しかしながら、通常、エプロンは、浴槽本体や排水管などの点検やメンテナンス等を行う場合を考慮して、浴槽本体に対し着脱可能に構成されている。例えば、浴槽本体に対し被係止部を設けるとともに、エプロンに対し係止部を設け、前記被係止部に対する前記係止部の係止及び係止解除を容易に可能とすることで、浴槽本体に対しエプロンが着脱可能とされる。そのため、装置本体をエプロンに取付けると、点検時などにおいてエプロンを外したときに、エプロンとともに装置本体が移動し、ひいては装置本体に取付けられた伝達用部材が引っ張られてしまうおそれがある。その結果、伝達用部材自体やこれに取付けられた各種部品において破損や変形が生じてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性や安全性の向上を図りつつ、伝達用部材等の破損や変形をより確実に防止することができる操作装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.排水口の形成された底壁部、及び、当該底壁部の外周に立設された周壁部を有する浴槽本体、並びに、前記周壁部の外周面の一部を覆うエプロンを具備する浴槽に取付けられた、前記排水口を開閉可能な栓蓋を操作するための操作装置であって、
前記浴槽に対し相対変位可能な操作部材を有してなる装置本体と、
前記操作部材の変位により動作し前記変位による駆動力を前記栓蓋側へと伝達する伝達部を有するとともに、前記装置本体に取付けられた伝達用部材とを備え、
前記エプロンは、
前記浴槽本体に対し着脱可能に構成された第一エプロンと、
前記浴槽本体に対し通常は着脱しないように構成された第二エプロンとを有し、
前記装置本体は、前記第二エプロンに取付けられた状態とされていることを特徴とする操作装置。
尚、「浴槽本体に対し通常は着脱しないように構成された第二エプロン」とは、点検等の際に、第一に外されることとなる第一エプロンと異なり、点検等の際に、通常取外す必要のないものをいう。例えば、第二エプロンとしては、浴槽本体に対し取付・取外可能ではあるものの、その取付・取外に手間や労力が必要となる〔例えば、取付・取外の行いにくい位置にてねじ止めされていること等により、取付られている〕ものや、浴槽本体に対し接着などにより固着されているものなどを挙げることができる。また、第二エプロンは、浴槽本体に対し、直接的に取付けられていてもよいし、間接的に取付けられていてもよい。
上記手段1によれば、エプロンは、浴槽本体に対し着脱可能に構成された第一エプロンを有している。そのため、第一エプロンを外すことで、浴槽本体や排水管などの点検やメンテナンス等を容易に行うことが可能となる。
また、エプロンは、浴槽本体に対し通常着脱されない第二エプロンを備えており、装置本体は、第二エプロンに取付けられた状態とされている。従って、点検などの際に第一エプロンを外したとしても、装置本体が移動することはなく、また、装置本体に取付けられた伝達用部材が引っ張られてしまうといったこともない。これにより、伝達用部材自体やこれに取付けられた各種部品における破損や変形をより確実に防止することができる。
さらに、上記手段1によれば、エプロンに装置本体が取付けられるため、周壁部の上端から外周に突出するフランジ部に風呂蓋を置く場合などに、装置本体が邪魔になることはなく、利便性を向上させることができる。また、フランジ部に装置本体を取付けた場合と比較して、装置本体に対する意図しない接触が生じにくくなり、安全性の向上を図ることができる。
手段2.排水口の形成された底壁部、及び、当該底壁部の外周に立設された周壁部を有する浴槽本体、並びに、前記周壁部の外周面の一部を覆うエプロンを具備する浴槽に取付けられた、前記排水口を開閉可能な栓蓋を操作するための操作装置であって、
前記浴槽に対し相対変位可能な操作部材を有してなる装置本体と、
前記操作部材の変位により動作し前記変位による駆動力を前記栓蓋側へと伝達する伝達部を有するとともに、前記装置本体に取付けられた伝達用部材とを備え、
前記エプロンは、
前記浴槽本体に対し着脱可能に構成された第一エプロンと、
前記浴槽本体に対し前記第一エプロンが取付けられている状態では前記浴槽本体に対し着脱不能である一方、前記浴槽本体から前記第一エプロンを取外した状態では前記浴槽本体に対し着脱可能に構成された第二エプロンとを有し、
前記装置本体は、前記第二エプロンに取付けられた状態とされていることを特徴とする操作装置。
上記手段2によれば、第一エプロンは、浴槽本体に対し着脱可能に構成されているため、当該第一エプロンを外すことで、浴槽本体や排水管などの点検やメンテナンス等を容易に行うことが可能となる。
また、エプロンは、浴槽本体に対し第一エプロンが取付けられている状態では浴槽本体に対し着脱不能である一方、浴槽本体から第一エプロンを取外した状態では浴槽本体に対し着脱可能な第二エプロンを有しており、装置本体は、第二エプロンに取付けられた状態とされている。従って、点検などを行うべく、エプロンを外そうとした場合、第一エプロンを外さない限り、第二エプロンを外すことができないこととなる。そのため、点検などに際して、第一エプロンよりも先に第二エプロンが外されてしまい、ひいては装置本体に取付けられた伝達用部材が引っ張られてしまうといった事態を効果的に抑制することができる。その結果、伝達用部材自体やこれに取付けられた各種部品における破損や変形をより確実に防止することができる。
加えて、第一エプロンを外した状態では、第二エプロンを外すことができるため、必要に応じて、第二エプロンで覆われている箇所やその近傍の点検等を容易に行うことができる。そのため、点検等に係る作業性を非常に良好なものとすることができる。尚、第一エプロンを外した状態とすれば、作業者は伝達用部材などに気づきやすくなるため、第二エプロンを外す際に、伝達用部材が引っ張られてしまうという事態は生じにくくなる。また、第一エプロンを外すことで生じた開口を利用して、第二エプロンから装置本体を取外したり、装置本体から伝達用部材を分離させたりするといったこともできる。従って、伝達用部材等の破損や変形をより確実に防止するという上述の作用効果は、十分に奏されることとなる。
さらに、上記手段2によれば、周壁部の上端から外周に突出するフランジ部に風呂蓋を置く場合などに、装置本体が邪魔になることはなく、利便性を向上させることができる。また、フランジ部に装置本体を取付けた場合と比較して、装置本体に対する意図しない接触が生じにくくなり、安全性の向上を図ることができる。
手段3.前記装置本体は、前記エプロンの上部において、前記第二エプロンに対し取付けられた状態とされていることを特徴とする手段1又は2に記載の操作装置。
上記手段3によれば、操作部材に手が届きやすくなり、操作性の向上を図ることができる。
尚、フランジ部に手の指をついた上で、当該手のその他の指で操作部材を操作することが可能な位置に装置本体を設けた場合には、操作部材の操作がより容易となり、操作性を一層向上させることができる。
手段4.前記第二エプロンは、前記エプロンにおけるその幅方向端部に位置することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の操作装置。
上記手段4によれば、第二エプロンがエプロンの幅方向端部に位置しているため、装置本体をエプロンの幅方向端部に設けることができる。ここで、エプロンの幅方向端部は、その裏側に位置する浴槽本体と比較的大きく離れた状態であったり、その裏側に浴槽本体が存在していない状態であったりして、その裏側の空間が比較的大きな奥行を有していることが一般的である。従って、装置本体をエプロンの幅方向端部に設けることで、装置本体の配置スペースをより確実に確保することができる。その結果、装置本体の取付やメンテナンス等に係る作業性などを向上させることができる。
また、浴室内においては、エプロンのその幅方向端部と相対する位置にカウンタが配置され、また、当該カウンタの近傍に水栓の操作部やシャワーなどの設備が配置されることがある。従って、このような場合に、カウンタ側へと第二エプロンを設けるとともに、当該第二エプロンへと装置本体を取付けることで、前記カウンタや水栓の操作部などの近傍に、装置本体を配置することができる。つまり、装置本体やカウンタ、水栓の操作部などを一か所に集めることができる。これにより、使用者は、前記カウンタなどを使用している状態で、操作部材を操作することが可能となる。その結果、より良好な利便性を実現することができる。
一方、カウンタ側においては、水栓の操作部やシャワー等の設備に係る各種部材が配置されるため、カウンタ側へと装置本体を取付ける際に、装置本体に係る部材の配置が難しくなってしまうおそれがある。そこで、このような点を考慮して、カウンタとは反対側に位置するエプロンの幅方向端部に第二エプロンを設け、当該第二エプロンへと装置本体を取付けてもよい。この場合には、装置本体や伝達用部材などの配置がすっきりしたものとなり、取付やメンテナンス等に係る作業性などをより向上させることができる。
手段5.前記装置本体は、前記エプロンの幅方向に沿って、前記排水口の形成位置とほぼ同一の位置に配置されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の操作装置。
尚、「ほぼ同一」というのは、装置本体及び排水口がエプロンの幅方向に沿って厳密に同一位置に設けられている場合のみならず、装置本体が排水口に対し前記幅方向に沿って若干ずれている場合も含むという趣旨である。
上記手段5によれば、装置本体は、エプロンの幅方向に沿って排水口の形成位置とほぼ同一の位置に設けられている。従って、伝達用部材を極力短いものとすることができる。その結果、伝達用部材を配設する際の取り回しを容易なものとすることができ、取付作業性などを高めることができる。また、製造コストの低減を図ることができる。さらに、伝達部のより円滑な動作を図ることができ、より良好な操作性を得ることができる。
手段6.前記第二エプロンには、所定のガイド孔が形成されるとともに、
前記操作部材は、外縁形状が少なくとも前記ガイド孔の開口に対応する形状をなす被押圧部を有し、かつ、前記ガイド孔に対し往復移動可能な状態で挿設されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の操作装置。
操作部材を往復移動可能なもの(例えば、押ボタンなど)とする場合には、その移動をガイドするためのガイド部材を用いることがある。ガイド部材は、一端に鍔部を有する筒状をなしており、その内周のガイド孔へと操作部材が配置される。また、ガイド部材は、装置の取付対象に形成された取付孔へと挿設される。ここで、エプロンに装置本体を設ける場合には、エプロン表面に対し直接又は間接的に鍔部が配置された状態で、エプロンに形成された取付孔へとガイド部材が挿設されることとなる。しかしながら、この場合には、鍔部の外周部分に汚れ等が付着してしまいやすくなる。また、ガイド部材を設ける分だけ、製造コストが増大してしまうおそれがある。
この点、上記手段6によれば、第二エプロン自体にガイド孔が形成されており、このガイド孔に対し操作部材が挿設されている。従って、製造コストの低減を図ることができる。また、第二エプロンの表面に鍔部のような突出部分が存在しなくなるため、衛生性や清掃性を高めることができるとともに、外観品質の向上を図ることができる。
手段7.前記排水口を開状態又は閉状態としたときにおいて、前記被押圧部の表面と前記第二エプロンの表面とが面一となるように構成されていることを特徴とする手段6に記載の操作装置。
尚、「面一」とあるのは、被押圧部の表面と第二エプロンの表面との間に隙間や段差が存在していない場合のみならず、両者の間に若干の隙間や段差が存在している場合も含む。
上記手段7によれば、排水口を開状態又は閉状態としたときにおいて、被押圧部の表面と第二エプロンの表面とが面一となるように構成されている。従って、第二エプロンを正面から見たとき、その表面は面一であって、かつ、被押圧部のみが存在しているような状態となる。つまり、非常にすっきりとした外観となる。これにより、外観品質を飛躍的に向上させることができる。
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
本実施形態において、開閉操作部付き浴槽1は、図1及び図2に示すように、浴槽2、排水栓装置3及び操作装置4を備えている。
浴槽2は、貯水空間を有する浴槽本体21と、当該浴槽本体21に取付けられたエプロン22とを備えている。
浴槽本体21は、排水口23が貫通形成された底壁部24と、当該底壁部24の四方を囲うようにして底壁部24の外周に立設された周壁部25と、当該周壁部25の上部から外側に向けて突出形成されたフランジ部26と、当該フランジ部26の外周縁から鉛直下方に向けて垂れ下がるように形成された垂下部27とを具備している。底壁部24及び周壁部25によって、前記貯水空間が形成されている。
エプロン22は、板状をなし、浴槽本体21に対し所定の取付具(図示せず)によって取付けられている。また、エプロン22は、洗い場側(図2の右側)に位置する垂下部27の下方において、当該垂下部27の下端縁と隣接するようにして配置されており、洗い場側から周壁部25の外周面等が視認不能となるように周壁部25の外周面の少なくとも一部を覆っている。
尚、本実施形態において、エプロン22の表面及び垂下部27の表面は面一となっているが、必ずしも面一である必要はない。例えば、垂下部27の表面に対し、エプロン22の表面が洗い場側に出た状態となっていてもよいし、周壁部25側へと引っ込んだ状態となっていてもよい。
さらに、エプロン22は、自身の板厚方向に延びる円形状の貫通孔22Aを有している(図3参照)。尚、エプロン22の詳しい構成については後に説明する。
排水栓装置3は、前記排水口23を開閉するための装置であり、排水口23に対応して設けられている。排水栓装置3は、上下動可能な支持軸を有する支持軸機構31と、前記支持軸の先端部に取付けられた栓蓋32とを備えている。
支持軸機構31における前記支持軸は、後述する伝達部54の他端部と接触可能となっており、伝達部54の往動(操作装置4から排水栓装置3側への移動)に伴い、当該伝達部54により持ち上げられることで上動する。そして、支持軸の上動に伴い栓蓋32が排水口23に挿設された筒状の排水口部材から離間することで、排水口23が開放される。一方、この状態で伝達部54が復動すると、前記支持軸が下動する。前記支持軸の下動に伴い栓蓋32が前記排水口部材へと接触することで、排水口23が閉鎖される。尚、栓蓋32が底壁部24に対し接触又は離間することで、排水口23が開閉されるように構成してもよい。また、排水口23を通過した排水は、筒状の排水管33内へと流れ落ちて排出されることとなる。
操作装置4は、栓蓋32を遠隔操作するために用いられる装置である。操作装置4は、図3に示すように、装置本体41及び伝達用部材42を備えている。
装置本体41は、ガイド部材43及び操作部材としての操作ボタン44などを備えている。
ガイド部材43は、前記貫通孔22Aに挿通された筒状のガイド本体部45と、当該ガイド本体部45の端部から外側に突出形成された矩形鍔状の鍔部46とを備えている。
ガイド本体部45は、自身の中心軸と直交する断面において自身の外周面が円形状をなす一方、自身の中心軸と直交する断面において自身の内側面が矩形状をなすように構成されている。そして、ガイド本体部45の内側面によって、エプロン22の表面側(洗い場側)に開口する正面視矩形状の取付孔47が形成されている。
また、ガイド本体部45の外周には、雄ねじ部48が形成されている。ガイド部材43は、エプロン22の表面側(洗い場側)から貫通孔22Aに挿通された上で、前記雄ねじ部48が内周に雌ねじの形成された環状の取付部材49へと螺合された状態となっている。これにより、取付部材49及び鍔部46によりエプロン22が挟み込まれ、ガイド部材43がエプロン22へと取付けられた状態となっている。
加えて、鍔部46とエプロン22の表面との間には、弾性変形可能な環状のシール部材5が両者に挟まれた状態で配置されている。当該シール部材5によってエプロン22及びガイド部材43間への水の浸入抑制が図られている。また、ガイド部材43における鍔部46とは反対側の端部開口には、弾性変形可能な環状のシール部材6が嵌め込まれている。当該シール部材6によって、ガイド部材43内に入り込んだ水がエプロン22と周壁部25との間の空間へと漏れ出さないようになっている。
操作ボタン44は、エプロン22の表面側(洗い場側)に表出する板状の被押圧部50を備えている。被押圧部50は、外縁形状が少なくとも前記取付孔47の開口に対応する形状をなしており、本実施形態では、矩形状をなしている。
また、操作ボタン44は、取付孔47に挿設されており、ガイド部材43の軸方向に沿って往復移動可能となっている。さらに、操作ボタン44は、前記往復移動方向に沿って圧縮された弾性部材51によって常に復動方向へと付勢された状態となっている。
加えて、操作ボタン44は、排水口23が閉鎖されている状態において、被押圧部50の表面が鍔部46の表面とほぼ面一となった状態で配置されるようになっている。
一方、この状態において、エプロン22の表面側(洗い場側)から被押圧部50を押圧し、操作ボタン44を所定位置を超える位置まで往動させた状態で、被押圧部50に対する押圧力を解除すると、操作ボタン44は、被押圧部50が取付孔47の奥側へと押し込まれた状態で、回転リングや当該回転リングが係止される被係止部等を備えてなるロック機構52によって復動不能な状態でロックされる。
また、操作ボタン44がロックされた状態で、被押圧部50を再度押圧し、操作ボタン44を前記所定位置を超える位置まで往動させると、前記ロック機構52によるロックが解除される。この状態で、被押圧部50に対する押圧力を解除すると、弾性部材51からの付勢力により、操作ボタン44が復動する。そして、操作ボタン44は、被押圧部50の表面が鍔部46の表面とほぼ面一となった状態で停止することとなる。
尚、本実施形態において、操作ボタン44は、ガイド部材43から突出することはなく、常にガイド部材43の内側に配置された状態となっている。そのため、安全性の向上などを図ることができるようになっている。
伝達用部材42は、チューブ部材53と伝達部54とを備えている。
チューブ部材53は、長尺筒状をなしており、一端部が操作装置4(ガイド部材43)に取付けられるとともに、他端部が排水栓装置3に取付けられている。
伝達部54は、例えば、金属製のワイヤーにより構成されており、チューブ部材53の内周において往復移動可能な状態で配置されている。また、伝達部54は、一端部が操作ボタン44に対し接触可能とされ、他端部が支持軸機構31の前記支持軸に対し接触可能とされている。そして、伝達部54は、操作ボタン44の変位に伴い移動することで、前記変位による駆動力を栓蓋32側へと伝達するように構成されている。
具体的には、排水口23が閉鎖されている状態において、被押圧部50の押圧に伴い操作ボタン44が往動すると、操作ボタン44に押される形で伝達部54がチューブ部材53内を往動する。その結果、前記支持軸及び栓蓋32が上動して排水口23が開放される。尚、このとき、操作ボタン44は、前記ロック機構52により復動不能な状態でロックされるため、栓蓋32は所定の上方位置にて停止し、ひいては排水口23が開放された状態で維持される。
一方、排水口23が開放されている状態において、被押圧部50の押圧に伴い操作ボタン44が往動すると、操作ボタン44のロックが解除され、弾性部材51の付勢力により操作ボタン44が復動する。そして、前記支持軸及び栓蓋32が、自重や排水栓装置3に設けられた戻しばね(図示せず)により下動し、ひいては排水口23が閉鎖される。また、前記支持軸の下動に伴い、伝達部54はチューブ部材53内を復動して元の位置に戻ることとなる。
次いで、エプロン22の構成について説明する。図1に示すように、エプロン22は、それぞれ板状をなす第一エプロン61及び第二エプロン62を備えている。
第一エプロン61及び第二エプロン62は、エプロン22の幅方向(図1のX方向)に沿って重ならずに並んだ状態で設けられており、第一エプロン61は、第二エプロン62よりも幅広とされている。
第一エプロン61は、エプロン22におけるその幅方向一端からその幅方向中心を超える位置までの部位を構成している。第一エプロン61は、浴槽本体21や排水栓装置3に接続される排水管(図示せず)などを点検したり、メンテナンスしたりする際に取外される部位であり、例えば、浴槽本体21に対し直接又は間接的に係止されることで、浴槽本体21に対し着脱可能とされている。尚、第一エプロン61は、取付・取外の行いやすい位置にてねじ止めされること等により、浴槽本体21に対し着脱可能であってもよい。
尚、浴槽本体21に対し第一エプロン61を着脱可能とする構成としては種々の手法を採用することができる。例えば、垂下部27の裏側に垂下部27と平行な壁部を設けることにより、フランジ部26の裏側に、フランジ部26、垂下部27及び前記壁部からなる浴槽本体21の幅方向(図1のX方向)に延びる取付用の溝を設け、この溝を利用することにより、浴槽本体21に対し第一エプロン61を着脱可能としてもよい。具体的には、前記溝に対し第一エプロン61を斜めにした状態での第一エプロン61の上部を配置し、その上で、第一エプロン61の下部を周壁部25側へと押し込み、第一エプロン61の下端部を洗い場の床面などに載置することで、浴槽本体21に対し第一エプロン61が取付けられ、一方、第一エプロン61を持ち上げながら第一エプロン61の下部を引くことで、浴槽本体21から第一エプロン61が取外されるように構成することにより、浴槽本体21に対し第一エプロン61を着脱可能としてもよい。
第二エプロン62は、エプロン22におけるその幅方向他端側の部分を構成している。第二エプロン62におけるエプロン22の幅方向中心側に位置する部位の裏側には、浴槽本体21が位置しているが、当該部位から浴槽本体21までの最短距離は、第一エプロン61からその裏側の浴槽本体21までの最短距離よりも大きなものとなっている。また、第二エプロン62におけるエプロン22の幅方向中心とは反対側に位置する部位の裏側には、浴槽本体21が存在しない状態となっている。すなわち、第二エプロン62の裏側の空間は、第一エプロン61の裏側の空間と比べて、より大きな奥行を有している。
また、第二エプロン62は、前記点検時などにおいて特に取外す必要のない部位であり、例えば、取付・取外しの行いにくい位置でのねじ止め、接着などによって、浴槽本体21に対し直接又は間接的に取付けられている。すなわち、第二エプロン62は、浴槽本体21から取外不能に構成されていたり、ある程度の手間や労力をかけない限り浴槽本体21から外れないように構成されていたり(第一エプロン61と比べて、浴槽本体21に対する着脱が行いにくいように構成されていたり)するものであり、浴槽本体21に対し通常は着脱しないように構成されている。
さらに、本実施形態において、前記貫通孔22Aは、第二エプロン62の幅方向中心における上部に形成されている。これにより、装置本体41は、エプロン22の上部において、第二エプロン62に対し取付けられた状態とされている。
また、本実施形態においては、貫通孔22Aは、その中心からフランジ部26の上面までの距離が比較的小さなものとなる位置に形成されており、被押圧部50の中心からフランジ部26の上面までの距離が比較的小さなもの(例えば、100mm以下)となっている。そのため、片手の親指をフランジ部26にかけた(置いた)状態で、当該片手のその他の指(例えば、人差し指や中指)により被押圧部50を押圧する(操作ボタン44を操作する)ことができるようになっている。また、片手における親指以外の指(例えば、人差し指や中指など)をフランジ部26にかけた(置いた)状態で、当該片手の親指により被押圧部50を押圧する(操作ボタン44を操作する)ことも可能となっている。
尚、本実施形態では、洗い場側における、第二エプロン62とは反対側に位置する第一エプロン61の端部側と相対する位置に、図示しないカウンタが配置されている。また、当該カウンタの近傍には、水栓の操作部やシャワーなどの設備が配設されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、第一エプロン61を外すことで、浴槽本体21や排水管などの点検やメンテナンス等を容易に行うことが可能となる。
また、装置本体41は、浴槽本体21に対し通常着脱されない第二エプロン62に対し取付けられた状態とされている。従って、点検などの際に第一エプロン61を外したとしても、装置本体41が移動することはなく、また、装置本体41に取付けられた伝達用部材42が引っ張られてしまうといったこともない。これにより、伝達用部材42自体やこれに取付けられた各種部品における破損や変形をより確実に防止することができる。
さらに、第二エプロン62に装置本体41が取付けられるため、フランジ部26に風呂蓋を置く場合などに、装置本体41が邪魔になることはなく、利便性を向上させることができる。また、フランジ部26に装置本体41を取付けた場合と比較して、装置本体41に対する意図しない接触が生じにくくなり、安全性の向上を図ることができる。
加えて、エプロン22の上部に装置本体41が配置されているため、操作ボタン44に手が届きやすくなり、操作性の向上を図ることができる。特に本実施形態では、フランジ部26に手の指をついた上で、当該手のその他の指で操作ボタン44を操作することが可能であるため、非常に良好な操作性を得ることができる。
さらに、第二エプロン62の裏側の空間は比較的大きな奥行を有しているため、装置本体41の配置スペースをより確実に確保することができる。その結果、装置本体41の取付やメンテナンス等に係る作業性などを向上させることができる。
また、本実施形態によれば、水栓の操作部やシャワー等の設備に係る各種部材から離れた位置に、装置本体41や伝達用部材42などを配置することができ、これらの配置がすっきりしたものとなる。従って、取付やメンテナンス等に係る作業性などをより向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態においては、第二エプロン62は、エプロン22の幅方向他端側に設けられている。これに対し、本第2実施形態における第二エプロン65は、図4に示すように、エプロン22の幅方向中心部に設けられている。そして、図4〜6に示すように、第二エプロン65におけるその幅方向中心に対し、装置本体41が取付けられている。
また、本第2実施形態では、第二エプロン65の幅方向中心と排水口23の中心とが、エプロン22の幅方向(図5のX方向)に沿ってほぼ同一の位置に配置された状態となっている。その結果、装置本体41は、エプロン22の幅方向に沿って排水口23の形成位置とほぼ同一の位置に設けられた状態となっている。尚、「装置本体41は、エプロン22の幅方向に沿って排水口23の形成位置とほぼ同一の位置に設けられる」とあるのは、装置本体41と排水口23とがエプロン22の幅方向に沿って厳密に同一の位置に設けられている場合のみならず、両者がエプロン22の幅方向に沿って若干(例えば、100mm以下)ずれている場合も含む。
加えて、第二エプロン65は、上記第1実施形態と同様に、取付・取外しの行いにくい位置でのねじ止め等により、浴槽本体21に対し通常は着脱しない状態で取付けられている。
さらに、本第2実施形態において、第一エプロン63,64は、第二エプロン65を挟む位置に2つ設けられている。但し、第一エプロン63,64は、上記第1実施形態と同様に、浴槽本体21に対し着脱可能に構成されている。
以上、本第2実施形態によれば、基本的には上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
また、第2実施形態によれば、装置本体41は、エプロン22の幅方向に沿って排水口23の形成位置とほぼ同一の位置に設けられている。そのため、伝達用部材42を極力短いものとすることができる。その結果、伝達用部材42を配設する際の取り回しを容易なものとすることができ、取付作業性などを高めることができる。また、製造コストの低減を図ることができる。さらに、伝達部54のより円滑な動作(移動)を図ることができ、より良好な操作性を得ることができる。
〔第3実施形態〕
次いで、第3実施形態について、上記各実施形態との相違点を中心に説明する。
上記実施形態において、第一エプロン61(63,64)及び第二エプロン62(65)は、エプロン22の幅方向において重ならずに並んだ状態で設けられている。これに対し、本第3実施形態では、図7に示すように、第一エプロン66及び第二エプロン67は、エプロン22の幅方向においてその一部が重なり合った状態で設けられている(図7では、両エプロン66,67の重なり部分を散点模様で示す)。具体的には、第二エプロン67におけるエプロン22の幅方向中心側に位置する端部が、第一エプロン66の裏側(洗い場とは反対側)に配置された状態とされている。尚、第二エプロン67におけるエプロン22の幅方向中心側に位置する端部の表面は、第二エプロン67におけるその他の部位の表面よりも浴槽本体21側に位置しており(つまり、前記端部の表面と前記その他の部位の表面との間には段差が存在しており)、第二エプロン67におけるその他の部位の表面と第一エプロン66の表面とは面一となっている。
また、本第3実施形態において、第一エプロン66は、上記各実施形態と同様に、浴槽本体21に対し着脱可能となっている。一方、第二エプロン67は、上記各実施形態と異なり、例えば、浴槽本体21に対し直接又は間接的に係止されることで、浴槽本体21に対し着脱可能な状態で取付けられている。
但し、上記の通り、第二エプロン67の一部は第一エプロン66と重なった状態である。そのため、浴槽本体21に対し第一エプロン66が取付けられている状態において、第二エプロン67は、浴槽本体21に対し着脱不能となっている。浴槽本体21から第一エプロン66を取外すことで、第二エプロン67は、浴槽本体21に対し着脱可能となる。
尚、浴槽本体21から第一エプロン66を取外すことで、浴槽本体21に対し第二エプロン67が着脱可能となる手法は上記に限定されるものではない。従って、第一エプロン66及び第二エプロン67を重ねることなく、第一エプロン66を取外すことにより生じる開口を利用することで、浴槽本体21に対し第二エプロン67が着脱可能となるように構成してもよい。例えば、第二エプロン67を、前記開口側の位置でねじ止めし(つまり、取付・取外作業の行いやすい位置にてねじ止めし)、第一エプロン66を取外すことにより生じた開口から、第二エプロン67のねじ止めやねじ外しを行うこととしてもよい。
以上、本第3実施形態によれば、第一エプロン66を外すことで、浴槽本体21や排水管などの点検やメンテナンス等を容易に行うことが可能となる。
また、本第3実施形態において、第二エプロン67は、浴槽本体21に対し第一エプロン66が取付けられている状態では浴槽本体21に対し着脱不能である一方、浴槽本体21から第一エプロン66を取外した状態では浴槽本体21に対し着脱可能となっている。従って、点検などを行うべく、エプロン22を外そうとした場合、第一エプロン66を外さない限り、第二エプロン67を外すことができないこととなる。そのため、点検などに際して、第一エプロン66よりも先に第二エプロン67が外されてしまい、ひいては装置本体41に取付けられた伝達用部材42が引っ張られてしまうといった事態を効果的に抑制することができる。その結果、伝達用部材42自体やこれに取付けられた各種部品における破損や変形をより確実に防止することができる。
加えて、第一エプロン66を外した状態では、第二エプロン67を外すことができるため、必要に応じて、第二エプロン67で覆われている箇所やその近傍の点検等を容易に行うことができる。そのため、点検等に係る作業性を非常に良好なものとすることができる。尚、第一エプロン66を外した状態とすれば、作業者は伝達用部材42などに気づきやすくなるため、第二エプロン67を外す際に、伝達用部材42が引っ張られてしまうという事態は生じにくくなる。また、第一エプロン66を外すことで生じた開口を利用して、第二エプロン67から装置本体41を取外したり、装置本体41から伝達用部材42を分離させたりするといったこともできる。従って、伝達用部材42等の破損や変形をより確実に防止するという上述の作用効果は、十分に奏されることとなる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、操作ボタン44は、ガイド部材43の取付孔47に挿設されているが、図8に示すように、第二エプロン62に対し、その板厚方向に延びる窪み状のガイド孔71を形成するとともに、当該ガイド孔71に対し操作ボタン72を挿設し、さらに、排水口23を開状態又は閉状態としたときにおいて、操作ボタン72の被押圧部73の表面と第二エプロン62の表面とが面一となるように構成してもよい。この場合には、ガイド部材43を設ける必要がなくなり、製造コストの低減を図ることができる。また、第二エプロン62の表面に鍔部46のような突出部分が存在しなくなるため、衛生性や清掃性を高めることができるとともに、外観品質の向上を図ることができる。
さらに、排水口23を開状態又は閉状態としたときにおいて、被押圧部73の表面と第二エプロン62の表面とが面一となるため、第二エプロン62を正面から見たとき、その表面は面一であって、かつ、被押圧部73のみが存在しているような状態となる。つまり、非常にすっきりとした外観となる。これにより、外観品質を飛躍的に向上させることができる。
(b)第一エプロンや第二エプロンの形状は上記実施形態で挙げたものに限定されるわけではなく、適宜変更可能である。従って、例えば、図9に示すように、第二エプロン75がエプロン22の最下部に至らない形状となっていてもよい。この場合には、第一エプロン74を取外したときにおいて、点検やメンテナンスを行うことができる範囲をより広げることができる。
また、図10に示すように、第二エプロン77が、点検やメンテナンスを行う際に用いられる貫通孔状の窓部77Aを備えるとともに、第一エプロン76が窓部77Aに対応して配置されるように構成してもよい。この場合、第二エプロン77に対し第一エプロン76を着脱可能に構成することで、浴槽本体21に対し第一エプロン76を着脱可能としてもよい。
さらに、図11に示すように、第一エプロン78及び第二エプロン79が上下に並んだ状態で設けられることとしてもよい。この場合においても、第二エプロン79に対し第一エプロン78を着脱可能に構成することで、浴槽本体21に対し第一エプロン78を着脱可能としてもよい。
尚、第一エプロンや第二エプロンの数に関しても適宜変更可能である。例えば、第一エプロンを複数設けてもよいし、第二エプロンを複数設けてもよい。
(c)上記第1実施形態において、鍔部46は、エプロン22の表面から若干突出した状態となっているが、図12に示すように、エプロン22における貫通孔22Aの周囲に窪み状の凹部22Bを設け、当該凹部22Bに対し鍔部46を配置することで、鍔部46がエプロン22の表面から非突出の状態となるように構成してもよい。例えば、エプロン22の表面(より詳しくは、エプロン22の表面のうち凹部22Bに隣接する部位の表面)から鍔部46の表面にかけて面一となるように構成してもよい(ここで、「面一」とは、厳密な面一のみならず、エプロン22の表面及び鍔部46の表面間に若干の段差や溝などが形成されている場合も含む)。鍔部46をエプロン22の表面から非突出の状態とすることで、良好な美観や安全性の向上を図ることができ、特にエプロン22の表面及び鍔部46の表面を面一とすることで、美観や安全性を一層高めることができる。
また、鍔部46のうち垂下部27側に配置される部位(垂下部27側に延びる部位)は、その外縁に、垂下部27の下端縁に近接又は接触するとともに、前記下端縁と平行な方向に延びる平行辺部46Aを備えることとしてもよい。このように構成した場合には、より良好な美観を得ることができる。
(d)上記第1実施形態では、洗い場側における、第二エプロン62とは反対側に位置する第一エプロン61の端部側と相対する位置に、カウンタが配設され、また、当該カウンタの近傍に、水栓の操作部やシャワーなどの設備が配設されるように構成されている。これに対し、洗い場側における第二エプロン62と相対する位置にカウンタを設けることとしてもよい。この場合には、カウンタや水栓の操作部などの近傍に、装置本体41を配置することができる。つまり、装置本体41やカウンタ、水栓の操作部などを一か所に集めることができる。これにより、使用者は、前記カウンタなどを使用している状態で、操作ボタン44を操作することが可能となる。その結果、より良好な利便性を実現することができる。
(e)装置本体41の配置位置は、上記実施形態で挙げたものに限定されるわけではない。従って、例えば、装置本体41をエプロン22におけるその上下方向中心に配置してもよい。
(f)上記実施形態において、被押圧部50の外縁は正面視矩形状をなしているが、被押圧部50の外縁形状は特に限定されるものではない。従って、被押圧部50の外縁が、被押圧部50の外縁が正面視円形状や正面視楕円形状、正面視多角形状(例えば、六角形状など)等をなすように構成してもよい。また、被押圧部50の外縁形状に合わせて、操作ボタン44の配置される取付孔の形状を適宜変更してもよい。
(g)上記実施形態において、ガイド部材43は、雄ねじ部48が取付部材49へと螺合されることで、エプロン22へと取付けられた状態となっているが、エプロン22に対するガイド部材43の取付手法はこれに限定されるものではない。従って、例えば、ガイド部材43の外周に凸状又は凹状の被係止部を設ける一方、取付部材49に前記被係止部へと係止可能な係止部を設け、前記被係止部に前記係止部が係止され、ガイド部材43及び取付部材49によりエプロン22が挟み込まれた状態となることで、エプロン22に対しガイド部材43が取付けられるように構成してもよい。
(h)排水管33及びガイド部材43に接続され、伝達用部材42が内部に配置される、伝達用部材42よりも大径のガイド管を設けてもよい。尚、ガイド管により、ガイド部材43内に入り込んだ水は排水管33へと流れ落ちることとなり、エプロン22と周壁部25との間の空間への漏水を防止できるため、シール部材6を設ける必要はない。ガイド管を設けることで、伝達用部材42を保護しつつ、排水栓装置3側へと伝達用部材42をより確実に案内することができる。また、上記第3実施形態のように、第一エプロン66を外した状態において第二エプロン67を外すことができるように構成した場合には、ガイド管を設けることで、第一エプロン66を外した後に、伝達用部材42よりも大径のガイド管が目につきやすくなり、ひいては作業者が伝達用部材42の存在により気づきやすくなる。そのため、第二エプロン67を外す際に、伝達用部材42が引っ張られてしまうという事態をさらに生じにくくすることができ、伝達用部材42自体やこれに取付けられた各種部品における破損や変形をより一層確実に防止することができる。