JP2008030249A - 防振装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒状芯体の上端部近傍における空気の排出を可能とし、成形後の型抜きの問題も解消しながら、端面バリの発生を防止する。
【解決手段】筒状芯体12の上端部12Aが嵌入される環状穴部40において、入れ子型44の内周部にシールリング62を設け、該シールリングの内径D1を筒状芯体の外径D2よりも大きく設定するとともに、上端に径方向に張り出した大径部62Bを設けて該大径部を軸方向に挟持し、かつ下端部62Aの外周に隙間66を設けて、シールリング62が大径部62Bを支点として下端部62A側が軸方向Zに対して傾くように変位可能に構成した成形型30を用いて、注入孔39からキャビティ38内に成形材料20を注入し、注入された成形材料により筒状芯体12を押圧してシールリング62が傾くように変位させ、これにより軸方向Zに高低差Hのある楕円形状のシール線70を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、主として車輌用の防振ゴムブッシュや防振マウントとして用いられる筒形の防振装置の製造方法に関するものである。
車輌用の防振ゴムブッシュや防振マウントとして、内筒としての筒状芯体と外筒部材の間にゴム弾性体を介在させたものや、あるいは外筒部材を省略して筒状芯体の外周にゴム弾性体を一体成形したものが知られている。
このような筒形の防振装置を成形するための成形型としては、一般に、型閉め可能な上下両型のキャビティ構成部において、上下に相対向してゴム弾性体の軸方向側面を成形する入れ子型が配置されるとともに、上下両型の少なくとも一方の入れ子型、例えば双方の入れ子型の中央部にガイドピンを設け、筒状芯体の端部を前記ガイドピンに嵌合しかつ両端を係止して直立状態に支持し、上下両型を型閉めした状態において、前記筒状芯体の周囲部にキャビティを形成するとともに、ゴム弾性体の成形材料を注入孔より前記キャビティに注入充填して成形するようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。
ところで、前記のように支持される筒状芯体のキャビティより上下に突出している部分は、上下の入れ子型の中央部に有する環状穴部に嵌入されるが、キャビティに注入された成形材料が、前記筒状芯体の端部とその外周の環状穴部との間の隙間を通り、該筒状芯体の端面に達して端面バリとなる場合がある。かかる端面バリが生じると、その除去作業が必要となって、工数の増加により生産効率が低下するという問題が生じ、特に、筒状芯体の端面にローレット加工等による鋸歯状の溝が形成されている場合、バリ除去作業に対する工数が大きい。
そのため、例えば、下記特許文献2では、筒状芯体の端部が嵌入される環状穴部に、筒状芯体の端部に外嵌される先端部を備えるシールリングを設け、該シールリングにより成形材料の漏れを遮断する技術が提案されている。また、このシールリングが、上端部において外側に張り出した大径部を備える筒状をなして、先端部の外周に隙間が設けられた点が記載されている(段落0009、図1参照)。
しかしながら、特許文献2の技術において、シールリングは、先端部の内径が筒状芯体の外周に緊合する寸法を有し、型閉めに伴い、シールリングの先端部は弾性拡開変形しつつ筒状芯体の先端部の外周を緊合的に被嵌するものであり(段落0007等参照)、上記先端部外周の隙間も、弾性拡開変形のための隙間にすぎない(段落0009等参照)。このように特許文献2の技術では、筒状芯体の端部の外周面をシールリングで緊合的に嵌合するもの、つまりは密嵌する構造であるため、端面バリの発生は解消できるものの、成形後の型抜きの際に容易に外れなくなり、作業性を阻害することになる。しかも、完全に密嵌した状態に保持されると、キャビティ内の空気が完全に排出されない場合があり、特にキャビティの上端部近傍に空気が残留すると、成形品にその跡が残り、成形不良の発生原因になる。
一方、下記特許文献3には、筒状芯体の端部が嵌入される環状穴部に、筒状芯体の端部に外嵌される先端部を備えるシールリングを設ける点が記載されており、該シールリングは、筒状芯体の上端部外周に対して僅かに通気性を保有しながら嵌合するように、筒状芯体の外径よりもシールリングの内径をわずかに大とする点が記載されている。
しかしながら、特許文献3の技術において、シールリングは、入れ子型に形成された凹部に隙間なく収容されており、変位が許容されていない。そのため、かかるシールリングではキャビティ内の空気を排出することはできるものの、これのみでは、端面バリの発生を防ぐことはできず、そのため、特許文献3では、キャビティ内の空気と余剰の成形材料を排出するための逃がし用孔を設けることで、端面バリの発生を防止している。
実公平5−28020号公報 特開平7−276382号公報 特開2002−079551号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、筒状芯体の上端部近傍における空気の排出を可能とし、かつ、成形後の型抜きの問題も解消しながら、端面バリの発生を防止することができる防振装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、筒状芯体の外周にゴム弾性体を一体成形してなる防振装置の製造方法であって、次の構成を備える成形型を用いることを特徴とする。
すなわち、成形型は、直接又は中間型を挟んで型閉め可能な上型と下型を備え、前記上型と下型が、筒状芯体の端部が嵌入される環状穴部を備えて、前記上型と下型を型閉めした状態において、上下の前記環状穴部に両端部が嵌入した前記筒状芯体の外周に前記ゴム弾性体を成形するためのキャビティが形成され、前記キャビティに対して周方向の一箇所から成形材料を注入するための注入孔が設けられた成形型であって、前記上型は、前記ゴム弾性体の軸方向側面を成形する環状の入れ子型と、前記入れ子型の内周部において軸方向に変位可能に配されて付勢手段により下方に付勢された芯体押さえと、前記芯体押さえの下面に突設されて前記筒状芯体に対して上端開口より挿入されることで当該筒状芯体を案内するガイドピンとを備え、上側の前記環状穴部が、前記入れ子型の内周面と前記ガイドピンの外周面と前記芯体押さえの下面とにより形成され、前記入れ子型の内周面に収容凹部が設けられ、前記筒状芯体の上端部に対し前記上側の環状穴部内において外嵌する下端部を備えるシールリングが前記収容凹部に配され、前記シールリングは、内径が軸方向で一定の筒状をなすとともに、該内径が前記筒状芯体の外径よりも大きく設定され、かつ上端部が径方向に張り出した大径部として形成されており、前記大径部が前記収容凹部に設けられた段部に配されて軸方向に挟持されるとともに、前記下端部の外周に隙間が設けられることで、前記大径部が挟持される部分を支点として前記下端部側が軸方向に対して傾くように変位可能に構成したものである。
上記製造方法は、該成形型を用いて、端部の外周面がテーパー状に面取りされた筒状芯体を、該面取り部を持つ端部が前記上側の環状穴部に嵌入された状態となるように、前記成形型に配して前記上型と下型を型閉めし、前記筒状芯体の外周にキャビティを形成する型閉め工程と、前記キャビティに前記注入孔から成形材料を注入充填して前記ゴム弾性体を成形する成形工程と、成形後に前記上型と下型を開いて成形した防振装置を取り出す脱型工程と、を含むものである。
そして、前記成形工程において、前記注入孔から前記キャビティに注入された成形材料により前記筒状芯体が押圧され、該押圧により前記筒状芯体の上端部が前記注入孔とは反対側に向かって変位し、該変位により前記シールリングの下端部が前記大径部を支点として傾くように変位し、これにより、前記筒状芯体の上端部の外周面に前記シールリングとの間で軸方向に高低差のある楕円形状のシール線が形成され、該楕円形状のシール線は、前記シールリングの前記注入孔側の下端の角部が前記筒状芯体の上端部外周面に当接することで形成される下側のシール部と、前記シールリングの前記注入孔とは反対側の内周面に前記筒状芯体の面取り部の下端の鈍角部が当接することで形成される上側のシール部とを備えてなり、前記下側のシール部において充填初期における前記成形材料の漏れを遮断し、その後、前記筒状芯体の外周を回り込むようにして前記成形材料が充填されるのに伴って、前記下側のシール部に比べて緩くシールする前記上側のシール部から前記キャビティ内の空気を逃がしながら、最終的に該上側のシール部における前記成形材料の漏れを遮断することを特徴とする。
本発明によれば、筒状芯体の上端部に外嵌するシールリングは、内径が筒状芯体の外径よりも大きく設定されるとともに、上端部の大径部が軸方向に挟持され、かつ、筒状芯体に外嵌する下端部の外周に隙間が設けられていることから、成形工程において、注入された成形材料により筒状芯体が押圧されて変位したときに、その変位に追従して、シールリングは、大径部を支点として軸方向に対して傾くように変位する。これにより、筒状芯体とシールリングとの間には軸方向に高低差のある上記楕円形状のシール線が形成されるので、きつくシールする下側のシール部において充填初期における成形材料の漏れが遮断され、その後、緩くシールする面取り部での上側のシール部からキャビティ内の空気を逃がしながら、最終的に該上側のシール部における成形材料の漏れを遮断することができる。また、シールリングはそもそも内径が筒状芯体の外径よりも大であるため、脱型工程において成形された防振装置が上型から外れにくいという型抜きの問題も解消することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は一実施形態に係る防振装置10の縦断面図、図2は該防振装置10を成形するための成形型30の縦断面図である。
防振装置10は、内筒としての筒状芯体12と、これを同軸的に取り囲む外筒部材14と、筒状芯体12と外筒部材14の間に介在して両者を結合するゴム弾性体16とを備えてなる防振ブッシュであり、ゴム弾性体16は筒状芯体12及び外筒部材14の両者に加硫接着されている。筒状芯体12は外筒部材14より長く、その両端部12A,12Bはゴム弾性体16の軸方向側面16Aから突出している。
筒状芯体12の両端部12A,12Bは、外周面が先細のテーパー状に面取りされることで面取り部18が設けられている。なお、筒状芯体12の両端面12C,12Dには、図示しないが、ローレット加工による鋸歯状の溝が形成されている。
成形型30は、中間型32を挟んで型閉めされる上型34と下型36とを備え、これらを型閉めすることにより、型内にて直立姿勢で支持した筒状芯体12の外周に、ゴム弾性体16を成形するためのキャビティ38が形成されるようになっている。上型34には、キャビティ38に対して周方向の一箇所からゴム弾性体16の成形材料20(図7参照)を注入するための注入孔39が設けられている。
上型34と下型36には、筒状芯体12を直立姿勢で支持するために、筒状芯体12の端部12A,12Bがそれぞれ嵌入される上下の環状穴部40,42が設けられている。
成形型30には、ゴム弾性体16の軸方向側面16Aを成形するための環状の入れ子型44,46が上下に対向して設けられている。入れ子型44,46は、上型34及び下型36にそれぞれ設けられた凹部34A,36Aに嵌着されて不図示のボルトなどで固定されている。入れ子型44,46の中央部には上記環状穴部40,42が設けられており、これらは、上記軸方向側面16Aを成形する入れ子型44,46の成形面部から連続して形成されている。
下型36側の環状穴部42には、その中央部において筒状芯体12に対して下端開口より挿入して下端を係止するように直立状に突出する支持ピン48が設けられている。支持ピン48の基部50には、筒状芯体12の端面12Dを係止する係止段部50Aが形成されており、その外周にリング状部材52が外嵌している。支持ピン48は、下方に連設されたエジェクトピンにより、成形後の型抜き時に上方へ突き上げ移動可能に構成されている。
上型34側の環状穴部40には、上記支持ピン48と同心で上下に対向して筒状芯体12の上端を係止する芯体押さえ54が設けられている。芯体押さえ54は、図3に示すように、その上部が上型34に設けられた凹陥部34Bに配され、上側の入れ子型44の内周部において軸方向Zにスライド変位可能に設けられており、上部に設けた付勢手段であるバネ56により下方に付勢されている。
芯体押さえ54は、後記のシールリング62の内周面に案内されて軸方向に変位可能に設けられており、シールリング62の変位に対して従動可能に構成されている。そのため、芯体押さえ54の外径は凹陥部34Bの径よりも小さく設定されて、凹陥部34Bの内周面との間にクリアランスが確保されている。
図3に示すように、芯体押さえ54の下面54Aには、筒状芯体12に対して上端開口より挿入されることで当該筒状芯体12を案内するガイドピン58が、下方に突出して設けられており、該ガイドピン58の周りの芯体押さえ54の下面が、筒状芯体12の上端面12Cを係止するための係止段部として形成されている。そして、上側の環状穴部40は、入れ子型44の内周面とガイドピン58の外周面と芯体押さえ54の下面(特には上記係止段部)とにより形成されている。
上側の入れ子型44において、その内周面には収容凹部60が設けられており、この収容凹部60内に、炭素鋼やばね鋼等からなるシールリング62が収容されている。シールリング62は、その内径D1が軸方向で一定の円筒状をなしており、筒状芯体12の上端部12Aに対し上側の環状穴部40内において外嵌する下端部62Aと、上端部にて下端部62Aよりも径方向に張り出した大径部62Bとを備える。
シールリング62の内径D1は、筒状芯体12の外径D2よりも大きく設定されている。両者の径差は、後述する楕円形状のシール線70が形成される限り特に限定されないが、0.02〜0.10mmであることが好ましい。一例として、筒状芯体12の外径D2=21mmに対し、シールリング62の内径D1=21.04mmである。
図4に示すように、収容凹部60の上端部には、より深く陥没させることで段部64が形成されており、この段部64に、シールリング62の大径部62Bが配されて、上型34の下面との間で、大径部62Bが軸方向Zに挟持されている。収容凹部60は、上記下端部62Aを含むシールリング62の外周に隙間66が設けられるように、その径が設定されている。隙間66の間隔は、シールリング62が収容凹部60と同心位置に配された状態において、好ましくは0.15mm以上、より好ましくは0.3mm以上である。
このようにシールリング62の内径D1を筒状芯体12の外径D2よりも大にした上で、上端の大径部62Bを軸方向に挟持させ、かつ、筒状芯体12に外嵌する下端部62Aの外周に隙間66を設けたことで、下端部62Aは径方向の変位に対する自由度を有し、そのため、図5に拡大して示すように、筒状芯体12が傾くように変位したときに、その変位に追従して、シールリング62は、大径部62Bが挟持される部分を支点として、下端部62A側が軸方向Zに対して傾くように揺動変位することができる。
なお、上記筒状芯体12及びシールリング62の所定範囲内での変位を可能にするため、筒状芯体12の内周面とガイドピン58の外周面との間、及び、筒状芯体12の外周面と入れ子型44の内周面(シールリング62より下側の内周面)との間には、それぞれクリアランスが設けられている。また、シールリング62の内径D1は、入れ子型44の内径よりも小さく設定されている。
上記では、上型34側の環状穴部40に配設されたシールリング62について説明したが、本実施形態では下型36側の環状穴部42にも同様にシールリング68が配設されている。
次に、上記成形型30を用いて防振装置10を成形する方法について説明する。
(1)まず、上型34と下型36を型開きした状態において、筒状芯体12と外筒部材14をセットする。その際、筒状芯体12を、下型36の支持ピン48に嵌合させ、下端部12Bを環状穴部42に嵌入させて、直立状態に支持する。また、外筒部材14を入れ子型46の外周部の嵌合段部47に嵌合しセットする。
これにより、図2に示すように、筒状芯体12の外周にキャビティ38が形成され、また、図4に示すように、筒状芯体12は、面取り部18を持つ上端部12Aが上側の環状穴部40に嵌入された状態に配設され、かつ、該上端部12Aがシールリング62の下端部62Aにより外嵌された状態となる。
(2)次いで、上型34に設けられた注入孔39から、キャビティ38に成形材料20を注入充填して、ゴム弾性体16を成形する(図7参照)。
その際、注入孔39から注入された成形材料20は、キャビティ38の周方向において注入孔39側より充填されていき、そのため、該成形材料20により、筒状芯体12は注入孔39側からその反対側に向けて押圧され、すなわち、図3において右側が押圧側となり、その反対側(軸を挟んで180°相対向する側)の左側が反押圧側となる。この押圧により、筒状芯体12は、所定のクリアランス範囲内で、その上端部12Aが注入孔39とは反対側(即ち、反押圧側)に向かって変位し、この変位により、シールリング62の下端部62Aが押されることで、図5に拡大して示すように、シールリング62は、大径部62Bを支点として下端部62Aが軸方向Zに対して傾くように傾動変位する。その際、シールリング62の内側に配された芯体押さえ54が、シールリング62のみでガイドされることで、該シールリング62の動きに従動可能に構成されているので、芯体押さえ54によって妨げられることなく、シールリング62が変位する。
これにより、図5,6に示すように、筒状芯体12の上端部12Aの外周面とシールリング62との間で軸方向Zに高低差Hのある楕円形状のシール線70が形成される。詳細には、上記押圧側(注入孔39側)においては、シールリング62の押圧側の下端の角部62Cが、筒状芯体12の上端部12A外周面に押し当てられることで、楕円形状のシール線70における下側のシール部72となる。この下側のシール部72は、シールリング62自体が高い精度で形成され、かつ焼入れ等により硬度もある上、直角の角部62Cが筒状芯体12の外周面に押し当てられることにより、高いシール性が発揮される。
また、上記反押圧側(注入孔39とは反対側)においては、シールリング62の内周面に筒状芯体12の面取り部18の下端の鈍角部18Aが当接することで、楕円形状のシール線70における上側のシール部74となる。この上側のシール部74は、筒状芯体12の面取り部18が一般に切削されるだけで形成されることから成形精度が低い上に、その鈍角部18Aがシールリング62の内周面に当接されることにより、上記下側のシール部72に比べてシール性が低く、即ち緩くシールする。
なお、下側のシール部72と上側のシール部74との高低差Hは、上記具体例(筒状芯体の外径D2=21mm、シールリングの内径D1=21.04mm)の場合で、H=1.6mmである。
上記の楕円形状のシール線70により、押圧側では、きつくシールする下側のシール部72により、充填初期から成形材料20の漏れを遮断され、端面バリの発生を防ぐことができる。その後、成形材料20は、筒状芯体12の外周を回り込むようにしてキャビティ38内に充填されていくが、その際、下側のシール部72に比べて緩くシールする上側のシール部74からキャビティ38内の空気を少しずつ逃がすことができる。そして、最終的に、筒状芯体12の上端部近傍におけるキャビティ38内の空気を上側のシール部74から逃しながら、しかも、上側のシール部74は成形材料20が漏れるほどの隙間を有するシール部ではないため、成形材料20の漏れは遮断することができる。
(3)このようにして成形した後に、上型34と下型36を開いて成形した防振装置10を取り出す。その際、シールリング62はそもそも内径D1が筒状芯体12の外径D2よりも大きいので、上型34にくっついて外れにくいという型抜きの問題もない。
以上説明した本実施形態によれば、シールリング62によるシールを高低差のある楕円形状のシール線70として構成したので、筒状芯体12の上端部近傍におけるキャビティ38内の空気を逃しながら、筒状芯体12の端面12Cでのバリの発生を防止することができる。特に、シールリング62により外嵌される筒状芯体12の上端部12Aにテーパー状の面取り部18を設けた上で、上記楕円形状のシール線70を構成したことで、面取り部18での上側のシール部74からの空気を排出しやすくして、エア溜まりを効果的に防止することができる。
また、シールリング62は筒状芯体12に外周に密嵌する構成ではないので、脱型工程において成形された防振装置10が上型34から外れにくいという型抜きの問題も解消することができる。
特に、従来のようにシール形状が楕円でなく円形である場合には、端面バリを解消しようとすると、エア溜まりや型抜きの問題が生じ、逆に、エア溜まりや型抜きの問題を解消しようとすると、端面バリが生じるという二律背反の問題があったが、上記実施形態の構成により、この問題を低コストに解決することができる。
実施形態に係る防振装置の縦断面図である。 同防振装置を成形するための成形型の縦断面図である。 同成形型の要部拡大断面図である。 同成形型の成形前における上型の環状穴部の断面図である。 同成形型の成形途中における上型の環状穴部の断面図である。 同成形型のシール構成を模式的に示す斜視図である。 同成形型の成形後の縦断面図である。
符号の説明
10…防振装置、12…筒状芯体、12A…上端部、12B…下端部、
14…外筒部材、16…ゴム弾性体、16A…軸方向側面、
18…面取り部、18A…下端の鈍角部、20…成形材料、
30…成形型、32…中間型、34…上型、36…下型、
38…キャビティ、39…注入孔
40…上側の環状穴部、42…下側の環状穴部、44…入れ子型
54…芯体押さえ、54A…下面、56…バネ(付勢手段)、
58…ガイドピン、60…収容凹部、
62…シールリング、62A…下端部、62B…大径部、62C…下端の角部
64…段部、66…隙間、70…楕円形状のシール線、
72…下側のシール部、74…上側のシール部、
Z…軸方向、D1…シールリングの内径、D2…筒状芯体の外径、H…高低差

Claims (2)

  1. 筒状芯体(12)の外周にゴム弾性体(16)を一体成形してなる防振装置(10)の製造方法であって、
    直接又は中間型を挟んで型閉め可能な上型(34)と下型(36)を備え、前記上型と下型が、筒状芯体の端部(12A,12B)が嵌入される環状穴部(40,42)を備えて、前記上型と下型を型閉めした状態において、上下の前記環状穴部に両端部が嵌入した前記筒状芯体の外周に前記ゴム弾性体を成形するためのキャビティ(38)が形成され、前記キャビティに対して周方向の一箇所から成形材料を注入するための注入孔(39)が設けられた成形型(30)であって、
    前記上型(34)は、前記ゴム弾性体の軸方向側面(16A)を成形する環状の入れ子型(44)と、前記入れ子型の内周部において軸方向(Z)に変位可能に配されて付勢手段(56)により下方に付勢された芯体押さえ(54)と、前記芯体押さえの下面(54A)に突設されて前記筒状芯体に対して上端開口より挿入されることで当該筒状芯体を案内するガイドピン(58)とを備え、上側の前記環状穴部(40)が、前記入れ子型の内周面と前記ガイドピンの外周面と前記芯体押さえの下面とにより形成され、
    前記入れ子型の内周面に収容凹部(60)が設けられ、前記筒状芯体の上端部に対し前記上側の環状穴部内において外嵌する下端部(62A)を備えるシールリング(62)が前記収容凹部に配され、
    前記シールリングは、内径(D1)が軸方向で一定の筒状をなすとともに、該内径が前記筒状芯体の外径(D2)よりも大きく設定され、かつ上端部が径方向に張り出した大径部(62B)として形成されており、前記大径部が前記収容凹部に設けられた段部(64)に配されて軸方向に挟持されるとともに、前記下端部(62A)の外周に隙間(66)が設けられることで、前記大径部が挟持される部分を支点として前記下端部側が軸方向に対して傾くように変位可能に構成した成形型(30)を用いて、
    端部の外周面がテーパー状に面取りされた筒状芯体(12)を、該面取り部(18)を持つ端部(12A)が前記上側の環状穴部(40)に嵌入された状態となるように、前記成形型(30)に配して前記上型(34)と下型(36)を型閉めし、前記筒状芯体の外周にキャビティ(38)を形成する型閉め工程と、
    前記キャビティに前記注入孔(39)から成形材料(20)を注入充填して前記ゴム弾性体(16)を成形する成形工程と、
    成形後に前記上型と下型を開いて成形した防振装置(10)を取り出す脱型工程と、を含み、
    前記成形工程において、前記注入孔から前記キャビティに注入された成形材料(20)により前記筒状芯体(12)が押圧され、該押圧により前記筒状芯体の上端部(12A)が前記注入孔とは反対側に向かって変位し、該変位により前記シールリング(62)の下端部(62A)が前記大径部(62B)を支点として傾くように変位し、これにより、前記筒状芯体の上端部の外周面に前記シールリングとの間で軸方向に高低差(H)のある楕円形状のシール線(70)が形成され、該楕円形状のシール線は、前記シールリングの前記注入孔側の下端の角部(62C)が前記筒状芯体の上端部外周面に当接することで形成される下側のシール部(72)と、前記シールリングの前記注入孔とは反対側の内周面に前記筒状芯体の面取り部の下端の鈍角部(18A)が当接することで形成される上側のシール部(74)とを備えてなり、前記下側のシール部(72)において充填初期における前記成形材料の漏れを遮断し、その後、前記筒状芯体の外周を回り込むようにして前記成形材料が充填されるのに伴って、前記下側のシール部に比べて緩くシールする前記上側のシール部(74)から前記キャビティ内の空気を逃がしながら、最終的に該上側のシール部における前記成形材料の漏れを遮断する
    ことを特徴とする防振装置の製造方法。
  2. 前記芯体押さえ(54)が、前記シールリング(62)の内周面に案内されて軸方向に変位可能に設けられ、前記シールリングの変位に対して従動可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載の防振装置の製造方法。
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