JP2008030764A - 食品用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱処理または高温殺菌処理等を行った高温の食品が容器本体内で冷却された場合に、容器本体内が減圧されて容器が凹んで変形するのを防止することができる食品用容器を提供すること。
【解決手段】容器本体1の口部を広口キャップ2で螺合して密封する食品用容器であって、前記広口キャップ2の外周壁に縦方向の通気溝8を形成し、この通気溝8に練通するようにキャップ天板の裏面部には通気用の凹部10を形成したものとした。前記外周壁に形成される縦方向の通気溝8は、複数本の突条9、9間に形成される谷部であり、またこの通気溝8は、キャップ円周方向に均等に複数個形成されている。また、通気用の凹部10は、容器本体1の口部頂部との間に形成されるわずかな凹みであって、通気性は確保するがタレ漏れは防止するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱処理または高温殺菌処理等を行った高温の食品が容器本体内で冷却された場合に、容器本体内が減圧されて容器が凹んで変形するのを防止することができる食品用容器に関するものである。
例えば、イカフライやイカゲソ、焼き鳥、トンチャン等の食品用容器として、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなる円筒状の容器本体に広口キャップを螺合して密封したものが従来から広く利用されている。前記のような食品は加熱処理または高温殺菌処理等を行った直後に容器本体内に収納されるのが普通であり、その後、直ちにキャッピングを行い密封している。
しかしながら、加熱処理または高温殺菌処理等を行った高温の食品が容器本体内で冷却されると容器本体内が減圧されて容器が凹んで変形してしまい商品価値を低下させるという現象が生じる場合があった。
この減圧を防止するのに、単純に通気用の孔や溝を設けることも考えられるが、この場合は食品についている液状のタレが前記通気用の孔等を通じて外へ漏れ出ることがあり、これを防止するのにキャップ外周をテープで貼る必要がある。ところが、テープで貼ると前記通気用の孔等も閉塞してしまうため、凹み変形を防止することができなくなり、通気性の確保とタレ漏れの防止という相反する二つの課題を同時に解決する方法の開発が必要であった。
そこで、食品用包装体内の減圧防止方方として、例えば特許文献1に示されるように、容器本体の開口端部と容器蓋との間に通気性を有するシート状の熱溶着性プラスチック除菌フィルターを介在させ、該フィルター部分で外気と導通させて容器の減圧変形を防止することが提案されている。
ところが、特許文献1の方法によるときは、フィルターを容器本体の開口端部と容器蓋との間で熱溶着するのに何度も加熱処理する必要があり、密封作業が繁雑になるという問題点や、余分に熱溶着性プラスチック除菌フィルターを必要としコストアップの要因になるという問題点があった。
特開平11−124175号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、加熱処理または高温殺菌処理等を行った高温の食品が容器本体内で冷却されても、容器本体内が減圧されることがなく容器の凹み変形を防止することができるとともに、タレが容器の外へ漏れ出ることを防止することができ、また減圧による変形防止機能の構造が簡単でキャッピング作業も容易であり、また通気を確保するための別部材を準備する必要もなく生産コストも安価なものとすることができる食品用容器を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の食品用容器は、容器本体の口部を広口キャップで螺合して密封する食品用容器であって、前記広口キャップの外周壁に縦方向の通気溝を形成し、この通気溝に連通するようにキャップ天板裏面部の容器本体の口部頂部と接触する部分には通気用の凹部を形成したことを特徴とするものである。
本発明の食品用容器では、キャップの外周壁に縦方向の通気溝を形成し、キャップ天板の裏面部にはこの通気溝に連通する通気用の凹部を形成した構造であり、容器本体内と外部とは前記通気用の凹部および通気用の凹部を通じて連通しているため、加熱処理または高温殺菌処理等を行った高温の食品が容器本体内で冷却されても、容器本体内が減圧されることがなく容器の凹み変形を防止することができることとなる。しかも、前記通気用の凹部は、通気性は確保するがタレ漏れは防止する程度のわずかなものであるため、タレが容器の外へ漏れ出ることも防止する。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、イカフライやイカゲソ、焼き鳥、トンチャン等のタレ付きの食品を収容する容器を示す全体正面図、図2は容器本体1にキャップ2を被せた状態を示す要部の拡大断面図である。図1〜2において、1は例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなる広口の口部3を有する円筒状の容器本体、2は容器本体1の口部を螺合して密封するポリプロピレン樹脂からなる広口キャップである。また、4は容器の成形と同時に成形される環状突起であるビード、5は該ビード4の外周面とキャップ2の下方部外周とを囲ってタレ漏れの防止を図るとともに、未開封であることを示すためのテープである。
前記キャップ2は、円板状の天板6の周縁に外周壁7が垂設された断面門型形状のものであり、周壁7の内面には容器本体1の口部3に形成されたネジ3aと螺合するネジ7aが形成されている。また、外周壁7には縦方向の通気溝8が形成されているとともに、この通気溝8に対応するキャップ天板6の裏面部には通気用の凹部9が形成されている。
図3は、キャップ2の裏面側からみた平面図であり、縦方向の通気溝8は、キャップ円周方向に均等に8個形成されており、これに対応して通気用の凹部9も8個形成されている。
なお、図2に示されるように、キャップを被せた状態では、前記外周壁7の下端部とビード4の上端面とは密着せずに1mm程度のわずかな隙間を残した状態となっている。
図4は、通気溝8と通気用の凹部9の要部を示す拡大平面図であり、外周壁7に形成される縦方向の通気溝8は、縦方向の複数本(図示のものでは3本)の突条9、9間に形成される幅が約1〜2mmの谷部として形成されている。5はタレ漏れ防止用に貼られたテープであり、このテープ5との間に外気導通用の通気溝8が形成されている。
即ち、テープ5を貼ると、外周壁7の下端部とビード4の上端面と間のわずかな隙間が閉塞されてしまい通常は通気性がなくなるが、本発明では前記縦方向の通気溝8を設けることで通気性を確保するのである。つまり、テープ5を貼っても、テープ5が突条9を全面的に覆わずに上端部において通気溝8を開放した状態となっており、通気性を確保している。
図5は、通気溝8と通気用の凹部10の要部を示す拡大斜視図である。この通気用の凹部10は、前記通気溝8に練通するようにキャップ天板裏面部の容器本体の口部頂部と接触する部分に形成されるものであって、通気用の凹部10は天板6の周縁において外周壁7に向けて徐々に深くなるようにノミで削るような感じで溝が形成されており、その幅は約5〜10mm(好ましくは7〜9mm)、最大深さは約0.1〜0.2mm程度のものである。
図6はキャッピングした際における容器本体1の口部3と、天板6との接触状態を示す説明図であり、キャップ2を螺合すると原則として天板6が口部3の頂部に密接して密封性を保持しているが、前記通気用の凹部10の部分では天板6と口部3の頂部との間にわずかな隙間を形成して、通気性を有することとなる。
ただし、前記通気用の凹部10は極めて浅い凹溝であり、通気性は十分に確保するが粘性のあるタレ漏れは確実に防止するのである。
このように構成した食品用容器では、例えば、イカフライやイカゲソ等を加熱処理または高温殺菌処理等を行った直後に容器本体内に収納し、その後、雑菌等の混入を防止するため直ちにキャッピングを行い密封する。次いで、キャップ外周をテープで貼って、タレ漏れの防止を図るとともに、未開封であることを保証する。
その後、放置して冷却しておくが、従来の場合は高温の食品が容器本体内で冷却されて容器本体内が減圧状態となり、容器が凹んで変形してしまうという現象が生じていたのに対し、本発明では広口キャップの外周壁に縦方向の通気溝を形成し、この通気溝に対応するキャップ天板の裏面部には通気用の凹部を形成した構造としたので、外周壁の下端部とビードの上端面と間のわずかな隙間から入る外気が、前記通気用の凹部を通して容器本体内へ導通するため、容器本体内は減圧状態にならない。この結果、容器が凹んで変形してしまうという現象が確実に防止されることとなる。また、キャップ外周をテープで貼ってあっても、縦方向の通気溝を通じて同様に容器本体内と導通しているため、容器本体内は減圧状態にならない。しかも、前記通気用の凹部は極めて浅い凹溝であり、通気性は十分に確保するがタレ漏れは確実に防止する形状であるため、外部へタレが漏れるという不具合もない。
以上の説明からも明らかなように、本発明は加熱処理または高温殺菌処理等を行った高温の食品が容器本体内で冷却されても、容器本体内が減圧されることがなく容器の凹み変形を確実に防止することができるとともに、タレが容器の外へ漏れ出ることも防止することができるものである。更には、減圧による変形防止機能の構造が簡単であり、キャッピング作業も容易で、また通気を確保するための別部材を準備する必要もなく生産コストも安価なものとすることができるという利点も有するものである。
よって本発明は、従来の問題点を解決した新規な食品用容器として、産業の発展に寄与するところ極めて大である。
本発明の実施の形態を示す全体正面図である。 容器本体にキャップを被せた状態を示す要部の拡大断面図である。 キャップの裏面側からみた平面図である。 通気溝と通気用の凹部の要部を示す拡大平面図である。 通気溝と通気用の凹部の要部を示す拡大斜視図である。 キャッピングした際における容器本体の口部と、天板との接触状態を示す説明図である。
符号の説明
1 容器本体
2 キャップ
3 口部
3a ネジ
4 ビード
5 テープ
6 天板
7 周壁
7a ネジ
8 通気溝
9 突条
10 通気用の凹部

Claims (4)

  1. 容器本体の口部を広口キャップで螺合して密封する食品用容器であって、前記広口キャップの外周壁に縦方向の通気溝を形成し、この通気溝に連通するようにキャップ天板裏面部の容器本体の口部頂部と接触する部分には通気用の凹部を形成したことを特徴とする食品用容器。
  2. 外周壁に形成される縦方向の通気溝は、複数本の突条間に形成される谷部である請求項1に記載の食品用容器。
  3. 縦方向の通気溝は、キャップ円周方向に均等に複数個形成されている請求項1または2に記載の食品用容器。
  4. キャップ天板の裏面部に形成される通気用の凹部は、容器本体の口部頂部との間に形成される幅が約5〜10mm、最大深さが約0.1〜0.2mmの凹みであって、通気性は確保するがタレ漏れは防止するものである請求項1〜3のいずれかに記載の食品用容器。
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