JP2008026284A - メッキ鋼板の端面耐食性評価用試料、端面耐食性評価装置及び端面耐食性評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、端面耐食性の評価対象となるメッキ鋼板を、腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物中に前記メッキ鋼板の一端面のみが腐食環境に曝露するように埋設してなることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価用試料、これを利用した端面耐食性評価装置及びこれを利用した端面耐食性評価方法である。
【選択図】図3
Description
I:観測される腐食電流[A]
V:実際の端面部からのメッキ腐食速度[mm/day] σ:補正係数[−]
M:メッキ金属の分子量[g/mol] n:価数[−]
F:ファラデー定数96500[C/mol] ρ:メッキ金属の比重[g/cm3]
α:両面メッキは2、片面メッキは1[−]
ra:端面部メッキ露出部のラフネスファクター[−]
la:メッキ厚み[μm] Wa=Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l1:メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l2:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc2:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
l3:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc3:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
L:実際の端面部からのメッキ腐食幅[mm] σ:補正係数[−]
M:メッキ金属の分子量[g/mol] n:価数[−]
F:ファラデー定数96500[C/mol] ρ:メッキ金属の比重[g/cm3]
α:両面メッキは2、片面メッキは1[−]
ra:端面部メッキ露出部のラフネスファクター[−]
la:メッキ厚み[μm] Wa=Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l1:メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l2:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc2:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
l3:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc3:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
Q:観測された腐食電荷量[C]
(使用文字説明)
I:観測される腐食電流[A]
V:実際の端面部からのメッキ腐食速度[mm/day]
L:実際の端面部からのメッキ腐食幅[mm] σ:補正係数[−]
M:メッキ金属の分子量[g/mol] n:価数[−]
F:ファラデー定数96500[C/mol] ρ:メッキ金属の比重[g/cm3]
α:両面メッキは2、片面メッキは1[−]
ra:端面部メッキ露出部のラフネスファクター[−]
la:メッキ厚み[μm] Wa=Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l1:メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l2:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc2:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
l3:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc3:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
Q:観測された腐食電荷量[C]
Qcorr.:実際の腐食電荷量[C] rc:端面部鋼板露出のラフネスファクター
Icorr.:実際の端面部メッキ腐食電流[A]
I:観測される端面部メッキ腐食電流[A]
ia:メッキ溶解のアノード電流密度[A/cm2]
ic:鋼板上の酸素還元カソード電流密度[A/cm2]
(ラフネスファクター)=(実際の面積)/(見かけの面積(投影面積))
で表される。ここで、実際の面積が実測できれば、上式からラフネスファクターを算出することができる。しかし、実際には、メッキの端面露出部のメッキ厚みはマイクロメートルオーダーと非常に小さいことに加え、端面を鏡面研磨することでアノード面に相当するメッキ面のラフネスファクタraは、ほぼ1になると考えられる。したがって、本実施形態においては、便宜上アノード面及びカソード面のラフネスファクターは1とおいて演算を行う。
用いたメッキ鋼板は軟鋼板をベースとする溶融亜鉛メッキ鋼板(片面40g/m2、両面メッキ、鋼板厚み0.8mm)であり、また、用いた非メッキ鋼板は軟鋼板(鋼板厚み0.8mm)であった。鋼板幅は全て25mmであり、高さも全て15mmとした。これらの板は、図1に示す板配置で図2のようにカバー付リード線を用いて配線を行ったあとで、板間に絶縁物として1mm板厚みのプラスチック板を市販のエポキシ接着剤(数十μm厚み)を介して固定し積層体構造とした。接着剤が完全に硬化したら、埋め込み研磨用の市販のエポキシ樹脂に埋め込んで固めたあとで、テスト面を鏡面研磨して、最終的に図2のような試料を作製した。
図3に示されるように、上記端面耐食性評価用試料からのリード線は電流計(ゼロシャントアンメーター)に結線され、更にレコーダーへと腐食電流がモニターされるように設定された。このあと、塩水噴霧試験機槽内に端面耐食性評価用試料のテスト面が水平面に対して60°の傾斜となるように固定した。この後、塩水噴霧試験を開始し、10日間の間、10分毎に腐食電流の測定を行いデジタル記録式レコーダーに記録した。記録結果を図4に示す。
10日間記録された腐食電流値Iと時間tの積分値(台形面積の積算法を使用)から腐食電荷量Qを求めた。時間tと腐食電荷量Qの関係を図5に示す。更に、この腐食電荷量QをL演算式に代入して、メッキの端面腐食幅Lを算出した。時間tとメッキの端面腐食幅Lの関係を図6に示す。ただし、用いたメッキ鋼板が両面亜鉛メッキのためα=2とし、演算式中のM、ρ、nは亜鉛の物性値を用いた。ここでは塩水噴霧環境で鋼板露出面が全て腐食に関与していると仮定しσ=1とした。また、試料のテスト面は鏡面研磨しているため各種ラフネスファクターは1とした。
本発明の精度検証のために、10日間塩水噴霧試験に曝された端面耐食性評価用試料の断面を埋め込み研磨しながら、端面からのメッキの腐食幅をメッキ鋼板の表裏5箇所づつ実測し、上記L演算式で算出されたL値と比較した。実測のL値を下記表1に示した。算出されたL値は4.7mmであるのに対し、実測のL値は表の面では5箇所の最大4.9mm、最小3.8mm、平均4.6mm、同様に裏の面では5箇所の最大5.3mm、最小4.1mm、平均4.6mmであることから、本発明の方法から算出されたL値は実測のL値とほぼ同じ値を示すことがわかった。ここで、上記L演算式で算出されたL値は、上記V演算式で算出されたV値の時間積分値に相当するため、算出されたL値と実測のL値がほぼ一致することは、上記V演算式で算出されたV値の精度も高いことを示すものである。
1a メッキ層
1b 鋼板部
2 非メッキ鋼板
3 絶縁物
4 カバー付リード線
5 電流計測部
6 記録計
Claims (12)
- 端面耐食性の評価対象となるメッキ鋼板を、腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物中に前記メッキ鋼板の一端面のみが腐食環境に曝露するように埋設してなることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価用試料。
- 端面耐食性の評価対象となるメッキ鋼板のメッキ面に非メッキ鋼板を、腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物層を介して積層すると共に前記メッキ鋼板と前記非メッキ鋼板との間の腐食電流を通電可能に接続してなる積層体、あるいは端面耐食性の評価対象となるメッキ鋼板のメッキ面に非メッキ鋼板を、隙間なく密着するように積層してなる積層体を、腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物中に前記積層体の一端面のみが腐食環境に曝露するように埋設してなることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価用試料。
- 端面耐食性の評価対象となるメッキ鋼板のメッキ面に非メッキ鋼板を腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物層を介して積層すると共に前記メッキ鋼板と前記非メッキ鋼板との間の腐食電流を測定可能に配線してなる積層体を、腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物中に前記積層体の一端面のみが腐食環境に曝露するように埋設してなることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価用試料。
- 端面耐食性の評価対象となるメッキ鋼板のメッキ面に非メッキ鋼板を腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物層を介して積層すると共に前記メッキ鋼板と前記非メッキ鋼板との間の腐食電流を測定可能に配線してなる積層体を腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物中に前記積層体の一端面のみが腐食環境に曝露するように埋設してなるメッキ鋼板の端面耐食性評価用試料と、前記メッキ鋼板と前記非メッキ鋼板との間の腐食電流を経時測定及び記録する腐食電流測定記録装置とからなることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価装置。
- 請求項4に記載のメッキ鋼板の端面耐食性評価装置で記録された腐食電流と、予め定めておいた腐食電流と試料の露出端面からのメッキの腐食速度との関係式に基いて、前記メッキの腐食速度を求めることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価方法。
- 前記腐食電流と試料の露出端面からのメッキの腐食速度との関係式が次式であることを特徴とする、請求項5に記載のメッキ鋼板の端面耐食性の評価方法。
I:観測される腐食電流[A]
V:実際の端面部からのメッキ腐食速度[mm/day] σ:補正係数[−]
M:メッキ金属の分子量[g/mol] n:価数[−]
F:ファラデー定数96500[C/mol] ρ:メッキ金属の比重[g/cm3]
α:両面メッキは2、片面メッキは1[−]
ra:端面部メッキ露出部のラフネスファクター[−]
la:メッキ厚み[μm] Wa=Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l1:メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l2:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc2:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
l3:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc3:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm] - 請求項4に記載のメッキ鋼板の端面耐食性評価装置で記録された腐食電流から腐食電荷量を演算し、当該腐食電荷量と、予め定めておいた腐食電荷量と試料の露出端面からのメッキ腐食幅との関係式に基いて、前記メッキの腐食幅を求めることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価方法。
- 前記腐食電荷量と試料の露出端面からのメッキ腐食幅との関係式が次式であることを特徴とする、請求項7に記載のメッキ鋼板の端面耐食性評価方法。
L:実際の端面部からのメッキ腐食幅[mm] σ:補正係数[−]
M:メッキ金属の分子量[g/mol] n:価数[−]
F:ファラデー定数96500[C/mol] ρ:メッキ金属の比重[g/cm3]
α:両面メッキは2、片面メッキは1[−]
ra:端面部メッキ露出部のラフネスファクター[−]
la:メッキ厚み[μm] Wa=Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l1:メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l2:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc2:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
l3:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc3:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
Q:観測された腐食電荷量[C] - 端面耐食性の評価対象となるメッキ鋼板のメッキ面に非メッキ鋼板を腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物層を介して積層すると共に前記メッキ鋼板と前記非メッキ鋼板との間の腐食電流を測定可能に配線してなる積層体を、腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物中に前記積層体の一端面のみが腐食環境に曝露するように埋設してなるメッキ鋼板の端面耐食性評価用試料と、前記試料のメッキ鋼板と前記非メッキ鋼板との間の腐食電流を経時測定し、当該腐食電流を演算によりメッキの端面腐食速度へ変換するメッキの端面腐食速度演算装置とからなることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価装置。
- 前記試料のメッキの端面腐食速度演算式が次式であることを特徴とする、請求項9に記載のメッキ鋼板の端面耐食性評価装置。
I:観測される腐食電流[A]
V:実際の端面部からのメッキ腐食速度[mm/day] σ:補正係数[−]
M:メッキ金属の分子量[g/mol] n:価数[−]
F:ファラデー定数96500[C/mol] ρ:メッキ金属の比重[g/cm3]
α:両面メッキは2、片面メッキは1[−]
ra:端面部メッキ露出部のラフネスファクター[−]
la:メッキ厚み[μm] Wa=Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l1:メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l2:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc2:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
l3:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc3:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm] - 端面耐食性の評価対象となるメッキ鋼板のメッキ面に非メッキ鋼板を腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物層を介して積層すると共に前記メッキ鋼板と前記非メッキ鋼板との間の腐食電流を測定可能に配線してなる積層体を、腐食因子の遮蔽効果を有する電気絶縁物中に前記積層体の一端面のみが腐食環境に曝露するように埋設してなるメッキ鋼板の端面耐食性評価用試料と、前記試料のメッキ鋼板と前記非メッキ鋼板との間の腐食電流を経時測定し、当該腐食電流を演算により腐食電荷量を経由し、メッキの端面腐食幅へ変換するメッキの端面腐食速度演算装置とからなることを特徴とする、メッキ鋼板の端面耐食性評価装置。
- 前記試料のメッキの端面腐食幅演算式が次式であることを特徴とする、請求項11に記載のメッキ鋼板の端面耐食性評価装置。
L:実際の端面部からのメッキ腐食幅[mm] σ:補正係数[−]
M:メッキ金属の分子量[g/mol] n:価数[−]
F:ファラデー定数96500[C/mol] ρ:メッキ金属の比重[g/cm3]
α:両面メッキは2、片面メッキは1[−]
ra:端面部メッキ露出部のラフネスファクター[−]
la:メッキ厚み[μm] Wa=Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l1:メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc1:端面露出部メッキ鋼板幅[mm]
l2:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc2:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
l3:非メッキ鋼板の鋼板厚み[μm] Wc3:端面露出部非メッキ鋼板幅[mm]
Q:観測された腐食電荷量[C]
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