JP2008032409A - 荷重記録装置とそれを備えている衝撃記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、過去に受けた荷重を記録する荷重記録装置10に関する。本発明の荷重記録装置10は、基板20と、受圧部材40と、その基板20と受圧部材40の間に設けられている延性材料製の延性部材30を備えている。荷重記録装置10は、受圧部材40が受けた荷重の大きさを延性部材30の塑性変形量に記録することを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、安価に作製することが可能な荷重記録装置を提供することを目的とする。
本発明の荷重記録装置は、受圧部材を介して加わる荷重によって延性部材が塑性変形する現象を利用する。延性部材の塑性変形量は、受圧部材が受けた荷重に応じて決定される。塑性変形した延性部材は、その状態をほぼ維持することができる。したがって、延性部材には、受圧部材が過去に受けた最大の荷重の大きさが記録される。荷重の大きさを記録するためには、様々な手法が採用され得る。例えば、延性部材の塑性変形した形態そのものに基づいて受けた荷重の大きさを記録してもよい。あるいは、延性部材が塑性変形することによって引き起こされる他の物理現象に基づいて受けた荷重の大きさを記録してもよい。また、過去に受けた最大の荷重の大きさは、閾値によって区切られた非連続的な値として記録されてもよい。なお、本発明の荷重記録装置では、記録された荷重の大きさを読み取るためにも、様々な手法が採用され得る。例えば、延性部材の塑性変形を電気的、光学的、磁気的、化学的、機械的等な手法によって読み取ることができる。
本発明の荷重記録装置は、受圧部材を介して加わる荷重によって延性部材が塑性変形する現象を利用して受けた荷重の大きさを記録する。本発明の荷重記録装置は、高価な素子を必要としない。したがって、本発明の荷重記録装置は、安価に作製することができる。
これにより、延性部材に荷重が集中し、延性部材の塑性変形量が増大する。この形態の荷重記録装置は、過去に受けた荷重を高感度に記録することができる。
基板と受圧部材が接合していると、受圧部材に加わる荷重のうち接合面に平行な方向の荷重は、延性部材に伝わることが抑制される。したがって、受圧部材に加わる荷重のうち接合面に直交する方向の荷重のみが、延性部材に伝わることができる。このため、延性部材は、接合面に平行な方向の荷重の影響を受けないで、接合面に直交する方向の荷重に基づいて塑性変形することができる。延性部材に伝わる荷重の方向を制限することによって、延性部材の塑性変形量と荷重の大きさの間の相関関係を強くすることができる。上記の荷重記録装置は、過去に受けた荷重の大きさを正確に記録することができる。
この形態によると、延性部材が設けられている空間の範囲が基板と受圧部材が接合している範囲によって外部から閉じられる。したがって、外部から延性部材の状態を改ざんすることができない。この形態は、不正防止に有用である。
上記の荷重記録装置では、荷重印加前に延性部材と基準位置の間に残されている所定間隔が、所定の荷重の大きさに対応している。荷重印加後に延性部材が塑性変形してその基準位置に到達すれば、その所定の荷重の大きさよりも大きな荷重が過去に印加されたと判断することができる。過去に受けた最大の荷重の大きさは、閾値によって区切られた非連続的な値として記録される。
複数の基準位置を用意しておくことによって、過去に受けた荷重の大きさをより細かく記録することができる。
この形態の荷重記録装置では、第1部分延性部材と第2部分延性部材が、第1部分延性部材と第2部分延性部材の双方からの塑性変形によって接触する。第1部分延性部材又は第2部分延性部材のどちらか一方のみが設けられ、その一方の塑性変形のみによって接触する場合に比して、同一の大きさの荷重を対象にしているのであれば、第1部分延性部材と第2部分延性部材の間の間隔を広く設定することができる。換言すれば、第1部分延性部材と第2部分延性部材の間の間隔の単位距離当りに係る荷重の大きさが小さくなる。したがって、この形態の荷重記録装置は、高感度に荷重の大きさを記録することができる。
この形態の荷重記録装置は、第1コンタクト領域と第2コンタクト領域間の電気の導通・非導通状態を調べるだけで、第1部分延性部材及び第2部分延性部材の間の所定間隔に応じた荷重よりも大きな荷重が過去に印加されたか否かを判断することができる。
複数の所定間隔を用意しておくことによって、過去に受けた荷重の大きさをより細かく記録することができる。
第1部分延性部材と第3部分延性部材を兼用することによって第3部分延性部材を削減することができる。これにより、第3部分延性部材に必要な面積も削減できる。このため、この荷重記録装置は、安価で小型に作製され得る。
この形態の荷重記録装置は特に、複数の部分延性部材が設けられている場合に有用である。複数の部分延性部材が設けられている場合、それぞれの部分延性部材の間の距離を一定にし、中間部分延性部材の形状及び位置などを調整することによって各部分延性部材の間の実質的な間隔を調整することができる。即ち、それぞれの部分延性部材は共通形状にし、中間部分延性部材の形状及び位置などで各部分延性部材の間の実質的な間隔を調整する。この形態の荷重記録装置は、作製が容易という特徴を有する。
この荷重記録装置は、半導体プロセスを利用して簡単に作製することができる。この荷重記録装置は、安価で小型に作製され得る。
電気的な手法によって延性部材の塑性変形を検出する場合は、アルミニウム系材料又は銅系材料の導電性を利用することができる。光学的な手法によって延性部材の塑性変形を検出する場合は、アルミニウム系材料又は銅系材料の光反射を利用することができる。
荷重記録装置とマスの複合体は、受けた衝撃による慣性力によって容器内を摺動方向に移動する。荷重記録装置とマスの複合体は、容器の両端部に衝突し、その衝突に応じた荷重が荷重記録装置によって記録される。この結果、記録された荷重値から受けた衝撃を換算することができる。
マスは、受けた衝撃による慣性力によって容器内を摺動方向に移動する。マスは、容器に固定されている荷重記録装置の受圧部材に直接的又は間接的に衝突し、その衝突に応じた荷重が荷重記録装置によって記録される。この結果、記録された荷重値から受けた衝撃を換算することができる。
(第1形態) 延性部材には、アルミニウム、銅、マグネシウム、コバルト又はニッケル等を主材料とする金属材料を用いることができる。特に、記録された荷重を検出するときに電気的手法を利用する場合は、アルミニウム系材料、銅系材料、マグネシウム系材料等を用いるのが好ましい。記録された荷重を検出するときに光学的手法を利用する場合は、アルミニウム系材料、銅系材料、マグネシウム系材料等を用いるのが好ましい。記録された荷重を検出するときに磁気的手法を利用する場合は、コバルト系材料、ニッケル系材料等を用いるのが好ましい。
(第2形態) 基板には、半導体基板が用いられている。延性部材とコンタクト領域は、基板の表面に形成された不純物導入領域によって電気的に接続されている。
(第3形態) 固定抵抗が、第1部分延性部材と第2部分延性部材の間に並列に接続されている。固定抵抗と第1部分延性部材の接続点が第1コンタクト領域に電気的に接続している。固定抵抗と第2部分延性部材の接続点が第2コンタクト領域に電気的に接続している。荷重印加後に第1部分延性部材と第2部分延性部材が接触すると、固定抵抗が短絡する。この現象を利用して、過去に受けた荷重の大きさに応じて測定される抵抗値が変動する荷重記録装置を構築することができる。
(第1実施例)
図1及び図2に、荷重記録装置10の斜視図を模式的に示す。図3に、図2のIII-III線の縦断面図を示す。なお、図1では、荷重記録装置10の構造の理解を助けるために、基板20と受圧部材40が分離した状態で図示されている。実際は、図2及び図3に示すように、基板20と受圧部材40は分離していない。
図4に示すように、受圧部材40を介して荷重が延性部材30に加わると、延性部材30はその荷重の大きさに応じて塑性変形する。延性部材30の塑性変形量は、受圧部材40が受けた荷重の大きさに応じて決定される。塑性変形した延性部材30は、その状態を維持することができる。したがって、延性部材30は、受圧部材40が過去に受けた最大の荷重の大きさを記録することができる。
例えば、光学的な手法を利用する場合は、延性部材30に光反射する材料を採用し、基板20又は受圧部材40に透明な材料を採用してもよい。基板20又は受圧部材40を透過して延性部材30にレーザ光を照射し、その反射光を検出する。延性部材30が塑性変形して幅が広くなると、反射光が検出される範囲が広くなる。したがって、反射光が検出される範囲から過去に受けた荷重の大きさを換算することができる。
あるいは、延性部材30に光を反射しない材料を採用し、基板20の表面に光反射する材料を成膜し、受圧部材40に透明な材料を採用してもよい。受圧部材40を透過して基板20の表面にレーザ光を照射し、その反射光を検出する。延性部材30が塑性変形すると反射光が検出されない範囲が広くなる。したがって、反射光が検出されない範囲から過去に受けた荷重の大きさを換算することができる。
また、磁気的な手法を利用する場合は、延性部材30に磁性材料を採用し、基板20及び受圧部材40に磁性を有さない材料を採用してもよい。延性部材30は、それ単独で磁性材料であってもよく、あるいは磁性粒子が混入した材料であってもよい。延性部材30が塑性変形すると、荷重が印加する前後で検出される延性部材30の磁性状態が変化する。この磁性状態の変化から受けた荷重の大きさを換算することができる。
さらに、荷重記録装置10は、無電源で過去に受けた荷重を記録することができる。したがって、電源供給用の電気機器を設ける必要がなく、装置の構造が簡単化される。
また、延性部材30は、基板20と受圧部材40によって閉ざされている空間31の中に設けられている。このため、延性部材30を外部から分離することが困難である。したがって、記録された荷重値を改ざんすることを防止することができる。荷重記録装置10は、不正防止にも有効である。
図6に、衝撃記録装置150が輸送用梱包箱に設けられた一例を示す。図6(A)は、輸送者が輸送用梱包箱を輸送している状態である。図6(B)は、輸送者が誤って輸送用梱包箱を落としてしまい、輸送用梱包箱が落下している状態である。図6(C)は、輸送用梱包箱が床に衝突した状態である。
図6に示すように、輸送用梱包箱を輸送するときに、輸送者が誤って輸送用梱包箱を落としてしまい、収納されている荷物に大きな衝撃を与えてしまうことがある。衝撃記録装置150は、輸送中に発生した衝撃に基づく荷重を記録する。記録された荷重から受けた衝撃を換算することができる。この結果、その衝撃によって荷物が致命的な損傷を受けたか否かを判断することができる。
ここで、複合体の総質量をMとし、輸送用梱包箱が床に衝突する直前の速度をvとする。衝突時間をΔtとすると、発生する力の大きさFは次式で表される。
F=Mv/Δt
衝撃記録装置151は、輸送用梱包箱がその下面と上面のどちらから落下しても、輸送用梱包箱が床に衝突したときの衝撃に応じた荷重の大きさを記録することができる。
衝撃記録装置250では、荷重記録装置10が土台ブロック152に固定して設けられている。荷重記録装置10では、受圧ブロック40側が容器の内部に向けて固定されている。マス155は、容器の内部を摺動可能に収容されている。マス154は、受けた衝撃による慣性力によって容器内を上下方向に移動し、半球154に衝突する。マス154は、半球154を介して受圧ブロック40に衝撃力を伝達し、その衝突に応じた荷重が荷重記録装置10に記録される。
詳細は後述するが、記録された荷重値は、第1コンタクト端子22と第2コンタクト端子28の間の導通・非導通状態の変化又は抵抗値の変化から検出することができる。したがって、衝撃記録装置250によると、リード62とリード64の間の導通・非導通状態の変化又は抵抗値の変化から荷重記録装置10に記録された荷重値を検出することができる。衝撃記録装置250によると、容器を分解することなく、容器外から荷重記録装置10に記録された荷重値を検出することができる。
衝撃記録装置251は、輸送用梱包箱がその下面と上面のどちらから落下しても、輸送用梱包箱が床に衝突したときの衝撃に応じた荷重の大きさを記録し、その記録された荷重値を容器外から検出することができる。
図10に、荷重記録装置110の斜視図を模式的に示す。図11に、図10のXI-XI線の縦断面図と、受圧部材140を透過した平面図を示す。荷重記録装置110は、記録された荷重値を電気的手法で読み出すことができる。
第2コンタクト端子128と第2部分延性部材134は、第2配線126を介して電気的に接続している。第2配線126には、アルミニウムが用いられている。なお、第2配線126は、基板120の表面に不純物を高濃度に導入した不純物導入領域であってもよい。
延性部材130と各コンタクト端子122、128と各配線124、126にはいずれも、アルミニウムが用いられている。これらは連続した一枚の層であり、アルミニウムを基板20の表面にパターニングして同時に形成することができる。なお、各コンタクト端子122、128と各配線124、126が不純物導入領域の場合、各コンタクト端子122、128と各配線124、126は同一の不純物導入工程によって同時に形成することができる。
図12(B)に示すように、受圧部材140を介して荷重が第1部分延性部材132及び第2部分延性部材134に加わると、第1部分延性部材132及び第2部分延性部材134はその荷重の大きさに応じて塑性変形する。この結果、所定の大きさの荷重よりも大きな荷重が加わると、第1部分延性部材132と第2部分延性部材134が塑性変形して接触する。荷重記録装置110では、荷重印加後に第1部分延性部材132と第2部分延性部材134が塑性変形して接触したのを、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128間の電気の導通・非導通状態から判断することができる。即ち、荷重記録装置110では、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128間の電気の導通・非導通状態を調べるだけで、第1部分延性部材132と第2部分延性部材134が接触したか否かを判断することができる。
変形例の延性部材130は、第1部分延性部材132と第2部分延性部材134の間に中間部分延性部材133が形成されている。中間部分延性部材133の材料にはアルミニウムが用いられており、第1部分延性部材132及び第2部分延性部材134と同一工程で形成することができる。中間部分延性部材133は、第1部分延性部材132と第2部分延性部材134の双方から所定の間隔を残して配置されている。第1部分延性部材132と第2部分延性部材134は、所定の荷重が加わった後に中間部分延性部材133を介して電気的に接続する。
この形態の延性部材130は特に、後述するような複数の部分延性部材が設けられている場合に有効である。複数の部分延性部材が設けられている場合、それぞれの部分延性部材の間の距離を一定にし、中間部分延性部材133の形状及び位置などを調整することによって、各部分延性部材の間の実質的な間隔を調整することができる。即ち、それぞれの部分延性部材は共通形状にし、中間部分延性部材133の形状及び位置などで各部分延性部材の間の実質的な間隔を調整する。この形態の荷重記録装置は、作製が容易という特徴を有する。
荷重記録装置110は、受圧部材140の中心領域142に、薄肉部143と厚肉部145が形成されている。厚肉部145は、延性部材130が存在する範囲に対応して形成されている。薄肉部143は、厚肉部145の周囲を一巡して形成されている。
薄肉部143が設けられていると、荷重が厚肉部145を介して延性部材130に集中する。このため、延性部材130の塑性変形量が大きくなる。この結果、荷重記録装置110は、過去に受けた荷重を高感度に記録することができる。
荷重記録装置110は、基板120に溝125が形成されている。溝125は、延性部材130が存在する範囲の周囲に形成されている。
溝125が設けられていると、荷重が受圧部材140を介して延性部材130に集中する。このため、延性部材130の塑性変形量が大きくなる。この結果、荷重記録装置110は、過去に受けた荷重を高感度に記録することができる。
図16(A)に、荷重記録装置200の平面図を示す。図16(B)に、荷重記録装置200の等価回路を示す。なお、第2実施例の荷重記録装置110と実質的に同一の構成要素に関しては同一符号を付し、その説明を省略する。
荷重記録装置200では、第1部分延性部材132が3つに分割されている。3つに分割された第1部分延性部材232のそれぞれは、異なる幅の間隔Wa、Wb、Wcを残して第2部分延性部材134に対向している。上側第1部分延性部材132aと第2部分延性部材134は、間隔Waを残して対向している。中間第1部分延性部材132bと第2部分延性部材134は、間隔Wbを残して対向している。下側第1部分延性部材132cと第2部分延性部材134は、間隔Wcを残して対向している。ここで、間隔Wa、Wb、Wcの幅は、Wa<Wb<Wcの関係になっている。即ち、第1部分延性部材132と第2部分延性部材134の間には、間隔Wa、Wb、Wcに応じて印加荷重の閾値が異なる3つのスイッチWa、Wb、Wcが設けられていると評価できる。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Waに応じた大きさよりも小さい場合、全てのスイッチWa、Wb、Wcが開いたままである。したがって、全てのスイッチWa、Wb、Wcが開いたままであれば、過去に受けた荷重の大きさは間隔Waに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Waに応じた大きさよりも大きく、間隔Wbに応じた大きさよりも小さい場合、スイッチWaは閉じ、スイッチWbとスイッチWcは開いたままである。したがって、スイッチWaのみが閉じていれば、過去に受けた荷重は間隔Waに応じた大きさよりも大きく、間隔Wbに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Wbに応じた大きさよりも大きく、間隔Wcに応じた大きさよりも小さい場合、スイッチWaとスイッチWbは閉じ、スイッチWcは開いたままである。したがって、スイッチWaとスイッチWbのみが閉じていれば、過去に受けた荷重の大きさは間隔Wbに応じた大きさよりも大きく、間隔Wcに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Wcに応じた大きさよりも大きい場合、全てのスイッチWa、Wb、Wcが閉じる。したがって、全てのスイッチWa、Wb、Wcが閉じていれば、過去に受けた荷重の大きさは間隔Wcに応じた大きさよりも大きいと判断される。
図17(A)に、荷重記録装置300の平面図を示す。図17(B)に、荷重記録装置300の等価回路を示す。なお、第2実施例の荷重記録装置110と実質的に同一の構成要素に関しては同一符号を付し、その説明を省略する。
荷重記録装置300では、延性部材330が4つの部分延性部材332a、332b、332c、332dに分割されている。4つの部分延性部材332a、332b、332c、332dは、共通形状であり、平行に配置されている。
第1部分延性部材332aと第2部分延性部材332bは、間隔Waを残して対向している。第2部分延性部材332bと第3部分延性部材332cは、間隔Wbを残して対向している。第3部分延性部材332cと第4部分延性部材332dは、間隔Wcを残して対向している。ここで、間隔Wa、Wb、Wcの幅は、Wa<Wb<Wcの関係になっている。延性部材330は、4つの部分延性部材332a、332b、332c、332dを利用して、間隔Wa、Wb、Wcに応じて印加荷重の閾値が異なる3つのスイッチWa、Wb、Wcの直列回路を構成している。
第1部分延性部材332aは、第1連結配線333aを介して第2配線126と第1抵抗領域335Raの間に電気的に接続している。第2部分延性部材332bは、第2連結配線333bを介して第1抵抗領域333Raと第2抵抗領域335Rbの間に電気的に接続している。第3部分延性部材332cは、第3連結配線333cを介して第2抵抗領域333Rbと第3抵抗領域335Rcの間に電気的に接続している。第4部分延性部材332dは、第4連結配線333dを介して第3抵抗領域333Rcと第1配線124の間に電気的に接続している。
各抵抗領域335Ra、335Rb、335Rcは、基板120の表面に不純物が導入された不純物導入領域である。各連結配線333a、333b、333c、333dには、アルミニウムが用いられている。各連結配線333a、333b、333c、333dは、延性部材330などと同一工程で同時に形成することができる。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Waに応じた大きさよりも小さい場合、全てのスイッチWa、Wb、Wcは開いたままである。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128の間の抵抗値は、第1抵抗領域335Raと第2抵抗領域335Rbと第3抵抗領域335Rcの直列抵抗となる。測定される抵抗値が第1抵抗領域335Raと第2抵抗領域335Rbと第3抵抗領域335Rcの直列抵抗に実質的に等しければ、過去に受けた荷重は間隔Waに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Waに応じた大きさよりも大きく、間隔Wbに応じた大きさよりも小さい場合、スイッチWaは閉じ、スイッチWbとスイッチWcは開いたままである。スイッチWaが閉じると、第1抵抗領域335Raは短絡する。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128の間の抵抗値は、第2抵抗領域335Rbと第3抵抗領域335Rcの直列抵抗となる。測定される抵抗値が第2抵抗領域335Rbと第3抵抗領域335Rcの直列抵抗に実質的に等しければ、過去に受けた荷重は間隔Waに応じた大きさよりも大きく、間隔Wbに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Wbに応じた大きさよりも大きく、間隔Wcに応じた大きさよりも小さい場合、スイッチWaとスイッチWbは閉じ、スイッチWcは開いたままである。スイッチWaとスイッチWbが閉じると、第1抵抗領域335Raと第2抵抗領域335Rbは短絡する。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128の間の抵抗値は、第3抵抗領域335Rcの抵抗値となる。測定される抵抗値が第3抵抗領域335Rcの抵抗値に実質的に等しければ、過去に受けた荷重は間隔Wbに応じた大きさよりも大きく、間隔Wcに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重が間隔Wcに応じた大きさよりも大きい場合、全てのスイッチWa、Wb、Wcが閉じる。全てのスイッチWa、Wb、Wcが閉じると、全ての抵抗領域335Ra、335Rb、335Rcが短絡する。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128の間の抵抗値は、各配線に寄生する抵抗値となる。測定される抵抗値が各配線の寄生抵抗値に実質的に等しければ、過去に受けた荷重は、間隔Wcに応じた大きさよりも大きいと判断される。
第1配線124、第2配線126及び各連結配線333a、333b、333c、333dが不純物導入領域であれば、印加荷重によってそれらが塑性変形することがない。したがって、それらの配線の寄生抵抗が変動することがない。この結果、印加荷重を正確に記録することができ得る。
図18(A)に、荷重記録装置400の平面図を示す。図18(B)に、荷重記録装置400の等価回路を示す。
荷重記録装置400では、延性部材430が4つの部分延性部材432a、432b、432c、432dに分割されている。4つの部分延性部材432a、432b、432c、432dは、共通形状である。第2部分延性部材432bと第3部分延性部材432cと第4部分延性部材432dは、第1部分延性部材432aの周囲に配置されている。第1部分延性部材432aと第2部分延性部材432bは、間隔Waを残して対向している。第1部分延性部材432aと第3部分延性部材432cは、間隔Wbを残して対向している。第1部分延性部材432aと第4部分延性部材432dは、間隔Wcを残して対向している。ここで、間隔Wa、Wb、Wcの幅は、Wa<Wb<Wcの関係になっている。延性部材430は、4つの部分延性部材432a、432b、432c、432dを利用して、間隔Wa、Wb、Wcに応じて印加荷重の閾値が異なる3つのスイッチWa、Wb、Wcを構成している。
第1部分延性部材432aと第2コンタクト端子128は、第2配線126を介して電気的に接続している。第4部分延性部材432dと第1コンタクト端子122は、第1配線124を介して電気的に接続している。
各抵抗領域435Ra、435Rbは、基板120の表面に不純物を低濃度に導入した不純物導入領域である。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Waに応じた大きさよりも小さい場合、全てのスイッチWa、Wb、Wcが開いたままである。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128間が電気的に非導通であれば、過去に受けた荷重は間隔Waに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Waに応じた大きさよりも大きく、間隔Wbに応じた大きさよりも小さい場合、スイッチWaは閉じ、スイッチWbとスイッチWcは開いたままである。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128の間の抵抗値は、第1抵抗領域435Raと第2抵抗領域435Rbの直列抵抗となる。測定される抵抗値が第1抵抗領域435Raと第2抵抗領域435Rbの直列抵抗に実質的に等しければ、過去に受けた荷重は間隔Waに応じた大きさよりも大きく、間隔Wbに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Wbに応じた大きさよりも大きく、間隔Wcに応じた大きさよりも小さい場合、スイッチWaとスイッチWbは閉じ、スイッチWcは開いたままである。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128の間の抵抗値は、第2抵抗領域435Rbの抵抗値となる。測定される抵抗値が第2抵抗領域435Rbの抵抗値に実質的に等しければ、過去に受けた荷重は間隔Wbに応じた大きさよりも大きく、間隔Wcに応じた大きさよりも小さいと判断される。
過去に受けた荷重の大きさが間隔Wcに応じた大きさよりも大きい場合、全てのスイッチWa、Wb、Wcが閉じる。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子128の間の抵抗値は、各配線に寄生する抵抗値となる。測定される抵抗値が各配線の寄生抵抗値に実質的に等しければ、過去に受けた荷重は間隔Wcに応じた大きさよりも大きいと判断される。
第1配線124及び第2配線126が不純物導入領域であれば、印加荷重によってそれらが塑性変形することがない。したがって、それらの配線の寄生抵抗が変動することがない。この結果、印加荷重を正確に記録することができ得る。
図19(A)に、荷重記録装置500の平面図を示す。図19(B)に、荷重記録装置500の等価回路を示す。図20に、図19のXX-XX線の縦断面図を示す。図21に、図17のXXI-XXI線の縦断面図を示す。図22に、図19のXXII-XXII線の縦断面図を示す。
荷重記録装置500では、基板120の表面にトレンチ525が形成されており、そのトレンチ525内に埋設延性部材530が埋設されている。埋設延性部材530は、トレンチ525内を完全に充填しておらず、トレンチ525の一部には空間が残されている。埋設延性部材530の高さは、トレンチ525の高さよりも高く形成されており、一部の埋設延性部材530が基板120の表面から突出している。
なお、第1側壁領域524a、第2側壁領域526a、第1配線領域124A、第2配線領域126A、第1コンタクト接続領域122a及び第2コンタクト接続領域128aは、同一の不純物導入工程によって同時に形成することができる。
荷重が加わると、埋設延性部材530は、トレンチ525内の空間に沿って塑性変形する。これにより、埋設延性部材530と第1側壁領域524aの接触面積及び埋設延性部材530と第2側壁領域526aの接触面積の双方が増大する。この結果、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子124の間の抵抗値は、接触面積の増大に応じて小さくなる。したがって、第1コンタクト端子122と第2コンタクト端子124の間の抵抗値の大きさから、過去に受けた荷重の大きさを換算することができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
30:延性部材
31、131:空間
40、140:受圧部材
122:第1コンタクト端子
124:第1配線
126:第2配線
128:第2コンタクト端子
132:第1部分延性部材
133:中間部分延性部材
134:第2部分延性部材
152:土台ブロック
154:半球
155:マス
156:ガイド
158:キャップ
Claims (17)
- 受けた荷重を記録する装置であって、
基板と、
受圧部材と、
その基板と受圧部材の間に設けられている延性材料製の延性部材を備えており、
受圧部材が受けた荷重の大きさを延性部材の塑性変形量に記録することを特徴とする荷重記録装置。 - 延性部材の剛性は、基板及び受圧部材の剛性よりも小さいことを特徴とする請求項1の荷重記録装置。
- 基板と受圧部材の間には、延性部材が設けられている空間の範囲と、基板と受圧部材が接している範囲が存在していることを特徴とする請求項1又は2の荷重記録装置。
- 基板と受圧部材が接している範囲では、基板と受圧部材が接合していることを特徴とする請求項3の荷重記録装置。
- 基板と受圧部材が接合している範囲は、延性部材が設けられている空間の範囲の周囲に形成されていることを特徴とする請求項4の荷重記録装置。
- 延性部材は、基準位置との間に所定の間隔を残して配置されており、
荷重印加後に延性部材が塑性変形して基準位置に到達したのを指標に、前記所定間隔に応じた荷重の大きさを記録することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの荷重記録装置。 - 延性部材は、複数の基準位置との間に幅の異なる複数の間隔を残して配置されており、
荷重印加後に延性部材が塑性変形して複数の基準位置のうち到達した基準位置を指標に、その基準位置に応じた荷重の大きさを記録することを特徴とする請求項6の荷重記録装置。 - 延性部材は、所定の間隔を残して配置されている第1部分延性部材と第2部分延性部材を有しており、
荷重印加後に第1部分延性部材と第2部分延性部材が塑性変形して接触したのを指標に、前記所定間隔に応じた荷重の大きさを記録することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの荷重記録装置。 - 第1部分延性部材及び第2部分延性部材は、導電性を有しており、
荷重記録装置はさらに、
第1部分延性部材に電気的に接続しているとともに外部に露出している第1コンタクト領域と、
第2部分延性部材に電気的に接続しているとともに外部に露出している第2コンタクト領域を有しており、
荷重印加後に第1部分延性部材と第2部分延性部材が塑性変形して接触したのを、第1コンタクト領域と第2コンタクト領域間の電気の導通・非導通状態から判断することを特徴とする請求項8の荷重記録装置。 - 延性部材は、所定の間隔を残して配置されている第3部分延性部材と第4部分延性部材をさらに備えており、
第1部分延性部材と第2部分延性部材の間の所定間隔と第3部分延性部材と第4部分延性部材の間の所定間隔は、幅が異なっていることを特徴とする請求項8又は9の荷重記録装置。 - 第1部分延性部材は、第3部分延性部材を兼用していることを特徴とする請求項10の荷重記録装置。
- 延性部材は、前記部分延性部材の間に形成されているとともに一方の部分延性部材と他方の部分延性部材の双方から所定の間隔を残して配置されている中間部分延性部材をさらに備えていることを特徴とする請求項8〜11のいずれかの荷重記録装置。
- 基板には、半導体基板が用いられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかの荷重記録装置。
- 延性部材には、アルミニウム又は銅を主材料とする金属材料が用いられていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかの荷重記録装置。
- 請求項1〜14のいずれかの荷重記録装置と、
その荷重記録装置に固定されているマスと、
そのマスを摺動可能に収容しているとともに摺動方向の両端部が閉じている容器を備えている衝撃記録装置。 - 両端部が閉じている容器と、
その容器の内部に固定して設けられており、受圧部材側を容器の内部に向けて固定されている請求項1〜14のいずれかの荷重記録装置と、
その容器の内部に摺動可能に収容されているマスを備えている衝撃記録装置。 - 請求項1〜14のいずれかの荷重記録装置が設けられている輸送用梱包箱。
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