上述のようなMFPは、オフィスなどに設置されて複数のユーザによって利用される場合が多い。複数のユーザがそれぞれ所有するUSBメモリに、スキャナ機能により読み取った原稿の画像データを記憶させたい場合、従来のMFPでは、一のUSBメモリに記憶させた画像データをPCなどにて他のUSBメモリへコピーする、又は一の原稿を複数回読み取ってそれぞれのUSBメモリに記憶させる等の必要があった。これらの作業はユーザにとって非常に煩わしいものであり、改善策が望まれていた。
特許文献1に記載の掲示板機能付通信端末装置は、装置内に設けられたメモリ内の複数のメモリボックスに自動的に画像データを蓄積するものであり、上述の問題に対する改善策となるものではない。なぜなら、この掲示板機能付通信端末装置は、画像データの蓄積先などの情報を予め設定し、この設定に基づいて画像データを自動的に蓄積する構成であるが、USBメモリなどの記憶媒体は装置に常時装着されている場合は少なく、画像データを記憶させる場合にのみ装置に装着される可能性が高いためである。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、USBメモリなどの外部記憶媒体を複数装着可能とし、一の原稿を読み取って取得した画像データを、装着された複数の外部記憶媒体のうちの一部又は全部の外部記憶媒体へ記憶させる構成とすることにより、一度の原稿読み取りによって得られた画像データを複数の外部記憶媒体へ同時的に記憶させることができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、装着された複数の外部記憶媒体からユーザにいくつかの外部記憶媒体を選択させ、ユーザの選択に応じた外部記憶媒体に画像データを記憶させる構成とすることにより、複数の外部記憶媒体が装着されている場合であっても、ユーザが望むいくつかの外部記憶媒体にのみ画像データを同時的に記憶させることができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、装着された複数の外部記憶媒体をユーザが選択するための選択肢として表示し、ユーザから複数の外部記憶媒体の選択を受け付けて、複数の外部記憶媒体に画像データを記憶させる構成とすることにより、ユーザが表示された選択肢から外部記憶媒体を選択して簡単に画像データを記憶させることができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、装着された外部記憶媒体の空き容量を取得し、空き容量に応じた順序で外部記憶媒体を選択肢として表示する構成とすることにより、画像データを記憶させる外部記憶媒体の選択をユーザが容易に行うことができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、装着された外部記憶媒体のアクセス速度を取得し、アクセス速度に応じた順序で外部記憶媒体を選択肢として表示する構成とすることにより、画像データを記憶させる外部記憶媒体の選択をユーザが容易に行うことができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、外部記憶媒体が装着されたことを検出した場合に、装着を検出した外部記憶媒体の空き容量又はアクセス速度等の取得を行う構成とすることにより、ユーザへの選択肢の表示に必要な情報を予め確実に取得することができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、ユーザから画像データの記憶数を受け付け、装着された複数の外部記憶媒体から受け付けた記憶数の外部記憶媒体を選択して画像データを記憶させる構成とすることにより、画像データを自動的にユーザが望む数の外部記憶媒体へ記憶させることができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、装着された外部記憶媒体の空き容量を取得して、空き容量に応じてユーザから受け付けた記憶数の外部記憶媒体を選択する構成とすることにより、それぞれの外部記憶媒体の使用状況に適した選択を行って画像データを記憶させることができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、装着された外部記憶媒体のアクセス速度を取得して、アクセス速度に応じてユーザから受け付けた記憶数の外部記憶媒体を選択する構成とすることにより、それぞれの外部記憶媒体の特性に適した選択を行って画像データを記憶させることができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、一の原稿を読み取って取得した画像データを、順次的に装着される複数の外部記憶媒体へ順次記憶させる構成とすることにより、外部記憶媒体を一つしか装着できない場合であっても、一度の原稿読み取りによって得られた画像データを複数の外部記憶媒体へ順次記憶させることができる画像処理装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、ユーザから画像データの記憶数を受け付け、装着を検出した外部記憶媒体への画像データの記憶と、外部記憶媒体の交換を促すメッセージの出力とを、受け付けた記憶数に応じて繰り返し行う構成とすることにより、複数の外部記憶媒体へ順次的に画像データを記憶させる場合に、ユーザによる誤操作が発生しにくい画像処理装置を提供することにある。
第1発明に係る画像処理装置は、外部記憶媒体の着脱が可能な装着部と、原稿を読み取って画像データを取得する原稿読取手段と、該原稿読取手段が取得した画像データを前記装着部に装着された外部記憶媒体に記憶させる記憶制御手段とを備える画像処理装置において、前記装着部は複数の外部記憶媒体を装着できるようにしてあり、前記記憶制御手段は、前記原稿読取手段が読み取った一の原稿に係る画像データを、前記装着部に装着された複数の外部記憶媒体のうちの一部又は全部の外部記憶媒体にそれぞれ記憶させるようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、画像処理装置に複数の外部記憶媒体を装着することを可能とし、装着された複数の外部記憶媒体のうちの一部又は全部の外部記憶媒体へ、一度の原稿読み取りによって得られた画像データを同時的に記憶させる。これにより、ユーザは複数の外部記憶媒体に画像データを記憶させたい場合に、原稿の読み取りを複数回行う必要がなく、又は、一の外部記憶媒体に記憶されたデータをPCなどを用いてコピーする必要がない。
また、第2発明に係る画像処理装置は、前記装着部に装着された外部記憶媒体から、複数の外部記憶媒体の選択を受け付けることが可能な受付手段を備え、前記記憶制御手段は、前記原稿読取手段が読み取った一の原稿に係る画像データを、前記受付手段が受け付けた選択に係る外部記憶媒体にそれぞれ記憶させるようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、装着された複数の外部記憶媒体からユーザにいくつかの外部記憶媒体を選択させ、受け付けた選択に係る外部記憶媒体へ画像データを記憶させる。画像処理装置に複数の外部記憶媒体が装着されている場合であっても、ユーザはこの中からいくつかを選択し、選択した外部記憶媒体にのみ画像データを記憶させることが可能となる。
また、第3発明に係る画像処理装置は、前記装着部に装着された外部記憶媒体を選択肢として表示する表示手段を備え、前記受付手段は、前記表示手段が表示した選択肢から、複数の外部記憶媒体の選択を受け付けるようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、例えば、装着された複数の外部記憶媒体の名称又は番号等を選択肢として一覧表示し、ユーザが一覧表示された名称又は番号等から外部記憶媒体を複数選択することを可能とする。これにより、ユーザは複数の外部記憶媒体から画像データを記憶させる外部記憶媒体を簡単に選択することができる。
また、第4発明に係る画像処理装置は、前記装着部に装着された外部記憶媒体の空き容量を取得する取得手段を備え、前記表示手段は、前記取得手段の取得結果に応じて、外部記憶媒体を順序付けて選択肢として表示するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、装着された外部記憶媒体の空き容量を調べ、例えば外部記憶媒体の名称又は番号等を選択肢として一覧表示する場合に、空き容量の大きい順又は小さい順に表示を行う。これにより、ユーザは容量の大きい画像データを記憶させる場合に、確実に画像データを記憶することができる外部記憶媒体を簡単に選択することができる。
また、第5発明に係る画像処理装置は、前記装着部に装着された外部記憶媒体のアクセス速度を取得する取得手段を備え、前記表示手段は、前記取得手段の取得結果に応じて、外部記憶媒体を順序付けて選択肢として表示するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、装着された外部記憶媒体のアクセス速度を調べ、例えば外部記憶媒体の名称又は番号等を選択肢として一覧表示する場合に、アクセス速度の速い順又は遅い順に表示を行う。これにより、ユーザは容量の大きい画像データを記憶させる場合に、画像データの記憶をより早く完了することができる外部記憶媒体を簡単に選択することができる。
また、第6発明に係る画像処理装置は、前記装着部への外部記憶媒体の装着を検出する検出手段を備え、前記取得手段は、前記検出手段が装着を検出した場合に、装着を検出した外部記憶媒体について取得を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、画像処理装置への外部記憶媒体の装着を検出し、外部記憶媒体が装着されたことを検出した場合に、外部記憶媒体の空き容量又はアクセス速度等を調べる。これらの情報を外部記憶媒体の装着時に予め調べておくことにより、例えば外部記憶媒体の名称又は番号等を選択肢として一覧表示するときに、空き容量又はアクセス速度等を調べる必要がなく、より高速に表示を行うことが可能となる。
また、第7発明に係る画像処理装置は、前記原稿読取手段が読み取った一の原稿に係る画像データの記憶数を受け付ける受付手段と、前記装着部に装着された外部記憶媒体から、前記受付手段が受け付けた記憶数の外部記憶媒体を選択する選択手段とを備え、前記記憶制御手段は、前記原稿読取手段が読み取った一の原稿に係る画像データを、前記選択手段が選択した外部記憶媒体にそれぞれ記憶させるようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、読み取った原稿の画像データをいくつの外部記憶媒体に記憶させるかを記憶数として受け付け、受け付けた記憶数の外部記憶媒体を自動的に選択し、選択した外部記憶媒体に画像データを記憶させる。外部記憶媒体を特に指定する必要がなく、装着された複数の外部記憶媒体のいずれかに画像データを記録すればよい場合に、ユーザによる外部記憶媒体の選択の手間を省略することができる。
また、第8発明に係る画像処理装置は、前記装着部に装着された外部記憶媒体の空き容量を取得する取得手段を備え、前記選択手段は、前記取得手段の取得結果に応じて選択を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、装着された外部記憶媒体の空き容量を調べ、例えば空き容量の大きい順に、ユーザから受け付けた記憶数の外部記憶媒体を選択する。これにより、ユーザが容量の大きい画像データを記憶させる場合に、確実に画像データを記憶することができる外部記憶媒体を自動的に選択することができる。
また、第9発明に係る画像処理装置は、前記装着部に装着された外部記憶媒体のアクセス速度を取得する取得手段を備え、前記選択手段は、前記取得手段の取得結果に応じて選択を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、装着された外部記憶媒体のアクセス速度を調べ、例えばアクセス速度の速い順に、ユーザから受け付けた記憶数の外部記憶媒体を選択する。これにより、ユーザが容量の大きい画像データを記憶させる場合に、画像データの記憶をより早く完了することができる外部記憶媒体を自動的に選択することができる。
また、第10発明に係る画像処理装置は、外部記憶媒体の着脱が可能な装着部と、原稿を読み取って画像データを取得する原稿読取手段と、該原稿読取手段が取得した画像データを前記装着部に装着された外部記憶媒体に記憶させる記憶制御手段とを備える画像処理装置において、前記記憶制御手段は、前記原稿読取手段が読み取った一の原稿に係る画像データを、前記装着部に順次的に装着された複数の外部記憶媒体にそれぞれ記憶させるようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、画像データを複数の外部記憶媒体へ記憶させる場合に、外部記憶媒体を順次的に画像処理装置に装着するようにし、順次的に装着される外部記憶媒体へ読み取った画像データを順次記憶させる。これにより、装着可能な外部記憶媒体の数が少ない機器であっても、一度の原稿読み取りで、装着数以上の外部記憶媒体へ画像データを記憶させることが可能となる。
また、第11発明に係る画像処理装置は、前記原稿読取手段が読み取った一の原稿に係る画像データの記憶数を受け付ける受付手段と、前記記憶制御手段による外部記憶媒体への画像データの記憶が終了した場合に、外部記憶媒体の交換を促すメッセージを出力する出力手段と、前記装着部への外部記憶媒体の装着を検出する検出手段とを備え、前記受付手段が受け付けた記憶数に応じて、前記検出手段による検出と、前記記憶制御手段による画像データの記憶と、前記出力手段によるメッセージの出力とを繰り返して行うようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、読み取った原稿の画像データをいくつの外部記憶媒体に記憶させるかを記憶数として受け付ける。装着を検出した外部記憶媒体へ画像データを記憶させ、記憶の完了後に外部記憶媒体の交換を促すメッセージを出力し、これに応じてユーザが行う交換による画像処理装置への外部記憶媒体の装着を検出する。記憶、メッセージ出力及び装着の検出を、受け付けた記憶数に応じて順次的に繰り返すことによって、ユーザは複数の外部記憶媒体への画像データの記憶を、外部記憶媒体を順次装着して簡単に行うことができ、外部記憶媒体の交換に伴って誤操作が発生することを防止できる。
第1発明による場合は、複数の外部記憶媒体を装着することを可能とし、装着された複数の外部記憶媒体のうちの一部又は全部の外部記憶媒体へ、一度の原稿読み取りによって得られた画像データを同時的に記憶させる構成とすることにより、原稿の読み取りを複数回行うことなく、且つ、一の外部記憶媒体に記憶されたデータをPCなどを用いてコピーすることなく、一度の原稿読み取りによって得られた画像データを複数の外部記憶媒体へ記憶させることができるため、画像処理装置の利便性を向上することができる。
また、第2発明による場合は、ユーザに装着された複数の外部記憶媒体からいくつかの外部記憶媒体を選択させ、ユーザの選択に応じた外部記憶媒体に画像データを記憶させる構成とすることにより、画像処理装置に複数の外部記憶媒体が装着されている場合であっても、ユーザが望むいくつかの外部記憶媒体にのみ画像データを記憶させることができるため、画像データを記憶させる必要がない外部記憶媒体を画像処理装置から外す必要がなく、画像処理装置の利便性をより向上することができる。
また、第3発明による場合は、装着された複数の外部記憶媒体の名称又は番号等を一覧表示などにより選択肢として表示し、受け付けたユーザの選択に応じて複数の外部記憶媒体に画像データを記憶させる構成とすることにより、表示された選択肢からユーザは画像データを記憶させる外部記憶媒体を簡単に選択することができるため、画像処理装置の操作性を向上できる。
また、第4発明による場合は、装着された外部記憶媒体の空き容量を調べ、空き容量に応じた順序で外部記憶媒体を選択肢として表示する構成とすることにより、ユーザは容量の大きい画像データを記憶させる場合などに、外部記憶媒体の選択を容易に行うことができ、確実に画像データを記憶することができる。よって、画像処理装置の利便性をより向上することができる。
また、第5発明による場合は、装着された外部記憶媒体のアクセス速度を調べ、アクセス速度に応じた順序で外部記憶媒体を選択肢として表示する構成とすることにより、ユーザは容量の大きい画像データを記憶させる場合などに、外部記憶媒体の選択を容易に行うことができ、画像データの記憶をより早く完了することができる。よって、画像処理装置の利便性をより向上することができる。
また、第6発明による場合は、外部記憶媒体が装着されたことを検出した場合に、装着を検出した外部記憶媒体の空き容量又はアクセス速度等を調べる構成とすることにより、これらの情報を予め確実に取得することができ、外部記憶媒体の名称又は番号等を空き容量又はアクセス速度等の順に選択肢として一覧表示する場合などに、空き容量又はアクセス速度等を調べる必要がないため、表示をより高速に行うことができる。よって、画像処理装置の利便性をより向上することができる。
また、第7発明による場合は、読み取った原稿の画像データをいくつの外部記憶媒体に記憶させるかを記憶数として受け付け、受け付けた記憶数の外部記憶媒体を自動的に選択し、選択した外部記憶媒体に画像データを記憶させる構成とすることにより、画像データを自動的にユーザが望む数の外部記憶媒体へ記憶させることができ、ユーザによる外部記憶媒体の選択の手間を省略することができるため、画像処理装置の操作性をより向上することができる。
また、第8発明による場合は、装着された外部記憶媒体の空き容量を調べ、空き容量に応じてユーザから受け付けた記憶数の外部記憶媒体を選択する構成とすることにより、例えばユーザが容量の大きい画像データを記憶させる場合に、確実に画像データを記憶できる外部記憶媒体を自動的に選択することができるため、外部記憶媒体の使用状況に適した選択を行って画像データを記憶させることができ、画像処理装置の利便性をより向上することができる。
また、第9発明による場合は、装着された外部記憶媒体のアクセス速度を調べ、アクセス速度に応じてユーザから受け付けた記憶数の外部記憶媒体を選択する構成とすることにより、例えばユーザが容量の大きい画像データを記憶させる場合に、画像データの記憶をより早く完了することができる外部記憶媒体を自動的に選択することができるため、外部記憶媒体の特性に適した選択を行って画像データを記憶させることができ、画像処理装置の利便性をより向上することができる。
また、第10発明による場合は、画像データを複数の外部記憶媒体へ記憶させる場合に、外部記憶媒体を順次的に画像処理装置に装着するようにし、順次的に装着される外部記憶媒体へ読み取った画像データを順次記憶させる構成とすることにより、装着可能な外部記憶媒体の数が少ない機器であっても、一度の原稿読み取りによって得られた画像データを複数の外部記憶媒体へ順次記憶させることができるため、画像処理装置の利便性を向上することができる。
また、第11発明による場合は、読み取った原稿の画像データをいくつの外部記憶媒体に記憶させるかを記憶数として受け付け、装着を検出した外部記憶媒体への画像データの記憶と、外部記憶媒体の交換を促すメッセージの出力とを、受け付けた記憶数に応じて繰り返し行う構成とすることにより、ユーザは外部記憶媒体を順次装着して画像データの記憶を簡単に行うことができ、外部記憶媒体の交換に伴って誤操作が発生することを防止できるため、画像処理装置の操作性を向上することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。なお、本実施の形態においては、画像処理装置としてMFPを例に説明を行う。図1は、本発明に係るMFPを含むネットワークの構成例を示す模式図である。図において1は、PSTN(Public Switched Telephone Network、公衆電話回線網)を介してデータの送受信を行うファクシミリ機能、原稿の複写を行うコピー機能、LAN(Local Area Network)を介して与えられた画像データを印刷用紙などの記録媒体に記録するプリンタ機能、及び原稿を読み取って画像データを取得するスキャナ機能等の複数の機能を備えるMFPである。MFP1は、LANを介して複数のPC(パーソナルコンピュータ)2、2…と接続されており、PC2、2…からのデータを受信してプリンタ機能により記録媒体に記録することができ、スキャナ機能によって読み取った原稿の画像データをPC2、2…へ送信することができるようにしてある。また、MFP1は、PSTNを介して外部のMFP3及びファクシミリ装置4等と接続されており、これらの装置との間で音声信号による画像データの送受信を行うことができるようにしてある。
図2は、本発明の実施の形態1に係るMFP1の構成を示すブロック図である。MFP1は、CPU又はMPU等で構成してある制御部10を備えている。制御部10は、バス10aを介して、ROM11、RAM12、NCU(Network Control Unit)13、モデム14、原稿読取部15、画像メモリ16、画像形成部17、操作部18、操作パネル19、LANに接続するためのLANインタフェース20、及びHDD(ハードディスクドライブ )21等に接続されている。
また、MFP1には、外部記憶媒体であるUSBメモリ5及びSD(Secure Digital)メモリカード6をそれぞれ2つずつ装着することができるようにしてある。USBメモリ5はMFP1に備えられた装着ポート22aに装着するようにしてあり、制御部10及びその他のMFP1の各部は、バス10aに接続されたUSBインタフェース22を介して、装着ポート22aに装着されたUSBメモリ5との間でデータの送受信を行うことができるようにしてある。同様に、SDメモリカード6はMFP1に備えられた装着ポート23aに装着するようにしてあり、制御部10及びその他のMFP1の各部は、バス10aに接続されたSDメモリカードインタフェース23を介して、装着ポート23aに装着されたSDメモリカード6との間でデータの送受信を行うことができるようにしてある。
制御部10は、ROM11に予め記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、MFP1内のハードウェア各部の動作を制御すると共に、種々のソフトウェア的機能を実現する。ROM11は、MFP1の動作に必要な種々のソフトウェアの制御プログラムを予め記憶しており、マスクROM、EEPROM又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ素子により構成してある。RAM12は、制御部10が各部の制御処理又は演算処理等を行う際に発生する一時的なデータを記憶するものであり、SRAM、DRAM又はフラッシュメモリ等の書き換え可能なメモリ素子により構成してある。
NCU13は、PSTNとの回線の閉結及び開放の動作を行うハードウェアであり、PSTNとモデム14とのインタフェース回路を有している。モデム14は、PSTNを介して他のMFP3又はファクシミリ装置4等とファクシミリ通信を行うためのハードウェアであり、ファクシミリ通信によりデータの送信を行う場合には、原稿を読み取って得られた画像データをアナログの音声信号に変換して送信し、データの受信を行う場合には、PSTNを介して受信したアナログの音声信号をデジタルの画像データに変換するようにしてある。
MFP1は、コピー機能、ファクシミリ機能及びスキャナ機能等を利用する際に原稿の読み取りを行う原稿読取部15と、コピー機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等を利用する際に記録媒体へ画像を形成する画像形成部17とを備えている。原稿読取部15は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を利用した光学系で原稿を読み取り、原稿を読み取ることにより取得した画像データを画像メモリ16に記憶させるようにしてある。また、図示は省略するが、原稿読取部15はADF(Auto Document Feeder、原稿自動送り装置)を有しており、複数頁の原稿を自動的に読み取ることができるようにしてある。
画像メモリ16は、モデム14及びNCU13を介したファクシミリ通信により受信した画像データ、及び原稿読取部15により読み取った画像データを一時的に記憶するようにしてあり、DRAM又はフラッシュメモリ等の大容量のメモリ素子で構成してある。画像形成部17は、例えば電子写真方式のプリンタ装置であって、画像メモリ16から画像データを読み出して、画像データに基づく画像を、A3縦、B4縦、A4縦、B5横及びA5横等の各サイズの記録用紙などの記録媒体から最適なサイズのものを選択し、ハードコピーとして記録するようにしてある。
操作パネル19は、液晶ディスプレイなどによる表示部と、この表示部への接触を検知するタッチセンサとを有する所謂タッチパネルの構成をなしている。操作パネル19の表示部には、MFP1の動作状態、MFP1の動作をユーザが選択するための選択メニュー、動作に係る設定値をユーザが設定するための設定メニュー、及びユーザに通知するための情報等を表示するようにしてある。操作パネル19の表示部に選択メニュー又は設定メニュー等が表示されている場合、ユーザが表示部に触れることでタッチセンサがこれを検知し、メニューの選択又は動作の設定等を行うことができるようにしてある。操作パネル19は、制御部10からの指示により表示部に各種の表示を行うと共に、タッチセンサによる検知結果を制御部10へ与えるようにしてある。操作部18は、操作パネル19により行う操作とは別の内容の操作を行うための複数のキー、ボタン又はスイッチ等で構成されており、例えば、原稿の読取の開始を指示するスタートキー、各種の処理の中断を指示するストップキー、数値を入力するテンキー、短縮ダイヤルキー及び各種のファンクションキー等を備えている。
LANインタフェース20は、所謂LANケーブルを接続するためのコネクタを有しており、コネクタに接続されたLANケーブルを介して社内LAN又は家庭内LAN等のLANに接続し、PC2、2…との間でデータの送受信を行うものである。また、MFP1は、記憶容量の大きいHDD21を備えており、ファクシミリ通信により外部から受信した画像データ、原稿読取部15により原稿から読み取った画像データ、及びLANを介してPC2、2…から受信した画像データを適宜HDD21に記憶させて各種の処理を並行して行うことができるようにしてある。
MFP1に2つ備えられたUSBインタフェース22は、装着ポート22aに装着されたUSBメモリ5と、バス10aを介して接続されたMFP1の各部との間でデータの送受信を可能とするためのハードウェアである。具体的には、バス10aを介したデータの送受信はパラレル通信で行われており、USBメモリ5はシリアル通信によりデータの送受信を行う外部記憶媒体であるため、USBインタフェース22にてパラレル−シリアル変換、及びシリアル−パラレル変換を行うようにしてある。また、装着ポート22aにUSBメモリ5が装着されたことを検出して、制御部10へ通知する機能を有している。MFP1に2つ備えられたSDメモリカードインタフェース23も同様に、シリアル通信によりデータの送受信を行うSDメモリカード6との間でデータの送受信を可能とするために、パラレル−シリアル変換、及びシリアル−パラレル変換を行うようにしてある。また、装着ポート23aにSDメモリカード6が装着されたことを検出して、制御部10へ通知する機能を有している。
MFP1のコピー機能は、原稿読取部15にて原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データに基づく画像を画像形成部17にて記録媒体に形成することで実現される。ファクシミリ機能は、原稿読取部15にて原稿を読み取って得られた画像データをモデム14へ与え、モデム14及びNCU13によりPSTNを介して外部のMFP3又はファクシミリ装置4等へ画像データを送信し、また、外部のMFP3又はファクシミリ装置4から受信した画像データをモデム14から画像形成部17へ与え、画像形成部17にて記録媒体に画像を形成することで実現される。プリンタ機能は、PC2、2…からLANを介して受信した画像データを、LANインタフェース20から画像形成部17へ与え、画像形成部17にて記録媒体に画像を形成することで実現される。なお、これらの処理を行う際に、画像データを一時的に蓄積するバッファとして画像メモリ16を使用するようにしてある。
MFP1のスキャナ機能は、原稿読取部15にて原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データをLANインタフェース20からLANを介してPC2、2…へ送信することで実現される。また、本発明に係るMFP1は、原稿読取部15にて原稿を読み取って取得した画像データを、外部記憶媒体であるUSBメモリ5及びSDメモリカード6へ記憶させることで、LANを介さずにスキャナ機能を利用することを可能としている。特に、MFP1は2つのUSBメモリ5及び2つのSDメモリカード6を装着することが可能であり、一度の原稿の読み取りにより取得した画像データを複数の外部記憶媒体に同時的に記憶させることができる。
図3乃至図5は、本発明の実施の形態1に係るMFP1の操作パネル19に表示される表示画面の構成例を示す模式図であり、図3(a)は、MFP1のスキャナ機能を利用する際の待機画面の例を示している。MFP1は、原稿を読み取る際の設定条件として、画質、濃度、解像度及び読取サイズをユーザが設定することができるようにしてある。よって、待機画面には、画質の設定を行うための画質キー51と、濃度の設定を行うための濃度キー52と、解像度の設定を行うための解像度キー53と、読取サイズの設定を行うための読取サイズキー54とが表示してあり、表示されたキーにユーザが触れることによって設定条件の変更を行うことができるようにしてある。
また、スキャナ機能を利用する際の待機画面には、原稿を読み取って取得した画像データを記憶する場合のファイル名を設定するためのファイル名キー55が表示してある。MFP1は、ユーザによりファイル名キー55が操作された場合、操作パネル19にソフトキーボードを表示し、任意のファイル名の入力を受け付けるようにしてある。なお、ファイル名が入力されない場合は、制御部10が、例えば日時情報に基づいてファイル名を決定するようにしてある。
また、スキャナ機能を利用する際の待機画面には参照キー56が表示してあり、ユーザによって参照キー56が操作された場合、MFP1は、装着ポート22a及び23aに装着された外部記憶媒体の選択、並びに外部記憶媒体の画像データ記憶先となるフォルダの選択等を行うためのフォルダ指定画面(図3(b)参照)を表示するようにしてある。このフォルダ指定画面には、外部記憶媒体の選択及びフォルダの選択を確定させる確定キー61と、選択をキャンセルするキャンセルキー62と、ポート番号及び外部記憶媒体の名称等の識別情報が記載された媒体選択キー63と、媒体選択キー63に並べられた参照キー64と、フォルダ指定画面の表示方法を切り替えるための表示切替キー65とが表示してある。なお、媒体選択キー63及び参照キー64は、MFP1に装着された外部記憶媒体の数に応じて表示数が増減するようにしてあり、図3(b)に示す例では2つのUSBメモリ5と2つのSDメモリカード6とが装着されている場合を図示してある。
また、MFP1は、外部記憶媒体が装着された場合に、装着された外部記憶媒体の空き容量を取得してRAM12に記憶するようにしてあり、フォルダ指定画面の媒体選択キー63には、外部記憶媒体の識別情報と共に、取得した空き容量を表示するようにしてある。また、複数の外部記憶媒体が装着されている場合には、各外部記憶媒体の空き容量が大きい順に上から下へ、各外部記憶媒体を選択する媒体選択キー63を並べて表示するようにしてある。
更に、MFP1は、外部記憶媒体が装着された場合に、装着された外部記憶媒体のアクセス速度を取得してRAM12に記憶するようにしてある。アクセス速度の取得は、例えば、ダミーのデータを外部記憶媒体に記憶させ、このときの所要時間を計測することで取得することが可能である。フォルダ指定画面の表示切替キー65がユーザにより操作された場合、媒体選択キー63には、外部記憶媒体の識別情報と共に、取得したアクセス速度を空き容量に代えて表示するようにしてある。また、複数の外部記憶媒体が装着されている場合には、各外部記憶媒体のアクセス速度の速い順に上から下へ媒体選択キー63を並べ替えて表示するようにしてある(図4(c)参照)。なお、空き容量の表示とアクセス速度の表示とは、表示切替キー65を操作する毎に切り替わるようにしてある。
なお、このとき取得した空き容量及びアクセス速度等の情報は、RAM12に外部記憶媒体の管理リストとして記憶するようにしてある。図6は、外部記憶媒体の管理リストの構成を示す模式図である。管理リストには、外部記憶媒体が装着される装着ポート22a及び23aに付されたポート番号と、装着されている外部記憶媒体の名称と、取得した空き容量及びアクセス速度とが対応付けて記憶してある。これらの情報は、外部記憶媒体が装着された場合にMFP1が自動的に取得して管理リストに登録し、外部記憶媒体が外された場合に自動的に管理リストから削除するようにしてある。
ユーザが外部記憶媒体の選択を行う場合には、いずれかの媒体選択キー63に触れることで選択を行うことができるようにしてある。ユーザが媒体選択キー63に触れた場合、媒体選択キーに表示された識別情報と空き容量又はアクセス速度とが白黒反転表示されて選択状態となる(図4(d)参照)。図4(d)は、名称が”USBメモリα”及び”USBメモリβ”の2つのUSBメモリ5を選択した状態を図示してある。外部記憶媒体は複数個(1〜4個)を選択することができ、選択した複数の外部記憶媒体の全てに画像データを記憶させることができるようにしてある。また、媒体選択キー63に並べて表示された参照キー64をユーザが操作した場合には、MFP1は対応する外部記憶媒体のフォルダ構成をツリー状に表示し(図示は省略する)、画像データを記憶させるフォルダを選択することができるようにしてある。
画像データを記憶させる外部記憶媒体及びフォルダを選択し、原稿読取部15に原稿をセットした後、ユーザは操作部18に設けられたスタートキーを操作することにより、原稿の読取処理を開始させ、原稿を読み取って取得した画像データを選択した全ての外部記憶媒体の選択したフォルダに記憶させることができる。
また、MFP1においては、複数の外部記憶媒体が装着されている場合に、ユーザがいずれの外部記憶媒体に画像データを記憶させるかを特定することなく、原稿を読み取って取得した画像データを記憶させる外部記憶媒体の数を指定するのみで、指定した数の外部記憶媒体をMFP1に自動的に選択させ、指定した数の外部記憶媒体に自動的に画像データを記憶させることができるようにしてある。図3(a)に示す待機画面には数指定キー57が表示してあり、ユーザは数指定キー57を操作することによってこの処理をMFP1に行わせることができる。
数指定キー57が操作された場合、MFP1は操作パネル19に数指定ウインドウ70を表示するようにしてある(図5(e)参照)。数指定ウインドウ70には、外部記憶媒体の装着数に応じて数選択キー71を並べて表示し、ユーザがいずれかの数選択キー71を操作することで、画像データを記憶させる外部記憶媒体の数を指定することができるようにしてある。また、数指定ウインドウ70には、MFP1が複数の外部記憶媒体から指定された数の外部記憶媒体を自動的に選択する際の条件を設定するための条件設定キー72を2つ表示し、ユーザが”空き容量優先”又は”アクセス速度優先”のいずれかの条件を設定することができるようにしてある。MFP1は、数指定ウインドウ70に表示した確定キー73がユーザにより操作された場合には、選択された数及び条件設定を確定し、キャンセルキー74が操作された場合には、選択された数及び条件設定を破棄して、数指定ウインドウ70を非表示にするようにしてある。外部記憶媒体の数及び選択の条件設定の確定後、MFP1は図6に示す管理リストを参照し、自動的に画像データを記憶させる外部記憶媒体の選択を行うようにしてある。
数指定ウインドウ70にて外部記憶媒体の数及び条件設定を確定した後、ユーザは操作部18に設けられたスタートキーを操作することにより、原稿の読取を開始させ、原稿を読み取って取得した画像データをMFP1が自動的に選択した外部記憶媒体へ記憶させることができる。なお、図3(a)に示す待機画面の参照キー56による外部記憶媒体の選択、及び数指定キー57による外部記憶媒体の数の指定が共に行われずに、ユーザにより操作部18に設けられたスタートキーが操作された場合には、MFP1は原稿を読み取って取得した画像データを、装着された全ての外部記憶媒体に記憶させるようにしてある。
図7は、本発明に係るMFP1の制御部10が外部記憶媒体の装着時に行う処理の手順を示すフローチャートである。制御部10は、装着ポート22a又は23aのいずれかにUSBメモリ5又はSDメモリカード6の外部記憶媒体が装着されたか否かを調べ(ステップS1)、外部記憶媒体が装着されていない場合(S1:NO)、外部記憶媒体が装着されるまで待機する。装着ポート22a又は23aに外部記憶媒体が装着された場合(S1:YES)、装着された外部記憶媒体の空き容量を取得し(ステップS2)、アクセス速度を取得する(ステップS3)。次いで、取得した空き容量及びアクセス速度をRAM12内の管理リストに記憶し(ステップS4)、処理を終了する。
図8は、本発明の実施の形態1に係るMFP1の制御部10が行う原稿の読取処理の手順を示すフローチャートであり、読み取って取得した画像データを外部記憶媒体に記憶させる場合の処理を示してある。まず、制御部10は、操作部18に設けられたスタートキーがユーザにより操作されたか否かを調べ(ステップS21)、スタートキーが操作されていない場合(S21:NO)、スタートキーが操作されるまで待機する。
スタートキーが操作された場合(S21:YES)、図3及び図4に示す表示画面による外部記憶媒体の選択がユーザにより行われているか否かを調べる(ステップS22)。外部記憶媒体の選択が行われている場合(S22:YES)、ユーザにより選択された一又は複数の外部記憶媒体を画像データの記憶先に設定する(ステップS23)。外部記憶媒体の選択が行われていない場合(S22:NO)、更に、図5に示す表示画面による外部記憶媒体の数の指定がユーザにより行われているか否かを調べる(ステップS24)。外部記憶媒体の数の指定が行われている場合(S24:YES)、空き容量優先又はアクセス速度優先のいずれかの設定された条件にて、指定された数の外部記憶媒体の選択を行い(ステップS25)、選択した指定数の外部記憶媒体を画像データの記憶先に設定する(ステップS26)。外部記憶媒体の数の指定が行われていない場合(S24:NO)、装着された全ての記憶媒体を画像データの記憶先に設定する(ステップS27)。
ステップS23、S26又はS27にて記憶先を設定した後、原稿読取部15にて原稿を読み取って(ステップS28)、取得した画像データを画像メモリ16に蓄積し(ステップS29)、全ての原稿の読み取りを終了したか否かを調べる(ステップS30)。全ての原稿の読み取りを終了していない場合(S30:NO)、ステップS28へ戻り、原稿の読み取りを継続して行う。全ての原稿の読み取りを終了した場合(S30:YES)、記憶先として設定した一又は複数の外部記憶媒体へ、画像メモリ16に蓄積した画像データを記憶させ(ステップS31)、処理を終了する。
以上の構成のMFP1においては、一度の原稿読取で複数の外部記憶媒体に画像データを記憶させることができるため、ユーザが原稿読取を複数回行う必要がなく、また、ユーザが他のPCなどを利用して画像データをコピーする必要がない。また、MFP1に複数の外部記憶媒体が装着されている場合に、これらのうちのいくつかをユーザが指定し、指定された外部記憶媒体に画像データを記憶させることができるため、ユーザは所望の外部記憶媒体に確実に画像データを記憶させることができる。また、外部記憶媒体を空き容量順又はアクセス速度順に表示してユーザに選択させる構成とすることによって、ユーザは外部記憶媒体の選択を容易に行うことが可能となる。また、外部記憶媒体の数のみを指定してMFP1に自動的に外部記憶媒体を選択させることを可能とすることにより、ユーザが外部記憶媒体を選択する手間を省略することができる。また、外部記憶媒体の選択及び数の指定がユーザにより行われていない場合には、装着された全ての外部記憶媒体に画像データを記憶させる構成とすることにより、ユーザは外部記憶媒体を装着して操作部18のスタートキーを操作するのみで簡単に原稿を読み取って画像データを外部記憶媒体に記憶させることができる。
なお、本実施の形態においては、ユーザに外部記憶媒体を選択させる表示画面において、外部記憶媒体を空き容量順又はアクセス速度順に表示する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、最大容量順に表示する構成としてもよく、装着時刻順に表示する構成としてもよい。また、外部記憶媒体としてUSBメモリ5及びSDメモリカード6をMFP1に装着する構成としたが、これに限るものではなく、メモリースティック又はCFメモリカード等の他の外部記憶媒体を装着する構成としてもよい。また、外部記憶媒体の選択及び数の指定が行われていない場合に、装着された全ての外部記憶媒体に画像データを記憶させる構成としたが、これに限るものではなく、例えば、最後に装着された一の外部記憶媒体にのみ画像データを記憶させる構成としてもよい。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係るMFP101の構成を示すブロック図である。実施の形態1に係るMFP1はUSBメモリ5を装着する装着ポート22a及びSDメモリカード6を装着する装着ポート23aをそれぞれ2つ備える構成としたが、実施の形態2に係るMFP101は、外部記憶媒体としてUSBメモリ5を装着する装着ポート22aを1つのみ備える構成である。よって、原稿を読み取って取得した画像データを複数のUSBメモリ5に記憶させる場合には、画像データの記憶の完了に合わせてUSBメモリ5を装着ポート22aに交換しながら順次装着することで行うようにしてある。
図10及び図11は、本発明の実施の形態2に係るMFP101の操作パネル19に表示される表示画面の構成例を示す模式図であり、図10(a)は、MFP101のスキャナ機能を利用する際の待機画面の例を示している。この待機画面には、画像データを記憶させる外部記憶媒体の数を指定するための数指定キー157が表示してあり、数指定キー157がユーザにより操作された場合、MFP101は操作パネル19に数指定ウインドウ170を表示するようにしてある(図10(b)参照)。
数指定ウインドウ170には、画像データを記憶させる外部記憶媒体の数を表示する媒体数表示ボックス171と、外部記憶媒体の数を増減させる増加キー172及び減少キー173と、媒体数表示ボックス171に表示された数を画像データを記憶させる外部記憶媒体の数として確定させる確定キー174と、外部記憶媒体の数の指定をキャンセルさせるキャンセルキー175とが表示してある。ユーザは、増加キー172及び減少キー173を操作することによって、画像データを記憶させる外部記憶媒体の数を変更することができ、また、操作部18に設けられたテンキー(図示せず)を操作することによって直接に外部記憶媒体の数を入力することができるようにしてある。
画像データを記憶させる外部記憶媒体の数を指定した後、ユーザは操作部18に設けられたスタートキーを操作することにより原稿の読み取りを開始させ、読み取って取得した画像データを装着ポート22aに装着した外部記憶媒体に記憶させることができる。MFP101は、一の外部記憶媒体について画像データの記憶を終了した後、操作パネル19に外部記憶媒体の交換を促すメッセージを表示する(図11(c)参照)。このメッセージはメッセージ表示ウインドウ180に表示するようにしてあり、これに応じてユーザが外部記憶媒体を交換した場合、MFP101は外部記憶媒体の交換を自動的に検出し、交換された外部記憶媒体へ画像データを記憶させるようにしてある。また、メッセージ表示ウインドウ180には中断キー181が設けてあり、ユーザが中断キー181を操作した場合には、外部記憶媒体へ画像データを記憶させる処理を中断することができるようにしてある。
図12は、本発明の実施の形態2に係るMFP101の制御部10が行う原稿の読取処理の手順を示すフローチャートであり、読み取って取得した画像データを外部記憶媒体に記憶させる場合の処理を示してある。まず、制御部10は、操作部18に設けられたスタートキーがユーザにより操作されたか否かを調べ(ステップS51)、スタートキーが操作されていない場合(S51:NO)、スタートキーが操作されるまで待機する。
スタートキーが操作された場合(S51:YES)、原稿読取部15にて原稿を読み取って(ステップS52)、取得した画像データを画像メモリ16に蓄積し(ステップS53)、全ての原稿の読み取りを終了したか否かを調べる(ステップS54)。全ての原稿の読み取りを終了していない場合(S54:NO)、ステップS52へ戻り、原稿の読み取りを継続して行う。
全ての原稿の読み取りを終了した場合(S54:YES)、画像メモリ16に蓄積した画像データを装着ポート22aに装着された外部記憶媒体に記憶させ(ステップS55)、図10(b)に示す数指定ウインドウ170にて指定された指定数の外部記憶媒体に画像データの記憶を終了したか否かを調べる(ステップS56)。指定数の外部記憶媒体に画像データの記憶を終了していない場合(S56:NO)、図11(c)に示すメッセージ表示ウインドウ180によりユーザへ外部記憶媒体の交換を促すメッセージを表示する(ステップS57)。
メッセージを表示した後、メッセージ表示ウインドウ180に設けられた中断キー181がユーザにより操作されたか否かを調べ(ステップS58)、中断キー181が操作されていない場合(S58:NO)、更に、装着ポート22aに外部記憶媒体が装着されたか否かを調べる(ステップS59)。装着ポート22aへの外部記憶媒体の装着を検出することによって、外部記憶媒体が交換されたか否かを調べることができ、外部記憶媒体が装着されていない場合には(S59:NO)、ステップS57へ戻り、継続してメッセージを表示し、中断キー181が操作されるか、又は外部記憶媒体が装着されるかするまで待機する。装着ポート22aに外部記憶媒体が装着された場合(S59:YES)、ステップS55へ戻り、装着された外部記憶媒体への画像データの記憶を繰り返し行う。その後、指定数の外部記憶媒体に画像データの記憶を終了した場合(S56:YES)、又はメッセージ表示ウインドウ181の中断キー181が操作された場合(S58:YES)、制御部10は処理を終了する。
以上の構成の実施の形態2に係るMFP101においては、原稿を読み取って取得した画像データを外部記憶媒体へ記憶させた後、外部記憶媒体の交換を促すメッセージを表示し、これに応じて交換された別の外部記憶媒体へ画像データを記憶させる構成とすることにより、一度の原稿読取によって取得した画像データを、装着ポート22aの数より多い数の外部記憶媒体へ記憶させることができる。
なお、実施の形態2においてはUSBメモリ5を装着する装着ポート22aを1つのみ備える構成としたが、これに限るものではなく、2つ以上の装着ポート22aを備える構成であってもよい。また、実施の形態1のMFP1と同様に、SDメモリカード6を装着する装着ポート23aを更に備える構成であってもよい。
また、実施の形態2に係るMFP101のその他の構成は、実施の形態1に係るMFP1の構成と同様であるため、対応する箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。