JP2008030321A - プリント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サーマルヘッドの平面精度を損なうことなく、ヒートパイプをサーマルヘッドに確実に密着させて組み付けることができ、効率の高い熱交換を維持するとともに均一な濃度で高品位な画像を形成できるプリント装置を提供する。
【解決手段】 平板状の発熱部1を有するサーマルヘッド51によりインクシートのインクを被記録材Pに熱転写するプリント装置である。そして、サーマルヘッドの発熱部が貼り付けられた放熱部材2と、放熱部材に密着されるヒートパイプ3と、ヒートパイプを放熱部材に付勢する方向に作用するばね部材4と、を具備する。さらに、ばね部材を介してヒートパイプを放熱部材に押し付けるように該ばね部材を弾性変形させる押圧手段5を具備する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、画像情報を基づいて記録紙等の被記録材に記録を行うプリント装置に関し、詳しくは、平面状の発熱部を有するサーマルヘッドによりインクシートのインクを被記録材に熱転写して記録を行うプリント装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは撮像画像形成装置などのプリント装置は、画像情報に基づいて記録紙等の被記録材に画像を記録するように構成されている。また、プリント装置におけるプリント方式(記録方式)には、熱転写式、感熱式、インクジェット式、レーザービーム式、ワイヤドット式など、種々の方式がある。また、被記録材としても、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート、封筒など、画像(文字や記号等を含む)を記録できるものであれば、種々の材質や形態のものが使用されている。上記の熱転写式のプリント装置は、発熱部を有するサーマルヘッドによりインクシートのインクを被記録材に熱転写して記録するものである。
この熱転写式のプリント装置においては、サーマルヘッドの発熱によってインクを転写するので、記録動作に伴う蓄熱によってサーマルヘッドの温度が上昇することがある。そして、温度が想定値以上に高くなると、適正な温度制御を行うことが困難となり、高品位な画像が得られなくなることがある。さらに、温度が上限温度以上に達すると、サーマルヘッドに実装された電気部品や周辺の機構部品に対して高温による悪影響が生じることがある。極端な場合には故障の原因ともなる。このような不具合を防ぐためには、サーマルヘッドの温度上昇を抑制する必要がある。そこで、一般的に、熱伝導性に優れたアルミ等の金属材料で形成された放熱板をサーマルヘッドに設けることが行われている。この放熱板の熱容量や表面積は、サーマルヘッドの温度上昇の特性を考慮しながら、プリント(印刷)動作中に想定温度を超えて制御不能になったり、故障に至る危険性がある上限温度に到達することがないような値に設定される。さらに、冷却ファンによる空冷手段を設けることにより、効率の良い熱交換を行うことも実施されている。
実際のプリント装置の温度制御においては、プリント開始時にサーマルヘッドに設けられたサーミスタによって該サーマルヘッドの温度を検出することが行われている。そして、あらかじめ設定された設定温度以上であれば、プリント動作を開始せず、冷却ファンを作動してサーマルヘッドが冷却されるのを待つようにしている。その後、サーマルヘッドの温度が設定温度より低くなったときにプリント動作を開始する。この場合の設定温度は、放熱板と冷却ファンにより冷却しながらプリントするときに到達する上限温度より十分に低い温度に選定される。このように温度低下を待ってプリントを開始する操作方法では、プリント動作における「待ち時間」が発生することになる。このため、プリント装置によるプリント動作の時間が長くなり、プリント完了が遅延する要因となっている。換言すると、冷却性能を向上させることは、プリント(印刷)の高速化いうメリットにもつながる。
また、熱交換を一層効率良く行うことにより、温度上昇による待ち時間を短縮する方法として、ヒートパイプによる熱輸送を利用してサーマルヘッドの温度を低下させる方法も提案されている。このヒートパイプを用いる方法は、例えば特許文献1、2及び3に開示されている。
以上の通り、現行技術では、放熱板、冷却ファン及びヒートパイプといった要素部品を使用してサーマルヘッドを冷却していた。
特公平6−67655号公報 特開2004−9327号公報 実開昭62−35840号公報
しかしながら、上述の従来の技術では、サーマルヘッドにヒートパイプを固定するため固定構造に次のような解決すべき課題があった。すなわち、サーマルヘッドの発熱部には、均一な濃度で画像を形成できるように数十ミクロンレベルの平面度が必要とされる。このような高い精度を確保するため、金属からなる放熱部材を高精度で製作し、その表面にセラミックヒーターからなる平板状の発熱部(ヒーター)を貼り付ける工程が一般に採用されている。この貼り付け工程においては、前工程で高精度に加工されたヒーター及び放熱部材の精度を低下させることなく固着させることが必要である。
また、ヒートパイプによる熱交換を利用する場合には、ヒートパイプの受熱部を熱源に確実に密着させる必要がある。これは、密着度が低いと熱交換の効率が低下し、サーマルヘッドの十分な冷却が不可能になるからである。密着の方法としては、かしめ加工、ビス締結、半田付けあるいは接着などが実用化されている。かしめやビス締結により熱源に密着させる場合は、密着される熱源側(例えば、サーマルヘッドのヒーター又は放熱部材)を塑性変形させる可能性がある。このため、前述のように高精度に仕上げられた放熱部材を、その精度を維持したままヒーターに貼り付けることが非常に困難となる。また、半田付けや接着による密着方法は、加工工数が多くなる点、並びに、溶剤等のいわゆる副資材の使用により製造コストが上昇する点で、不利である。
ちなみに、特許文献1では、サーマルヘッドに対しヒートパイプを接着剤により固定している。一方、特許文献2及び特許文献3では、ヒートパイプをサーマルヘッドに単に挿入しているだけである。このため、特許文献2及び特許文献3において、かしめやビス締結と同程度の密着度を確保するような挿入工程を実施すると、金属部材からなる放熱部材が変形してしまい、全面に均一な濃度で画像形成することが不可能又は非常に困難になってしまう。これとは逆に、精度を悪化させない程度の密着度とすると、熱交換の効率が低下し、冷却性能も低下してしまうことになる。換言すれば、さらに密着度を高めることによって熱交換の効率を高めたり、冷却性能を更に向上させることができたはずである。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、サーマルヘッドの平面精度を損なうことなく、ヒートパイプをサーマルヘッドに確実に密着させて組み付けることができ、効率の高い熱交換を維持するとともに均一な濃度で高品位な画像を形成できるプリント装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、平板状の発熱部を有するサーマルヘッドによりインクシートのインクを被記録材に熱転写して記録を行うプリント装置において、前記サーマルヘッドの発熱部が取り付けられた放熱部材と、前記放熱部材に密着されるヒートパイプと、前記ヒートパイプを前記放熱部材に付勢する方向に作用するばね部材と、前記ばね部材を介して前記ヒートパイプを前記放熱部材に押し付けるように該ばね部材を弾性変形させる押圧手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、サーマルヘッドの平面精度を損なうことなく、ヒートパイプをサーマルヘッドに確実に密着させて組み付けることができ、効率の高い熱交換を維持するとともに均一な濃度で高品位な画像を形成できるプリント装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明によるプリント装置の一実施形態のプリント中の状態を示す側面図である。図2は図1のプリント装置の被記録材を逆搬送している状態を示す側面図である。図1及び図2において、プリント装置は、サーマルヘッド51の発熱部1によってインクシート52のインクを被記録材Pに熱転写して記録を行うように構成されている。インクシート52は、巻取りリール58により、供給リール57からサーマルヘッド51の発熱部を通して巻き取られる。プリント(印刷)中は、インクシート52及び被記録材Pは重ね合わせ状態で発熱部1とプラテンローラ53の間で圧接されている。この状態で、画像情報に基づいて駆動される発熱部1によってインクシート52のインクを転写させるとともに、プリント方向下流側に配設されたキャプスタンローラ54とピンチローラ55のニップ部で被記録材Pを搬送する。なお、キャプスタンローラ54は、搬送モータ56によって回転駆動される。
上記のような熱転写記録のプリント動作によって、インクシート上のインクを被記録材Pに熱転写することにより、該被記録材に画像を印刷(プリント)していく。一定長さの1色目のプリントが終了すると、次の色をプリントするために、先ずサーマルヘッド51を図2に示すように離間させる。この状態でキャプスタンローラ54をプリント時と逆の方向に回転させることにより、被記録材Pを印刷開始位置まで戻す。そして、1色目と同様の動作で2色目を印刷する。インク色の数に応じて以上のようなプリント動作を繰り返す。なお、被記録材Pとしては、紙、写真調印画紙、プラスチックシート、OHP用シート、布、封筒など、画像(文字や記号等を含む)を記録できるものであれば、種々の材質や形態のものを使用することができる。
図3〜図5は、本発明によるプリント装置のサーマルヘッドにおいてヒートパイプを装着するときの状態を示す図である。図3は、本発明によるプリント装置のサーマルヘッドの第1の実施形態においてヒートパイプを装着する直前の状態を示す図であり、(a)はプリント方向の縦断面図であり、(b)は(a)中の線b−bから見た正面図である。図4は、図3のサーマルヘッドにヒートパイプを挿入した状態を示す図であり、(a)はプリント方向の縦断面図であり、(b)は(a)中の線b−bから見た正面図である。図5は、図4のサーマルヘッドに挿入されたヒートパイプを該サーマルヘッドに密着固定した状態を示す図であり、(a)はプリント方向の縦断面図であり、(b)は(a)中の線b−bから見た正面図である。図3〜図5において、サーマルヘッド11は、放熱部材2に発熱部(ヒーター)1を張り付けて構成されている。
発熱部1は複数の発熱抵抗体を直線状に配列したセラミック基板で構成されている。つまり、発熱部1に設けられた複数の発熱抵抗体を画像情報に基づいて選択的に駆動(通電)して発熱させることにより、インクシート52のインクを被記録材Pに転写することで、画像を形成していく。発熱部1はプリント方向と交差する方向に長尺の平板状(平面状)をしており、平板状の放熱部材2の下側の平面部に同様の平面形状をした平板状の発熱部1が取り付けられている。サーマルヘッド11には、その放熱部材2に密着させた状態でヒートパイプ3が固定されている(図5)。このヒートパイプ3は、その長手方向をプリント方向と交差(通常直交)する方向に向けて、放熱部材2に取り付けられている。
放熱部材2は銅やアルミニュウム等の金属を含む熱伝導性の高い材質で形成されている。ヒートパイプ3は、例えば、銅等の熱伝導性に優れた材料により略円筒状の容器を形成し、この容器の中に少量の作動液とその温度での飽和蒸気とを封入して密閉したものである。容器の内壁には、作動液を保持し還流させるためのウィック構造を形成しても良い。このようなヒートパイプ3は、応答性の速い熱輸送効果を発揮し、冷却手段による冷却効果を十分に引き出すことができるものである。また、ヒートパイプは、熱輸送によって長手方向の温度分布がほとんど均一になるという特徴を有している。
図5において、ヒートパイプ3は、ばね部材4によって放熱部材2に向けて付勢されている。このばね部材4は、プリント方向と交差する方向に長く、断面が下向きに凹形状の傘形形状をしている。このようなばね部材4は、板状のばね材を折り曲げ成形した板ばねで形成ことができる。ばね部材4は、プリント方向に交差する方向の複数箇所(図示の例では2箇所)で、ビス5によってヒートパイプ3を放熱部材2に押し付ける方向に押圧されている。これらのビス5は、放熱部材2に複数箇所(図示の例では3箇所)でビス11により固定された補助部材6に形成された雌ねじ(不図示)とねじ係合している。従って、各ビス5を補助部材6にねじ込むことにより、ばね部材4を押圧して弾性変形させ、この弾性変形されたばね部材4を介してヒートパイプ3が放熱部材2に密着状態で押し付けられている。
次に、図3〜図5を用いて、ヒートパイプ3をサーマルヘッド51に装着するときの手順を説明する。本実施形態においては、あらかじめ、放熱部材2には、その3箇所で、補助部材6がビス11によって固定されている。また、ヒートパイプ3の先端部には放熱フィン7が設けられている。この放熱フィン7に対しては、不図示の冷却ファン10からの空気流が当てられる。これによって、ヒートパイプ3が冷却され、該ヒートパイプによる放熱部材2からの放熱効果(熱の移動量)を向上させることができる。また、放熱部材2には、ヒートパイプ3をできるだけ広い面積で密着させるための溝状の凹部9が形成されている。ヒートパイプの装着に際しては、先ず、図3に示すように、ヒートパイプ3の受熱部を放熱部材2と補助部材6との間から挿入する。そして、図4に示すように、ヒートパイプ3の受熱部を凹部9の内部に載置するとともに、補助部材6とヒートパイプ3の間にばね部材4を挿入する。このばね部材4は、図示のように、ヒートパイプ3側が凹状をした断面形状を有し、プリント方向と交差する方向に長尺の板ばねで形成されている。
そして、図4の状態から、補助部材6の各雌ねじ(不図示)のそれぞれにビス5を係合させ、各ビスを下方へ(放熱部材2に向けて)ねじ込んでいく。各ビス5は、ばね部材4を介してヒートパイプ3を放熱部材2へ向けて押し付ける押圧手段を構成している。押圧手段としてのビス5をねじ込んでいくことにより、ばね部材4を介して、ヒートパイプ3は放熱部材2(その凹部9)に圧接される。この圧接力はビス5のねじ込み量に応じて調整することができる。各ビス5を所定位置までねじ込んで締結し後では、図5に示すように、ばね部材4が弾性変形し、その弾性力がヒートパイプ3を放熱部材2に圧接する押圧力として作用している。本実施形態では、比較的低い(小さい)弾性係数を有するばね部材(例えば、図示のような板ばね)4を介して、ヒートパイプ3をサーマルヘッド51の放熱部材2に圧接している。これによって、圧接力を、効率よく熱交換するのに十分な下限圧接力とサーマルヘッド51を変形させない上限圧接力との間の中間の値に設定することが可能となる。
以上説明した実施形態によれば、ヒートパイプ3を放熱部材2に付勢する方向に作用するばね部材4を設け、押圧手段としてのビス6によって押圧されることで弾性変形されたばね部材4を介して、ヒートパイプ3を放熱部材2に押し付けるように構成されている。このような構成によれば、比較的低い弾性係数を有するばね部材(例えば板ばね)を用いることにより、サーマルヘッド51の平面度を低下させることなく、十分な熱交換が行われる圧接状態で、ヒートパイプ3をサーマルヘッド51に密着させることができる。すなわち、サーマルヘッド51にヒートパイプ3を圧接する際に該サーマルヘッドの平面度を乱さない条件(上限圧接力)と十分な熱交換が行われるだけの圧接が可能な条件(下限圧接力)を両立させることができる。その結果、サーマルヘッドの平面度を乱すことなく、均一で良好な画像を安定的に出力(形成)することが可能となり、同時に、十分な熱交換が行われることから、冷却性能が高く、冷却待ちに要するウエイトタイムを可及的に短縮することが可能となる。
図6は本発明によるプリント装置のサーマルヘッド51の第2の実施形態を示す図であり、(a)はプリント方向の縦断面図であり、(b)は(a)中の線b−bから見た正面図である。図3〜図5の第1の実施形態では、弾性変形させるばね部材として折り曲げ成形した板ばね4を使用した。これに対し、本実施形態では、ばね部材として、圧縮コイルスプリング(圧縮ばね)14が使用されている。圧縮コイルスプリング14は、プリント方向と交差方向の複数箇所(図示の例では2箇所)に配置されている。本実施形態は、この点で前述の第1の実施形態と相違するが、その他の点では実質的に同じ構成を有している。従って、それぞれ対応部分を同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。本実施形態によれば、第1の実施形態の作用効果に加えて、ばね部材を装着するためのスペースを低減することができ、コスト面でも有利になるという効果が得られる。つまり、装置のスペースの有効活用と装置の小型化、並びにコストダウンの観点で有利である。
図7は本発明によるプリント装置のサーマルヘッド51の第3の実施形態のプリント方向の縦断面図である。図3〜図5の第1の実施形態では、放熱部材2の溝状の凹部9内のヒートパイプ圧接部分の断面形状を円弧状とした。これに対し、本実施形態では、図示のように、凹部9内のヒートパイプ圧接部分の断面形状はV字状になっている。この理由は次の通りである。すなわち、第1の実施形態では、ヒートパイプ3の受熱部の接触面積を大きくするために凹部9の断面を円弧状としたが、これは、反面において、圧接力を一定とすると接触圧が小さくなる傾向が生じる。これに対し、本実施形態では、溝状の凹部9の断面をV字状とするので、ヒートパイプ3を放熱部材2に圧接したときに線接触となる。このため、接触面積はやや小さくなるが、接触圧を大きくすることができるという効果がある。本実施形態は、以上の点で前述の第1の実施形態と相違するが、その他の点では実質的に同じ構成を有しており、それぞれ対応部分を同一符号で示す。従って、本実施形態によっても、上記以外の点では、実質的に同じ作用効果を奏することができる。
図8は本発明によるプリント装置のサーマルヘッド51の第4の実施形態のプリント方向の縦断面図である。図3〜図7の各実施形態では、放熱部材2に形成した溝状の凹部9の内部に、真円に近い断面形状を有するヒートパイプ3を圧接するように構成した。これに対し、本実施形態では、図示のように、ヒートパイプ3の断面形状を楕円又は長円に扁平させた形状とし、扁平面を放熱部材2の表面に圧接するように構成されている。本実施形態は、以上の点で前述の第1の実施形態と相違するが、その他の点では実質的に同じ構成を有している。従って、それぞれ対応部分を同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
図9は本発明によるプリント装置のサーマルヘッド51の第4の実施形態のプリント方向の縦断面図であり、図10は本発明によるプリント装置のサーマルヘッド51の第4の実施形態のプリント方向の縦断面図である。図3〜図8の各実施形態では、押圧手段であるビス5によってヒートパイプ3を放熱部材2に押し付ける方向を、プリント面に垂直な方向(図示の下向き方向)とした。これに対し、図9の第4の実施形態ではヒートパイプ3を放熱部材2に対して横方向(略水平方向)から圧接しており、図10の第5の実施形態ではヒートパイプ3を放熱部材2に対して斜め上方から圧接している。図9及び図10の構成では、第1の実施形態における凹部9に代えて、切欠き部12が設けられている。
つまり、図9及び図10の構成では、放熱部材2にプリント方向と交差する方向に断面角形の切欠き部12を設け、この切欠き部12の壁面にヒートパイプ3を圧接するように構成されている。このように、ビス5によるヒートパイプ3の押圧方向はプリント面に垂直方向とは別の方向に選定して良い。図9の第4の実施形態及び図10の第5の実施形態は、以上説明した点で、前述の第1の実施形態と相違するが、その他の点では同じ構成を有している。図9及び図10に示すように、放熱部材2に対してヒートパイプ3を他の方向から圧接することによっても、前述の各実施形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。従って、第4及び第5の実施形態によっても、前述の第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。
以上説明した各実施形態では、ばね部材4として比較的低い弾性係数を持ったばねを採用することが好ましい。これによって、サーマルヘッド51にヒートパイプ3を圧接する際に該サーマルヘッドの平面度を乱さない条件と、十分な熱交換が行われるだけの密着条件を両立させることができる。その結果、均一で良好な画像が出力可能で、冷却性能が高く冷却待ち時間が短い熱転写式のプリント装置を実現することができる。
なお、本発明によるプリント装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、撮像画像形成装置などの単体のプリント装置に限定されるものではない。本発明は、これらを組み合わせた複合装置、あるいはコンピュータシステムなどの複合装置における記録装置としても広く適用可能である。また、本発明は、サーマルヘッド(記録ヘッド)の数や配置構成に関わらず同様に適用可能である。
本発明によるプリント装置の一実施形態のプリント中の状態を示す側面図である。 図1のプリント装置の被記録材を逆搬送している状態を示す側面図である。 本発明によるプリント装置のサーマルヘッドの第1の実施形態においてヒートパイプを装着する直前の状態を示す図であり、(a)はプリント方向の縦断面図であり、(b)は(a)中の線b−bから見た正面図である。 図3のサーマルヘッドにヒートパイプを挿入した状態を示す図であり、(a)はプリント方向の縦断面図であり、(b)は(a)中の線b−bから見た正面図である。 図4のサーマルヘッドに挿入されたヒートパイプを該サーマルヘッドに密着固定した状態を示す図であり、(a)はプリント方向の縦断面図であり、(b)は(a)中の線b−bから見た正面図である。 本発明によるプリント装置のサーマルヘッドの第2の実施形態を示す図であり、(a)はプリント方向の縦断面図であり、(b)は(a)中の線b−bから見た正面図である。 本発明によるプリント装置のサーマルヘッドの第3の実施形態のプリント方向の縦断面図である。 本発明によるプリント装置のサーマルヘッドの第4の実施形態のプリント方向の縦断面図である。 本発明によるプリント装置のサーマルヘッドの第4の実施形態のプリント方向の縦断面図である。 本発明によるプリント装置のサーマルヘッドの第4の実施形態のプリント方向の縦断面図である。
符号の説明
1 発熱部(ヒーター)
2 放熱部材
3 ヒートパイプ
4 ばね部材(板ばね)
5 ビス
6 補助部材
7 放熱フィン
9 凹部
10 冷却ファン
12 切欠き部
14 ばね部材(圧縮コイルスプリング)
51 サーマルヘッド
52 インクシート
53 プラテンローラ
54 キャプスタンローラ

Claims (6)

  1. 平板状の発熱部を有するサーマルヘッドによりインクシートのインクを被記録材に熱転写して記録を行うプリント装置において、
    前記サーマルヘッドの発熱部が取り付けられた放熱部材と、
    前記放熱部材に密着されるヒートパイプと、
    前記ヒートパイプを前記放熱部材に付勢する方向に作用するばね部材と、
    前記ばね部材を介して前記ヒートパイプを前記放熱部材に押し付けるように該ばね部材を弾性変形させる押圧手段と、
    を具備することを特徴とするプリント装置。
  2. 前記ヒートパイプに放熱フィンが設けられることを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
  3. 前記放熱フィンから放熱させるためのファンを具備することを特徴とする請求項2に記載のプリント装置。
  4. 前記ばね部材は前記ヒートパイプ側が凹形状になるように成形された板ばねであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリント装置。
  5. 前記押圧手段は、前記放熱部材に固定された補助部材にねじ係合されたビスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント装置。
  6. 前記サーマルヘッドは、前記発熱部が水平な下面となる姿勢で装着されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプリント装置。
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