JPH1170052A - 洗面器用開閉弁装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗面器の開閉弁の取出しと組込みをワンタッ
チで極めて簡単に行えるよう構成することによって、髪
の毛等の詰りを一般家庭でも容易に清掃できるようにす
る。 【解決手段】 開閉ロッド９の操作によって洗面器１の
排水管２に沿ってスライド作動する駆動子４を磁石で造
り、排水管２内でスライドして排水口２ａを開閉する開
閉弁１１に取付けた従動子１２を磁石又は磁性体で造っ
て、磁石の吸着力で駆動子４と従動子１２を一体にスラ
イドさせて排水口２ａを開閉する一方、排水口２ａに対
する開閉弁１１の脱着を自由に行えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗面所等に設置す
る洗面器の技術分野に属するものであって、具体的に
は、洗面器の排水口を開閉する開閉弁装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来の洗面器用開閉弁装置の構成
を説明した断面図であって、Ａは洗面所等に設置された
洗面器（基部）、Ｂは洗面器Ａの内底面に開口した排水
口Ｃに連設した排水管、Ｄはこの排水管Ｂの内部にスラ
イド自在に嵌込んだ開閉弁、Ｅはその先端部Ｅａを開閉
弁Ｄの下端部に開口した穴Ｄａに挿通し、根端部を開閉
ロッドＨの下端部側に連結した作動レバー、Ｇは作動レ
バーＥの中間を上下回動自在に支持するボール状の支持
部、Ｆはこのボール状支持部Ｇを収めたパッキングラン
ドを示し、開閉ロッドＨを上方に引上げると、作動レバ
ーＥが開閉弁Ｄを引下げて排水口Ｃを閉じ、反対に開閉
ロッドＨを下方に押し下げると、作動レバーＥが開閉弁
Ｄを押し上げて図示の如く排水口Ｃを開くように構成さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上の如く構成した開
閉弁装置によれば、開閉ロッドＨの上下操作によって排
水口Ｃを自由に開閉することができるのであるが、開閉
弁Ｄや作動レバーＥの先端部Ｅａ等に髪の毛等の汚物が
からまって詰った場合には、その都度作動レバーＥを引
抜いて先端部Ｅａを穴Ｄａから外さないと、開閉弁Ｄを
取出して掃除することができないため、作業が頗る面倒
で一般家庭では容易に掃除することができなかった。

【０００４】更に、作動レバーＥの先端部Ｅａを一旦開
閉弁Ｄの穴Ｄａから引抜くと、再びこれを挿通する作業
が極めて面倒であり、その挿通作業を外部から見通しの
きかない排水管Ｂの内部で行わなくてはならないため、
先端部Ｅａと穴Ｄａの位置合せが非常に難しくて、分解
して掃除したまではよいが、元の状態に組立てることが
出来なくなってしまう問題があった。

【０００５】従って本発明の技術的課題は、洗面器の開
閉弁の取出しと組込みをワンタッチで極めて簡単に行え
るよう構成することによって、髪の毛等の詰りを一般家
庭でも容易に清掃できるようにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために本発明で講じた手段は以下の如くである。

【０００７】開閉ロッドを操作することによって、洗面
器の排水口を開閉するように構成した洗面器用開閉弁装
置であって、

【０００８】（１） 上記の排水口に連設した排水管の
内部に、排水口を開閉する開閉弁をスライド自在に嵌込
み、この開閉弁には磁石で造った従動子を設ける一方、
上記排水管の周囲には同じく磁石で造った駆動子をスラ
イド自在に取付けて、この駆動子を上記の開閉ロッドを
用いてスライド操作自在に構成すると共に、上記駆動子
と従動子の磁石の極性を駆動子と従動子とが吸着作用に
よって一体にスライドするように反対に構成すること。
（請求項１）

【０００９】（２） 上記の排水口に連設した排水管の
内部に、排水口を開閉する開閉弁をスライド自在に嵌込
み、この開閉弁の一部分又は全部を磁性体又は磁石を用
いて構成する一方、上記排水管の周囲には磁石又は磁性
体で造った駆動子をスライド自在に取付けて、この駆動
子と上記の開閉弁を吸着作用によって一体にスライドす
るように構成すると共に、上記の駆動子を上記の開閉ロ
ッドを用いてスライド操作自在に構成すること。（請求
項２）

【００１０】（３） 排水管の周面に、駆動子の必要以
上のスライドを規制する上側ストッパと下側ストッパを
上下に間隔をあけて設けると共に、これ等上側と下側の
各ストッパを、上記の駆動子を吸着できるように磁石又
は磁性体を用いて構成すること。（請求項３）

【００１１】尚、ここに於いて磁性体とは、鉄やステン
レス等のような磁石に吸着可能な物質（金属）を意味す
る。

【００１２】上記（１）で述べた請求項１に係る手段に
よれば、開閉ロッドを用いて駆動子を排水管に沿ってス
ライド作動すると、排水管の内部に嵌込んだ開閉弁の従
動子も磁石の吸着作用によって一体にスライド作動する
ため、開閉弁による排水口の開閉を上記開閉ロッドの操
作で確実に行うことができると共に、開閉弁を取出して
掃除する場合には、開閉弁を磁石の吸着力に抗して少し
強い力で引抜けば、容易に排水管の内部から引出すこと
ができるため、髪の毛等の汚物を簡単に清掃でき、ま
た、排水管の内部もブラシ等を用いて容易に清掃して詰
りを除去できるものであって、取出した開閉弁も排水口
から排水管の内部に嵌込むだけで容易に組込むことがで
きるから、開閉弁の取出しとその掃除、及び、組込みの
各作業を誰にでも極めて簡単に、而かも、短時間で済ま
せることを可能にする。

【００１３】上記（２）で述べた請求項２に係る手段に
よれば、開閉弁の一部分又は全部を磁性体又は磁石で造
り、駆動子を磁石又は磁性体で構成しているため、駆動
子を開閉ロッドを操作してスライドすると、吸着作用に
よって開閉弁が一体に作動して排出口を開閉することが
できると共に、開閉弁の取出しと組込みを上記請求項１
に述べた手段と同様に簡単に行うことができるため、面
倒であった開閉弁の脱着と掃除を誰にでも簡単に、而か
も、短時間で済ませることを可能にする。

【００１４】上記（３）で述べた請求項３に係る手段に
よれば、駆動子のスライド幅を上下のストッパで規制で
きるため、開閉ロッドによって駆動子を必要以上にスラ
イドさせることを防止して、開閉弁を正確に開閉作動さ
せることができると共に、駆動子が上側ストッパと下側
ストッパに夫々吸着してそのスライド状態を維持するこ
とができるため、開閉弁を閉じた状態、及び、開いた状
態のいずれにも保持することを可能にする。

【００１５】以上の如くであるから、上記（１）〜
（３）の手段によって上述した技術的課題を解決して、
前記従来の技術の問題点を解消することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る洗面器用開
閉弁装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図１は
本発明の要部の構成を説明した側面図、図２はその正断
面図、図３は図２のＸ−Ｘ線に沿った断面図であって、
これ等の図面に於いて１は洗面器（具体的には基部）、
１ａは洗面器１の底面部内に嵌込んだ接続管、２はこの
接続管１ａにナット３を用いて接続した排水管、２ａは
洗面器１の排水口で、排水管２は磁石の磁気を通すこと
ができる金属パイプ又はプラスチックパイプを用いて構
成されている。

【００１７】また、１１は排水口２ａを開閉する開閉
弁、１１Ｓはこの開閉弁１１を上端部に連設した弁本体
であって、断面略十字状に形成したこの弁本体１１Ｓ
は、図２に示すように洗面器１の内部から排水口２ａを
及び接続管１ａ内を通して排水管２の内部通路２Ｈにス
ライド自在に嵌込まれている。

【００１８】１２は上記弁本体１１Ｓの下端部に突設し
たボルト杆１１Ｒに下から挿着してナット１１Ｎで締付
固定した従動子であって、図３に示した様に弁本体１１
Ｓと同じ断面略十字状に形成することにより、周囲に排
水用の通路１２Ｈ…を形成したこの従動子１２は、磁石
又は磁性体を用いて構成されている。

【００１９】尚、弁本体１１Ｓの下端部の一部分を磁石
又は磁性体を用いて構成することにより、従動子１２を
わざわざ取付けずに、弁本体１１Ｓの下端部自体を従動
子１２とする場合もある。

【００２０】４は上記排水管２の周囲にスライド自在に
嵌装した駆動子で、全体を円盤型のリング状に形成した
この駆動子４は磁石又は磁性体を用いて構成されてお
り、而かも、上述した従動子１２が磁石を用いて造られ
ている場合（請求項１の場合）には、これ等駆動子４と
従動子１２の磁石の極性が反対に成るように構成されて
いて、この請求項１に係る構成、及び、従動子１２又は
弁本体１１Ｓの一部分を磁性体又は磁石で造り、反対
に、駆動子４を磁石又は磁性体で造った請求項２に係る
構成のいずれの場合も、磁石の吸着作用を利用して駆動
子４と従動子１２（弁本体１１Ｓ）を図２に於いて上下
方向に一体にスライドさせることによって、開閉弁１１
が排水口２ａを開閉するように構成されている。

【００２１】５と６は排水管２の周面に上下に間隔をあ
けて取付けたナット構造の上側ストッパと下側ストッパ
で、磁石又は磁性体で造ったこれ等の各ストッパ５，６
は駆動子４を必要以上にスライドさせることを規制する
と共に、磁性体又は磁石で造った駆動子４を上記の上側
ストッパ１５或は下側ストッパ６に吸着させて、駆動子
４の移動状態、要するに、開閉弁１１の開閉状態を維持
するように構成されている。

【００２２】即ち、図１と図２に示すように駆動子４を
上側ストッパ５に当る位置まで押上げスライドして吸着
させると、弁本体１１Ｓが一緒に上方にスライドして開
閉弁１１が排水口２ａを開いて、この開いた状態が上記
の吸着力によって維持され、また、駆動子４を下側スト
ッパ６に当る位置まで押下げスライドして吸着させる
と、弁本体１１Ｓが一緒に下方にスライドして開閉弁１
１が排水口２ａを閉じ、この閉じた状態が同じく上記の
吸着力によって維持される仕組に成っている。

【００２３】図１に於いて９は洗面器１に隣接させて上
下作動自在に設けた開閉ロッド、９Ｔはその頭部、１０
は開閉ロッド９の下端部に軸９ａを用いて回動自在に枢
支した作動ロッド、８は上述した下側ストッパ６と締付
ナット７の間に根端部を締付固定した支持アームであっ
て、この支持アーム８の先端部に上記作動ロッド１０の
中間部が軸８ａを用いて回動自在に枢支され、且つ、こ
の作動ロッド１０の先端に連設した上下２枚の挾持片１
０Ｘの間に、上述した駆動子４が挾持されている。

【００２４】従って図１に於いて頭部９Ｔを押して開閉
ロッド９を下方にスライド作動すると、作動ロッド１０
が軸８ａを中心に図面上時計回転方向に回動するため、
挾持片１０Ｘが駆動子４を図１並びに図２に示すように
押し上げて、開閉弁１１が排水口２ａを開く一方、反対
に頭部９Ｔを摘んで開閉ロッド９を上方に引上げスライ
ドすると、作動ロッド１０が軸８ａを中心に図面上反時
計回転方向に回動して駆動子４を引下げ、開閉弁１１が
排水口２ａを閉じるように構成されている。

【００２５】また、上記の駆動子４を押し上げ、又は、
引下げた時には、上側ストッパ５と下側ストッパ６がそ
の動き過ぎを規制すると同時に、磁石の吸着作用によっ
て駆動子４を吸着するため、開閉弁１１を開いた状態と
閉じた状態に維持することができるる

【００２６】図４は、開閉弁１１を一体形成した弁本体
１１Ｓと共に排水管２の内部通路２Ｈから排水口２ａの
外に引出した状態を示した断面図であって、本発明では
開閉弁１１の開閉作動（上下作動）を磁石の吸着力を利
用して行う仕組に成っていて、開閉弁１１は上述した開
閉ロッド９及び駆動子４側とは切離された構造に成って
いるため、磁石の吸着力に抗して少し強い力で開閉弁１
１を引上げると、これを排水口２ａから容易に引出すこ
とができ、また、引出した開閉弁１１を排水口２ａの内
部に組込む場合にも、開閉弁１１を排水口２ａを通して
排水管２の内部通路２Ｈに嵌込むだけで、組込みを簡単
に済ませることができる。

【００２７】

【発明の効果】以上述べた次第で、本発明に係る洗面器
用開閉弁装置によれば、開閉ロッドをスライド操作する
ことによって、開閉弁を開閉作動して洗面器に水を溜め
たり、これを排水することができるのであるが、本発明
では特に、開閉弁を排水口より自由に抜出したり、反対
にこれを排水口の内部に組込んだりすることができるた
め、開閉弁に髪の毛等がからまって詰ったような時に、
開閉弁の掃除を誰にでも簡単に、而かも、短時間で済ま
せることができるものであって、掃除の度にいちいち専
門のクリーニング業者を頼む必要もなく、一般家庭でも
容易に洗面器の排水の詰りを除去できる利点を発揮する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る洗面器用開閉弁装置の要部の構成
を説明した側面図である。

【図２】本発明の要部の構成を示した断面図である。

【図３】図２のＸ−Ｘ線に沿った平断面図である。

【図４】開閉弁を引抜いた状態を示した本発明の要部断
面図である。

【図５】従来例の断面図である。

【符号の説明】

１ 洗面器 ２ 排水管 ２ａ 排水口 ２Ｈ 内部通路 ４ 磁石又は磁性体で造った駆動子 ５，６ 磁石又は磁性体で造った上側と下側
のストッパ ９ 開閉ロッド １１ 開閉弁 １２ 磁石又は磁性体で造った従動子

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開閉ロッドを操作することによって、洗
   面器の排水口を開閉するように構成した洗面器用開閉弁
   装置であって、 上記の排水口に連設した排水管の内部に、排水口を開閉
   する開閉弁をスライド自在に嵌込み、この開閉弁には磁
   石で造った従動子を設ける一方、上記排水管の周囲には
   同じく磁石で造った駆動子をスライド自在に取付けて、
   この駆動子を上記の開閉ロッドを用いてスライド操作自
   在に構成すると共に、上記駆動子と従動子の磁石の極性
   を駆動子と従動子とが吸着作用によって一体にスライド
   するように反対に構成したことを特徴とする洗面器用開
   閉弁装置。
2. 【請求項２】 開閉ロッドを操作することによって、洗
   面器の排水口を開閉するように構成した洗面器用開閉弁
   装置であって、 上記の排水口に連設した排水管の内部に、排水口を開閉
   する開閉弁をスライド自在に嵌込み、この開閉弁の一部
   分又は全部を磁性体又は磁石を用いて構成する一方、上
   記排水管の周囲には磁石又は磁性体で造った駆動子をス
   ライド自在に取付けて、この駆動子と上記の開閉弁を磁
   石の吸着作用によって一体にスライドするように構成す
   ると共に、上記の駆動子を上記の開閉ロッドを用いてス
   ライド操作自在に構成したことを特徴とする洗面器用開
   閉弁装置。
3. 【請求項３】 排水管の周面に、駆動子の必要以上のス
   ライドを規制する上側ストッパと下側ストッパを上下に
   間隔をあけて設けると共に、これ等上側と下側の各スト
   ッパを、上記の駆動子を吸着できるように磁石又は磁性
   体を用いて構成したことを特徴とする請求項１又は２記
   載の洗面器用開閉弁装置。