JP2008031910A - 燃料噴射ノズルの製造方法、燃料噴射装置の製造方法、燃料噴射ノズル、及び、燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射ノズルの製造方法、燃料噴射装置の製造方法、燃料噴射ノズル、及び、燃料噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 個体ばらつきが小さいセラミック製の燃料噴射ノズルを容易に製造できる燃料噴射ノズルの製造方法等を提供すること。
【解決手段】 燃料噴射ノズル100の製造方法は、平板形状のセラミックグリーンシート200をその厚み方向に変形させて、焼成後の燃料噴射ノズル100に対応する所定形状の未焼成体210を成形する成形工程と、この未焼成体210に、焼成後の孔径が100μm以下の噴射孔101に対応する貫通孔211を、パンチング部材PG1でパンチングを行うことにより形成する孔形成工程と、この未焼成体210を焼成し、燃料噴射ノズル100を形成する焼成工程とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料を噴射させる噴射孔を有する燃料噴射ノズルの製造方法、このような燃料噴射ノズルの製造方法を有する燃料噴射装置の製造方法、燃料を噴射させる噴射孔を有する燃料噴射ノズル、及び、このような燃料噴射ノズルを有する燃料噴射装置に関する。特に、セラミックからなる燃料噴射ノズルの製造方法、このような燃料噴射ノズルの製造方法を有する燃料噴射装置の製造方法、セラミックからなる燃料噴射ノズル、及び、このような燃料噴射ノズルを有する燃料噴射装置に関する。
従来より、セラミックからなる燃料噴射ノズルが知られている。このような燃料噴射ノズルは、例えば特許文献1〜3に開示されている。特許文献1の燃料噴射ノズルは平板形状をなし、特許文献2及び引用文献3の燃料噴射ノズルは椀状をなしている。
特許文献1では、燃料噴射ノズルを次のように製造している。即ち、まず、平板形状のセラミックグリーンシートを用意する。そして、これにプレス加工を行って噴射孔に対応する貫通孔を形成する。その後、この未焼成体を焼成して、燃料噴射ノズルを形成する。
また、特許文献3では、燃料噴射ノズルを次のように製造している。即ち、燃料噴射ノズルの外面を形成するためのキャビティを有する金型と、この金型の下方に位置する多孔質型と、噴射孔に対応する貫通孔を形成するための孔形成用ピンと、燃料噴射ノズルの内面を形成するための内面形成用ピンとをそれぞれ配置する。そして、上記キャビティ内にスラリーを注入して、椀状の未焼成体を形成する。次に、この未焼成体から、孔形成用ピンを抜き取り、また、成型用ピンも抜き取る。その後、この未焼成体を焼成して、燃料噴射ノズルを形成する。
なお、特許文献2には、燃料噴射ノズルの製造方法が具体的には記載されていない。
特開平9−236068号公報 実開昭58−120871号公報 特許第3063170号公報
特許文献1のような平板形状の燃料噴射ノズルでは、上記のように、平板形状のセラミックグリーンシートに貫通孔を形成して焼成すればよいので、個体ばらつきの小さい燃料噴射ノズルを容易に形成できる。
しかしながら、引用文献3のような立体的形状をなす燃料噴射ノズルでは、金型のキャビティ内にスラリーを注入することで、つまり射出成形により、所定形状の未焼成体を形成していたため、燃料噴射ノズルの個体ばらつきが大きくなりがちであった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、セラミック製で、ドーム状等の立体的形状(平板形状を除く)をなす燃料噴射ノズルにおいて、個体ばらつきが小さい燃料噴射ノズルを容易に製造できる燃料噴射ノズルの製造方法、このような個体ばらつきが小さい燃料噴射ノズルを容易に製造できる燃料噴射装置の製造方法、セラミック製で、ドーム状等の立体的形状(平板形状を除く)をなす燃料噴射ノズルにおいて、個体ばらつきが小さい燃料噴射ノズル、このような燃料噴射ノズルを有する燃料噴射装置を提供することを目的とする。
その解決手段は、セラミックからなり、噴射孔を有する燃料噴射ノズルの製造方法であって、平板形状のセラミックグリーンシートをその厚み方向に変形させて、焼成後の前記燃料噴射ノズルに対応する所定形状の未焼成体を成形する成形工程と、前記未焼成体に、焼成後の前記噴射孔に対応する貫通孔を形成する孔形成工程と、前記未焼成体を焼成し、前記燃料噴射ノズルを形成する焼成工程と、を備える燃料噴射ノズルの製造方法である。
本発明によれば、平板形状のセラミックグリーンシートから、燃料噴射ノズルに対応する所定形状の未焼成体を成形しているので、従来の射出成形などに比して、個体ばらつきが小さく、均一で欠陥のない燃料噴射ノズルを製造できる。また、未焼成体を成形した後に貫通孔を形成しているので、未焼成体成形前に貫通孔を形成する場合に比して、貫通孔の形状が変形しにくく、貫通孔の加工精度を高くすることができる。また、未焼成体成形後に貫通孔を形成することで、貫通孔にストレスが掛かって焼成時にクラックが生じることもより確実に防止できる。
なお、本発明に係る「燃料噴射ノズル」は、セラミックグリーンシートを厚み方向に変形させ穿孔後に焼成したものである。従って、「燃料噴射ノズル」には、例えば、半球殻状の部分など、一方面が厚み方向に凸形状をなすと共に、この逆面が凹形状をなす、殻状の部分を有する形態としたものが挙げられる。更にこの殻状の部分を有する形態としては、上述の一方面の凸形状として、半球状、ドーム状、錐状(円錐状、多角錐状)、錐台状(円錐台状、多角錐台状)、柱状(円柱状、角柱状)などの形状としたものが挙げられる。また同様に、逆面の凹形状としても、半球状、ドーム状、錐状、錐台状、柱状などの形状としたものが挙げられる。更に、この殻状の部分の肉厚を均一にするのがより好ましい。
「噴射孔」は、成形後に穿孔した貫通孔を有する未焼成体を焼成することにより、貫通孔から形成されるものである。この貫通孔は、その数や形状、大きさ、形成位置などを、焼成後の噴射孔の噴霧量や噴霧方向、噴霧されてできる液滴の大きさなどを考慮して、適宜変更すればよい。
「成形工程」は、上記の要件を満たす工程であればよく、例えば、上型及び下型からなる成形型を利用して、所定形状の未焼成体を形成する方法が挙げられる。
「孔形成工程」は、上記の要件を満たす工程であればよく、例えば、パンチング、ドリル、レーザ、電子ビームなどにより、貫通孔を形成する方法が挙げられる。
更に、上記の燃料噴射ノズルの製造方法であって、前記成形工程では、前記未焼成体の少なくとも一部を一定の肉厚を有するドーム状に成形し、前記孔形成工程では、前記未焼成体のうちドーム状に成形された部位に、前記貫通孔を形成する燃料噴射ノズルの製造方法とすると良い。
上述したように、本発明により製造される燃料噴射ノズルとしては、殻状の部分を有する形態、具体的には、一方面の凸形状及びこの逆面の凹形状として、半球状、ドーム状、錐状、錐台状、柱状などの形状としたものが挙げられる。このうち、錐状、錐台状、柱状などの形状は、その一部に角部を有するので、セラミックグリーンシートを厚み方向に変形させる際、上記角部に対応して、セラミックグリーンシートの一部に応力が集中し、セラミックグリーンシートに切れやクラック等が発生するおそれがある。また同様に、殻状の部分の厚みが不均一な形態の場合も、その不均一な形態に伴って、成形時にセラミックグリーンシートに不均一な応力が掛かり、セラミックグリーンシートに切れやクラック等が発生するおそれがある。
これに対し、本発明では、成形工程において、未焼成体の少なくも一部を一定の肉厚を有するドーム状に成形する。このような形状に成形すれば、セラミックグリーンシートのうち上記ドーム状の部位に対応した部分全体に、上述の角部を有する形態や厚みが不均一な形態に比して、均一に応力が掛かる。このため、成形工程の際、角部を有する形態や厚みが不均一な形態に比して、セラミックグリーンシートに切れやクラック等が発生しにくい。更に、焼成の際、肉厚が一定のドーム状の部位は、角部を有する形状や厚みが不均一な形態に比して、均一に焼成収縮するので、ドーム状の部位に形成された貫通孔も変形しにくく、噴射孔を精度高く形成できる。
更に、上記のいずれかに記載の燃料噴射ノズルの製造方法であって、前記噴射孔は、開口が円形状をなし、前記孔形成工程では、前記貫通孔を、前記噴射孔の孔径が100μm以下となる大きさに形成する燃料噴射ノズルの製造方法とすると良い。
燃料噴射ノズルが金属製の場合、レーザ加工や放電加工、LIGAプロセスなどの手法で噴射孔を形成する場合、孔径を100μm以下とすることは困難である。
これに対し、本発明では、燃料噴射ノズルをセラミック製としている。セラミックは、焼成時に収縮するので、未焼成時に形成した貫通孔に対して、焼成後の噴射孔も孔径が小さくなる。従って、未焼成時に比較的大きい貫通孔を穿孔すれば足りるから、焼成工程後において100μm以下の孔径の噴射孔も形成できる。そして、このように孔径の小さい噴射孔を形成すれば、噴霧時の液滴微細化を図ることができるので、PMの排出を大幅に低減できる。
更に、上記のいずれかに記載の燃料噴射ノズルの製造方法であって、前記孔形成工程では、前記貫通孔を、パンチングにより形成する燃料噴射ノズルの製造方法とすると良い。
前述したように、貫通孔は、パンチング、ドリル、レーザ、電子ビームなど様々な方法により形成できる。このうち、ドリルは、バリが生じるなど加工精度が比較的低い。また、レーザや電子ビームは、コスト高を招きやすい。これに対し、本発明では、パンチングにより貫通孔を形成するので、容易に貫通孔を形成でき、また、貫通孔の加工精度を高くできる。
更に、上記の燃料噴射ノズルの製造方法であって、前記孔形成工程では、ピンと、このピンの先端に装着され、焼成時に前記貫通孔内から消失し得る材質からなる消失部材とを有するパンチング部材により、前記パンチングを行い、このパンチングの際に、前記パンチング部材のうち前記消失部材を前記未焼成体の前記貫通孔内に残存させ、前記焼成工程では、記未焼成体を焼成する共に、前記消失部材を前記貫通孔内から消失させる燃料噴射ノズルの製造方法とすると良い。
本発明によれば、ピンとその先端に装着された消失部材とを有するパンチング部材により、パンチングを行い、このパンチングの際に、パンチング部材のうち消失部材を未焼成体の貫通孔内に残存させる。このようにすれば、パンチングでピンを抜き取る際あるいはその後に、貫通孔が潰れたり変形するのを防止できる。
なお、本発明における「消失部材」は、上記のように、焼成時に貫通孔内から消失し得る材質からなるものであればよく、焼成時に燃焼して貫通孔内から消失するものでも、焼成時に昇華して貫通孔内から消失するものでも、或いは、焼成時に溶解して貫通孔内から消失するものでもよい。このような材質として、例えば、カーボン、PE、PP、PET、テオブロミン、カフェイン、ナフタレンなどが挙げられる。なお、焼成時に消失するとは、いわゆる仮焼成時に消失する場合も、いわゆる本焼成時に消失する場合も含まれる。
また、「消失部材」は、少なくとも貫通孔の長さと同じ長さであればよい。即ち、パンチング後に貫通孔内にだけ残存する長さとしてもよいし、或いは、パンチング後に貫通孔から一部が突出する長さとすることもできる。
また、他の解決手段は、燃料噴射ノズルを備える燃料噴射装置の製造方法であって、前記燃料噴射ノズルを、上記にいずれかに記載の燃料噴射ノズルの製造方法により製造する燃料噴射装置の製造方法である。
本発明の燃料噴射装置の製造方法は、燃料噴射ノズルを、上記にいずれかに記載の燃料噴射ノズルの製造方法により製造する。このため、燃料噴射装置の製造過程のうちの燃料噴射ノズルを形成する際に、上述した発明と同様な作用、効果を得ることができる。
また、他の解決手段は、セラミックからなり、噴射孔を有する燃料噴射ノズルであって、セラミックからなり、噴射孔を有する燃料噴射ノズルであって、厚み方向に変形させて所定形状に成形され、前記噴射孔となる貫通孔を穿孔されたセラミックグリーンシートを焼成してなる燃料噴射ノズルである。
本発明の燃料噴射ノズルは、厚み方向に変形させて所定形状に成形されたセラミックグリーンシートを焼成してなるので、従来の射出成形などにより形成されたものに比して、個体ばらつきが小さく、均一で欠陥のないものとすることができる。
また、他の解決手段は、上記のいずれかに記載の燃料噴射ノズルを備える燃料噴射装置である。
このような燃料噴射装置は、個体バラツキが小さいなどの作用、効果を有する上述の燃料噴射ノズルを備えるので、燃料の噴射量などをより確実に制御できる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態1に係る燃料噴射装置110の縦断面図を示す。また、図2に本実施形態1に係る燃料噴射ノズル100の縦断面図を示す。なお、図1は、下方が先端側、上方が基端側であり、一方、図2は、上方が先端側、下方が基端側である。
燃料噴射装置110は、図示しない内燃機関の燃焼室内に高圧の燃料を噴射するための装置である。この燃料噴射装置110は、積層型圧電素子(モールド済ユニット積層体)111を内部に有し、これにより駆動する。モールド済ユニット積層体111は、3つの積層型圧電ユニット113,113,113と、隣り合う積層型圧電ユニット113,113,113同士の境界の周囲に配置されたスペーサ115,115とを有する。
燃料噴射装置110は、軸線AXに沿って延びる筒状の本体部材120を有する。この本体部材120は、その先端側(図1中、下方)に位置するノズル保持部120nにおいて、ノズル部材130を保持している。また、本体部材120のうち、円筒状の圧電素子包囲部120p内には、上記のモールド済ユニット積層体111が挿入され、保持されている。更に詳細には、圧電素子包囲部120p内のうち、先端部分(図1中、下方)には、径大なベース部141bと径小なロッド部141rとからなるピストン141、及び、ロッド部141rに挿通された皿バネ143を有しており、ベース部141bより先端側(図1中、下方)に、シリンダ室120cが構成されている。
ピストン141には、モールド済ユニット積層体111の先端面111t1が当接している。一方、モールド済ユニット積層体111の基端面111t2は、圧電素子包囲部120pの基端部分(図1中、上方)に溶接、固定された封口板145に当接している。このため、モールド済ユニット積層体111は、皿バネ143の弾性力により、常時、圧縮応力が掛かるように付勢されている。また、ピストン141のベース部141bの周囲には、シール溝141mが凹設されており、この中にOリング147が嵌め込まれてシリンダ室120cのシールを行っている。
ノズル部材130は、先端部分をなす燃料噴射ノズル100と、その基端側に位置するノズル基端部材131とから構成されている。燃料噴射ノズル100は、半球面状の外面100aと半球面状の内面100bとを有し、肉厚が1mmのドーム状をなす(図2も参照)。この燃料噴射ノズル100には、外面100aと内面100bとの間を貫通し、開口が円形状で孔径が75μmの噴射孔101,101,…が複数穿設されている。
この燃料噴射ノズル100は、セラミック(具体的にはアルミナ)から形成されている。具体的には、後述するように(図3〜図6参照)、厚み方向に変形させてドーム状の未焼成体210に成形し、噴射孔101,101,…となる貫通孔211,211,…を穿孔したセラミックグリーンシート200を焼成することにより形成されている。このような燃料噴射ノズル100は、従来の射出成形などにより形成されたものに比して、個体ばらつきが小さく、均一で欠陥のないものとすることができる。また、後述するように、未焼成体210を成形した後に貫通孔211,211,…が形成されているので、未焼成体210の成形前に貫通孔211,211,…を形成する場合に比して、貫通孔211,211,…(噴射孔101,101,…)の変形が少なく、加工精度が高いものとすることができる。また、未焼成体210の成形後に貫通孔211,211,…を形成することで、貫通孔211,211,…にストレスが掛かりにくいので、貫通孔211,211,…(噴射孔101,101,…)にクラックが無いものとすることができる。
更に、噴射孔101,101,…となる貫通孔211,211,…は、パンチングにより形成されているので、噴射孔101,101,…の加工精度が高いものとすることができる。
図1に戻り、ノズル部材130の内側には、ニードル149が摺動可能に収容されている。このニードル149の先端部149sにより、燃料噴射ノズル110の各噴射孔101,101,…が開閉可能とされている。また、ノズル部材130の基端部分(図1中、上方)には、環状室130pが形成されている。この環状室130pには、ニードル149のピストン部149pが、その周囲と環状室130pの壁面との間にオリフィス151を形成して配置されている。ニードル149のピストン部149p内にはバネ保持孔149pnが形成されている。このバネ保持孔149pn内には、コイルバネ153が挿入保持されて、本体部材120のノズル保持部120nと圧電素子包囲部120pとを区画する仕切壁部120wに当接しており、ニードル149を先端側(図1中、下方)に付勢している。
また、本体部材120及びノズル部材130には、外部と環状室130pとを結ぶ燃料供給口120f,130fが形成されており、この燃料供給口120f,130fを通じて、高圧に加圧された燃料が、環状室130pに供給される。更に、本体部材120の仕切壁部120wには、バネ保持孔149pnと圧電素子包囲部120pとを連通する連通孔120tが形成されている。従って、環状室130pに供給された燃料は、オリフィス151を通じて、バネ保持孔149pn、連通孔120t、圧電素子包囲部120pのシリンダ室120cにも充填される。
モールド済ユニット積層体111の複数の外部リード線117は、本体部材120のリード挿通孔120mを介して外部に取り出されている。これらの外部リード線117に電圧を印加すると、モールド済ユニット積層体111が軸線AX方向に伸長し、シリンダー室120cの圧力が高まる。すると、ニードル149が先端側に移動して閉弁する(噴射孔101,101,…が塞がる)。一方、モールド済ユニット積層体111の印加電圧を低下させて収縮させると、シリンダー室120cの圧力が低下し、燃料供給口120f,130fから供給された燃料の圧力により、ニードル149のピストン部149pが基端側にコイルバネ153を圧縮しながら移動する。そうすると、開弁して、噴射孔101,101,…から燃料が噴射される。
このような燃料噴射装置110は、このうちの燃料噴射ノズル100が、上述したように、個体ばらつきが小さくて均一で欠陥がなく、噴射孔101,101,…の変形が少なく、加工精度が高く、また、噴射孔101,101,…にクラックが無いものである。このため、この燃料噴射装置110を使用すれば、燃料の噴射量などをより確実に制御できる。
次に、本実施形態1に係る燃料噴射ノズル100の製造方法について説明する。
まず、公知の手法により、平板形状のセラミックグリーンシート200を形成する(図3参照)。
次に、図3に示すように、上型UGと下型SGとを有する成形用治具GGを用意する。この上型UGには、半球状の凹部UGKが形成されている。一方、下型SGの先端部SGBは、凹部UGKに対応して、半球状に形成されている。そして、上記セラミックグリーンシート200を、これら上型UGと下型SGとの間に挟んで、セラミックグリーンシート200をその厚み方向に変形させて成形する(成形工程)。これにより、図4に示すように、半球面状の外面210aと半球面状の内面210bとを有するドーム状の未焼成体210ができる。
次に、図5に示すように、複数の円柱状のパンチング部材(ピン)PG1,PG1,…により、未焼成体210の外面210aから内面210bに向けてパンチングを行い、未焼成体210の所定位置に孔径100μmの複数の貫通孔211,211,…を形成する(孔形成工程)。そうすると、図6に示すように、燃料噴射ノズル100に対応した形態の未焼成体210ができる。
次に、この未焼成体210を公知の手法により焼成する(焼成工程)。これにより、孔径100μmの各貫通孔211,211,…から、孔径75μmの各噴射孔101,101,…が形成され、図2に示した燃料噴射ノズル100が完成する。
このように、本実施形態では、平板形状のセラミックグリーンシート200をその厚み方向に変形させて、燃料噴射ノズル100に対応するドーム状の未焼成体210を成形しているので、従来の射出成形などに比して、個体ばらつきが小さく、均一で欠陥のない燃料噴射ノズル100を製造できる。また、未焼成体210を成形した後に貫通孔211,211,…を形成しているので、未焼成体210の成形前に貫通孔211,211,…を形成する場合に比して、貫通孔211,211の形状が変形しにくく、貫通孔211,211,…の加工精度を高くすることができる。また、未焼成体210の成形後に貫通孔211,211,…を形成することで、貫通孔211,211,…にストレスが掛かって焼成時にクラックが生じることもより確実に防止できる。
また、本実施形態1では、未焼成体210を肉厚が一定なドーム状に成形しているので、角部を有する形態や厚みが不均一な形態の未焼成体に比して、成形の際、セラミックグリーンシート200の全体に均一な応力が掛かり、一部に応力が集中しにくい。このため、角部を有する形態や厚みが不均一な形態の未焼成体を成形する場合に比して、セラミックグリーンシート200に切れやクラック等が発生しにくい。更に、焼成の際、肉厚が一定なドーム状の未焼成体210は、角部を有する形態や厚みが不均一な形態の未焼成体に比して、均一に焼成収縮するので、貫通孔211,211,…も変形しにくく、噴射孔101,101,…を精度高く形成できる。
また、本実施形態1では、燃料噴射ノズル100をセラミック製としている。セラミックは、焼成時に収縮するので、未焼成時に形成した貫通孔211,211,…に対して、焼成後の噴射孔101,101,…も孔径が小さくなる。従って、未焼成時に比較的大きい貫通孔211,211,…を穿孔すれば足りるから、100μm以下の孔径の噴射孔101,101,…も形成できる。これにより、噴霧時の液滴微細化を図ることができるので、PMの排出を大幅に低減できる。また、本実施形態1では、パンチングにより貫通孔211,211,…を形成しているので、容易に貫通孔211,211,…を形成でき、また、貫通孔211,211,…の加工精度を高くできる。
なお、燃料噴射装置110は、上記の燃料噴射ノズル110を用いて、公知の手法により形成することができる。
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態2に係る燃料噴射装置及び燃料噴射ノズルは、上記実施形態1の燃料噴射装置110及び燃料噴射ノズル100と同様であるが、その製造方法が異なる。
本実施形態2に係る燃料噴射ノズル100の製造方法について説明する。
まず、上記実施形態1と同様に、平板形状のセラミックグリーンシート200を形成する。そして、このセラミックグリーンシート200を、成形用治具GGの上型UGと下型SGとの間に挟んで、セラミックグリーンシート200を成形し(図3参照)、ドーム状の未焼成体210を形成する(図4参照)(成形工程)。
次に、図7に示すように、複数の円柱状のパンチング部材PG2,PG2,…により、未焼成体210の外面210aから内面210bに向けてパンチングを行い、未焼成体210の所定位置に孔径100μmの複数の貫通孔211,211,…を形成する(孔形成工程)。本実施形態2におけるパンチング部材PG2は、円柱状のピンPGPと、このピンPGPの先端に装着された円柱状の消失部材PGSとからなる。ピンPGPは、超硬部材からなり、消失部材PGSは、後述する焼成時に貫通孔211内から消失し得る材料、具体的にはカーボンからなる。
そして、このパンチングの際、図8に示すように、パンチング部材PG2のうち消失部材PGSを貫通孔211内に残存させる。消失部材PGSは、その大きさが直径100μm、長さ1mmである。一方、未焼成体210の厚み(貫通孔211の長さ)は1mmであるので、消失部材PGSは、その全体が貫通孔211内に収まる。
次に、この未焼成体210を公知の手法により焼成する。その際、消失部材PGSは、いわゆる仮焼成(本焼成に至る前段階)において昇華して、貫通孔211内から消失する。そして、各貫通孔211,211,…から噴射孔101,101,…が形成され、図2に示した燃料噴射ノズル100が完成する。
このように本実施形態2でも、平板形状のセラミックグリーンシート200から、燃料噴射ノズル100に対応するドーム状の未焼成体210を成形しているので、従来の射出成形などに比して、個体ばらつきが小さく、均一で欠陥のない燃料噴射ノズル100を製造できる。また、その他上記実施形態1と同様な部分は、上記実施形態1と同様な作用、効果を奏する。
しかも、本実施形態2では、ピンPGPと消失部材PGSとからなるパンチング部材PG2により、パンチングを行い、このパンチングの際に、パンチング部材PG2のうち消失部材PGSを未焼成体210の貫通孔211内に残存させている。このため、パンチング部材PGSを抜き取る際またはその後に、貫通孔211が潰れたり変形するのを防止できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態1,2では、燃料噴射ノズル100をアルミナにより構成したが、窒化珪素やジルコニア等を用いて燃料噴射ノズル100を構成してもよい。
実施形態1に係る燃料噴射装置の縦断面図である。 実施形態1に係る燃料噴射ノズルのの縦断面図である。 実施形態1に係る燃料噴射ノズルの製造方法に関し、上型と下型でセラミックグリーンシートを成形する成形工程の様子を示す説明図である。 実施形態1に係る燃料噴射ノズルの製造方法に関し、成形された所定形状の未焼成体を示す説明図である。 実施形態1に係る燃料噴射ノズルの製造方法に関し、パンチングにより、未焼成体に貫通孔を形成する孔形成工程の様子を示す説明図である。 実施形態1に係る燃料噴射ノズルの製造方法に関し、貫通孔が形成された未焼成体を示す説明図である。 実施形態2に係る燃料噴射ノズルの製造方法に関し、消失部材を有するパンチング部材によりパンチングを行い、未焼成体に貫通孔を形成する孔形成工程の様子を示す説明図である。 実施形態2に係る燃料噴射ノズルの製造方法に関し、孔形成工程において、貫通孔内に消失部材が残された状態の未焼成体を示す説明図である。
符号の説明
100 燃料噴射ノズル
101 噴射孔
110 燃料噴射装置
111 積層型圧電素子(モールド済ユニット積層体)
120 本体部材
130 ノズル部材
131 ノズル基端部材
149 ニードル
200 セラミックグリーンシート
210 未焼成体
211 貫通孔
GG 成形用治具
UG 上型
SG 下型
PG1 パンチング部材(ピン)
PG2 パンチング部材
PGP ピン
PGS 消失部材

Claims (8)

  1. セラミックからなり、噴射孔を有する燃料噴射ノズルの製造方法であって、
    平板形状のセラミックグリーンシートをその厚み方向に変形させて、焼成後の前記燃料噴射ノズルに対応する所定形状の未焼成体を成形する成形工程と、
    前記未焼成体に、焼成後の前記噴射孔に対応する貫通孔を形成する孔形成工程と、
    前記未焼成体を焼成し、前記燃料噴射ノズルを形成する焼成工程と、
    を備える燃料噴射ノズルの製造方法。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射ノズルの製造方法であって、
    前記成形工程では、
    前記未焼成体の少なくとも一部を一定の肉厚を有するドーム状に成形し、
    前記孔形成工程では、
    前記未焼成体のうちドーム状に成形された部位に、前記貫通孔を形成する
    燃料噴射ノズルの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射ノズルの製造方法であって、
    前記噴射孔は、開口が円形状をなし、
    前記孔形成工程では、
    前記貫通孔を、前記噴射孔の孔径が100μm以下となる大きさに形成する
    燃料噴射ノズルの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3にいずれか一項に記載の燃料噴射ノズルの製造方法であって、
    前記孔形成工程では、
    前記貫通孔を、パンチングにより形成する
    燃料噴射ノズルの製造方法。
  5. 請求項4に記載の燃料噴射ノズルの製造方法であって、
    前記孔形成工程では、
    ピンと、このピンの先端に装着され、焼成時に前記貫通孔内から消失し得る材質からなる消失部材とを有するパンチング部材により、前記パンチングを行い、
    このパンチングの際に、前記パンチング部材のうち前記消失部材を前記未焼成体の前記貫通孔内に残存させ、
    前記焼成工程では、
    前記未焼成体を焼成する共に、前記消失部材を前記貫通孔内から消失させる
    燃料噴射ノズルの製造方法。
  6. 燃料噴射ノズルを備える燃料噴射装置の製造方法であって、
    前記燃料噴射ノズルを、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射ノズルの製造方法により製造する
    燃料噴射装置の製造方法。
  7. セラミックからなり、噴射孔を有する燃料噴射ノズルであって、
    厚み方向に変形させて所定形状に成形され、前記噴射孔となる貫通孔を穿孔されたセラミックグリーンシートを焼成してなる
    燃料噴射ノズル。
  8. 請求項7に記載の燃料噴射ノズルを備える燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100363188C (zh) * 2004-03-19 2008-01-23 佳能株式会社 后处理装置及其控制方法、程序和记录介质
WO2014021467A1 (ja) * 2012-08-03 2014-02-06 日本碍子株式会社 噴射ノズルの製造方法
WO2024062610A1 (ja) * 2022-09-22 2024-03-28 日立Astemo株式会社 燃料噴射弁の弁座部材の製造方法

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