである。第2ヒストグラムHG2は、第2オプティカルフローOF2の数を度数とし、左右方向への移動距離(第2オプティカルフローOF2の左右方向成分の長さ)を階級とするヒストグラムである。
図7および図8は、カメラずれが発生しておらず、車両7が所定速度範囲で後方に直進した場合に得られたヒストグラムである。このために、第1ヒストグラムHG1は、後方側の特定の移動距離(階級)に偏って度数が多くなる正規分布形状になっている。一方、第2ヒストグラムHG2は、移動距離ゼロの近傍の階級に偏って度数が多くなる正規分布形状になっている。
図9は、カメラずれが発生した場合のヒストグラムの変化を例示する図である。図9は、フロントカメラ21がチルト方向(鉛直方向)に回転してずれた場合を例示する。図9において、上段(a)はカメラずれが発生していない場合(正常時)の第1ヒストグラムHG1であり、下段(b)はカメラずれが発生した場合の第1ヒストグラムHG1である。フロントカメラ21のチルト方向の回転ずれは、主に第2オプティカルフローOF2の前後方向成分に影響を与える。図9に示す例では、フロントカメラ21のチルト方向の回転ずれによって、度数が大きくなる階級が正常時に比べて前方側にずれている。
なお、フロントカメラ21のチルト方向の回転ずれは、第2オプティカルフローOF2の左右方向成分に対する影響は小さい。このために、図示は省略するが、第2ヒストグラムHG2のカメラずれ前後の変化は、第1ヒストグラムHG1の場合に比べて小さい。ただし、これは、フロントカメラ21がチルト方向にずれた場合の話であり、フロントカメラ21が、例えばパン方向(水平方向)やロール方向(光軸を中心とする回転方向)等にずれを生じた場合には、異なったヒストグラム変化が発生する。
移動情報推定部122は、生成したヒストグラムHG1、HG2によって車両7の第1移動情報を推定する(ステップS7)。本実施形態では、移動情報推定部122は、第1ヒストグラムHG1によって、車両7の前後方向の移動距離を推定する。移動情報推定部122は、第2ヒストグラムHG2によって、車両7の左右方向の移動距離を推定する。すなわち、移動情報推定部122は、第1移動情報として、車両7の前後方向および左右方向の移動距離を推定する。これによれば、車両7の前後方向および左右方向の移動距離の推定値を用いてカメラずれの検出を行うことができるために、カメラずれの検出結果の信頼性を向上することができる。
なお、本実施形態では、移動情報推定部122は、所定の条件に基づいて、ヒストグラムHG1、HG2の一部の階級に属するオプティカルフローを、第1移動情報の推定に用いる対象から除外する。すなわち、移動情報推定部122は、ヒストグラムHG1、HG2の生成前のみならず、ヒストグラムHG1、HG2の生成後にもオプティカルフローの除去処理を行う。移動情報推定部122は、除去処理後のヒストグラムHG1、HG2を用いて第1移動情報の推定を行う。除去処理の詳細は後述する。
本実施形態では、移動情報推定部122は、第1ヒストグラムHG1の中央値(メジアン)を前後方向の移動距離の推定値とする。移動情報推定部122は、第2ヒストグラムHG2の中央値を左右方向の移動距離の推定値とする。ただし、移動情報推定部122による推定値の決定方法は、これに限定されない。移動情報推定部122は、例えば、各ヒストグラムHG1、HG2の度数が最大となる階級の移動距離を推定値としてもよい。また、移動情報推定部122は、例えば、各ヒストグラムHG1、HG2において、移動距離の平均値を推定値としてもよい。
なお、図9に示す例では、一点鎖線はフロントカメラ21が正常である場合の前後方向の移動距離の推定値を示し、二点鎖線はカメラずれが発生した場合の前後方向の移動距離の推定値を示す。図9に示すように、カメラずれの発生によって、前後方向の移動距離の推定値に差Δが生じていることがわかる。
移動情報推定部122で車両7の第1移動情報の推定値が得られると、異常判定部124は、当該推定値と、移動情報取得部123で取得された第2移動情報とを比較してフロントカメラ21のずれ判定を行う(ステップS8)。
なお、移動情報取得部123は、第2移動情報として、車両7の前後方向および左右方向の移動距離を取得する。本実施形態では、移動情報取得部123は、センサ部4から取得される情報に基づいて車両7の前後方向および左右方向の移動距離を取得する。移動情報取得部123が第2移動情報を取得するタイミングは特に限定されるものではないが、移動情報取得部123は、例えば、移動情報推定部122による第1移動情報の推定処理と並行して第2移動情報を取得する処理を行ってよい。
本実施形態では、車両7が前後方向に直進している場合に得られる情報に基づいて、ずれの判定が行われる。このために、移動情報取得部123が取得する左右方向の移動距離はゼロになる。移動情報取得部123は、オプティカルフローを導出するための2つの撮影画像の撮影時間間隔と、当該時間間隔における車速センサ41によって得られる車両7の速度とによって、前後方向の移動距離を算出する。
図10は、異常判定部124によって行われるカメラずれ判定処理の一例を示すフローチャートである。まず、異常判定部124は、車両7の前後方向の移動距離について、移動情報推定部122で求めた推定値と、移動情報取得部123で取得した取得値との差の大きさが、閾値αより小さいか否かを確認する(ステップS11)。両者の差の大きさが閾値α以上である場合(ステップS11でNo)、異常判定部124は、フロントカメラ21の取付け状態が異常であり、カメラずれが生じていると判定する(ステップS15)。一方、両者の差の大きさが閾値αより小さい場合(ステップS11でYes)、異常判定部124は、車両7の前後方向の移動距離からは異常が検出されないと判定する。
車両7の前後方向の移動距離から異常が検出されない場合(ステップS11でYes)、異常判定部124は、車両7の左右方向の移動距離について、移動情報推定部122で求めた推定値と、移動情報取得部123で取得した取得値との差の大きさが、閾値βより小さいか否かを確認する(ステップS12)。両者の差の大きさが閾値β以上である場合(ステップS12でNo)、異常判定部124は、フロントカメラ21の取付け状態が異常であり、カメラずれが生じていると判定する(ステップS15)。一方、両者の差の大きさが閾値βより小さい場合(ステップS12でYes)、異常判定部124は、左右方向の移動距離からは異常が検出されないと判定する。
車両7の左右方向の移動距離からも異常が検出されない場合、異常判定部124は、車両7の前後方向および左右方向の移動距離に基づいて得られる特定値について、第1移動情報から得られる値と、第2移動情報から得られる値との差の大きさが、閾値γより小さいか否かを確認する(ステップS13)。本実施形態では、特定値は、車両7の前後方向の移動距離を二乗して得られる値と、左右方向の移動距離を二乗して得られる値との和の平方根値である。ただし、これは例示にすぎず、特定値は、例えば、車両7の前後方向の移動距離を二乗して得られる値と、左右方向の移動距離を二乗して得られる値との和であってもよい。
第1移動情報から得られる特定値と、第2移動情報から得られる特定値との差の大きさが閾値γ以上である場合(ステップS13でNo)、異常判定部124は、フロントカメラ21の取付け状態が異常であり、カメラずれが生じていると判定する(ステップS15)。一方、両者の差の大きさが閾値γより小さい場合(ステップS13でYes)、異常判定部124は、フロントカメラ21の取付け状態は正常であると判定する(ステップS14)。
本実施形態では、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値のうち、いずれか1つでも、異常が認められると、カメラずれが発生していると判定する。これによれば、カメラずれが発生しているにもかかわらず、カメラずれが発生していないと判定する可能性を低減できる。ただし、これは例示である。例えば、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値の全てにおいて異常が認められる場合に限って、カメラずれが発生していると判定する構成としてもよい。カメラずれの判定基準は、入力部3によって適宜変更することができることが好ましい。
本実施形態では、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値について、順番に比較を行う構成としたが、これらの比較は同じタイミングで行われてもよい。また、前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値について、順番に比較を行う構成の場合、その順番は特に限定されず、図10に示す順番とは異なる順番で比較が行われてもよい。また、本実施形態では、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値を用いてずれ判定を行う構成としたが、これは例示にすぎない。例えば、車両7の前後方向の移動距離、左右方向の移動距離、および、特定値のうちのいずれか1つ、或いは、いずれか2つを用いてずれ判定を行う構成としてもよい。
本実施形態では、移動情報推定部122によって第1移動情報が得られるたびに、ずれ判定を行う構成としているが、これも例示にすぎない。移動情報推定部122による第1移動情報の推定処理が複数回行われた後にカメラずれの判定処理が行われる構成としてもよい。例えば、異常判定部124は、移動情報推定部122による第1移動情報の推定処理が所定回数行われた時点で、所定回数の第1移動情報(移動距離)を累積して得られた累積値を用いてずれ判定を行う構成としてよい。この際、第1移動情報の累積値と比較されるのは、各第1移動情報の比較対象となる第2移動情報の累積値である。
本実施形態では、異常判定部124によって、カメラずれが生じていると一度判定されただけで、カメラずれが発生しているとの判定を確定し、カメラずれを検出する構成としている。これに限らず、異常判定部124によってカメラずれが生じていると判定された場合に、少なくとも1回、再判定を行い、再判定によって更にカメラずれが生じていると判定された場合に、カメラずれが発生しているとの判定を確定してもよい。
なお、カメラずれが検出された場合、異常検出装置1は、そのことを運転者等に報知するための処理を行うことが好ましい。また、異常検出装置1は、車載カメラ21〜24からの情報を用いて運転支援を行う運転支援装置に、カメラずれが発生していることを通知する処理を行うことが好ましい。本実施形態では、4つの車載カメラ21〜24が存在するが、4つの車載カメラ21〜24のうちの1つでもカメラずれが発生した場合には、上記報知処理及び通知処理を行うことが好ましい。
<2−2.除去処理>
次に、移動情報推定部122によって実施される除去処理について詳細に説明する。なお、異常検出装置1は、各車載カメラ21〜24のカメラずれの検出処理を行う際に、必要に応じて移動情報推定部122による除去処理を行う。各車載カメラ21〜24のカメラずれの検出処理において実行される除去処理は同様の処理である。
図11は、フロントカメラ21で撮影された撮影画像を用いて生成された第1ヒストグラムHG1を例示する図である。フロー導出部121で導出されるオプティカルフローは、路面状況等の影響を受け易く、フロー導出部121で導出されるオプティカルフローには、車両7の動きを正確に反映していないオプティカルフロー(以下、「誤フロー」と記載する)が含まれることがある。図11に示す例では、誤フローが多く、ヒストグラムの分布にばらつきが見られる。
図11に示すようなヒストグラムに基づいて第1移動情報の推定を行うと、推定値は本来の値から大きくずれる可能性がある。このために、本実施形態では、所定の条件に基づいて誤フローと推定されるオプティカルフローを除去する除去処理を行い、除去処理後に残ったオプティカルフローに基づき第1移動情報の推定を行う構成になっている。なお、本実施形態の手法は、車載カメラ21〜24の大きなずれを検出するよりも、比較的小さなずれを検出するのに好適である。
本実施形態では、複数種類の所定の条件が設定されている。複数種類の所定の条件が設定されているために、本実施形態では、複数種類の除去処理が実行される。本実施形態では、複数種類の所定の条件として、以下に示す第1除去条件〜第6除去条件の6種類の条件が含まれる。ただし、所定の条件は、6種類である必要はなく、1種類であってもよいし、6種類以外の複数であってもよい。また、以下に示す6種類の除去条件は例示であり、他の条件が除去条件とされてもよい。
第1除去条件は、第2オプティカルフローOF2の前後方向および左右方向の長さに関する条件である。本実施形態では、オプティカルフローの導出は、車両7が所定速度範囲で直進している場合に取得された画像のみを用いて行われる。このために、所定速度範囲から予想される前後方向の長さから大きくかけ離れた第2オプティカルフローOF2は誤フローの可能性が高い。このために、第2オプティカルフローOF2の前後方向の長さが所定の前後方向長さ閾値以上である場合には、当該第2オプティカルフローOF2は、誤フローである可能性が高いとして、ヒストグラムHG1、HG2の生成に用いられない。
また、左右方向の長さがゼロから大きくかけ離れた第2オプティカルフローOF2は誤フローである可能性が高い。このために、第2オプティカルフローOF2の左右方向の長さが所定の左右方向の長さ閾値以上である場合には、当該第2オプティカルフローOF2は誤フローである可能性が高いとして、ヒストグラムHG1、HG2の生成に用いられない。なお、本実施形態では、第1除去条件の判断に第2オプティカルフローOF2が用いられているが、場合によっては第1オプティカルフローOF1が用いられてもよい。
第2除去条件は、導出したオプティカルフローの位置に関する条件である。車両7の移動後の特徴点FPの位置が所定の抽出領域(ROI)ERの外に位置すると、導出された第1オプティカルフローOF1が所定の抽出領域ERの内側と外側とに跨る。所定の抽出領域ERの外側から抽出される特徴点FPは、特徴点FPの抽出処理に関して信頼性が疑わしい。このために、所定の抽出領域ERの内側と外側に跨がる第1オプティカルフローOF1を座標変換して得られる第2オプティカルフローOF2は、ヒストグラムHG1、HG2の生成に用いられない。なお、所定の抽出領域ERの内側と外側に跨がる第1オプティカルフローOF1が導出された時点で、第2オプティカルフローOF2の導出を行わずに除去処理を行ってもよい。
第3除去条件は、第2オプティカルフローOF2の前後方向と左右方向の長さの関係に関する条件である。上述のように、本実施形態では、オプティカルフローの導出は、車両7が所定速度範囲で直進している場合に取得された画像のみを用いて行われる。そして、所定速度範囲は、一例として時速3km以上5km以下としている。このために、第2オプティカルフローOF2の左右方向の長さが前後方向の長さより大きくなった場合には、当該第2オプティカルフローOF2は誤フローである可能性が高い。このような第2オプティカルフローOF2はヒストグラムHG1、HG2の生成に用いられない。なお、本実施形態では、第3除去条件の判断に第2オプティカルフローOF2が用いられているが、場合によっては第1オプティカルフローOF1が用いられてもよい。
第4除去条件は、第2オプティカルフローOF2と、車両7の変速装置のシフトレバーの操作位置との関係に関する条件である。なお、シフトレバーの操作位置は、センサ部4に含まれる不図示のシフトセンサから取得することができる。シフトレバーが前進位置か後退位置かで第2オプティカルフローOF2が本来向く向きは決まる。フロントカメラ21の場合、シフトレバーが前進位置である際には、第2オプティカルフローOF2の向きは前方から後方に向かう向きになり、シフトレバーが後退位置である際には、第2オプティカルフローOF2の向きは後方から前方に向かう向きになる。このために、シフトレバーの位置を確認して、当該シフトレバーの位置から予想される向きと反対方向に向く第2オプティカルフローOF2は誤フローである可能性が高い。このような第2オプティカルフローOF2はヒストグラムHG1、HG2の生成に用いられない。なお、本実施形態では、第4除去条件の判断に第2オプティカルフローOF2が用いられているが、場合によっては第1オプティカルフローOF1が用いられてもよい。
第5除去条件は、ヒストグラムHG1、HG2の度数に関する条件である。ヒストグラムHG1、HG2の度数が極端に小さい階級に属するオプティカルフローは信頼性が疑わしい。このために、第1移動情報の推定に際して、ヒストグラムHG1、HG2の度数が所定の度数閾値以下となる階級に属するオプティカルフローは除去される。なお、第5除去条件による除去処理は、第1ヒストグラムHG1と第2ヒストグラムHG2との両方に対して実行され、第1ヒストグラムHG1を用いて除去されることに決定されたオプティカルフローは、第2ヒストグラムHG2でも除去されることが好ましい。逆に、第2ヒストグラムHG2を用いて除去されることに決定されたオプティカルフローは、第1ヒストグラムHG1でも除去されることが好ましい。
第6除去条件は、先に行われた第1移動情報の推定結果を考慮した条件である。先に行われた第1移動情報の推定値を含むヒストグラムの階級を中心として、所定範囲を超える階級に属するオプティカルフローは除去される。先の推定値を含む階級から大きくかけ離れた階級に属するオプティカルフローは誤フローの可能性が高いためである。なお、第6除去条件を用いた除去処理は、第1ヒストグラムHG1と第2ヒストグラムHG2のうち、少なくとも第1ヒストグラムHG1を用いて実施されることが好ましい。
なお、複数の除去条件にしたがった各除去処理は、例えば順番に実施される。除去処理の順番は、特に限定されるものではないが、ヒストグラムHG1、HG2に生成前に実施される第1除去条件から第4除去条件にしたがった4つの除去処理は、ヒストグラムHG1、HG2の生成後に実施される2つの除去処理の前に行われる。各除去処理が順番に行われる場合、先の除去処理で除去されたオプティカルフローは、後の除去処理で再度除去対象になることはない。ただし、各除去処理は並行して実施されてもよい。この場合、除去処理間で、除去の対象となるオプティカルフローが重複する場合がある。
<2−3.信頼度判定>
上述の除去処理の導入によって、第1移動情報の推定精度を向上することができる。ただし、上述の除去処理を導入しても、信頼性の低い第1移動情報が得られることがあることがわかった。例えば、車載カメラ21〜24のAGC(Auto Gain Control)機能によってゲインの調整値が大きく変動した直後等に、除去処理によって大量のオプティカルフローが除去されて第1移動情報の推定値を精度良く求めることができないことがあった。なお、AGC機能によるゲインの調整値の大きな変動は、例えば、車両7がトンネルに入ったり、トンネルから出たりした場合に生じる。このような事態に鑑み、本実施形態の異常検出装置1は、上述のように、除去処理の状況に基づいて信頼度を判定する信頼度判定部125を備える構成になっている。
なお、信頼度判定部125による信頼度の判定処理は、各車載カメラ21〜24のカメラずれの検出処理で同様に行われる。
図12は、信頼度判定部125によって行われる信頼度の判定処理の一例を示すフローチャートである。信頼度判定部125は、除去処理によって除去されたオプティカルフローの数を算出する(ステップS21)。本実施形態では、6つの除去条件にしたがった各除去処理は順次実施される。信頼度判定部125は、各除去処理で除去されたオプティカルフローの数を足し合わせて、複数種類の除去処理によって除去されたオプティカルフローの総数を算出する。なお、例えば、複数種類の除去処理が並行して実施される構成の場合には、除去対象となるオプティカルフローが重複して発生する場合がある。各除去処理間で重複して除去対象となったオプティカルフローについては、除去数のカウントは1とし、複数カウントしない。
信頼度判定部125は、除去対象となったオプティカルフローの数(除去数)を求めると、当該除去数の、フロー導出部121によって同一の撮影画像から導出されたオプティカルフローの総数に対する比率を算出する(ステップS22)。例えば、除去対象となったオプティカルフローの数が100で、フロー導出部121によって同一の撮影画像から導出された全てのオプティカルフローの数が1000であれば、比率は10%になる。
信頼度判定部125は、算出した比率と所定の信頼度閾値とを比較する(ステップS23)。所定の信頼度閾値は、1つの閾値のみで構成されてもよいが、段階的に設定された複数の閾値で構成されてもよい。本実施形態では、所定の信頼度閾値は複数の閾値で構成される。所定の信頼度閾値は、例えば実験やシミュレーションによって求めればよい。
信頼度判定部125は、算出した比率と所定の信頼度閾値との比較結果に応じて信頼度を決定する(ステップS24)。本実施形態では、信頼度は数値で表され、その数値は信頼度が高いほど大きくなる。例えば、信頼度が3段階である場合、信頼度が高い方から順に「3」、「2」、「1」で表される。ただし、これは例示である。信頼度は、例えば、アルファベットや漢字等の文字で表されてもよい。
本実施形態では、複数の閾値が設けられているために、信頼度は、少なくとも3つの段階に分かれている。信頼度が3つ以上の段階に分けられることにより、信頼度がどの程度であるかを細かく認識することが可能になる。例えば、閾値の数が2つの場合、信頼度は3段階となる。閾値の数が3つであれば、信頼度は4段階となる。ステップS22で算出した比率が高いほど、信頼度は低くなる。なお、所定の信頼度閾値が1つの閾値で構成される場合、信頼度が高いか低いかを判定することになる。
本実施形態では、信頼度判定部125は、除去処理によって除去されたオプティカルフローの数の、フロー導出部121で導出されたオプティカルフローの総数に対する比率と、所定の信頼度閾値との比較に基づいて信頼度を決定する構成とした。これによれば、フロー導出部121で導出されたオプティカルフローの総数に左右されずに信頼度を求めることができる。
ただし、信頼度判定部125は、除去処理によって除去されたオプティカルフローの数と、所定の信頼度閾値との比較に基づいて信頼度を決定する構成としてもよい。このように除去数の絶対数を用いても信頼度の判定を行うことができる。
図13は、信頼度の判定結果に基づいて行われる処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、信頼度判定部125で判定された信頼度に基づいてカメラ21〜24の異常を判定するか否かを決定する処理が行われる。詳細には、信頼度に基づいて、車載カメラ21〜24のずれ判定を行うか否かを決定する処理が行われる。車載カメラ21〜24のずれ判定を行う否かを決定する処理は、特に限定されるものではないが、例えば、信頼度判定部125又は異常判定部124で行われる。
図13に示す例では、図3に示すフローチャートのステップS7(第1移動情報の推定)の後に、信頼度判定部125による信頼度の判定処理が行われる(ステップS70)。ただし、これは例示である。信頼度の判定処理は、除去処理が行われた後に行われればよく、例えば、第1移動情報の推定値を求める前に行われてもよい。この場合、信頼度が低い場合に、第1移動情報の推定値が求められない構成としてもよい。
信頼度判定部125によって信頼度が決定されると、当該信頼度が所定の実施可否閾値より低いか否かが確認される(ステップS71)。所定の実施可否閾値は、カメラ21〜24の異常判定を行うか否かを判定するために決められる閾値であり、例えば実験等によって決められる。本実施形態では、信頼度が数値で表されるために閾値との比較が可能になっている。
信頼度が所定の実施可否閾値以上である場合(ステップS71でYes)、第1移動情報と第2移動情報に基づいて車載カメラ21〜24のずれ判定が行われる(ステップS8)。これにより、信頼性の高いカメラずれの判定結果を取得することができる。一方、信頼度が所定の実施可否閾値より小さい場合(ステップS71でNo)、車載カメラ21〜24のずれ判定は行われない。これにより、信頼性の低いカメラずれの判定結果が異常検出装置1から外部に出力されることを防止できる。すなわち、カメラずれの検出処理の信頼性を向上することができる。
以上では、信頼度に基づいて車載カメラ21〜24の異常を判定するか否かを決定する構成としたが、これは例示であり、例えば、信頼度の高低によらず、車載カメラ21〜24のずれ判定が行われる構成としてもよい。この場合には、信頼度判定部125で判定された信頼度に基づいて、異常判定部124における判定結果の信頼性をユーザに通知する構成とすることが好ましい。これにより、ユーザが、カメラの異常検出の結果について適切な判断を下すことが可能になる。この構成の場合、信頼度の高低によらず、全ての異常判定に対してユーザに信頼性が通知される構成としてもよいが、例えば信頼度が低い場合に限って、異常判定の信頼性がユーザに通知される構成としてもよい。
<3.変形例等>
<3−1.第1変形例>
以上に示す実施形態では、信頼度判定部125は、複数種類の除去処理の処理結果を一纏めに処理して信頼度を決定する構成とした。第1変形例では、信頼度判定部125は、複数種類の除去処理のそれぞれに対して信頼度に関する個別処理を行い、複数の個別処理の結果に基づき信頼度を決定する構成になっている。
図14は、信頼度の判定処理の変形例を示すフローチャートである。信頼度判定部125は、複数種類の除去処理に対して、除去処理ごとに除去されたオプティカルフローの数を取得する(ステップS31)。本変形例では、6つの除去処理が行われる。6つの除去処理のそれぞれに対して、除去されたオプティカルフローの数が取得される。
信頼度判定部125は、各除去処理について除去対象となったオプティカルフローの数(除去数)を求めると、除去処理ごとに、当該除去数の、フロー導出部121によって同一の撮影画像から導出されたオプティカルフローの総数に対する比率を算出する(ステップS32)。本変形例では、6つの除去処理のそれぞれに対して比率が算出される。
信頼度判定部125は、算出した各比率に基づいて、除去処理ごとに、信頼度に関する採点を行う(ステップS33)。除去処理ごとに、算出した比率と予め設定される閾値との比較が行われ、信頼度に関するポイントが付与される。各除去処理について、閾値の設定数は単数でも複数でもよい。閾値を複数設定することによって、ポイントの種類を増やすことができる。各除去処理について、比率が高いほど信頼度が低くなり、ポイントが低くなる。逆に、比率が低いほど信頼度が高くなり、ポイントが高くなる。
信頼度判定部125は、各除去処理によって取得された採点結果を集計する(ステップS34)。詳細には、信頼度判定部125は、各除去処理によって取得されたポイントを足し算する。
信頼度判定部125は、ポイントの合計値に基づいて信頼度を決定する(ステップS35)。詳細には、信頼度判定部125は、ポイントの合計値を予め設定された閾値と比較して信頼度を決定する。ポイントの合計値が高いほど、信頼性は高くなる。閾値の数を増やすことによって、信頼度をきめ細かく分類することができる。
本変形例によれば、複数種類ある除去処理の各除去処理結果に基づいて信頼度に関する判定を行う構成であるために、上述した実施形態の構成に比べて信頼度をより適切に判定することができる。すなわち、車載カメラ21〜24の異常検出の信頼性を更に向上することができる。
<3−2.第2変形例>
図15は、信頼度の判定結果に基づいて行われる処理の変形例を示すフローチャートである。本変形例では、信頼度判定部125の判定結果に応じて、特徴点FPの抽出領域ERの変更が行われ、第1移動情報を推定する処理が再度行われる。
図15に示す例は、図3に示すフローチャートの一部を変形したものである。図3と重複する部分については、特に必要がない場合には説明を省略する。第1移動情報の推定(ステップS7)の後に、信頼度判定部125による信頼度の判定処理が行われる(ステップS70)。なお、この点は、図13に示す例と同様である。
信頼度判定部125によって信頼度が決定されると、第1移動情報の再推定を行うか否かが確認される(ステップS72)。本変形例では、信頼度は数値で表される。再推定は、信頼度が所定の閾値より小さく、信頼度が低いと判断される場合に行われる。信頼度が高く、再推定を行わないと判断された場合には(ステップS72でNo)、異常判定部124によってずれ判定が行われる(ステップS8)。
一方、再推定を行うと判断された場合には(ステップS72でYes)、特徴点FPを抽出する抽出領域ERが変更される(ステップS73)。特徴点FPの抽出領域ERは、上述のように、通常は、撮影画像Pの中心部Cを含む広範囲に設定されている。再推定を行うと判断された場合には、抽出領域ERは、除去処理によって除去対象となったオプティカルフローの発生数が少ない領域に設定し直される。
抽出領域ERの変更が行われると、ステップS3に戻って、特徴点FPの抽出処理が再度行われ、ステップS4以降の処理が再度繰り返される。本変形例によれば、除去処理によってオプティカルフローが大量に除去された、信頼性の低い抽出領域ERを除いてオプティカルフローの導出処理を行い、第1移動情報の再推定を行うことができる。このために、信頼性の高い第1移動情報の推定値を用いて車載カメラ21〜24のずれ判定を行うことができ、カメラずれの検出処理の信頼性を向上することができる。
<3−3.留意事項>
本明細書における実施形態や変形例の構成は、本発明の例示にすぎない。実施形態や変形例の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、複数の実施形態及び変形例は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
以上においては、車載カメラ21〜24の異常判定に用いるデータは、車両7が直進走行している場合に収集される構成とした。ただし、これは例示であり、車載カメラ21〜24の異常判定に用いるデータは、車両7が直進走行していない場合に収集されてもよい。車速センサ41から得られる速度情報と舵角センサ42から得られる情報とを用いれば、車両7の前後方向および左右方向の実際の移動距離や速度(第2移動情報)を正確に求めることができるために、車両7が直進走行していない場合でも上述の異常判定を行うことができる。
1・・・異常検出装置
4・・・センサ部
7・・・車両(移動体)
21・・・フロントカメラ(車載カメラ)
22・・・バックカメラ(車載カメラ)
23・・・左サイドカメラ(車載カメラ)
24・・・右サイドカメラ(車載カメラ)
121・・・フロー導出部
122・・・移動情報推定部
123・・・移動情報取得部
124・・・異常判定部
125・・・信頼度判定部
FP・・・特徴点
OF1・・・第1オプティカルフロー
OF2・・・第2オプティカルフロー

Claims (11)

  1. 移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出装置であって、
    前記カメラの画像から抽出された特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出部と、
    前記フロー導出部で導出された前記オプティカルフローの中から所定の条件に基づいて前記オプティカルフローの除去処理を行い、前記除去処理後に残った前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定部と、
    前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得部と、
    前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定部と、
    前記除去処理の処理状況に基づいて前記特徴点を用いた処理の信頼度を判定する信頼度判定部と、
    を備える、異常検出装置。
  2. 前記信頼度判定部で判定された前記信頼度に基づいて、前記カメラの異常を判定するか否かを決定する処理が行われる、請求項1に記載の異常検出装置。
  3. 前記信頼度判定部で判定された前記信頼度に基づいて、前記異常判定部における判定結果の信頼性をユーザに通知する、請求項1又は2に記載の異常検出装置。
  4. 前記信頼度判定部は、前記除去処理によって除去された前記オプティカルフローの数と、所定の閾値との比較に基づいて前記信頼度を決定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  5. 前記信頼度判定部は、前記除去処理によって除去された前記オプティカルフローの数の、前記フロー導出部で導出された前記オプティカルフローの総数に対する比率と、所定の閾値との比較に基づいて前記信頼度を決定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  6. 前記所定の閾値は、複数の閾値で構成され、
    前記信頼度は、少なくとも3つの段階に分かれている、請求項4又は5に記載の異常検出装置。
  7. 複数種類の前記所定の条件が設定され、複数種類の前記除去処理が実行され、
    前記信頼度判定部は、複数種類の前記除去処理のそれぞれに対して前記信頼度に関する個別処理を行い、複数の前記個別処理の結果に基づき前記信頼度を決定する、請求項1から6のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  8. 前記信頼度判定部の判定結果に応じて、前記特徴点の抽出領域の変更が行われ、前記第1移動情報を推定する処理が再度行われる、請求項1から7のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  9. 前記移動情報取得部は、前記移動体に設けられる前記カメラ以外のセンサから得られる情報に基づいて前記第2移動情報を取得する、請求項1から8のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  10. 前記異常は、前記カメラの取付けのずれが生じた状態である、請求項1から9のいずれか1項に記載の異常検出装置。
  11. 移動体に搭載されたカメラの異常を検出する異常検出方法であって、
    前記カメラの画像から抽出された特徴点ごとにオプティカルフローを導出するフロー導出工程と、
    前記フロー導出工程で導出された前記オプティカルフローの中から所定の条件に基づいて前記オプティカルフローの除去処理を行い、前記除去処理後に残った前記オプティカルフローに基づき前記移動体の第1移動情報を推定する移動情報推定工程と、
    前記第1移動情報の比較対象となる前記移動体の第2移動情報を取得する移動情報取得工程と、
    前記第1移動情報と前記第2移動情報とに基づいて前記カメラの異常を判定する異常判定工程と、
    前記除去処理の処理状況に基づいて前記特徴点を用いた処理の信頼度を判定する信頼度判定工程と、
    を備える、異常検出方法。
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