JP2008025331A - 排水栓装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排水栓装置において、排水栓34の下側であって係合孔40の上側で栓軸部36にヘアキャッチャー62を設ける。また係合孔40を上下の長孔となして、排水栓34の通常の開閉時には係合孔40の上端と作動レバー42の先端部50とを当接させるようにする。その長孔は、排水栓34の開状態の下で排水栓34を更に引き上げて係合孔40の下端と作動レバー42の先端部50とが当接したときに、ヘアキャッチャー62の上端が排水口22の上側に露出するようになしておく。
【選択図】 図5
Description
この種排水栓装置は、主として公共施設の手洗器等に広く設けられており、この場合排水栓装置には複数の通水孔を有するヘアキャッチャーは特に設けられていない。
従って排水栓や栓軸部、或いは内側に排水路を形成する排水筒内面の清掃等のメンテナンスを容易に行うことができ、従ってまた排水栓の下側において栓軸部に複数の通水孔を有するヘアキャッチャーを設けておくこともできる。
このようなヘアキャッチャーを設けておいても、そこに毛髪やごみ等が溜まったときに、容易にその清掃等のメンテナンス作業を行うことができる。
そこで公共施設の手洗器等に設置される排水栓装置にあっては、排水栓及び栓軸部を排水口から取出しできないようになしてある。
この場合、排水栓は作動レバーの先端部の上下移動によって一定距離上下移動、即ち開閉可能であるものの、係合孔と作動レバーの先端部との係合によって排水口からは取出不能である。
図10は公共施設の手洗器等に設置される上記の排水栓装置の一例を具体的に示している。
206は排水口204を開閉する排水栓で、その下面から栓軸部208が延び出している。
この栓軸部208の下端部には、正面形状が円形の貫通の係合孔210が設けられており、そこに作動レバー(キックレバー)212の先端部216が挿入されて係合孔210に係合されている。
尚、排水栓206の下側には、栓軸部208から放射状に延びた4つのガイド片を備える、断面形状が十字状をなすガイド215が排水栓206及び栓軸部208に一体に設けられており、このガイド215が排水筒200の内面を摺動することで排水栓206の上下移動の際の案内が行われる。
また操作部を引き上げると作動レバー212の図中右端部が上向きに、また逆の先端部216が下向きに移動して、栓軸部208を介して排水栓206が下降移動して排水口204を閉鎖する。
更にこの排水栓装置の場合、その構造上の問題から複数の通水孔を有するヘアキャッチャーも設けられていない。
近年、排水栓を閉じた場合はもとより、これを開いた状態としても、排水栓の上端の大径の傘部によって排水口を覆い隠し、使用者が排水口を見えないようにすること、具体的には排水口の汚れが見えないようにして排水口,排水栓周りの美観,意匠性を高めることが行われている。
特に洗面器や手洗器の底面は、排水口の部位から上向きに傾斜ないし湾曲しているため、排水栓における傘部の径が大きくなればなるほど、手や掃除具を挿入するための隙間が小さくなり、排水口周りの清掃が著しく困難化してしまう。
排水栓206を開いた状態としたときに、大型の排水栓ほどではないにしろ、排水栓206と排水口204との間の隙間は十分に大きくはなく、清掃作業性が十分でない問題がある。
尚本願発明に対する先行技術として下記特許文献1に開示されたものがあるが、このものは本発明の問題点を解決することができない。
また本発明の他の目的は、この種構造の排水栓装置においてもヘアキャッチャーを設けることを可能となし、且つヘアキャッチャーの清掃等のメンテナンスを可能としつつヘアキャッチャー,排水栓が悪戯により持ち去られるのを防止することを目的とする。
また本発明の他の目的は、排水栓やヘアキャッチャー、更には排水路を内側に形成する排水筒の内面の清掃等のメンテナンスを労力少なく簡単に行えるようにすることにある。
これにより、排水口ないしその周りの部分を常に清浄な状態に容易に維持することができるようになる。
またこれら排水栓やヘアキャッチャー,栓軸部を排水口から取り出した状態の下で、排水筒内面の清掃を簡単に行えるようになる。
即ちこの発明によれば、従来の公共施設用の排水栓装置のように排水栓装置自体を分解しなくても、清掃等のメンテナンスを簡単に行えるようになる。
ここで排水栓を金属製とするのは、排水栓を金属製とすることで、排水栓の金属光沢により、特に表面にクロムメッキ等のメッキを施すことで、排水栓の美観を良好となし得ることによる。
樹脂製の栓軸部と金属製の排水栓とを接合する手段として、両者をねじ結合することが考えられるが、樹脂製の栓軸部にねじ部を設けて、そのねじ部で栓軸部と排水栓とをねじ結合することは、樹脂のねじ部が強度的に弱いことから、実際的な接合手段として採用することは困難である。
このようにすれば、樹脂製の栓軸部と金属製の排水栓とを良好に締結し一体的な組付品となすことができる。
図1において、10はポップアップ式排水栓装置(以下単に排水栓装置とする)の本体部で、排水筒12を有している。
排水筒12は上部排水筒12Aと下部排水筒12Bとに分かれており、その下部排水筒12Bの上端内周面に形成された雌ねじが、上部排水筒12Aの下部外周面に形成された雄ねじにねじ結合されている。
尚14はリングナットである。
ここで下部排水筒12Bには管状の枝部16が一体に構成されている。
排水筒12は内部に排水路18を有しており、またその上端には手洗器等の鉢部20の底部で開口する排水口22が備えられている。
この排水栓34にはリング状のパッキン72が装着されており、このパッキン72が排水口22に弾性接触することで、排水口22が水密にシールされる。
この排水栓34の下面からは、栓軸部36が下向きに延び出している。
この栓軸部36の末端部には、上下に長い長円形状のリング部38が設けられており、その内側に上下方向に長孔を成す係合孔40が形成されている。
作動レバー42は、先端部(図中左端部)50が栓軸部36の係合孔40内に挿入されて係合孔40に係合させられている。
これにより排水栓34が栓軸部36を介して押し上げられて(上昇移動させられて)開き、排水口22を開放する。
またこの状態で操作部を引上操作すると、作動レバー42がボール部44を支点として図中反時計方向に回動し、先端部50を下降移動させる。ここにおいて排水栓34が下降移動して排水口22を閉鎖する。
ここで栓軸部36は金属で構成されているが、ヘアキャッチャー62及びこれと一体のガイド64は樹脂にて構成されている。
ヘアキャッチャー62及びガイド64は、中心筒54の内側に挿通孔56(図3(I)参照)を有しており、そこに栓軸部36が挿通されている。
この実施形態において、ヘアキャッチャー62及びガイド64は、段付部58と60との当接位置を栓軸部36に対する下端位置として、ヘアキャッチャー62が排水栓34に当接する位置まで、栓軸部36に対し図中上向きに相対移動可能となしてある。
一方下側のガイド64は、中心筒54から横断面形状が十字状をなすように放射状に延びる複数(ここでは4つ)のガイド片70を備えており、これらガイド片70の外周端が、図1の排水筒12の内周面に対し上下に摺動して、ヘアキャッチャー62の上下の移動時の案内をなすようになっている。
ここでガイド64は、排水栓34を作動レバー42の回動により開閉させる際、排水栓34具体的には栓軸部36の移動時の案内作用をなす。
即ち、図4に示す排水栓34の開位置から図5(I)に示すように更に排水栓34を上に引き上げることによって、図5(II)に示すように係合孔40の下端が作動レバー42の先端部50に当接したときに、ヘアキャッチャー62の上端、詳しくはここではヘアキャッチャー62全体が排水口22の上側に露出するように、またこの状態からヘアキャッチャー62及びガイド64を栓軸部36に沿って、ヘアキャッチャー62が排水栓34に当接する位置まで上向きに相対移動させ、これによりヘアキャッチャー62及びガイド部64の全体が排水口22からの抜出位置、具体的にはここではその全体が排水口22の上側に位置する状態となったときに、図6(II)に示すように栓軸部36を排水路18内で傾けることで、係合孔40と作動レバー42の先端部50との係合が外れるようにその寸法が定められている。
また作動レバー42を逆方向の図中反時計方向に回動させると、排水栓34が下降して排水口22を閉鎖する。
従ってこの状態では排水栓34は排水口22から取り出すことができず、このことによって排水栓34、ヘアキャッチャー62,ガイド64が排水口22から取り出されて悪戯により持ち去られてしまうといったことを防止できる。
またこのとき、ヘアキャッチャー62の全体が排水口22より上側に露出した状態となり、従ってこの状態でヘアキャッチャー62の清掃等のメンテナンスを、排水栓装置を分解することなくそのまま行うことができる。
そして栓軸部36を図6(II)に示しているように排水路18内で傾動させることによって、ここで初めて係合孔40を作動レバー42の先端部50から離脱させて、それらの係合を外すことができる。
そしてそれら全体を排水口22から取り出すことで、全体を丸洗いする等清掃を十分に且つ簡単に行うことが可能となる。
また排水栓34,ヘアキャッチャー62及び栓軸部36を排水口22から取り出すことで、排水筒12内部の清掃も簡単に且つ十分に行うことができる。
図7に示しているように、この実施形態では排水栓34が、栓軸部36及びガイド64に対し別体とされている。この実施形態では排水栓34が金属にて構成され、また栓軸部36及びガイド64が樹脂にて一体に構成されている。
排水栓34は、円筒形状をなす本体部80と、本体部80よりも大径をなす上端の平面形状が円形状をなす大径の傘部82とを有している。ここで傘部82の上面にはメッキ処理(クロムメッキ処理)が施されている。
このとき、図8に示しているように傘部82は排水口22から離隔した上側に位置して、排水口22を上側から覆い隠した状態となる。即ち傘部82は、排水口22に対する隠蔽部としての働きを有している。
この実施形態では、排水栓34の傘部82が排水口22を上側から覆い隠すことで、使用者に対し排水口22を見えないようにし、排水口22及び排水栓34周りの美観を良好とし、意匠性を高める。
尚、上記傘部82は図8に示しているように排水筒12における上端のフランジ部26よりも大径をなしている。
このガイド64と一体に構成された栓軸部36は、正面形状が上下に長い略長方形状の板状をなしている。ここで栓軸部36は、その板厚が十字状をなすガイド64の各ガイド片70よりも厚く構成されている。
この長孔40の周縁部には、栓軸部36の板厚方向に突出する補強リブ88が全周に亘って設けられている。
尚この補強リブ88は、栓軸部36の板厚方向の両面にそれぞれ設けられている。
この補強リブ88は、係合孔40の内面から外面に向って亀裂が生ずるのを防ぐための補強部としての働きを有する。
ここでねじ部材92は、インサート成形により樹脂製の栓軸部36及びガイド64を成形する際に一体にそれらに埋込状態に固着されている。
このストッパ部96は、排水栓34を雌ねじ部86においてねじ部材92の雄ねじ部94にねじ込む際に、雌ねじ筒84の下端面に当接して更なるねじ込みを阻止する、即ち排水栓34のねじ込量を規定する働きをなす。
尚、栓軸部36には上記埋込部90の下側に且つガイド片64に沿って溝98が形成されている。
図8は排水栓34が閉じた状態を表しており、この状態から図9(I)に示しているように作動レバー42を図中時計方向に回動させると、栓軸部36を介して排水栓34が押し上げられ、排水口22を開いた状態とする。
このとき、排水口22を隠蔽する傘部82と排水口22との間の隙間は小さく、従ってこの状態で排水口22ないしその周りの清掃を作業性良く行うことは難しい。
具体的には作動レバー42の先端部50が係合孔40の下端に当接する位置まで、排水栓34を上方に引き上げることができる。図9(II)はこのときの状態を示している。
尚この図9(II)に示す状態の下でも、係合孔40と作動レバー42とは依然として係合した状態にあり、従って排水栓34,栓軸部36及びガイド64を排水口22から取り出して持ち去ることはできない。
尚、ここではねじ部材92に雄ねじ部94を、また排水栓34に雌ねじ部86を設けているが、ねじ部材92に雌ねじ部を、また排水栓34に雄ねじ部を設けるといったことも場合により可能である。
22 排水口
34 排水栓
36 栓軸部
40 係合孔
42 作動レバー
50 先端部
62 ヘアキャッチャー
68 通水孔
Claims (4)
- 排水栓の下面から下方に延びた栓軸部に貫通の係合孔を設けて、該係合孔に作動レバーの先端部を挿入して係合させ、該作動レバーの先端部を上向きに移動させることによって、前記栓軸部を介して前記排水栓を上昇移動させて開くようになした排水栓装置において
前記係合孔を上下の長孔となして、前記排水栓の通常の開閉時には該係合孔の上端と前記作動レバーの先端部とを当接させるようになす一方、該排水栓を開位置に位置させた状態で該排水栓に対して引上げ力を加えることで、前記係合孔に前記作動レバーの先端部を挿入させたまま該排水栓を前記栓軸部とともに引上げ可能となしたことを特徴とする排水栓装置。 - 請求項1において、前記排水栓の下側であって前記係合孔の上側で前記栓軸部に、複数の上下の通水孔を有するヘアキャッチャーを該栓軸部とともに上昇移動する状態に設けるとともに、
前記長孔をなす係合孔を、前記排水栓の開状態の下で該排水栓を更に引き上げて該係合孔の下端と前記作動レバーの先端部とが当接したときに、前記ヘアキャッチャーの上端が前記排水口の上側に露出するようになしたことを特徴とする排水栓装置。 - 請求項2において、前記ヘアキャッチャーには、内側に排水路を形成する排水筒の内面に対して摺動する、前記栓軸部から放射状に延びる複数のガイド片を備えたガイドが一体化されており、それらヘアキャッチャー及びガイドの全体が、前記排水栓の引上状態の下で前記栓軸部に対し前記排水口からの抜出位置まで上向きに相対移動可能となしてあるとともに、前記長孔の係合孔は、該ヘアキャッチャー及びガイドを該抜出位置に位置させた状態で前記栓軸部を排水路内で傾けることで、前記作動レバーの先端部から離脱可能となしてあることを特徴とする排水栓装置。
- 請求項1において、前記排水栓と栓軸部とを別体として該排水栓を金属で、該栓軸部を樹脂でそれぞれ構成するとともに、該栓軸部には金属製のねじ部材を埋設しておいて、該ねじ部材と該排水栓とをねじ結合することで該栓軸部と該排水栓とを締結し、
該ねじ部材には、該排水栓とのねじ結合の際に該排水栓に当って該排水栓のねじ込量を規定するストッパが設けてあることを特徴とする排水栓装置。
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