JP2008028846A - 折畳み式携帯通信機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示部を片手でも簡単に縦長状態又は横長状態にスムーズに切り換えることができるようにすると共に、軽量でコンパクトな折畳み式携帯通信機器を提供する。
【解決手段】液晶表示部2を支持するカム機構(支持機構)10を、ガイドプレート16に設けられた左右方向に延びる左右方向ガイド溝12及び上下方向に延びる上下方向ガイド溝14と、液晶表示部2の背面に設けられた左右方向ガイド溝12にスライド自在に係合する第1ガイドピン13及び上下方向ガイド溝14にスライド自在に係合する第2ガイドピン15とで構成する。上下方向ガイド溝14をヒンジ部の軸方向に対して傾斜する方向に伸ばし、又は湾曲する曲線形状とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、折畳み式携帯通信機器に関し、特に表示部を縦長状態又は横長状態に切換操作可能に支持するものに関する。
近年、携帯電話機は、通話機能だけでなく、電子メールの送受信機能、デジタルカメラ機能、録音再生機能、テレビ受信機能、スケジュール管理機能など多数の機能を備えるようになっている。
一方、携帯電話機の主な機能は依然として通話機能であり、また、その携帯性のために小型化、軽量化が商品性の面で重要となっている。また、使い勝手の面を重視して、携帯電話機は、横幅を抑えた縦長形状となっている。
上記携帯電話機の表示部が縦長状態で固定されていると、横長の画像を表示する場合には、縦長の画面に入るように縮小表示するか又は横スクロール操作により画像全体を見るようにしなければならなかった。
また、縦長状態の表示部に横長の画像を90度回転させて、その画像を見ることも考えられるが、表示部と操作部とが、第1の筐体と第2の筐体とが開いた状態で現出する折畳み式携帯通信機器では、操作部も90度回転した状態となるので、操作キーに表された表示も90度回転した状態で見ることになり、また、普段とは異なる操作キーの配置であるため、入力操作が極めて困難になるという問題があった。
そこで、この問題を解決するために、例えば、特許文献1の折畳み式携帯通信機器では、携帯電話機自体は縦長に持ったままの状態で、表示部を縦長状態から横長状態に切換操作可能に第1の筐体に支持している。この折畳み式携帯通信機器では、表示部の中心部に表示部に対して垂直に支持軸を設け、この支持軸を中心として表示部を90度回転させるようにしている。
しかしながら、携帯電話機の大きさ及び厚みを抑えながら、表示部を、第1の筐体と第2の筐体とを開閉自在に連結するヒンジ部や、表示部が設けられた第1の筐体の下端に設けた膨出部に接触させずに回転させるためには、表示部の下端を支持軸を中心とした半径に沿って丸めるなどの措置をとらなければならず、表示部を大きくすることができないという問題がある。
そこで、例えば、特許文献2に示すように、表示部を第1の筐体にスライド可能かつ回転可能に支持する支持機構を有する折畳み式携帯通信機器が知られている。この折畳み式携帯通信機器では、表示部を上下にスライド移動させてから、表示部の中央部に設けた支持軸を中心に回転させているため、その分、ヒンジ部や第1の筐体の下端に設けた膨出部との接触が避けられ、表示部を大きくすることができる。
なお、例えば、特許文献3に示すように、液晶ディスプレイの分野においても、表示部を縦長状態又は横長状態に切換操作可能な支持機構を有するものが知られている。
特開2001−156893号公報 特開2003−319043号公報 特開2004−78073号公報
ところで、近い将来、地上デジタルテレビ放送が本格的に開始されようとしている。この地上デジタルテレビ放送は、従来のアナログテレビ放送と異なり、テレビからクイズ番組に参加したり、テレビショッピングや銀行振り込みなどをテレビを通じて利用したりする、いわゆる双方向サービスを受けることができるものである。
この地上デジタルテレビ放送を携帯電話機で視聴可能にした場合、表示部で画像を見ながら、操作部でキー操作をする必要がさらに高まる。通常、テレビ画像は、横長となっているため、小さい表示部によってできるだけ大きくテレビ画像を見るには、表示部を横長状態にする必要がある。
しかしながら、上記特許文献2の折畳み式携帯通信機器では、スライド移動と回転移動との2つの操作が必要となり、片手では操作できず、操作が煩雑であるという問題がある。
また、上記特許文献3の液晶ディスプレイは、携帯電話機のように小型化、軽量化の必要性はあまりなく、かつその表示部の縦長状態又は横長状態の切換操作も頻繁ではない。したがって、その切換機構は複雑で操作も煩雑であるという問題がある。
さらに折畳み式携帯通信機器は、軽量かつコンパクトであることが要求されるため、表示部の支持機構を軽量でコンパクトなものにする必要がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表示部の支持機構の構成に工夫を加えることで、表示部を片手でも簡単に縦長状態又は横長状態にスムーズに切り換えることができるようにすると共に、軽量でコンパクトな折畳み式携帯通信機器を提供することにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明では、表面に表示部が設けられた第1の筐体と、表面に操作部を有する第2の筐体と、上記第1の筐体と第2の筐体とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備える構成とする。
そして、上記表示部は、上記第1の筐体に支持機構を介して、縦長状態と横長状態とに切換操作可能に支持されており、
上記支持機構は、第1の筐体に設けられ左右方向に延びる中凸状に湾曲した曲線状の左右方向ガイド溝と、第1の筐体に設けられ上下方向に延びる上下方向ガイド溝と、表示部の背面に設けられ上記左右方向ガイド溝にスライド自在に係合する第1ガイドピンと、表示部の背面に設けられ上記上下方向ガイド溝にスライド自在に係合する第2ガイドピンとを備え、
上記上下方向ガイド溝は、上記ヒンジ部の軸方向に対して傾斜する方向に伸びている。
上記の構成によると、通話時やメール送受信時などメインの機能使用時には、通常、表示部を縦長状態として使用する。一方、地上デジタルテレビ放送の視聴時や英文でメールを送受信するときなどには、表示部を横長状態として表示部に横長画像が大きく表示されるようにして、使い慣れた縦長状態と同じ操作キーの配列状態にある操作部でキー入力しながら使用する。このように表示部を縦長状態又は横長状態に切り換えるときには、ユーザが第1の筐体に支持された表示部を切換操作する必要がある。この切換操作の際には、表示部は、支持機構により、表示部の第1ガイドピンが左右方向ガイド溝に係合した状態で中間で最も上方に位置するように左右方向にスライド移動するのと同時に、表示部の第2ガイドピンが上下方向ガイド溝に係合した状態で上下方向にスライド移動する。この支持機構によって表示部がヒンジ部や第1の筐体の下端の膨出部などに接触しないように移動規制されながら、縦長状態又は横長状態に切り換えられる。上下方向ガイド溝の傾斜角度を調整することで、左右方向ガイド溝を円弧状にすることができる。このため、表示部の切り換え動作が滑らかになる。また、上下方向ガイド溝を傾斜させることで、上下方向ガイド溝を形成する部材を斜めにカットでき、その部分の軽量化及びコンパクト化が可能となる。
第2の発明では、表面に表示部が設けられた第1の筐体と、表面に操作部を有する第2の筐体と、上記第1の筐体と第2の筐体とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備える構成とする。
そして、上記表示部は、上記第1の筐体に支持機構を介して、縦長状態と横長状態とに切換操作可能に支持されており、
上記支持機構は、第1の筐体に設けられ左右方向に延びる中凸状に湾曲した曲線状の左右方向ガイド溝と、第1の筐体に設けられ上下方向に延びる上下方向ガイド溝と、表示部の背面に設けられ上記左右方向ガイド溝にスライド自在に係合する第1ガイドピンと、表示部の背面に設けられ上記上下方向ガイド溝にスライド自在に係合する第2ガイドピンとを備え、
上記上下方向ガイド溝は、湾曲する曲線形状となっている。
上記の構成によると、通話時やメール送受信時などメインの機能使用時には、通常、表示部を縦長状態として使用する。一方、地上デジタルテレビ放送の視聴時や英文でメールを送受信するときなどには、表示部を横長状態として表示部に横長画像が大きく表示されるようにして、使い慣れた縦長状態と同じ操作キーの配列状態にある操作部でキー入力しながら使用する。このように表示部を縦長状態又は横長状態に切り換えるときには、ユーザが第1の筐体に支持された表示部を切換操作する必要がある。この切換操作の際には、表示部は、支持機構により、表示部の第1ガイドピンが左右方向ガイド溝に係合した状態で中間で最も上方に位置するように左右方向にスライド移動するのと同時に、表示部の第2ガイドピンが上下方向ガイド溝に係合した状態で上下方向にスライド移動する。この支持機構によって表示部がヒンジ部や第1の筐体の下端の膨出部などに接触しないように移動規制されながら、縦長状態又は横長状態に切り換えられる。上下方向ガイド溝を適宜湾曲させ、それに合わせて左右方向ガイド溝の形状を調整することで、表示部の動きを滑らかにしたり、上下方向ガイド溝を形成する部材をカットして、その部分の軽量化及びコンパクト化を図ったりすることが可能となる。
第3の発明では、上記支持機構には、一端が上記第1ガイドピンに固定され、他端が第1の筐体に固定され、表示部が縦長状態又は横長状態となるように付勢する弾性部材が設けられている。
上記の構成によると、表示部に対する弾性部材の付勢力のかかり方を調整することで、表示部を縦長状態から横長状態へ若しくは横長状態から縦長状態への切換、又はその両方の切換が弾性部材によってアシストされる。
第4の発明では、上記弾性部材は、上記左右方向ガイド溝の最上点近傍で最も圧縮されるように配置されている。
上記の構成によると、左右方向ガイド溝の最上点近傍で弾性部材の力が最も蓄えられ、この最上点を超えることで、縦長状態から横長状態へ若しくは横長状態から縦長状態への切換が弾性部材によってアシストされる。
第5の発明では、上記弾性部材は、一端が上記第1ガイドピンに固定され、他端が第1の筐体に固定されたねじりコイルバネとする。
上記の構成によると、簡単かつ壊れにくい構成により、弾性部材が実現される。
第6の発明では、上記表示部は、液晶ディスプレイを備えている。
上記の構成によると、液晶ディスプレイは、有機ELディスプレイに比べて安価で寿命が長い。
第7の発明では、上記表示部は、有機ELディスプレイを備えている。
上記の構成によると、有機ELディスプレイは、自発光を発するため消費電力が小さく、液晶ディスプレイに比べて視野角が広く、かつバックライトを必要としないため、薄型化が可能である。
第8の発明では、折畳み式携帯通信機器は、携帯電話機とする。
上記の構成によると、多機能で使用頻度の高い携帯電話機において、横長又は縦長状態の切換が容易である。
以上説明したように、上記第1及び2の発明の折畳み式携帯通信機器によれば、表示部の第1ガイドピンを左右方向ガイド溝に係合した状態でスライド移動させるのと同時に、表示部の第2ガイドピンを上下方向ガイド溝に係合した状態でスライド移動させている。このため、表示部が移動規制されながら、縦長状態又は横長状態に切り換えられるようにすることができるので、全体の大きさを抑えながら表示部を大きくし、かつ簡易な構成で接触を防止しながら容易かつ確実に表示部を縦長状態又は横長状態に切り換えて、横長状態でも表示部を見ながら使い慣れた縦長状態と同じ操作キーの配列で操作部を容易に操作することができる。上下方向ガイド溝をヒンジ部の軸方向に対して傾斜する方向に伸ばしたり、上下方向ガイド溝を湾曲する曲線形状としたりすることにより、表示部の回転をスムーズにすることができ、また、ガイド溝を設ける部材の軽量化及びコンパクト化を図ることができる。したがって、表示部を片手でも簡単に縦長状態又は横長状態に滑らかに切り換えることができると共に、軽量でコンパクトな折畳み式携帯通信機器が得られる。
上記第3の発明によると、支持機構に少なくとも表示部が縦長状態又は横長状態となるように付勢する弾性部材を設け、弾性部材によって切換操作をアシストさせている。
上記第4の発明によると、弾性部材を左右方向ガイド溝の最上点近傍で最も圧縮されるように配置したことにより、縦長状態から横長状態へ若しくは横長状態から縦長状態への切換を弾性部材によってアシストすることができるので、表示部を片手でも簡単に縦長状態又は横長状態に確実に切り換えることができる。
上記第5の発明によれば、弾性部材を簡単かつ壊れにくい、一端が第1ガイドピンに固定され、他端が第1の筐体に固定されたねじりコイルバネとしている。このため、安価で操作性のよい支持機構が実現できる。
上記第6の発明によれば、表示部に液晶ディスプレイを設けたことにより、安価で寿命の長い折畳み式携帯通信機器が得られる。
上記第7の発明によれば、表示部に有機ELディスプレイを設けたことにより、消費電力が小さくて視野角が広い薄型な折畳み式携帯通信機器が得られる。
上記第8の発明によれば、折畳み式携帯通信機器を携帯電話機としたことにより、横長又は縦長状態の切換が容易で操作性が高く、コンパクトで商品価値の高い携帯電話機が得られる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、折畳み状態にある本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯電話機を示す斜視図である。図2は、開いた状態で液晶表示部が縦長状態における折畳み式携帯電話機を示す斜視図である。図3は、液晶表示部を縦長状態又は横長状態に切り換える途中の折畳み式携帯電話機を示す斜視図である。図4は、開いた状態で液晶表示部が横長状態のとき折畳み式携帯電話機を示す斜視図である。
本実施形態の折畳み式携帯通信機器としての折畳み式携帯電話機1は、表面に表示部としての液晶表示部2が設けられた第1の筐体3と、表面に操作部4を有する第2の筐体5と、これら第1の筐体3と第2の筐体5とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部6とを備えている。このことで、折畳み式携帯電話機1は、図1に示す折畳み状態又は図2乃至図4に示す開き状態の2通りの状態に切換可能となっている。
上記第2の筐体5の操作部4には、複数の操作キー7が設けられている。この操作キー7は、折畳み式携帯電話機1全体を縦長に持ったときにキー入力できるように配置され、かつその表面に表示が付されている。この操作キー7を操作することで、折畳み式携帯電話機1の多数の機能が利用されるようになっている。また、第2の筐体5には、会話用のマイク部9が設けられている。
上記液晶表示部2及び操作部4は、第1の筐体3を第2の筐体5に対して折畳み状態から開いたときに現出するように構成されている。したがって、この折畳み式携帯電話機1では、液晶表示部2が縦長状態と横長状態とのいずれにおいても、ユーザは液晶表示部2の液晶ディスプレイ2aを見ながら同じ縦状態の配置の操作部4の操作キー7を操作できるようになっている。
上記液晶表示部2は、縦長状態における下端部が直線状に形成され、液晶表示部2の表面の大部分を占めるように、矩形状の液晶ディスプレイ2aが設けられている。液晶表示部2が縦長状態における上端側に会話用のスピーカ部8が設けられている。なお、液晶表示部2の各角部は下端側コーナー部2bを含め、デザイン上又は安全上の観点等から丸面取りされている。なお、この液晶表示部2の背面上側には、時間などが表示される背面液晶11が設けられ、折畳み状態において時間などが見られるようになっている。
図1,図13及び図14に示すように、第1の筐体3は、下端部両側に上記ヒンジ部6の軸部(図示せず)が挿通されるボス部3aが形成された第1の筐体本体3bと、この第1の筐体本体3bを覆う矩形皿状の背面カバー3cと、後述するガイドプレート16とを備えている。第1の筐体本体3bは、金属成型品であるマグネシウム合金等の鋳造フレームよりなる。上記第1の筐体本体3bには、カム用開口3dが開口されている。
図5は、液晶表示部2が縦長状態におけるカム機構10の背面図である。図6は、液晶表示部2が切換過程におけるカム機構10の背面図である。図7は、液晶表示部2が横長状態におけるカム機構10の背面図である。図8は、縦長状態状態のカム機構10を示す正面図である。図9は、切換過程のカム機構10を示す正面図である。図10は、横長状態状態のカム機構10を示す正面図である。図11は、カム機構10を背面側から見た斜視図である。図12は、カム機構10を表面側から見た斜視図である。
図5〜図12に示すように、上記第1の筐体3には、略矩形板状の液晶表示部2を縦長状態又は横長状態とに切換操作可能に支持する支持機構としてのカム機構10が設けられている。上記カム機構10は、第1の筐体3に設けられ左右方向に延びかつ中凸状に湾曲した曲線状の左右方向ガイド溝12と、第1の筐体3に設けられ上下方向に延びる直線状の上下方向ガイド溝14と、液晶表示部2の背面に設けられ上記左右方向ガイド溝12にスライド自在に係合する第1ガイドピン13と、液晶表示部2の背面に設けられ上記上下方向ガイド溝14にスライド自在に係合する第2ガイドピン15とを備えている。
すなわち、上記左右方向ガイド溝12と上下方向ガイド溝14とは、上記第1の筐体本体3bに固定されるガイドプレート16に形成されている。ガイドプレート16は、ステンレス鋼などの板金で構成されている。左右方向ガイド溝12は、中凸状に湾曲した曲線状開口で構成され、折畳み式携帯電話機1を背面から見たときに、その中心部が第1の筐体3の右側にオフセットして配置されている。上下方向ガイド溝14は、左右方向ガイド溝12の中凸形状の最上部近傍の上側にヒンジ部6の軸方向に対して傾斜する方向、すなわち、背面から見たときに、上側に向かって右側へ若干傾斜する方向に伸びた直線状開口の周縁部よりなる。このように、上下方向ガイド溝14を傾斜させることで、左右方向ガイド溝12の大部分の形状を完全な円弧に近付けることも可能となる。また、後述する信号線配線用開口23を大きくして、ガイドプレート16の軽量化を図ることもできる。
両ガイド溝12,14の液晶表示部2と反対側の面の開口周縁には、その他の部分よりも低くなった段差部12a,14aが形成されている。このガイドプレート16は、第1の筐体3の厚さ方向中間部に位置するように、その貫通孔16aにビス(図示せず)を挿通して締結するなどにより、第1の筐体本体3bに固定されている。このように、従来の液晶表示部に対して垂直に設けた支持軸に相当する第2ガイドピン15は、折畳み式携帯電話機1の背面から見て第1の筐体3右上側に位置するようにオフセットして設けられている。
一方、図8〜図10及び図12に示すように、上記液晶表示部2の背面には、金属製のリンク部材18が装着されている。このリンク部材18は、液晶表示部2の背面に締結又は位置決めするための貫通孔18aが設けられた板状の取付部18bと、この取付部18bから側面視L字状に連続する先端部18cとを有している。
図5〜図7及び図11に示すように、上記第1ガイドピン13は、リンク部材18の一端側、すなわち、取付部18bの先端に第1の筐体3側へ垂直に延びるように設けられている。上記第2ガイドピン15は、上記リンク部材18の他端側、すなわち、先端部18cの端部に第1の筐体3側へ垂直に延びるように設けられている。これらのガイドピン13,15の先端に円形のスライド部13a,15aが形成されている。このスライド部13a,15aが上記段差部12a,14a上をそれぞれ摺動するようになっている。このことで、ガイドピン13,15がガイド溝12,14から抜け止めされ、液晶表示部2が第1の筐体3から外れないようにスライド自在に係合するようになっている。
上記ガイドプレート16の下側には、バネ固定ピン19が液晶表示部2側へ垂直に延びるように設けられている。このバネ固定ピン19には、弾性部材としてのねじりコイルバネ20が固定されている。このねじりコイルバネ20の両端部20a,20bは輪状に形成され、その一端20aが上記第1ガイドピン13の外周に回転可能に嵌められ、他端20bがバネ固定ピン19外周に回転可能に嵌められている。このことで、ねじりコイルバネ20は、バネ固定ピン19を中心に左右に揺動可能に支持され、その弾性力により、液晶表示部2が縦長状態から横長状態となるのを付勢し、かつ縦長状態から横長状態となるのを付勢するように配置されている。具体的には、図9のように第1ガイドピン13がバネ固定ピン19に最も近付いたとき(第2ガイドピン15が上下方向ガイド溝14の上端に位置したとき)の近傍において、ねじりコイルバネ20は最大たわみ角となり最も圧縮されるように配置され、そこから第1ガイドピン13が左右いずれかの方向にずれることで、液晶表示部2が縦長状態又は横長状態となるように付勢するようになっている。
図11及び図12に示すように、上記左右方向ガイド溝12と上下方向ガイド溝14と第1ガイドピン13と第2ガイドピン15とねじりコイルバネ20とは、ユニット組立可能に構成され、このユニット組立されたカム機構10は、ガイドプレート16を第1の筐体本体3bに取り付けることで、第1の筐体3に取り付けられるようになっている。このカム機構10の可動部であるガイドピン13,15及びねじりコイルバネ20は、上記第1の筐体のカム用開口3d内を移動するようになっている。
詳しくは図示しないが、信号線は、一端が液晶ディスプレイ2aの背面に接続され、他端が上記ヒンジ部6のヒンジ軸挿通孔6aを通って第2の筐体5側の基板(図示せず)に接続されることで、液晶表示部2と第2の筐体5とを電気的に接続するようになっている。第1の筐体本体3bにガイドプレート16が固定された状態で、上方が開口され、信号線配線用開口23が形成されている。第1の筐体本体3bの背面側には、信号線が収容される信号線配線用凹溝24がカム用開口3d側からヒンジ部6側へ伸びるように形成されている。信号線は、液晶表示部2が縦長状態又は横長状態に切り換えられる際にも、カム機構10の動きを阻害しないように信号線配線用凹溝24に収納されている。
−作用−
次に、本実施形態にかかる折畳み式携帯電話機1の作動について説明する。
まず、図1に示すように、折畳み式携帯電話機1を使用しないとき、又は待機状態のときなどは、第1の筐体3と第2の筐体5とが閉じられて折畳み状態にある。
そして、図2に示すように、第1の筐体3と第2の筐体5とを開くと、液晶表示部2と操作部4とが現出する。通常の通話時やメール送受信時などには、液晶表示部2を縦長状態とし、操作部4でキー入力しながら使用する。
一方、地上デジタルテレビ放送の視聴や英文でメールを作成したり読んだりするときなど横長画像を見たいときには、ユーザが液晶表示部2を回転させ縦長状態から横長状態に切り換える。
まず、ユーザは液晶表示部2をねじりコイルバネ20の付勢力に抗して表面から見て時計回りに回転させて、下端側コーナー部2bを図3に示す位置まで移動させる。このとき、図5及び図6に示すように、折畳み式携帯電話機1の背面から見て上下方向ガイド溝14の下端にあった第2ガイドピン15が上端に移動し、左右方向ガイド溝12の左端にあった第1ガイドピン13が中央に移動する。
次いで、ねじりコイルバネ20の最大たわみ角を超えると、その付勢力によって液晶表示部2がアシストされながら、図4に示す横長状態に切り換えられる。このとき、図6及び図7に示すように、折畳み式携帯電話機1の背面から見て上下方向ガイド溝14の上端にあった第2ガイドピン15が下端に移動し、左右方向ガイド溝12の中央にあった第1ガイドピン13が右端に移動する。
このように、カム機構10により、液晶表示部2の第1ガイドピン13が左右方向ガイド溝12内を中間で最も上方に位置するように左右方向にスライド移動するのと同時に、液晶表示部2の第2ガイドピン15が上下方向ガイド溝14内を上下方向にスライド移動する。
図15に、カム機構10による移動規制により、下端側コーナー部2bが描いた軌跡を示す。このとき、下端側コーナー部2bは丸面取りされているので、その丸面取りした部分の切換時の最下端部は、ヒンジ部6との間に一定の隙間Sを保った直線状の軌跡でもって移動するように案内支持される。このため、液晶表示部2がこの軌跡よりも下側へ移動することはないので、従来のように液晶表示部2の下端をその支持軸を中心とした半径に沿って丸めなくても、液晶表示部2がヒンジ部6に接触することはない。
図4に示す横長状態でも、上記液晶表示部2の左右方向中央部は、第1の筐体3の略左右方向中央に位置している。そして、液晶ディスプレイ2aに横長画像が大きく表示されるように設定して、操作部4でキー入力しながら、テレビからクイズ番組に参加したり、テレビショッピングや銀行振り込みなどをテレビを通じて利用したりする。
また、使用後は、上記とは反対に、液晶表示部2の右側の上記下端側コーナー部2bをねじりコイルバネ20の付勢力に抗するように、表面から見て反時計回りに回動させ、ねじりコイルバネ20がその最大たわみ角を超えると、その付勢力によって液晶表示部2がアシストされながら、縦長状態に戻る。
そして、第1の筐体3と第2の筐体5とを折り畳んで待機状態とする。
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態にかかる折畳み式携帯電話機1によると、液晶表示部2の第1ガイドピン13を左右方向ガイド溝12に係合した状態でスライド移動させるのと同時に、液晶表示部2の第2ガイドピン15を上下方向ガイド溝14に係合した状態でスライド移動させている。このため、液晶表示部2が移動規制されながら、縦長状態又は横長状態に切り換えられるようにすることができるので、全体の大きさを抑えながら液晶表示部2を大きくし、かつ簡易な構成で接触を防止しながら容易かつ確実に液晶表示部2を縦長状態又は横長状態に切り換えて、横長状態でも液晶表示部2の液晶ディスプレイ2aを見ながら使い慣れた縦長状態と同じ操作キーの配列で操作部4を容易に操作することができる。
また、上下方向ガイド溝14をヒンジ部6の軸方向に対して傾斜する方向に伸ばすことにより、液晶表示部2の回転をスムーズにすることができ、また、ガイドプレート16の軽量化及びコンパクト化を図ることができる。したがって、液晶表示部2を片手でも簡単に縦長状態又は横長状態に滑らかに切り換えることができると共に、軽量でコンパクトな折畳み式携帯電話機1が得られる。
上記実施形態では、カム機構10に液晶表示部2が縦長状態又は横長状態となるように付勢するねじりコイルバネ20を設け、ねじりコイルバネ20によって切換操作をアシストさせている。このため、ユーザは片手のみでワンタッチで縦長状態又は横長状態に切り換えることも可能となる。
上記実施形態では、ねじりコイルバネ20を左右方向ガイド溝12の最上点近傍で最も圧縮されるように配置したことにより、縦長状態から横長状態へ若しくは横長状態から縦長状態への切換をねじりコイルバネ20によってアシストすることができるので、液晶表示部2を片手でも簡単に縦長状態又は横長状態に確実に切り換えることができる。
上記実施形態では、ねじりコイルバネ20を簡単かつ壊れにくい、一端20aが第1ガイドピン13に固定され、他端20bが第1の筐体3のバネ固定ピン19に固定されたねじりコイルバネとしている。このため、安価でスムーズなカム機構10が実現できる。
上記実施形態では、折畳み式携帯通信機器を携帯電話機1としたことにより、横長又は縦長状態の切換が容易で操作性が高く、コンパクトで薄型の商品価値の高い携帯電話機1が得られる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、弾性部材として、ねじりコイルバネ20でなく、圧縮コイルバネを使用することもできる。
また、左右方向ガイド溝12及び上下方向ガイド溝14の形状は、上記実施形態にとらわれない。例えば、上下方向ガイド溝14の形状を図16〜図19のように自由に選択することができる。図16に傾斜角度のきつい上下方向ガイド溝14と、左右方向ガイド溝12の形状を示す。図17に湾曲した上下方向ガイド溝14と、左右方向ガイド溝12の形状を示す。図18に下端部が湾曲した略J字状の上下方向ガイド溝14と、左右方向ガイド溝12の形状を示す。図19に下端部が略S字状に湾曲した上下方向ガイド溝14と、左右方向ガイド溝12の形状を示す。いずれの場合でも、丸面取りされた下端側コーナー部2bの最下端部は、ヒンジ部6との間に一定の隙間を保った直線状の軌跡でもって移動するように案内支持される。このように、左右方向ガイド溝12及び上下方向ガイド溝14の最適な形状を選択することで、液晶表示部2の動きを滑らかにしたり、ガイドプレート16の軽量化及びコンパクト化を容易に達成することができる。
上記実施形態では、第1の筐体本体3bを金属成型品で構成したが、樹脂成型品で構成してもよい。このことで、軽量で彩色容易な第1の筐体本体が得られ、折畳み式携帯電話機1を軽量で外観のよいものとすることができる。また、強化繊維プラスチックなどで成型すれば、剛性の高い第1の筐体本体の実現も可能であり、薄型化も容易である。
上記実施形態では、カム機構10によって、液晶表示部2を、その下端側コーナー部2bがヒンジ部6に沿った直線状の軌跡でもって移動するように案内支持しているが、曲線的な軌跡でもって移動するようにしてもよい。この場合には、左右方向ガイド溝12の形状で液晶表示部2の下端側コーナー部2bの軌跡を調整すればよい。このことで、第1の筐体3の下端部におけるヒンジ部6との間の膨出部にカメラなどを設けることも可能となり、この場合にも膨出部に液晶表示部2の下端側コーナー部2bが接触するのを防ぐことができる。
上記実施形態では、左右方向ガイド溝12を1つのみ設けたが、2つ設けてもよい。この場合には、上下方向ガイド溝14の上方にさらに傾斜のきつい中凸状の第2の左右方向ガイド溝12を設け、この第2の左右方向ガイド溝12内にリンク部材18に設けた第2の第1ガイドピンを移動させればよい。このようにすることで、さらに、液晶表示部2を滑らかに切換操作可能かつ液晶表示部2を第1の筐体3から引き離そうとする力に対してもさらに対抗しうるように堅固に支持することができる。
上記実施形態では、上記左右方向ガイド溝12と上下方向ガイド溝14と第1ガイドピン13と第2ガイドピン15とをユニット組立しているが、ユニット組立しなくても、左右方向ガイド溝12と上下方向ガイド溝14とを第1の筐体3のガイドプレート16に一体に設け、第1ガイドピン13と第2ガイドピン15とを液晶表示部2背面に一体に設け、かしめ、締結等により、後付でスライド部13a,15aを設けてもよい。
上記実施形態では、ねじりコイルバネ20によって、液晶表示部2を縦長状態と横長状態とのいずれの状態に切り換えるときでも付勢するように配置しているが、縦長状態又は横長状態になるときのみを優先して付勢するようにしてもよい。
上記実施形態では、カム機構10は、液晶表示部2を表面から見て時計回りに縦長状態から横長状態に切り換えているが、反時計回りに切り換えるようにしてもよい。
上記実施形態では、液晶表示部2の縦長状態及び横長状態における左右方向中央部を第1の筐体3の略左右方向中央に位置させているが、左右のいずれかにオフセットさせてもよい。
上記実施形態では、表示部としての液晶表示部2は液晶ディスプレイ2aを有しているとしたが、有機ELディスプレイを有していてもよい。有機ELディスプレイは、自発光を発するため消費電力が小さく、液晶ディスプレイに比べて視野角が広く、かつバックライトを必要としないため、薄型化が可能である。
上記実施形態では、折畳み式携帯通信機器は、携帯電話機としたが、PHS、PDA、通信機能を有するゲーム機等であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、携帯電話機などの表示部を縦長状態又は横長状態に切換操作可能に支持する支持機構を有する折畳み式携帯通信機器について有用である。
折畳み状態にある本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯電話機を示す斜視図である。 開いた状態で液晶表示部が縦長状態における折畳み式携帯電話機を示す斜視図である。 液晶表示部を縦長状態又は横長状態に切り換える途中の折畳み式携帯電話機を示す斜視図である。 開いた状態で液晶表示部が横長状態のとき折畳み式携帯電話機を示す斜視図である。 液晶表示部が縦長状態におけるカム機構の背面図である。 液晶表示部が切換過程におけるカム機構の背面図である。 液晶表示部が横長状態におけるカム機構の背面図である。 縦長状態状態のカム機構を示す正面図である。 切換過程のカム機構を示す正面図である。 横長状態状態のカム機構を示す正面図である。 カム機構を背面側から見た斜視図である。 カム機構を表面側から見た斜視図である。 第1の筐体本体を表面側から見た斜視図である。 第1の筐体本体を背面側から見た斜視図である。 第1の筐体の下端側コーナー部の軌跡を示す説明図である。 その他の実施形態にかかる傾斜角度のきつい上下方向ガイド溝と、左右方向ガイド溝の形状を示す図5相当図である。 その他の実施形態にかかる湾曲した上下方向ガイド溝と、左右方向ガイド溝の形状を示す図5相当図である。 その他の実施形態にかかる下端部が湾曲した略J字状の上下方向ガイド溝と、左右方向ガイド溝の形状を示す図5相当図である。 その他の実施形態にかかる下端部が略S字状に湾曲した上下方向ガイド溝と、左右方向ガイド溝の形状を示す図5相当図である。
符号の説明
1 折畳み式携帯電話(折畳み式携帯通信機器)
2 液晶表示部(表示部)
2b 下端側コーナー部
3 第1の筐体
4 操作部
5 第2の筐体
6 ヒンジ部
10 カム機構(支持機構)
12 左右方向ガイド溝
13 第1ガイドピン
14 上下方向ガイド溝
15 第2ガイドピン
20 コイルバネ(弾性部材)
20a 一端
20b 他端

Claims (8)

  1. 表面に表示部が設けられた第1の筐体と、
    表面に操作部を有する第2の筐体と、
    上記第1の筐体と第2の筐体とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備え、
    上記表示部は、上記第1の筐体に支持機構を介して、縦長状態と横長状態とに切換操作可能に支持されており、
    上記支持機構は、第1の筐体に設けられ左右方向に延びる中凸状に湾曲した曲線状の左右方向ガイド溝と、第1の筐体に設けられ上下方向に延びる上下方向ガイド溝と、表示部の背面に設けられ上記左右方向ガイド溝にスライド自在に係合する第1ガイドピンと、表示部の背面に設けられ上記上下方向ガイド溝にスライド自在に係合する第2ガイドピンとを備え、
    上記上下方向ガイド溝は、上記ヒンジ部の軸方向に対して傾斜する方向に伸びている
    ことを特徴とする折畳み式携帯通信機器。
  2. 表面に表示部が設けられた第1の筐体と、
    表面に操作部を有する第2の筐体と、
    上記第1の筐体と第2の筐体とを折畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備え、
    上記表示部は、上記第1の筐体に支持機構を介して、縦長状態と横長状態とに切換操作可能に支持されており、
    上記支持機構は、第1の筐体に設けられ左右方向に延びる中凸状に湾曲した曲線状の左右方向ガイド溝と、第1の筐体に設けられ上下方向に延びる上下方向ガイド溝と、表示部の背面に設けられ上記左右方向ガイド溝にスライド自在に係合する第1ガイドピンと、表示部の背面に設けられ上記上下方向ガイド溝にスライド自在に係合する第2ガイドピンとを備え、
    上記上下方向ガイド溝は、湾曲する曲線形状を有している
    ことを特徴とする折畳み式携帯通信機器。
  3. 請求項1又は2に記載の折畳み式携帯通信機器において、
    上記支持機構には、一端が上記第1ガイドピンに固定され、他端が第1の筐体に固定され、表示部が縦長状態又は横長状態となるように付勢する弾性部材が設けられている
    ことを特徴とする折畳み式携帯通信機器。
  4. 請求項3に記載の折畳み式携帯通信機器において、
    上記弾性部材は、上記左右方向ガイド溝の最上点近傍で最も圧縮されるように配置されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯通信機器。
  5. 請求項3又は4に記載の折畳み式携帯通信機器において、
    上記弾性部材は、ねじりコイルバネである
    ことを特徴とする折畳み式携帯通信機器。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の折畳み式携帯通信機器において、
    上記表示部は、液晶ディスプレイを備えている
    ことを特徴とする折畳み式携帯通信機器。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の折畳み式携帯通信機器において、
    上記表示部は、有機ELディスプレイを備えている
    ことを特徴とする折畳み式携帯通信機器。
  8. 携帯電話機である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の折畳み式携帯通信機器。
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