JP2008028618A - 圧電デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電デバイスの経年的な共振周波数の変化を低減する圧電デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】圧電材料からなる圧電基板表面に励振電極36を形成した圧電振動素子35を導電性接着剤37にて、連通穴38を有する容器30内に搭載する素子搭載工程と、圧電振動素子35の共振周波数を調整する周波数調整工程と、容器30と蓋体40とを接合する蓋体接合工程と、容器30と蓋体40により画定される空間部に非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを連通穴38より導入するガス導入工程と、容器30の連通穴38に配置した封止部材39にレーザ光を照射して連通穴38を塞ぎ、空間部48を気密に封止する封止工程とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】圧電材料からなる圧電基板表面に励振電極36を形成した圧電振動素子35を導電性接着剤37にて、連通穴38を有する容器30内に搭載する素子搭載工程と、圧電振動素子35の共振周波数を調整する周波数調整工程と、容器30と蓋体40とを接合する蓋体接合工程と、容器30と蓋体40により画定される空間部に非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを連通穴38より導入するガス導入工程と、容器30の連通穴38に配置した封止部材39にレーザ光を照射して連通穴38を塞ぎ、空間部48を気密に封止する封止工程とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、容器内に圧電振動素子が気密封止された圧電デバイスにおいて、共振周波数の経年的な変化を低減する圧電デバイスの製造方法に関する。
圧電振動子、圧電発振器に代表される圧電デバイスは、圧電振動素子が容器内に気密封止された構造を持ち、共振周波数の安定化が図られている。そして、この圧電デバイスは共振周波数が安定していることから、携帯電話などの通信機器やコンピュータなどの電子機器に利用されている。
これらの圧電デバイスは、圧電振動素子が容器内に気密封止され共振周波数の安定化が図られているものの、時間の経過と共に共振周波数が低下する現象がある。
図7は容器内に気密封止した水晶振動素子について、エージングを加速させる試験(加速エージング試験)を行った結果を示すグラフであり、縦軸に共振周波数の変化量をとり、横軸に時間をとって示している。
この図7から、共振周波数の低下は急激に起こるのではなく、時間の経過とともに少しずつ進行していくのが理解される。しかし、この現象の原因については多くの推論がなされているものの、明確な要因が掴めておらず根本的な解決がなされていない。
これらの圧電デバイスは、圧電振動素子が容器内に気密封止され共振周波数の安定化が図られているものの、時間の経過と共に共振周波数が低下する現象がある。
図7は容器内に気密封止した水晶振動素子について、エージングを加速させる試験(加速エージング試験)を行った結果を示すグラフであり、縦軸に共振周波数の変化量をとり、横軸に時間をとって示している。
この図7から、共振周波数の低下は急激に起こるのではなく、時間の経過とともに少しずつ進行していくのが理解される。しかし、この現象の原因については多くの推論がなされているものの、明確な要因が掴めておらず根本的な解決がなされていない。
例えば、特許文献1には圧電振動子の経年的な共振周波数の低下現象の解決を目的とした技術が開示されている。
この特許文献1には、圧電振動素子の経年的な周波数の低下減少の発生原因が、電極を構成する金属膜の表層で生ずる酸化現象にあると捉え、金属膜の表層に蒸着やスパッタの手法で絶縁性膜(SiO2膜)を付着してその全面を覆う、或いは金属膜の表層を予め酸化処理、窒化処理もしくは炭化処理して保護膜を形成する方法が開示されている。なお、表層を金(Au)膜で構成した場合の酸化現象などは、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)などの下地膜が金膜の表層まで析出した下地金属部分にのみ発生し、金部分は安定的なので酸化などはしない。
この特許文献1には、圧電振動素子の経年的な周波数の低下減少の発生原因が、電極を構成する金属膜の表層で生ずる酸化現象にあると捉え、金属膜の表層に蒸着やスパッタの手法で絶縁性膜(SiO2膜)を付着してその全面を覆う、或いは金属膜の表層を予め酸化処理、窒化処理もしくは炭化処理して保護膜を形成する方法が開示されている。なお、表層を金(Au)膜で構成した場合の酸化現象などは、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)などの下地膜が金膜の表層まで析出した下地金属部分にのみ発生し、金部分は安定的なので酸化などはしない。
しかしながら、この従来技術にあっては、次のような問題が発生する。即ち、圧電振動素子の金属膜の表面に蒸着等によってSiO2膜を形成して覆う際に、厳密な厚み管理制御が必要となる。SiO2膜は金との密着性に乏しいため剥がれやすく、また、SiO2膜が金膜表面から剥離しないように膜厚を厚くすると膜応力により振動子に残留応力が生ずる。つまり温度変化により歪みが生じて温度特性の劣化に繋がる。さらに、酸化膜、窒化膜、あるいは炭化膜等の保護膜を金膜表面に形成する場合、下地膜が析出した部分にのみ膜が形成されることは上述の通りであるが、下地膜が析出した領域の面積は個体によりバラツキがあるので、保護膜による質量付加にバラツキが生じ周波数調整が必要となる。
また、下地膜が金膜上に析出していない状態の電極を使用した場合においても、経年的な周波数の低下現象がみられ、金膜表面に部分的、不規則的に析出したニッケル部分の酸化は、周波数低下の一つの要因ではあるが、根本的な原因ではないことが判明している。従って、上記公報によって提案されている解決策は充分とは言えない。
また、下地膜が金膜上に析出していない状態の電極を使用した場合においても、経年的な周波数の低下現象がみられ、金膜表面に部分的、不規則的に析出したニッケル部分の酸化は、周波数低下の一つの要因ではあるが、根本的な原因ではないことが判明している。従って、上記公報によって提案されている解決策は充分とは言えない。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、圧電デバイスの経年的な共振周波数の変化を低減する圧電デバイスの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の圧電デバイスの製造方法は、圧電材料からなる圧電基板表面に金属膜を形成した圧電振動素子を導電性接合部材にて容器内に搭載する素子搭載工程と、前記圧電振動素子の共振周波数を調整する周波数調整工程と、前記容器と蓋体とを接合し、かつ、その一部の接合を残して連通部を形成する蓋体接合工程と、前記容器と前記蓋体により画定される空間部に前記連通部より非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを導入するガス導入工程と、前記連通部にレーザ光を照射して該連通部を塞ぎ、前記空間部を気密に封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のように圧電デバイスを製造すれば、圧電振動素子に形成された金属膜上に連通部から導入した非結合電子対を有する気体が接触し、この金属膜表面に非結合電子対を有する分子が化学吸着されて単分子膜が形成される。この単分子膜には吸着の手をもたないため、それ以上分子が吸着することがない。
そして、この連通部を塞いで空間部を気密に封止することで、それ以上、金属膜にガスの吸着が行われず、圧電デバイスの経年的な共振周波数の変化を低減する圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
そして、この連通部を塞いで空間部を気密に封止することで、それ以上、金属膜にガスの吸着が行われず、圧電デバイスの経年的な共振周波数の変化を低減する圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
また、本発明では、前記ガス導入工程が前記容器を減圧雰囲気に放置した後に非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを導入する工程であることが望ましい。
この圧電デバイスの製造方法によれば、容器を減圧雰囲気に放置することで、空間部に入っている気体を追い出し、その後、非結合電子対の有する気体と不活性ガスとの混合ガスを導入すれば、容易に容器の空間部にこの混合ガスを確実に導入することができる。
また、本発明では、前記ガス導入工程が前記容器を、非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガス雰囲気に放置して前記容器を冷却する工程であっても良い。
この圧電デバイスの製造方法によれば、一旦容器内を混合ガス雰囲気に放置することで容器内の気体の温度が低下して容器内の空間部の気圧が低下する。そして、容器内の空間部に混合ガスが流入する。このようにすれば、大掛かりな設備を必要とせずに空間部に混合ガスを導入することが可能である。
本発明では、前記非結合電子対の有する気体がシリコーン分子を有する気体であることが望ましい。
この圧電デバイスの製造方法によれば、シリコーン分子は非結合電子対の有する分子であり、このシリコーン分子を有する気体は、シリコーン樹脂を加熱することで容易に得ることができる。このことから、シリコーン樹脂と不活性ガスとの混合ガスは、不活性ガス雰囲気中でシリコーン樹脂を加熱することで得ることができ、本発明の圧電デバイスの製造方法に容易に利用できる。
本発明の圧電デバイスの製造方法は、圧電材料からなる圧電基板表面に金属膜を形成した圧電振動素子を導電性接合部材にて、連通穴を有する容器内に搭載する素子搭載工程と、前記圧電振動素子の共振周波数を調整する周波数調整工程と、前記容器と蓋体とを接合する蓋体接合工程と、前記容器と前記蓋体により画定される空間部に非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを前記連通穴より導入するガス導入工程と、前記容器の前記連通穴に配置した接合部材にレーザ光を照射して該連通穴を塞ぎ、前記空間部を気密に封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のように圧電デバイスを製造すれば、圧電振動素子に形成された金属膜上に連通穴から導入した非結合電子対を有する気体が接触し、この金属膜表面に非結合電子対を有する分子が化学吸着されて単分子膜が形成される。この単分子膜には吸着の手をもたないため、それ以上分子が吸着することがない。
そして、この連通部を塞いで空間部を気密に封止することで、それ以上、金属膜にガスの吸着が行われず、圧電デバイスの経年的な共振周波数の変化を低減する圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
そして、この連通部を塞いで空間部を気密に封止することで、それ以上、金属膜にガスの吸着が行われず、圧電デバイスの経年的な共振周波数の変化を低減する圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
また、本発明では、前記ガス導入工程が前記容器を減圧雰囲気に放置した後に非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを導入する工程であることが望ましい。
この圧電デバイスの製造方法によれば、容器を減圧雰囲気に放置することで、空間部に入っている気体を追い出し、その後、非結合電子対の有する気体と不活性ガスとの混合ガスを導入すれば、容易に容器の空間部にこの混合ガスを確実に導入することができる。
また、本発明では、前記ガス導入工程が前記容器を、非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガス雰囲気に放置して前記容器を冷却する工程であっても良い。
この圧電デバイスの製造方法によれば、一旦容器内を混合ガス雰囲気に放置することで容器内の気体の温度が低下して容器内の空間部の気圧が低下する。そして、容器内の空間部に混合ガスが流入する。このようにすれば、大掛かりな設備を必要とせずに空間部に混合ガスを導入することが可能である。
本発明では、前記非結合電子対の有する気体がシリコーン分子を有する気体であることが望ましい。
この圧電デバイスの製造方法によれば、シリコーン分子は非結合電子対の有する分子であり、このシリコーン分子を有する気体は、シリコーン樹脂を加熱することで容易に得ることができる。このことから、シリコーン分子と不活性ガスとの混合ガスは、不活性ガス雰囲気中でシリコーン樹脂を加熱することで得ることができ、本発明の圧電デバイスの製造方法に容易に利用できる。
実施形態の説明に先立ち、本発明が成立するに至った経緯を説明する。
従来より、容器内に気密封止された圧電振動素子の周波数が経年的に低下し続けるという現象が知られていたが、その原因究明がされていない。このような不具合を解決する手法として、これまでは周波数が低下する速度を遅らせることに注目し研究されてきた。
このような現状に対して、その研究過程で行ったエージングを加速する試験(加速エージング試験)において、周波数がある値まで低下した後に、それ以降の周波数変動が起こらない安定領域が存在することを見出した。このことを精査した結果、経年的な周波数低下現象の一つの原因が、圧電振動素子を容器内に接着するためのシリコーン樹脂導電性接着剤を構成するシリコーン樹脂より蒸散されるシリコーン分子(環状ジメチルポリシロキサン分子:ジメチルポリシロキサンを4〜7重合したもの)が、圧電振動素子の金属膜(励振電極)上に化学吸着することによる質量増加であることを見出した。
従来より、容器内に気密封止された圧電振動素子の周波数が経年的に低下し続けるという現象が知られていたが、その原因究明がされていない。このような不具合を解決する手法として、これまでは周波数が低下する速度を遅らせることに注目し研究されてきた。
このような現状に対して、その研究過程で行ったエージングを加速する試験(加速エージング試験)において、周波数がある値まで低下した後に、それ以降の周波数変動が起こらない安定領域が存在することを見出した。このことを精査した結果、経年的な周波数低下現象の一つの原因が、圧電振動素子を容器内に接着するためのシリコーン樹脂導電性接着剤を構成するシリコーン樹脂より蒸散されるシリコーン分子(環状ジメチルポリシロキサン分子:ジメチルポリシロキサンを4〜7重合したもの)が、圧電振動素子の金属膜(励振電極)上に化学吸着することによる質量増加であることを見出した。
つまり、金をはじめとした金属材料の表面の原子はダングリングボンドを備えており、非結合電子対を備えた物質と化学的に吸着しやすい状態にあるため、シリコーン分子が金属材料の表面に吸着される。そして、シリコーン分子は非結合電子対を有するため、励振電極表面に単分子膜を形成する。励振電極表面のダングリングボンドの数は有限であり、更に化学吸着によって励振電極表面全体に形成された単分子膜の上に更にシリコーン分子が重ねて化学吸着することはできず、それ以上周波数が低下することはない。一方、水晶基板を構成する水晶材料はダングリングボンドを有さないため、シリコーン分子は水晶基板表面に化学吸着することはない。
このことから、容器の気密封止前に、予め水晶振動素子などの圧電振動素子の励振電極表面にシリコーン分子を吸着させれば、それ以上、ガスの吸着が行われず経年的に共振周波数が低下することを低減させることが可能であると考え、以下に、その具体的な圧電デバイスの製造方法を提案する。
(第1の実施形態)
このことから、容器の気密封止前に、予め水晶振動素子などの圧電振動素子の励振電極表面にシリコーン分子を吸着させれば、それ以上、ガスの吸着が行われず経年的に共振周波数が低下することを低減させることが可能であると考え、以下に、その具体的な圧電デバイスの製造方法を提案する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る圧電デバイスとしての圧電振動子を示す構成図であり、図1(a)は概略平面図、図1(b)は同図(a)のA−A断線に沿う模式断面図である。
圧電振動子1は、容器10と、容器10に収容される圧電振動素子15と、容器10内を気密に封止する蓋体20とを備えている。
容器10は、セラミックなどの絶縁基板11にコバール材などで形成された金属リング12が、ろう材などで固着されている。また、絶縁基板11には圧電振動素子15との接続をなす接続パッド13が設けられ、絶縁基板11内の配線により外部接続端子14と接続されるように構成されている。
圧電振動子1は、容器10と、容器10に収容される圧電振動素子15と、容器10内を気密に封止する蓋体20とを備えている。
容器10は、セラミックなどの絶縁基板11にコバール材などで形成された金属リング12が、ろう材などで固着されている。また、絶縁基板11には圧電振動素子15との接続をなす接続パッド13が設けられ、絶縁基板11内の配線により外部接続端子14と接続されるように構成されている。
圧電振動素子15は水晶板、タンタル酸リチウム板などの圧電基板からなり、その表面にNiを下地膜としたAuの金属膜である励振電極16が形成されている。そして、圧電振動素子15はシリコーン樹脂などの導電性接着剤17を介して、絶縁基板11の接続パッド13に固定されている。このようにして、圧電振動素子15の励振電極16と接続パッド13とが電気的に接続される。また、励振電極16の表面にはシリコーン分子(環状ジメチルポリシロキサン分子:ジメチルポリシロキサンを4〜7重合したもの)25が化学吸着されて単分子層が形成されている。この、励振電極16上のシリコーン分子25の付着状態は、図1(b)の模式断面図において点で図示しているが、実際には励振電極16表面を覆うように数多くのシリコーン分子25が付着している。
容器10の金属リング12の上方にはコバール材などで形成された蓋体20が配置され、容器10と蓋体20により画定される空間部28がシリコーン分子25と不活性ガスの混合ガスに満たされて、シーム溶接などで気密に封止されている。詳しくは、金属リング12の表面にNi、Auのメッキが施され、蓋体20の表面にはNiメッキが施されており、加熱によりAu−Ni共晶合金が形成されることで両者が接合されている。
次に、上記の構成における圧電振動子1の製造方法について説明する。
図2は圧電振動子1の製造方法を説明する模式工程図である。
まず、図2(a)に示すように素子搭載工程として、シリコーンなどを含む導電性接着剤17が塗布された容器10の接続パッド上に圧電振動素子15を搭載する。続いて、圧電振動素子15を搭載した容器10を加熱して導電性接着剤17を乾燥させ、圧電振動素子15を容器10内に固定する。
次に、図2(b)に示すように周波数調整工程として、イオンガン23よりイオンビームを圧電振動素子15の励振電極16に照射して、励振電極16の一部を削って所定の周波数になるように周波数調整を行う。
図2は圧電振動子1の製造方法を説明する模式工程図である。
まず、図2(a)に示すように素子搭載工程として、シリコーンなどを含む導電性接着剤17が塗布された容器10の接続パッド上に圧電振動素子15を搭載する。続いて、圧電振動素子15を搭載した容器10を加熱して導電性接着剤17を乾燥させ、圧電振動素子15を容器10内に固定する。
次に、図2(b)に示すように周波数調整工程として、イオンガン23よりイオンビームを圧電振動素子15の励振電極16に照射して、励振電極16の一部を削って所定の周波数になるように周波数調整を行う。
その後、図2(c)に示すように蓋体接合工程として、蓋体20を容器10の金属リング12の上方に配置し、N2などの不活性ガス雰囲気でシーム溶接などにより容器10と蓋体20とを接合する。このとき、少なくとも接合部の一部を接合せずに、容器10と蓋体20にて画定される圧電振動素子15が収納された空間部と連通する連通部22を形成する。なお、この容器10と蓋体20の接合は、シーム溶接に限らず、ろう付けや半田付け、レーザの照射による溶接など、様々な方法を利用することができる。また、連通部22は1箇所だけでなく複数箇所設けて実施しても良い。
次に、ガス導入工程として、蓋体20を接合した容器10をチャンバーなどに移し、減圧ポンプなどを用いてチャンバー内を減圧雰囲気にする。このとき、容器10の連通部22を通して内部の気体が排気される。続いて、チャンバー内にシリコーン分子を含む気体とN2などの不活性ガスとの混合ガスと導入することで、連通部22を介して容器10と蓋体20とで画定される空間部にこの混合ガスを導入する。また、他の方法として、容器10を容器10の温度よりも低い温度の混合ガス雰囲気に放置しても良い。このようによれば、たとえチャンバー内を減圧状態にしなくとも一旦容器10を混合ガス雰囲気に放置することで、容器10内の温度が低下して容器10の空間部の気圧が低下する。そして、この容器10の空間部に混合ガスが流入する。この混合ガスが空間部に流入することで、図1(b)に示すように圧電振動素子15の励振電極16の表面にシリコーン分子25が化学吸着して単分子膜を形成する。
そして、封止工程として図2(d)に示すように、上記混合ガス雰囲気において連通部22上方の蓋体20にレーザ照射装置26からレーザ光を照射して、この連通部22を塞ぐ。このことで、容器10と蓋体20により画定される空間を気密に封止し、圧電振動子1が完成する。
なお、上記の実施形態の封止工程において、チャンバー内に少なくともレーザ照射装置26のレーザ出射部分を組み込んでレーザ光を圧電振動子1に照射しても良いし、図3に示すように、小型チャンバーとして収容部27aと透明なガラスなどで形成された蓋27bを備えた密閉容器27内に圧電振動子1を納めて、蓋27bを通してレーザ照射装置26からレーザ光を圧電振動子1に照射して封止しても良い。
なお、上記の実施形態の封止工程において、チャンバー内に少なくともレーザ照射装置26のレーザ出射部分を組み込んでレーザ光を圧電振動子1に照射しても良いし、図3に示すように、小型チャンバーとして収容部27aと透明なガラスなどで形成された蓋27bを備えた密閉容器27内に圧電振動子1を納めて、蓋27bを通してレーザ照射装置26からレーザ光を圧電振動子1に照射して封止しても良い。
密閉容器27を使用した場合は、レーザ照射装置26へのシリコーン分子25の付着を防止できるので、レーザ出射部分又はレーザ照射装置26をチャンバー内に組み込んだ場合と比較して製造設備のメンテナンスが容易である。
更に、容器10を混合ガス雰囲気にて冷却する場合、容器10を予め加熱処理すれば冷却前後での容器10内の温度差を大きくすることができるので容器10の空間部28の気圧を大きく低下させて積極的に混合ガスを空間部28に流入させることができる。
また更に、容器10を予め加熱処理した場合は、加熱処理を行わない場合と比較して混合ガスの温度を低く設定しなくとも冷却前後での温度差を大きくすることができる。従って、混合ガスの冷却処理工程を簡易的なものとすることができるので生産性の効率化を図ることができる。また、容器10を予め加熱処理した後、例えば常温又はそれ以上の温度(加熱処理後の容器10の温度より低い温度)の混合ガス雰囲気内に放置すれば容器10を混合ガス雰囲気からチャンバー外(大気中)へ移したときに容器10の温度が大気温度と比較して著しく低い温度ではないので容器10の外表面に結露が発生しない。そしてこの結果、圧電振動子1をチャンバーから取り出した後、即座に圧電振動子1の電気的特性を確認する為に外部接続端子14に測定用の電極端子を当接することができるので優れた生産性を実現することができる。
一方、図3に示す実施形態において例えば蓋27bの面に蓋体20が接触するよう圧電振動子1を蓋27上に搭載し圧電振動子1を密閉容器27内に納めて封止しても良い。
このような方法によれば、複数の圧電振動子1の個体間での高さサイズにバラツキが生じた場合であっても、それぞれの圧電振動子1の連通部22の位置が蓋27bの面によって整えられるので封止時のレーザ光の焦点距離を制御し易い。
更に、容器10を混合ガス雰囲気にて冷却する場合、容器10を予め加熱処理すれば冷却前後での容器10内の温度差を大きくすることができるので容器10の空間部28の気圧を大きく低下させて積極的に混合ガスを空間部28に流入させることができる。
また更に、容器10を予め加熱処理した場合は、加熱処理を行わない場合と比較して混合ガスの温度を低く設定しなくとも冷却前後での温度差を大きくすることができる。従って、混合ガスの冷却処理工程を簡易的なものとすることができるので生産性の効率化を図ることができる。また、容器10を予め加熱処理した後、例えば常温又はそれ以上の温度(加熱処理後の容器10の温度より低い温度)の混合ガス雰囲気内に放置すれば容器10を混合ガス雰囲気からチャンバー外(大気中)へ移したときに容器10の温度が大気温度と比較して著しく低い温度ではないので容器10の外表面に結露が発生しない。そしてこの結果、圧電振動子1をチャンバーから取り出した後、即座に圧電振動子1の電気的特性を確認する為に外部接続端子14に測定用の電極端子を当接することができるので優れた生産性を実現することができる。
一方、図3に示す実施形態において例えば蓋27bの面に蓋体20が接触するよう圧電振動子1を蓋27上に搭載し圧電振動子1を密閉容器27内に納めて封止しても良い。
このような方法によれば、複数の圧電振動子1の個体間での高さサイズにバラツキが生じた場合であっても、それぞれの圧電振動子1の連通部22の位置が蓋27bの面によって整えられるので封止時のレーザ光の焦点距離を制御し易い。
以上のように、本実施形態の圧電振動子の製造方法によれば、圧電振動素子15に形成された励振電極16上に連通部22から導入した非結合電子対を有する気体のシリコーン分子25が接触し、この励振電極16表面にシリコーン分子が化学吸着されて単分子膜が形成される。この単分子膜には他と結合する手がないため、それ以上、励振電極16に分子が吸着することがない。そして、この連通部22を塞いで空間部を気密に封止することで、励振電極16上にガスの吸着が行われず、経年的な共振周波数の変化を低減する圧電振動子1の製造方法を提供することができる。
(第2の実施形態)
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る圧電振動子について説明する。
図4は、圧電デバイスとしての圧電振動子を示す構成図であり、図4(a)は概略平面図、図4(b)は同図(a)のB−B断線に沿う模式断面図である。
圧電振動子2は、容器30と、容器30に収容される圧電振動素子35と、容器30に接合する蓋体40とを備えている。
容器30は、セラミックなどの絶縁基板31にコバール材などで形成された金属リング32が、ろう材などで固着されている。絶縁基板31には絶縁基板31を貫通する連通穴38が形成され、封止工程で、この連通穴38をAu−Snなどの合金を溶融させて塞ぐことで、気密封止を行っている。また、絶縁基板31には圧電振動素子35との接続をなす接続パッド33が設けられ、絶縁基板31内の配線により外部接続端子34に接続されるように構成されている。
図4は、圧電デバイスとしての圧電振動子を示す構成図であり、図4(a)は概略平面図、図4(b)は同図(a)のB−B断線に沿う模式断面図である。
圧電振動子2は、容器30と、容器30に収容される圧電振動素子35と、容器30に接合する蓋体40とを備えている。
容器30は、セラミックなどの絶縁基板31にコバール材などで形成された金属リング32が、ろう材などで固着されている。絶縁基板31には絶縁基板31を貫通する連通穴38が形成され、封止工程で、この連通穴38をAu−Snなどの合金を溶融させて塞ぐことで、気密封止を行っている。また、絶縁基板31には圧電振動素子35との接続をなす接続パッド33が設けられ、絶縁基板31内の配線により外部接続端子34に接続されるように構成されている。
圧電振動素子35は水晶板、タンタル酸リチウム板などの圧電基板からなり、その表面にNiを下地膜としたAuの金属膜である励振電極36が形成されている。そして、圧電振動素子35はシリコーン樹脂などの導電性接着剤37を介して、絶縁基板31の接続パッド33に固定されている。このようにして、圧電振動素子35の励振電極36と接続パッド33とが電気的に接続される。また、励振電極36の表面にはシリコーン分子(環状ジメチルポリシロキサン分子:ジメチルポリシロキサンを4〜7重合したもの)45が化学吸着されて単分子層が形成されている。
容器30の金属リング32の上方にはコバール材などで形成された蓋体40が配置され、容器30と蓋体40により画定される空間部48がシリコーン分子45と不活性ガスの混合ガスに満たされて、シーム溶接などで気密に封止されている。詳しくは、金属リング32の表面にNi、Auのメッキが施され、蓋体40の表面にはNiメッキが施されており、加熱によりAu−Ni共晶合金が形成されることで両者が接合されている。
次に、上記の構成における圧電振動子2の製造方法について説明する。
図5は圧電振動子2の製造方法を説明する模式工程図である。
図5(a)に示すように素子搭載工程として、シリコーンなどを含む導電性接着剤37が塗布された容器30の接続パッド33上に圧電振動素子35を搭載する。続いて、圧電振動素子35を搭載した容器30を加熱して導電性接着剤37を乾燥させ、圧電振動素子35を容器30内に固定する。
図5は圧電振動子2の製造方法を説明する模式工程図である。
図5(a)に示すように素子搭載工程として、シリコーンなどを含む導電性接着剤37が塗布された容器30の接続パッド33上に圧電振動素子35を搭載する。続いて、圧電振動素子35を搭載した容器30を加熱して導電性接着剤37を乾燥させ、圧電振動素子35を容器30内に固定する。
次に、図5(b)に示すように周波数調整工程として、イオンガン43よりイオンビームを圧電振動素子35の励振電極36に照射して、励振電極36の一部を削って所定の周波数になるように周波数調整を行う。
その後、図5(c)に示すように蓋体接合工程として、蓋体40を容器30の金属リング32の上方に配置し、N2などの不活性ガス雰囲気で溶接ローラ44を蓋体40に圧接して電流を流してシーム溶接を行い、容器30と蓋体40を接合する。この状態では、絶縁基板31を貫通する連通穴38があるために、容器30と蓋体40により画定される空間は気密状態にはなっていない。
その後、図5(c)に示すように蓋体接合工程として、蓋体40を容器30の金属リング32の上方に配置し、N2などの不活性ガス雰囲気で溶接ローラ44を蓋体40に圧接して電流を流してシーム溶接を行い、容器30と蓋体40を接合する。この状態では、絶縁基板31を貫通する連通穴38があるために、容器30と蓋体40により画定される空間は気密状態にはなっていない。
次に、図5(d)に示すようにガス導入工程として、蓋体40を接合した容器30をチャンバーなどに移し、減圧ポンプなどを用いてチャンバー内を減圧雰囲気にする。このとき、容器30の連通穴38を通して内部の気体が排気される。続いて、チャンバー内にシリコーン分子45を含む気体とN2などの不活性ガスとの混合ガスと導入することで、連通穴38を介して容器30と蓋体40とで画定される空間部にこの混合ガスを導入する。また、他の方法として、容器30を容器30の温度よりも低い温度の混合ガス雰囲気に放置しても良い。このようにすれば、例えばチャンバー内を減圧状態にしなくとも一旦容器30内を混合ガス雰囲気で放置することで容器30の温度が低下して容器30の空間部48の気圧が低下する。そして、この容器30の空間部48に混合ガスが流入する。この混合ガスが空間部48に流入することで、圧電振動素子35の励振電極36の表面にシリコーン分子45が化学吸着して単分子膜を形成する。
続いて、図5(e)に示すように封止工程として、混合ガス雰囲気内で絶縁基板31の連通穴38にAu−Sn合金などの封止部材39を配置し、その封止部材39にレーザ照射装置46からレーザ光を照射する。レーザ光の照射により封止部材39が溶融して、連通穴38を塞ぎ、容器30と蓋体40により画定される空間を気密に封止して、圧電振動子2が完成する。
なお、上記の実施形態の封止工程において、チャンバー内にレーザ照射装置26を組み込んでレーザ光を圧電振動子2に照射しても良いし、図6に示すように、収容部47aと透明なガラスなどで形成された蓋47bを備えた密閉容器47内に圧電振動子2を納めて、蓋47bを通してレーザ照射装置46からレーザ光を圧電振動子2に照射しても良い。
なお、上記の実施形態の封止工程において、チャンバー内にレーザ照射装置26を組み込んでレーザ光を圧電振動子2に照射しても良いし、図6に示すように、収容部47aと透明なガラスなどで形成された蓋47bを備えた密閉容器47内に圧電振動子2を納めて、蓋47bを通してレーザ照射装置46からレーザ光を圧電振動子2に照射しても良い。
密閉容器47を使用した場合は、レーザ照射装置46へのシリコーン分子45の付着を防止できるので、レーザ出射部分又はレーザ照射装置46をチャンバー内に組み込んだ場合と比較して製造設備のメンテナンスが容易である。
更に、容器30を混合ガス雰囲気にて冷却する場合、容器30を予め加熱処理すれば冷却前後での容器30内の温度差を大きくすることができるので容器30の空間部48の気圧を大きく低下させて積極的に混合ガスを空間部48に流入させることができる。
また更に、容器30を予め加熱処理した場合は、加熱処理を行わない場合と比較して混合ガスの温度を低く設定しなくとも冷却前後での温度差を大きくすることができる。従って、混合ガスの冷却処理工程を簡易的なものとすることができるので生産性の効率化を図ることができる。また、容器30を予め加熱処理した後、例えば常温又はそれ以上の温度(加熱処理後の容器30の温度より低い温度)の混合ガス雰囲気内に放置すれば容器30を混合ガス雰囲気からチャンバー外(大気中)へ移したときに容器30の温度が大気温度と比較して著しく低い温度ではないので容器30の外表面に結露が発生しない。そしてこの結果、圧電振動子2をチャンバーから取り出した後、即座に圧電振動子2の電気的特性を確認する為に外部接続端子34に測定用の電極端子を当接することができるので優れた生産性を実現することができる。
一方、図6に示す実施形態において例えば蓋47bの面に絶縁基板31が接触するよう圧電振動子2を蓋47上に搭載し圧電振動子2を密閉容器47内に納めて封止しても良い。
このような方法によれば、複数の圧電振動子2の個体間での高さサイズにバラツキが生じた場合であっても、それぞれの圧電振動子2の連通穴38の位置が蓋47bの面によって整えられるので封止時のレーザ光の焦点距離を制御し易い。
更に、容器30を混合ガス雰囲気にて冷却する場合、容器30を予め加熱処理すれば冷却前後での容器30内の温度差を大きくすることができるので容器30の空間部48の気圧を大きく低下させて積極的に混合ガスを空間部48に流入させることができる。
また更に、容器30を予め加熱処理した場合は、加熱処理を行わない場合と比較して混合ガスの温度を低く設定しなくとも冷却前後での温度差を大きくすることができる。従って、混合ガスの冷却処理工程を簡易的なものとすることができるので生産性の効率化を図ることができる。また、容器30を予め加熱処理した後、例えば常温又はそれ以上の温度(加熱処理後の容器30の温度より低い温度)の混合ガス雰囲気内に放置すれば容器30を混合ガス雰囲気からチャンバー外(大気中)へ移したときに容器30の温度が大気温度と比較して著しく低い温度ではないので容器30の外表面に結露が発生しない。そしてこの結果、圧電振動子2をチャンバーから取り出した後、即座に圧電振動子2の電気的特性を確認する為に外部接続端子34に測定用の電極端子を当接することができるので優れた生産性を実現することができる。
一方、図6に示す実施形態において例えば蓋47bの面に絶縁基板31が接触するよう圧電振動子2を蓋47上に搭載し圧電振動子2を密閉容器47内に納めて封止しても良い。
このような方法によれば、複数の圧電振動子2の個体間での高さサイズにバラツキが生じた場合であっても、それぞれの圧電振動子2の連通穴38の位置が蓋47bの面によって整えられるので封止時のレーザ光の焦点距離を制御し易い。
以上のように、本実施形態の圧電振動子の製造方法によれば、圧電振動素子35に形成された励振電極36上に連通穴38から導入した非結合電子対を有する気体のシリコーン分子45が接触し、この励振電極36表面にシリコーン分子45が化学吸着されて単分子膜が形成される。この単分子膜には他と結合する手がないため、それ以上、分子が吸着することがない。そして、この連通穴38を塞いで空間部を気密に封止することで、励振電極36上にガスの吸着が行われず、経年的な共振周波数の変化を低減する圧電振動子2の製造方法を提供することができる。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態の周波数調整工程では、イオンエッチングによる励振電極を削って周波数を高くする方向での調整を行ったが、蒸着・スパッタなどにより金属膜を付加して周波数を低くする方向での調整を行っても良い。
また、本実施形態の封止工程では容器と蓋体にて画定される空間を、シリコーン分子を含む気体とN2などの不活性ガスとの混合ガス雰囲気にて封止したが、減圧雰囲気で封止を行っても良い。
さらに、第1の実施形態および第2の実施形態において圧電デバイスとして圧電振動子を例示して説明したが、圧電振動子とこの圧電振動子の発振機能を有するIC部品を備えた圧電発振器として構成しても良い。
そして、本発明における圧電デバイスの製造方法は、圧電振動素子として弾性表面波素子を用いたSAW共振子、SAWフィルタ、SAW発振器などの製造においても利用が可能であり、経年的な共振周波数の変化を低減することができる。
また、本実施形態の封止工程では容器と蓋体にて画定される空間を、シリコーン分子を含む気体とN2などの不活性ガスとの混合ガス雰囲気にて封止したが、減圧雰囲気で封止を行っても良い。
さらに、第1の実施形態および第2の実施形態において圧電デバイスとして圧電振動子を例示して説明したが、圧電振動子とこの圧電振動子の発振機能を有するIC部品を備えた圧電発振器として構成しても良い。
そして、本発明における圧電デバイスの製造方法は、圧電振動素子として弾性表面波素子を用いたSAW共振子、SAWフィルタ、SAW発振器などの製造においても利用が可能であり、経年的な共振周波数の変化を低減することができる。
1,2…圧電デバイスとしての圧電振動子、10…容器、11…絶縁基板、12…金属リング、13…接続パッド、14…外部接続端子、15…圧電振動素子、16…金属膜としての励振電極、17…導電性接合部材としての導電性接着剤、20…蓋体、22…連通部、23…イオンガン、25…シリコーン分子、28…空間部、30…容器、31…絶縁基板、32…金属リング、33…接続パッド、34…外部接続端子、35…圧電振動素子、36…金属膜としての励振電極、37…導電性接合部材としての導電性接着剤、38…連通穴、39…封止部材、40…蓋体、43…イオンガン、44…溶接ローラ、45…シリコーン分子、46…レーザ照射装置、48…空間部。
Claims (8)
- 圧電材料からなる圧電基板表面に金属膜を形成した圧電振動素子を導電性接合部材にて容器内に搭載する素子搭載工程と、
前記圧電振動素子の共振周波数を調整する周波数調整工程と、
前記容器と蓋体とを接合し、かつ、その一部の接合を残して連通部を形成する蓋体接合工程と、
前記容器と前記蓋体により画定される空間部に前記連通部より非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを導入するガス導入工程と、
前記連通部にレーザ光を照射して該連通部を塞ぎ、前記空間部を気密に封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法において、
前記ガス導入工程が前記容器を減圧雰囲気に放置した後に非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを導入する工程であることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法において、
前記ガス導入工程が前記容器を非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガス雰囲気に放置して前記容器を冷却する工程であることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法において、
前記非結合電子対の有する気体がシリコーン分子を有する気体であることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 圧電材料からなる圧電基板表面に金属膜を形成した圧電振動素子を導電性接合部材にて、連通穴を有する容器内に搭載する素子搭載工程と、
前記圧電振動素子の共振周波数を調整する周波数調整工程と、
前記容器と蓋体とを接合する蓋体接合工程と、
前記容器と前記蓋体により画定される空間部に非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを前記連通穴より導入するガス導入工程と、
前記容器の前記連通穴に配置した接合部材にレーザ光を照射して該連通穴を塞ぎ、前記空間部を気密に封止する封止工程と、を備えたことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 請求項5に記載の圧電デバイスの製造方法において、
前記ガス導入工程が前記容器を減圧雰囲気に放置した後に非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガスを導入する工程であることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 請求項5に記載の圧電デバイスの製造方法において、
前記ガス導入工程が前記容器を非結合電子対を有する気体と不活性ガスとの混合ガス雰囲気に放置して前記容器を冷却する工程であることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 請求項5乃至7のいずれか一項に記載の圧電デバイスの製造方法において、
前記非結合電子対の有する気体がシリコーン分子を有する気体であることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
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JP2006198019A JP2008028618A (ja) | 2006-07-20 | 2006-07-20 | 圧電デバイスの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017028476A (ja) * | 2015-07-22 | 2017-02-02 | 京セラクリスタルデバイス株式会社 | 水晶デバイス |
-
2006
- 2006-07-20 JP JP2006198019A patent/JP2008028618A/ja not_active Withdrawn
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