JP2008030268A - 接続装置と、この接続装置を備えるバッチ式混練装置及び駆動装置と、接続装置を介してバッチ式混練装置と駆動装置と接続した混練設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バッチ式混練装置1の入力軸16とこのバッチ式混練装置1を駆動する駆動装置2の出力軸19とを接続する接続装置6であって、バッチ式混練装置1の入力軸16と駆動装置2の出力軸19とが互いに偏心している状態で両軸を接続可能なギアカップリング部5と、ギアカップリング部5に回転に伴って相対的に歯幅方向に摺動するように噛合して設けられたギア24と、ギア24に対して潤滑する油浴式の潤滑部46とを有している。
【選択図】図5
Description
詳しくは、密閉式混練装置には外部へ突出する入力軸が設けられ、駆動装置には外部へ突出する出力軸が設けられている。そして、密閉式混練装置の入力軸と駆動装置の出力軸とは、フランジ継手等の接続装置によって接続されるようになっており、この接続によって密閉式混練装置を駆動することができる。
さて、特許文献2には、双腕式混練装置と駆動装置とをギアカップリング部からなる接続装置で接続した技術が開示されている。
そこで、特許文献2の技術を用いて、密閉式混練装置の入力軸と駆動装置の出力軸とをギアカップリング部からなる接続装置で接続することで、密閉式混練装置の入力軸と駆動装置の出力軸とが装置製造時の加工公差程度の小さな偏心状態(芯ずれ)があっても接続を比較的容易に行うことができるようになると考えられる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、密閉式混練装置に代表されるバッチ式混練装置の入力軸と駆動装置の出力軸とが互いに偏心している状態で互いの軸を接続可能であり、且つ、装置寿命が長い接続装置と、この接続装置を備えるバッチ式混練装置及び駆動装置と、接続装置を介してバッチ式混練装置と駆動装置と接続した混練設備を提供することを目的とする。
これによれば、ギアカップリング部によって入力軸と駆動装置の出力軸とが互いに偏心している状態でもこれらの両軸を接続することができる。さらに、ギアカップリング部のギアに対し油浴式で潤滑しているので、ギアが常に潤滑油に浸っており、偏心状態で大きな動力を入力軸及び出力軸に伝達させても、ギアの焼き付き等が発生しなくなり、寿命の低下を防止できる。
これによれば、カバー体とオイルケースとでギアカップリング部を覆うことで両部材で安全カバーの役割を果たことができると共に、カバー体によってオイルケース内の潤滑油が外部に飛び跳ねることを防止することもできる。安全カバーとオイルケースとを別々に設けることに比べ部品の共有化ができ、コストを安価にすることができる。
前記ギアカップリング部は、当該ギアカップリングと一体となって回転しながらオイルケース内に貯留する潤滑油を汲み上げると共に、内歯部分や外歯部分に流し込むようにギアカップリング部のギアに対して潤滑油を案内する案内部材を有していることが好ましい。
これによれば、オイルケース内の潤滑油の油面レベルを常に監視することができ、オイルケース内の潤滑油が少なくなったことを警報にて作業者等に知らせることができる。
接続装置を備えたバッチ式混練装置では、混練室内で混練物を混練する2本のロータにそれぞれ対応する入力軸毎に前記ギアカップリング部が設けられていることが好ましい。
接続装置を介してバッチ式混練装置と駆動装置とを接続した混練設備では、2本の入力軸を有する前記バッチ式混練装置と当該2本の入力軸のそれぞれに対応する2本の出力軸を有する前記駆動装置を備え、当該対応する入力軸及び出力軸毎に前記ギアカップリング部が設けられていることが好ましい。
図1は、混練設備の正面図である。図2は、混練設備の平面図である。
混練設備Aは、バッチ式混練装置1と、駆動装置2と、バッチ式混練装置1と駆動装置2とを接続する接続装置6を有している。
図1,2に示すように、バッチ式混練装置1の一例である密閉式混練装置は設置床F等に設置されるものである。また、駆動装置2は設置床F等に設置されるものである。
図2に示すように、例えば、設置床Fでは、密閉式混練装置1を設置する第1設置エリア3が決められ、駆動装置2を設置する第2設置エリア4が決められている。
第1設置エリア3に設置された密閉式混練装置1と第2設置エリア4に設置された駆動装置2とはギアカップリング部5を有する接続装置6によって接続される。
図3に示すように、密閉式混練装置1は、ゴム,プラスチック等の混練物を混練するもので、密閉状となる混練室10と、この混練室10内に収容された混練物を回転により混練する2本のロータ11と、前記混練室10の上方に設けられ混練物を投入するホッパー12とを有している。
図2に示すように、それぞれのロータ11には当該ロータ11を回転させるための入力軸16が設けられている。各入力軸16は、混練室10の側方から外部に向けて同一方向に突出している。
以上、密閉式混練装置1及び駆動装置2で混練物を混練するには、まず、投入口13から被混練物を添加剤等とともに投入し、フローティングウエイト14の押し込み作用によって、被混練物及び添加剤等を密閉状態の混練室10内に圧入する。
以下、密閉式混練装置1と駆動装置2とを接続する接続装置6について詳しく説明する。
ギアカップリング部5は歯車形継手で構成され、密閉式混練装置1の入力軸16と駆動装置2の出力軸19とが互いに偏心している状態で互いの軸を接続することができる。
ギアカップリング部5は、2つに分割されるような構成を有していて、第1分割体20と、第2分割体21と、この第1分割体20と第2分割体21とを連結する連結体22とを有したものとなっている。
第1分割体20の第1筒体25には、駆動装置2の出力軸19を挿入する挿入孔29が形成されており、当該挿入孔29に出力軸19が嵌め込まれている。キー溝28に固定具28aを嵌め込むことで出力軸19は第1筒体25と共に一体回転自在に固定されている。また、第1分割体20の軸方向一方(連結体22側)には、挿入孔29を塞ぐようにプレート30が締結具31を介して取り付けられている。
第2筒体26は、第1筒体25よりも外径が大なるもので、第2筒体26の内周面には外歯27と噛合う第2のギア(以降、内歯33ということがある)が形成されている。
外歯27及び内歯33の形状は入力軸16と出力軸19との偏心量を考慮した形状とされている。例えば、外歯27は、図5に示す断面側面視で山部が円弧状等となっている。また、内歯33は、外歯27が摺動しながら接触箇所が歯幅方向に移動することができるように移動代を設けてあり、外歯27より幅広に形成されている。
第1筒体25の外歯27と第2筒体26の内歯33とが噛合している状態では、第1筒体25の外周面と第2筒体26の内周面との間に第1隙間34が形成されており、第1筒体25及び第2筒体26の基端側の第1隙間34は潤滑油35が流入する流入口36とされている。後述するオイルケース37内の潤滑油35は流入口36を通過して内歯33や外歯27に流れるようになっている。
また、連結体22は、左右方向両端面の中央部に突端が球面状をなし、プレート30又はプレート32に当接したときに第1筒体25と当該ギアカップリング部5との軸方向の相対移動を規制するスラストピン22aを有している。
密閉式混練装置1の入力軸16と駆動装置2の出力軸19とを連結するには、まず、入力軸16及び出力軸19の両端面間に形成された間隙部分から入力軸16及び出力軸19に、前記間隙部分の距離L0より長さL1,L1’が短く設定された第1筒体25を嵌め込み、この第1筒体25に、間隙部分の距離L0より長さL2,L2’が短く設定された第2筒体26を嵌め込んでそれぞれ外歯27と内歯33とを噛合する。
このようにすることで、入力軸16と出力軸19とを連結することができる。また、連結の際に、密閉式混練装置1と駆動装置2とを移動する必要がなく、入力軸16や出力軸19に連結する前に予めカップリング部5を装着しておく必要もない。
第1分割体20と第2分割体21とを接続している状態では、第2筒体26とプレート30及びプレート32との間に、第1筒体25と第2筒体26との間に形成された第1隙間34に連通する第2隙間48が形成されている。
さて、潤滑部46は、ギアカップリング部5のギア24、即ち、第1筒体25の外歯27や第2筒体26の内歯33に対して潤滑するもので潤滑油35を貯留するオイルケース37を有している。
以降、説明の便宜上、図4,5を見て紙面の左右を左右方向とし、図5の紙面貫通方向を前後方向とする。図6を見て紙面の左右方向が前後方向となり、図6の紙面貫通方向が左右方向となる。
具体的には、オイルケース37の前後の側壁40(以降、前後側壁40A,40Bということがある)の上縁部及び左右の側壁40(以降、左右側壁40C,40Dということがある)の上縁部は、少なくとも断面視で底部41に最も近い第1筒体25の外周部よりも高い位置に設定されている。
オイルケース37の上側には、カバー体44が開閉自在に取り付けられている。詳しくは、オイルケース37の後側壁40Bにカバー体44の一端がヒンジ45を介して枢支され、カバー体44を閉じた状態ではオイルケース37の前側壁40Aにカバー体44の他端が当接している。
前記潤滑部46は、オイルケース37に貯留された潤滑油35のレベルを検出するレベル検出手段51と、このレベル検出手段51で検出された潤滑油35のレベルに基づき警報を出す警報手段52とを有している。
潤滑油35の下限レベルL1は、潤滑油35でギアカップリング部5のギア24を浸すことができる限界の位置であって、例えば、底部41に最も近い内歯33の山部からオイルケース37の底部41までの垂直距離とされている。
警報手段52はブザーやランプ又はディスプレイ上での画面表示等で警報を出すように構成されている。警報手段52は、センサ51によって潤滑油35の油面レベルが上限レベルL2に達したときや下限レベルL1に達したときにレベル検出手段51の検出信号に基づいて警報を出すように構成されている。
また、潤滑油が多くなり過ぎて潤滑油の油面レベルが、オイルケース37から漏れ出ない限界の位置になったとき、即ち、前記上限レベルと同じとなったことを、レベル検出手段51で検出して警報手段52で作業者に知らせることができる。
なお、レベル検出手段51は、下側センサ51Bだけとしてもよく、潤滑油の液面までの距離を液面の上方から検出するセンサであってもよい。
本発明は上記の実施の形態に限定されない。
即ち、上記の実施の形態では、オイルケース37に潤滑油35を入れて、ギアカップリング部5のギア24を潤滑油35に浸す油浴式にしている。
ギアカップリング部5は、当該ギアカップリングと一体となって回転しながらオイルケース内に貯留する潤滑油を汲み上げると共に、ギアカップリング部のギアに対して潤滑油を案内する案内部材50を有することが好ましい。
図6に示すように、案内部材50は、ギアカップリング5(例えば、第2筒体26)の端面に周方向に沿って複数設けられている。それぞれの案内部材50は、オイルケース37内の潤滑油を掬う(汲み上げる)ことができる形状に形成されている。また、同じ端面側に設けられている案内部材50は、左右の軸に対応するそれぞれの形状が左右勝手反対に形成されていることが好ましい。
案内部材50は、ギアカップリング5が回転した際に、縦壁50aと横壁50bとで構成された汲み上げ部50dで潤滑油を汲み上げ、汲み上げた潤滑油を内歯33や外歯27に流し込むことができる。図7(b)に示すように、案内部材50に回転方向後側を閉鎖する蓋部50eを設けるようにしてもよい。また、案内部材50を第1筒体25の端面に取り付けるようにしてもよい。なお、案内部材50の形状は、潤滑油を汲み上げて内歯33や外歯27部分に流し込むことができるものであればよく、図示したウェッジで勝手反対の形状のものに限らない。
2 駆動装置
5 ギアカップリング部
6 接続装置
16 入力軸
19 出力軸
20 潤滑部
25 第1筒体
26 第2筒体
27 外歯
33 内歯
44 カバー体
50 案内部材
51 レベル検出手段
52 警報手段
Claims (9)
- バッチ式混練装置の入力軸とこのバッチ式混練装置を駆動する駆動装置の出力軸とを接続する接続装置であって、
前記バッチ式混練装置の入力軸と駆動装置の出力軸とが互いに偏心している状態でこの両軸を接続可能なギアカップリング部と、前記ギアカップリング部に回転に伴って相対的に歯幅方向に摺動するように噛合して設けられたギアと、前記ギアに対して潤滑する油浴式の潤滑部とを有していることを特徴とする接続装置。 - 前記潤滑部は、ギアカップリング部の下側に配置されて潤滑油を貯留するオイルケースを有していることを特徴とする請求項1に記載の接続装置。
- 前記オイルケースの上側に、当該オイルケースと共にギアカップリング部の外周側を覆うカバー体を開閉自在に取り付けていることを特徴とする請求項2に記載の接続装置。
- 前記ギアカップリング部は、バッチ式混練装置の入力軸及び駆動装置の出力軸に対してそれぞれ個別に嵌合され且つ外周面に第1ギアを有する一組の第1筒体と、この一組の第1筒体に遊嵌すると共に、一組の第1ギアにそれぞれ個別に噛合する第2ギアを内周面に有する一組の第2筒体と、この一組の第2筒体の間で着脱自在に設けられ且つ両第2筒体を連結する連結体とを有し、前記第2筒体及び前記連結体が入力軸及び出力軸の両端面から抜き取り自在となるように、当該第2筒体及び連結体それぞれの軸方向長さが、両端面間の距離よりも短く設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接続装置。
- 前記ギアカップリング部は、当該ギアカップリングと一体となって回転しながらオイルケース内に貯留する潤滑油を汲み上げると共に、ギアカップリング部のギアに対して潤滑油を案内する案内部材を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接続装置。
- 前記潤滑部は、前記オイルケースに貯留された潤滑油の油面レベルを検出するレベル検出手段と、このレベル検出手段で検出された油面レベルが所定値よりも低くなったときに警報を出す警報手段とを有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の接続装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の接続装置を備えたバッチ式混練装置であって、混練室内で混練物を混練する2本のロータにそれぞれ対応する入力軸毎に前記ギアカップリング部が設けられていることを特徴とするバッチ式混練装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の接続装置を備えた駆動装置であって、駆動装置が備える2本の出力軸毎に前記ギアカップリング部が設けられていることを特徴とする駆動装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の接続装置を介して、2本の入力軸を有する前記バッチ式混練装置と当該2本の入力軸のそれぞれに対応する2本の出力軸を有する前記駆動装置が設けられ、当該対応する入力軸及び出力軸毎に前記ギアカップリング部が設けられていることを特徴とする混練設備。
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