以下、本発明の一実施の形態に係る遊技機について添付図面を参照して説明する。
図1には、本実施の形態の遊技機が設置された遊技場のシステム構成の一例が示されている。当該システム構成には、各種の遊技機2が配設された複数の遊技島(例えば4,6)が構築されており、各遊技島4,6において、各遊技機2は、遊技媒体の払い出しを指示可能な遊技用装置8(以下、カードユニット8と言う)と通信可能に併設されている。この場合、カードユニット8は、当該カードユニット8のシステム管理や売上管理を行うユニットコントローラ10に対して通信可能に接続されている。
なお、ユニットコントローラ10は、遊技場毎に設置されており、カードユニット8を管理する管理会社のサーバ12に対して所定のネットワークN(例えば、LAN(Local Area Network)、インターネットなど)を介して通信可能に接続されている。この場合、遊技機2としては、例えばパチンコ機やパチスロ機などを適用することができるが、ここでは一例として、パチンコ機2を想定する。
かかるパチンコ機8に対して通信可能に併設されたカードユニット8は、図2及び図3に示すように、紙幣投入口14や硬貨投入口16、カード挿入口18を備えており、遊技者は、カード挿入口18に記録媒体M(例えば、会員カードやビジタカードなどのプリペイドカード)を挿入したり、或いは紙幣投入口14や硬貨投入口16に所定金額の貨幣(紙幣、硬貨)を投入することにより、遊技に必要な遊技媒体(即ち、遊技球)の貸し出しを受けることができる。なお、記録媒体M(以下、プリペイドカードMと言う)としては、例えばICカードや磁気カードなどを適用することができる。
この場合、プリペイドカードMには、例えば会員遊技者を例に挙げると、当該会員遊技者を特定することが可能な識別情報(例えば、会員番号、氏名、性別、住所など)や、遊技媒体(以下、遊技球と言う)の貸し出しを受けるために必要な有価価値に関する情報(例えば、残度数、発行度数)が記録されている。なお、プリペイドカード(会員カード)Mは、遊技場への入会を希望する者に発行され、その入会時の各種データは、上述した識別情報や有価価値に関する情報に対応付けてユニットコントローラ10(図1)に記憶される。
また、カードユニット8には、プリペイドカードMがカード挿入口18から挿入された状態で発光するカード挿入中ランプ20、挿入されたプリペイドカードMの識別情報や有価価値に関する情報を読み取るカードR/W22、当該カードユニット8の作動状態(例えば、読取エラーなど)を表示する状態表示ランプ24、硬貨投入口16から貨幣(硬貨)が投入されたことを検知する貨幣投入検知センサ26、紙幣投入口14へ投入された貨幣(紙幣)の真贋を識別する貨幣識別機28が設けられており、これらは全てCPU30で制御されている。
なお、かかる制御は、例えばROM32に記憶されている制御プログラムがRAM34を作業領域としてCPU30で実行される。このとき、貨幣識別機28により貨幣(紙幣)が贋物であると識別された場合、贋物紙幣は紙幣投入口14から返却される。また、贋物硬貨は図示しないセレクタにより選別されて硬貨返却口36から返却される。
このようなカードユニット8は、その背面に設けられたコネクタ(図示しない)がパチンコ機2(当該カードユニット8に併設されたパチンコ機2)の背面に設けられたコネクタ(図示しない)に対してケーブル(図示しない)で接続されており、当該ケーブルを介して各種信号の交信が行われる。本実施の形態に適用したパチンコ機2は、一例として、当該パチンコ機2を各遊技機島4,6(図1)に設置するための外枠38と、外枠38の前面に回動自在に軸支された内枠40とを備えており、内枠40の背後には、後述するサブ制御基板46(図4)で制御される演出表示装置48(LCD(Liquid Crystal Display)などの可変表示装置)とが嵌装されている。
また、内枠40の前面には、各種遊技部材(例えば、後述する遊技制御手段即ちメイン制御基板42(図4)で制御される特別図柄可変表示装置44(7セグメントLED(Light
Emitting Diode))、始動入賞口50など)を備えて構成された遊技盤(参照符号省略)が着脱自在に装着されている。更に、内枠40の前面には、ガラス板52が嵌められたフロント扉54が回動自在に軸支されており、フロント扉54の上側には、サブ制御基板46により光の演出を行うためのランプ56が取り付けられている。なお、内枠40の前面下部側には、貸出球や賞球を受け止めるための上皿58と、上皿58が満杯時に溢れた遊技球を受け止めるための下皿60と、遊技球を発射するための発射装置62(図4)の操作部材としてのハンドル64と、サブ制御基板46により音の演出を行うためのスピーカ66とが設けられている。
ここで、メイン制御基板(遊技制御手段)42及びサブ制御基板46について図4を参照して説明する。
図4に示すように、メイン制御基板(遊技制御手段)42は、メインCPU68、メインROM70、メインRAM72を備えて構成されており、メインROM70に記憶された各種制御プログラムがメインRAM72を作業領域としてメインCPU68で実行されることにより遊技の制御が行われる。また、メイン制御基板42には、サブ制御基板46に対して各種コマンド(例えば、大当り開始コマンド、大当り終了コマンドなど)を出力するためのコマンド出力ポート(コマンド送信手段)74が接続されている。
このようなメイン制御基板(遊技制御手段)42には、I/O(入出力ポート)76を介して各種制御系が接続されている。制御系としては例えば、カウントスイッチ78(図2)、一般入賞口スイッチ80、通過ゲートスイッチ82、始動入賞口スイッチ84、始動入賞口ソレノイド86、大入賞口ソレノイド88、バックアップクリアスイッチ90が接続されている。
この場合、カウントスイッチ78は、大入賞口92(図2)内に設けられており、当該大入賞口92への遊技球の入賞を検知し、その検知信号をメイン制御基板42に出力する。また、一般入賞口スイッチ80は、遊技盤に設けられた一般入賞口(図示しない)に設けられており、当該一般入賞口を遊技球が通過した際に、その検知信号をメイン制御基板42に出力する。
通過ゲートスイッチ82は、遊技盤に設けられた通過ゲート(図示しない)に設けられており、当該通過ゲートを遊技球が通過した際に、その検知信号をメイン制御基板42に出力する。また、始動入賞口スイッチ84は、遊技盤に設けられた始動入賞口50(図2)に設けられており、当該始動入賞口50に遊技球が入賞した際に、その検知信号をメイン制御基板42に出力する。
更に、始動入賞口ソレノイド86は、リンク部材(図示しない)を介して始動入賞口50に設けられた羽根部材50a(図2)に接続されており、メインCPU68から出力された駆動信号に応じて羽根部材50aを駆動させて、始動入賞口50の入賞領域を広狭調整する。また、大入賞口ソレノイド88は、大入賞口扉92aに接続されており、メインCPU68から出力された駆動信号に応じて大入賞口扉92aを駆動させて、大入賞口92を開閉制御する。なお、バックアップクリアスイッチ90は、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
一方、サブ制御基板46は、メイン制御基板42から出力された各種コマンドをコマンド入力ポート94を介して入力し、そのときの入力コマンドに応じて、演出表示装置48やスピーカ66或いはランプ56に対する各種制御を行う。各種制御としては、画像制御回路96による演出表示装置48の表示制御、音制御回路98によるスピーカ66の音制御、ランプ制御回路100によるランプ56の光制御などが行われる。なお、このような各種制御は、プログラムROM102に記憶された各種制御プログラムがワークRAM104を作業領域としてサブCPU106で実行される。
また、メイン制御基板42には、I/O(入出力ポート)76を介して外部端子板108が接続されている。この場合、メイン制御基板42及びサブ制御基板46で上述したような各種制御が行われている際、メイン制御基板42から出力された各種の遊技データ(例えば、球の払出情報(OUT)、図柄の可変表示実行情報、大当り中情報、確変中情報など)は、外部端子板108を介して遊技場(図1)に設置されたユニットコントローラ10及びホールコンピュータHPに出力されてパチンコ機2毎に集計、管理される。
このようなパチンコ機2において、図2及び図3に示すように、その上皿58には、遊技者が遊技球の貸し出し操作を行うための球貸操作パネル110が設けられており、当該球貸操作パネル110は、残度数表示器112と、球貸ボタン114と、返却ボタン116とを備えて構成されている。なお、球貸操作パネル110(残度数表示器112、球貸ボタン114、返却ボタン116など)は、カードユニット8により直接制御が行われるようになっている。
ここで、球貸操作パネル110の球貸ボタン114を操作(例えば、1回押下)すると、カードユニット8のCPU30とパチンコ機2の払出・発射制御基板118(図4)との間で球貸し処理に関する信号(PRDY,BRDY,BRQ,EXS)が交信される。そして、このとき交信された各信号に基づいて、払出・発射制御基板118のCPU(払出制御手段)120が払出装置(払出手段)122を駆動制御することにより、当該払出装置122から所定数の遊技球がパチンコ機2の上皿58に払い出される。なお、PRDY,BRDY,BRQ,EXSの各信号に基づく球貸し処理については後述する。
上皿58に遊技球が払い出された状態において、ハンドル64を操作すると、発射ソレノイド(図示しない)が作動し、遊技球がガイドレール(図示しない)に沿って遊技領域に打ち出されることで遊技が行われる。かかる遊技において、例えば一般入賞口(図示しない)に遊技球が入賞すると、メイン制御基板42からから払出・発射制御基板118に所定コマンドが送信される。そして、当該コマンドに基づいて払出・発射制御基板118の例えばCPU120が払出装置122を駆動制御することにより、払出装置122から所定数の遊技球が上皿58に賞球される。
また、例えば始動入賞口50に遊技球が入賞して所定の図柄が揃うと、遊技者に有利な特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態)となる。なお、図面では一例として、特別図柄可変表示装置44に確定した特別図柄(例えば「A」)が表示され、これに対応して、演出表示装置48に所定の演出(装飾)図柄(例えば「777」)が表示されている。このとき、メイン制御基板42が大入賞口ソレノイド88(図4)を作動して大入賞口扉92a(図2)を開閉駆動させることで、大入賞口92の開閉制御が行われる。
この場合、大入賞口扉92aは、1ラウンドあたり最大約28秒間だけ開放制御されるか、或いは同ラウンド中に遊技球が大入賞口92に10個入賞すると閉鎖制御される。このような制御が行われている間、メイン制御基板42からは、大当り遊技状態中であることを示す大当り中情報が出力される。
ここで、PRDY,BRDY,BRQ,EXSの各信号に基づく球貸し処理について、図2及び図3を参照しつつ図5〜図8の処理手順に従って説明する。当該球貸し処理では、遊技者による球貸操作(球貸ボタン114の1回押下)がされたとき、予め定められた単位数(例えば、100円又は1度数あたり25個)の遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号(後述する貸出指示監視時間T2内における「BRQ」信号の(LO)から(HI)への切替)を払出・発射制御基板118(CPU120)に所定回数(例えば、5回)送信することにより、1貸出制御単位として予め設定された総数(例えば、500円分又は5度数分に相当する125個)の遊技球が払い出される。なお、かかる球貸し処理は、カードユニット8のCPU30によって制御されており、例えばROM32に記憶されている貸出制御プログラムがRAM34を作業領域としてCPU30で実行される。
まず、カードユニット8とパチンコ機2とが電気的に接続されると、パチンコ機2の払出・発射制御基板118からカードユニット8へ出力される「PRDY」信号が(HI)から(LO)へ切り替わる(図7)。これにより、パチンコ機2が正常の制御状態になっていることが示される。このとき、カードユニット8の状態表示ランプ24が点灯する。この状態で、プリペイドカードMがカード挿入口18に挿入されてカードユニット8に受け付けられると(図5のS1)、カード挿入中ランプ20が点灯すると共に、当該カードユニット8からユニットコントローラ10(図1)へカード照合要求が出される(図5のS2)。
ユニットコントローラ10では、プリペイドカードMに記録された各種情報(例えば、カードR/W22で読み取られた遊技者を特定するための識別情報や、残度数・発行度数などの有価価値に関する情報)と、当該ユニットコントローラ10に予め記録されている各種情報との照合が行われる(図5のS3)。そして、双方の情報が互いに一致した場合には(図5のS4)、その有価価値に関する情報に基づいて、ユニットコントローラ10からカードユニット8へ残高情報が送信される(図5のS5)。
カードユニット8では、受信した残高情報に基づいて、パチンコ機2の球貸操作パネル110(残度数表示器112)にプリペイドカードMの残高(例えば、残度数“50”)を表示させる(図5のS6、図7)。ここで、遊技者により球貸ボタン114が押下(ON)されたときに残高が有れば、1貸出制御単位として予め設定された総数(例えば、500円分又は5度数分に相当する125個)の遊技球が貸出可能に設定される(図5のS7,S8,S9)。
なお、上述したカード照合(図5のS3)において、プリペイドカードMに記録された各種情報とユニットコントローラ10に予め記録されている各種情報とが不一致である場合には(図5のS4)、当該プリペイドカードMは不正カードとみなされる。このとき、その旨を示す不正カード情報がユニットコントローラ10からカードユニット8へ送信され(図5のS10)、これにより、当該プリペイドカードMはカード挿入口18から排出される(図5のS11)。また、上述したプリペイドカードMの残高表示に際し(図5のS6)、残高が無い場合には(図5のS7)、当該プリペイドカードMはカード挿入口18から排出される(図5のS11)。
ここで、貸出額が500円又は5度数に設定された状態において(図5のS9)、遊技者により球貸ボタン114が押下されると、カードユニット8では、パチンコ機2の払出・発射制御基板118へ出力する「BRDY」信号を(HI)から(LO)へ切り替える(図6のR1、図7)。これにより、カードユニット8が球貸し制御の待機状態(HI)から開始状態(LO)に切り替えられたことが示される。なお、球貸ボタン114が押下されると、球貸操作パネル110の貸出可表示LED(図7)が消灯状態となり、以降、球貸ボタン114が押下禁止状態になる。
この後、貸出要望監視時間T0内に、カードユニット8は、払出・発射制御基板118へ出力する「BRQ」信号を(HI)から(LO)へ切り替える(図6のR2、図7)。これにより、払出・発射制御基板118は、当該パチンコ機2が球貸し可能状態であるか否かの確認を行うための動作確認信号をカードユニット8から受信したことを認識する。
続いて、要望了解監視時間T1内に、パチンコ機2では、「BRQ」信号の(LO)への変化(動作確認信号)に基づいて、球貸しが可能であるか否かが判定される。このような判定は、払出・発射制御基板118の貸出動作可能判定手段で行われ、例えば賞球の払い出し中であるか、或いは、下皿60が満タンなどの理由により払出禁止状態にあるかについて判定される。ここで、貸出動作可能判定手段は、払出制御手段としてのCPU120に構築することができる。なお、その構築方法としては、例えば貸出動作可能判定手段として機能する素子や回路をCPU120に増設しても良いし、或いは、当該貸出動作可能判定手段としての判定処理を実行するためのプログラムをCPU120のメモリ(図示しない)にインストールしても良い。
そして、かかる貸出動作可能判定手段の判定の結果、遊技球の払い出し(貸し出し)が可能と判定されたことを条件に、その旨をカードユニット8へ通知するための貸出可能通知信号として、払出・発射制御基板118は、カードユニット8へ出力する「EXS」信号を(HI)から(LO)へ切り替える(図7)。この場合、貸出可能通知信号は、貸出可能通知信号送信手段によってカードユニット8へ送信される。ここで、貸出可能通知信号送信手段としては、払出・発射制御基板118のI/Oポート123を適用することができ、これにより、「EXS」信号の(LO)への変化(貸出可能通知信号)は、I/Oポート123からカードユニット8へ送信される。
これを受けて(図6のR3)、貸出指示監視時間T2内に、カードユニット8では、パチンコ機2に予め定められた単位数(1度数分又は100円分の25個)の球貸しを要求する貸出要求信号として、「BRQ」信号を(LO)から(HI)に切り替える(図6のR4、図7)。このとき、カードユニット8は、残度数表示器112における残高の表示を更新すると共に、カードユニット8から売上通知の更新要求をユニットコントローラ10へ出力する(図6のR4)。これを受けたユニットコントローラ10では、プリペイドカードMの残高情報などの更新処理が行われる(図6のR5)。
続いて、払出監視時間T3内に、払出・発射制御基板118は、「BRQ」信号が(HI)になったことを受けて(即ち、貸出要求信号の受信に応じて)払出装置122を駆動制御することにより、予め定められた単位数(25個)の遊技球の払い出しを実行する。そして、遊技球の払い出しが完了すると、その旨をカードユニット8へ通知するための払出完了通知信号として、払出・発射制御基板118は、カードユニット8へ出力する「EXS」信号を(LO)から(HI)へ切り替える(図7)。
これを受けて(図6のR6)、次要求確認監視時間T4内に、カードユニット8では、遊技球の貸し出し(払い出し)が完了したか否かが判定され(図6のR7)、未完了であれば矢印P3の手順に従って、再び「BRQ」信号を(LO)に切り替えた後(図6のR2)、プロセスR2〜R7の処理(上述した各時間T1,T2,T3,T4における処理)が貸出完了まで(5回)繰り返される。
そして、1貸出制御単位として予め設定された総数(例えば、500円分又は5度数分に相当する125個)の遊技球の貸し出しが完了したとき(図6のR7)、カードユニット8では、次要求確認監視時間T4に代えて設定されるカードユニット貸出完了監視時間TE内に、払出・発射制御基板118へ出力する「BRDY」信号を(LO)から(HI)へ切り替える(図6のR8、図7)。また、プリペイドカードMの残高の有無が判定される(図6のR9)。このとき、球貸ボタン114の押下禁止状態が解除され、再び押下可能となる。
ここで、残高が有る場合に返却ボタン116が押下されたときは(図6のR10)、プリペイドカードMのカード情報(例えば、有価価値に関する情報)の更新要求がカードユニット8からユニットコントローラ10へ出される(図6のR11)。これを受けて、ユニットコントローラ10では、カード情報の更新処理が行われた後、その更新完了通知がカードユニット8に出される(図6のR12)。これにより、プリペイドカードMはカード挿入口18から排出される(図6のR13)。なお、残高が無い場合には(図6のR9)、R11〜R13のプロセスを経てプリペイドカードMが排出される。
また、残高が有る場合に返却ボタン116が押下されないときは(図6のR10)、矢印P4の手順に従って、球貸ボタン114が押下(ON)されたか否かの判定(図5のS8)が行われ、それ以降同様の処理が繰り返される。このとき、球貸ボタン114が押下(ON)されなかった場合は矢印P2の手順に従って、球貸し処理は行われずにプリペイドカードMの残高の有無が判定され(図6のR9)、それ以降同様の処理が繰り返される。
ところで、カードユニット8からパチンコ機2に対して出力される「BRQ」信号が(HI)から(LO)へ変化した際(図6のR2)、通常は所定時間内(図7の要望了解監視時間T1内)にパチンコ機2からカードユニット8に対して出力される「EXS」信号が(HI)から(LO)へ変化する(図6のR3)。このとき、例えば図8に示すように要望了解監視時間T1を経過しても「EXS」信号が(LO:球貸し可能状態)にならず、タイムオーバーとなってしまう場合がある(図6のR14)。これをT1エラーと言う。
このとき、カードユニット8では、球貸し処理(T1エラー)を解除するためのエラー処理が実行され(図6のR15)、例えば図8に示すように「BRDY」信号及び「BRQ」信号が(HI)に切り替えられる(図6のR16,R17)。これにより、球貸し処理(T1エラー)が解除され、図6のプロセスR9以降の処理が繰り返される。
また、T1エラーが生じること無く(図6のR3)、予め定められた単位数の球貸しを要求する貸出要求信号(別の言い方では、パチンコ機2に球貸し実行させるための信号)として「BRQ」信号が(HI)に切り替えられた後(図6のR4)、通常は所定時間内(払出監視時間T3内)にパチンコ機2からカードユニット8に対して、遊技球の貸出(払出)の実行を完了した旨の通知信号((HI)の「EXS」信号)が出力される(図6のR6)。このとき、払出監視時間T3を経過しても「EXS」信号が(HI)とならずにタイムオーバーとなってしまう場合がある(図6のR18)。これをT3エラーと言う。
このとき、カードユニット8では、球貸し処理(T3エラー)を解除するためのエラー処理が実行され(図6のR19)、「BRDY」信号が(HI)に切り替えられる(図6のR20)。これにより、球貸し処理(T3エラー)が解除され、図6のプロセスR9以降の処理が繰り返される。
なお、図7では、球貸し処理の時間t(例えば、ミリ秒:msec)を横軸に取り、これを等間隔に分けた場合において上記の各時間T0,T1,T2,T3,T4,TEを設定したが、これら各時間T0,T1,T2,T3,T4,TEの設定タイミングは、例えば球貸し処理の目的や内容、或いはカードユニット8やパチンコ機2の種類などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定はしない。
ところで、遊技球の貸し出しを受けて遊技を行っている間に、パチンコ機2が特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行する場合があるが、その際に、遊技者の手許に持ち球が残っていないことが想定される。かかる場合、上述したような球貸し処理により遊技球の貸し出しを受けることになるが、現状の遊技場におけるシステム構成では、1貸出制御単位として予め設定された総数(例えば、500円分又は5度数分に相当する125個)の遊技球が自動的に払い出されてしまう。しかしながら、大当り遊技状態では、少数の持ち球で大量の賞球を得ることができるため、貸し出しを受ける遊技球の数も僅かで充分である。
そこで、本実施の形態の遊技機(パチンコ機2)は、遊技状態に応じて必要数量の遊技球を貸し出すための制御を払出・発射制御基板118に実行させることができるように構成されている。即ち、パチンコ機2は、当該パチンコ機2が特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態)であるか否かを検出する遊技状態検出手段を備えている。ここで、遊技状態検出手段としては、例えば払出・発射制御基板118のCPU120(図3)を適用することができる。
通常、パチンコ機2では、特定の遊技状態(大当り遊技状態)に移行したとき、メイン制御基板(遊技制御手段)42から出力された特定遊技状態コマンド(特定の遊技状態であることを示す例えば大当り開始コマンドや大当り終了コマンド)は、コマンド出力ポート(コマンド送信手段)74からサブ制御基板46にのみ送信される。この場合、本実施の形態において、特定遊技状態コマンドは、コマンド出力ポート(コマンド送信手段)74から払出・発射制御基板118のCPU(払出制御手段)120にも送信される。これにより、遊技状態検出手段(CPU120)は、払出制御手段(CPU120)へ送信された特定遊技状態コマンドに基づいて、特定の遊技状態(大当り遊技状態)であるか否かを検出することができるようになっている。
ここで、遊技者による球貸操作(球貸ボタン114の1回押下)がされた場合に、遊技状態検出手段(CPU120)により大当り遊技状態でないと検出されたときは、払出・発射制御基板118のCPU(払出制御手段)120が払出装置(払出手段)122を駆動制御することにより、1貸出制御単位として予め設定された総数(例えば、500円分又は5度数分に相当する125個)の遊技球が払い出される。これに対して、大当り遊技状態であると検出されたときは、必要数量(例えば、予め定められた単位数(25個))の遊技球が貸し出された後の当該1貸出制御単位における遊技球の払い出しが抑制される。
本実施の形態において、かかる払出(球貸し)制御は、CPU(払出制御手段)120の遊技状態別払出制御手段によって実行される。ここで、遊技状態別払出制御手段としては、例えば払出・発射制御基板118のCPU120(図3)を適用することができる。なお、払出(球貸し)制御は、払出・発射制御基板118の図示しないハードディスクやROMに記憶されている払出(球貸し)プログラムがRAM(図示しない)を作業領域としてCPU120で実行される。
具体的に説明すると、PRDY,BRDY,BRQ,EXSの各信号に基づく球貸し処理において、大当り遊技状態でないとき、遊技状態別払出制御手段(CPU120)は、カードユニット8から所定回数(5回)送信される貸出要求信号(貸出指示監視時間T2における「BRQ」信号の(HI)への変化)の受信毎に、予め定められた単位数(25個)の遊技球の払い出しを払出装置122により所定回数(5回)実行させることで、1貸出制御単位として予め設定された総数(125個)の遊技球を払い出す制御を行う。なお、所定回数(5回)送信される貸出要求信号の受信回数は、遊技球の球貸回数(カウンタ値=5)として計数され、そのカウンタ値は、1貸出制御単位の球貸し制御が終了する毎にリセットされる。
これに対して、大当り遊技状態中(即ち、CPU(払出制御手段)120が大当り開始コマンドを受信してから大当り終了コマンドを受信するまでの間)、遊技状態別払出制御手段(CPU120)は、まず、貸出要求信号の受信回数に基づいた遊技球の球貸回数を計数し、当該球貸回数に対応した遊技球の払い出しが、1貸出制御単位において送信される貸出要求信号の送信回数(即ち、受信回数)よりも少ない特定回数(1回)実行されたか否かを判定する。そして、当該特定回数実行されていると判定した場合には、貸出可能通知信号(要望了解監視時間T1における「EXS」信号の(LO)への変化)のカードユニット8への送信を抑制することによって1貸出制御単位における遊技球の払い出しを抑制する。
この場合、大当り遊技状態中に予め定められた単位数(25個)の遊技球の払い出しが1回以上実行されているときに、貸出可能通知信号のカードユニット8への送信を抑制することで、当該「EXS」信号は(HI)状態に維持される(図8)。そして、かかる状態が要望了解監視時間T1を越えて続くと、カードユニット8では、タイムオーバーによるT1エラーと判定し、エラー処理が実行される。即ち、「BRDY」信号及び「BRQ」信号が(LO)から(HI)へ切り替えられる。この結果、球貸し処理(T1エラー)が解除され、カードユニット8における球貸し処理が終了する。これにより、遊技者には、遊技状態に応じた必要数量の遊技球が貸し出されることになる。
また、払出・発射制御基板118のCPU(払出制御手段)120では、上述した球貸し処理が実行されている間に、後述するような払出メイン処理(図9)が実行される。ここでは、「BRDY」信号及び「BRQ」信号が(HI)へ変化したことで、カードユニットステータス(CUステータス)がCU異常解除確認処理(06)からBRDY入力状態監視処理(00)となり、これにより、払出・発射制御基板118は、球貸し制御の待機状態(HI)となる。
以上、本実施の形態によれば、必要以上の遊技球の貸し出しを受けることが無いため、遊技球の貸し出しに対する煩わしさが無くなるとともに、遊技球の交換率が貸出単価を下回る場合における遊技者に対する不利益を抑制することができる。また、パチンコ機2が特定の遊技状態(大当り遊技状態)であることを確実に検出することができるため、遊技球の貸し出し制御の変更を安定して且つ確実に行うことができる。更に、1度数分(25個)の貸し出しでは不十分であった場合でも、球貸ボタン116を再度1回押下するだけで、短時間に球貸しを受けることができるため、特定の遊技状態(大当り遊技状態)の続行が可能となる。
本実施の形態によれば、カードユニット8は、貸出可能通知信号(要望了解監視時間T1における「EXS」信号の(LO)への変化)の受信が無ければ貸出要求信号(貸出指示監視時間T2における「BRQ」信号の(HI)への変化)の送信を行わず、これにより、貸出要求信号の送信に伴って実行される売上処理を実行させること無く、当該貸出制御単位を超える遊技球の貸出制御を終了(払い出しを抑制)させることができる。これは、遊技用装置(カードユニット8)における公知の制御であって各社共通の仕様である。従って、当該発明の構成によれば、カードユニット8の改良を必要とすること無く(即ち、既存のカードユニット8をそのまま利用して)、簡便に且つ確実に遊技状態に応じた遊技球の貸出制御を行うことができる。
また、本実施の形態において、CPU(遊技状態検出手段)120によって特定の遊技状態(大当り遊技状態)であることが検出されたときに、その旨を報知するように構成しても良い。なお、報知手段としては、例えばカードユニット8に設けられた内蔵スピーカ128や、液晶パネル130pが組み込まれた表示装置130などを適用することができる。この場合、内蔵スピーカ128では音声により、また、表示装置130では、液晶パネル130pに画像や文字を表示させることにより大当り遊技状態であるか否かを報知することができる。これによれば、遊技球の貸出制御の変更を例えば音声や画像によって容易に認識させることができるため、球貸し制御が変更されたことによる混乱を抑制することができる。
ここで、払出・発射制御基板118で実行される払出メイン処理について、図9〜図20を参照して説明する。
図9に示された払出メイン処理は、払出・発射制御基板118のCPU120(図3)で制御されるシステムタイマによって、G3〜G12のプロセスが1ms(1ミリ秒)の周期で繰り返し実行される。
プロセスG1では、パチンコ機2の電源投入時の初期化設定を行う。このとき、バックアップクリアスイッチ90(図4)が押下されていない場合、CPU120は、バックアップ復帰処理を実行し、電源切断前に実行されていたプログラムアドレスを指定して当該プログラムの実行を開始する。これに対して、バックアップクリアスイッチ90が押下されている場合、CPU120は、払出・発射制御基板118のRAM(図示しない)の作業領域を初期化するなどの初期設定を実行する。また、RAM(図示しない)に格納されたCUステータスを記憶する変数、CU監視タイマの値を記憶する変数、異常通達監視タイマの値を記憶する変数、エラー報知フラグなどを初期化(“0”をセット)する。当該処理が終了すると、プロセスG2へ移行する。
プロセスG2では、CPU120が1ms経過したか否かを判定する。この場合、1ms経過していればプロセスG3へ移行し、1ms経過していないときは、当該プロセスG2が繰り返される。
プロセスG3では、後述するカードユニット通信処理を行う。当該処理が終了すると、プロセスG4へ移行する。
プロセスG4では、カウントスイッチ検知処理を行う。この処理では、CPU120が払出装置122(図3)のカウントスイッチ(図示しない)の出力状態をチェックし、現在賞球や球貸しが行われているか否かを検知する。当該処理が終了すると、プロセスG5へ移行する。
プロセスG5では、エラー検知処理を行う。この処理では、CPU120がパチンコ機2の遊技球払出経路(図示しない)や払出装置122に異常がないか否かをチェックし、異常があればそれを検知する。当該処理が終了すると、プロセスG6へ移行する。
プロセスG6では、払出装置駆動処理を行う。この処理では、CPU120が遊技球払出経路(図示しない)の異常が検知されていないことを確認できたときに、払出・発射制御基板118のRAM(図示しない)に格納された変数に、払出装置122を駆動して所定数の遊技球の払出を行うためのデータをセットする。当該処理が終了すると、プロセスG7へ移行する。
プロセスG7では、発射関連信号検知処理を行う。この処理では、CPU120が、発射装置62(図4)に含まれるストップスイッチ及びタッチセンサ(共に図示しない)の出力状態を監視して出力信号を検知する。当該処理が終了すると、プロセスG8へ移行する。
プロセスG8では、発射駆動処理を行う。この処理では、CPU120が払出・発射制御基板118のRAM(図示しない)に格納された変数に、発射装置62に含まれる発射ソレノイド(図示しない)を所定時間ごとに駆動させるためのデータをセットする。当該処理が終了すると、プロセスG9へ移行する。
プロセスG9では、球貸制御処理を行う。この処理では、CPU120が払出装置122における遊技球の球貸状態の監視を行う。当該処理が終了すると、プロセスG10へ移行する。
プロセスG10では、賞球制御処理を行う。この処理では、CPU120がメイン制御基板42(図4)から送信された賞球の払出指令信号に基づいて、賞球の払出状態の監視を行う。当該処理が終了すると、プロセスG11へ移行する。
プロセスG11では、エラー処理を行う。この処理では、CPU120がプロセスG5で検知したエラーの情報を、例えば払出・発射制御基板118に設けられた7セグ等のエラー表示装置(図示しない)に表示する。当該処理が終了すると、プロセスG12へ移行する。
プロセスG12では、出力処理を行う。この処理では、CPU120がプロセスG6で払出・発射制御基板118のRAM(図示しない)に記憶された、払出装置122を制御して所定数の遊技球の払出を行うためのデータ、及び、プロセスG8でRAM(図示しない)に記憶された、発射装置62に含まれる発射ソレノイド(図示しない)を所定時間ごとに駆動させるためのデータに基づき、実際に払出装置122及び発射装置62へデータを出力して遊技球の払出および発射を行う。また、「PRDY」及び「EXS」の2つの信号を(HI)又は(LO)の何れか指定された出力レベルで出力する。当該処理が終了すると、プロセスG2へ戻り、同様の処理が繰り返される。
[カードユニット通信処理]
図10及び図11を参照して、図9のプロセスG3で実行されるカードユニット通信処理の詳細について説明する。
プロセスG21では、CPU120がRAM(図示しない)に格納された変数に記憶されるCU(カードユニット)監視タイマの値が“0”であるか否かを判定する。この判定がYESのときにはプロセスG23へ移行し、NOのときにはプロセスG22へ移行する。
プロセスG22では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値から“1”減算する処理を行う。当該処理が終了すると、プロセスG23へ移行する。
プロセスG23では、CPU120がVL接続ありか否かの判定処理、すなわち所定のバスにカードユニットが電気的に接続されているか否かの判定を行う。この判定がYESのときプロセスG25へ移行し、NOのときプロセスG24へ移行する。
プロセスG24では、VL未接続処理を行う。なお、当該処理の詳細は後述する。
プロセスG25では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値の読み出しを行う。当該処理が終了すると、プロセスG26へ移行する。
プロセスG26では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値が“00”(BRDY入力状態監視)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG27へ移行し、NOのときプロセスG28へ移行する。
プロセスG27では、BRDY入力状態監視処理を行う。なお、当該処理の内容は、BRDY入力状態監視処理で追って詳述する。当該処理が終了すると、プロセスG28へ移行する。
プロセスG28では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値が“01”(貸出要望時間監視)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG29へ移行し、NOのときプロセスG30へ移行する。
プロセスG29では、貸出要望時間監視処理を行う。なお、当該処理の内容は、貸出要望時間監視処理で追って詳述する。当該処理が終了すると、プロセスG30へ移行する。
プロセスG30では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値が“02”(BRQ要望了解時間監視)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG31へ移行し、NOのときプロセスG32へ移行する。
プロセスG31では、BRQ要望了解時間監視処理を行う。なお、当該処理の内容は、BRQ要望了解時間監視処理で追って詳述する。当該処理が終了すると、プロセスG32へ移行する。
プロセスG32では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値が“03”(貸出指示時間監視)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG33へ移行し、NOのときプロセスG34へ移行する。
プロセスG33では、貸出指示時間監視処理を行う。なお、当該処理の内容は、貸出指示時間監視処理で追って詳述する。当該処理が終了すると、プロセスG34へ移行する。
プロセスG34では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値が“04”(払出時間監視)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG35へ移行し、NOのときプロセスG36へ移行する。
プロセスG35では、払出監視時間処理を行う。なお、当該処理の内容は、払出監視時間処理で追って詳述する。当該処理が終了すると、プロセスG36へ移行する。
プロセスG36では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値が“05”(次要求確認)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG37へ移行し、NOのときプロセスG38へ移行する。
プロセスG37では、次要求確認処理を行う。なお、当該処理の内容は、次要求確認処理で追って詳述する。当該処理が終了すると、プロセスG38へ移行する。
プロセスG38では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値が“06”(CU異常解除確認)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG39へ移行し、NOのときプロセスG40へ移行する。
プロセスG39では、CU異常解除確認処理を行う。なお、当該処理の内容は、CU異常解除確認処理で追って詳述する。当該処理が終了すると、プロセスG40へ移行する。
プロセスG40では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値が“07”(CU側異常通達)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG41へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して、図9のプロセスG4へ移行する。
プロセスG41では、CU側異常通達処理を行う。なお、当該処理の内容は、CU側異常通達処理で追って詳述する。当該処理が終了すると、本サブルーチンを終了して、図9のプロセスG4へ移行する。
[VL未接続処理]
図12を参照して、図10のプロセスG24で実行されるVL未接続処理について詳述する。
プロセスG51では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する2つの信号の初期化を行う。具体的には、CPU120が「PRDY」及び「EXS」の2つの信号の出力を(HI)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG52へ移行する。
プロセスG52では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCUステータスの値に“06”(CU異常解除確認)をセットする。当該処理が終了すると、プロセス53へ移行する。
プロセスG53では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値に“0”をセットすることにより初期化を行う。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図9のプロセスG4へ移行する。
[BRDY入力状態監視処理]
図13を参照して、図10のプロセスG27で実行されるBRDY入力状態監視処理について詳述する。
プロセスG61では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する2つの信号に所定の値を出力するようにセットする。具体的には、CPU120が「PRDY」を(LO)にセットし、「EXS」を(HI)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG62へ移行する。
プロセスG62では、CPU120がカードユニット8から入力される「BRDY」信号が(LO)であるか否かを判定する。この判定がYESのとき、プロセスG63へ移行し、NOのときには本サブルーチンは終了し、図10のプロセスG28へ移行する。
プロセス63では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“01”(貸出要望監視時間)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG64へ移行する。
プロセスG64では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値に“50”ミリ秒(msec、貸出要望監視最大時間)の値をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図10のプロセスG28へ移行する。
[貸出要望監視時間処理]
図14を参照して、図10のプロセスG29で実行される貸出要望監視時間処理について詳述する。
プロセスG71では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する2つの信号に所定の値を出力するようにセットする。具体的には、CPU120が「PRDY」を(LO)にセットし、「EXS」を(HI)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG72へ移行する。
プロセスG72では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照して、この値が“20”(msec)以下であるか判定する。この判定がYESのときプロセスG73へ移行し、NOのとき本サブルーチンは終了し、図10のプロセスG30へ移行する。
プロセスG73では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2に入力される「BRQ」信号が(LO)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG75へ移行し、NOのときプロセスG74へ移行する。
プロセスG74では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照して、この値が“0”であるか判定する。この判定がYESのときプロセスG77へ移行し、NOのとき本サブルーチンは終了し、図10のプロセスG30へ移行する。
プロセスG75では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“02”(BRQ要望了解時間監視)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG76へ移行する。
プロセスG76では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値に“50”ミリ秒(msec、要望了解監視最大時間)の値をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図10のプロセスG30へ移行する。
プロセスG77では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“07”(CU側異常通達)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG78へ移行する。
プロセスG78では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値に“200”ミリ秒(msec、異常通達最大時間)の値をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図10のプロセスG30へ移行する。
[BRQ要望了解監視時間処理]
図15を参照して、図10のプロセスG31で実行されるBRQ要望了解監視時間処理について詳述する。
プロセスG81では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する2つの信号に所定の値を出力するようにセットする。具体的には、CPU120が「PRDY」を(LO)にセットし、「EXS」を(HI)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG82へ移行する。
プロセスG82では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照して、この値が“20”(msec)以下であるか判定する。この判定がYESのときプロセスG83へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了し、図11のプロセスG32へ移行する。
プロセスG83では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2に入力される「BRDY」信号が(LO)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG84へ移行し、NOのときプロセスG93へ移行する。
プロセスG84では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2に入力される「BRQ」信号が(LO)であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG85へ移行し、NOのときプロセスG93へ移行する。
プロセスG85では、CPU120がエラー確認処理を行う。CPU120が図9のプロセスG5で検知した、遊技球払出経路の異常または払出装置122の異常がなかったか否かの確認処理を行う。当該処理が終了すると、プロセスG86へ移行する。
プロセスG86では、CPU120がプロセスG85の確認処理の結果に基づき、エラーがあるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG93へ移行し、NOのときプロセスG87へ移行する。
プロセスG87では、CPU120が球貸完了か否かの判定処理を行う。ここでは、前回の球貸要求に対する実際の遊技球貸出の処理が、すでに終了しているか否かの判定を行う。この判定がYESのときプロセスG88へ移行し、NOのときプロセスG93へ移行する。
プロセスG88では、CPU120がメイン制御基板42から送信された特定遊技状態コマンドに基づいて、大当り遊技状態であるか否かの判定処理を行う。この判定がYESのときプロセスG89へ移行し、NOのときプロセスG90へ移行する。
プロセスG89では、CPU120がカードユニット8から所定回数送信される貸出要求信号に基づいて球貸し回数をチェックし、1回以上実行されているか否かの判定処理を行う。この判定がYESのとき本サブルーチンを終了して図11のプロセスG32へ移行し、NOのときプロセスG90へ移行する。
プロセスG90では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する2つの信号に所定の値を出力するようにセットする。具体的には、CPU120が「PRDY」及び「EXS」信号の両方を(LO)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG91へ移行する。
プロセスG91では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“03”(貸出指示時間監視)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG92へ移行する。
プロセスG92では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値に“50”ミリ秒(msec、貸出指示監視最大時間)の値をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG32へ移行する。
一方、プロセスG93では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照し、その値が“0”か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG94へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して図11のプロセスG32へ移行する。
プロセスG94では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“06”(CU異常解除確認)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG95へ移行する。
プロセスG95では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数に“0”ミリ秒(msec)をセットし初期化を行う。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG32へ移行する。
[貸出指示監視時間処理]
図16を参照して、図11のプロセスG33で実行される貸出指示監視時間処理について詳述する。
プロセスG101では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2へ入力される「BRDY」信号が(LO)か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG104へ移行し、NOのときプロセスG102へ移行する。
プロセスG102では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“06”(CU異常解除確認)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG103へ移行する。
プロセスG103では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数に“0”をセットし初期化を行う。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG34へ移行する。
一方、プロセスG104では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する2つの信号に所定の値を出力するようにセットする。具体的には、CPU120が「PRDY」及び「EXS」信号の両方を(LO)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG105へ移行する。
プロセスG105では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照して、この値が“20”ミリ秒(msec)以下であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG106へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して図11のプロセスG34へ移行する。
プロセスG106では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2へ入力される「BRQ」信号が(HI)か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG107へ移行し、NOのときプロセスG110へ移行する。
プロセスG107では、CPU120がRAMに格納された変数に球貸データをセットする処理を行う。具体的には、払出・発射制御基板118において25個の遊技球の貸出が実行されるように、球貸データをRAMに格納された変数にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG108へ移行する。
プロセスG108では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“04”(払出時間監視)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG109へ移行する。
プロセスG109では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値に“10000”ミリ秒(msec、払出監視最大時間)の値をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンを終了して図11のプロセスG34へ移行する。
一方、プロセスG110では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照し、その値が“0”か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG111へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して図11のプロセスG34へ移行する。
プロセスG111では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“07”(CU側異常通達)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG112へ移行する。
プロセスG112では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値に“200”ミリ秒(msec、異常通達最大時間)の値をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し図11のプロセスG34へ移行する。
[払出監視時間処理]
図17を参照して、図11のプロセスG35で実行される払出監視時間処理について詳述する。
プロセスG121では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する2つの信号に所定の値を出力するようにセットする。具体的には、CPU120が「PRDY」及び「EXS」信号の両方を(LO)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG122へ移行する。
プロセスG122では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照して、この値が“9800”ミリ秒(msec)以下であるか否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG123へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して図11のプロセスG36へ移行する。
プロセスG123では、CPU120が球貸完了か否かの判定処理を行う。ここでは、今回の球貸要求に対する実際の遊技球貸出の処理がすでに終了しているか否かの判定を行う。この判定がYESのときプロセスG127へ移行し、NOのときプロセスG124へ移行する。
プロセスG124では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照し、その値が“0”か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG125へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して図11のプロセスG36へ移行する。
プロセスG125では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“06”(CU異常解除確認)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG126へ移行する。
プロセスG126では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数に“0”をセットし初期化を行う。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG36へ移行する。
一方、プロセスG127では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する「EXS」信号に(HI)の値を出力するようにセットする。具体的には、CPU120が「EXS」信号を(HI)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG128へ移行する。
プロセスG128では、CPU120が貸出要求信号(貸出指示監視時間T2における「BRQ」信号の(HI)への変化)の1回の受信に基づいて、遊技球の球貸回数(カウンタ値)を“1”プラスする処理を行う。かかるカウンタ値は、1貸出制御単位として予め設定された総数(125個)の遊技球の貸出が完了するまで計数される。当該処理が終了すると、プロセスG129へ移行する。
プロセスG129では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“05”(次要求確認)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG130へ移行する。
プロセスG130では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値に“440”ミリ秒(msec、次要求確認最大時間)の値をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG36へ移行する。
[次要求確認処理]
図18を参照して、図11のプロセスG37で実行される次要求確認処理について詳述する。
プロセスG141では、パチンコ機2からカードユニット8に対して出力する2つの信号に所定の値を出力するようにセットする。具体的には、CPU120が「PRDY」信号を(LO)に、「EXS」信号を(HI)にセットする。当該処理が終了すると、プロセスG142へ移行する。
プロセスG142では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2へ入力される「BRDY」信号が(HI)か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG143へ移行し、NOのときプロセスG145へ移行する。
プロセスG143では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“06”(CU異常解除確認)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG144へ移行する。
プロセスG144では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数に“0”ミリ秒(msec)をセットし初期化を行う。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG38へ移行する。
一方、プロセスG145では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2へ入力される「BRQ」信号が(LO)か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG146へ移行し、NOのときプロセスG148へ移行する。
プロセスG146では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“02”(BRQ要望了解時間監視)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG147へ移行する。
プロセスG147では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数に“50”ミリ秒(msec、要望了解監視最大時間)をセットし初期化を行う。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG38へ移行する。
一方、プロセスG148では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照し、その値が“0”か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG149へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して図11のプロセスG38へ移行する。
プロセスG149では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“07”(CU側異常通達)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG150へ移行する。
プロセスG150では、CPU120がRAMに格納された変数に記憶されたCU監視タイマの値に“200”ミリ秒(msec、異常通達最大時間)の値をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG38へ移行する。
[CU異常解除確認処理]
図19を参照して、図11のプロセスG39で実行されるCU異常解除確認処理について詳述する。
プロセスG161では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2へ入力される「BRQ」信号が(HI)か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG162へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了し、図11のプロセスG40へ移行する。
プロセスG162では、CPU120がカードユニット8からパチンコ機2へ入力される「BRDY」信号が(HI)か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG163へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了し、図11のプロセスG40へ移行する。
プロセスG163では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“00”(BRDY入力状態監視)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG164へ移行する。
プロセスG164では、1貸出制御単位の球貸制御の完了やT1エラーが解除されて球貸し制御の待機状態(HI)となったこと等に伴って、CPU120がカウンタ値をリセットする。当該処理が終了すると、プロセスG165へ移行する。
プロセスG165では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数に“0”ミリ秒(msec)をセットし初期化を行う。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図11のプロセスG40へ移行する。
[CU側異常通達処理]
図20を参照して、図11のプロセスG41で実行されるCU側異常通達処理について詳述する。
プロセスG171では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数を参照し、その値が“0”か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG172へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して、図9のプロセスG4へ移行する。
プロセスG172では、CPU120がRAMに格納されたエラー報知フラグの値を参照して、その値が“1”(フラグがオン)であるか否かを判定する。すなわち、既にエラーデータがセットされているかどうかを判定する。この判定がYESのときプロセスG173へ移行し、NOのときプロセスG177へ移行する。
プロセスG173では、CPU120がRAMに格納された異常通達監視タイマの値を記憶する変数を参照し、その値が“0”か否かを判定する。この判定がYESのときプロセスG174へ移行し、NOのとき本サブルーチンを終了して図9のプロセスG4へ移行する。
プロセスG174では、CPU120がRAMに格納されたCUステータスを記憶する変数に“00”(BRDY入力状態監視)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG175へ移行する。
プロセスG175では、球貸し制御の待機状態となったことに伴って、CPU120がカウンタ値をリセットする。当該処理が終了すると、プロセスG176へ移行する。
プロセスG176では、CPU120がRAMに格納されたCU監視タイマの値を記憶する変数に“0”ミリ秒(msec)をセットし初期化を行う。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図9のプロセスG4へ移行する。
一方、プロセスG177では、CPU120がRAMに格納された変数(エラー報知出力データ及びエラー報知フラグを記憶する変数)にそれぞれ所定のデータをセットする。エラー報知出力データを記憶する変数には、パチンコ機2からカードユニット8に対して送信するエラー情報のデータをセットし、エラー報知フラグを記憶する変数に“1”(フラグがオン)をセットする。当該処理が終了すると、プロセスG178へ移行する。
プロセスG178では、CPU120がRAMに格納された異常通達監視タイマの値を記憶する変数に“10500”ミリ秒(msec)をセットする。当該処理が終了すると、本サブルーチンは終了し、図9のプロセスG4へ移行する。
ここで、上述した払出メイン処理(図9〜図20)において、大当り中の球貸回数が1回以上実行された際に1貸出制御単位における遊技球の払い出しを抑制する処理プロセスを上述したフローチャートに沿って説明する。
まず、パチンコ機2が大当り遊技状態に移行した状態において(図15のプロセスG88)、遊技者の球貸操作に伴い遊技球の球貸回数が例えば1回実行されたとき(図15のプロセスG89)、遊技状態別払出制御手段(パチンコ機2の払出・発射制御基板118のCPU120(図3))によって貸出可能通知信号(要望了解監視時間T1(図7)における「EXS」信号の(LO)への変化)のカードユニット8への送信が抑制される。
そして、かかる状態が要望了解監視時間T1を越えて続いたとき、カードユニット8では、タイムオーバーによるT1エラーと判定し(図6のプロセスR14)、エラー処理が実行される(図6のプロセスR15)。この場合、エラー処理では、図8に示すように「BRDY」信号及び「BRQ」信号が(HI)に切り替えられる(図6のプロセスR16,R17)。そして、払出・発射制御基板118のCPU120は、「BRDY」信号及び「BRQ」信号が(HI)へ変化したと判定することによって(図19のプロセスG161,G162)、CUステータスがBRDY入力状態監視処理(00)にセットされる(図19のプロセスG163)。これにより、カードユニット8における球貸し処理が終了するため、遊技者には、大当り遊技状態を続行するために必要な数量の遊技球が貸し出されることになる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることは無く、以下のような変形例も発明の技術的範囲に含まれることは言うまでも無い。
上述した実施の形態では、特定遊技状態コマンド(特定の遊技状態であることを示す例えば大当り開始コマンドや大当り終了コマンド)が払出・発射制御基板118のCPU(払出制御手段)120に送信されたときに、パチンコ機2が特定の遊技状態(大当り遊技状態)に移行したことを検出しているが、これに代えて、例えばパチンコ機2の音や演出などの変化を検出することで、当該パチンコ機2が大当り遊技状態に移行したか否かを判定するようにしても良い。或いは、例えば各種の演出を実行させるための制御回路96,98,100(図4)に特定遊技状態コマンドが送信されたときに、特定の遊技状態(大当り遊技状態)に移行したものと判定しても良い。また、特定遊技状態コマンドを受信したサブ制御基板46が払出・発射制御基板118へ特定の遊技状態へ移行した旨の情報を送信したときに、特定の遊技状態(大当り遊技状態)に移行したものと判定するようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、予め定められた単位数(25個)の遊技球の払い出しが1回以上実行されているときに、球貸し処理を終了させるようにしているが、複数回の実行で終了させるようにしても良い。更に、上述した実施の形態では、1貸出制御単位として予め設定された総数を500円分又は5度数分に相当する125個として説明したが、例えばパチンコ機2の種類や遊技の内容に応じて1貸出制御単位の総数を125個以上或いはそれ以下に設定しても良い。
更に、上述した実施の形態において、特定の遊技状態(大当り遊技状態)に移行した際の球貸回数を遊技者が自由に選択できるようにしても良い。例えば表示装置130(液晶パネル130p)と同様の機能を有する操作パネル(図示しない)をパチンコ機2に設けて、当該操作パネルに球貸回数を「1回」「2回」「3回」といったように表示させる。この場合、操作パネルとしてタッチセンサ式のものを適用すれば、当該操作パネル上に表示された複数の球貸回数の中から遊技者が希望するものをタッチ選択することができる。
上述した実施の形態では、特定の遊技状態(大当り遊技状態)に移行した際に球貸回数を変更するようにしたが、これに限定されることは無く、大当り時以外の他の遊技状態(例えば、リーチ状態など)に変更するようにしても良い。また、遊技者が好きなときに好きなだけの遊技球の貸し出しを受けることができるように設定しても良い。
更に、始動入賞口50の羽根部材50a(図2)が拡開され易い時短遊技状態や確率変動状態においては、始動入賞口50への入賞が飛躍的に向上する。よって、このような遊技状態においては、持ち球の減少が抑制されながら遊技を行うことが可能となる。従って、このような遊技状態において持ち球が無い場合でも、貸し出しを受ける遊技球数は僅かで十分である。以上から、このような遊技状態においても本実施の形態を適用することができる。