JP2008211543A - 水晶振動子および水晶振動子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な振動特性を維持しながら信頼性が高い接合を可能とするCSP構造の水晶振動子と、この水晶振動子の製造方法を提供する。
【解決手段】振動腕12と振動腕12の平面方向周囲を取り囲む枠部13とを有する水晶振動片11と、水晶振動片11の表面側を覆い枠部13に対向する位置に平面部23を備え、平面部23にシリコン酸化膜25を有する第1蓋体21と、水晶振動片11の裏面側を覆い枠部13に対向する位置に平面部33を備え、平面部33にシリコン酸化膜35を有する第2蓋体31と、が備えられ、第1蓋体21および第2蓋体31に形成されたシリコン酸化膜25,35の表面がフッ化処理されており、水晶振動片11の枠部13と第1蓋体21および第2蓋体31の平面部23,33とがシリコン酸化膜25,35を介して接合されている。
【選択図】図1
【解決手段】振動腕12と振動腕12の平面方向周囲を取り囲む枠部13とを有する水晶振動片11と、水晶振動片11の表面側を覆い枠部13に対向する位置に平面部23を備え、平面部23にシリコン酸化膜25を有する第1蓋体21と、水晶振動片11の裏面側を覆い枠部13に対向する位置に平面部33を備え、平面部33にシリコン酸化膜35を有する第2蓋体31と、が備えられ、第1蓋体21および第2蓋体31に形成されたシリコン酸化膜25,35の表面がフッ化処理されており、水晶振動片11の枠部13と第1蓋体21および第2蓋体31の平面部23,33とがシリコン酸化膜25,35を介して接合されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、蓋体と水晶振動片とを接着剤を用いずに接合してパッケージングされる水晶振動子および、この水晶振動子の製造方法に関する。
従来から、被接合物同士の接合面をプラズマ処理にてOH基を付着させて親水化し、両者を加熱・加圧して接合する方法が知られている。また、接合強度を向上させるために、被接合物の接合面をイオン衝撃力の強いプラズマでエッチングした後、イオン衝撃力の弱いプラズマでOH基を付着させる2段階の処理が行われ、被接合物を加熱・加圧して接合する方法が特許文献1に開示されている。
しかしながら、このような接合方法をCSP(チップサイズパッケージ)構造の水晶振動子に適応する場合、次のような問題がある。
まず、イオン衝撃力の強いプラズマを励振電極が形成された水晶振動片に照射することで水晶、励振電極の両者がエッチングされて振動子の周波数が変化してしまうことがある。つぎに、イオン衝撃力の弱いプラズマを水晶振動片に照射すると、OH基が振動励振面に付着して、水晶振動子としてのCI(Crystal Impedance)値が上昇して振動特性が劣化するという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決することを目的とし、良好な振動特性を維持しながら信頼性が高い接合を可能とするCSP構造の水晶振動子と、この水晶振動子の製造方法を提供することにある。
まず、イオン衝撃力の強いプラズマを励振電極が形成された水晶振動片に照射することで水晶、励振電極の両者がエッチングされて振動子の周波数が変化してしまうことがある。つぎに、イオン衝撃力の弱いプラズマを水晶振動片に照射すると、OH基が振動励振面に付着して、水晶振動子としてのCI(Crystal Impedance)値が上昇して振動特性が劣化するという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決することを目的とし、良好な振動特性を維持しながら信頼性が高い接合を可能とするCSP構造の水晶振動子と、この水晶振動子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の水晶振動子は、振動腕と該振動腕の平面方向周囲を取り囲む枠部とを有する水晶振動片と、前記水晶振動片の表面側を覆い前記枠部に対向する位置に平面部を備え、該平面部にシリコン酸化膜を有する第1蓋体と、前記水晶振動片の裏面側を覆い前記枠部に対向する位置に平面部を備え、該平面部にシリコン酸化膜を有する第2蓋体と、が備えられ、前記第1蓋体および前記第2蓋体に形成された前記シリコン酸化膜の表面がフッ化処理されており、前記水晶振動片の前記枠部と前記第1蓋体および前記第2蓋体の前記平面部とが前記シリコン酸化膜を介して接合されていることを特徴とする。
この発明の水晶振動子は、水晶振動片を第1蓋体と第2蓋体で挟持するよう積層してパッケージングしたCSP構造である。ここで、フッ化処理は水晶振動片には施さず第1蓋体と第2蓋体に施すため、水晶振動片にはフッ化処理によるCI値上昇などの振動特性の劣化がない。そして、第1蓋体および第2蓋体の平面部に形成されるシリコン酸化膜表面をフッ化処理して接合表面を活性化し、水晶振動片の枠部と接合することで接合強度が高く、高信頼性を有する水晶振動子を提供することができる。
本発明の水晶振動子は、前記第1蓋体および前記第2蓋体がシリコン、水晶、石英、ガラスの中から選択される材料で形成されていることが望ましい。
第1蓋体および第2蓋体の材料として、シリコン、水晶、石英、ガラスの中から選択される材料を用いることで、シリコン酸化膜と密着強度の良い蓋体を得ることができ、接合強度が高く、高信頼性を有する水晶振動子を得ることができる。また、第1蓋体および第2蓋体を水晶で形成した場合、それぞれの線膨張係数を同一にすることができ、熱変化によるパッケージの接合面にかかる応力を小さくすることができる。このことから、接合の信頼性および振動特性の良好な振動子を提供することができる。
また、本発明の水晶振動子の製造方法は、振動腕と該振動腕の平面方向周囲を取り囲む枠部とを有する水晶振動片を形成する工程と、前記水晶振動片の表面側の前記枠部に対向する平面部を備え、該平面部にシリコン酸化膜を有する第1蓋体を形成する工程と、前記水晶振動片の裏面側の前記枠部に対向する平面部を備え、該平面部にシリコン酸化膜を有する第2蓋体を形成する工程と、前記第1蓋体および前記第2蓋体の前記シリコン酸化膜の表面をフッ化処理する工程と、前記第1蓋体と前記水晶振動片と前記第2蓋体とを順に積層して酸素または水と接触しないように維持しつつ、それぞれを接合する工程と、を含むことを特徴とする。
この発明の水晶振動子は、水晶振動片を第1蓋体と第2蓋体で挟持するよう積層してパッケージングしたCSP構造である。
この水晶振動子の製造方法によれば、フッ化処理は水晶振動片には施さず第1蓋体と第2蓋体に施すため、水晶振動片にはフッ化処理によるCI値上昇などの振動特性の劣化がない。そして、第1蓋体および第2蓋体の平面部に形成されるシリコン酸化膜表面をフッ化処理して接合表面を活性化し、水晶振動片の枠部と接合することで接合強度が高く、高信頼性を有する水晶振動子の製造方法を提供することができる。
この水晶振動子の製造方法によれば、フッ化処理は水晶振動片には施さず第1蓋体と第2蓋体に施すため、水晶振動片にはフッ化処理によるCI値上昇などの振動特性の劣化がない。そして、第1蓋体および第2蓋体の平面部に形成されるシリコン酸化膜表面をフッ化処理して接合表面を活性化し、水晶振動片の枠部と接合することで接合強度が高く、高信頼性を有する水晶振動子の製造方法を提供することができる。
本発明の水晶振動子の製造方法は、前記フッ化処理する工程および前記接合する工程が大気圧環境下で行うことが望ましい。
この水晶振動子の製造方法によれば、フッ化処理および接合工程が大気圧環境で行えるため、減圧または高圧環境にするためのチャンバー等の製造設備が不要で、安価な設備でフッ化処理を行うことができる。
本発明の水晶振動子の製造方法は、前記第1蓋体と前記水晶振動片と前記第2蓋体とを接合する工程が、窒素雰囲気で行うことが望ましい。
この水晶振動子の製造方法によれば、第1蓋体と水晶振動片と第2蓋体とを接合する工程を窒素雰囲気で行うことで、容易に酸素または水と接触しない環境に維持してそれぞれを接合することができる。
本発明の水晶振動子の製造方法は、前記フッ化処理が、反応性フッ化ガスと水蒸気との混合ガス、または放電により発生した活性フッ素ガスを前記酸化シリコン膜の表面に接触させることにより行われることが望ましい。
この水晶振動子の製造方法によれば、シリコン酸化膜の表面に、反応性フッ化ガスと水蒸気との混合ガス、または放電により発生した活性フッ素ガスを接触させることで、フッ素がシリコン酸化膜中に取り込まれ、表面を活性化させることができる。取り込まれるフッ素の量や深さはフッ化処理の条件によるが、反応性フッ化ガスと水蒸気との混合ガス、または放電により発生した活性フッ素ガスを用いれば、条件設定がしやすいという効果もある。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
(水晶振動子)
(水晶振動子)
図1は本発明の実施形態に係る水晶振動子の構成を示す構成図であり、図1(a)は模式平面図、図1(b)は同図(a)のA−A断線に沿う模式断面図である。
図1において、水晶振動子1は、水晶振動片11の表面に第1蓋体21、裏面に第2蓋体31が積層され、それぞれを接合したCSP構造を有している。
図1において、水晶振動子1は、水晶振動片11の表面に第1蓋体21、裏面に第2蓋体31が積層され、それぞれを接合したCSP構造を有している。
水晶振動片11は、平面中央部に形成された振動腕12、振動腕12を取り囲む枠部13とを有している。そして、振動腕12の表裏両面にはそれぞれ電気的に独立する励振電極15a,15bが形成されている。また、励振電極15a,15bに接続された接続電極16が枠部13に形成されている。なお、励振電極15a,15bおよび接続電極16はCr膜を下地とするAu膜にて形成されている。
第1蓋体21はシリコンからなり、略中央部に凹部22が穿設されて、振動腕12が振動したときに接触しないように構成されている。第1蓋体21の外周縁の平面部には、凹部22を取り囲むようにシリコン酸化膜(SiO2膜)25が形成されている。そして、シリコン酸化膜25の表面はフッ化処理が施され、活性化された界面が構成される。
第2蓋体31は、シリコンからなり、略中央部に凹部32が穿設されて、振動腕12が振動したときに接触しないように構成されている。第2蓋体31の外周縁の平面部には、凹部32を取り囲むようにシリコン酸化膜(SiO2膜)35が形成されている。そして、シリコン酸化膜35の表面はフッ化処理が施され、活性化された界面が構成される。
また、第2蓋体31には接続穴37が穿設され、この接続穴37に金属などの導通材40が充填されて水晶振動片11の接続電極16と接続している。そして、第2蓋体31の裏面には、導通材40と接続する外部接続端子41が形成される。
さらに、第2蓋体31の凹部32には内外を連通する封止穴38が開設されており、水晶振動片11と第1蓋体21と第2蓋体31とを接合したのち、凹部22,32内を減圧した後、封止材50によって気密封止される。
さらに、第2蓋体31の凹部32には内外を連通する封止穴38が開設されており、水晶振動片11と第1蓋体21と第2蓋体31とを接合したのち、凹部22,32内を減圧した後、封止材50によって気密封止される。
上述したように構成された各要素は、下方から第2蓋体31、水晶振動片11、第1蓋体21の順に積層され、水晶振動片11の枠部13と第2蓋体31の外周縁部および第1蓋体21の外周縁部とを正確に位置決めして、加熱圧接することで一体に接合して水晶振動子1が構成される。
このような水晶振動子1は、振動腕12が凹部22,32内で自在に振動可能であり、凹部22,32内は減圧雰囲気である。そして、励振電極15a,15bは、接続電極16、導通材40を介して外部接続端子41に接続される。
(水晶振動子の製造方法)
このような水晶振動子1は、振動腕12が凹部22,32内で自在に振動可能であり、凹部22,32内は減圧雰囲気である。そして、励振電極15a,15bは、接続電極16、導通材40を介して外部接続端子41に接続される。
(水晶振動子の製造方法)
次に、上述した実施形態に係る水晶振動子の製造方法について図面を参照して説明する。まず第1蓋体21の製造方法について説明する。
図2は、第1蓋体の製造方法を示す模式部分断面図である。図2において、第1蓋体21はシリコン基板20に複数個形成し、二点鎖線で示した切断線で切断することで個片化できる。
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板20の表面に熱酸化によるシリコン酸化膜25を形成する。
次に、図2(b)に示すように、シリコン基板20の裏面(図では下面)に凹部22を穿設する。凹部22は、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いて形成する。また、凹部22の周りの平面部23におけるシリコン酸化膜25の一部をドライエッチングにてエッチングして除去する。
図2は、第1蓋体の製造方法を示す模式部分断面図である。図2において、第1蓋体21はシリコン基板20に複数個形成し、二点鎖線で示した切断線で切断することで個片化できる。
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板20の表面に熱酸化によるシリコン酸化膜25を形成する。
次に、図2(b)に示すように、シリコン基板20の裏面(図では下面)に凹部22を穿設する。凹部22は、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いて形成する。また、凹部22の周りの平面部23におけるシリコン酸化膜25の一部をドライエッチングにてエッチングして除去する。
続いて、シリコン酸化膜25の表面に反応性フッ化ガスと水蒸気との混合ガス、または放電により発生した活性フッ素ガスを吹きかけフッ化処理を行い、フッ化処理層26を形成する(図2(c)、参照)。フッ化処理工程は、具体的には、F2,FH,COF2,CF4などのフッ素ガスと水蒸気との混合ガスを被接合部、つまりシリコン酸化膜25に接触させて行う。
反応性フッ素ガスは、水蒸気(水)と反応してフッ素イオン、フッ素ラジカル、フッ素原子などの活性なフッ素を生じる。フッ素はシリコン酸化膜25と直接反応して、フッ化物を一部に形成するとともにフッ素が残存したフッ化処理層26が形成される。
また、フッ化処理は、フッ素ガス(F2,FH,COF2,CF4等)を含むガスを介した放電により活性なフッ素を生成し、この活性なフッ素ガスをシリコン酸化膜25に接触させて行うことができる。
また、フッ素ガスに紫外線を照射して活性なフッ素を生成し、この活性なフッ素ガスをシリコン酸化膜25に接触させて行うことができる。
なお、フッ化処理は凹部22内の表面にわたって行われてもよい。
また、フッ化処理の前にシリコン酸化膜25表面にUV照射またはHF洗浄などの前処理を行っても良い。
また、フッ化処理は、フッ素ガス(F2,FH,COF2,CF4等)を含むガスを介した放電により活性なフッ素を生成し、この活性なフッ素ガスをシリコン酸化膜25に接触させて行うことができる。
また、フッ素ガスに紫外線を照射して活性なフッ素を生成し、この活性なフッ素ガスをシリコン酸化膜25に接触させて行うことができる。
なお、フッ化処理は凹部22内の表面にわたって行われてもよい。
また、フッ化処理の前にシリコン酸化膜25表面にUV照射またはHF洗浄などの前処理を行っても良い。
続いて、第2蓋体31の製造方法について図面を参照して説明する。
図3は、第2蓋体の製造方法を示す模式部分断面図である。図3において、第2蓋体31は、シリコン基板30に複数個形成し、二点鎖線で示した切断線で切断することで個片化できる。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板30の表面に熱酸化によるシリコン酸化膜35を形成する。
次に、図3(b)に示すように、シリコン基板30の表面(図では上面)に凹部32を穿設する。凹部32は、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いて形成する。また、凹部32の周りの平面部33におけるシリコン酸化膜35の一部をドライエッチングにてエッチングして除去する。
次に、図3(c)に示すように、封止穴38および接続穴37を形成する。封止穴38および接続穴37の形成方法としては、ウエットエッチング、ドライエッチング、サンドブラスト等の形成手段を用いることができる。
封止穴38は、凹部32の内外を連通して、接合後にキャビティ内を減圧状態にした後封止するための穴であり、凹部32内に複数個形成してもよい。また、接続穴37は、外部接続端子41と接続するための穴であり、シリコン基板30を貫通している。
図3は、第2蓋体の製造方法を示す模式部分断面図である。図3において、第2蓋体31は、シリコン基板30に複数個形成し、二点鎖線で示した切断線で切断することで個片化できる。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板30の表面に熱酸化によるシリコン酸化膜35を形成する。
次に、図3(b)に示すように、シリコン基板30の表面(図では上面)に凹部32を穿設する。凹部32は、ウエットエッチングまたはドライエッチングを用いて形成する。また、凹部32の周りの平面部33におけるシリコン酸化膜35の一部をドライエッチングにてエッチングして除去する。
次に、図3(c)に示すように、封止穴38および接続穴37を形成する。封止穴38および接続穴37の形成方法としては、ウエットエッチング、ドライエッチング、サンドブラスト等の形成手段を用いることができる。
封止穴38は、凹部32の内外を連通して、接合後にキャビティ内を減圧状態にした後封止するための穴であり、凹部32内に複数個形成してもよい。また、接続穴37は、外部接続端子41と接続するための穴であり、シリコン基板30を貫通している。
続いて、シリコン酸化膜35の表面に、反応性フッ化ガスと水蒸気との混合ガス、または放電により発生した活性フッ素ガスを接触させフッ化処理を行い、フッ化処理層36を形成する(図3(d)、参照)。フッ化処理工程は、前述したシリコン基板20(つまり、第1蓋体21)と同じ方法で行われる。
なお、フッ化処理は、凹部32内、封止穴38内および接続穴37内の表面にわたって行われてもよい。
また、フッ化処理の前にシリコン酸化膜35表面にUV照射またはHF洗浄などの前処理を行っても良い。
なお、フッ化処理は、凹部32内、封止穴38内および接続穴37内の表面にわたって行われてもよい。
また、フッ化処理の前にシリコン酸化膜35表面にUV照射またはHF洗浄などの前処理を行っても良い。
なお、上記で説明した第1蓋体21、第2蓋体31の材料としては、シリコンの他に、水晶、石英、ガラス(ソーダガラス、ホウ珪酸ガラスなど)などの材料を利用することができる。水晶、石英、ガラスを利用する場合には、シリコン酸化膜の形成にはスパッタリング、蒸着などの手法を用いて形成すれば良い。
次に、水晶振動片の製造方法について図面を参照して説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る水晶振動片の製造方法を示し、(a)は模式部分平面図、(b)は(a)のB−B断線に沿う模式部分断面図である。
図4(a)に示すように、水晶基板10に水晶振動片11を複数個形成し、二点鎖線で示した切断線で切断することで個片化できる。
図4は、本発明の実施形態に係る水晶振動片の製造方法を示し、(a)は模式部分平面図、(b)は(a)のB−B断線に沿う模式部分断面図である。
図4(a)に示すように、水晶基板10に水晶振動片11を複数個形成し、二点鎖線で示した切断線で切断することで個片化できる。
水晶振動片11は、水晶基板10にウエットエッチングまたはドライエッチングを施して振動腕12の外形が形成される。なお、図4(a)では、水晶振動片11は音叉型を表しているが、水晶振動片11の形状は音叉に限らない。そして、振動腕12を取り囲むハッチングで示す領域Cが枠部13である。
続いて、図4(b)に示すように、水晶基板10の表裏両面に、Cr膜を下地膜とするAu膜の励振電極15a,15b、および励振電極に接続する接続電極16を形成する。このとき、枠部のハッチングで示す領域Dには電極が形成されず、水晶表面が露出している。
続いて、図4(b)に示すように、水晶基板10の表裏両面に、Cr膜を下地膜とするAu膜の励振電極15a,15b、および励振電極に接続する接続電極16を形成する。このとき、枠部のハッチングで示す領域Dには電極が形成されず、水晶表面が露出している。
次に、水晶振動子の接合工程および以降の製造方法について図面を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る水晶振動子の製造方法を示す模式部分断面図である。
まず、接合工程について説明する。接合工程では、接合面が酸素または水と接触しないように乾燥した窒素雰囲気において行われる。図5(a)に示すように、接合面がフッ化処理された第1蓋体を形成するシリコン基板20と第2蓋体を形成するシリコン基板30とを、水晶振動片を形成する水晶基板10の表裏両面に衝合する。そして、窒素雰囲気内で加熱および加圧し接合して積層体60を形成する。
図5は、本実施形態に係る水晶振動子の製造方法を示す模式部分断面図である。
まず、接合工程について説明する。接合工程では、接合面が酸素または水と接触しないように乾燥した窒素雰囲気において行われる。図5(a)に示すように、接合面がフッ化処理された第1蓋体を形成するシリコン基板20と第2蓋体を形成するシリコン基板30とを、水晶振動片を形成する水晶基板10の表裏両面に衝合する。そして、窒素雰囲気内で加熱および加圧し接合して積層体60を形成する。
図2,3で説明した、フッ化処理層26,36には、フッ化物を一部に形成するとともにフッ素が残存している。このことから、フッ素が酸素や水を構成している酸素と置換されて酸化することを防ぐために乾燥した窒素雰囲気で接合が行われる。
シリコン基板20、水晶基板10、シリコン基板30を圧接することで、残存したフッ素はシリコン酸化膜と水晶基板の間に閉じ込められる。閉じ込められたフッ素は水晶基板の内部に拡散して結晶を構成している結合手を切断すると共に、一部がシリコン酸化膜側に拡散してその結合手を切断する。このため、水晶基板とシリコン酸化膜との表層部にフリーな結合手が生じて結合し、水晶基板10とシリコン基板20,30とがシリコン酸化膜25,35を介して接合される。
シリコン基板20、水晶基板10、シリコン基板30を圧接することで、残存したフッ素はシリコン酸化膜と水晶基板の間に閉じ込められる。閉じ込められたフッ素は水晶基板の内部に拡散して結晶を構成している結合手を切断すると共に、一部がシリコン酸化膜側に拡散してその結合手を切断する。このため、水晶基板とシリコン酸化膜との表層部にフリーな結合手が生じて結合し、水晶基板10とシリコン基板20,30とがシリコン酸化膜25,35を介して接合される。
このように、加熱および加圧することで、フッ化処理されたシリコン酸化膜25,35のフッ素が水晶基板10に拡散し、シリコンと水晶が結合して良好な接合強度が得られる。
また、接合工程において、超音波加圧をすることで小さい加圧力で効率的な接合を促進させることができる。
また、接合工程において、超音波加圧をすることで小さい加圧力で効率的な接合を促進させることができる。
次に、図5(b)に示すように、接続穴37に金属から形成された導通材40を充填して接続穴37を塞ぎ、さらに水晶基板10に形成された接続電極16に接続して導通させる。
続いて、図5(c)に示すように、封止穴38を封止する。封止穴38の封止は、減圧雰囲気下において、封止材50としてAuGeボールまたはAuSnボールのような低融点の金属材料を封止穴38内に挿入した後、レーザーで溶融して行う。
続いて、図5(c)に示すように、封止穴38を封止する。封止穴38の封止は、減圧雰囲気下において、封止材50としてAuGeボールまたはAuSnボールのような低融点の金属材料を封止穴38内に挿入した後、レーザーで溶融して行う。
次に、図5(d)に示すように、第2蓋体31を多数形成するシリコン基板30の底面に外部接続端子41を形成する。外部接続端子41は導通材40に接続される位置に形成する。
そして、図5(d)の二点鎖線で示した切断線に沿って、積層体60をダイシング等の切断手段で切断し個片化して水晶振動子1を形成する(図5(e))。このようにして、図1に示した水晶振動子1が完成する。
そして、図5(d)の二点鎖線で示した切断線に沿って、積層体60をダイシング等の切断手段で切断し個片化して水晶振動子1を形成する(図5(e))。このようにして、図1に示した水晶振動子1が完成する。
なお、本実施形態の水晶振動子1では減圧雰囲気での封止を行うために封止穴38を設けたが、不活性ガス雰囲気での封止であれば封止穴を設けなくてもよい。
また、本実施形態の水晶振動子1では第1蓋体21、第2蓋体31に凹部22,32を設けたが、水晶振動片11の振動部分をエッチングして厚さを薄く形成する逆メサ型とすることで、蓋体に凹部を設けない構成としても良い。
また、本実施形態の水晶振動子1では第1蓋体21、第2蓋体31に凹部22,32を設けたが、水晶振動片11の振動部分をエッチングして厚さを薄く形成する逆メサ型とすることで、蓋体に凹部を設けない構成としても良い。
以上、本実施形態による水晶振動子1およびこの水晶振動子1の製造方法によれば、水晶振動子1は、水晶振動片11を第1蓋体21と第2蓋体31とで挟持するよう積層してパッケージングしたCSP構造であり、第1蓋体21と第2蓋体31のシリコン酸化膜25,35の表面をフッ化処理し、表面を活性化することにより接合強度を高め、高信頼性を有する接合を実現する。
また、フッ化処理は水晶振動片11には施さず第1蓋体21と第2蓋体31に施すため、水晶振動片11にはフッ化処理によるCI値上昇などの振動特性の劣化がない。
また、フッ化処理は水晶振動片11には施さず第1蓋体21と第2蓋体31に施すため、水晶振動片11にはフッ化処理によるCI値上昇などの振動特性の劣化がない。
また、第1蓋体21および第2蓋体31の材料として、シリコン、水晶、石英、ガラスの中から選択される材料を用いることで、シリコン酸化膜25,35と密着強度の良い蓋体を得ることができ、接合強度が高く、高信頼性を有する水晶振動子1を得ることができる。また、第1蓋体21および第2蓋体31を水晶で形成した場合、それぞれ要素の線膨張係数を同一にすることができ、熱変化によるパッケージの接合面にかかる応力を小さくすることができる。このことから、接合の信頼性および振動特性の良好な振動子1を提供することができる。
また、フッ化処理工程を大気圧環境で行うため、減圧または高圧環境にするためのチャンバー等の製造設備が不要となり、安価な設備でフッ化処理を行うことができる。
さらに、接合工程も大気圧環境で行うため、接合のために減圧装置等の高価な製造設備、装置を必要としない。
そして、水晶振動子1の製造方法によれば、第1蓋体21と水晶振動片11と第2蓋体31とを接合する工程を窒素雰囲気で行うことで、容易に酸素または水と接触しない環境に維持してそれぞれを接合することができる。
さらに、接合工程も大気圧環境で行うため、接合のために減圧装置等の高価な製造設備、装置を必要としない。
そして、水晶振動子1の製造方法によれば、第1蓋体21と水晶振動片11と第2蓋体31とを接合する工程を窒素雰囲気で行うことで、容易に酸素または水と接触しない環境に維持してそれぞれを接合することができる。
さらに、この水晶振動子1の製造方法によれば、シリコン酸化膜25,35の表面に、反応性フッ化ガスと水蒸気との混合ガス、または放電により発生した活性フッ素ガスを吹きかけることで、フッ素がシリコン酸化膜25,35中に取り込まれ、表面を活性化させることができる。取り込まれるフッ素の量や深さはフッ化処理の条件によるが、反応性フッ化ガスと水蒸気との混合ガス、または放電により発生した活性フッ素ガスを用いれば、条件設定がしやすいという効果もある。
1…水晶振動子、10…水晶基板、11…水晶振動片、12…振動腕、13…枠部、15a,15b…励振電極、16…接続電極、20…シリコン基板、21…第1蓋体、22…凹部、23…平面部、25…シリコン酸化膜、26…フッ化処理層、30…シリコン基板、31…第2蓋体、32…凹部、33…平面部、35…シリコン酸化膜、36…フッ化処理層、37…接続穴、38…封止穴、40…導通材、41…外部接続端子、50…封止材、60…積層体。
Claims (6)
- 振動腕と該振動腕の平面方向周囲を取り囲む枠部とを有する水晶振動片と、
前記水晶振動片の表面側を覆い前記枠部に対向する位置に平面部を備え、該平面部にシリコン酸化膜を有する第1蓋体と、
前記水晶振動片の裏面側を覆い前記枠部に対向する位置に平面部を備え、該平面部にシリコン酸化膜を有する第2蓋体と、が備えられ、
前記第1蓋体および前記第2蓋体に形成された前記シリコン酸化膜の表面がフッ化処理されており、
前記水晶振動片の前記枠部と前記第1蓋体および前記第2蓋体の前記平面部とが前記シリコン酸化膜を介して接合されていることを特徴とする水晶振動子。 - 請求項1に記載の水晶振動子において、
前記第1蓋体および前記第2蓋体がシリコン、水晶、石英、ガラスの中から選択される材料で形成されていることを特徴とする水晶振動子。 - 振動腕と該振動腕の平面方向周囲を取り囲む枠部とを有する水晶振動片を形成する工程と、
前記水晶振動片の表面側の前記枠部に対向する平面部を備え、該平面部にシリコン酸化膜を有する第1蓋体を形成する工程と、
前記水晶振動片の裏面側の前記枠部に対向する平面部を備え、該平面部にシリコン酸化膜を有する第2蓋体を形成する工程と、
前記第1蓋体および前記第2蓋体の前記シリコン酸化膜の表面をフッ化処理する工程と、
前記第1蓋体と前記水晶振動片と前記第2蓋体とを順に積層して酸素または水と接触しないように維持しつつ、それぞれを接合する工程と、
を含むことを特徴とする水晶振動子の製造方法。 - 請求項3に記載の水晶振動子の製造方法において、
前記フッ化処理する工程および前記接合する工程が大気圧環境下で行うことを特徴とする水晶振動子の製造方法。 - 請求項3に記載の水晶振動子の製造方法において、
前記第1蓋体と前記水晶振動片と前記第2蓋体とを接合する工程が、窒素雰囲気で行うことを特徴とする水晶振動子の製造方法。 - 請求項3乃至5のいずれか一項に記載の水晶振動子の製造方法において、
前記フッ化処理が、反応性フッ化ガスと水蒸気との混合ガス、または放電により発生した活性フッ素ガスを前記酸化シリコン膜の表面に接触させることにより行われることを特徴とする水晶振動子の製造方法。
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JP2007046584A JP2008211543A (ja) | 2007-02-27 | 2007-02-27 | 水晶振動子および水晶振動子の製造方法 |
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WO2010035457A1 (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-01 | 日本電波工業株式会社 | 圧電デバイスとその製造方法 |
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JP2011061417A (ja) * | 2009-09-09 | 2011-03-24 | Nippon Dempa Kogyo Co Ltd | 圧電振動デバイス及びその圧電振動デバイスの製造方法 |
-
2007
- 2007-02-27 JP JP2007046584A patent/JP2008211543A/ja not_active Withdrawn
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