JP2008029881A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 変動表示装置の下辺側に、遊技球が転動可能であると共に、転動する遊技球が始動入賞口へ向けて流下可能なステージと、ステージ上の特定領域を通過する遊技球を検出する遊技球検出手段と、を設け、遊技球検出手段からの検出信号に基づき変動表示ゲームの表示結果を事前に報知する特殊演出を実行する特殊演出状態を発生させ、該特殊演出状態を変動表示ゲームの実行回数が所定値となったときに終了させる。
【選択図】 図3
Description
なお、変動表示ゲームを直ちに始動させることができない状態(例えば、別の変動表示ゲームを実行中、或いは大当り状態)で、変動表示ゲームの実行条件である始動入賞が発生した場合、当該変動表示ゲームを始動させる権利が前記始動記憶として所定の上限数(例えば4個)の範囲内で記憶される。
また最近、第1種のパチンコ機などでは、変動表示装置が大型化して遊技領域における球の通過領域が少なくなってきているため、変動表示装置の周囲及び前面を構成するセンターケースという部材にワープ通路を設けて、このワープ通路を経由するルートによっても始動入賞口上方のステージに球が流入する構成とした機種が多くなっている。ここでステージとは、センターケースの底辺位置(変動表示装置の下辺側)に形成された棚状部であり、遊技球が転動可能であるとともに、転動する遊技球が始動入賞口へ向けて流下可能な部分であって、遊技球が始動入賞口に入るか否かを若干時間をかけて遊技者に見せるいわゆる球見せのためのものである。
即ち従来の遊技機の場合、変動表示ゲームに関わる演出は、例えば、変動表示ゲームが予め定められた時期に、予め定められた所定のパターンの演出を行うものであったため、長く遊技を継続すると、そのパターンが分かってしまい、意外性に乏しく、興趣の向上に限界があった。
また、球見せのためのステージ上を転がる遊技球は、球の転動の状態ではなく、いかに始動入賞口直上から落下して始動入賞口に入賞するか否かのみが、遊技者の興味の対象となっていて、球の転がり具合を期待感を持って遊技者に見せるという球見せの役割が低かった。
前記変動表示装置の下方に配設されると共に、遊技球の入賞により前記変動表示ゲームの実行条件である始動入賞を発生させる始動入賞口と、
を備え、
前記変動表示ゲームの結果が特別表示結果となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特別遊技状態となる遊技機において、
前記変動表示ゲームに関わる演出制御を行う演出制御手段と、
前記変動表示装置の下辺側に設けられ、遊技球が転動可能であると共に、転動する遊技球が前記始動入賞口へ向けて流下可能なステージと、
前記ステージ上の特定領域を通過する遊技球を検出する遊技球検出手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記遊技球検出手段からの検出信号に基づき前記変動表示ゲームの表示結果を事前に報知する特殊演出を実行する特殊演出状態を発生させ、
該特殊演出状態を前記変動表示ゲームの実行回数が所定値となったときに終了させることを特徴とする。
前記ステージ上の複数箇所を特定領域として、これら特定領域を通過する遊技球をそれぞれ検出するセンサから成り、
前記演出制御手段は、前記遊技球検出手段からの検出信号に基づきステージ上の遊技球の通過態様を監視し、当該監視結果が予め定められた通過態様と判定した場合に、前記特殊演出状態を発生させるようにしてもよい。
また「通過態様」とは、単なる通過結果(特定領域を通過したか否か)だけでもよいし、特定領域を球が通過する時間的間隔でもよいし、複数ある特定領域のうち球が通過した特定領域の組み合わせ或いは順番でもよい。また、この通過態様の判定は、遊技球検出手段からの検出信号があったときに即時に、或いは規定時間内に行うものでもよいが、通過態様の監視結果を記憶し累積した結果に基づいて行うようにしてもよい。例えば、特定領域を規定時間内に球が規定回数通過すると、予め定められた規定の通過態様であると判定する態様、或いは、特定領域を球が通過した累積回数が規定数に到達すると、規定の通過態様であると判定する態様でもよい。また、複数の特定領域を規定の順番で又は順番に無関係に規定時間内に連続的に球が通過した場合に、規定の通過態様であると判定する態様でもよいし、或いは、複数の特定領域の全てを規定の順番で又は順番に無関係に球が通過すると、規定の通過態様であると判定する態様でもよい。また、複数ある特定領域のそれぞれに別個の規定回数が設定され、全ての特定領域の通過累積回数がそれぞれの規定回数に到達したときに、規定の通過態様であると判定する態様でもよい。
この「特殊演出」としては、例えば大当りが発生し易く見える演出(例えば、変動表示ゲームの演出が特に派手であったり、キャラクタの出現頻度が高いものなど)や、即座に変動表示ゲームの結果が分かる演出(始動記憶の判定内容を事前に報知するものや、変動表示ゲームの表示結果を事前に報知するものなど)があり得る。
また、「遊技球検出手段」は、一つのセンサからなる場合もあるし、複数のセンサからなる場合もある。例えば、前記特定領域が複数設けられ、各特定領域にそれぞれの特定領域を通過する球を検出するセンサが複数配設され、これら複数のセンサによって遊技球検出手段が構成される態様もあり得る。
また、この「変動表示ゲームの表示結果を事前に報知する」との演出は、変動表示装置等の表示部において行ってもよいし、その他の装飾部、或いは音声によって行う態様でもよい。
また、未だ変動表示していない始動記憶の内容を事前に報知する場合、記憶している全部の態様をいっきに報知するようにしてもよいし、徐々に報知する(例えば、変動表示ゲームを1回消化する毎、或いはワープ球が生じる毎に始動記憶1個分の内容を報知する)ようにしてもよい。
また、前記通過態様を監視して規定の通過態様と判定された場合に前記特殊演出を行う演出制御手段の動作は、必ずしも常に有効である必要はなく、所定の条件が成立しているときだけ実行する態様、或いは、所定の開始条件が成立したときに有効状態となり、所定の終了条件が成立すると無効状態(即ち、通過態様の判定を行わない状態、或いは規定の通過態様を判定しても特殊演出を実行しない状態)となる態様でもよい。
また、本発明の特殊演出や、この特殊演出を実行する前述の規定の通過態様は、1種類だけ設定された構成でもよいが、内容の異なるものが複数設定されていてもよい。
また、特に請求項2記載の態様によれば、いわゆる始動入賞口が変動表示装置の下方に配設され、いわゆるステージが変動表示装置の表示部の下辺側(始動入賞口の上方)に設けられた構成において、ステージ上の複数箇所が前記特定領域となっており、これら特定領域を通過する遊技球をそれぞれ検出するセンサにより前記遊技球検出手段が構成されている。
このため、ステージ上で球の転がり具合を遊技者に見せること(いわゆる球見せ)が、始動入賞口へ入るか入らないかを期待させる演出機能の他に、特殊演出が実行されるか否かを期待させる演出機能をも発揮することなり、上記球見せの効果を格段に向上して興趣向上を図ることができる。
また、仮に前記特定領域をステージとは別個の位置に設けると、遊技者が球の挙動を注視すべき個所が増えて煩わしくなるが、ステージ上に設ける本態様であれば、そのような不具合がなく優れている。
また本態様では、ステージ上に特定領域を複数設けてこれら特定領域を通過する遊技球をそれぞれ検出するセンサを複数設けているので、特殊演出が実行される規定の通過態様を複雑なものとすることができ、特殊演出の実行を期待して遊技球の挙動を注視する面白さをより複雑化できる。
A.遊技機の正面構成
図1は本形態例のパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。図1において、符号1は遊技盤であり、前面の略円形領域がガイドレール2で囲まれることにより遊技領域3が形成されている。
遊技盤1には、アウト球流入口4、変動表示装置12、普通電動役物タイプの始動入賞口13、変動入賞装置14(大入賞口)、普図始動ゲート15,16、いわゆるワープ流入口17,18、一般入賞口19,20、特図記憶表示器21、普図表示器22、普図記憶表示器23、風車と呼ばれる打球方向変換部材24(一部のみ符号付けて他は省略)、多数の障害釘(図示省略)などが設けられている。そして、変動表示装置12の前面及び周囲を構成するセンターケース40の下辺部(変動表示装置12の下辺側)には、球見せを行うためのステージ41が形成され、本例ではこのステージ41上に通過態様の監視を行う特定領域が複数設けられている(詳細後述する)。なおセンターケース40は、変動表示装置12の表示部の周囲を囲むように前面側に突出する部材であり、前面に開口する凹室を内部に形成しているが、この凹室の底部がステージ41となっている。
また、遊技盤1の周囲には遊技盤装飾部材31が配置されるとともに、装飾ランプ32、33が左右に配置されている。装飾ランプ32、33は、例えばリーチや大当りの際に点滅あるいは点灯して遊技を装飾する電飾部材である。
なお、特図記憶表示器21は、後述する図6に示すように、変動表示装置12における始動記憶表示を常に実行する場合には、不要である。
なお、遊技盤1は、変動表示装置を備えパチンコ球を用いて遊技を行うものであれば、例えば、いわゆる「第1種」に属するもの、あるいは、変動表示装置を備えた「第3種」に属するもの、あるいは他の機種等であってもよく、任意の構成をとり得るが、一例として本実施の形態では「第1種」に属するタイプのものを用いている。
次に、本例のパチンコ機の制御系統について、図2を参照して説明する。
この制御系は、図2に示すように、遊技制御装置100、表示制御装置131、音制御装置132、装飾制御装置133、及び排出制御装置140を備えている。
遊技制御装置100は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御やそのための各機器の直接的又は間接的な制御含む)を行う上位の制御装置(遊技制御手段)であり、パチンコ遊技等に必要な役物制御を行うワンチップマイコンからなる遊技用マイコン101(遊技用マイクロコンピュータ:いわゆるアミューズチップ用のICとして製造)と、発振器102(クロック生成回路)と、入出力インターフェース103と、バックアップ電源104とを含んで構成され、さらに遊技用マイコン101は、CPU、ROM、及びRAM(符号省略)を備えている。
ここで、入賞口センサA1〜ANは一般入賞口19,20に入賞したパチンコ球をそれぞれ検出するセンサであり、遊技盤に一般入賞口がn個ある場合には、入賞口センサはn個配置される。
また、特図始動入賞口センサ111は、特図の始動入賞口13に入賞した球を検出するセンサであり、普図始動ゲートセンサ112は、普図始動ゲート15,16を通過した球を検出するセンサであり、特別入賞口センサ113は、変動入賞装置14の大入賞口内における特別入賞部(いわゆるV入賞口)に流入した球を検出するセンサ(いわゆる継続センサ)であり、一般入賞口センサ114は、変動入賞装置14の大入賞口内における一般入賞部(V入賞口でない入賞領域)に流入した球を検出するセンサ(いわゆるカウントセンサ)である。
またこの場合、表示制御装置131と音制御装置132と装飾制御装置133は、例えば同一基板上に形成されるとともに同一ケース内に収納され、一つのユニットとして一体化されており、演出制御手段130を構成している。なお図2では、表示制御装置131と音制御装置132又は装飾制御装置133との間で双方向通信が行われる場合を例示しているが、表示制御装置131から音制御装置132又は装飾制御装置133に対して一方向の通信が行われる構成であってもよい。
そして、この演出制御手段130を構成する表示制御装置131には、本発明の遊技球検出手段を構成する5個のセンサSA〜SEの検出信号が入力されており、ステージ41上での遊技球の通過態様が監視される構成となっている(詳細後述する)。なお、上記音制御情報や装飾制御情報は、遊技制御装置100からの指令信号(例えば表示制御情報)に基づいて表示制御装置131が編集設定して出力してもよい。いずれにしろ、このように表示制御装置131が、表示制御と音制御と装飾制御を統括するようになると、表示と音と装飾(ランプ)という三種類の演出動作が確実に同期して的確に実行されるようになる。
また、遊技制御装置100や表示制御装置131等への電源供給は、商用電源を入力として所定の電圧を生成する電源供給装置150によって行われる。但し停電時には、遊技制御装置100内のバックアップ電源104や、表示制御装置131内のバックアップ電源134によって、遊技制御装置100や表示制御装置131内のメモリ等(例えばマイコン101のRAM)に電源が供給され、遊技状態のデータ等が保持される。
なおこの場合には、表示制御装置131の制御で実際に実施される特図の変動表示の演出態様は、上記表示制御情報で与えられた条件の範囲で、表示制御装置131が乱数抽出によって最終的に選択する構成となっている。
次に、本例の遊技機で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
まず、遊技開始当初の時点(或は遊技開始前の時点)では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示を指令する表示制御情報が遊技制御装置100から送信され、変動表示装置12の画面には客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
そして、ガイドレール2を介して遊技領域中に打込まれた球が、いわゆるチャッカーである始動入賞口13に入賞すると(即ち、始動入賞があると)、前述した変動表示を指令する表示制御情報等が遊技制御装置100から送信され、変動表示装置12の表示画面において特図が変動する変動表示が行われて、変動表示ゲームが行われる。
なお、この変動表示ゲームにおいては、場合によっては例えば変動表示終了近くの時期に、遊技者に大当りへの期待感を与えるため、特別な態様での特図の変動表示(いわゆるリーチアクション)やそれに関連する音出力やランプの点灯が行われる(即ち、リーチ演出が行われる)。
また、変動表示ゲームにおいては、ステージ41上における特定領域の遊技球の通過態様が監視され、この監視結果が予め設定された通過態様(規定の通過態様)であると、特殊演出が実行される(詳細後述する)。
また、上記特図の変動表示ゲーム中であっても、始動入賞口13にさらに球が入賞したときには、抽選情報が最高上限値(例えば、4個)まで記憶されるとともに、この抽選情報の記憶数が特図記憶表示器21の点灯(或いは、後述する変動表示装置12による表示)によって報知される。そして、変動表示ゲームが終了した後に、その抽選情報の記憶(即ち、始動記憶)に基づいて上記特図の変動表示ゲームが順次繰り返される。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行する。また、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
この普図当りになると、始動入賞口13の一対の開閉部材が逆ハの字に開いた開放状態に、例えば0.5秒程度保持される遊技が行われる。これにより、始動入賞口13に球が入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート15、16にさらに球が入賞したときには、普図記憶表示器23が点灯してこの場合4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。
次に図3により、本遊技機の特定領域について説明する。図3は、ステージ41及びその周辺構成を示す斜視図である。
本例の特定領域は、図3(a)及び(b)に示すように、ステージ41上の5箇所の位置A〜Eに設けられており、各特定領域A〜Eを通過する遊技球が、図2に示した前述のセンサSA〜SEによってそれぞれ検出される構成となっている。なお、センサSA〜SEは、例えば遊技球(金属)の接近による磁界の変化に基づいて、遊技球を検出する近接センサであり、例えばステージ41の内部或いは下面側に設けられている。
また、ステージ41の上面は、全体として前方に若干傾斜した平面であり、始動入賞口13の真上位置には、ここにきた遊技球が始動入賞口13に落下し易くなるようにする案内溝42が形成されている。
そしてこの場合、複数の特定領域のうち、特定領域Eが上記案内溝42の位置に、特定領域Bが案内溝42の若干奥側の位置に設けられている。また、特定領域Aが特定領域Bの左側に、特定領域Cが特定領域Bの右側に、特定領域Dが特定領域Bのさらに奥側の位置に設けられている。
なお、ステージ41の上面における各特定領域の位置には、特定領域であること、或いは特定領域の違いが遊技者に分かるように、異なる色や模様を施したり、特定領域の符号(A〜E)を描いたりしてもよい。
なお図3(b)に示すように、ステージ41上には、ステージ41の近くにある障害釘45に当った遊技球Kなどが、センターケース40の外部からも(即ち、ワープ通路以外の経路からも)流入する構成となっている。
そしていずれにしろ、ステージ41に流入した遊技球Kは、その流入経路や流入方向や流入時の速度やスピンの状態によって、ステージ41上を各種色々な軌道で転動した後、最終的にはステージ41の前方から落下し、場合によっては始動入賞口13に入賞する。
次に、特定領域の規定の通過態様と特殊演出の具体例について、図4により説明する。
(a)第1例
第1例は、図4(a)に示すように、特殊演出の開始条件としての規定の通過態様(遊技球が規定の3個所の特定領域で連続的に検出されるもの)とこれに対応する特殊演出が多数設定されている例である。
具体的には、特定領域A→B→Cの順番で遊技球が特定領域A,B,Cを連続的に通過したと判定したとき、特殊演出として、変動表示装置12の画面における記憶表示部(具体例は図6により後述する)でのリーチ予告報知を行う。
また同様に、特定領域C,B,Aを連続的に通過したと判定したとき、音(始動入賞音;始動入賞時の効果音)によるリーチ予告報知を行い、特定領域D,B,Eを連続的に通過したと判定したとき、装飾部(装飾ランプ)によるリーチ予告報知を行い、特定領域E,B,Dを連続的に通過したと判定したとき、変動表示装置12の画面における記憶表示部での大当り予告報知を行うものである。
なお、それぞれの予告報知は、始動入賞記憶が存在している場合に、予告を報知すると決定した段階(或いは、始動入賞が発生した時点等)で取得した乱数を判定した結果を報知するものである。例えば、大当り予告報知の場合は、大当り乱数を判定した結果を報知するものであり、リーチ予告報知の場合は、大当り乱数やリーチ乱数を判定した結果を報知するものである。
また、特定領域を連続的に通過したか否かの判定は、例えばセンサSAの検出信号がアクティブになった後、所定時間内にセンサSBの検出信号がアクティブになり、さらにその後所定時間内にセンサSCの検出信号がアクティブになったときに、遊技球が特定領域A,B,Cを連続的に通過したと判定することで行う。
次に第2例は、図4(b)に示すように、特殊演出の開始条件としての規定の通過態様(遊技球の検出3回分で、規定の3箇所の特定領域で検出されるもの)とこれに対応する特殊演出が2種類設定されている例である。
具体的には、遊技球の検出3回で、特定領域A,B,Cでの遊技球の検出がそれぞれ1回ずつあったと判定したとき(検出の順番は問わない)、特殊演出として、変動表示装置12の画面における記憶表示部でのリーチ予告報知を行う。
また同様に、特定領域B,D,Eで1回ずつ検出があったとき、変動表示装置12の画面における記憶表示部での大当り予告報知を行うものである。
なお上記判定は、何れかの特定領域(即ち、何れかのセンサ)で遊技球が検出される度に、その際の特定領域又はセンサの情報(A〜Eのうち何れかの情報)を記憶しておき、記憶数が3回分になると、記憶されたデータの組み合わせが上記組み合わせ(即ち、A,B,C或いはB,D,E)であるか否かを判断することで行う。なお、上記記憶データは、記憶数が3回分になった時点でリセットするようにしてもよいが、1回目又は2回目の検出時の特定領域が上記組み合わせにない個所である場合には、その時点でリセットするようにしてもよい。
次に、前述した制御系により行われる本遊技機の制御内容について説明する。
(a)遊技制御装置のメインルーチン
まず、遊技制御装置100(マイコン101)のメインルーチンの概略を説明する。
電源が供給されリセット信号が解除されてマイコン110が起動すると、まず電源の投入時であるか否かを判定する処理を行い、電源投入時であれば初期化処理(RAMにおけるワークエリアのイニシャライズ等)が行われる。
次に、特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、所定のタイミングで、大当り乱数等の判定処理(後述するタイマ割込処理において抽出記憶した例えば大当り乱数が大当りか否か判定する処理)や、大当りの場合に大当りフラグをセットする処理や、特図の停止図柄の組み合わせ(変動表示の表示結果)を設定する処理や、特図の変動パターンを設定する処理(リーチ演出を行うか否か、どのような変動時間のリーチ演出を行うかなどの設定含む)が行われる。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、表示制御装置131、装飾制御装置133、音制御装置132などへ送信する前述の制御情報(コマンド)の内容(コマンドデータ)を設定する。また、消化した始動記憶の情報を消去する処理も、例えばこの特図ゲーム処理のステップにおいて行われる。
次いで、乱数更新処理を実行する。ここでは、特図に関連する乱数及び普図に関連する乱数の更新が行われる。特図に関連する乱数としては、例えば、大当り乱数(大当りとするか否かを決定する乱数)、リーチ乱数(外れのときにリーチ演出を行うか否かを決定する乱数)、リーチ態様乱数(リーチ演出を行う場合の変動パターンを決定する乱数)、大当り停止図柄乱数(大当り停止図柄決定用の乱数)、などがある。乱数の生成では、特図及び普図の乱数を例えば「1」ずつ増加させて更新することが行われる。したがって、本ルーチンが繰り返される毎に、特図及び普図の乱数が変り、乱数抽出値がアトランダム性を保つようになる。なお、このような乱数更新処理は、その一部又は全部を後述するタイマ割込処理において行うようにしてもよいし、或いは、メインルーチンとタイマ割込処理の両方で、定期かつ不定期に行うようにしてもよい。
なお、以上のメインルーチン(初期化処理等の起動時の処理を除く)は、例えばシーケンシャルに繰り返し実行される。
次に、遊技制御装置100(マイコン101)のタイマ割込処理の概略を説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメインルーチンにおけるタイマ起動処理によって起動され、例えば0.5msec毎に実行される。
このタイマ割込処理では、まず、必要に応じてレジスタの退避や割込の禁止処理を実行した後、入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(特図始動入賞口センサ111、普図始動ゲートセンサ112、特別入賞口センサ113、一般入賞口センサ114、入賞口センサA1〜ANなど)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、いずれかのセンサ或いはスイッチがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
次いで、センサ入力監視処理を実行する。これは、前述したように設定される入力フラグを監視し、例えば特図始動入賞口センサ111の入力フラグが設定されていると、大当り乱数等の値を抽出し記憶するなどの処理を実行するものである。
その後、メインルーチンを再開すべく、退避させたレジスタを復帰させ、割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
次に、表示制御装置131で行われる演出選択処理について、図5により説明する。表示制御装置131は、タイマ割り込み等によって、所定周期毎に図5の処理を実行する。
まずステップS1で、現在特殊演出を実行中であるか否か判定し、実行中であればステップS6に進み、実行中でなければステップS2に進む。
ステップS2では、特殊演出が有効状態か否か(特定領域の通過態様の監視が有効状態か否か)を判定する。例えば、特図の変動表示態様がリーチ状態となった場合にのみ有効状態とする態様では、現在リーチ状態か否かが判定され、リーチ状態であれば有効状態であると判定され、それ以外は無効状態であると判定される。なおリーチ状態とは、狭義にはいわゆるリーチアクションが実行されている状態を意味するが、ここでは、リーチアクションが実行される変動表示が開始されたときからリーチ状態になっているとしてもよいし、リーチアクションが実行されている状態をリーチ状態としてもよい。
また、ステップS4を経ると、ステップS5で特殊演出の終了条件を設定した後、リターンする。特殊演出の終了条件は、特に限定されず、例えば特定領域A〜Eの通過態様の監視結果が特定の通過態様になったときに終了する態様でもよいし、例えば特殊演出を開始した時点からの変動表示ゲームの実行回数や実行時間が所定値になったときに終了するものでもよい。また、この終了条件は、特殊演出を開始する起因となった特定領域A〜Eの通過態様の種類、或いは特殊演出の種類などに応じて、異なるものが設定される態様もあり得る。
そしてステップS7では、通常演出状態(特殊演出を実行しない状態)に設定変更し、リターンする。
以上説明した演出選択処理によると、通常演出状態でかつ特殊演出が有効状態である場合に、特定領域の通過態様が規定のものになると、特殊演出を実行する状態(以下場合により、特殊演出状態又はSPモードという)に切り替えられるとともに、特殊演出の終了条件が設定される。そして、この特殊演出状態で、設定された終了条件が成立すると、通常演出状態に戻る(即ち、SPモードが終了する)。
次に、特殊演出等の詳細な具体例(変動表示装置12の画面での表示例その他)について説明する。
(a)特殊演出有効状態中の表示例
図6(a)は、リーチ状態において特殊演出(通過態様の監視)が有効となる場合のリーチ状態中の変動表示装置12での表示例である。この場合、画面上部の帯状部分には、特図の始動記憶状態を表示する領域である記憶表示部G1が形成されている。この記憶表示部G1には、特図記憶表示器のランプを模した円形のマークG2が、始動記憶の上限値に対応して4個表示されており、始動記憶数に対応する数だけ点灯状態(例えば、輝度を高めたり、色を変えた状態)に表示されている。なお、図6(a)では、黒塗りで示しているマークG2が点灯状態であり、この点灯状態となっているマークG2の数(この場合、3個)だけ始動記憶があることを示している。なお、このような始動記憶状態の変動表示装置12での表示は、リーチ状態に限らず、図7に示すように通常演出状態において常に行うようにしてもよい。
そして、画面中の記憶表示部G1以外の領域は、主に特図の変動表示が行われる変動表示領域G3となっており、この場合、左右の図柄が「3」で停止し、中央の図柄が縦にゆっくりスクロールしているリーチアクションが表示されている。
この場合、例えば遊技球の検出3回で、特定領域A,B,Cでの遊技球の検出がそれぞれ1回ずつあったと判定したとき(検出の順番は問わない)、特殊演出状態となり、特殊演出として記憶表示部G1でのリーチ予告報知を行う態様(図4(b)に示した態様)であり、モード切替報知部G4には、特定領域A,B,C(特殊演出状態となる規定の通過態様)を示す文字を含むマークG5〜G7が表示されており、通過を検出した特定領域に対応するものだけが強調状態(例えば、文字を太くしたり、輝度を高めたり、色を変えた状態)に表示されている。
なお図6(a)では、文字が太くなっているマークG5,G6が強調状態であり、特定領域A,Bで球検出があったこと(即ち、次に特定領域Cで検出されれば、SPモードになること)が示されている。
また、規定の通過態様にない特定領域(この場合、特定領域D,E)での検出が行われ、前述した通過態様監視の記憶データがリセットされると、マークG5〜G7の強調状態は解除される。
図6(b)は、特殊演出状態における変動表示中の画像例(結果示唆演出の具体例)である。また図7の上段には、通常演出状態と特殊演出状態での記憶表示部G1のマークを示している。
この場合、記憶表示部G1には、前述の円形のマークG2に代えて、舌を出したキャラクタ(狼)の画像G8、驚いたキャラクタの画像G9、吐息を吐いて意気込んでいるキャラクタの画像G10、或いは横棒マークG11が表示される。このうち画像G8は、ハズレ(リーチなしでハズレ)になる始動記憶の場合に表示され、画像G9は、リーチ発生可能性のある始動記憶の場合に表示され、画像G10は、確実にリーチが発生する始動記憶の場合に表示され、画像G11は、始動記憶無しの場合に表示される(図7上段参照)。なお、「リーチ発生可能性のある始動記憶」とは、例えば遊技制御装置100で決定される変動パターンが表示制御装置131での変動表示態様の最終決定処理において、リーチ態様と決定される可能性のある変動パターンである場合の始動記憶である。
なお、特殊演出中の記憶表示部G1での表示(上述したようなリーチ予告の表示等)は、図6(b)及び図7に示した態様に限られないことはいうまでもない。例えば、単なるハズレになる始動記憶の場合(リーチ発生可能性のある始動記憶でない場合)でも、乱数による抽選によってランダムに画像G9が選択され表示され得るようにして、期待感を高めてもよい。
なお図6(b)では、文字が太くなっているマークG12が強調状態であり、特定領域Bで球検出があったこと(即ち、次に特定領域Dで検出されれば、特殊演出状態が終了になること)が示されている。
また、モード切替報知部G4の横には、特殊演出状態の終了情報が表示されていることを示す文字「SPモード解除情報」が表示されている。
なお、図6(a),(b)ではモード切替報知部G4でモード切替に関係する特定領域のみを表示する場合を例示しているが、このような態様に限定されないことはいうまでもない。例えば、全ての特定領域A〜Eをそれぞれ表す文字等の画像を表示するとともに、通過態様の監視状態や状態変更する規定の通過態様が分かるようにこれら画像の強調表示等を行ってもよい。またこの場合、特定領域A〜Eをそれぞれ表す文字等を、ステージ41上における実際の位置関係と同様の位置関係で表示してもよい。このように全ての特定領域を表示したり、実際の位置関係で表示したりすれば、報知内容を遊技者が直感的に把握できるようになり、より分かり易くなる。
次に、図7の下段には、通常演出状態と特殊演出状態における、音発生部(音制御装置130により制御されるスピーカ34)及び装飾部(装飾制御装置133により制御される装飾ランプ32,33等)での演出内容例(音や装飾による結果示唆演出の例)を示している。
まず、通常演出状態において音発生部では、始動入賞があったときに「ポロン」という効果音を出力する。また、通常演出状態において装飾部では、各変動表示ゲームに対応した装飾演出を行う(即ち、少なくともリーチなしでハズレとなる変動表示ゲームの際には、強調装飾を行わない)。
一方、特殊演出状態において装飾部では、一つ又は複数の始動記憶の中にリーチ状態となるものが含まれている場合、リーチなしでハズレとなる変動表示ゲームであっても、全て強調装飾を実行する。ここで強調装飾とは、装飾部を構成するランプ類の点灯数や点灯頻度を高めた派手な装飾(装飾面での強調演出)を意味する。
また上記形態例では、未だ変動表示ゲームが実行されていない始動記憶が存在する状態で、特定領域の監視結果が予め定められた通過態様と判定した場合に、当該始動記憶分の変動表示ゲームの結果を事前に示唆する結果示唆演出(例えば図6(b))を実行する。このため遊技者は、記憶されている複数の始動記憶の内容全体が事前に把握でき、特殊演出に対する期待感が非常に高まって、特殊演出による興趣向上効果を著しく高めることができる。
また上記形態例では、例えば図6のモード切替報知部G4によって、前記通過態様の監視状態が遊技者に報知される。このため、特殊演出が実行されるまでの過程における現状(規定の通過態様をどこまでクリアし、その後遊技球がどのように動けば特殊演出が実行されるかなどの状況)を、遊技者が確実に把握することができ、特殊演出の実行を期待してステージ41上の遊技球の挙動を注視して楽しむことが確実にできるようになり、その意味で興趣向上効果をより確実なものとすることができる。
このため、ステージ41上での球見せが、始動入賞口へ入るか入らないかを期待させる演出機能の他に、特殊演出が実行されるか否かを期待させる演出機能をも発揮することとなり、上記球見せの効果を格段に向上して興趣向上を図ることができる。また、仮に特定領域をステージとは別個の位置に設けると、遊技者が球の挙動を注視すべき個所が増えて煩わしくなるが、ステージ上に設ける本態様であれば、そのような不具合がなく優れている。
また上記形態例では、ステージ41上に特定領域を複数設けてこれら特定領域を通過する遊技球をそれぞれ検出するセンサを複数設けているので、特殊演出が実行される規定の通過態様(或いは特殊演出が終了する通過態様)を図4や図6に例示したように複雑なものとすることができ、特殊演出の実行を期待してステージ41上の遊技球の挙動を注視する面白さをより複雑化できる。
また上記形態例では、表示制御装置131が上位装置である遊技制御装置100の指令に基づいて音や装飾を含む演出全体を統括する構成となっている。このため、上位の遊技制御装置100から、演出制御手段130を構成する各制御装置にそれぞれ指令信号を送信して各演出動作を実現する構成に比較して、表示と音と装飾という種類の異なる演出動作を確実に同期させて的確に行うことができる。
例えば、上記形態例では、未だ変動表示ゲームが実行されていない始動記憶の内容を事前に示唆する結果示唆演出を例示しているが、現在実行中の変動表示ゲームの結果を事前に示唆する結果示唆演出を実行するようにしてもよい。この場合、現在実行中の変動表示ゲームの結果が即時に判断できるようになり、特殊演出による興趣向上効果をより高めることができる。また、未実行の変動表示ゲームと実行中の変動表示ゲームの両者について結果示唆演出を実行してもよい。
また、特殊演出としては、変動表示ゲームの演出を通常よりも強調した強調演出のみを実行してもよい。この場合、遊技者の期待感を特殊演出により簡単に高めることが可能となり、特殊演出による前述の効果が容易に得られる。即ち、例えば前述の結果示唆演出は、始動記憶の内容を報知するための特別な制御処理が必要になるが、この場合には、単に演出態様を切り替えるだけでよいので、制御処理が簡単になるなどの固有の効果がある。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
12 変動表示装置
13 始動入賞口
40 センターケース
41 ステージ
100 遊技制御装置(遊技制御手段、始動記憶手段)
130 演出制御手段
131 表示制御装置
132 音制御装置
133 装飾制御装置
A〜E 特定領域
SA〜SE センサ(遊技球検出手段)
Claims (2)
- 複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、
前記変動表示装置の下方に配設されると共に、遊技球の入賞により前記変動表示ゲームの実行条件である始動入賞を発生させる始動入賞口と、
を備え、
前記変動表示ゲームの結果が特別表示結果となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特別遊技状態となる遊技機において、
前記変動表示ゲームに関わる演出制御を行う演出制御手段と、
前記変動表示装置の下辺側に設けられ、遊技球が転動可能であると共に、転動する遊技球が前記始動入賞口へ向けて流下可能なステージと、
前記ステージ上の特定領域を通過する遊技球を検出する遊技球検出手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記遊技球検出手段からの検出信号に基づき前記変動表示ゲームの表示結果を事前に報知する特殊演出を実行する特殊演出状態を発生させ、
該特殊演出状態を前記変動表示ゲームの実行回数が所定値となったときに終了させることを特徴とする遊技機。 - 前記遊技球検出手段は、
前記ステージ上の複数箇所を特定領域として、これら特定領域を通過する遊技球をそれぞれ検出するセンサから成り、
前記演出制御手段は、前記遊技球検出手段からの検出信号に基づきステージ上の遊技球の通過態様を監視し、当該監視結果が予め定められた通過態様と判定した場合に、前記特殊演出状態を発生させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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