JP2008033380A - 製品の断熱性能の解析方法、および製品の断熱性能の解析プログラム - Google Patents

製品の断熱性能の解析方法、および製品の断熱性能の解析プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2008033380A
JP2008033380A JP2006202682A JP2006202682A JP2008033380A JP 2008033380 A JP2008033380 A JP 2008033380A JP 2006202682 A JP2006202682 A JP 2006202682A JP 2006202682 A JP2006202682 A JP 2006202682A JP 2008033380 A JP2008033380 A JP 2008033380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
heat insulating
thermal conductivity
resin
heat insulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006202682A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Kono
務 河野
Kuninari Araki
邦成 荒木
Hisashi Echigoya
恒 越後屋
Takashi Izeki
崇 井関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2006202682A priority Critical patent/JP2008033380A/ja
Publication of JP2008033380A publication Critical patent/JP2008033380A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/82Elements for improving aerodynamics

Abstract

【課題】3次元発泡解析の熱伝導率、比熱分布の入出力を行える計算方法、計算プログラム方法を開発し、熱伝導率、比熱を用いた伝熱計算により、断熱性能を評価できる製品設計支援方法及び解析プログラムを提供する。
【解決手段】樹脂内に気泡が形成される発泡現象における気泡の成長を、樹脂自体の密度低下現象として取り扱い、発泡材の密度が、樹脂温度または時間項を含む関数として表される連続の式または運動方程式またはエネルギ保存式を含む式を用いた計算により、熱伝導率または比熱の分布を出力する。この熱伝導率または比熱の分布を用いて、発泡材および真空断熱パネルの複合化した断熱層の伝熱計算を行い、断熱層の断熱性を評価する。
【選択図】図9

Description

本発明は、プラスチック発泡成形加工技術により、冷蔵庫や建設材料、自動車等に使用される断熱材を発泡成形する際の3次元流動解析方法、および前記流動解析で求めた熱伝導率分布情報などを用いた熱計算による製品の断熱性能の評価方法に関する。
有限差分3次元流動解析または有限要素3次元流動解析方法に関して、密度変化のある流体の解析を行う場合には、圧力による圧縮性を考慮する手法が用いられている。この圧縮性を考慮した流体解析の例として、特許文献1、特許文献2があげられる。また、特許文献3に記載されているように、発泡解析で計算された密度分布から求めた熱伝導率の計算結果を初期値とした熱計算による断熱性の評価を行う事例がある。しかし、熱伝導率、比熱の計算結果の出力については記載されていない。更に、断熱性能の評価については、断熱材として発泡材料だけを考慮しており、発泡材料と真空断熱パネルなどの他断熱材を組み合わせた断熱性能の解析評価は出来ず、評価方法も断熱材に接する領域の温度変化として求めている。
特開平7-334484号公報 特開平6-187321号公報 特開2003-91561号公報
近年の3D-CAD・CAM・CAE環境にあっては、冷蔵庫などの断熱性能を考慮した部品配置の適正化など3D-CAEを用いたコンカレントな設計支援が、開発期間短縮、コスト低減のために必要不可欠である。また、冷蔵庫の断熱材として、従来は発泡材料だけを用いていたが、近年は熱伝導率が低い真空断熱パネルを発泡材料と併用している。従って、冷蔵庫の断熱材として用いられているウレタン発泡材料などの発泡流動挙動から発泡材料の熱伝導率を算出した後、この発泡材料の熱伝導率と、発泡材料と併用する真空断熱パネルなどの断熱材の熱伝導率などの物性値を用いた熱計算により、断熱層全体の断熱性能を評価することが必要である。しかし、従来の解析方法では、発泡材料が発泡流動した後の熱伝導率分布は出力することはできなかったので、部分的に熱伝導率が高く、熱が逃げやすい場所の特定ができなかった。加えて、比熱分布の出力もできなかったので、部分的に比熱が高く、温度が定常状態に達するまでの時間が長くなる場所の特定ができなかった。更に、断熱性能の評価については、断熱材として発泡材料だけを考慮しており、発泡材料と真空断熱パネルなどの他断熱材を組み合わせた断熱性能の解析評価は出来ず、評価方法も断熱材に接する領域の温度変化として求めている。
そこで、本発明は、ウレタン発泡樹脂などの発泡材料が発泡流動した後の熱伝導率分布を出力し、この発泡材料の熱伝導率分布と、発泡材料と併用する真空断熱パネルなどの断熱材の熱伝導率などの物性値を用いた熱計算により、断熱層を通過する熱量を評価し、製品の断熱性能を評価するための解析方法、および解析プログラムを提供することを目的とする。そして、この発泡解析方法を用いて、製品の適切な設計を支援することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、樹脂内に気泡が形成される発泡現象における気泡の成長を、樹脂自体の密度低下現象として取り扱い、解析対象製品の発泡充填部分のデータを記憶装置から読み込み、当該データに基づいて3次元ソリッド要素に分解処理する。更に、前記3次元ソリッド要素に基づいて、密度が樹脂温度または時間項を含む関数として表される連続の式または運動方程式またはエネルギ保存式を含む式を用いて演算処理することにより、密度、熱伝導率、比熱などの分布を出力する。この発泡材料の熱伝導率分布と、発泡材料と併用する真空断熱パネルなどの断熱材の熱伝導率などの物性値を用いた熱計算により、断熱層を通過する熱量を評価し、断熱層全体の断熱性能を評価できる解析プログラムおよび解析方法を提供する。
本発明は、ウレタン発泡樹脂などの発泡材料が発泡流動した後の熱伝導率分布を出力し、この発泡材料の熱伝導率分布と、発泡材料と併用する真空断熱パネルなどの断熱材の熱伝導率などの物性値を用いた熱計算により、断熱層を通過する熱量を評価し、製品の断熱性能を評価する。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
まず、本実施の形態に係る発泡成形工程を図1に示す。これは、シクロペンタン(C510)発泡剤を充填したポリオール(n (HO-R'-OH))1とイソシアネート(n (OCN-R-NCO))2 {ここでR、R'は脂肪族、芳香族など}の2液をミキシングヘッド3によって攪拌し、発泡型4の中に2液を攪拌した発泡材料5を充填することにより、発泡させる工程の例を示したものである。ここで、発泡に用いる2液をポリオール1とイソシアネート2としたが、本発明はこれだけに限定されるものではなく、発泡型も任意の形状とできるものとする。
この発泡成形において、治具温度などの成形条件、発泡材料が満たされる製品肉厚などの条件により、発泡挙動が大きく異なる。例えば、肉厚を変更した場合の比容積の時間変化を図2に示す。ここで、肉厚はD>C>Bであり、肉厚条件によって、比容積の時間変化が異なっていることが分る。
本発明は、コンピュータ処理によって、前記の発泡成形工程をシミュレーション処理により前記の成形条件も考慮して正確に再現して、発泡樹脂成形加工による断熱部材を有する製品の断熱性能を解析する方法と解析プログラムを提供する。
本発明を実行するコンピュータシステム(3次元発泡解析装置100)を図10に示す。3次元発泡解析装置100は、キーボードやマウス等の入力装置104と、ディスプレイ等の出力装置105と、補助記憶装置106と、解析プログラム等の各種プログラムを実行する演算装置101と、ネットワーク108を介して各種データ等を送受信するインターフェース107と、を有する。演算装置101は中央演算処理装置(以下、CPU)102と、主記憶装置103と、を備えている。
前記発泡流動挙動を解析にて再現するためには、流体の基礎式である連続の式(1)、運動方程式(2)〜(4)、エネルギ保存式(5)を用いて、流動速度、圧力、温度を求める手法を用いる。ここで、ρ;密度、u;x方向速度、υ;y方向速度、ω;z方向速度、T;温度、P;圧力、t;時間、η;粘度、Cp;定圧比熱、β;体積膨張係数、λ;熱伝導率を示す。
Figure 2008033380
Figure 2008033380
Figure 2008033380
Figure 2008033380
Figure 2008033380
ここで、式(1)〜(5)の密度項、熱伝導率項、比熱項、粘度項、発熱項に発泡現象を再現できる式を与える必要がある。解析に用いる発熱式を式(6)〜(9)に示す。
dα/dt= K(T)(1 -α)Nα (6)
K(T) = Kαexp(-Eα/T) (7)
α = Q/Q0 (8)
dQ/dt=Q0(dα/dt) (9)
ここで、t:時間、 T:温度、 α:反応率、 dα/dt:反応速度、 K(T):温度の関数となる定数、 Nα、Kα、Eα:材料固有の定数、 Q:単位質量当たりの発熱量、 Q0:反応終了までの単位質量当たりの総発熱量、 dQ/dt:単位質量当たりの発熱速度を示す。
また、解析に用いる密度式を式(10)に、熱伝導率式を式(11)に、粘度式を式(12)に、比熱式を式(13)に示す。
Figure 2008033380
Figure 2008033380
Figure 2008033380
Figure 2008033380
ここで、Nd、D、F、B、Ed、Nλ、Nη、J、K、Nc:材料固有の定数、 λ0:初期熱伝導率、 ρ0:初期密度、 η:粘度、 η0:初期粘度、 t0:ゲル化時間、 C:比熱、 C0:初期比熱を示す。
なお、樹脂内に気泡が形成される発泡現象における気泡の成長を、樹脂自体の密度低下現象として取り扱うため、発熱反応に伴って密度が減少すると考えて、密度は反応率と樹脂温度の関数とした。樹脂の密度変化によって気泡の成長を考慮しているので、熱伝導率は密度の関数とし、粘度は熱硬化性樹脂の性質から時間の関数とした。
以上の各式(1)〜(13)を実行するプログラムは補助記憶装置106に記憶しておく。
図11に3次元発泡解析装置100の機能構成を示す。演算部201はCPU102により実行される各種プログラムにより、大きく3つの機能、解析対象モデル作成部211、発泡流動挙動解析部212、および断熱性能解析部213を備える。また、補助記憶装置106上に構成される記憶部には、アプリケーションプログラム記憶部220、発泡解析式記憶部221、解析式パラメータ記憶部222、CADデータ記憶部223、解析結果記憶部224を備える。前記の各式(1)〜(13)は、前記発泡解析式記憶部221に記憶される。
発泡解析により、材料が発泡した後の断熱性を評価するためには、熱伝導率が局所的に高くなる場所を特定するため、解析により熱伝導率の分布を出力する必要がある。更に、雰囲気温度が変化した場合に、発泡材料の温度が定常状態に達する時間のバラツキを特定するため、比熱の分布も出力する必要がある。
ここで、樹脂内に気泡が形成される発泡現象における気泡の成長を、樹脂自体の密度低下現象として取り扱い、発熱式、密度式、熱伝導率式、比熱式、粘度式を用いて、発泡流動解析を行い、熱伝導率分布または比熱分布を出力する解析のフローチャートを図3に示す。
まず、モデル形状作成のステップ1001では、解析対象モデル作成部211が、冷蔵庫の断熱部分の初期設計モデルをCADデータ等として記憶装置106から読み込む。CADデータは、外部のCAD装置より、ネットワーク108等を介して事前に補助記憶装置106のCADデータ記憶部223に記憶されたものを使用する。
次に、3次元ソリッド要素作成のステップ1002では、解析対象モデル作成部211が、読み込まれた初期設計モデルのCADデータに基づき、発泡材料が充填される断熱部分の形状を複数の特定形状(3次元ソリッドの有限要素)に分解する。
次に、流体の物性値入力ステップ1003では、発泡流動挙動解析部212が、解析を行う発泡材料の物性値である比熱式、発熱式、密度式、熱伝導率式、粘度式などを発泡解析式記憶部221より入力する。ここで、発熱式、密度式、熱伝導率式、粘度式、比熱式は式(6)〜(13)で示した式などの任意関数を入力できるものとする。
次に、境界条件、成形条件入力ステップ1004において、3次元ソリッド要素内に流体を注入する際の初期速度、初期注入量、初期温度、注入場所および金型温度などの条件を、解析式パラメータ記憶部222、または入力装置104より入力する。
ステップ1005にて、発泡流動挙動解析部212が、ステップ1003で入力した密度式の各タイムステップ毎の値を求め、この密度値と1つ前のタイムステップにおいて、連続の式、運動方程式および発熱式を入力したエネルギ保存式によって計算した圧力、温度および反応率を用いて、時間変化する密度を計算する。
この密度値を用いてステップ1006において、発泡流動挙動解析部212が、熱伝導率、比熱を求める。
ステップ1003で入力した密度式に従って、各計算過程に対応した密度の値を求めた後、この密度を用いてステップ1007にて連続の式(1)および運動方程式(2)〜(4)により、流体速度および圧力などを計算する。
更に、ステップ1008にて、各計算過程に於いて、連続の式(1)、運動方程式(2)〜(4)にエネルギ保存式(5)を連動させて計算する。このとき、熱伝導率はステップ1006で求めた値を用いる。
これらの式を用いた計算を収束判定(ステップ1009)し、収束しない場合には、ステップ1004の境界条件、成形条件およびステップ1002の要素分割などを修正し、計算が収束する条件を選定する。
計算が収束する場合には、冷蔵庫の断熱部分についての計算結果を補助記憶装置106の解析結果記憶部224に記録し、この結果を出力装置105に表示させ、熱伝導率が部分的に高い部分から冷蔵庫内部の熱が外部に漏洩することなどを防止するために、ステップ1010において、密度、熱伝導率などの適正判断を行う。
このとき、密度、熱伝導率が部分的に高くなる場合には、冷蔵庫の断熱部分のモデル形状、または使用する発泡材料、または発泡材料の注入口、注入速度などの境界条件、成形条件を変更することにより、再計算を行う。なお、このステップ1010における判定は、解析結果を人が判断し、条件などを変更して再解析を行なうこともできるし、密度の最大許容値を解析時に入力しておき、解析により求められた密度がこの許容値以上であれば、プログラムが自動的に注入口などを変更し、再解析することもできる。
ここで、計算が終了したら、ステップ1011で、熱伝導率または比熱を含む計算結果を補助記憶装置106の解析結果記憶部224へ記録、および出力装置105へ出力を行うことができる。
以上で示したフローチャートを実行した場合の事例として、図4に示す断熱部分を発泡材5が発泡型4中で流動する場合の発泡解析を行った。式(6)から(13)に用いた定数を表1に示す。(これらのパラメータは、補助記憶装置106の解析式パラメータ記憶部222に記録されている。)なお、密度は反応率が0.65以上で一定値になる設定をした。また、要素はX,Y,Z方向に40、25、90分割し、発泡材5は初期状態で、Z方向に14mmの高さに初期充填されているものとする。発泡型4の温度は40℃とした。
Figure 2008033380
発泡流動後の熱伝導率および比熱分布の出力結果を図5,6に示す。各値を色分けして表示している例である。これらは、発泡型4中内に注入した発泡材料5について、図3で示すフローチャートに従い、発泡解析を行い、50s後の熱伝導率および比熱の出力を行った事例である。図5の熱伝導率分布から、コーナ部26および薄肉部27の部分が、発泡型から冷却されやすいため、局所的に熱伝導率が高くなることが計算の出力によって求められた。このように、局所的に熱伝導率が高く、熱が逃げやすくなると考えられる部分を解析により特定できる。
また、以上で示した解析により熱伝導率が求められた発泡材5の断熱性を評価するための一例を図7に示す。ここでは、断熱層7として、熱伝導率分布が計算された発泡材5および発泡材5と一体で成形された真空断熱パネル6を用いており、真空断熱パネル6の熱伝導率は任意の値を設定できるものとする。ここで示すように、6面体を構成する壁面18〜23が、断熱層7で仕切られた境界条件を用いている。これは、断熱層7で仕切られたYマイナス方向の空間24、Yプラス方向の空間25の温度に差を付け、空間24および25の温度が一定値である条件で伝熱計算することにより、断熱層7表面における各要素の熱流束と面積の積から求めた熱量を断熱層7表面における要素全体の和として求めることにより、断熱層7を通過する熱量を評価することができる。
なお、発泡材5の比熱は、計算で求めた値を用いることができ、断熱層7と空間24,25との熱伝達率は任意に設定できるものとし、発泡材5と真空断熱パネル6の接触熱抵抗も任意に設定できるものとする。また、断熱層7と空間24,25以外にも断熱層7に接続される任意の部品の設定もできるものとする。
また、熱伝導率分布が計算された発泡材5および真空断熱パネル6で構成される内外領域を分割できる六面体8のモデル形状を図8に示す。ここで、六面体8を構成する断熱壁9〜14について、断熱壁9は熱伝導率分布が計算された発泡材5および発泡材5と一体で成形された真空断熱パネル6で構成され、断熱壁14は真空断熱パネル6で構成され、断熱壁10〜13は熱伝導率分布が計算された発泡材5で構成される形状である。
ここで、断熱壁で構成される箱の内部空間15と外温空間16に温度差を与えて、伝熱計算をし、六面体8の断熱層表面における各要素の熱流束と面積の積から求めた熱量を六面体8の断熱層表面における要素全体の和として求めることにより、六面体8の断熱層を通過する熱量を評価することができる。
なお、発泡材5の比熱は、計算で求めた値を用いることができ、六面体8と内部空間15,外部空間16との熱伝達率は任意に設定できるものとし、発泡材5と真空断熱パネル6の接触熱抵抗も任意に設定できるものとする。また、六面体8、内部空間15、外温空間16以外にも六面体8に接続される任意の部品の設定もできるものとする。
また、図3で示した発泡解析により熱伝導率が求められた発泡材5と真空断熱パネルからなる断熱層全体の断熱性を評価するためのフローチャートを図9に示す。
まず、図3のフローチャートで示した発泡解析 (ステップ2000)を受け、モデル形状作成のステップ2001では、解析対象モデル作成部211が、ステップ2000で熱伝導率分布などを計算した発泡材の形状、真空断熱パネルなど他断熱材の形状、断熱層に接する空間の形状をCADデータ等として補助記憶装置106のCADデータ記憶部223から読み込む。
次に、3次元ソリッド要素作成のステップ2002では、解析対象モデル作成部211が、読み込まれたモデルのCADデータに基づき、複数の特定形状(3次元ソリッドの有限要素)に分解する。
次に、物性値入力ステップ2003では、断熱性能解析部213が、解析を行う断熱層(発泡材料、真空断熱パネル)、他部品、空間部分の物性値である比熱、密度、熱伝導率などを解析式パラメータ記憶部222より、または入力装置104より入力する。ここで、発泡材料の物性値は図3で示したフローチャートで求めた値を用いることができるものとする。
次に、境界条件、成形条件入力ステップ2004において、断熱層、空間部分の初期温度、発泡材料または真空断熱パネルと断熱層の熱伝達率などの条件を入力装置104より入力して、補助記憶装置106の解析式パラメータ記憶部222に記憶する。
ステップ2005において、断熱性能解析部213が、断熱層と接する複数の空間部分の温度差から熱流束を計算し、断熱層の断熱性能を評価する。
これらの計算を収束判定(ステップ2006)し、収束しない場合には、ステップ2004の境界条件、成形条件およびステップ2002の要素分割などを修正し、計算が収束する条件を選定する。計算が収束する場合には、計算結果を記憶装置に記録し、この結果を計算機に表示させ、熱流束などの適正判断を行う。このとき、断熱性能が目標値を満足しない場合には、再度図3のフローチャートで示した発泡解析(ステップ2000)を計算しなおすこともできるし、モデル形状(ステップ2001)、物性値(ステップ2003)などを変更することにより、再計算を行うことができる。
ここで、真空断熱パネルは、フィルム端部からの熱漏洩が大きくなるヒートブリッジの現象があるので、このヒートブリッジを考慮した断熱層全体の熱伝導率を物性値入力ステップ2003で入力することもできる。
また、ここでは、発泡材料と真空断熱パネルから成る断熱層の例を示したが、本発明はこれだけに限定されるものではなく、発泡材料と金属、プラスチックなど任意な材料との組合せで断熱性能を評価することができる。
以上では、単純化したパネルの例を示したが、本解析を冷蔵庫の断熱層に用いることにより、発泡材5と真空断熱パネルの複合化した断熱材で構成される冷蔵庫の断熱層について、複数個設置する材料注入場所の適正化、材料注入量の適正化、使用する発泡材料の適正化、断熱層形状の適正化、消費電力の適正化などを試作成形をしないで行えるので、有効な設計支援ツールとして活用できる。
以上、発熱式、密度式、熱伝導率式、比熱式、粘度式は式(6)〜(13)を用いたが、本発明はこれらの式だけに限定されるものではなく、樹脂内に気泡が形成される発泡現象における気泡の成長を、樹脂自体の密度低下現象として取り扱える任意の式を用いることができる。
ポリオールとイソシアネートの2液混合による発泡過程を説明する図である。 肉厚条件を変更した場合の比容積(密度の逆数)と時間の関係を示す図である。 熱伝導率分布または比熱分布を出力する発泡解析のフローチャートである。 断熱部分の形状を示す図である。 発泡解析による熱伝導率の出力結果を示す図である。 発泡解析による比熱分布の出力結果を示す図である。 断熱性を評価するための解析モデルの一例(1)を示す図である。 断熱性を評価するための解析モデルの一例(2)を示す図である。 断熱性能を評価するための伝熱解析のフローチャートである。 本発明を実行する3次元発泡解析装置の内部構成を示す図である。 3次元発泡解析装置の機能構成を示す図である。
符号の説明
1…ポリオール 2…イソシアネート 3…ミキシングヘッド 4…発泡型
5…発泡材料 6…真空断熱パネル 7…断熱層 8…六面体
9…断熱壁(XY平面、Zマイナス方向) 10…断熱壁(XY平面、Zプラス方向) 11…断熱壁(YZ平面、Xプラス方向) 12…断熱壁(YZ平面、Xマイナス方向) 13…断熱壁(XZ平面、Yマイナス方向) 14…断熱壁(XZ平面、Yプラス方向) 15…断熱壁で囲まれた内部空間 16…断熱壁の外部空間
18…壁(XY平面、Zマイナス方向) 19…壁(XY平面、Zプラス方向) 20…壁(YZ平面、Xプラス方向) 21…壁(YZ平面、Xマイナス方向) 22…壁(XZ平面、Yマイナス方向) 23…壁(XZ平面、Yプラス方向) 24…断熱層7で仕切られたXマイナス方向の空間 25…断熱層7で仕切られたXマイナス方向の空間 26…コーナ部 27…薄肉部 100…3次元発泡解析装置
101…演算装置 102…CPU 103…主記憶装置 104…入力装置
105…出力装置 106…補助記憶装置 107…インターフェース
108…ネットワーク 201…演算部 204…入力部 205…出力部
206…記憶部 207…ネットワークIF部 211…解析対象モデル作成部 212…発泡流動挙動解析部 213…断熱性能解析部 220…アプリケーションプログラム記憶部 221…発泡解析式記憶部 222…解析式パラメータ記憶部 223…CADデータ記憶部 224…解析結果記憶部

Claims (10)

  1. 発泡樹脂成形加工による断熱部材を有する製品の断熱性能をコンピュータにより解析する方法であって、
    解析対象製品の発泡樹脂充填部分の形状データを読み込み、当該データに基づいて3次元ソリッド要素に分解処理をし、
    発泡樹脂流動挙動を再現する式として、発泡材料の連続の式、運動方程式、およびエネルギ保存式を入力し、
    前記各式の密度項、熱伝導率項、比熱項、粘度項、および発熱項に、発泡材料の物性値を表す各任意関数を代入し、
    前記各任意関数のうち、前記密度項には、反応率と樹脂温度の関数が代入され、前記熱伝導率項には、密度の関数が代入され、前記粘度項には、時間の関数が代入され、
    前記各3次元ソリッド要素内に前記発泡材料を注入する際の境界条件、および成形条件を入力して、前記各式を計算して、各タイムステップ毎の密度を求め、
    前記計算した密度値より、前記発泡材料が発泡後に断熱部材を形成した状態の熱伝導率、および/または比熱の分布を求め、
    前記断熱部材のモデル上の前記熱伝導率、および/または比熱の分布を表示、または出力することを特徴とする製品の断熱性能の解析方法。
  2. 前記熱伝導率項に代入される関数が、密度または樹脂温度または樹脂温度の時間変化を含む関数であることを特徴とする請求項1に記載の製品の断熱性能の解析方法。
  3. 前記発泡材料が発泡後の断熱部材の熱伝導率の分布を求めた後、前記断熱部材の内外温度差を設定して、発泡樹脂の熱計算を行い、
    発泡樹脂の熱流束を計算して、前記断熱部材の断熱性を評価することを特徴とする請求項1に記載の製品の断熱性能の解析方法。
  4. 請求項1に記載の解析方法により熱伝導率の分布が計算された発泡樹脂および他の断熱材、部品から成る断熱層の内外温度差を設定して、発泡樹脂または他の断熱材の熱計算を行い、
    発泡樹脂または他の断熱材の熱流束を計算して、断熱層の断熱性を評価することを特徴とする製品の断熱性能の解析方法。
  5. 請求項1に記載の解析方法により熱伝導率の分布が計算された発泡樹脂および他の断熱材、部品から成る断熱層が連続して内外領域を分割できる箱体を形成しており、この内外温度差を設定して、発泡樹脂または他の断熱材の熱計算を行い、
    発泡樹脂または他の断熱材、部品を通過する熱量を計算して、前記断熱層の断熱性を評価することを特徴とする製品の断熱性能の解析方法。
  6. 請求項4または5記載の発泡樹脂および他の断熱材、部品から成る断熱層において、前記他の断熱材が無機材料などのコア材をフィルム形状の外包材内で真空引きされた真空断熱パネルであることを特徴とする製品の断熱性能の解析方法。
  7. コンピュータ上で実行して、発泡樹脂成形加工による断熱部材を有する製品の断熱性能を解析するプログラムであって、
    解析対象製品の発泡樹脂充填部分の形状データを読み込み、当該データに基づいて3次元ソリッド要素に分解処理をするステップと、
    前記各3次元ソリッド要素内に前記発泡材料を注入する際の境界条件、および成形条件を入力するステップと、
    前記境界条件、および成形条件において、発泡樹脂流動挙動を再現する式として、発泡材料の連続の式、運動方程式、およびエネルギ保存式を計算して、各タイムステップ毎の密度を求めるステップと、
    前記各式の密度項、熱伝導率項、比熱項、粘度項、および発熱項には、発泡材料の物性値を表す各任意関数が代入され、前記各任意関数のうち、前記密度項には、少なくとも反応率と樹脂温度の関数が代入され、前記熱伝導率項には、少なくとも密度の関数が代入され、前記粘度項には、少なくとも時間の関数が代入されており、
    前記計算した密度値より、前記発泡材料が発泡後に断熱部材を形成した状態の熱伝導率、および/または比熱の分布を求めるステップと、
    前記断熱部材のモデル上の前記熱伝導率、および/または比熱の分布を表示、または出力するステップを有することを特徴とする製品の断熱性能の解析プログラム。
  8. 前記熱伝導率項に代入される関数が、密度または樹脂温度または樹脂温度の時間変化を含む関数であることを特徴とする請求項7に記載の製品の断熱性能の解析プログラム。
  9. 前記発泡材料が発泡後の断熱部材の熱伝導率の分布を求めた後、前記断熱部材の内外温度差を設定して、発泡樹脂の熱計算を行うステップと、
    発泡樹脂の熱流束を計算して、前記断熱部材の断熱性を評価するステップを更に有することを特徴とする請求項7に記載の製品の断熱性能の解析方法。
  10. 請求項7に記載の解析ステップにより熱伝導率の分布が計算された発泡樹脂および他の断熱材、部品から成る断熱層の内外温度差を設定して、発泡樹脂または他の断熱材の熱計算を行うステップと、
    発泡樹脂または他の断熱材の熱流束を計算して、断熱層の断熱性を評価するステップを更に有することを特徴とする製品の断熱性能の解析プログラム。

JP2006202682A 2006-07-26 2006-07-26 製品の断熱性能の解析方法、および製品の断熱性能の解析プログラム Pending JP2008033380A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006202682A JP2008033380A (ja) 2006-07-26 2006-07-26 製品の断熱性能の解析方法、および製品の断熱性能の解析プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006202682A JP2008033380A (ja) 2006-07-26 2006-07-26 製品の断熱性能の解析方法、および製品の断熱性能の解析プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008033380A true JP2008033380A (ja) 2008-02-14

Family

ID=39122777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006202682A Pending JP2008033380A (ja) 2006-07-26 2006-07-26 製品の断熱性能の解析方法、および製品の断熱性能の解析プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008033380A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013248770A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Hitachi Ltd 樹脂加圧注型装置および加圧注入方法
JP2015158863A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 マツダ株式会社 断熱層の設計方法、設計装置及び設計プログラム
EP2442245A3 (en) * 2010-10-14 2017-09-13 Hitachi, Ltd. Method for analyzing growth of void of resin in a porous material
CN114065522A (zh) * 2021-11-18 2022-02-18 上海海洋大学 结合软件的壁面热通量确定方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001318909A (ja) * 2000-05-10 2001-11-16 Hitachi Ltd 3次元発泡解析方法、それを用いた製品設計支援方法及びそれらを記録した記録媒体
JP2002108951A (ja) * 2000-10-02 2002-04-12 Sekisui Plastics Co Ltd 断熱容器の設計システム及び断熱容器の設計プログラムを記録した記録媒体
JP2003091561A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Hitachi Ltd 3次元発泡解析方法、それを用いた製品設計支援方法、それらを実行させるプログラム及びそれらを記録した記録媒体
JP2004155005A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Canon Inc 樹脂流動解析方法及びその装置
JP2006018616A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Hitachi Ltd 3次元発泡解析方法、それを用いた製品設計支援方法及びそれらを記録した記録媒体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001318909A (ja) * 2000-05-10 2001-11-16 Hitachi Ltd 3次元発泡解析方法、それを用いた製品設計支援方法及びそれらを記録した記録媒体
JP2002108951A (ja) * 2000-10-02 2002-04-12 Sekisui Plastics Co Ltd 断熱容器の設計システム及び断熱容器の設計プログラムを記録した記録媒体
JP2003091561A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Hitachi Ltd 3次元発泡解析方法、それを用いた製品設計支援方法、それらを実行させるプログラム及びそれらを記録した記録媒体
JP2004155005A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Canon Inc 樹脂流動解析方法及びその装置
JP2006018616A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Hitachi Ltd 3次元発泡解析方法、それを用いた製品設計支援方法及びそれらを記録した記録媒体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2442245A3 (en) * 2010-10-14 2017-09-13 Hitachi, Ltd. Method for analyzing growth of void of resin in a porous material
JP2013248770A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Hitachi Ltd 樹脂加圧注型装置および加圧注入方法
JP2015158863A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 マツダ株式会社 断熱層の設計方法、設計装置及び設計プログラム
CN114065522A (zh) * 2021-11-18 2022-02-18 上海海洋大学 结合软件的壁面热通量确定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100704809B1 (ko) 3차원 발포 해석 방법, 그것을 이용한 제품 설계 지원 방법및 그것들을 기록한 기록 매체
US6816820B1 (en) Method and apparatus for modeling injection of a fluid in a mold cavity
Ilinca et al. Three‐dimensional finite element solution of gas‐assisted injection moulding
JP2008033380A (ja) 製品の断熱性能の解析方法、および製品の断熱性能の解析プログラム
JP2010108150A (ja) 電子部品の熱応力解析方法および樹脂流動解析方法
Rashid et al. Mold cooling in thermoplastics injection molding: Effectiveness and energy efficiency
JP2004058453A (ja) 樹脂成形品の設計支援装置および方法
Tie et al. Three-dimensional finite element method for the filling simulation of injection molding
JP3804400B2 (ja) 3次元発泡解析方法、それを用いた製品設計支援方法及びそれらを記録した記録媒体
Kim et al. Non-isothermal non-Newtonian three-dimensional flow simulation of fused filament fabrication
JP3994709B2 (ja) 発泡材料の3次元発泡解析方法及びそれを記録した記録媒体並びにそれを用いた発泡材料の断熱性評価方法
JP2011022660A (ja) 流体の数値計算装置
JP2003090758A (ja) 成形品の音響特性のシミュレーション方法および装置
Zhou et al. Computer filling simulation of injection molding based on 3D surface model
US7010474B1 (en) Performance predictor for fabricated parts
JP5349859B2 (ja) 成形品形状の予測方法、成形品の製造方法、成形品形状の予測プログラムとその記憶媒体
Polynkin et al. 3d simulation of gas assisted injection molding analysis of primary and secondary gas penetration and comparison with experimental results
JP3023969B2 (ja) 冷熱サイクル構造体温度の解析方法および金型装置系の設計装置
JP4400870B2 (ja) 発泡体の型内流動パターンのシミュレーション方法、及び、発泡体の製造方法
Huang et al. Phase-field-based simulation of axisymmetric binary fluids by using vorticity-streamfunction formulation
Kim et al. Numerical simulation of PU foaming flow in a refrigerator cabinet
Matsumori et al. Design improvement of cooling channel layout for plastic injection moulding
Kinzel et al. A level-set approach for compressible, multiphase fluid flows with mass transfer
JP4844421B2 (ja) 射出成形の流動解析方法及びその装置
Estacio et al. An unstructured CVFEM and moving interface algorithm for non‐Newtonian Hele‐Shaw flows in injection molding

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120313